JP2000219974A - 表面処理剤及び表面処理鋼板 - Google Patents

表面処理剤及び表面処理鋼板

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JP2000219974A
JP2000219974A JP11020369A JP2036999A JP2000219974A JP 2000219974 A JP2000219974 A JP 2000219974A JP 11020369 A JP11020369 A JP 11020369A JP 2036999 A JP2036999 A JP 2036999A JP 2000219974 A JP2000219974 A JP 2000219974A
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resin
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Hiroyuki Ogata
浩行 尾形
Chiyoko Tada
千代子 多田
Shigeru Unno
茂 海野
Katsuhei Kikuchi
勝平 菊池
Sachiko Suzuki
幸子 鈴木
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼板の製造工程及び使用過程において特別な排
水処理の必要がなく、且つ特に加工部耐食性および摺動
性に優れた表面処理皮膜を鋼板表面に形成することがで
きる表面処理剤および該表面処理剤により形成された皮
膜を有する鋼板の提供。 【解決手段】エチレンビニルアルコール樹脂と重合樹脂
とを含有し、かつ前記重合樹脂が、水酸基含有モノマ
ー、カルボキシル基含有モノマー、リン酸基含有モノマ
ーおよびエポキシ基含有モノマーから選ばれる1種以上
を含有することを特徴とする表面処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面処理剤及び表面
処理鋼板に関し、より詳しくはクロムフリーで、特に表
面潤滑性(摺動性)、および加工部耐食性に優れた表面
処理鋼板を製造するのに好適な表面処理剤及び該表面処
理剤により形成された皮膜を有する表面処理鋼板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりZnめっき鋼板、Zn−Alめ
っき鋼板などの亜鉛系めっき鋼板は家電、自動車、建築
の分野で広く使用されている。これらの鋼板は、鋼板の
耐食性向上のために、めっきの上にクロメート処理を施
し、若しくはクロメート処理を施した上に更に有機塗装
を施して使用されている。有機塗装を施す場合、このク
ロメート皮膜は有機塗膜との密着性を向上させるという
役割も果たす。
【0003】しかしながら、クロメート処理を施した鋼
板は、耐食性や皮膜密着性に優れているものの、六価ク
ロムを含有するものであり、従ってそのクロメート処理
工程においては水質汚染防止法に規定されている特別な
排水処理を行う必要があるため、コストアップにつなが
るという欠点を有していた。そのため、鋼板、特に亜鉛
系めっき鋼板の白錆の発生を防止する技術として、クロ
ムを用いない処理技術が求められ、現在まで数多くの技
術が提案されてきている。例えば、無機化合物、有機化
合物、有機高分子、あるいはこれらの組合せを含有する
溶液を用い、浸漬、塗布、電解処理などの方法により鋼
板上に薄膜を形成する方法、例えば、モリブデン、タン
グステンなどのポリ金属酸化物を用いる方法(例えば、
特開昭57−5875号公報)や、タンニン酸を用いる
方法(例えば、特開昭51−2902号公報)が提案さ
れている。また、特開平9−208859号公報には、
水酸基含有モノマーを含有する樹脂にリン酸を配合し、
かつ金属イオンを配合した表面処理用組成物が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリ金
属酸化物を用いる方法では、鋼板腐食に対するポリ金属
酸化物の安定領域はクロムのそれよりも狭く、クロメー
ト処理の場合と同等の耐食性を得ることは困難である。
また、タンニン酸を用いる方法では、十分な耐食性を得
ようとするとタンニン酸による着色が生じるという問題
がある。これらのいずれの方法を用いても、処理した鋼
板は、クロメート皮膜のような自己修復作用を持たない
ため、プレス加工、折り曲げ加工等により、皮膜に損傷
を与えると耐食性は格段に低下する。また、特開平9−
208859号公報に開示されている表面処理用組成物
は、金属との密着性が劣り、このため加工部の耐食性が
劣るという問題があった。
【0005】本発明は、鋼板の製造工程及び使用過程に
おいて特別な排水処理の必要がなく、且つ特に金属との
密着性に優れることにより、加工部耐食性および摺動性
に優れた表面処理皮膜を鋼板表面に形成することができ
る表面処理剤及び該表面処理剤により形成された皮膜を
有する鋼板を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を達成するため、鋭意検討した結果、鋼板上に特定の有
機樹脂を含有する表面処理剤を塗布し、乾燥して皮膜を
形成させることにより、製造工程及び使用過程において
六価クロムを用いることなく、よって特別な排水処理が
不要で、且つ特に加工部耐食性および摺動性に優れた表
面処理皮膜を形成することができることを見出し、本発
明を完成した。
【0007】即ち、本発明の表面処理剤は、エチレンビ
ニルアルコール樹脂と重合樹脂とを含有し、かつ前記重
合樹脂が、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モ
ノマー、リン酸基含有モノマーおよびエポキシ基含有モ
ノマーから選ばれる1種以上を含有することを特徴とす
る。
【0008】また、本発明の表面処理鋼板は、該表面処
理剤により形成された皮膜を少なくとも片面に有するこ
とを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面処理剤及び表
面処理鋼板について、その製造方法と併せて詳細に説明
する。本発明の第一の形態である表面処理剤の樹脂成分
の構成に使用されるエチレンビニルアルコール樹脂は下
記式(1)で示される。 ここで、n,mは1以上の整数を表す。
【0010】また、水酸基同志が脱水してエーテル化し
ていてもよいし、ブチラール化、ホルマール化等のアセ
タール化していてもよい。
【0011】水酸基含有モノマーとして、例えば(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキ
シブチル、アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチ
ル)エチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸3−クロル−2−ヒドロ
キシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステ
ル類、アリルアルコール類及びN−メチロールアクリル
アミド、N−ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミ
ド等のアルコールアミド類の還元性水酸基を含有するモ
ノマー等を挙げることができ、好ましくはアクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ルを使用することができる。
【0012】また、カルボキシル基含有モノマーとし
て、例えばエチレン性不飽和カルボン酸及びその誘導体
を挙げることができる。エチレン性不飽和カルボン酸と
して、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等
のエチレン性不飽和モノカルボン酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸、
それらの誘導体として、カルボン酸のアルカリ金属塩、
アンモニウム塩、有機アミン塩を挙げることができ、好
ましくは、アクリル酸、メタクリル酸を使用することが
できる。
【0013】リン酸基含有モノマーとして、少なくとも
リン酸基と重合性基、通常はエチレン性不飽和結合を有
する化合物が使用され、例えば、一般式 (Rは炭素数1以上の直鎖の又は分岐したアルキレン基
であり、mは0以上の整数である)又は、一般式 (Rは炭素数1以上の直鎖の又は分岐したアルキレン基
であり、nは2以上の整数である)で示される化合物等
を挙げることができる。
【0014】エポキシ基含有モノマーとしては、アリル
グリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエ
ーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジ
ルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メ
チルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を挙げ
ることができ、好ましくは、グリシジルメタクリレート
を使用することができる。
【0015】本発明の第一の態様の表面処理剤は、上述
のエチレンビニルアルコール樹脂と重合樹脂とを含有
し、かつ前記重合樹脂が、水酸基含有モノマー、カルボ
キシル基含有モノマー、リン酸基含有モノマーおよびエ
ポキシ基含有モノマーから選ばれる1種以上を含有す
る。好ましくは、 エチレンビニルアルコール樹脂と水酸基含有モノマ
ーおよびカルボキシル基含有モノマーを有する共重合樹
脂。 の共重合樹脂に、さらにリン酸基含有モノマーを
共重合した樹脂。 エチレンビニルアルコール樹脂と、エポキシ基含有
モノマーを有する共重合樹脂、又はエポキシ基含有モノ
マーを重合した樹脂。 の重合樹脂に、さらにリン酸基含有モノマーを共
重合した樹脂。 が例示できる。またこれらの混合物であってもよい。
【0016】ここで、エチレンビニルアルコール樹脂
は、エチレン・酢酸ビニル共重合体を加水分解した樹脂
で、(株)クラレからエバール(EVAL)G156と
して市販されている、エチレン含有量47mol%、融
点160℃、メルトインデックスMI=6.4g/10
min(測定190℃)が例示される。
【0017】本発明の水酸基含有モノマー、カルボキシ
ル基含有モノマー、リン酸基含有モノマーおよびエポキ
シ基含有モノマーから選ばれる1種以上のモノマーを含
有する重合樹脂として好ましいものは、メタアクリル酸
・メタアクリル酸メチル・スチレン共重合体、アクリル
酸・メタアクリル酸ブチル・スチレン共重合体、メタア
クリル酸・メタアクリル酸ブチル・スチレン共重合体、
マイレン酸・メタアクリル酸ブチル・スチレン共重合
体、イタコン酸・メタアクリル酸ブチル・スチレン共重
合体等が例示される。好ましくはメタアクリル酸・メタ
アクリル酸メチル・スチレン共重合体である。これら重
合樹脂の分子量は2万〜5万程度である。
【0018】分子中にリン酸基を有する樹脂は、先に説
明したもの、またはこれらと他の樹脂との共重合体が挙
げられる。水性エポキシ樹脂は、先に説明したエポキシ
基含有モノマーを有する水性樹脂や、ビスフェノール型
エポキシ樹脂、グリセリン形エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オレフィン形エ
ポキシ樹脂およびこれらの変性物が用いられ、例えば、
エピコート1009等のエポキシ樹脂の水酸基またはグ
リシジル基をカルボン酸または無水カルボン酸で変性し
た水性エポキシ樹脂が挙げられる。
【0019】本発明のさらに好ましい処理剤を例示する
と、 エチレンビニルアルコール樹脂と、カルボキシル基
含有モノマーと水酸基含有モノマーとを有する共重合樹
脂との混合物であり、エチレンビニルアルコール樹脂
は、0.5〜50重量%、カルボキシル基含有モノマー
と水酸基含有モノマーとを有する共重合樹脂は99.5
〜50重量%である。この範囲内であれば、得られる組
成物は、エチレンビニルアルコール樹脂の有する酸素遮
断性によりガスバリヤー性が高く、耐食性が優れ、耐薬
品性、耐摩耗性も高い。カルボキシル基含有モノマーと
水酸基含有モノマーとを有する共重合樹脂により表面処
理された鋼板の皮膜は鋼板又は鋼板に形成されためっき
層への密着性が高い。 の共重合樹脂に、さらにリン酸基含有モノマーを
重合させた樹脂を含有する組成物であり、リン酸基含有
モノマーは、全樹脂固型分の2〜70重量%であるのが
好ましい。この範囲であると、表面処理された鋼板の皮
膜は鋼板又は鋼板に形成されためっき層との密着性が高
く、加工部耐食性、摺動性に優れる。
【0020】 エチレンビニルアルコール樹脂とエポ
キシ基含有モノマーを重合させた重合樹脂を有する組成
物であり、エチレンビニルアルコール樹脂0.5〜50
重量%、エポキシ基含有モノマーの重合体樹脂99.5
〜50重量%である。この範囲であると表面処理された
鋼板の皮膜は鋼板又は鋼板に形成されためっき層との密
着性が高く、加工部耐食性および摺動性に優れる。 の重合樹脂に、さらにリン酸基を含有するモノマ
ーを重合させた重合樹脂を含有する組成物であり、リン
酸基含有モノマーは、全樹脂固型分の2〜70重量%で
あるのが好ましい。この範囲であると、表面処理された
鋼板の皮膜は鋼板又は鋼板に形成されためっき層との密
着性が高く、加工部耐食性、摺動性が高い。
【0021】これらの樹脂は水溶性でも水性エマルショ
ンでも良いが、水溶性であることが好ましい。なぜな
ら、エマルション粒子は、粒子内に極性基を内包してお
り、粒子表面の極性基のみの量では金属イオンとの反応
による皮膜の緻密化が不充分である。緻密な皮膜とする
ためには、水溶性樹脂を用い、さらに極性基量を増やし
た方が好ましいためである。水性エマルションは通常乳
化重合法によって得られる樹脂エマルションであるが、
種々の重合法によって得た樹脂を水に乳化分散させた樹
脂エマルションであってもよい。乳化重合条件は特に制
限されず、常法を用いて行うが、少なくとも水、アニオ
ン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤、
樹脂成分モノマー、および重合開始剤よりなる混合物を
重合反応して得ることができる。水性樹脂中の樹脂固型
分濃度は、好ましくは、5〜550g/lとする。
【0022】本発明において、皮膜密着性を更に向上さ
せ、皮膜剥離を防止し、耐食性を上げるために、該鋼板
用表面処理剤に更にリン酸、フッ化水素酸、過酸化水素
からなる群より選ばれる1種以上の酸を含ませることが
できる。これらの酸は、鋼板にコーティングするための
従来技術で提案されている種々の処理剤、塗料組成物で
も用いられているものであり、従来技術で提案されてい
る量で用いることができる。
【0023】ここで、リン酸としては、浴中でリン酸と
なるものであれば如何なるものでもよく、リン酸の他に
例えばポリリン酸、次亜リン酸、トリポリリン酸、ヘキ
サメタリン酸、第一リン酸、第二リン酸、第三リン酸、
ポリメタリン酸、重リン酸などのリン酸系化合物を用い
ることもできる。
【0024】本発明において、耐食性、皮膜の緻密性を
上げるため、該鋼板用表面処理剤に更に金属イオンを含
有させることができる。金属イオンとしては、例えば、
亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、カルシウ
ム、マンガン、ニオブ、ストロンチウム、アルミニウム
及びイットリウムのイオン、例えば Zn2+ 、Mg2+、Z
r 4+、Ti4+、Ca2+、Mn2+、Mn4+、 Nb3+ 、 Nb5+ 、S
r2+、Al3+、Y3+ からなる群より選ばれる1種以上を使
用することができる。これらの金属イオンの供給源は特
に制限はないが、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、
チタン、カルシウム、マンガン、ニオブ、ストロンチウ
ム、アルミニウム及びイットリウムの炭酸塩、硝酸塩、
硫酸塩、リン酸塩、塩化物、有機酸塩等を使用すること
が好ましい。リン酸塩とすれば、先に説明した酸を同時
に混合することができる。これらの金属イオンもまた、
鋼板にコーティングするための従来技術で提案されてい
る種々の処理剤、塗料組成物でも用いられているもので
あり、従来技術で提案されている量で用いることができ
る。
【0025】本発明において、皮膜の緻密性を上げるた
め、鋼板用表面処理剤に更に金属酸化物を含有させるこ
とができる。金属酸化物としては、例えばSiO2 、M
gO、ZrO2 、SnO2 、Al2 3 、Sb2 5
Fe2 3 、Fe3 4 からなる群より選ばれる1種以
上を使用することができる。金属酸化物もまた、鋼板に
コーティングするための従来技術で提案されている種々
の処理剤、塗料組成物でも用いられているものであり、
従来技術で提案されている量で用いることができる。
【0026】本発明において、処理皮膜と鋼板表面との
密着性を上げるため、該鋼板用表面処理剤に更にシラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウム
カップリング剤からなる群より選ばれる1種以上のカッ
プリング剤を含有させることができる。
【0027】シランカップリング剤としては、例えばγ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、β−3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルト
リアセトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミ
ノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを
挙げることができる。
【0028】また、チタンカップリング剤としては、例
えばジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナトチ
タン、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタン、ジイソ
プロポキシ−ビス−(2,4−ペンタジオネート)チタ
ニウム、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)
チタネート等を挙げることができる。ジルコニウムカッ
プリング剤としては、例えばアセチルアセトンジルコニ
ウムブチレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウ
ムアセテート等を挙げることができる。
【0029】カップリング剤は、鋼板にコーティングす
るための従来技術で提案されている種々の処理剤、塗料
組成物でも用いられているものであり、従来技術で提案
されている量で用いることができる。
【0030】特には、樹脂固型分5〜550g/l、酸
化合物が0.1〜10g/l、金属イオンが0〜50g
/l、金属酸化物が0〜10g/lおよびカップリング
剤が樹脂固型分全量に対して0〜1.0重量%である処
理剤が例示できる。
【0031】本発明の表面処理鋼板において、使用され
る鋼板として、電気Znめっき鋼板、電気Zn−Niめ
っき鋼板、溶融Znめっき鋼板、Al−Zn溶融めっき
鋼板等の各種亜鉛系めっき鋼板、その他の各種金属のめ
っき鋼板を挙げることができる。
【0032】本発明において、表面処理鋼板は、表面に
上記鋼板用表面処理剤により形成された皮膜を有する。
この場合、皮膜の厚さは0.1〜5μmであることが好
ましい。厚さが5μmより厚いと、耐食性の向上効果は
あるものの、皮膜が厚くなることにより加工性が低下
し、かつコストアップとなる傾向があり、一方、厚さが
0.1μm未満であると、鋼板表面の凹凸が埋めきれ
ず、耐食性の向上効果が小さくなる傾向があるため、好
ましくない。
【0033】本発明において、表面処理鋼板を製造する
方法としては、例えば亜鉛系めっき鋼板の表面に、上記
の表面処理剤を塗布し、乾燥して、皮膜を形成させるこ
とが好ましい。該処理剤を鋼板に塗布するには、ロール
コート、スプレー塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、カーテン
フロー等いずれの塗装方法を用いても良い。また、塗布
量は、皮膜の厚さが上記の範囲内となるようにする。
【0034】以上に説明したように、本発明の表面処理
剤により形成された皮膜を鋼板の表面に形成すること
で、特に、加工部耐食性および摺動性に優れた鋼板とす
ることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づいて詳しく説明する。 実施例1〜34及び比較例1、2 下記の鋼板を用意した。 電気Znメッキ:電気亜鉛めっき鋼板(板厚:1.0m
m、Zn:20g/m 2 )、 電気Zn−Niメッキ:電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板
(板厚:1.0mm、Zn−Ni:20g/m2 、N
i:12重量%)、 溶融Zn:溶融亜鉛めっき鋼板(板厚:1.0mm、Z
n:60g/m2 )、 合金化溶融Zn:合金化溶融亜鉛めっき鋼板(板厚:
1.0mm、Zn:60g/m2 、Fe:10重量
%)、 Zn−Al:亜鉛アルミニウムめっき鋼板(板厚:1.
0mm、60g/m2、Al:5重量%)、 ガルバリウム鋼板:亜鉛アルミニウムめっき鋼板(板
厚:1.0mm、60g/m2 、Al:55重量%)。
【0036】また、下記の水溶性樹脂を用意した。 共重合樹脂A:St/BMA/MAA/2HEMA/P
1 =40/10/25/20/5(重量%)(重量平均
分子量:30,000)、 共重合樹脂B:St/BMA/MAA/2HEMA/P
2 =25/25/25/20/5(重量%)(重量平均
分子量:30,000)、 共重合樹脂C:St/BMA/MAA/2HEMA/G
MA=50/20/20/5/5(重量%)(重量平均
分子量:30,000)、 共重合樹脂D:St/BMA/MAA/2HEMA=5
5/20/15/10(重量%)(重量平均分子量:2
0,000)、 共重合樹脂E:St/BMA/P1 =60/20/20
(重量%)(重量平均分子量:10,000)、 共重合樹脂F:St/BMA/P2 =60/20/20
(重量%)(重量平均分子量:10,000)、 エチレンビニルアルコール樹脂I:クラレエバールG1
56 エチレン含有量47mol%、融点160℃、M
I=6.4g/10min(測定190℃)。
【0037】上記の樹脂のモノマーにおいて、Stはス
チレン、BMAはブチルメタアクリレート、MAAはメ
タクリル酸、2HEMAはメタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、BAはアクリル酸ブチル、MMAはメタクリル
酸メチル、2HBAはアクリル酸2−ヒドロキシブチ
ル、AAはアクリル酸、P1 は、構造式、 で示される化合物であり、また、P2 は、構造式、 で示され、GMAはグリシジルメタクリレートである。
【0038】第1表、第2表に記載の成分を第1表、第
2表、第3表に記載の割合で含有する表面処理剤(溶
媒:水)を調製し、第1表、第2表、第3表に記載の鋼
板上にロールコーター塗装し、20秒で鋼板温度が15
0℃となるように加熱して乾燥させて、1μmの皮膜を
形成させ、試験片を作製した。各試験片について下記の
特性を下記の試験方法に従って評価した。
【0039】<加工部耐食性>エリクセンカップ絞り試
験機を用い、無塗油の各試験片に下記の条件下で絞り加
工を施し、そのカップ絞り面に対し、塩水噴霧試験(J
IS Z−2371)を行い、各試験片の表面の10%
に白錆が発生するまでに要する時間を下記の評価基準に
従って評価した。その結果は第4表および第5表に示す
通りであった。 プレス条件 しわ押え圧:2トン ポンチ径:33mmφ ブランク径:59mmφ 絞り比:1.78 速度:500mm/s 評価基準 ◎:100時間以上 ○:80以上 100時間未満 △:50以上 80時間未満 ×:50時間未満
【0040】<耐油性の評価>各試験片上の皮膜面に防
錆油Z5(出光興産)を1g/m2 の量で塗布し、塗布
前後の色差△E(SQ・2000:日本電色製色差計)
で測定した。耐油性が高い面ほど色調が変わらず△Eが
小さい。 評価基準 ◎:△E<1.0 ○:△E=1.0〜2.0 △:3.0>△E>2.0 ×:△E≧3.0
【0041】<摺動性>各試験片上の塗油なしの皮膜面
の摩擦係数を万能摺動試験機(東京試験機製)により測
定した。 評価基準 ◎:μ<0.20 ○:μ=0.20〜0.25 △:0.3≦μ<0.25 ×:μ>0.3
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】以上に示したように本発明の鋼板はクロ
ムを使用しない、表面処理鋼板であり、皮膜密着性が高
く、加工部耐食性および摺動性に優れる。従来の自動
車、家電、建材分野で使用されているクロメート処理鋼
板の代替として有用である。また、クロムを使用しない
表面処理鋼板であることから、容器関連、食器関連、屋
内用建材に至るまでの広い用途に使用可能である。
フロントページの続き (72)発明者 海野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 菊池 勝平 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 鈴木 幸子 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4J038 CB062 CE011 CE032 CE072 CG021 CG031 CG061 CG071 CG141 CG171 CH021 CH121 CL001 DB061 DB071 DB251 DB261 GA03 GA06 GA07 GA14 MA08 MA10 NA03 NA11 NA27 PB05 PB07 PB09 PC02 4K026 AA02 AA07 AA09 AA12 AA13 AA22 BA01 BB04 BB08 BB10 CA16 CA23 CA26 CA28 CA35 CA37 CA39 CA41

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンビニルアルコール樹脂と重合樹脂
    とを含有し、かつ前記重合樹脂が、水酸基含有モノマ
    ー、カルボキシル基含有モノマー、リン酸基含有モノマ
    ーおよびエポキシ基含有モノマーから選ばれる1種以上
    を含有することを特徴とする表面処理剤。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の表面処理剤により形成さ
    れた皮膜を少なくとも片面に有することを特徴とする表
    面処理鋼板。
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