JP2000221305A - 光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並びに表示装置 - Google Patents
光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並びに表示装置Info
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- JP2000221305A JP2000221305A JP11025995A JP2599599A JP2000221305A JP 2000221305 A JP2000221305 A JP 2000221305A JP 11025995 A JP11025995 A JP 11025995A JP 2599599 A JP2599599 A JP 2599599A JP 2000221305 A JP2000221305 A JP 2000221305A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光透過性層の原盤からの剥離を容易に行える
光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並
びに表示装置を提供することにある。 【解決手段】 凹凸パターン14が形成された原盤10
と、基板34と、を用意する第1工程と、原盤10の凹
凸パターン14が形成された面と基板34とを、光透過
性層前駆体32を介して密着させる第2工程と、光透過
性層前駆体32を固化して光透過性層30を形成し、原
盤10を、光透過性層30から剥離する第3工程と、を
含み、原盤10の凹凸パターン14が形成された面に
は、光透過性層前駆体32との密着性の低い低密着性層
16が形成されている。
光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並
びに表示装置を提供することにある。 【解決手段】 凹凸パターン14が形成された原盤10
と、基板34と、を用意する第1工程と、原盤10の凹
凸パターン14が形成された面と基板34とを、光透過
性層前駆体32を介して密着させる第2工程と、光透過
性層前駆体32を固化して光透過性層30を形成し、原
盤10を、光透過性層30から剥離する第3工程と、を
含み、原盤10の凹凸パターン14が形成された面に
は、光透過性層前駆体32との密着性の低い低密着性層
16が形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光が透過する光学
基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並びに
表示装置に関する。
基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並びに
表示装置に関する。
【0002】
【発明の背景】これまでに、複数の微小なレンズが並べ
られて構成されるマイクロレンズアレイが、液晶パネル
などに適用されてきた。マイクロレンズアレイを適用す
ることで、各レンズによって各画素に入射する光が集光
し、表示画面を明るくすることができる。
られて構成されるマイクロレンズアレイが、液晶パネル
などに適用されてきた。マイクロレンズアレイを適用す
ることで、各レンズによって各画素に入射する光が集光
し、表示画面を明るくすることができる。
【0003】マイクロレンズアレイの製造方法として、
特開平3−198003号公報に開示されるように、レ
ンズに対応する曲面が形成された原盤に樹脂を滴下し、
この樹脂を固化して光透過性層を形成し、これを剥離す
ることで、マイクロレンズアレイを製造する方法が知ら
れている。
特開平3−198003号公報に開示されるように、レ
ンズに対応する曲面が形成された原盤に樹脂を滴下し、
この樹脂を固化して光透過性層を形成し、これを剥離す
ることで、マイクロレンズアレイを製造する方法が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造方法によれば、原盤と光透過性層との密着性が高くて
剥離することが難しい。剥離が良好に行えないと、原盤
又は光透過性層が破損するという問題がある。あるい
は、原盤との密着性の低い材料を使用することもできる
が、その場合には材料が限定されてしまう。
造方法によれば、原盤と光透過性層との密着性が高くて
剥離することが難しい。剥離が良好に行えないと、原盤
又は光透過性層が破損するという問題がある。あるい
は、原盤との密着性の低い材料を使用することもできる
が、その場合には材料が限定されてしまう。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するも
ので、その目的は、光透過性層の原盤からの剥離を容易
に行える光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製
造方法並びに表示装置を提供することにある。
ので、その目的は、光透過性層の原盤からの剥離を容易
に行える光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製
造方法並びに表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係る光学
基板の製造方法は、凹凸パターンが形成された原盤を用
意する第1工程と、前記原盤の前記凹凸パターンが形成
された面に、光透過性層前駆体を密着させる第2工程
と、前記光透過性層前駆体を固化して光透過性層を形成
し、前記原盤を、前記光透過性層から剥離する第3工程
と、を含み、前記原盤の前記凹凸パターンが形成された
面には、前記光透過性層前駆体との密着性の低い低密着
性層が形成されている。
基板の製造方法は、凹凸パターンが形成された原盤を用
意する第1工程と、前記原盤の前記凹凸パターンが形成
された面に、光透過性層前駆体を密着させる第2工程
と、前記光透過性層前駆体を固化して光透過性層を形成
し、前記原盤を、前記光透過性層から剥離する第3工程
と、を含み、前記原盤の前記凹凸パターンが形成された
面には、前記光透過性層前駆体との密着性の低い低密着
性層が形成されている。
【0007】これは、要するに、原盤を型として、凹凸
パターンを光透過性層前駆体に転写して光学基板を製造
する方法である。原盤は、一旦製造すればその後、耐久
性の許す限り何度でも使用できるため、2枚目以降の光
学基板の製造工程において省略でき、工程数の減少およ
び低コスト化を図ることができる。
パターンを光透過性層前駆体に転写して光学基板を製造
する方法である。原盤は、一旦製造すればその後、耐久
性の許す限り何度でも使用できるため、2枚目以降の光
学基板の製造工程において省略でき、工程数の減少およ
び低コスト化を図ることができる。
【0008】本発明によれば、原盤に低密着性層が形成
されているので、光透過性層と原盤とが剥離しやすくな
っている。このことにより、原盤又は光透過性層の破損
を防止して、光学基板を製造することができる。
されているので、光透過性層と原盤とが剥離しやすくな
っている。このことにより、原盤又は光透過性層の破損
を防止して、光学基板を製造することができる。
【0009】(2)この製造方法において、前記凹凸パ
ターンは、前記原盤の外周端部を避けて形成されてお
り、前記低密着性層は、前記原盤の前記外周端部に形成
されていてもよい。
ターンは、前記原盤の外周端部を避けて形成されてお
り、前記低密着性層は、前記原盤の前記外周端部に形成
されていてもよい。
【0010】これによれば、凹凸パターンには低密着性
層が形成されていないので、凹凸パターンの光透過性層
前駆体への転写を高精度で行うことができる。それにも
かかわらず、原盤の外周端部に低密着性層が形成されて
いるので、光透過性層と原盤とが剥離しやすくなってい
る。
層が形成されていないので、凹凸パターンの光透過性層
前駆体への転写を高精度で行うことができる。それにも
かかわらず、原盤の外周端部に低密着性層が形成されて
いるので、光透過性層と原盤とが剥離しやすくなってい
る。
【0011】(3)この製造方法において、前記凹凸パ
ターンは、前記原盤の外周端部を避けて形成されてお
り、前記低密着性層は、前記原盤の外周端部の一部に形
成されており、前記第3工程で、前記原盤の外周端部の
前記一部から、前記光透過性層の剥離を開始してもよ
い。
ターンは、前記原盤の外周端部を避けて形成されてお
り、前記低密着性層は、前記原盤の外周端部の一部に形
成されており、前記第3工程で、前記原盤の外周端部の
前記一部から、前記光透過性層の剥離を開始してもよ
い。
【0012】このように、剥離を開始する領域に低密着
性層が形成されているだけでも、光透過性層と原盤との
剥離は容易になる。
性層が形成されているだけでも、光透過性層と原盤との
剥離は容易になる。
【0013】(4)この製造方法において、前記低密着
性層は、前記原盤の前記凹凸パターンが形成された面の
全体に形成されていてもよい。
性層は、前記原盤の前記凹凸パターンが形成された面の
全体に形成されていてもよい。
【0014】(5)この製造方法において、光透過性層
前駆体は親水性であり、前記低密着性層は疎水性であっ
てもよい。
前駆体は親水性であり、前記低密着性層は疎水性であっ
てもよい。
【0015】(6)この製造方法において、光透過性層
前駆体は疎水性であり、前記低密着性層は親水性であっ
てもよい。
前駆体は疎水性であり、前記低密着性層は親水性であっ
てもよい。
【0016】(7)本発明に係る原盤の製造方法は、一
方の面に光透過性層前駆体を密着させ、前記光透過性層
前駆体を固化して光透過性層を形成し、前記光透過性層
を剥離して光学基板を形成するための原盤の製造方法で
あって、基材の一方の面に前記光学基板の表面形状に対
応する凹凸パターンを形成する工程と、前記基材の一方
の面に前記光透過性層前駆体との密着性の低い低密着性
層を形成する工程と、を含む。
方の面に光透過性層前駆体を密着させ、前記光透過性層
前駆体を固化して光透過性層を形成し、前記光透過性層
を剥離して光学基板を形成するための原盤の製造方法で
あって、基材の一方の面に前記光学基板の表面形状に対
応する凹凸パターンを形成する工程と、前記基材の一方
の面に前記光透過性層前駆体との密着性の低い低密着性
層を形成する工程と、を含む。
【0017】これは、要するに、凹凸パターンを光透過
性層前駆体に転写して光学基板を製造するときに使用す
る原盤の製造方法である。原盤は、一旦製造すればその
後、耐久性の許す限り何度でも使用できるため、2枚目
以降の光学基板の製造工程において省略でき、工程数の
減少および低コスト化を図ることができる。
性層前駆体に転写して光学基板を製造するときに使用す
る原盤の製造方法である。原盤は、一旦製造すればその
後、耐久性の許す限り何度でも使用できるため、2枚目
以降の光学基板の製造工程において省略でき、工程数の
減少および低コスト化を図ることができる。
【0018】本発明によれば、原盤に低密着性層が形成
されているので、光透過性層と原盤とが剥離しやすくな
っている。このことにより、原盤又は光透過性層の破損
を防止して、光学基板を製造することができる。
されているので、光透過性層と原盤とが剥離しやすくな
っている。このことにより、原盤又は光透過性層の破損
を防止して、光学基板を製造することができる。
【0019】(8)この製造方法において、前記凹凸パ
ターンを、前記一方の面の外周端部を避けて形成し、前
記低密着性層を、前記外周端部に形成してもよい。
ターンを、前記一方の面の外周端部を避けて形成し、前
記低密着性層を、前記外周端部に形成してもよい。
【0020】これによれば、凹凸パターンには低密着性
層を形成しないので、凹凸パターンの光透過性層前駆体
への転写を高精度で行うことができる。それにもかかわ
らず、原盤の外周端部に低密着性層を形成するので、光
透過性層と原盤とが剥離しやすくなる。
層を形成しないので、凹凸パターンの光透過性層前駆体
への転写を高精度で行うことができる。それにもかかわ
らず、原盤の外周端部に低密着性層を形成するので、光
透過性層と原盤とが剥離しやすくなる。
【0021】(9)この製造方法において、前記凹凸パ
ターンを、前記一方の面の外周端部を避けて形成し、前
記低密着性層を、前記外周端部の一部に形成してもよ
い。
ターンを、前記一方の面の外周端部を避けて形成し、前
記低密着性層を、前記外周端部の一部に形成してもよ
い。
【0022】このように、原盤の外周端部の一部に低密
着性層を形成するだけでも、光透過性層と原盤との剥離
は容易になる。
着性層を形成するだけでも、光透過性層と原盤との剥離
は容易になる。
【0023】(10)この製造方法において、前記低密
着性層を、前記一方の面の全体に形成してもよい。
着性層を、前記一方の面の全体に形成してもよい。
【0024】(11)この製造方法において、前記低密
着性層を疎水性の材料で形成してもよい。
着性層を疎水性の材料で形成してもよい。
【0025】(12)この製造方法において、前記低密
着性層を親水性の材料で形成してもよい。
着性層を親水性の材料で形成してもよい。
【0026】(13)この製造方法において、前記低密
着性層を、金属の下地層上に硫黄化合物を自己集積させ
て形成してもよい。
着性層を、金属の下地層上に硫黄化合物を自己集積させ
て形成してもよい。
【0027】これによれば、硫黄化合物が下地層に強固
に結合するので、耐久性の高い低密着性層を形成するこ
とができる。
に結合するので、耐久性の高い低密着性層を形成するこ
とができる。
【0028】(14)この製造方法において、前記低密
着性層を、フッ素原子を有する化合物をコーティングす
ることにより形成してもよい。
着性層を、フッ素原子を有する化合物をコーティングす
ることにより形成してもよい。
【0029】フッ素原子を有する化合物のコーティング
は、疎水性であるか親水性であるかにかかわらず、光透
過性層前駆体をはじく。
は、疎水性であるか親水性であるかにかかわらず、光透
過性層前駆体をはじく。
【0030】(15)本発明に係る光学基板製造用原盤
は、一方の面に光透過性層前駆体を密着させ、前記光透
過性層前駆体を固化して光透過性層を形成し、前記光透
過性層を剥離して光学基板を形成するための原盤であっ
て、前記一方の面には、前記光学基板の表面形状に対応
する凹凸パターンと、前記光透過性層前駆体との密着性
の低い低密着性層と、が形成されている。
は、一方の面に光透過性層前駆体を密着させ、前記光透
過性層前駆体を固化して光透過性層を形成し、前記光透
過性層を剥離して光学基板を形成するための原盤であっ
て、前記一方の面には、前記光学基板の表面形状に対応
する凹凸パターンと、前記光透過性層前駆体との密着性
の低い低密着性層と、が形成されている。
【0031】本発明に係る光学基板製造用原盤は、光透
過性層前駆体に凹凸パターンを転写して光学基板を製造
するときに使用される。この光学基板製造用原盤は、一
旦製造すればその後、耐久性の許す限り何度でも使用で
きるため、2枚目以降の光学基板の製造工程において省
略でき、工程数の減少および低コスト化を図ることがで
きる。
過性層前駆体に凹凸パターンを転写して光学基板を製造
するときに使用される。この光学基板製造用原盤は、一
旦製造すればその後、耐久性の許す限り何度でも使用で
きるため、2枚目以降の光学基板の製造工程において省
略でき、工程数の減少および低コスト化を図ることがで
きる。
【0032】本発明によれば、光学基板製造用基板に低
密着性層が形成されているので、光学基板製造用原盤と
光透過性層とが剥離しやすくなっている。このことによ
り、光学基板製造用原盤又は光透過性層の破損を防止し
て、光学基板を製造することができる。
密着性層が形成されているので、光学基板製造用原盤と
光透過性層とが剥離しやすくなっている。このことによ
り、光学基板製造用原盤又は光透過性層の破損を防止し
て、光学基板を製造することができる。
【0033】(16)この光学基板製造用原盤におい
て、前記凹凸パターンは、外周端部を避けて形成されて
おり、前記低密着性層は、前記外周端部に形成されてい
てもよい。
て、前記凹凸パターンは、外周端部を避けて形成されて
おり、前記低密着性層は、前記外周端部に形成されてい
てもよい。
【0034】これによれば、凹凸パターンには低密着性
層が形成されていないので、凹凸パターンの光透過性層
前駆体への転写を高精度で行うことができる。それにも
かかわらず、光学基板製造用原盤の外周端部に低密着性
層が形成されているので、光透過性層と光学基板製造用
原盤とが剥離しやすくなっている。
層が形成されていないので、凹凸パターンの光透過性層
前駆体への転写を高精度で行うことができる。それにも
かかわらず、光学基板製造用原盤の外周端部に低密着性
層が形成されているので、光透過性層と光学基板製造用
原盤とが剥離しやすくなっている。
【0035】(17)この光学基板製造用原盤におい
て、前記凹凸パターンは、外周端部を避けて形成されて
おり、前記低密着性層は、前記外周端部の一部に形成さ
れていてもよい。
て、前記凹凸パターンは、外周端部を避けて形成されて
おり、前記低密着性層は、前記外周端部の一部に形成さ
れていてもよい。
【0036】このように、光学基板製造用原盤の外周端
部の一部に低密着性層を形成するだけでも、光透過性層
と光学基板製造用原盤との剥離は容易になる。
部の一部に低密着性層を形成するだけでも、光透過性層
と光学基板製造用原盤との剥離は容易になる。
【0037】(18)この光学基板製造用原盤におい
て、前記低密着性層は、前記一方の面の全体に形成され
ていてもよい。
て、前記低密着性層は、前記一方の面の全体に形成され
ていてもよい。
【0038】(19)この光学基板製造用原盤におい
て、前記低密着性層は疎水性であってもよい。
て、前記低密着性層は疎水性であってもよい。
【0039】(20)この光学基板製造用原盤におい
て、前記低密着性層は親水性であってもよい。
て、前記低密着性層は親水性であってもよい。
【0040】(21)この光学基板製造用原盤におい
て、前記低密着性層は、金属の下地層上に硫黄化合物が
自己集積して構成されていてもよい。
て、前記低密着性層は、金属の下地層上に硫黄化合物が
自己集積して構成されていてもよい。
【0041】これによれば、硫黄化合物が下地層に強固
に結合しているので、低密着性層の耐久性が高くなって
いる。
に結合しているので、低密着性層の耐久性が高くなって
いる。
【0042】(22)この光学基板製造用原盤におい
て、前記低密着性層は、フッ素原子を有する化合物をコ
ーティングすることによって形成されている光学基板製
造用原盤。
て、前記低密着性層は、フッ素原子を有する化合物をコ
ーティングすることによって形成されている光学基板製
造用原盤。
【0043】これによれば、低密着性層は、フッ素原子
を有する化合物のコーティングにより形成されているの
で、疎水性及び親水性のいずれの光透過性層前駆体であ
ってもはじくようになっている。
を有する化合物のコーティングにより形成されているの
で、疎水性及び親水性のいずれの光透過性層前駆体であ
ってもはじくようになっている。
【0044】(23)本発明に係る光学基板は、上記方
法により製造される。
法により製造される。
【0045】(24)本発明に係る表示装置は、上記光
学基板を有する。
学基板を有する。
【0046】(25)この表示装置は、前記光学基板を
マイクロレンズアレイとして有する液晶プロジェクタで
あってもよい。
マイクロレンズアレイとして有する液晶プロジェクタで
あってもよい。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照にして説明する。
について図面を参照にして説明する。
【0048】(第1の実施の形態)図1は、本発明を適
用した第1の実施の形態に係る光学基板製造用原盤を示
す図である。この原盤は、具体的には、1つ又は複数の
光学基板としての1つ又は複数のマイクロレンズアレイ
を製造するために使用される。図2は、図1のII−II線
断面図である。
用した第1の実施の形態に係る光学基板製造用原盤を示
す図である。この原盤は、具体的には、1つ又は複数の
光学基板としての1つ又は複数のマイクロレンズアレイ
を製造するために使用される。図2は、図1のII−II線
断面図である。
【0049】原盤10は、角板状又は円盤状の基材の少
なくとも一方の面に複数の曲面部12と、低密着性層1
6とが形成されたものである。原盤10を構成する基材
として、シリコン又は石英を使用することができる。曲
面部12は、マイクロレンズアレイの個々の凸レンズ
(凹レンズ)の形状が反転した凹状(凸状)をなし、複
数の曲面部12で凹凸パターン14を構成する。曲面部
12の形状が光透過性層前駆体32(図4(A)参照)
に転写されて、レンズが形成される。なお、曲面部12
は、複数行複数列で集合してグループを形成している。
それぞれのグループをなす複数の曲面部12から、一つ
の製品(マイクロレンズアレイ)が形成される。したが
って、原盤10からは、複数の製品(マイクロレンズア
レイ)が同時に形成される。また、凹凸パターン14
は、原盤10の面の中央部に形成して、外周端部を避け
てもよい。
なくとも一方の面に複数の曲面部12と、低密着性層1
6とが形成されたものである。原盤10を構成する基材
として、シリコン又は石英を使用することができる。曲
面部12は、マイクロレンズアレイの個々の凸レンズ
(凹レンズ)の形状が反転した凹状(凸状)をなし、複
数の曲面部12で凹凸パターン14を構成する。曲面部
12の形状が光透過性層前駆体32(図4(A)参照)
に転写されて、レンズが形成される。なお、曲面部12
は、複数行複数列で集合してグループを形成している。
それぞれのグループをなす複数の曲面部12から、一つ
の製品(マイクロレンズアレイ)が形成される。したが
って、原盤10からは、複数の製品(マイクロレンズア
レイ)が同時に形成される。また、凹凸パターン14
は、原盤10の面の中央部に形成して、外周端部を避け
てもよい。
【0050】低密着性層16は、原盤10の凹凸パター
ン14が形成された面に形成されている。低密着性層1
6は、光透過性層前駆体32が固化してなる光透過性層
30(図4(C)参照)との密着性が低い材料からな
る。したがって、原盤16に低密着性層16を形成する
ことで、光透過性層30(図4(C)参照)を、原盤1
6から剥離しやすくなる。例えば、光透過性層前駆体3
2が親水性である場合には、低密着性層16を疎水性と
し、光透過性層前駆体32が疎水性である場合には、低
密着性層16を親水性とすれば、両者の密着性を低くす
ることができる。あるいは、光透過性層前駆体32が親
水性であっても疎水性であっても密着性の低い材料、例
えばフッ素原子を有する化合物で、低密着性層16を形
成してもよい。
ン14が形成された面に形成されている。低密着性層1
6は、光透過性層前駆体32が固化してなる光透過性層
30(図4(C)参照)との密着性が低い材料からな
る。したがって、原盤16に低密着性層16を形成する
ことで、光透過性層30(図4(C)参照)を、原盤1
6から剥離しやすくなる。例えば、光透過性層前駆体3
2が親水性である場合には、低密着性層16を疎水性と
し、光透過性層前駆体32が疎水性である場合には、低
密着性層16を親水性とすれば、両者の密着性を低くす
ることができる。あるいは、光透過性層前駆体32が親
水性であっても疎水性であっても密着性の低い材料、例
えばフッ素原子を有する化合物で、低密着性層16を形
成してもよい。
【0051】低密着性層16は、原盤10の凹凸パター
ン14が形成された面の全面に形成してもよい。あるい
は、曲面部12の内面を避けて低密着性層16を形成し
てもよく、さらに、凹凸パターン14を避けて低密着性
層16を形成してもよい。この場合には、曲面部12の
内面に低密着性層16が形成されないので、光透過性層
前駆体32を曲面部12の形状に合わせて確実に充填す
ることができ、曲面部12の形状を光透過性層前駆体3
2に高い精度で転写することができる。凹凸パターン1
4が原盤10の外周端部を避けて形成されている場合に
は、低密着性層16を原盤10の外周端部に形成するこ
とができる。また、この場合に、低密着性層16を、原
盤10の外周端部の一部にのみ形成してもよい。低密着
性層16を、原盤10の外周端部の一部にのみ形成した
場合には、この低密着性層16が形成された部分から、
原盤10と光透過性層との剥離を開始する。また、低密
着性層16は、原盤10を構成する基材と強固に結合し
ていることが好ましい。こうすることで、低密着性層1
6の耐久性が向上するので、原盤10と光透過性層30
との剥離を何度も繰り返しても、低密着性層16が剥離
しにくくなる。
ン14が形成された面の全面に形成してもよい。あるい
は、曲面部12の内面を避けて低密着性層16を形成し
てもよく、さらに、凹凸パターン14を避けて低密着性
層16を形成してもよい。この場合には、曲面部12の
内面に低密着性層16が形成されないので、光透過性層
前駆体32を曲面部12の形状に合わせて確実に充填す
ることができ、曲面部12の形状を光透過性層前駆体3
2に高い精度で転写することができる。凹凸パターン1
4が原盤10の外周端部を避けて形成されている場合に
は、低密着性層16を原盤10の外周端部に形成するこ
とができる。また、この場合に、低密着性層16を、原
盤10の外周端部の一部にのみ形成してもよい。低密着
性層16を、原盤10の外周端部の一部にのみ形成した
場合には、この低密着性層16が形成された部分から、
原盤10と光透過性層との剥離を開始する。また、低密
着性層16は、原盤10を構成する基材と強固に結合し
ていることが好ましい。こうすることで、低密着性層1
6の耐久性が向上するので、原盤10と光透過性層30
との剥離を何度も繰り返しても、低密着性層16が剥離
しにくくなる。
【0052】原盤10における低密着性層16の形成領
域に、低密着性層16の厚みに応じて、くぼみ、凹部、
溝、段差又は切り欠き等を形成してもよい。こうするこ
とで、低密着性層16の形成されている領域と形成され
ていない領域とが面一となり、段差が形成されない。そ
の結果、光透過性層30の厚みを制約することなく、光
透過性層30と原盤10との剥離をスムーズに行える。
域に、低密着性層16の厚みに応じて、くぼみ、凹部、
溝、段差又は切り欠き等を形成してもよい。こうするこ
とで、低密着性層16の形成されている領域と形成され
ていない領域とが面一となり、段差が形成されない。そ
の結果、光透過性層30の厚みを制約することなく、光
透過性層30と原盤10との剥離をスムーズに行える。
【0053】次に、原盤10の製造方法を説明する。図
3(A)〜図3(E)は、原盤10の凹凸パターン14
を形成する工程を示す図である。
3(A)〜図3(E)は、原盤10の凹凸パターン14
を形成する工程を示す図である。
【0054】まず、図3(A)に示すように、基材20
上にレジスト層22を形成する。基材20は、原盤10
に加工されるもので、角板形状又は円盤状をなす。この
基材20をエッチングして、図2に示すような複数の曲
面部12からなる凹凸パターン14を形成する。そのた
め、基材20は、エッチング可能な材料であれば特に限
定されるものではないが、シリコン又は石英は、エッチ
ングにより高精度の曲面部12の形成が容易であるため
好適である。
上にレジスト層22を形成する。基材20は、原盤10
に加工されるもので、角板形状又は円盤状をなす。この
基材20をエッチングして、図2に示すような複数の曲
面部12からなる凹凸パターン14を形成する。そのた
め、基材20は、エッチング可能な材料であれば特に限
定されるものではないが、シリコン又は石英は、エッチ
ングにより高精度の曲面部12の形成が容易であるため
好適である。
【0055】なお、原盤10における低密着性層16の
形成領域として、低密着性材料を充填するためのくぼみ
等を形成する場合には、これを凹凸パターン14の形成
と同時に形成すれば工程が短縮される。あるいは、この
くぼみ等を、凹凸パターン14の形成前又は形成後に形
成してもよい。
形成領域として、低密着性材料を充填するためのくぼみ
等を形成する場合には、これを凹凸パターン14の形成
と同時に形成すれば工程が短縮される。あるいは、この
くぼみ等を、凹凸パターン14の形成前又は形成後に形
成してもよい。
【0056】レジスト層22を形成する物質としては、
例えば、半導体デバイス製造において一般的に用いられ
ている、クレゾールノボラック系樹脂に感光剤としてジ
アゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジ
ストをそのまま利用できる。ここで、ポジ型のレジスト
とは、所定のパターンに応じて放射線等のエネルギー線
に暴露することにより、放射線によって暴露された領域
が現像液により選択的に除去可能となる物質のことであ
る。レジスト層22を形成する方法としては、スピンコ
ート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコ
ート法、バーコート法等の方法を用いることが可能であ
る。
例えば、半導体デバイス製造において一般的に用いられ
ている、クレゾールノボラック系樹脂に感光剤としてジ
アゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジ
ストをそのまま利用できる。ここで、ポジ型のレジスト
とは、所定のパターンに応じて放射線等のエネルギー線
に暴露することにより、放射線によって暴露された領域
が現像液により選択的に除去可能となる物質のことであ
る。レジスト層22を形成する方法としては、スピンコ
ート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコ
ート法、バーコート法等の方法を用いることが可能であ
る。
【0057】次に、図3(B)に示すように、マスク2
4をレジスト層22の上方に配置し、マスク24を介し
てレジスト層22の所定領域のみを放射線(エネルギー
線)26によって暴露する。
4をレジスト層22の上方に配置し、マスク24を介し
てレジスト層22の所定領域のみを放射線(エネルギー
線)26によって暴露する。
【0058】マスク24は、曲面部12の形成に必要と
される領域において、放射線26が透過するようにパタ
ーン形成されたものである。また、凹凸パターン14の
形成と同時に、低密着性層16の形成領域にくぼみ等を
形成する場合には、その領域にも放射線26が透過して
もよい。放射線としては波長200nm〜500nmの
領域の光を用いることが好ましい。この波長領域の光の
利用は、液晶パネルの製造プロセス等で確立されている
フォトリソグラフィの技術及びそれに利用されている設
備の利用が可能となり、低コスト化を図ることができ
る。
される領域において、放射線26が透過するようにパタ
ーン形成されたものである。また、凹凸パターン14の
形成と同時に、低密着性層16の形成領域にくぼみ等を
形成する場合には、その領域にも放射線26が透過して
もよい。放射線としては波長200nm〜500nmの
領域の光を用いることが好ましい。この波長領域の光の
利用は、液晶パネルの製造プロセス等で確立されている
フォトリソグラフィの技術及びそれに利用されている設
備の利用が可能となり、低コスト化を図ることができ
る。
【0059】そして、レジスト層22を放射線26によ
って暴露した後に所定の条件により現像処理を行うと、
図3(C)に示すように、放射線26の暴露領域28に
おいて、レジスト層22の一部が選択的に除去されて基
材20の表面が露出する。また、凹凸パターン14の形
成と同時に、低密着性層16の形成領域にくぼみ等を形
成する場合には、その領域においても基材20の表面が
露出する。そして、これら以外の領域はレジスト層22
により覆われたままの状態となる。
って暴露した後に所定の条件により現像処理を行うと、
図3(C)に示すように、放射線26の暴露領域28に
おいて、レジスト層22の一部が選択的に除去されて基
材20の表面が露出する。また、凹凸パターン14の形
成と同時に、低密着性層16の形成領域にくぼみ等を形
成する場合には、その領域においても基材20の表面が
露出する。そして、これら以外の領域はレジスト層22
により覆われたままの状態となる。
【0060】こうしてレジスト層22がパターン化され
ると、図3(D)に示すように、このレジスト層22を
マスクとして基材20を所定の深さエッチングする。詳
しくは、基材20におけるレジスト層22から露出した
領域に対して、どの方向にもエッチングが進む等方性エ
ッチングを行う。例えば、ウエットエッチングを適用し
て、化学溶液(エッチング液)に基材20を浸すこと
で、等方性エッチングを行うことができる。基材20と
して石英を用いた場合には、エッチング液として、例え
ば、沸酸と沸化アンモニウムを混合した水溶液(バッフ
ァード沸酸)を用いてエッチングを行う。等方性エッチ
ングを行うことで、基材20には、凹状の曲面部12が
形成される。
ると、図3(D)に示すように、このレジスト層22を
マスクとして基材20を所定の深さエッチングする。詳
しくは、基材20におけるレジスト層22から露出した
領域に対して、どの方向にもエッチングが進む等方性エ
ッチングを行う。例えば、ウエットエッチングを適用し
て、化学溶液(エッチング液)に基材20を浸すこと
で、等方性エッチングを行うことができる。基材20と
して石英を用いた場合には、エッチング液として、例え
ば、沸酸と沸化アンモニウムを混合した水溶液(バッフ
ァード沸酸)を用いてエッチングを行う。等方性エッチ
ングを行うことで、基材20には、凹状の曲面部12が
形成される。
【0061】エッチングの完了後に、図3(E)に示す
ように、レジスト層22を除去すると、基材20に曲面
部12が形成されている。また、前述したように低密着
性層16の形成領域となるようにくぼみ等を形成してお
くこともできる。
ように、レジスト層22を除去すると、基材20に曲面
部12が形成されている。また、前述したように低密着
性層16の形成領域となるようにくぼみ等を形成してお
くこともできる。
【0062】なお、本実施の形態では、レジスト層22
を基材20のエッチングにおけるマスク材として利用し
たが、基材20とレジスト層22の間にエッチングのマ
スク材として利用するための層(エッチングマスク層)
を設け、これにレジスト層22のパターンを転写してエ
ッチングにおけるマスク材として利用してもよい。エッ
チングマスク層は、基材を所定の深さエッチングする
間、非エッチング領域を覆うことが可能なものであれば
特に限定されるものではなく、又、感光性が付与される
必要はなく、例えば、基材として石英を用いた場合に
は、Pt、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、T
i、W、Mo、Al、Si等が利用できる。
を基材20のエッチングにおけるマスク材として利用し
たが、基材20とレジスト層22の間にエッチングのマ
スク材として利用するための層(エッチングマスク層)
を設け、これにレジスト層22のパターンを転写してエ
ッチングにおけるマスク材として利用してもよい。エッ
チングマスク層は、基材を所定の深さエッチングする
間、非エッチング領域を覆うことが可能なものであれば
特に限定されるものではなく、又、感光性が付与される
必要はなく、例えば、基材として石英を用いた場合に
は、Pt、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、T
i、W、Mo、Al、Si等が利用できる。
【0063】次に、低密着性層16の形成方法を説明す
る。低密着性層16は、光透過性層前駆体32(図4
(A)参照)をはじく材料で形成される。例えば、光透
過性層前駆体32が親水性であれば、シリコン等の疎水
性材料で低密着性層16を形成する。光透過性層前駆体
32が疎水性であれば、金属やSiO2等の親水性材料
で低密着性層16を形成する。あるいは、フッ素原子を
有する化合物をコーティングすることにより低密着性層
16を形成すれば、光透過性層層前駆体が親水性及び疎
水性のいずれであってもはじくようになる。例えば、原
盤10がシリコン系の材料で形成されている場合には、
フッ素原子を有するシランカップリング剤で表面処理を
行うことで、強固な低密着性層16を形成することがで
きる。
る。低密着性層16は、光透過性層前駆体32(図4
(A)参照)をはじく材料で形成される。例えば、光透
過性層前駆体32が親水性であれば、シリコン等の疎水
性材料で低密着性層16を形成する。光透過性層前駆体
32が疎水性であれば、金属やSiO2等の親水性材料
で低密着性層16を形成する。あるいは、フッ素原子を
有する化合物をコーティングすることにより低密着性層
16を形成すれば、光透過性層層前駆体が親水性及び疎
水性のいずれであってもはじくようになる。例えば、原
盤10がシリコン系の材料で形成されている場合には、
フッ素原子を有するシランカップリング剤で表面処理を
行うことで、強固な低密着性層16を形成することがで
きる。
【0064】あるいは、光透過性層前駆体32がアクリ
ル系樹脂である場合には、金属膜を形成してもよい。
ル系樹脂である場合には、金属膜を形成してもよい。
【0065】または、基材20上に金属の下地層を形成
し、この下地層を構成する金属上に光透過性層前駆体3
2をはじく硫黄化合物を自己集積させて低密着性層16
を構成してもよい。金属の下地層(以下金属層という)
を形成する材料としては、金(Au)、銀(Ag)、銅
(Cu)、インジウム(In)等が利用できる。金属層
の膜厚は、この上に硫黄化合物を自己集積させて固定す
るための下地層であるため、一般に、100〜2000
オングストローム(10-10m)程度の厚みがあればよ
い。金属層の形成方法としては、スパッタリング、蒸
着、CVD、無電解メッキ法等を用いることが可能であ
る。なお、基材20と金属層との密着性を高めるため
に、例えば、チタン(Ti)、クロム(Cr)等で構成
される中間層を設けてもよい。
し、この下地層を構成する金属上に光透過性層前駆体3
2をはじく硫黄化合物を自己集積させて低密着性層16
を構成してもよい。金属の下地層(以下金属層という)
を形成する材料としては、金(Au)、銀(Ag)、銅
(Cu)、インジウム(In)等が利用できる。金属層
の膜厚は、この上に硫黄化合物を自己集積させて固定す
るための下地層であるため、一般に、100〜2000
オングストローム(10-10m)程度の厚みがあればよ
い。金属層の形成方法としては、スパッタリング、蒸
着、CVD、無電解メッキ法等を用いることが可能であ
る。なお、基材20と金属層との密着性を高めるため
に、例えば、チタン(Ti)、クロム(Cr)等で構成
される中間層を設けてもよい。
【0066】また、硫黄化合物としては、チオール化合
物が好ましい。ここで、チオール化合物とは、メルカブ
ト基(−SH)を持つ有機化合物(R−SH;Rはアル
キル基等の炭化水素基)の総称をいう。このようなチオ
ール化合物の中で、例えば、 CnF2n+1CmH2mSH (n,mは自然数) で表されるフッ素原子(F)を持つ化合物は、光透過性
層前駆体32をはじくので好ましい。このようなチオー
ル化合物を、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタ
ン等の有機溶剤に溶かして0.1〜10mM程度の溶液
とする。そして、金属層を形成した基材20をこの溶液
に浸漬すると、チオール化合物が金属層に自発的に集合
して、金属層を構成する原子とチオール化合物を構成す
る硫黄原子(S)とが共有結合的に結合し、金属層上に
チオール化合物の緻密な単分子層が強固に形成される。
なお、硫黄化合物としては、チオール化合物以外にジス
ルフィド結合(S−S結合)を持つ有機化合物(R1−
S−S−R2;R1,R2は、アルキル基等の炭化水素
基)等も利用できる。
物が好ましい。ここで、チオール化合物とは、メルカブ
ト基(−SH)を持つ有機化合物(R−SH;Rはアル
キル基等の炭化水素基)の総称をいう。このようなチオ
ール化合物の中で、例えば、 CnF2n+1CmH2mSH (n,mは自然数) で表されるフッ素原子(F)を持つ化合物は、光透過性
層前駆体32をはじくので好ましい。このようなチオー
ル化合物を、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタ
ン等の有機溶剤に溶かして0.1〜10mM程度の溶液
とする。そして、金属層を形成した基材20をこの溶液
に浸漬すると、チオール化合物が金属層に自発的に集合
して、金属層を構成する原子とチオール化合物を構成す
る硫黄原子(S)とが共有結合的に結合し、金属層上に
チオール化合物の緻密な単分子層が強固に形成される。
なお、硫黄化合物としては、チオール化合物以外にジス
ルフィド結合(S−S結合)を持つ有機化合物(R1−
S−S−R2;R1,R2は、アルキル基等の炭化水素
基)等も利用できる。
【0067】これによれば、緻密で強固に一体化した、
光透過性層前駆体32をはじく低密着性層16を、基材
20上に容易に形成することができる。
光透過性層前駆体32をはじく低密着性層16を、基材
20上に容易に形成することができる。
【0068】こうして、凹凸パターン14及び低密着性
層16が形成された原盤10を得ることができる。原盤
10は、本実施の形態では、一旦製造すればその後、耐
久性の許す限り何度でも使用できるため経済的である。
また、原盤10の製造工程は、2枚目以降のマイクロレ
ンズアレイの製造工程において省略でき、工程数の減少
および低コスト化を図ることができる。
層16が形成された原盤10を得ることができる。原盤
10は、本実施の形態では、一旦製造すればその後、耐
久性の許す限り何度でも使用できるため経済的である。
また、原盤10の製造工程は、2枚目以降のマイクロレ
ンズアレイの製造工程において省略でき、工程数の減少
および低コスト化を図ることができる。
【0069】上記工程では、基材20に曲面部12を形
成するに際し、ポジ型のレジストを用いたが、放射線に
暴露された領域が現像液に対して不溶化し、放射線に暴
露されていない領域が現像液により選択的に除去可能と
なるネガ型のレジストを用いても良く、この場合には、
上記マスク20とはパターンが反転したマスクが用いら
れる。あるいは、マスクを使用せずに、レーザ光あるい
は電子線によって直接レジストをパターン状に暴露して
も良い。
成するに際し、ポジ型のレジストを用いたが、放射線に
暴露された領域が現像液に対して不溶化し、放射線に暴
露されていない領域が現像液により選択的に除去可能と
なるネガ型のレジストを用いても良く、この場合には、
上記マスク20とはパターンが反転したマスクが用いら
れる。あるいは、マスクを使用せずに、レーザ光あるい
は電子線によって直接レジストをパターン状に暴露して
も良い。
【0070】次に、上述した原盤10を用いて光学基板
としてのマイクロレンズアレイを製造する方法を、図4
(A)〜図4(D)を参照して説明する。
としてのマイクロレンズアレイを製造する方法を、図4
(A)〜図4(D)を参照して説明する。
【0071】図4(A)に示すように、光透過性層前駆
体32を、原盤10における曲面部12が形成された面
の中央部又はその付近に載せる。そして、光透過性層前
駆体32を介して、基板34と原盤10とを密着させる
ことにより、図4(B)に示すように、光透過性層前駆
体32を所定領域まで塗り拡げる。低密着性層16が原
盤10の外周端部に形成されている場合には、光透過性
層前駆体32が低密着性層16上に接触するまでこれを
塗り拡げる。そして、図4(C)に示すように、原盤1
0と基板34の間に光透過性層前駆体32からなる層を
形成する。この層は、固化されると光透過性層30とな
る。
体32を、原盤10における曲面部12が形成された面
の中央部又はその付近に載せる。そして、光透過性層前
駆体32を介して、基板34と原盤10とを密着させる
ことにより、図4(B)に示すように、光透過性層前駆
体32を所定領域まで塗り拡げる。低密着性層16が原
盤10の外周端部に形成されている場合には、光透過性
層前駆体32が低密着性層16上に接触するまでこれを
塗り拡げる。そして、図4(C)に示すように、原盤1
0と基板34の間に光透過性層前駆体32からなる層を
形成する。この層は、固化されると光透過性層30とな
る。
【0072】ここでは、光透過性層前駆体32を原盤1
0上に載せたが、基板34に載せるか、原盤10及び基
板34の両方に載せてもよい。また、原盤10及び基板
34のいずれか一方、または、両方に、予め光透過性層
前駆体32を所定領域まで塗り拡げてもよい。
0上に載せたが、基板34に載せるか、原盤10及び基
板34の両方に載せてもよい。また、原盤10及び基板
34のいずれか一方、または、両方に、予め光透過性層
前駆体32を所定領域まで塗り拡げてもよい。
【0073】また、必要に応じて、原盤10と基板34
とを光透過性層前駆体32を介して密着させる際に、原
盤10及び基板34の少なくともいずれか一方を介して
光透過性層前駆体32を加圧しても良い。加圧すること
で、光透過性層前駆体32が所定領域まで塗れ拡がる時
間を短縮できることで作業性が向上し、かつ、光透過性
層前駆体32の曲面部12への充填が確実となる。
とを光透過性層前駆体32を介して密着させる際に、原
盤10及び基板34の少なくともいずれか一方を介して
光透過性層前駆体32を加圧しても良い。加圧すること
で、光透過性層前駆体32が所定領域まで塗れ拡がる時
間を短縮できることで作業性が向上し、かつ、光透過性
層前駆体32の曲面部12への充填が確実となる。
【0074】ここで、光透過性層前駆体32は、液状あ
るいは液状化可能な物質であることが好ましい。このよ
うな物質は、低粘性の状態で取り扱うことが可能であ
り、原盤10上の曲面部12の内部又は曲面部12間へ
充填することが容易である。特に、常温、常圧下におい
て液状のものは省設備コスト化が容易であるため好適で
ある。液状の物質としては、エネルギーの付与により硬
化可能な物質が利用でき、液状化可能な物質としては、
可塑性を有する物質が利用できる。
るいは液状化可能な物質であることが好ましい。このよ
うな物質は、低粘性の状態で取り扱うことが可能であ
り、原盤10上の曲面部12の内部又は曲面部12間へ
充填することが容易である。特に、常温、常圧下におい
て液状のものは省設備コスト化が容易であるため好適で
ある。液状の物質としては、エネルギーの付与により硬
化可能な物質が利用でき、液状化可能な物質としては、
可塑性を有する物質が利用できる。
【0075】また、光透過性層前駆体32は、光透過性
層30を形成した際に、光透過性等の要求される特性を
有するものであれば特に限定されるものではないが、樹
脂を使用することができる。樹脂は、エネルギー硬化性
を有するもの、あるいは可塑性を有するものが容易に得
られるので好適である。
層30を形成した際に、光透過性等の要求される特性を
有するものであれば特に限定されるものではないが、樹
脂を使用することができる。樹脂は、エネルギー硬化性
を有するもの、あるいは可塑性を有するものが容易に得
られるので好適である。
【0076】エネルギー硬化性を有する樹脂としては、
光及び熱の少なくともいずれかー方の付与により硬化可
能であることが望ましい。光や熱の利用は、汎用の露光
装置、ベイク炉やホットプレート等の加熱装置を利用す
ることができ、省設備コスト化を図ることが可能であ
る。
光及び熱の少なくともいずれかー方の付与により硬化可
能であることが望ましい。光や熱の利用は、汎用の露光
装置、ベイク炉やホットプレート等の加熱装置を利用す
ることができ、省設備コスト化を図ることが可能であ
る。
【0077】このようなエネルギー硬化性を有する樹脂
としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、
メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が利用できる。特
に、アクリル系樹脂は、市販品の様々な前駆体や感光剤
(光重合開始剤)を利用することで、光の照射で短時間
に硬化するものが容易に得られるため好適である。
としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、
メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が利用できる。特
に、アクリル系樹脂は、市販品の様々な前駆体や感光剤
(光重合開始剤)を利用することで、光の照射で短時間
に硬化するものが容易に得られるため好適である。
【0078】光硬化性のアクリル系樹脂の基本組成の具
体例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モノマ
ー、光重合開始剤があげられる。
体例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モノマ
ー、光重合開始剤があげられる。
【0079】プレポリマーまたはオリゴマーとしては、
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメ
タクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリ
エーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利
用できる。
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメ
タクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリ
エーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利
用できる。
【0080】モノマーとしては、例えば、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアク
リレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の
二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが
利用できる。
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアク
リレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の
二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが
利用できる。
【0081】光重合開始剤としては、例えば、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフ
ェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イ
ソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブ
チルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセト
フェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェ
ノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノ
ン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、
N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチル
ケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアル
キルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2
−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オ
キシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2
−クロロチオキサントン等のキサントン類、ミヒラーケ
トン、ベンジルメチルケタール等のラジカル発生化合物
が利用できる。
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフ
ェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イ
ソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブ
チルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセト
フェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェ
ノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノ
ン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、
N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチル
ケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアル
キルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2
−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オ
キシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2
−クロロチオキサントン等のキサントン類、ミヒラーケ
トン、ベンジルメチルケタール等のラジカル発生化合物
が利用できる。
【0082】なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害
を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、塗
布を容易にする目的で溶剤成分を添加してもよい。溶剤
成分としては、特に限定されるものではなく、種々の有
機溶剤、例えば、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エト
キシエチルプロピオネート、エチルラクテート、エチル
ピルビネート、メチルアミルケトン等が利用可能であ
る。
を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、塗
布を容易にする目的で溶剤成分を添加してもよい。溶剤
成分としては、特に限定されるものではなく、種々の有
機溶剤、例えば、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エト
キシエチルプロピオネート、エチルラクテート、エチル
ピルビネート、メチルアミルケトン等が利用可能であ
る。
【0083】これらの物質によれば、高精度のエッチン
グが可能な点で原盤10の材料として優れているシリコ
ン又は石英からの離型性が良好であるため好適である。
グが可能な点で原盤10の材料として優れているシリコ
ン又は石英からの離型性が良好であるため好適である。
【0084】また、可塑性を有する樹脂としては、例え
ば、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂等の熱可
塑性を有する樹脂が利用できる。このような樹脂を軟化
点温度以上に加温することにより可塑化させて液状と
し、図4(C)に示すように、原盤10と基板34との
間に挟み込んで層を形成する。
ば、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂等の熱可
塑性を有する樹脂が利用できる。このような樹脂を軟化
点温度以上に加温することにより可塑化させて液状と
し、図4(C)に示すように、原盤10と基板34との
間に挟み込んで層を形成する。
【0085】光透過性層前駆体32を介して原盤10と
基板34を密着させることで、光透過性層前駆体32
は、原盤10の曲面部12に対応する形状になる。つま
り、光透過性層前駆体32に、複数の曲面部12からな
る凹凸パターン14を転写することができる。
基板34を密着させることで、光透過性層前駆体32
は、原盤10の曲面部12に対応する形状になる。つま
り、光透過性層前駆体32に、複数の曲面部12からな
る凹凸パターン14を転写することができる。
【0086】そして、光透過性層前駆体32に応じた固
化(硬化)処理を施す。例えば、光硬化性の樹脂を用い
た場合であれば、所定の条件で光を照射する。これによ
り光透過性層前駆体32を固化させて、図4(C)に示
すように、光透過性層30を形成することができる。な
お、光硬化性の物質にて光透過性層30を形成するとき
には、基板34及び原盤10のうち少なくとも一方が、
光透過性を有することが必要となる。あるいは、軟化点
温度以上に加温した可塑化した樹脂を光透過性層前駆体
32として使用する場合には、冷却することにより固化
させることができる。
化(硬化)処理を施す。例えば、光硬化性の樹脂を用い
た場合であれば、所定の条件で光を照射する。これによ
り光透過性層前駆体32を固化させて、図4(C)に示
すように、光透過性層30を形成することができる。な
お、光硬化性の物質にて光透過性層30を形成するとき
には、基板34及び原盤10のうち少なくとも一方が、
光透過性を有することが必要となる。あるいは、軟化点
温度以上に加温した可塑化した樹脂を光透過性層前駆体
32として使用する場合には、冷却することにより固化
させることができる。
【0087】基板34としては、マイクロレンズアレイ
として要求される光透過性等の光学的な物性や、機械的
強度等の特性を満足するものであれば特に限定されるも
のではなく、例えば、石英やガラス、あるいは、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリ
レート、アモルファスポリオレフィン等のプラスチック
製の基板あるいはフィルムを利用することが可能であ
る。
として要求される光透過性等の光学的な物性や、機械的
強度等の特性を満足するものであれば特に限定されるも
のではなく、例えば、石英やガラス、あるいは、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリ
レート、アモルファスポリオレフィン等のプラスチック
製の基板あるいはフィルムを利用することが可能であ
る。
【0088】次いで、図4(D)に示すように、原盤1
0から光透過性層30及び基板34を剥離する。ここ
で、原盤10には、低密着性層16が形成されているの
で、原盤10と光透過性層30との剥離を容易に行うこ
とができる。低密着性層16が原盤10の一方の面の全
面に形成されておらず、原盤10の外周端部にのみ形成
されていても、原盤10の外周端部から剥離を開始すれ
ば容易に剥離を行うことができる。低密着性層16が原
盤10の外周端部の一部のみに形成されている場合に
は、この低密着性層16が形成された部分から剥離を開
始する。そうすることで、原盤10の外周端部に連続的
に低密着性層16が形成されている場合と同様に、容易
に剥離を行うことができる。
0から光透過性層30及び基板34を剥離する。ここ
で、原盤10には、低密着性層16が形成されているの
で、原盤10と光透過性層30との剥離を容易に行うこ
とができる。低密着性層16が原盤10の一方の面の全
面に形成されておらず、原盤10の外周端部にのみ形成
されていても、原盤10の外周端部から剥離を開始すれ
ば容易に剥離を行うことができる。低密着性層16が原
盤10の外周端部の一部のみに形成されている場合に
は、この低密着性層16が形成された部分から剥離を開
始する。そうすることで、原盤10の外周端部に連続的
に低密着性層16が形成されている場合と同様に、容易
に剥離を行うことができる。
【0089】光透過性層30は、原盤10の凹状(凸
状)の曲面部12に対応して、複数の凸状(凹状)の曲
面部36が形成されており、これがレンズとなって、マ
イクロレンズアレイ1となる。上述したように、原盤1
0は、複数の製品を製造するものである。マイクロレン
ズアレイ1は、複数の製品が一体化されたものなので、
個片に切断して個々の製品が得られる。
状)の曲面部12に対応して、複数の凸状(凹状)の曲
面部36が形成されており、これがレンズとなって、マ
イクロレンズアレイ1となる。上述したように、原盤1
0は、複数の製品を製造するものである。マイクロレン
ズアレイ1は、複数の製品が一体化されたものなので、
個片に切断して個々の製品が得られる。
【0090】なお、光透過性層30単独で、マイクロレ
ンズアレイとして要求される機械的強度等の特性を満足
することが可能であれば、基板34は不要であるから、
基板34を光透過性層30から剥離してもよい。この剥
離工程は、原盤10から光透過性層30を剥離する前で
あっても、その後であってもよい。
ンズアレイとして要求される機械的強度等の特性を満足
することが可能であれば、基板34は不要であるから、
基板34を光透過性層30から剥離してもよい。この剥
離工程は、原盤10から光透過性層30を剥離する前で
あっても、その後であってもよい。
【0091】本実施の形態は、要するに、曲面部12を
有する原盤10を製品ごとに用いて、レンズとなる曲面
部12を有するマイクロレンズアレイ1を形成する方法
である。これによれば、高価な原盤10を繰り返して使
用できるので、マイクロレンズアレイ1の製造コストを
低減することができる。
有する原盤10を製品ごとに用いて、レンズとなる曲面
部12を有するマイクロレンズアレイ1を形成する方法
である。これによれば、高価な原盤10を繰り返して使
用できるので、マイクロレンズアレイ1の製造コストを
低減することができる。
【0092】また、本実施の形態では、低密着性層16
によって原盤10と光透過性層30との剥離を容易に行
えるので、原盤10又はマイクロレンズアレイ1の不良
をなくすことができる。
によって原盤10と光透過性層30との剥離を容易に行
えるので、原盤10又はマイクロレンズアレイ1の不良
をなくすことができる。
【0093】(第2の実施の形態)図5は、本発明を適
用した第2の実施の形態に係る光学基板製造用原盤を示
す図である。図6は、図5のVI−VI線断面図である。原
盤40は、複数の凸状の曲面部42が形成されている。
この曲面部42は、図1及び図2に示す曲面部12の反
転形状をなしている。複数の曲面部42によって凹凸パ
ターン44が形成されている。また、原盤40には、低
密着性層46が形成されている。低密着性層46につい
ては、原盤10の低密着性層16と同じであるので説明
を省略する。
用した第2の実施の形態に係る光学基板製造用原盤を示
す図である。図6は、図5のVI−VI線断面図である。原
盤40は、複数の凸状の曲面部42が形成されている。
この曲面部42は、図1及び図2に示す曲面部12の反
転形状をなしている。複数の曲面部42によって凹凸パ
ターン44が形成されている。また、原盤40には、低
密着性層46が形成されている。低密着性層46につい
ては、原盤10の低密着性層16と同じであるので説明
を省略する。
【0094】図7(A)〜図7(E)は、本実施の形態
に係る光学基板製造用原盤の製造方法を説明する図であ
る。まず、図7(A)に示すように、基材50上にレジ
スト層52を形成する。この工程並びに基材50及びレ
ジスト層52の材料については、第1の実施の形態(図
3(A)参照)と同様である。
に係る光学基板製造用原盤の製造方法を説明する図であ
る。まず、図7(A)に示すように、基材50上にレジ
スト層52を形成する。この工程並びに基材50及びレ
ジスト層52の材料については、第1の実施の形態(図
3(A)参照)と同様である。
【0095】次に、図7(B)に示すように、マスク5
4をレジスト層52の上に配置し、マスク54を介して
レジスト層52の所定領域のみを放射線26によって暴
露する。マスク54は、曲面部42の形成に必要とされ
る領域において、放射線26が透過しないようにパター
ン形成されたものである。
4をレジスト層52の上に配置し、マスク54を介して
レジスト層52の所定領域のみを放射線26によって暴
露する。マスク54は、曲面部42の形成に必要とされ
る領域において、放射線26が透過しないようにパター
ン形成されたものである。
【0096】そして、レジスト層52を放射線26によ
って暴露した後に所定の条件により現像処理を行うと、
図7(C)に示すように、放射線26の暴露領域56に
おいて、レジスト層52が選択的に除去されて基材50
の表面が露出し、それ以外の領域はレジスト層52によ
り覆われたままの状態となる。
って暴露した後に所定の条件により現像処理を行うと、
図7(C)に示すように、放射線26の暴露領域56に
おいて、レジスト層52が選択的に除去されて基材50
の表面が露出し、それ以外の領域はレジスト層52によ
り覆われたままの状態となる。
【0097】こうしてレジスト層52がパターン化され
ると、リフロー工程で、レジスト層52を加熱する。そ
して、レジスト層52が熱により溶融されると、表面張
力により、図7(D)に示すようにレジスト層52の表
面は、曲面形状をなす。
ると、リフロー工程で、レジスト層52を加熱する。そ
して、レジスト層52が熱により溶融されると、表面張
力により、図7(D)に示すようにレジスト層52の表
面は、曲面形状をなす。
【0098】続いて、図7(D)に示すように、このレ
ジスト層52をマスクとして、エッチャント58によっ
て、基材50を所定の深さエッチングを行う。詳しく
は、異方性エッチング、例えば反応性イオンエッチング
(RIE)などのドライエッチングを行う。
ジスト層52をマスクとして、エッチャント58によっ
て、基材50を所定の深さエッチングを行う。詳しく
は、異方性エッチング、例えば反応性イオンエッチング
(RIE)などのドライエッチングを行う。
【0099】図8(A)〜図8(C)は、基材50がエ
ッチングされる過程を示す図である。基材50は、部分
的に、曲面形状をなすレジスト層52によって覆われて
いる。基材50は、まず、レジスト層52に覆われてい
ない領域においてエッチングされる。そして、レジスト
層52は、エッチャント58によりエッチングされて、
図8(A)及び図8(B)に示すように、二点鎖線で示
す領域から実線で示す領域へと徐々に小さくなる。ここ
で、レジスト層52は曲面形状をなしているので、この
形状のレジスト層52が徐々に小さくなると、基材50
は徐々に露出していき、この露出した領域が連続的に徐
々にエッチングされていく。こうして、基材50が連続
的に徐々にエッチングされるので、エッチング後の基材
50の表面形状は曲面となる。最後には、図8(C)に
示すように、基材50に凸状の曲面部42が形成され
て、原盤40となる。
ッチングされる過程を示す図である。基材50は、部分
的に、曲面形状をなすレジスト層52によって覆われて
いる。基材50は、まず、レジスト層52に覆われてい
ない領域においてエッチングされる。そして、レジスト
層52は、エッチャント58によりエッチングされて、
図8(A)及び図8(B)に示すように、二点鎖線で示
す領域から実線で示す領域へと徐々に小さくなる。ここ
で、レジスト層52は曲面形状をなしているので、この
形状のレジスト層52が徐々に小さくなると、基材50
は徐々に露出していき、この露出した領域が連続的に徐
々にエッチングされていく。こうして、基材50が連続
的に徐々にエッチングされるので、エッチング後の基材
50の表面形状は曲面となる。最後には、図8(C)に
示すように、基材50に凸状の曲面部42が形成され
て、原盤40となる。
【0100】この原盤40を使用すれば、図4(D)に
示す光透過性層30とは逆に、凹状の曲面部を有する光
透過性層を形成することができる。
示す光透過性層30とは逆に、凹状の曲面部を有する光
透過性層を形成することができる。
【0101】なお、原盤40における低密着性層46の
形成領域として低密着性材料を充填するためのくぼみ等
を形成する場合には、上記曲面部42を形成した後に、
この曲面部42をレジスト層などで覆って、低密着性層
46の形成領域をエッチングしてもよい。
形成領域として低密着性材料を充填するためのくぼみ等
を形成する場合には、上記曲面部42を形成した後に、
この曲面部42をレジスト層などで覆って、低密着性層
46の形成領域をエッチングしてもよい。
【0102】(第3の実施の形態)図9(A)〜図9
(B)は、本発明を適用した第3の実施の形態に係る光
学基板の製造方法を示す図である。本実施の形態では、
凸状の複数の曲面部62からなる凹凸パターン64の上
に低密着性層66が形成された原盤60が使用される。
そして、図9(A)に示すように、原盤60の低密着性
層66が形成された面と基板74との間に、光透過性層
70を形成する。その工程は、図4(A)〜図4(D)
に示す工程と同じである。続いて、図9(B)に示すよ
うに、原盤60と光透過性層70とを剥離する。本実施
の形態でも、低密着性層66が形成されていることで、
原盤60と光透過性層70との剥離を容易に行うことが
できる。
(B)は、本発明を適用した第3の実施の形態に係る光
学基板の製造方法を示す図である。本実施の形態では、
凸状の複数の曲面部62からなる凹凸パターン64の上
に低密着性層66が形成された原盤60が使用される。
そして、図9(A)に示すように、原盤60の低密着性
層66が形成された面と基板74との間に、光透過性層
70を形成する。その工程は、図4(A)〜図4(D)
に示す工程と同じである。続いて、図9(B)に示すよ
うに、原盤60と光透過性層70とを剥離する。本実施
の形態でも、低密着性層66が形成されていることで、
原盤60と光透過性層70との剥離を容易に行うことが
できる。
【0103】(第4の実施の形態)図10は、本発明を
適用した第4の実施の形態に係る表示装置を示す図であ
る。この表示装置は、マイクロレンズアレイを使用した
液晶プロジェクタであり、例えば、第1の実施の形態に
係る方法により製造されたマイクロレンズアレイ1を個
片に切断して組み込んだライトバルブ80と、光源とし
てのランプ90とを有する。
適用した第4の実施の形態に係る表示装置を示す図であ
る。この表示装置は、マイクロレンズアレイを使用した
液晶プロジェクタであり、例えば、第1の実施の形態に
係る方法により製造されたマイクロレンズアレイ1を個
片に切断して組み込んだライトバルブ80と、光源とし
てのランプ90とを有する。
【0104】マイクロレンズアレイ1は、曲面部36の
表面で形成されるレンズ面が、ランプ90からみて凹状
になるように配置されている。そして、曲面部36上に
第2の光透過性層82が形成され、光透過性層82上に
はブラックマトリクス84が設けられている。さらに、
ブラックマトリクス84上には、透明な共通電極86及
び配向膜88が積層されている。なお、第2の光透過性
層82のみでは製品として要求される機械的強度、ガス
バリア性、信頼性等の特性が満足できない場合には、第
2の光透過性層82上にガラス、石英等の光透過性を有
する補強板(層)を設け、その上にブラックマトリクス
84、共通電極86及び配向膜88を積層してもよい。
表面で形成されるレンズ面が、ランプ90からみて凹状
になるように配置されている。そして、曲面部36上に
第2の光透過性層82が形成され、光透過性層82上に
はブラックマトリクス84が設けられている。さらに、
ブラックマトリクス84上には、透明な共通電極86及
び配向膜88が積層されている。なお、第2の光透過性
層82のみでは製品として要求される機械的強度、ガス
バリア性、信頼性等の特性が満足できない場合には、第
2の光透過性層82上にガラス、石英等の光透過性を有
する補強板(層)を設け、その上にブラックマトリクス
84、共通電極86及び配向膜88を積層してもよい。
【0105】ライトバルブ80には、配向膜88からギ
ャップをあけて、TFT基板81が設けられている。T
FT基板81には、透明な個別電極83及び薄膜トラン
ジスタ85が設けられており、これらの上に配向膜87
が形成されている。また、TFT基板81は、配向膜8
7を配向膜88に対向させて配置されている。
ャップをあけて、TFT基板81が設けられている。T
FT基板81には、透明な個別電極83及び薄膜トラン
ジスタ85が設けられており、これらの上に配向膜87
が形成されている。また、TFT基板81は、配向膜8
7を配向膜88に対向させて配置されている。
【0106】配向膜87、88間には、液晶89が封入
されており、薄膜トランジスタ85によって制御される
電圧によって、液晶89が駆動されるようになってい
る。
されており、薄膜トランジスタ85によって制御される
電圧によって、液晶89が駆動されるようになってい
る。
【0107】この液晶プロジェクタによれば、ランプ9
0から照射された光92が、各画素毎にレンズとしての
曲面部36にて集光するので、明るい画面を表示するこ
とができる。
0から照射された光92が、各画素毎にレンズとしての
曲面部36にて集光するので、明るい画面を表示するこ
とができる。
【0108】なお、その前提として、光の出射側の光透
過性層82の光屈折率naと、光の入射側の光透過性層
30の光屈折率nbとは、 na<nb の関係にあることが必要である。この条件を満たすこと
で、屈折率の大きい媒質から、屈折率の小さい媒質に光
が入射することになり、光92は両媒質の界面の法線か
ら離れるように屈折して集光する。そして、画面を明る
くすることができる。
過性層82の光屈折率naと、光の入射側の光透過性層
30の光屈折率nbとは、 na<nb の関係にあることが必要である。この条件を満たすこと
で、屈折率の大きい媒質から、屈折率の小さい媒質に光
が入射することになり、光92は両媒質の界面の法線か
ら離れるように屈折して集光する。そして、画面を明る
くすることができる。
【0109】あるいは、マイクロレンズアレイの曲面部
の表面で形成されるレンズ面が、光の入射側からみて凸
状になるように配置される場合には、これとは反対にな
る。すなわち、光の出射側の光透過性層の光屈折率n
a′と、光の入射側の光透過性層30の光屈折率nb′と
は、 na′>nb′ の関係にあることが必要である。この条件を満たすこと
で、屈折率の小さい媒質から、屈折率の大きい媒質に光
が入射することになり、光は両媒質の界面の法線に近づ
くように屈折して集光する。そして、画面を明るくする
ことができる。
の表面で形成されるレンズ面が、光の入射側からみて凸
状になるように配置される場合には、これとは反対にな
る。すなわち、光の出射側の光透過性層の光屈折率n
a′と、光の入射側の光透過性層30の光屈折率nb′と
は、 na′>nb′ の関係にあることが必要である。この条件を満たすこと
で、屈折率の小さい媒質から、屈折率の大きい媒質に光
が入射することになり、光は両媒質の界面の法線に近づ
くように屈折して集光する。そして、画面を明るくする
ことができる。
【図1】図1は、第1の実施の形態に係る光学基板製造
用原盤を示す図である。
用原盤を示す図である。
【図2】図2は、図1のII−II線断面図である。
【図3】図3(A)〜図3(E)は、第1の実施の形態
に係る光学基板製造用原盤の製造方法を示す図である。
に係る光学基板製造用原盤の製造方法を示す図である。
【図4】図4(A)〜図4(D)は、第1の実施の形態
に係る光学基板の製造方法を示す図である。
に係る光学基板の製造方法を示す図である。
【図5】図5は、第2の実施の形態に係る光学基板製造
用原盤を示す図である。
用原盤を示す図である。
【図6】図6は、図5のVI−VI線断面図である。
【図7】図7(A)〜図7(E)は、第2の実施の形態
に係る光学基板製造用原盤の製造方法を示す図である。
に係る光学基板製造用原盤の製造方法を示す図である。
【図8】図8(A)〜図8(C)は、第2の実施の形態
に係る光学基板製造用原盤の製造方法を示す図である。
に係る光学基板製造用原盤の製造方法を示す図である。
【図9】図9(A)〜図9(B)は、第3の実施の形態
に係る光学基板の製造方法を示す図である。
に係る光学基板の製造方法を示す図である。
【図10】図10は、第4の実施の形態に係る光学基板
を組み込んだ表示装置を示す図である。
を組み込んだ表示装置を示す図である。
1 マイクロレンズアレイ(光学基板) 10 原盤 12 曲面部 14 凹凸パターン 16 低密着性層 30 光透過性層 32 光透過性層前駆体 34 基板
フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 HC18 JA03 JB02 JB03 JB05 JC01 JC03 JD01 LA04 LA12 2H091 FA29Y FB03 FB04 FC01 FC19 FC22 FC23 FC29 FD04 FD06 GA01 GA13 KA01 LA12 MA07 4F213 AH73 WA53 WA67 WA72 WA74 WA97 WB01
Claims (25)
- 【請求項1】 凹凸パターンが形成された原盤を用意す
る第1工程と、 前記原盤の前記凹凸パターンが形成された面に、光透過
性層前駆体を密着させる第2工程と、 前記光透過性層前駆体を固化して光透過性層を形成し、
前記原盤を、前記光透過性層から剥離する第3工程と、 を含み、 前記原盤の前記凹凸パターンが形成された面には、前記
光透過性層前駆体との密着性の低い低密着性層が形成さ
れている光学基板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の光学基板の製造方法にお
いて、 前記凹凸パターンは、前記原盤の外周端部を避けて形成
されており、 前記低密着性層は、前記原盤の前記外周端部に形成され
ている光学基板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の光学基板の製造方法にお
いて、 前記凹凸パターンは、前記原盤の外周端部を避けて形成
されており、 前記低密着性層は、前記原盤の外周端部の一部に形成さ
れており、 前記第3工程で、前記原盤の外周端部の前記一部から、
前記光透過性層の剥離を開始する光学基板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の光学基板の製造方法にお
いて、 前記低密着性層は、前記原盤の前記凹凸パターンが形成
された面の全体に形成されている光学基板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
の光学基板の製造方法において、 光透過性層前駆体は親水性であり、前記低密着性層は疎
水性である光学基板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
の光学基板の製造方法において、 光透過性層前駆体は疎水性であり、前記低密着性層は親
水性である光学基板の製造方法。 - 【請求項7】 一方の面に光透過性層前駆体を密着さ
せ、前記光透過性層前駆体を固化して光透過性層を形成
し、前記光透過性層を剥離して光学基板を形成するため
の原盤の製造方法であって、 基材の一方の面に前記光学基板の表面形状に対応する凹
凸パターンを形成する工程と、前記基材の一方の面に前
記光透過性層前駆体との密着性の低い低密着性層を形成
する工程と、を含む原盤の製造方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の原盤の製造方法におい
て、 前記凹凸パターンを、前記一方の面の外周端部を避けて
形成し、 前記低密着性層を、前記外周端部に形成する原盤の製造
方法。 - 【請求項9】 請求項7記載の原盤の製造方法におい
て、 前記凹凸パターンを、前記一方の面の外周端部を避けて
形成し、 前記低密着性層を、前記外周端部の一部に形成する原盤
の製造方法。 - 【請求項10】 請求項7記載の原盤の製造方法におい
て、 前記低密着性層を、前記一方の面の全体に形成する原盤
の製造方法。 - 【請求項11】 請求項7から請求項10のいずれかに
記載の原盤の製造方法において、 前記低密着性層を疎水性の材料で形成する原盤の製造方
法。 - 【請求項12】 請求項7から請求項10のいずれかに
記載の原盤の製造方法において、 前記低密着性層を親水性の材料で形成する原盤の製造方
法。 - 【請求項13】 請求項7から請求項10のいずれかに
記載の原盤の製造方法において、 前記低密着性層を、金属の下地層上に硫黄化合物を自己
集積させて形成する原盤の製造方法。 - 【請求項14】 請求項7から請求項10のいずれかに
記載の原盤の製造方法において、 前記低密着性層を、フッ素原子を有する化合物をコーテ
ィングすることにより形成する原盤の製造方法。 - 【請求項15】 一方の面に光透過性層前駆体を密着さ
せ、前記光透過性層前駆体を固化して光透過性層を形成
し、前記光透過性層を剥離して光学基板を形成するため
の原盤であって、 前記一方の面には、前記光学基板の表面形状に対応する
凹凸パターンと、前記光透過性層前駆体との密着性の低
い低密着性層と、が形成されている光学基板製造用原
盤。 - 【請求項16】 請求項15記載の光学基板製造用原盤
において、 前記凹凸パターンは、外周端部を避けて形成されてお
り、 前記低密着性層は、前記外周端部に形成されている光学
基板製造用原盤。 - 【請求項17】 請求項15記載の光学基板製造用原盤
において、 前記凹凸パターンは、外周端部を避けて形成されてお
り、 前記低密着性層は、前記外周端部の一部に形成されてい
る光学基板製造用原盤。 - 【請求項18】 請求項15記載の光学基板製造用原盤
において、 前記低密着性層は、前記一方の面の全体に形成されてい
る光学基板製造用原盤。 - 【請求項19】 請求項15から請求項18のいずれか
に記載の光学基板製造用原盤において、 前記低密着性層は疎水性である光学基板製造用原盤。 - 【請求項20】 請求項15から請求項18のいずれか
に記載の光学基板製造用原盤において、 前記低密着性層は親水性である光学基板製造用原盤。 - 【請求項21】 請求項15から請求項18のいずれか
に記載の光学基板製造用原盤において、 前記低密着性層は、金属の下地層上に硫黄化合物が自己
集積して構成されている光学基板製造用原盤。 - 【請求項22】 請求項15から請求項18のいずれか
に記載の光学基板製造用原盤において、 前記低密着性層は、フッ素原子を有する化合物をコーテ
ィングすることによって形成されている光学基板製造用
原盤。 - 【請求項23】 請求項1から請求項6のいずれかに記
載の方法により製造された光学基板。 - 【請求項24】 請求項23記載の光学基板を有する表
示装置。 - 【請求項25】 前記光学基板をマイクロレンズアレイ
として有する液晶プロジェクタである請求項24記載の
表示装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11025995A JP2000221305A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | 光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並びに表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11025995A JP2000221305A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | 光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並びに表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000221305A true JP2000221305A (ja) | 2000-08-11 |
Family
ID=12181313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11025995A Withdrawn JP2000221305A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | 光学基板及び光学基板製造用原盤、これらの製造方法並びに表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000221305A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002065164A1 (en) * | 2001-02-14 | 2002-08-22 | Sony Corporation | Lens, combination lens, method of manufacturing the combination lens, optical pickup device, and optical disk device |
JP2004069790A (ja) * | 2002-08-01 | 2004-03-04 | Seiko Epson Corp | 凹部付き基板の製造方法、凹部付き基板、マイクロレンズ用凹部付き基板、マイクロレンズ基板、液晶パネル用対向基板、液晶パネルおよび投射型表示装置 |
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-
1999
- 1999-02-03 JP JP11025995A patent/JP2000221305A/ja not_active Withdrawn
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