JP2000219014A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2000219014A
JP2000219014A JP11023915A JP2391599A JP2000219014A JP 2000219014 A JP2000219014 A JP 2000219014A JP 11023915 A JP11023915 A JP 11023915A JP 2391599 A JP2391599 A JP 2391599A JP 2000219014 A JP2000219014 A JP 2000219014A
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groove
grooves
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tread
block land
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JP11023915A
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Naoya Ochi
直也 越智
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Bridgestone Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
    • B60C11/1204Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special shape of the sipe
    • B60C2011/1213Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special shape of the sipe sinusoidal or zigzag at the tread surface

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  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷上性能と雪上性能をバランスよく両立させ
るとともに、特に濡れた路面上での排水性能を有効に高
めた空気入りタイヤを提供することにある。 【解決手段】 トレッド中央域10に1本の広幅の周方向
主溝3と1 対の稲妻状の周方向副溝4,5 とを配設し、ト
レッド側方域11,12 に直線状に延びる側方周溝6,7 を配
設し、トレッド陸部は、 パターンセンター側から見て、
リブ状陸部18a,18b 、第1ブロック陸部列19a,19b 及び
第2ブロック陸部列20a,20b とで構成され、 第1ブロッ
ク陸部列19a,19b のブロック陸部は、 傾斜溝間9a−9a,9
b −9bにこれとは反対の向きに向かって延びる分断溝15
a,15b を配設して、中央側ブロック陸部21a,21b と側方
側ブロック陸部22a,22b に区分し、リブ状陸部18a,18b
、中央側ブロック陸部21a,21b 及び第2ブロック陸部
列20a,20b のブロック陸部に、それぞれ所定の傾斜で多
数本のサイプ23,24,26を配設することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、氷上性能及び雪
上性能をバランスよく両立させつつ、 特に濡れた路面で
の排水性能の向上を図った空気入りタイヤ、特にスタッ
ドレスタイヤで代表される冬用空気入りタイヤに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】氷雪路面上で主に使用される冬用空気入
りタイヤ、例えばスタッドレスタイヤは、そのトレッド
パターン100 として、 図2に示すように、 タイヤ周方向
に沿って直線状又はジグザグ状に延びる複数本の周方向
溝101 〜105 と、 これらの周方向101 〜105 をタイヤ幅
方向に横切る多数本の横断溝106 とを配設することによ
って、トレッド陸部全体を多数個のブロック陸部に区分
した、いわゆるブロックパターンを採用するのが一般的
である。
【0003】かかるブロックパターンを有する従来タイ
ヤは、 トレッド陸部全体をほぼ均等なブロック陸部に多
数区分するとともに、 各ブロック陸部には、 タイヤ幅方
向に延びる多数本のサイプ107 をほぼ均等に配設したも
のであるため、氷上性能及び雪上性能とも、トラクショ
ン方向(タイヤの前後方向)に対しては良好であるもの
の、 横方向(タイヤの幅方向)に対してはあまり良くな
かった。
【0004】ところで、氷上性能を高めるためには、氷
路面との実質的な接触面積を増加させる点などから、ネ
ガティブ率(見かけのトレッド接地面積全体に対し、溝
などの実際には接地していない部分の面積が占める割
合)を小さくすることが好ましく、また、 雪上性能を高
めるには、溝面積を増し溝で雪をつかむ効果(雪柱せん
断効果)を高める点などから、 ネガティブ率を大きくす
ることが好ましいと一般に考えられており、よって、両
者はいわば二律背反の関係にある。
【0005】上記従来タイヤの場合には、ネガティブ率
を相対的に大きくして雪上性能を発揮するのに適した溝
配分になっているため、氷路面では十分な性能が得られ
ず、また、ブロック陸部に多数本のサイプを配設しエッ
ジ成分の増加させることによって、氷上性能を向上させ
ようとすると、ブロックの剛性が顕著に低下し、 ブロッ
クの曲げまたは倒れ込みが生じて、雪上性能が悪化する
こととなり、結局、 かかるタイヤでは、氷上性能と雪上
性能を両立させることが困難であった。
【0006】そのため、発明者は、 氷上性能と雪上性能
を両立させるための検討を行ない、これらの性能をバラ
ンスよく両立させたスタッドレスタイヤの開発に成功
し、特開平10−16514 号公報で既に開示した (図3参
照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上掲公報記載のスタッ
ドレスタイヤは、氷雪路面上での走行を可能にしたタイ
ヤであるが、実際の使用環境下では、氷雪路面上だけで
はなく、濡れた路面や乾いた路面上を走行する場合も想
定されることから、かかる路面でのタイヤ性能を確保す
ることも必要であるが、 発明者がこれらの路面でのタイ
ヤ性能について調査したところ、 特に、 濡れた路面での
排水性能が十分でない場合があり、よって、かかる排水
性能をより一層向上させることが望まれるところであ
る。
【0008】そこで、この発明の目的は、 氷上性能と雪
上性能をバランスよく両立させるとともに、特に濡れた
路面上を走行したときの排水性能を有効に高めた空気入
りタイヤ、 特にスタッドレスタイヤで代表される冬用空
気入りタイヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、 この発明は、 トレッド部に、タイヤ周方向に沿って
延びる5本の周方向溝と、各トレッド端からそれぞれパ
ターンセンターに向かって傾斜して延び、それらの終端
がパターンセンターを挟んで実質的に向かい合う配置に
なる対をなす傾斜溝を所定の間隔をおいて配設して方向
性パターンを形成し、 周方向溝と傾斜溝とトレッド端と
によって、多数のブロック陸部を形成し、かつ、多数本
のサイプを配設してなる空気入りタイヤにおいて、 前記
周方向溝のうちの、3本の周方向溝をトレッド中央域
に、各1本の周方向溝をそれぞれのトレッド側方域に配
設し、 トレッド中央域に配設した周方向溝は、直線状に
延びる1本の広幅の周方向主溝と、 この周方向主溝を挟
んで位置する1 対の狭幅の周方向副溝とで構成し、周方
向副溝は、 傾斜溝の終端部が連通する短溝部と、これら
の間に位置し前記傾斜溝と同じ向きに向かって傾斜する
長溝部とを交互に連結して稲妻状に形成し、 トレッド側
方域に配設した周方向溝は、直線状に延びる側方周溝で
構成し、トレッド陸部は、 周方向主溝と稲妻状に延在す
る周方向副溝の間に位置するリブ状陸部と、周方向副溝
と側方周溝との間に位置しこれらと傾斜溝とによって区
分された複数のブロック陸部からなる第1ブロック陸部
列と、側方周溝とトレッド端との間に位置しこれらと傾
斜溝とによって区分された複数のブロック陸部からなる
第2ブロック陸部列とで構成し、 リブ状陸部に、傾斜溝
とは反対の向きに向かって延びる多数本のサイプを配設
し、 第1ブロック陸部列に位置するブロック陸部は、 傾
斜溝間にこれとは反対の向きに向かって延びる分断溝を
配設することによって、さらに中央側ブロック陸部と側
方側ブロック陸部に区分し、中央側ブロック陸部に、傾
斜溝とは反対の向きに向かって延びる多数本のサイプを
配設し、第2ブロック陸部列に位置するブロック陸部
に、 傾斜溝と略平行に延びる多数本のサイプを配設する
ことを特徴とする空気入りタイヤである。
【0010】尚、 ここでいう「トレッド中央域」とは、
パターンセンターを中心に含む領域であって、 トレッド
幅の50%の領域をいい、「トレッド側方域」とは、トレ
ッド中央域を除いたトレッド領域をいう。また、「傾斜
溝と同じ向きに向かって傾斜する」とは、具体的には、
平面上で、直交する座標軸で平面を 4つに分けたときの
第1〜第4象限を考え、 傾斜溝が第 1象限と第3象限の
範囲内にあるとき、 同様の範囲内で傾斜することを意味
し、 また、「傾斜溝と反対の向きに向かって傾斜する」
とは、傾斜溝が第 1象限と第3象限の範囲にあるとき、
第2象限と第4象限の範囲内で傾斜することを意味す
る。
【0011】傾斜溝は、 タイヤ周方向に対して75〜90°
の角度でトレッド端側から傾斜して延びる緩傾斜溝部
と、この緩傾斜溝部からパターンセンターに向かってタ
イヤ周方向に対して25〜65°の角度で傾斜して延びる急
傾斜溝部とで構成することが好ましく、 また、分断溝
は、その一端を、一の傾斜溝を構成する緩傾斜溝部と急
傾斜溝部との境界又はこの近傍位置に連通させることが
より好適である。
【0012】さらに、第1ブロック陸部列を構成する側
方側ブロック陸部に、傾斜溝の緩傾斜溝部と略平行に延
びる多数本のサイプを配設することが好ましい。
【0013】サイプはジグザグ状に形成することが好ま
しく、また、分断溝及び/又は傾斜溝の緩傾斜溝部の溝
壁はジグザグ状に形成することが好ましい。
【0014】上記構成のトレッドパターンを有するタイ
ヤは、 傾斜溝のパターンセンター側からトレッド端側に
向かって順次接地域内に入る方向に車両に装着すること
が好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、 この発明の実施の形態の一
例を以下に説明する。図1は、 この発明に従う空気入り
タイヤのトレッドパターンの一部を示したものであり、
図中1はトレッド部、2はパターンセンター、3〜7は
周方向溝、8a及び8bはトレッド端、9a及び9bは傾斜溝、
10はトレッド中央域、11及び12はトレッド側方域、15a
及び15b は分断溝である。
【0016】図1に示すトレッドパターンを有するタイ
ヤは、 トレッド部1に、タイヤ周方向(タイヤ周方向は
タイヤ赤道面に対して平行な方向である。)に沿って延
びる5本の周方向溝3〜7と、各トレッド端8a,8b か
らそれぞれパターンセンター2(図1ではパターンセン
ター位置2とタイヤ赤道位置とを一致させた場合の例を
示す。)に向かって傾斜して延び、それらの終端9a1,9b
1 がパターンセンター2を挟んで実質的に向かい合う配
置になる対をなす傾斜溝9a,9b を所定の間隔をおいて多
数配設して方向性パターンを形成するとともに、周方向
溝4〜7と傾斜溝9a,9b 、及び周方向溝6,7 と傾斜溝9
a,9b とトレッド端8a,8b とによって、多数のブロック
陸部を形成し、かつ、多数本のサイプを配設したもので
ある。
【0017】そして、 この発明の構成上の主な特徴は、
トレッド部に配設する溝とサイプの配設形状と陸部形状
の適正化を図ることにあり、より具体的には、 トレッド
パターンを、リブ状陸部とブロック陸部が混在するパタ
ーンにするとともに、排水性に有利な方向性パターンに
し、加えて、上記陸部ごとに適正な傾斜でサイプを配設
することにある。
【0018】かかる構成の詳細については以下に示す。
まず、この発明では、前記周方向溝3〜7のうちの、3
本の周方向溝3〜5をトレッド中央域10に、各1本の周
方向溝6,7をそれぞれのトレッド側方域11,12 に配設
し、これら周方向溝3〜7の配設形状の適正化を図るこ
とが必要である。
【0019】具体的には、トレッド中央域10に配設した
周方向溝3〜5は、パターンセンター2又はこの近傍に
位置し直線状に延びる1本の広幅の周方向主溝3と、 こ
の周方向主溝3を挟んで位置する1対の周方向副溝4,
5とで構成し、周方向副溝4,5は、 傾斜溝9a,9b の
終端部9a1,9b1 が連通する短溝部4a,5a と、これらの間
4a−4a,5a−5aに位置し短溝部4a,5aよりも狭幅でかつ
前記傾斜溝9a,9bと同じ向きに向かって傾斜する長溝部
4b,5bとを交互に連結して稲妻状に形成したものであ
る。尚、周方向主溝3の溝幅は、トレッド幅の5〜10%
の範囲内にすることが好ましい。
【0020】そして、周方向主溝3を直線状でかつ広幅
にすることによって、濡れた路面での排水性を向上させ
るとともに、雪路面での横すべり性や直進性を向上させ
ることができ、また、周方向副溝4,5を配設すること
によって、横力に対抗できるエッジ成分を増加させるこ
とができ、氷雪路面上でのコーナリング性能等を高める
ことができる。
【0021】さらに、周方向副溝4,5の配設形状を上
記稲妻状に形成することによって、直線状の周方向溝を
配設した場合と比べて,タイヤの前後力(具体的には駆
動力と制動力)を発揮できるエッジ成分を有効に増加さ
せることができ、特に氷路面上での駆動・制動性能が向
上する。
【0022】加えて、周方向副溝4,5を構成する長溝
部4b,5bを、前記傾斜溝9a,9bと同じ向きに向かって傾
斜させ(この傾斜角度は、好ましくはタイヤ周方向に対
し1〜20°の範囲とする。)、より好ましくは、パター
ンセンターに向かって収束する方向に傾斜させる配置に
することによって、特にトレッド中央域での排水性を向
上させることができる。
【0023】尚、濡れた路面での排水性能は、周方向主
溝3及び周方向副溝4,5を配設するだけでは十分では
ない。
【0024】このため、この発明では、周方向主溝3及
び周方向副溝4,5を配設することに加えて、さらに方
向性パターンを形成する対をなす傾斜溝9a,9bを配設す
ることが必要であり、これによって、初めて良好な排水
性能を実現することができる。また、傾斜溝9a,9bは、
排水性能を向上させる他、氷雪路面上での駆動・制動性
能も向上させる作用も有している。
【0025】さらに、傾斜溝9a,9bは、各トレッド端8
a,8b からそれぞれパターンセンター2に向かって傾斜
して延び、それらの終端9a1,9b1 を周方向副溝4,5の
短溝部4a,5a と連通する位置に配置することで、周方向
主溝3と周方向副溝4,5との間に位置するトレッド陸
部部分を、ブロックに区分することなくリブ状陸部にす
ることができ、これによって、有効接地面積が増加する
結果、氷上性能を良化させることができる。
【0026】加えて、傾斜溝9a,9bは、タイヤ周方向に
対して75〜90°の角度でトレッド端側から傾斜して延び
る緩傾斜溝部13a,13b と、この緩傾斜溝部13a,13b から
パターンセンター2に向かってタイヤ周方向に対して25
〜65°の角度で傾斜して延びる急傾斜溝部14a,14b とで
構成することが、駆動・制動性能と排水性能の双方を有
効に向上させることができる点から好ましい。
【0027】トレッド側方域11,12 に配設した周方向溝
6,7は、直線状に延びる側方周溝で構成し、これによ
って、コーナリング走行時の安定性を確保することがで
きる。
【0028】また、この発明では、周方向副溝4又は5
と側方周溝6又は7とで区分される領域内に位置する隣
接する傾斜溝9a-9a 又は9b-9b 間に、これとは反対の向
きに向かって傾斜して延びる分断溝15a 又は15b を、そ
れぞれ好ましくはトレッド幅の 4等分位置(但し、 2等
分位置と一致する位置を除く。)付近に配設し、これら
分断溝15a 及び15b が逆ハの字状を形成し、これによ
り、タイヤの前後力を発揮できるエッジ成分と、横力に
対抗できるエッジ成分の双方を増加させることができ、
氷雪路面上での駆動・制動性能とコーナリング性能の双
方を向上させることができる。
【0029】尚、分断溝15a 又は15b は、その一端16
を、一の傾斜溝9a又は9bを構成する緩傾斜溝部13a 又は
13b と急傾斜溝部14a 又は14b との境界17又はこの近傍
位置に連通させることが、周方向副溝4又は5と側方周
溝 6又は7との間に位置するトレッド陸部部分をブロッ
ク陸部に有効に分断できる点で好ましい。
【0030】また、トレッド陸部は、 周方向主溝3と周
方向副溝4,5の間に位置する1対のリブ状陸部18a,18
b と、周方向副溝4又は5と側方周溝6又は7との間に
位置しこれらと傾斜溝9a又は9bとによって区分された複
数のブロック陸部からなる第1ブロック陸部列19a 又は
19b と、側方周溝6又は7とトレッド端8a又は8bとの間
に位置しこれらと傾斜溝9a又は9bとによって区分された
複数のブロック陸部からなる第2ブロック陸部列20a 又
は20b とで構成する。
【0031】リブ状陸部18a 又は18b は、それに傾斜溝
9a又は9bとは反対の向きに向かって延びる多数本のサイ
プ23を配設し、これらのリブ状陸部18a 及び18b に配設
したサイプ23が、好ましくは逆ハの字状を形成し、これ
によって、接地圧の高いトレッド中央域にて、踏み込み
時のタイヤ接地輪郭形状とサイプの配設角度を実質的に
合致させることができ、この結果、氷雪上での駆動性能
が向上する。サイプ23のタイヤ周方向に対する配設角度
は、90〜130 °にするのが好ましい。
【0032】第1ブロック陸部列19a 又は19b に位置す
るブロック陸部は、 傾斜溝間9a-9a,9b-9b にこれとは反
対の向きに向かって延びる分断溝15a 又は15b を配設す
ることにより、中央側ブロック陸部21a 又は21b と側方
側ブロック陸部22a 又は22bに区分し、これによって、
ブロック剛性の適正化を図ることができる。分断溝15a,
15b の配設角度は、100 〜160 °にするのが好ましい。
【0033】また、中央側ブロック陸部21a 又は21b に
は、傾斜溝9a又は9bとは反対の向きに向かって延びる多
数本のサイプ24を配設し、これによって、サイプ24に雪
による目詰まりが発生したときでも、分断溝15a,15b や
傾斜溝9a,9b の溝幅を十分確保でき、氷雪上性能を損な
うことなく維持することができる。サイプ24の配設角度
は、90〜130 °にするのが好ましい。
【0034】第2ブロック陸部列20a 又は20b に位置す
るブロック陸部には、 傾斜溝9a又は9bと略平行に延びる
多数本のサイプ26を配設し、これによって、第2ブロッ
ク陸部列20a 又は20b に位置するブロック陸部で生じが
ちな偏摩耗を有効に抑制することができる。サイプ26の
配設角度は、70〜100 °にするのが好ましい。
【0035】この他の実施の形態として、エッジ成分を
より一層増加させる必要がある場合には、図1に示すよ
うに、サイプ23〜26の配設形状をジグザグ状に形成する
のが好ましい。さらに、エッジ成分を増加させるため、
分断溝15a,15b や傾斜溝9a,9b の緩傾斜溝部13a,13b の
溝壁を同様にジグザグ状に形成してもよい。
【0036】以上述べてきたように、この発明では、上
記構成を採用することによって、氷上性能と雪上性能を
バランスよく両立させるとともに、特に濡れた路面での
排水性能を有効に高めることができる。
【0037】尚、上記構成を有するタイヤは、傾斜溝9
a,9b のパターンセンター2側からトレッド端8a,8b 側
に向かって順次接地域内に入る方向(図 1ではタイヤの
回転方向27は上向きである。)に車両に装着すること
が、上記効果を奏するうえで好ましい。
【0038】尚、上述したところは、この発明の実施形
態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の
変更を加えることができる。
【0039】
【実施例】次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作
し、性能を評価したので以下で説明する。実施例のタイ
ヤは、図1に示すトレッドパターンを有し、タイヤサイ
ズが225/50R16であるスタッドレスタイヤであり、ネ
ガティブ率が39.6%であり、周方向主溝3の溝幅を17m
mとし、周方向副溝4, 5を構成する短溝部4a,5a と長
溝部4b,5b の溝幅を、それぞれ7.5 mm及び3.5 mmと
し、側方周溝6,7の溝幅を最大で7.5 mm、最小で5.
5 mmとし、傾斜溝9a,9b を構成する緩傾斜溝部13a,13
b と急傾斜溝部14a,14b の溝幅をともに7.5 mmとし、
分断溝15a,15b の溝幅を7mmとし、リブ状陸部18a,18
b の幅を最大で14.5mm、最小で10.0mmとした。尚、
この発明は、トレッドパターンに構成上の特徴があるた
め、その他のタイヤ構造については従来のスタッドレス
タイヤと同等のものを使用した。
【0040】参考のため、図2に示すトレッドパターン
を有し、ネガティブ率が45%である従来のスタッドレス
タイヤ(従来例1)と、図3に示すトレッドパターンを
有し、ネガティブ率が33%である従来のスタッドレスタ
イヤ(従来例2)についても併せて試作し、実施例のタ
イヤと同様な評価を行なった。
【0041】(試験方法)上記各供試タイヤについて、
氷上性能、雪上性能及び濡れた路面での排水性能を評価
するための試験を行なった。
【0042】テスト条件は、タイヤ内圧がいずれも1.9
kgf/cm2 であり、雪上性能は、雪上フィーリング
特性、雪上制動性能及び雪上駆動性能から総合的に評価
し、また、氷上性能は、氷上フィーリング特性及び氷上
制動性能から総合的に評価した。
【0043】雪上フィーリング特性は、圧雪路面のテス
トコースにおける制動性、発進性、直進性及びコーナリ
ング性について、プロのドライバーがフィーリングによ
って評価し、これらの評価結果から総合的に評価した。
雪上制動性能は、圧雪路面上を40km/hの速度で走行
し、この走行状態からフル制動したときの制動距離を測
定し、これによって評価した。雪上駆動性能は、圧雪路
面上にて、静止状態から50mの距離に到達するまでの
所要時間を測定し、これによって評価した。
【0044】氷上フィーリング特性は、氷盤路面のテス
トコースにおける制動性、発進性、直進性及びコーナリ
ング性について、プロのドライバーがフィーリングによ
って総合的に評価した。氷上制動性能は、氷盤路面上を
20km/hの速度で走行し、この走行状態からフル制動
したときの制動距離を測定し、これによって評価した。
【0045】濡れた路面での排水性能は、水深5mmの
ウエット路を直進走行し段階的に速度を大きくしてい
き、ハイドロプレーニング現象が発生したときの限界速
度をプロのドライバーがフィーリングによって評価し
た。
【0046】これらの評価結果を表1に示す。尚、表1
中に示される数値は、いずれも従来例1を100とした
ときの指数比で示し、これらの数値はいずれも大きいほ
ど性能が優れていることを表わしている。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果から、実施例は、従来例1に比
べて氷上性能、雪上性能及び濡れた路面での排水性能の
いずれの性能とも優れている。また、方向性パターンを
採用していない従来例2は、氷上性能及び雪上性能につ
いては、実施例と同等レベルであるが、濡れた路面での
排水性能が実施例及び従来例1に比べて劣っている。
【0049】
【発明の効果】この発明によって、氷上性能と雪上性能
をバランスよく両立させつつ、特に濡れた路面上を走行
したときの排水性能も良好である空気入りタイヤ、 特に
スタッドレスタイヤで代表される冬用空気入りタイヤの
提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う空気入りタイヤのトレッド部
(の一部)の展開図である。
【図2】 一般的なブロックパターンを有する従来タイ
ヤ(従来例1)のトレッド部(の一部)の展開図である。
【図3】 方向性パターンを採用していない従来タイヤ
(従来例2)のトレッド部(の一部)の展開図である。
【符号の説明】 1 トレッド部 2 パターンセンター 3 周方向主溝 4,5 周方向副溝 6,7 側方周溝 8a,8b トレッド端 9a,9b 傾斜溝 10 トレッド中央域 11,12 トレッド側方域 13a,13b 緩傾斜溝 14a,14b 急傾斜溝 15a,15b 分断溝 18a,18b リブ状陸部 19a,19b 第1ブロック陸部列 20a,20b 第2ブロック陸部列 21a,21b 中央側ブロック陸部 22a,22b 側方側ブロック陸部 23〜26 サイプ 27 タイヤの回転方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60C 11/11 B60C 11/04 D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延
    びる5本の周方向溝と、各トレッド端からそれぞれパタ
    ーンセンターに向かって傾斜して延び、それらの終端が
    パターンセンターを挟んで実質的に向かい合う配置にな
    る対をなす傾斜溝を所定の間隔をおいて配設して方向性
    パターンを形成し、 周方向溝と傾斜溝とトレッド端とに
    よって、多数のブロック陸部を形成し、かつ、多数本の
    サイプを配設してなる空気入りタイヤにおいて、前記周
    方向溝のうちの、3本の周方向溝をトレッド中央域に、
    各1本の周方向溝をそれぞれのトレッド側方域に配設
    し、トレッド中央域に配設した周方向溝は、直線状に延
    びる1本の広幅の周方向主溝と、 この周方向主溝を挟ん
    で位置する1 対の狭幅の周方向副溝とで構成し、 周方向副溝は、 傾斜溝の終端部が連通する短溝部と、こ
    れらの間に位置し前記傾斜溝と同じ向きに向かって傾斜
    する長溝部とを交互に連結して稲妻状に形成し、トレッ
    ド側方域に配設した周方向溝は、直線状に延びる側方周
    溝で構成し、 トレッド陸部は、 周方向主溝と稲妻状に延在する周方向
    副溝の間に位置するリブ状陸部と、周方向副溝と側方周
    溝との間に位置しこれらと傾斜溝とによって区分された
    複数のブロック陸部からなる第1ブロック陸部列と、側
    方周溝とトレッド端との間に位置しこれらと傾斜溝とに
    よって区分された複数のブロック陸部からなる第2ブロ
    ック陸部列とで構成し、リブ状陸部に、傾斜溝とは反対
    の向きに向かって延びる多数本のサイプを配設し、第1
    ブロック陸部列に位置するブロック陸部は、 傾斜溝間に
    これとは反対の向きに向かって延びる分断溝を配設する
    ことによって、さらに中央側ブロック陸部と側方側ブロ
    ック陸部に区分し、 中央側ブロック陸部に、傾斜溝とは反対の向きに向かっ
    て延びる多数本のサイプを配設し、 第2ブロック陸部列に位置するブロック陸部に、 傾斜溝
    と略平行に延びる多数本のサイプを配設することを特徴
    とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 傾斜溝は、 タイヤ周方向に対して75〜90
    °の角度でトレッド端側から傾斜して延びる緩傾斜溝部
    と、この緩傾斜溝部からパターンセンターに向かってタ
    イヤ周方向に対して25〜65°の角度で傾斜して延びる急
    傾斜溝部とで構成する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 分断溝は、その一端を、一の傾斜溝を構
    成する緩傾斜溝部と急傾斜溝部との境界又はこの近傍位
    置に連通させる請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 第1ブロック陸部列を構成する側方側ブ
    ロック陸部に、傾斜溝の緩傾斜溝部と略平行に延びる多
    数本のサイプを配設する請求項1、2又は3記載の空気
    入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 サイプをジグザグ状に形成する請求項1
    〜4のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 分断溝及び/又は傾斜溝の緩傾斜溝部の
    溝壁をジグザグ状に形成する請求項1〜5のいずれか1
    項記載の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 傾斜溝のパターンセンター側からトレッ
    ド端側に向かって順次接地域内に入る方向にタイヤを車
    両に装着してなる請求項1〜6のいずれか1項記載の空
    気入りタイヤ。
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