JP2000219656A - 3−ニトロ−o−トルイル酸の単離精製法 - Google Patents

3−ニトロ−o−トルイル酸の単離精製法

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JP2000219656A
JP2000219656A JP11022473A JP2247399A JP2000219656A JP 2000219656 A JP2000219656 A JP 2000219656A JP 11022473 A JP11022473 A JP 11022473A JP 2247399 A JP2247399 A JP 2247399A JP 2000219656 A JP2000219656 A JP 2000219656A
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toluic acid
amine
solvent
salt
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Masakatsu Furui
正勝 古井
Jiro Kiyono
次郎 清野
Naoki Suzuki
直樹 鈴木
Atsushi Hamada
篤志 濱田
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Sun Chemical Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C205/00Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton
    • C07C205/49Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by carboxyl groups
    • C07C205/57Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by carboxyl groups having nitro groups and carboxyl groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the carbon skeleton

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Abstract

(57)【要約】 【課題】3−ニトロ−o−トルイル酸と5−ニトロ−o
−トルイル酸を主成分とする混合物から、3−ニトロ−
o−トルイル酸のみを効率よく単離精製しうる方法を提
供すること。 【解決手段】3−ニトロ−o−トルイル酸と5−ニトロ
−o−トルイル酸を主成分とする混合物を溶媒中に懸濁
または溶解させたのち、これにアミンを添加し、生成し
た3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩と5−ニトロ−
o−トルイル酸アミン塩の溶媒に対する溶解度の差を利
用して3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩を優先的に
結晶として単離することを特徴とする3−ニトロ−o−
トルイル酸の単離精製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3−ニトロ−o−
トルイル酸の単離精製法に関する。さらに詳しくは、種
々の位置異性体を含むニトロ−o−トルイル酸から、H
IV関連疾患治療薬として有用なアミド誘導体の合成中
間体(国際公開第97/11937号パンフレット) 、抗菌剤と
して有用なベンゾヘテロ環化合物の合成中間体 (特開平
1-230558号公報) などとして有用な3−ニトロ−o−ト
ルイル酸を結晶として単離精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、3−ニトロ−o−トルイル酸を製
造する方法としては、o−キシレンから合成されたo−
トルイル酸を硝酸、硝酸塩などでニトロ化することによ
って製造する方法が知られている。
【0003】しかしながら、この製造方法では、o−ト
ルイル酸のベンゼン環の第3位が特異的にニトロ化され
た3−ニトロ−o−トルイル酸のみを得ることができ
ず、これと第5位、6位などがニトロ化された化合物と
の混合物が生成する。
【0004】したがって、この混合物から3−ニトロ−
o−トルイル酸のみを得るためには、不必要な異性体で
ある第5位、6位などがニトロ化された化合物をこの混
合物から分離除去しなければならない。
【0005】ところが、この混合物は位置異性体の混合
物であるため、各化合物は互いに極めて類似した物理的
性質および化学的性質を有することから、晶析技術、蒸
留技術などによっては、3−ニトロ−o−トルイル酸の
みを効率よく分離精製することが困難である。
【0006】また、従来、晶析技術、蒸留技術などを利
用しない位置異性体を単離方法としては、一般的な芳香
族化合物の位置異性体の分離法である、膜リアクターに
よる方法〔石川治男ほか著「ジャーナル・オブ・ケミカ
ル・エンジニアリング・オブ・ジャパン[J. Chem. Eng.
Japan] 」1989(22)18頁〕、高圧晶析法〔安田稔ほか
著「化学工学」55(1991)287 頁(精製晶析)〕、ゾー
ンメルティング法〔松岡正邦ほか著「化学工学」55(19
91)290 頁(圧力晶析によるパラクレゾールの製造)〕
などが知られている。しかしながら、これらの方法は、
そのほとんどが汎用的な方法ではなく、特別な装置を必
要とすることが多いことから、前記混合物から3−ニト
ロ−o−トルイル酸のみを単離精製することが困難であ
る。
【0007】したがって、近年、前記混合物から3−ニ
トロ−o−トルイル酸のみを効率よく単離精製しうる方
法の開発が待ち望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、3−ニトロ−o−トル
イル酸と5−ニトロ−o−トルイル酸を主成分とする混
合物から、3−ニトロ−o−トルイル酸のみを効率よく
単離精製しうる方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、3−ニ
トロ−o−トルイル酸と5−ニトロ−o−トルイル酸を
主成分とする混合物を溶媒中に懸濁または溶解させたの
ち、これにアミンを添加し、生成した3−ニトロ−o−
トルイル酸アミン塩と5−ニトロ−o−トルイル酸アミ
ン塩の溶媒に対する溶解度の差を利用して3−ニトロ−
o−トルイル酸アミン塩を優先的に結晶として単離する
ことを特徴とする3−ニトロ−o−トルイル酸の単離精
製法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の3−ニトロ−o−トルイ
ル酸の単離精製法によれば、3−ニトロ−o−トルイル
酸と5−ニトロ−o−トルイル酸を主成分とする混合物
を溶媒中に懸濁または溶解させたのち、これにアミンを
添加し、生成した3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩
と5−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩の溶媒に対する
溶解度の差を利用して3−ニトロ−o−トルイル酸アミ
ン塩を優先的に結晶として単離することにより、3−ニ
トロ−o−トルイル酸を3−ニトロ−o−トルイル酸ア
ミン塩として単離精製することができる。
【0011】本発明においては、3−ニトロ−o−トル
イル酸と5−ニトロ−o−トルイル酸を主成分とする混
合物にアミンを添加する点に、1つの大きな特徴があ
る。このように前記混合物にアミンを添加した場合に
は、生成した各アミン塩は、互いに相異なる物理的性質
および化学的性質を発現するようになる。さらに、溶媒
に対する各アミン塩の溶解度の相違を利用した場合に
は、目的とする3−ニトロ−o−トルイル酸を3−ニト
ロ−o−トルイル酸アミン塩の形で前記混合物から容易
に、効率よく単離精製することができるという格別顕著
に優れた効果が発現される。
【0012】ニトロ−o−トルイル酸を調製する方法と
しては、既知の方法を採用することができる。かかる方
法の代表例としては、例えば、o−トルイル酸と濃硫酸
および硝酸カリウムを用いる方法〔ジアカロン・エイ
(Giacalone. A.)ら著、ガゼッタ・チミカ・イタリアー
ナ[Gazz. Chim. Ital.] 1935 (65) 840 頁〕、o−トル
イル酸と発煙硝酸を用いる方法〔ジャコブセン(Jacobse
n)、ウィエルス(Wierss)著、ケミッシェ・ベリヒテ[Che
m. Ber.] 1883 (16) 1957 頁〕などがあげられるが、本
発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0013】本発明においては、まず、o−トルイル酸
をニトロ化することによって得られた3−ニトロ−o−
トルイル酸と5−ニトロ−o−トルイル酸を主成分とす
る混合物を溶媒中に懸濁または溶解させる。なお、「3
−ニトロ−o−トルイル酸と5−ニトロ−o−トルイル
酸を主成分とする」とは、該混合物中に3−ニトロ−o
−トルイル酸と5−ニトロ−o−トルイル酸とが50重
量%以上含有されていることをいう。
【0014】前記溶媒としては、極性有機溶媒、非極性
有機溶媒および水があげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0015】極性有機溶媒としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの
アルコール系溶媒をはじめ、N,N’−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセ
トンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。
【0016】また、非極性有機溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサンなどの炭化水素系溶
媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;イソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系
溶媒などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。
【0017】使用される溶媒の種類は、生成させるアミ
ン塩の種類によって異なる。該溶媒としては、一般に、
生成する3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩の溶解度
を小さくし、不純物である5−ニトロ−o−トルイル酸
アミン塩の溶解度を大きくする溶媒を適宜選択して使用
することが好ましい。
【0018】溶媒の使用量は、前記混合物を完全に溶解
させることができる量であってもよく、あるいは生成し
たアミン塩を溶媒中で懸濁させることができる量であっ
てもよい。溶媒の使用量は、特に限定がないが、通常、
前記混合物100重量部に対して、200〜20000
重量部程度、好ましくは300〜15000重量部程度
であることが望ましい。
【0019】次に、前記混合物を溶媒中に懸濁または溶
解させて得られた懸濁液または溶液にアミンを添加す
る。
【0020】本発明に用いるアミンとしては、第1級脂
肪族アミン、第2級脂肪族アミン、第3級脂肪族アミン
および芳香族アミンが好ましい。
【0021】第1級脂肪族アミンの代表例としては、メ
チルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソ
プロピルアミン、ブチルアミンなどがあげられる。第2
級脂肪族アミンの代表例としては、ジエチルアミン、ジ
−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n
−ブチルアミンなどがあげられる。第3級脂肪族アミン
の代表例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロ
ピルアミンなどがあげられる。また、芳香族アミンの代
表例としては、アニリン、ジクロロアニリン、ジフルオ
ロアニリン、クロロフルオロアニリン、トルイジン、ジ
メチルアミノピリジン、インドール、ナフチルアミン、
フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、ジフェニル
アミンなどがあげられる。これらのアミンは、本発明に
おいて不要である5−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩
の溶解度を高める目的で、単独で用いることのほか、2
種以上を混合して用いてもよい。
【0022】アミンの添加量は、特に限定がないが、通
常、前記混合物に含まれているニトロ−o−トルイル酸
1モルに対して、0.5〜1.5モル程度、好ましくは
0.7〜1.3モル程度であることが望ましい。
【0023】なお、本発明においては、溶媒は、アミン
の種類に応じて適宜選択して用いることが好ましい。
【0024】その具体例としては、例えば、アミンとし
てジエチルアミンを用いる場合、溶媒としてメチルアル
コール、イソプロピルアルコール、トルエン、塩化メチ
レン、1,2−ジクロロエタン、N,N’−ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、
イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどを用い
ることが好ましく、とりわけ1,2−ジクロロエタン、
酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエンなどを用い
ることが好ましい。アミンとしてイソプロピルアミンを
用いる場合、溶媒としてイソプロピルアルコール、1,
2−ジクロロエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、ト
ルエン、テトラヒドロフラン、水などを用いることが好
ましく、とりわけ酢酸エチルなどを用いることが好まし
い。アミンとしてジイソプロピルアミンを用いる場合、
溶媒として酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン、トル
エン、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、テト
ラヒドロフラン、水などを用いることが好ましく、とり
わけ酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン、トルエンな
どを用いることが好ましい。アミンとしてジ−n−ブチ
ルアミンを用いる場合、溶媒として酢酸エチル、トルエ
ン、イソプロピルアルコール、1,2−ジクロロエタン
などを用いることが好ましく、とりわけ酢酸エチル、ト
ルエンなどを用いることが好ましい。アミンとしてジク
ロロアニリン、ジフルオロアニリンなどのアニリン類を
用いる場合、溶媒としてイソプロピルアルコール、酢酸
エチル、1,2−ジクロロエタン、トルエンなどが好ま
しく、とりわけ酢酸エチル、イソプロピルアルコールな
どを用いることが好ましい。
【0025】前記懸濁液または溶液にアミンを添加する
際の溶媒の液温は、特に限定がないが、通常、速やかに
アミン塩を生成させる観点から、10〜70℃程度であ
ることが好ましい。なお、反応の際の雰囲気も特に限定
がなく、通常、空気であってもよく、例えば窒素ガス、
アルゴンガスなどの不活性ガスであってもよい。
【0026】反応終了後、反応液中には、主として3−
ニトロ−o−トルイル酸アミン塩と5−ニトロ−o−ト
ルイル酸アミン塩が生成している。反応液中から、本発
明における目的化合物である3−ニトロ−o−トルイル
酸アミン塩を晶析させる際の温度は、通常、−10〜5
0℃程度であることが好ましく、工業規模で容易に操作
しうる観点から0〜30℃であることが好ましい。
【0027】晶析後の反応液中には、3−ニトロ−o−
トルイル酸アミン塩が晶析しているが、他方、5−ニト
ロ−o−トルイル酸アミン塩のほとんどは溶解した状態
であり、結晶としてほとんど析出していない。
【0028】したがって、前記反応液を固液分離するこ
とにより、3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩を結晶
として単離することができる。
【0029】以上説明したように、本発明の単離精製法
によれば、3−ニトロ−o−トルイル酸をアミン塩の結
晶として5−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩から効率
よく単離精製することができる。
【0030】なお、生成した3−ニトロ−o−トルイル
酸アミン塩は、そのままの状態で使用することができる
が、該3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩を脱塩させ
て、3−ニトロ−o−トルイル酸として使用することも
できる。
【0031】3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩の脱
塩は、例えば、3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩を
前記溶媒に溶解または懸濁させ、これに塩酸などの酸を
添加し、pHを1程度以下に調整することによって容易
に行なうことができる。脱塩後は、固液分離することに
より、3−ニトロ−o−トルイル酸を結晶として回収す
ることができる。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0033】実施例1 3−ニトロ−o−トルイル酸38重量%および5−ニトロ
−o−トルイル酸54.5重量%を含むニトロトルイル酸20
gを酢酸エチル450 mlに室温 (約26℃) で懸濁させ、
これにジエチルアミン8.96g (ニトロ−o−トルイル酸
1モルに対して1.2 モル) を添加した後、60℃に加温
し、溶解させた。
【0034】次に、得られた溶液を室温まで冷却し、3
−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩および5−
ニトロ−o−トルイル酸を生成させた。
【0035】1.5 時間攪拌した後、26℃で反応液の固液
分離を行ない、高速液体クロマトグラフィーにより定量
を行なったところ、3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチ
ルアミン塩56重量%および5−ニトロ−o−トルイル酸
ジエチルアミン塩 4.9重量%を含む結晶10.05 gが得ら
れていた。
【0036】以上の結果から、3−ニトロ−o−トルイ
ル酸ジエチルアミン塩の収率は74.1重量%であり、取得
した結晶における3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチル
アミン塩の精製比は92%であった。
【0037】なお、各実施例において、精製比は、式: 〔精製比〕=〔3−ニトロ−o−トルイル酸またはその
アミン塩の量(モル)〕÷〔3−ニトロ−o−トルイル
酸またはそのアミン塩の量(モル)+5−ニトロ−o−
トルイル酸またはそのアミン塩の量(モル)〕×100
(%) にしたがって求めた。
【0038】実施例2 実施例1において、反応液を固液分離する際の温度を26
℃から0℃に変更したほかは、実施例1と同様にして3
−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩を単離精製
したところ、3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミ
ン塩の収率は85.9重量%に上昇し、精製比は85.1%とな
った。
【0039】実施例3 実施例1において、溶媒として酢酸エチル450 mlの代
わりにテトラヒドロフラン120 mlを用いたほかは、実
施例1と同様にして3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチ
ルアミン塩を単離精製したところ、3−ニトロ−o−ト
ルイル酸ジエチルアミン塩の収率は79.9重量%であり、
精製比は88.4%であった。
【0040】実施例4〜7 実施例1において、ニトロ−o−トルイル酸1モルに対
するジエチルアミンの量、ならびに溶媒の種類およびそ
の量を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同
様にして3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩
を単離精製した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例8〜11 実施例1において、アミンとしてジエチルアミン(ニト
ロ−o−トルイル酸1モルに対する量:1.2 モル)の代
わりに、ニトロ−o−トルイル酸1モルに対して、表2
に示す割合のジエチルアミンとアニリンとの混合物を用
いたほかは、実施例1と同様にして3−ニトロ−o−ト
ルイル酸ジエチルアミン塩を単離精製した。その結果を
表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例12 3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩63.1重量
%および5−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩
6.4重量%を含むジエチルアミン塩10.0g (3−ニトロ
−o−トルイル酸ジエチルアミン塩の精製比90.8%) を
水400 mlに懸濁し、室温下塩酸でpHを1以下とし、脱
塩させた。1時間攪拌後、固液分離を行なったところ、
3−ニトロ−o−トルイル酸92.2重量%および5−ニト
ロ−o−トルイル酸 5.9重量%を含む結晶6.48gが得ら
れた。このとき、3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチル
アミン塩からの3−ニトロ−o−トルイル酸の収率は9
4.7重量%であり、取得結晶の精製比は94%であった。
【0045】実施例13 3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩63.1重量
%および5−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩
6.4重量%を含むジエチルアミン塩10.0g (3−ニトロ
−o−トルイル酸ジエチルアミン塩の精製比90.8%) を
水200 mlに懸濁し、室温下水酸化ナトリウムでpHを12
以下とし、溶解させた。得られた溶液をトルエン50ml
で3回洗浄した後、塩酸でpHを1以下とし、脱塩させ
た。1時間攪拌した後、固液分離を行なったところ、3
−ニトロ−o−トルイル酸88.1重量%および5−ニトロ
−o−トルイル酸 7.8重量%を含む結晶6.93gが得られ
た。このとき、3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルア
ミン塩からの3−ニトロ−o−トルイル酸の収率は96.7
重量%で、取得結晶の精製比は91.9%であった。
【0046】実施例14 3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩63.1重量
%および5−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩
6.4重量%を含むジエチルアミン塩10.0g (3−ニトロ
−o−トルイル酸ジエチルアミン塩の精製比90.8%) を
酢酸エチル400mlと水200 mlとの混合溶媒に溶解
し、塩酸でpHを1以下とし、脱塩させた。水層を分液
後、酢酸エチル層を濃縮乾固したところ、3−ニトロ−
o−トルイル酸90.2重量%および5−ニトロ−o−トル
イル酸 8.1重量%を含む結晶7.00gが得られた。このと
き、3−ニトロ−o−トルイル酸ジエチルアミン塩から
の3−ニトロ−o−トルイル酸の収率は100 重量%で、
取得結晶の精製比は91.8%であった。
【0047】実施例12〜14の結果から、本発明の単離精
製法によって得られた3−ニトロ−o−トルイル酸ジエ
チルアミン塩を脱塩させることにより、3−ニトロ−o
−トルイル酸を容易に効率よく得ることができることが
わかる。
【0048】実施例15〜33 実施例1において、アミンの種類およびその添加量なら
びに溶媒の種類およびその添加量を表3に示すように変
更したほかは、実施例1と同様にして3−ニトロ−o−
トルイル酸ジエチルアミン塩の単離精製を行なった。そ
の結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】以上の結果から、上記実施例の分離精製法
によれば、従来、3−ニトロ−o−トルイル酸と5−ニ
トロ−o−トルイル酸との単離が困難とされていた3−
ニトロ−o−トルイル酸と5−ニトロ−o−トルイル酸
との混合物から、3−ニトロ−o−トルイル酸をそのア
ミン塩の結晶として選択性よく分離精製することができ
ることがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法によれば、3−ニトロ−o
−トルイル酸と5−ニトロ−o−トルイル酸との混合物
から、3−ニトロ−o−トルイル酸のみをアミン塩とし
て効率よく単離精製することができるという効果が奏さ
れる。
【0052】したがって、本発明の方法を採用すれば、
種々の位置異性体を含むニトロ−o−トルイル酸から、
HIV関連疾患治療薬として有用なアミド誘導体の合成
中間体、抗菌剤として有用なベンゾヘテロ環化合物の合
成中間体などとして有用な3−ニトロ−o−トルイル酸
を工業的規模で生産することができるという効果が奏さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 篤志 埼玉県草加市旭町2丁目5番地3 サンハ イツ松原208号 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC51 AD15 AD30 BA51 BB11 BB12 BB13 BB15 BB16 BB17 BB20 BB21 BC33 BJ10 BS30 BU26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−ニトロ−o−トルイル酸と5−ニト
    ロ−o−トルイル酸を主成分とする混合物を溶媒中に懸
    濁または溶解させたのち、これにアミンを添加し、生成
    した3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩と5−ニトロ
    −o−トルイル酸アミン塩の溶媒に対する溶解度の差を
    利用して3−ニトロ−o−トルイル酸アミン塩を優先的
    に結晶として単離することを特徴とする3−ニトロ−o
    −トルイル酸の単離精製法。
  2. 【請求項2】 アミンが第1級脂肪族アミン、第2級脂
    肪族アミン、第3級脂肪族アミンまたは芳香族アミンで
    ある請求項1記載の単離精製法。
  3. 【請求項3】 アミンがジエチルアミンであり、溶媒が
    酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエ
    タンまたはトルエンである請求項1記載の単離精製法。
  4. 【請求項4】 アミンがイソプロピルアミンであり、溶
    媒が酢酸エチルである請求項1記載の単離精製法。
  5. 【請求項5】 アミンがジイソプロピルアミンであり、
    溶媒が酢酸エチル、1,2−ジクロロエタンまたはトル
    エンである請求項1記載の単離精製法。
  6. 【請求項6】 アミンがジ−n−ブチルアミンであり、
    溶媒が酢酸エチルまたはトルエンである請求項1記載の
    単離精製法。
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