JP2000219795A - 自動車シフトノブ - Google Patents

自動車シフトノブ

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JP2000219795A
JP2000219795A JP2106299A JP2106299A JP2000219795A JP 2000219795 A JP2000219795 A JP 2000219795A JP 2106299 A JP2106299 A JP 2106299A JP 2106299 A JP2106299 A JP 2106299A JP 2000219795 A JP2000219795 A JP 2000219795A
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weight
component
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ethylene
thermoplastic elastomer
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JP2106299A
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Ryoichi Okuda
良一 奥田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟で耐摩耗性に優れ、且つ耐油性や成形外
観も良好な、塩素を含まない熱可塑性エラストマー樹脂
組成物を用いた自動車シフトノブを提供すること。 【解決手段】 (a)ビニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックAを少なくとも2個と共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個有する
ブロック共重合体 100重量部、(b)ポリオレフィ
ン系樹脂 50〜170重量部、(c)非芳香族ゴム用
軟化剤 100〜300重量部、(d)結晶性ポリオレ
フィン樹脂と、部分的もしくは完全に架橋されたエチレ
ン・α−オレフィン重合体とを含む熱可塑性エラストマ
ー組成物 50〜170重量部、(e)粘度が5000
0センチスト−クス以上であるシリコ−ンオイル 5〜
50重量部、からなる熱可塑性エラストマー樹脂組成物
を使用した自動車シフトノブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来の塩ビを用い
た自動車シフトノブに対して、遜色ない外観、耐摩耗
性、耐油性を有し、環境ホルモンやダイオキシン等の環
境問題に対応したハロゲンを含まない樹脂を用いて得ら
れる自動車シフトノブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車のシフトノブについては塩
ビ樹脂が使用されている。しかし、塩ビ樹脂中に含まれ
る可塑剤が環境ホルモンとして取り上げられ、人手と頻
繁に接触する当用途については特に大きな問題となって
いる。また塩ビ樹脂の場合は燃焼時にダイオキシンが発
生しやすいという疑いが強まっており、このような諸問
題から塩ビ以外の樹脂を使用したシフトノブが望まれて
いる。その候補材としてゴム的な材料であって加硫工程
を必要とせず、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を有す
る熱可塑性エラストマー樹脂が挙げられ、自動車部品、
家電部品、建材用途等に注目を集めている。自動車内装
部品、特にシフトノブの様に人手と頻繁に接触する部品
に使用する場合、樹脂に耐摩耗性を付与させることが必
要不可欠である。熱可塑性エラストマーの場合、硬度を
極端に硬くすれば耐摩耗性が向上することは既知である
が、その際塩ビ並みの触感が得られないため、より柔軟
で耐摩耗性に優れた非塩ビエラストマーの開発が望まれ
ている。
【0003】ポリウレタン系樹脂は耐摩耗性に優れた樹
脂として知られているが、燃焼時に有害ガスが発生する
恐れがあるため、環境対応材料としては、嫌われる傾向
にある。また、成形安定性にも劣る。オレフィン系やス
チレン系の熱可塑性エラストマーに高級脂肪酸アミドと
いった有機滑剤や、低粘度のシリコーンオイルを添加
し、成形品の表面滑り性を大きくすることで耐摩耗性を
改良する試みもなされているが、これらのものは経時あ
るいは熱などにより表面への著しく移行するために、成
形品の外観が損なわれ、耐摩耗性についても期待した効
果が得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決し、より柔軟で耐摩耗性に優れ、且つ耐
油性や成形外観も良好な、塩素を含まない環境対応型の
熱可塑性エラストマー樹脂組成物を使用した自動車シフ
トノブを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の研
究を進めた結果、(a)〜(e)成分を特定の割合で配
合し溶融混練して得た熱可塑性エラストマー樹脂組成物
を用いて得られる自動車シフトノブが上記問題を解決す
ることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0006】即ち本発明は、(a)ビニル芳香族化合物
を主体とする重合体ブロックAを少なくとも2個と共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくと
も1個有し、ビニル芳香族化合物の含有量が5〜70重
量%の範囲にあり、共役ジエン化合物部分の70%以上
が水添されているブロック共重合体 100重量部 (b)メルトフローレイト(ASTM−D−1238L
条件、230℃)が1〜40g/10minであるポリオ
レフィン系樹脂 50〜170重量部 (c)非芳香族ゴム用軟化剤 100〜300重量部 (d)結晶性ポリオレフィン樹脂と、部分的もしくは完
全に架橋されたエチレン及び炭素数が3〜12のα−オ
レフィンからなるエチレン・α−オレフィン重合体とを
含む熱可塑性エラストマー組成物であって、該エチレン
・α−オレフィン重合体の密度が0.858〜0.91
5g/cm3の範囲であり、且つ重量平均分子量(MW
と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw
n)が3.0未満である熱可塑性エラストマー組成物
50〜170重量部 (e)粘度(JIS Z8803、25℃)が5000
0センチスト−クス(以下cstと略す)以上であるシ
リコ−ンオイル 5〜50重量部 からなる熱可塑性エラストマー樹脂組成物を使用した自
動車シフトノブである。好ましくは、(d)成分中のエ
チレン・α−オレフィン系重合体がメタロセン系触媒を
用いて製造したものである熱可塑性エラストマー樹脂組
成物を使用して得られる前記自動車シフトノブである。
【0007】以下、本発明に関して詳細に説明する。本
発明の(a)成分で用いられる水添ブロック共重合体
は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA
を少なくとも2個と共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックBを少なくとも1個有し、ビニル芳香族化合
物の含有率が5〜70重量%の範囲にあり、共役ジエン
化合物部分の70%以上が水添されている必要がある。
水添ブロック共重合体の形態は、例えば(A−B)n−
A(nは1〜5の整数を表す)、もしくは(A−B)m
−X(Xはカッフ゜リンク゛剤残基を表し、mは2〜6の整数を
表す)で示される。水添前のブロック共重合体を構成す
るビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチル
スチレン、o,m−またはp−メチルスチレン、ビニル
ナフタレン、ビニルアントラセンなどのなかから一種ま
たは二種以上が選ばれ、なかでもスチレンが望ましい。
共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソ
プレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,
3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどのなかか
ら一種または二種以上が選ばれ、なかでもイソプレン、
ブタジエン及びこの組み合わせが望ましい。共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックBのミクロ構造は特
に限定されないが、そのビニル化度は70%以下である
ことが望ましい。またブロック共重合体の分子構造は、
線状あるいは分岐状のいずれであってもよいが、上記ブ
ロック形態で示されるブロック共重合体に必要に応じ、
(A−B)n(nは1〜5の整数を表す)で示されるブ
ロック共重合体を添加して用いてもよい。上記ブロック
共重合体において、ビニル芳香族化合物の含有量と共役
ジエン化合物の含有量の比率は5/95〜70/30の
範囲であり、この範囲を逸脱すると充分なゴム弾性体が
得られない。ブロック共重合体の分子量については、好
ましくは50000以上、さらに好ましくは15000
0〜300000である。分子量が50000未満であ
ると成形品の強度が低下し、300000を越えると成
形加工性が低下する。上記ブロック共重合体を公知の方
法、例えば特公昭42−8704号公報に記載の方法で
水添することにより、共役ジエン化合物部分の70%以
上が水素添加されている水添ブロック共重合体が得られ
る。共役ジエン化合物部分の水素添加率が70%未満で
は得られる水添ブロック共重合体の熱老化性、耐候性が
劣り望ましくない。水素添加率としては90%以上が望
ましい。上記水添ブロック共重合体は更に変性して分子
末端または分子鎖中に水酸基、カルボキシル基、エポキ
シ基等の極性基を導入して使用してもよい。
【0008】次に、本発明の成分(b)として用いられ
るポリオレフィン系樹脂は熱可塑性エラストマー組成物
に対して成形加工性、耐熱性、耐油性を付与するために
必要な成分である。ポリオレフィン系樹脂の具体例とし
ては、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンと他
の少量のα−オレフィンのランダムまたはブロック共重
合体、具体的にはポリプロピレン−エチレン共重合体、
プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレンー4ー
メチルー1ペンテン共重合体、及びポリ4ーメチルー1
−ペンテン、ポリブテン−1等があげられ、なかでも耐
熱性の点でポリプロピレンが好適である。使用するポリ
オレフィン系樹脂のメルトフローレイト(以下MFRと
略す)は1〜40g/10min(ASTM−D−123
8L条件、230℃)であり、好ましくは10〜25g
/10minの範囲である。MFRが1g/10min未満
であると成形加工性が低下し、40g/10minを超え
ると耐熱性が低下する。(b)成分の配合量は(a)成
分100重量部に対して50〜170重量部、好ましく
は90〜130重量部である。50重量部未満の場合は
成形加工性、耐油性が劣り、170重量部を越えると
柔軟性が損なわれると共に成形外観に艶ムラが生じやす
くなり好ましくない。また使用するポリオレフィン系樹
脂中には高温老化試験、耐候性試験での物性の変化を抑
えるために造核剤が添加されていることが好ましい。
【0009】本発明で用いる(c)成分の非芳香族ゴム
用軟化剤は、得られる組成物の硬度を調整し、柔軟性を
与える作用を持つ必須成分であり、非芳香族系の鉱物油
または液状もしくは低分子量の合成軟化剤が適してい
る。具体的には、ゴム用軟化剤のパラフィン系プロセス
オイルが好適に用いられる。ここで非芳香族系とは芳香
族成分が30%以下のものをいう。軟化剤の芳香族成分
が30%を越えると、熱可塑性エラストマー組成物の高
温での形状回復性が低下するため好ましくない。好適な
パラフィン系プロセスオイルの性状は37.8℃におけ
る動粘度が20〜500cst、流動点が−10〜−1
5℃および引火点が170〜300℃を示す。(c)成
分の非芳香族ゴム用軟化剤の配合量は(a)成分100
重量部に対し100〜300重量部であり、好ましくは
150〜250重量部である。(c)成分の配合量が1
00重量部未満の配合では、得られる組成物が樹脂組成
物に近くなるため、硬度が増し、柔軟性を失う他に経済
的観点からも好ましくない。(c)成分の配合量が30
0重量部を超えた配合のものは、軟化剤のブリードアウ
トを生じやすくシフトノブに粘着性を生じる恐れがあ
り、機械的性質、耐摩耗性も低下させるため好ましくな
い。
【0010】本発明の(d)成分を構成するエチレン・
α−オレフィン重合体は、エチレン及び炭素数が3〜1
2のα−オレフィンからなる重合体であって、特定の密
度、および特定の分子量分布を有していることを特徴と
している。本発明にて用いられるオレフィン系重合体は
公知のメタロセン系触媒により製造されることができ、
チーグラー系触媒等を用いる従来のものと比較して重合
触媒が異なり且つ得られる重合体の性質も従来のものと
比較して大きく異なっている。メタロセン系触媒を用い
たオレフィン系重合体の特徴を列挙すると、 1.重合触媒が超高活性であるため、コモノマーのα−
オレフィンの組成を従来より大幅に高めることが可能と
なり、可塑剤を含まない状態でも柔軟性に富んだエラス
トマー状の重合体が得られる。 2.チーグラー系ポリマーと比較してコモノマー分布が
均一である。 3.チーグラー系ポリマーと比較して分子量分布が極め
てシャープであり、低分子量成分が極めて得少なく、耐
摩耗性、機械的強度及び加工性に優れ高品質である。 4.分子量分布がシャープであるにもかかわらず、長鎖
分岐を導入した場合は、ASTM D1238により規
定される190℃/10kgfにおけるメルトインデッ
クス(I10)と、190℃/2.16kgfにおけるメ
ルトインデックス(I2)との比(I10/I2)の値が大
きく、加工特性に優れる。 等である。炭素数3〜12のα−オレフィンとしては例
えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オク
テン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、
ドデセン−1、等があげられ、より好ましくは、炭素数
4〜12のα−オレフィンである。メタロセン系触媒と
は、チタン、ジルコニウム等の 族金属のシクロペンタ
ジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触媒として超高
活性であるだけでなく、従来の触媒、例えば、チーグラ
ー系触媒と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭
く、共重合体中のコモノマーである炭素数3〜12のα
−オレフィンの分布が均一であり、触媒種が均一である
ことを特徴としている。また、チグラー触媒によるエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体では、上記のメルト
インデックス比(I10/I2)と分子量分布は、ほぼ直
線的な比例関係を示し、メルトインデックス比の増加と
と伴に分子量分布も増大する傾向を示す。この場合分子
量分布は、3〜10程度である。一方、メタロセン系触
媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体では、メル
トインデックス比の値の如何にかかわらず、分子量分布
は3.0未満のシャープな値となり、低分子量成分が極
めて少ない。このため、本発明の(d)成分を構成する
エチレン・α−オレフィン共重合体の機械的強度、耐摩
耗性、加工性が優れている。本発明にて用いられるエチ
レン・α−オレフィン重合体は、密度が0.858〜
0.915g/cm3の範囲のものが好ましい。この範
囲の密度を有するオレフィン系重合体を用いることによ
り、柔軟性に優れ、更に機械的強度等にも優れた熱可塑
性樹脂組成物を提供することができる。また本発明で用
いられるエチレン・α−オレフィン重合体のMFRは特
に限定されないが、0.01〜100g/10min(1
90℃、2.16kg荷重)、更に好ましくは0.05
〜50g/10minである。
【0011】本発明の(d)成分を構成する結晶性ポリ
オレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、プロピレンと他の少量のα−オレフィンのランダム
またはブロック共重合体、及びポリ4ーメチルー1−ペ
ンテン、ポリブテン−1等があげられ、なかでも耐熱性
の点でポリプロピレンが好適である。本発明の(d)成
分を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体と結晶
性ポリオレフィン樹脂との重量比は、95/5〜25/
75の範囲であることが好ましく、エチレン・α−オレ
フィン重合体の割合がこれより少ないと該エチレン・α
−オレフィン重合体の特徴を生かしきれず、好ましくな
い。
【0012】本発明にて用いられる(d)成分中のエチ
レン・α−オレフィン共重合体は、部分的もしくは完全
に架橋されている必要がある。これにより更に耐摩耗性
や耐油性、耐熱性を向上させることが可能となる。架橋
させる方法は、特に限定されないが、結晶性ポリオレフ
ィン樹脂を溶融させた状態でエチレン・α−オレフィン
共重合体を混合させ、架橋剤を加え、さらに溶融混練す
る方法等が採用できる。架橋剤としては、有機過酸化物
が好ましく、架橋助剤を併用することがさらに好まし
い。ここで好ましく使用される有機過酸化物の具体例と
して、パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイ
ド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル
類、並びにハイドロパーオキサイド類を挙げることがで
きる。これらの化合物の中では、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
サン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン及び2,5−ジメチル−2,5
−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好まし
い。また、好ましく用いられる架橋助剤の例として、ジ
ビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリア
リルシアヌレート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニル
ベンゼン、P−キノンジオキシム、フェニルマレイミ
ド、アリルメタクリレート、等を挙げることができる。
これらの有機過酸化物もしくは架橋助剤は、エチレン・
α−オレフィン共重合体100重量部に対し0.02〜
10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用い
ることが好ましい。
【0013】本発明における(d)成分の配合量は、
(a)成分100重量部に対して、50〜170重量
部、好ましくは90〜130重量部である。配合量が5
0重量部未満の場合は耐油性、成形外観が劣り、170
重量部を越える場合は、強度が低下し、それに伴い耐摩
耗性も低下する。
【0014】本発明で用いられる(e)成分であるシリ
コーンオイルは、熱可塑性エラストマーに耐摩耗性を付
与し、エラストマー特有のべたつきを防ぐ成分である。
このシリコーンオイルの分子構造におけるシロキサン主
鎖の結合する置換基の種類については特に限定するもの
ではないが、その中でもジメチルシリコーンオイル、、
メチルフェニルシリコーンオイル、あるいはアルキル変
性シリコーンオイルが好適に用いられる。この(e)成
分であるシリコーンオイルの粘度は50000cst以
上、好ましくは100000以上である。シリコーンオ
イルの粘度が50000cst未満では耐摩耗性向上の
効果は少なく、経時、あるいは熱による成形品表面の移
行が著しくなり好ましくない。(e)成分の配合量は
(a)成分100重量部に対し、5〜50重量部、好ま
しくは15〜40重量部である。(e)成分の配合量が
5重量部未満では耐摩耗性、べたつきを十分に改良する
ことができず、50重量部を超える場合は得られる組成
物の機械的強度を低下させ、さらに経済的な面からも好
ましくない。また、このシリコーンオイルの使用にあた
っては、シリコーンオイルの分散性向上、作業性改善の
ために、あらかじめ熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレ
ンに練り込んだものを使用することが好ましい。
【0015】上記の(a)〜(e)成分のほかに、本発
明の組成物はさらに必要に応じて、造核剤、外滑剤、内
滑剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、着色剤等を添加して
も良い。
【0016】本発明の組成物を製造する方法としては、
通常の樹脂組成物、ゴム組成物の製造に用いられる一般
的な方法を採用できる。基本的には機械的溶融混練方法
であり、これらには単軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ーミキサー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等が
用いられる。この際、各成分の添加順序には制限がな
く、例えば、全成分をヘンシェルミキサー、ブレンダー
等の混合機で予備混合し上記の混練機で溶融混練した
り、任意の成分を予備混合しマスターバッチ的に溶融混
練し、さらに残りの成分を添加し溶融混練する等の添加
方法を採用できる。また、この際溶融混練する温度は1
80℃〜300℃の中から好適に選ぶことができる。こ
こで得られた熱可塑性エラストマー樹脂組成物はさらに
シフトノブの金型を備えた射出成形機に供給し短時間で
射出成形しシフトノブの成形品を得ることができる。ま
た、射出成形品の不要なバリ、ランナー部、およびスプ
ール部は本発明の組成物が熱可塑性であるため、リサイ
クル成形が可能であり、再度、自動車シフトノブ用とし
て利用出来る長所を持つ。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。以下に示す実施例及び比較例において配合した
各成分は以下の通りである。 <成分a−1>クラレ製:ポリスチレン−水素添加され
たポリイソプレン−ポリスチレンの構造を有するブロッ
ク共重合体。結合スチレン量:30重量%、数平均分子
量:200000、水素添加率:98%以上 <成分a−2>クラレ製:ポリスチレン−水素添加され
たポリイソプレン−ポリスチレンの構造を有するブロッ
ク共重合体。結合スチレン量:30重量%、数平均分子
量:70000、水素添加率:98%以上 <成分b−1>JPO製ホモポリプロピレン:メルトフ
ローレート15g/10min(ASTM D1238) <成分b−2>JPO製ホモポリプロピレン:メルトフ
ローレート0.5g/10min(ASTM D123
8) <成分c>出光興産製ダイアナプロセスオイル:パラフ
ィン系プロセスオイル、動粘度:381.6cst(4
0℃)、30.1(100℃)、平均分子量746、環
分析値:CA(環状部分の二重結合の部分)=0%、CN
(環状部分の二重結合のない部分)=27%、CP(直
鎖状部分)=73%] <成分d>旭化成工業製:アイソタクチックポリプロピ
レン及びエチレン・αオレフィン共重合体からなる組成
物を有機過酸化物で架橋して得られた熱可塑性組成物:
MFR1.8g/10min、密度0.875g/cm
3、硬度70、エチレン・αオレフィン含量:約40重
量%、コモノマー:オクテン−1、密度0.868g/
cm3、Mw/Mn=2.3 <成分e−1>信越化学製シリコ−ンオイル :粘度1
00000cst(25℃)比重0.977(25℃)
屈折率1.403(25℃)流動点−50℃以下] <成分e−2>信越化学製シリコ−ンオイル :ストレ
−トシリコ−ンオイル、粘度10000cst(25
℃)比重0.975(25℃)屈折率1.403(25
℃)流動点−50℃以下]
【0018】実施例1〜6及び比較例1〜10は各々表
1〜3に示した配合割合のものを十分ドライブレンドし
た後、二軸混練機を用いて樹脂温180〜270℃にな
るような条件で溶融混練し押し出しペレタイズ化した。
このペレットを使用して以下の評価を行った。 (1) 硬度(JIS K6301):このペレットよりプ
レスシートを作成し測定した。 (2) 外観:このペレットより射出成形機で、シボ付きの
シフトノブ成形品を作製し、目視にてフローマーク、艶
等の外観を成形直後、及び温度110℃、400時間の
高温老化試験後で観察し、良好なものを○、やや不良な
ものを△、不良なものを×とした。 (3) MFR:ペレットにて測定。ASTM−D−123
8L、230℃ (4) 耐油試験:シフトノブ成形品よりテストピース切り
出し、流動パラフィンオイルに浸漬し(80℃、72時
間)、体積変化率を測定した。 (5)摩耗試験.上記シボ付きシフトノブ成形品を用い、図
−1に示す曲面摺動摩耗試験法により評価した。相手
材:並綿布10号、荷重:1kg 速度:25往復/分
の条件で試験し、成形品表面のシボが完全に摩滅するま
での往復回数を測定した。
【0019】その結果を実施例として表1に示し、比較
例としては表2、表3に示した。この結果から、本発明
で得られた組成物を成形したシフトノブは、より柔軟で
耐摩耗性に優れていることがわかる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を使用して得られる
シフトノブは、より柔軟で耐摩耗性に優れ、耐油性や成
形外観も良好である。しかも塩素を含まない組成物であ
るため燃焼時の有害ガスの発生がなく、現在使用されて
いる塩ビ樹脂を用いたシフトノブの代替を可能にするも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシフトノブの評価に用いる曲面摺動摩
耗試験法の概略図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83:04)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ビニル芳香族化合物を主体とする
    重合体ブロックAを少なくとも2個と共役ジエン化合物
    を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個有し、
    ビニル芳香族化合物の含有量が5〜70重量%の範囲に
    あり、共役ジエン化合物部分の70%以上が水添されて
    いるブロック共重合体 100重量部 (b)メルトフローレイト(ASTM−D−1238L
    条件、230℃)が1〜40g/10minであるポリオ
    レフィン系樹脂 50〜170重量部 (c)非芳香族ゴム用軟化剤 100〜300重量部 (d)結晶性ポリオレフィン樹脂と、部分的もしくは完
    全に架橋されたエチレン及び炭素数が3〜12のα−オ
    レフィンからなるエチレン・α−オレフィン重合体とを
    含む熱可塑性エラストマー組成物であって、該エチレン
    ・α−オレフィン重合体の密度が0.858〜0.91
    5g/cm3の範囲であり、且つ重量平均分子量(MW
    と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw
    n)が3.0未満である熱可塑性エラストマー組成物
    50〜170重量部 (e)粘度(JIS Z8803、25℃)が5000
    0センチスト−クス(以下cstと略す)以上であるシ
    リコ−ンオイル 5〜50重量部 からなる熱可塑性エラストマー樹脂組成物を使用した自
    動車シフトノブ。
  2. 【請求項2】(d)成分中のエチレン・α−オレフィン
    系重合体がメタロセン系触媒を用いて製造したものであ
    る請求項1に記載の自動車シフトノブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002167493A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd 熱可塑性エラストマー組成物

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