JP2000221085A - ブラッググレーティング圧力センサ - Google Patents
ブラッググレーティング圧力センサInfo
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Abstract
の圧力計測に適したBG圧力センサを提供する。 【解決手段】BG圧力センサは、力を受け変位するセン
シング部6(ダイアフラム61)と、このセンシング部6
の変位箇所に設置される光導波路1の一部に形成された
変位検出用BG3と、センシング部6の変位影響の少な
い箇所で変位検出用BG3の近傍領域に設置される補償
用BG4と、を備えて構成される。
Description
り圧力を計測するブラッググレーティングセンサに関
し、特に、水圧を計測するのに好適な圧力センサに関す
る。
め、狭い空間での使用が可能であること、絶縁体である
ために電磁ノイズに強く高圧電領域での計測が容易に可
能なこと、またファイバが石英ガラスを素材としている
ことで高温や可燃性ガス雰囲気中でも使用可能であると
いう特徴がある。この様な特徴を生かして、ファイバを
用いた様々なセンサの研究がされている。その中の光フ
ァイバ圧力センサとしては、従来技術として図7に図示
する様な方法がある。
D) やスーパルミネッセンスダイオード(SLD) の様な光
源で、102 は光源100 から出射された光を光ファイバ10
3 へ集光するためのレンズである。光ファイバ103 の一
部は、圧力センシング部104 が設置されている。105 は
光ファイバ103 から出射される光量を検出する検出器で
ある。この様な圧力センシング部104 の詳細を図8に図
示する。図8において、106 は圧力を受ける受圧治具
で、内側が波形状となっている部材を向かい合わせて組
み合わせてある。この波形状の間に、光ファイバ103 を
挟むことにより、圧力センシング部104 を構成すること
ができる。
4 の動作原理は、圧力により受圧治具106 が変位し光フ
ァイバ103 を圧迫する。光ファイバ103 は周期の短い不
規則な曲がりが加わるとマイクロベンド損と呼ばれる損
失を生じる。受圧治具106 は圧力によって光ファイバ10
3 にこのマイクロベンド損を発生させることで、光ファ
イバ103 を伝搬する光量が損失し検出器105 で計測され
る光量が下がる。
あるので、検出器出力と圧力を対応させることで圧力の
計測が可能である。この詳細な例として、特開平7-3061
09が開示されている。この開示例はエンジン制御のため
のシリンダ内の圧力計測である。図9において、圧力セ
ンサは、ガスケット140 に形成された溝110a,110b,110c
内に、ベース部120aとダイアフラム121 を中央部に有す
るダイアフラム部120bとの間に光ファイバ150 を挟んで
なる圧力センシング部を挿入して、内圧シール手段130
でシールして構成され、シリンダ内の圧力は内圧導入口
111 より導入される。
シリンダ内の圧力が導入され、ダイアフラム121 を変位
させて光ファイバ150 の一部を変形させ、光ファイバ15
0 にマイクロベンド損を発生させて光ファイバ150 を透
過する光量を減衰させる。この透過光量を計測すること
によりシリンダ内圧を計測することができる。
光源光量の安定化がある。このセンサの検出原理は、前
述の様に光ファイバを透過する光量変化を検出するの
で、圧力が0のときの光量が、光源の劣化や温度などの
変動により、安定性が損なわれると圧力検出精度が低下
するという問題がある。
干渉方式がある。図10において、圧力センサは、圧力セ
ンシング部104 の受圧の影響を受けて変位・変形する圧
力検出用光ファイバ103aと、並列に設置され圧力の影響
を受けない参照用光ファイバ103bとを備え、光源100 か
らの光を2分岐して光ファイバ103a,103b の一方の端面
に入射し、他方の端面から出射する光を検出器105 で計
測する。両光ファイバ103a,103b の光路長は、光ファイ
バ103aが圧力0のとき、両光ファイバ103a,103b から出
射し、検出器105 で受光する光波が干渉して光波がゼロ
となる様に構成する。
の変動により、上述の圧力が0のときの圧力検出精度が
低下の問題を解決することができるが、検出装置が高価
となる欠点がある。
方式は、計測可能な測定点は1点の圧力しか計測できな
い方法であるため、多点の圧力を計測しようとする場
合、その計測点数に対応した光源と検出器を用意する
か、1×N個の光スイッチを用いてスキャニングする方
法を用いる必要がある。
用意する方法は、センサ数に比例して使用する光ファイ
バの長さ、本数ともに増えるためコストが非常に高価と
なりシステムとして大型化してしまう。また、後者の光
スイッチの方法では、光スイッチの損失特性の影響が加
わるため誤差要因が多くなるという問題がある。
よる方法での課題を整理すると、従来技術の光ファイバ
圧力センサでは、第1の課題は、光源の光量を非常に安
定化して圧力センサに光を伝播させなくてはならないこ
と、第2の課題は、この検出原理が多点の圧力計測には
適さないという課題がある。
のであり、その目的は前記した課題を解決して、光源の
光量の変動の影響の少ない、かつ、多点の圧力計測に適
したブラッググレーティング圧力センサを提供すること
にある。
に、本発明においては、力を受け変位するセンシング部
と、このセンシング部に設けられる光導波路と、この光
導波路の一部に形成された変位検出用ブラッググレーテ
ィング(以下、ブラッググレーティングをBGと略称す
る)と、前記光導波路の一部で変位検出用BGの近傍領
域に設置される補償用BGと、を備えるものとする。か
かる構成により、この補償用BGのブラッグ波長を測定
することにより補償値を導出し、この補償値を用いて変
位検出用BGの特性を補償することができる。
イアフラムとし、光導波路は光ファイバとし、このダイ
アフラムの変位箇所に光ファイバの一部に形成された圧
力検出用光ファイバブラッググレーティング(以下、F
BGと略称する)と、この圧力検出用FBGの近傍領域
でダイアフラムの圧力変化の影響の少ない箇所に温度補
償用FBGと、を設置するものとする。
のブラッグ波長を測定することにより温度を導出し、こ
の温度を用いて圧力検出用FBGの温度特性を補償する
ことができる。
Gは、光ファイバ上に形成されたFBG箇所とは別箇所
をU字型に曲げて接続する、あるいは、同一光ファイバ
上に形成された圧力検出用FBGと温度補償用FBGと
は別箇所をU字型に曲げることができる。
は、接着剤を用いて固定することができる。また、光フ
ァイバが塑性変形する温度以下でダイアフラムに使用さ
れている材料と接合可能な金属材料を圧力検出用FBG
にコーティングし、この圧力検出用FBGと、ダイアフ
ラムとを金属による溶融接合をすることができる。
ムとし、少なくとも、光ファイバに形成される圧力検出
用FBG部分はシリコンと静電接合が可能なパイレック
スガラスをコーティングし、この圧力検出用FBGと、
シリコンダイアフラムとを静電接合することができる。
イアフラムとし、このダイアフラム上にチャンネル導波
路を一体に形成し、このチャンネル導波路のダイアフラ
ムの変位箇所の一部に形成される圧力検出用ブラッググ
レーティング(BG)と、この圧力検出用BGの近傍領
域でダイアフラムの圧力変化の影響の少ない箇所に一体
に形成される(光導波路の)温度補償用BGと、を備え
るものとする。かかる構成により、この温度補償用BG
のブラッグ波長を測定することにより温度を導出し、こ
の温度を用いて圧力検出用BGの温度特性を補償するこ
とができる。
とし、圧力検出用BGおよび温度補正用BGはリッジ型
導波路上に導波路と同じ材料を用いて周期的な凹凸構造
を設けてブラッグ回折条件を満たすBGを構成すること
ができる。また、チャンネル導波路はコア埋込み型導波
路とし、圧力検出用BGおよび温度補正用BGはその一
部にBGを構成することができる。
Gは、ダイアフラム上に構成する光導波路のコア部に、
ゲルマニウム、セリウム、エルビウムあるいはユーロビ
ュームをドープして感光性を付与し、紫外線領域の光に
よる干渉縞に曝すことによりBGを製作することができ
る。
Gは、チャンネル導波路のコア部に導波方向と直角方向
に周期的に切り欠き部分を形成し、このコア部の切り欠
き部分およびコア部の周辺部にクラッド材で充填して構
成することができる。
光導波路を用いたBG変位センサの要部構成図、図2は
本発明の一実施例によるBG変位センサの特性図、図3
は本発明の一実施例としての光ファイバを用いたFBG
圧力センサの要部構成図、図4は静電接合を行うための
光ファイバの処理方法を説明する説明図、図5はリッジ
型導波路のBG圧力センサのダイアフラム断面斜視図、
図6はコア埋込み型導波路のBG圧力センサのダイアフ
ラム断面斜視図であり、図11〜図14は他文献を引用して
本発明の概念を説明する図であり、図11は光導波路にB
Gを形成する原理図、図12は光導波路のBGの動作説明
図、図13は光導波路BGセンサの説明図、図14は光導波
路BGセンサの製造方法の説明図である。
位センサは、力を受け変位するセンシング部6と、この
センシング部6の変位箇所に設置される光導波路1の一
部に形成された変位検出用BG3と、センシング部6の
変位影響の少ない箇所で変位検出用BG3の近傍領域に
設置される補償用BG4と、を備えて構成される。
略された光源からの入射光(1E)の内、センシング部6上
にある変位検出用BG3およびセンシング部6の変位影
響の少ない箇所に設置される補償用BG4から後述する
屈折率変化周期と屈折率とから定まる特定な波長(ブラ
ッグ波長)の光信号が選択的に反射される。この補償用
BG4のブラッグ波長を測定することにより例えばセン
シング部6の周辺温度を検出し、この補償値を導出し、
この補償値を用いて変位検出用BG3の温度特性などを
補償することができる。
光導波路1として光ファイバ1Aを用いた実施形態1と、
光導波路1としてチャンネル導波路2A,2B を用いた実施
形態2があり、また、力を受け変位するセンシング部6
は、本発明ではダイアフラム61で説明するが、微小な変
位が許容される力平衡型の各種機構を有するセンサに適
用することができる。 〔実施形態1〕図3において、力を受け変位するセンシ
ング部6は、ダイアフラム61とし、光導波路1は光ファ
イバ1Aとし、このダイアフラム61の変位箇所に光ファイ
バ1Aの一部に形成された圧力検出用FBG31を設置し、
この圧力検出用FBG31の近傍領域でダイアフラム61の
圧力変化の影響の少ない箇所に温度補償用FBG41を設
置して構成される。ダイアフラム61は、例えば、ベース
5に凹部51を構成しこの中央部分に圧力検出用FBG31
を、また、ダイアフラム61の近傍であるが凹部51が構成
されていない箇所に温度補償用FBG41を、実施例で後
述する接着法あるいは接合法によって固定することがで
きる。
ブラッグ波長を測定することにより補償温度を導出し、
この補償温度を用いて圧力検出用FBG31の温度特性を
補償することができる。 〔実施形態2〕図5(図6)において、力を受け変位す
るセンシング部6は、ダイアフラム61とし、このダイア
フラム61上にチャンネル導波路2A(2B)を形成し、このチ
ャンネル導波路2A(2B)のダイアフラムの変位箇所の一部
に形成される圧力検出用BG32(33)と、図示省略されて
いるが、この圧力検出用BG32(33)の近傍領域でダイア
フラム61の圧力変化の影響の少ない箇所に形成される
(光導波路の)温度補償用BG42と、を備え、この温度
補償用BG42のブラッグ波長を測定することにより補償
温度を導出し、この補償温度を用いて圧力検出用BG32
(33)の温度特性を補償することができる。
とBGとを一体構造として構成する方法として電気学会
誌1997年12月号 832〜835 頁で羽根氏に紹介された「光
マイクロマシン」の技術を用いることができる。この技
術を用いることにより、上述したFBGに金属をコーテ
ィングし金属のダイアフラムと溶融接合する方法、ある
いは、静電接合により結合する方法よりも、より信頼性
の高いセンサを構成することができる。即ち、実施形態
2では、接合工程がなくダイアフラムの一部としてBG
を作り込むことができるため、接合部が剥がれる可能性
がないからである。
ァイバ11にFBGを形成する方法について説明する。図
11において、図示例は光ファイバ11が図示されている
が、光導波路1についても同様な原理で形成することが
できるので、光ファイバ11で説明する。圧力検出用FB
G31あるいは温度補償用BG42に用いる光ファイバ1A
は、コア11aとクラッド11b とからなるシングルモード
光ファイバ11のブラッググレーティング(BG)形成箇
所に、予め定められた格子間隔で一方の面に微小な凹凸
面81を有するフェーズマスク8を介して、エキシマレー
ザなどの紫外線光(248nm のUV光)9を照射して形成
する。このUV光9は、フェーズマスク8の微小な凹凸
面81での回折光9A,9B の干渉により、フェーズマスク8
の予め定められた格子間隔で定まる干渉縞を作り、この
干渉縞で感光性光ファイバ11のBG形成箇所を照射する
ことで、コア11a内の局部的な化学変化によって、周期
的な屈折率変化をもたせたものである。
る。図12において、光ファイバ11のコア11aを伝送する
入射光1Eは、この周期的に屈折率が変化するブラッググ
レーティング(BG)12がある部分で、部分反射された
多数の後進波(反射波)1Fが発生する(ブラッグ回
折)。この関係は、後進波1Fの波長をλB 、コアの屈折
率をn、屈折率変化の周期をΛとすると、 (1)式で示さ
れる。
ッグ波長と呼ぶ。このブラッグ波長λB は、光ファイバ
11に加わる歪みや温度の影響により、光ファイバ11のF
BG12の部分が伸縮されたり、曲げられたりすることに
より、コア11a内の屈折率変化周期Λが変化し、ブラッ
グ波長λB が変化することを利用して、センサとして使
用することができる。 〔実施例1〕この様なFBG12を用いたFBG圧力セン
サの実施例を図3に図示する。図3において、31は圧力
検出用FBG部で、例えば SUSやハステロイ、アルミな
どの金属材料からなるダイアフラム61の上に接着や接合
により固定されている。41は温度検出用FBG部であ
り、圧力検出の温度を補償するためにダイアフラム61の
近くに、接着や接合の手段を用いて、ベース5の上に設
置される。なお、図示例では、同一光ファイバ1A上に圧
力検出用FBG31および温度検出用FBG41が形成さ
れ、このFBG31、41が形成された箇所とは別箇所の光
ファイバ1Aの一部がU字状に曲げて、ダイアフラムの近
傍に設置される。
に図示する様に、同一部材でダイアフラム61を構成する
箇所だけ薄くして凹部51を形成して構成するか、あるい
は、ベース5とは別の部材を用いてダイアフラム61部分
を溶接して構成してもよい。ダイアフラム61への光ファ
イバ1Aの固定方法については実施例2で後述する。
61に加わると、ダイアフラム61が変形し、この変形によ
ってダイアフラム61に固定された圧力検出用FBG31が
伸縮し、BG間隔Λも変化し、(1) 式に従い、ブラッグ
波長λB が変化する。
けるブラッグ波長λB 変化と圧力との関係について説明
する。厚さhが均一なダイアフラム61が圧力pを受けた
とき、ダイアフラム61の中心から半径rの位置における
ダイアフラムの変位xは、S.P.チモシェンコ「板とシェ
ルの理論」(ブレイン図書出版株式会社1973)によれば
(2) 式で示すことができる。
FBG31もダイアフラム61と同様に変形するものとする
と、(2) 式による変位xからFBG31の伸びが計算でき
る。簡単化のためにFBG31の屈折率nは、この変形x
では変化しないものとし、かつ温度によるブラッグ波長
λB 変化もないものと仮定すれば、(1)式により波長λB
変化を計算することができる。
55mmのダイアフラム61と圧力pによる変位xの計算した
結果を示す。この例では、1bar で180pm 程度のブラッ
グ波長λB 変化を見込むことができる。
温度の影響によってもブラッグ波長λB が変化する。ブ
ラッグ波長λB の変化は、(1) 式からグレーティングB
G周期間隔Λと屈折率nにより決定されるが、図3の実
施例では、ダイアフラム61上に固定されているため、こ
のダイアフラム61の材料による線膨張係数と光ファイバ
1Aの材料である溶融石英の線膨張係数の2つに影響され
て変化する。
の接着または接合された状態における温度変化によるF
BG31のブラッグ波長λB の変化は、水波徹「ファイバ
ーグレーティング温度センサ」(O plus E, No.205)に
よれば(3) 式で示すことができる。
(1/°C) pe :光弾性係数 0.22 αS :ベースの熱膨張係数 図3の実施例においては、この温度特性を補償するため
に圧力検出用FBG31と温度補償用FBG41を用いてい
る。この圧力検出用FBG31と温度検出用FBG41は、
中心波長λB を変えておき、お互いに干渉しない様にし
て温度補正用FBG41はダイアフラム61の圧力感度を補
正するため、なるべくダイアフラム61の近傍で、かつ、
ダイアフラム61の変位xの影響を受けない所(あるいは
変位xの影響の少ない所)に設置すれば、FBG31、F
BG41のブラッグ波長をそれぞれλB1、λB2とすれば、
圧力をp、温度をTとしたとき、λB1は圧力p、温度T
の関数として(4) 式で表すことができる。
BG41が近傍にあり同一温度と仮定し、さらに温度補償
用FBG41は圧力pの影響を受けないとすれば、λB2は
温度Tの関数として(5) 式で表すことができる。
別に測定して求めたλB1とこの温度Tを(4)式に代入
することにより、圧力pを求めることができる。
FBG31と温度検出用FBG41を形成し、温度検出用F
BG41で測定した波長λB2から補償温度Tを求め、別に
圧力検出用FBG31で測定して求めた波長λB1と補償温
度Tから圧力pを求める原理は、光導波路1に対しても
同様に拡張して展開することができる。即ち、光導波路
1に圧力検出用BG3と温度検出用BG4を形成し、温
度検出用BG4で測定した波長λB2から補償温度Tを求
め、圧力検出用BG3で測定して求めた波長λB1と補償
温度Tから圧力pを求めることができる。 〔実施例2〕次に、ダイアフラム61への光ファイバ1Aの
固定方法について詳細に説明する。ブラッググレーティ
ング(FBG)が形成される光ファイバ1Aは、溶融石英
であるコア(11a) とクラッド(11b) およびクラッド(11
b) の周囲を囲むコーティング層の3層構造であること
が多い。ブラッググレーティング(FBG)は、上述の
第3層であるコーティング層を剥がした状態の光ファイ
バ1Aを紫外線例えば波長248nm のUV光で形成した干渉
縞の中にさらし、ブラッググレーティングFBG31を書
き込みした後、第3層であるコーティング層を再コーテ
ィングして製作される。このため、ダイアフラム61にF
BG31を接着する場合には、コーティング材料とダイア
フラムとの接着となる。従って、ダイアフラム61の材料
が金属や樹脂、あるいはガラスなどであれば、室温から
150°C 位の使用温度範囲であれば、エポキシ系接着剤
が適用可能であり、また、使用温度範囲が 300°C 位で
あればポリイミド系接着剤が適用可能である。 〔実施例3〕また、ダイアフラム61と光ファイバ1Aとの
固定において信頼性が要求される場合は、接着では対応
しきれない場合がある。適用される周辺環境条件が悪
く、特に、酸性ガスや有機溶剤を含む液体などに浸され
る場合などでは、接着剤の耐環境性に問題を発生するこ
とがある。この様な場合には接合技術が用いられる。
明する。ダイアフラム61がステンレスの場合、直接ハン
ダを用いて接合することはできない。この様な場合は、
例えば、ダイアフラム61の上に第1層としてクロム、そ
してこのクロムの上の第2層として金あるいはニッケル
を蒸着技術あるいはスパッタリング技術などにより膜を
形成する。
グ処理されたFBG31,41 か、あるいは、金などをコー
ティング処理したFBG31,41 を用意し、成膜処理され
たダイアフラム61とコーティング処理された光ファイバ
1AのFBG31,41 の両者をハンダの融点まで加熱するこ
とで接合することで接合が可能となる。
ダコーティング処理技術は、例えば、Likarn Wang が
「Thermal Performance of a Solder coated Fiber Bra
gg Grating Sensor 」(IEEE LEOS Annual Meeting 10t
h Vol.2 )の論文で紹介しており、また、コマーシャル
ベースでも、アルミや金の金属をコーティングした光フ
ァイバ1Aが市販されている。
ティングされたFBG31,41 をダイアフラム61上にお
き、さらに接合が必要な部分にだけテープ型の幅の広い
ハンダを用いてかぶせ、ハンダの融点まで加熱し、溶融
後冷却すればFBG31,41 と金属ダイアフラム61とを接
合することが可能である。
ば 120°C 位であり、FBG31,41において問題のない
使用温度範囲である。この様な接合技術が適用可能条件
は、光ファイバ1Aの軟化温度以下であること、光ファイ
バ1Aの素材である溶融石英へのコーティング処理が可能
な材料とダイアフラム61の材料である金属が接合可能で
あることなどが必要である。 〔実施例4〕次に、他の接合技術として静電接合を用い
る場合を説明する。この静電接合を用いる場合は、特
に、ダイアフラム61がシリコンで構成された場合であ
り、このダイアフラム61と光ファイバ1Aとの接合技術に
ついて説明する。
ファイバ1Aとの接合技術で問題となるのはガラス側であ
る光ファイバ1Aの処理方法である。シリコンとガラスと
の静電接合は、ガラス中の酸素イオン(O2-) とシリコン
との反応によって静電接合が行われるものである。この
ため、ガラスの中には酸素イオン(O2-) をキャリヤする
酸化ナトリュム(Na2O)の存在が必要となり、パイレック
スガラスが一般的に用いられる。
るため接合面積が取れない。従って、光ファイバ1Aのク
ラッド11b の一部切削部11d を研磨により切削し、平面
切削部 11eを形成し、この後、光ファイバ1Aの周囲にパ
イレックスガラス11c をスパッタリングにて着ける。あ
るいは、図示省略されているが、光ファイバ1Aにパイレ
ックスガラス11c をスパッタリングで着けた後、パイレ
ックスガラスを残す様にして光ファイバ1Aの一部を研磨
して平面部を形成する。この様な加工処理を行うことに
より、パイレックスガラス11c とシリコンとの接合とな
るので、静電接合技術の適合が可能となる。
め、光ファイバ1Aに酸化ナトリュム(Na2O)ドーピング
し、光ファイバ1Aの側面を研磨することにより接合面積
を確保して、静電接合することも可能である。 〔実施例5〕この様なダイアフラム61上に固定した圧力
検出用FBG31と、同じ基板5上に固定した温度検出F
BG41により圧力センサを構成することで、FBG31,4
1 が波長検出型であることから、劣化や周囲温度変化に
より光源光量が変化しても測定精度に影響を受けず、ま
た、圧力検出用BG31と温度検出用BG41の対におい
て、各対毎のブラッグ波長を変えて、この対を直列に接
続することで多点の圧力計測を行えるメリットがある。 〔実施例6〕次に第2実施形態の実施例として、シリコ
ンを用いたダイアフラムとBGとを一体構造として構成
した例について説明する。
「Distributed Optical Bending Sensor with Bragg Gr
atings in Optical Waveguide 」には、図13に図示する
ブラッググレーティングBGを用いた光導波路センサが
開示されている。図13において、コア72とクラッド75と
からなる光導波路にグレーティング周期間隔(Λ1,Λ2,
Λ3)が異なるブラッググレーティング(BG1,BG2,B
G3)を構成し、入射光1Eを入射すると、それぞれのBG
が形成された箇所からグレーティング周期間隔(Λ1,Λ
2,Λ3)に対応するブラッグ波長(λ1,λ2,λ3)の反射光
1Fが戻ってくる。このブラッグ波長(λ1,λ2,λ3)を測
定することにより、BGが形成された各箇所からの計測
量を測定することができる。
方法によれば、ブラッグ回折条件を満たせる様々な周期
間隔(Λ1,Λ2,Λ3)でグレーティングを製作することが
可能である。図14において、光導波路センサは、図14の
(A) でシリコンウェハ71上にポリスチレン熱可塑性エラ
ストマーを構成して光導波路のコア部72に相当する層を
形成する。次に、図14の(B) で光導波路のコア部72相当
箇所に帯状のアルミ層73を形成する。図14の(C) でこの
帯状のアルミ層73の下部のポリスチレン熱可塑性エラス
トマー72のみ残して他のエラストマー部分をエッチング
する。さらに、図14の(D) でアルミ層73を除去し、電子
ビームリソグラフィによってサブミクロンオーダのブラ
ッググレーティングBG74を形成する。次に、図14の
(E) でこのブラッググレーティングBG74の上に、シリ
コンラバーをコーティングして上部クラッド75を形成
し、図14の(F) でシリコンウェハ71をエッチング除去し
て、図14の(G) でこの除去されたシリコンウェハ71の箇
所にシリコンラバーをコーティングして下部クラッド76
を形成して構成することができる。
クロマシン」技術によりBGをダイアフラムと一体に構
成した光導波路ブラッググレーティング圧力センサの断
面斜視図である。図5において、61はシリコンからなる
圧力ダイアフラムであり、このシリコン圧力ダイアフラ
ム61の上に21で図示される酸化シリコン(SiO2)とこの酸
化シリコン21の中央部に帯状に伸びる酸化シリコン(SiO
2)からなる凸部22とからなるリッジ型光導波路2Aがあ
る。このリッジ型光導波路2Aは、同一屈折率を有する酸
化シリコン21、22で構成しても、帯状凸部22の影響を受
け、帯状凸部22の下部に相当する部分2Aの屈折率が等価
的にやや増加して、光導波路2Aを構成する。この帯状凸
部22の上部に更に凸部23を予め定めた間隔(グレーティ
ング周期Λ)で設けることにより、ステップ状に変化す
る屈折率変化をリッジ型光導波路2Aに設けて、ブラッグ
グレーティング(BG)32を構成することができる。
2Aとダイアフラム61との一体型の構成においても、上述
した光ファイバ1Aを用い、接着あるいは接合方式による
FBG圧力センサの場合と同様に同一動作を行うことが
できる。 〔実施例7〕図5に図示したリッジ型光導波路2Aと同様
に、図6に図示する埋め込み型の光導波路2Bを用いても
リッジ型光導波路2Aと同様な効果を得ることができる。
図6において、61はシリコンからなる圧力ダイアフラム
であり、このシリコン圧力ダイアフラム61の上に25で図
示されクラッド層を形成する酸化シリコン(SiO2)と、こ
の酸化シリコン21の中央部に帯状に配置され屈折率が酸
化シリコン25よりやや高いコア部を形成する酸化シリコ
ン(SiO2)2Bと、さらに、このコア部2Bを取り囲んで、コ
ア部2B左右および上部に配置されクラッド層を形成する
酸化シリコン25と、からなる埋め込み型光導波路2Bがあ
る。この埋め込み型光導波路2Bは、コア部2Bは、ゲルマ
ニウム、セリウム、エルビウムあるいはユーロビューム
をドーピングして感光性を付与する。この様にドーピン
グすることによって、FBG31の場合と同様に、ダイア
フラム61上に光導波路2Bを作成した後、例えば、248nm
の紫外線を用いたUV光の干渉縞にさらすことによっ
て、光導波路2Bのコア部に周期的な屈折率変化を生じさ
せ、ブラッググレーティング(BG)33を形成すること
ができる。BGでの反射波長を1500nm、コア屈折率を1.
5 とすると、 (1)式から屈折率変化の周期は500nm であ
る。図6でBG33は、ハッチングの付いた部分とハッチ
ングのない部分を周期的に記載されているが、これは周
期的な屈折率変化を模式的に図示したものである。 〔実施例8〕実施例7のBGを構成する他の方法とし
て、「光マイクロマシン」技術を用いて、チャンネル導
波路のコア部を導波方向に対して直角方向に周期的に切
り欠き部分を形成し、コア部の周辺をクラッド材で構成
すると同時に、当該コアの切り欠き部分をクラッド材と
同じ材料で埋めてBGを製作することができる。なお、
クラッド材としては、空気でもよい。即ち、何も埋めな
くてもよい。
33は、ハッチングの付いた部分とハッチングのない部分
が周期的に記載されているが、これは当該切り欠き部分
が周期的に配置されていることを図示したものである。
論、図1の光導波路を用いたBG変位センサの要部構成
図に示した様に、ダイアフラム6の近傍に(温度)補償
用ブラッググレーティングBG4を配置し、圧力検出用
BG3の温度特性などの補償は行われる。
ブラッグ波長をセンサごとに変えておくことにより、
(例えば、センサ1の圧力検出用BGのブラッグ波長を
λB1、温度補償用BGのブラッグ波長をλB2、センサ2
の圧力検出用BGのブラッグ波長をλB3、温度補償用B
Gのブラッグ波長をλB4、・・・)、多点の圧力測定が
可能となる。
フラム上にFBGを接着または接合する、さらにはま
た、「光マイクロマシン」技術によりダイアフラムと光
導波路のBGとを一体構造にし、これを圧力検出用FB
GまたはBGとし、温度補償用のFBGまたはBGを圧
力変化の影響を受けないあるいは影響の少ないダイアフ
ラムの近傍箇所に設け、当該圧力検出用FBGまたはB
Gの温度特性をこの温度補償用FBGまたはBGの出力
で補正することができるという効果がある。
G変位センサの要部構成図
力センサの要部構成図
説明する説明図
ム断面斜視図
フラム断面斜視図
部構成図
サの概念図
Claims (10)
- 【請求項1】力を受け変位するセンシング部と、このセ
ンシング部に設けられる光導波路と、この光導波路の一
部に形成された変位検出用ブラッググレーティング(以
下、BGと略称する)と、前記光導波路の一部で前記変
位検出用BGの近傍に形成される補償用BGと、を備
え、この補償用BGのブラッグ波長を測定して変位検出
用BGの波長特性を補償する、 ことを特徴とするブラッググレーティング圧力センサ。 - 【請求項2】請求項1に記載の圧力センサにおいて、力
を受け変位するセンシング部はダイアフラムとし、この
ダイアフラムに光ファイバからなる光導波路を設けた、
ことを特徴とする圧力センサ。 - 【請求項3】請求項2に記載の圧力センサにおいて、圧
力検出用光ファイバブラッググレーティング(以下、F
BGと略称する)と温度補償用FBGを接続する光ファ
イバをU字型に曲げる、 ことを特徴とする圧力センサ。 - 【請求項4】請求項2に記載の圧力センサにおいて、ダ
イアフラムに圧力検出用FBGを接着剤で固定する、 ことを特徴とする圧力センサ。 - 【請求項5】請求項2に記載の圧力センサにおいて、光
ファイバが塑性変形する温度以下でダイアフラムに使用
されている材料と接合可能な金属材料でコーティングさ
れた圧力検出用FBGをダイアフラムに溶融接合をす
る、 ことを特徴とする圧力センサ。 - 【請求項6】請求項2に記載の圧力センサにおいて、シ
リコンと静電接合が可能なパイレックスガラスでコーテ
ィングされた圧力検出用FBGをシリコンダイアフラム
に静電接合する、 ことを特徴とする圧力センサ。 - 【請求項7】請求項1に記載のブラッググレーティング
圧力センサにおいて、力を受け変位するセンシング部は
ダイアフラムとし、このダイアフラム上にチャンネル導
波路を形成し、このチャンネル導波路の一部に圧力検出
用ブラッググレーティング(BG)と、温度補償用BG
と、を設けた、 ことを特徴とする圧力センサ。 - 【請求項8】請求項7に記載の圧力センサにおいて、チ
ャンネル導波路はリッジ型導波路とし、圧力検出用BG
はリッジ型導波路上に導波路と同じ材料を用いて周期的
な凹凸構造を設けてブラッグ回折条件を満たすBGを構
成する、 ことを特徴とする圧力センサ。 - 【請求項9】請求項7に記載の圧力センサにおいて、チ
ャンネル導波路はコア埋込み型導波路とし、圧力検出用
BGはその一部にBGを構成する、 ことを特徴とする圧力センサ。 - 【請求項10】請求項7に記載の圧力センサにおいて、
チャンネル導波路のコア部に導波方向と直角方向に周期
的に切り欠き部分を形成し、このコア部の切り欠き部分
およびコア部の周辺部にクラッド材で充填して圧力検出
用BGを構成する、ことを特徴とする圧力センサ。
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