JP2000215412A - 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド

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JP2000215412A
JP2000215412A JP11013451A JP1345199A JP2000215412A JP 2000215412 A JP2000215412 A JP 2000215412A JP 11013451 A JP11013451 A JP 11013451A JP 1345199 A JP1345199 A JP 1345199A JP 2000215412 A JP2000215412 A JP 2000215412A
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upper yoke
yoke
magnetic
gap
magnetoresistive
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JP11013451A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Shinjo
康彦 新庄
Morihisa Kondo
守央 近藤
Akira Nakamura
明 中村
Kenji Machida
賢司 町田
Naoto Hayashi
直人 林
Kazutoshi Muto
一利 武藤
Toshihiro Uehara
年博 上原
Junji Numazawa
潤二 沼澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsumi Electric Co Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Mitsumi Electric Co Ltd
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は磁気記録媒体に記録されたディジタル
情報を磁気記録媒体からの磁界強度を信号として読み取
るための磁気抵抗効果素子(以下、MR素子という)を
用いた磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドに関し、再生出力
の向上を図ることを課題とする。 【解決手段】上部ヨークをギャップ5を介して上部ヨー
ク前部3と上部ヨーク後部4とに分断すると共にギャッ
プ5に磁気記録信号を検出するMR素子9を配設し、再
生ヘッドギャップ6,上部ヨーク前部3,MR素子9,
上部ヨーク後部4、及び下部ヨーク2で磁気回路を形成
する磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、上部ヨー
ク3,4を高比抵抗軟磁性を示すFe系またはCo系強
磁性材料で形成し、かつ上部ヨーク3,4の比抵抗をM
R素子9の比抵抗に対して5倍以上大きく設定し、か
つ、上部ヨーク3,4の透磁率を300以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気抵抗効果型薄膜
磁気ヘッドに係り、特に磁気記録媒体に記録されたディ
ジタル情報を磁気記録媒体からの磁界強度を信号として
読み取るための磁気抵抗効果素子(以下、MR素子とい
う)を用いた磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、MR素子を用いた磁気抵抗効
果型薄膜磁気ヘッド(以下、MRヘッドという)とし
て、MR素子を保護しつつMR素子に流す出力検出電流
がMR素子から磁気記録媒体へ漏洩することを防ぐ構成
とされたヨーク型MRヘッドが知られている。
【0003】図9は、従来のヨーク型MRヘッドの一例
を示している。同図に示すように、ヨーク型MRヘッド
は基板11上に下部ヨーク12,上部ヨーク(上部ヨー
ク前部13と上部ヨーク14とよりなる),MR素子1
9,及び絶縁層18等を配設した構成とされている。こ
の下部ヨーク12及び上部ヨーク13,14は強磁性材
料により形成されており、また上部ヨーク前部13と上
部ヨーク後部14との間にはギャップ15が形成されて
いる。このギャップ15により、上部ヨークは上部ヨー
ク前部13と上部ヨーク後部14とに分離されている。
【0004】MR素子19は、このギャップ15の形成
位置の下部に配設されている。また、MR素子19は上
部ヨーク前部13と上部ヨーク後部14に磁気的に接続
可能な構成で配設されている。また、下部ヨーク12と
上部ヨーク後部14は接合されることにより磁気的に接
続されており、また下部ヨーク12と上部ヨーク前部1
3との間には再生ヘッドギャップ16(微細な間隙)が
形成されている。
【0005】これにより、ヨーク型MRヘッドは、上部
ヨーク前部13、MR素子19、上部ヨーク後部14、
下部ヨーク12によって磁気回路を形成し、再生ヘッド
ギャップ16で検出した磁気記録媒体(例えば、磁気テ
ープ)からの信号磁束をMR素子19により電気信号に
変換して再生出力を得る構造となっている。尚、下部ヨ
ーク12と上部ヨーク13,14との間には、絶縁層1
8が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成と
されたヨーク型MRヘッドにおいては、MR素子19に
流す出力検出電流(センス電流)が上部ヨーク前部13
及び上部ヨーク後部14へ漏洩することを防止するた
め、上部ヨーク前部13とMR素子19との間、及び上
部ヨーク後部14とMR素子19との間にも非磁性の絶
縁層18が介在するよう構成されている。
【0007】しかるに、この絶縁層18を設けることに
よりMR素子19から上部ヨーク前部13及び上部ヨー
ク後部14に電流が漏洩することは防止できるものの、
上部ヨーク前部13、MR素子19、上部ヨーク後部1
4、下部ヨーク12によって形成される磁気回路の磁気
抵抗が増加するため、再生出力が著しく低下するという
問題が生じる。
【0008】そこで、上記問題を解決するために、例え
ば特開平5−006515号公報に開示されたヨーク型
MRヘッドが提案されている。図10は、同公報に開示
されたヨーク型MRヘッドを示している。尚、図10に
おいて、図9に示した構成と対応する構成については同
一の符号を付している。図10に示すヨーク型MRヘッ
ドは、上部ヨークがCo90Zr10により形成されてお
り、またMR素子19と上部ヨーク前部13及び上部ヨ
ーク後部14との磁気的な結合を高めるため、両者の間
に磁気結合層17を設けた構成とされている。しかる
に、この構成においても、Co90Zr10の導電率が大き
いために、MR素子19に出力検出電流を流すと、その
一部は磁気結合層17へ分流し、出力が低下してしま
う。
【0009】従って、図10に示す構成においても、磁
気結合層17と上部ヨーク前部13,上部ヨーク後部1
4との間、或いは磁気結合層17とMR素子19との間
に非磁性の絶縁層18を形成している。このため、図1
0に示す磁気結合層17を有するヨーク型MRヘッドに
おいても、絶縁層18により、上部ヨーク前部13、磁
気結合層17、MR素子19、磁気結合層17、上部ヨ
ーク後部14、及び下部ヨーク12によって形成される
磁気回路の磁気抵抗が増加し、再生出力が著しく低下す
るという問題を十分に改善することはできない。
【0010】このような非磁性の絶縁層18に起因する
再生出力の低下を防止するために,特開平2−2060
09号公報では、MR素子19の比抵抗に対して少なく
とも5倍以上大きく、かつ高透磁率を示すMnZnフェ
ライトを磁気結合層17に使用することで、非磁性の絶
縁層18を必要としない構造が考えられている。しかし
ながら、MR素子19に使用されるNiFe合金(以下
パーマロイと呼ぶ)の上に、MnZnフェライト膜を形
成すると、MnZnフェライト膜を形成するための結晶
化温度が、パーマロイのキュリー点や結晶再配列を起こ
す温度より高いために、MR素子19としての特性が劣
化するという問題があった。
【0011】また、MR素子19に人工格子膜からなる
巨大磁気抵抗効果素子として知られたスピンバルブ膜を
用いた場合においても、MnZnフェライト膜を形成す
るための結晶化温度が、人工格子膜の磁化の向きを固定
するために使用されるFeMnなどの反強磁性材料のキ
ュリー点よりも高いため、MR素子19の特性が劣化す
るという問題があった。
【0012】また、このヨーク型MRヘッドにおいて
は、図9に示すように上部ヨーク前部13と下部ヨーク
12が、絶縁層18を介して再生ヘッドギャップ16と
して対向している再生ヘッドギャップ深さDg を深くす
ると、再生ヘッドギャップ16,上部ヨーク前部13,
MR素子19,上部ヨーク後部14,及び下部ヨーク1
2で構成される磁気回路の磁気抵抗が大きく減少し、再
生ヘッドギャップ16から流入した磁束の多くが上部ヨ
ーク前部13と下部ヨーク12が絶縁層18を介して対
向する部分で上部ヨーク前部13から下部ヨーク12に
漏洩するために、磁気記録媒体からMR素子19に流入
する信号磁束が減衰して再生出力が著しく低下するとい
う問題がある。
【0013】この問題を解決するため、例えば特開平7
−320237号公報では保磁力の異なった2種類以上
の磁性薄膜が非磁性層を介して積層された人工格子磁気
抵抗効果膜に対し、非磁性絶縁層を介してヨークを配置
し、さらにリング型とした上で、磁界検出面から磁気抵
抗効果膜までの長さを再生ヘッドギャップ深さDg 以上
とし、かつ再生ヘッドギャップ深さDg を0<Dg ≦5
μmとすることによって再生出力の向上を図っている。
【0014】しかしながら、一般にギャップ深さDg
0<Dg ≦5μmとするヨーク型MRヘッドでは、磁気
記録媒体に対して摺動するヨーク型MRヘッドの摩耗を
抑えるために、ヨーク型MRヘッドの摺動速度を上げる
ことができず、したがって磁気記録情報の高速再生を行
うことができないという問題があった。本発明は上記の
点に鑑みてなされたものであり、比抵抗が大きいために
それ自体が絶縁層となるFe系またはCo系強磁性材料
を上部ヨークのヨーク材料に適用する、あるいは磁気結
合層の材料に適用することによって、上部ヨークとMR
素子との間の磁気的な結合力低下を招くことなく、かつ
MR素子の特性を劣化させずに作製することが可能であ
り、高密度磁気記録再生においても磁気記録情報の高速
再生を行うことができ、高い再生出力を得る薄膜磁気ヘ
ッドを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴
とするものである。請求項1記載の発明は、上部ヨーク
をギャップを介して上部ヨーク前部と上部ヨーク後部と
に分断すると共に前記ギャップに磁気記録信号を検出す
る磁気抵抗効果素子を配設し、再生ヘッドギャップ、前
記上部ヨーク前部、前記磁気抵抗効果素子、前記上部ヨ
ーク後部、及び下部ヨークの間に環状の磁気回路を形成
する磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、前記上部
ヨークを高比抵抗軟磁性を示すFe系またはCo系強磁
性材料で形成し、前記上部ヨークの比抵抗を前記磁気抵
抗効果素子の比抵抗に対して5倍以上大きく設定し、か
つ、前記上部ヨークの透磁率を300以上としたことを
特徴とするものである。
【0016】また、請求項2記載の発明は、前記請求項
1記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、前記
上部ヨークに形成したギャップの幅方向に対し、前記磁
気抵抗効果素子が前記上部ヨーク前部にオーバーラップ
する幅寸法をWs とし、また前記磁気抵抗効果素子の底
面から前記下部ヨークの上面に至る非磁性の絶縁層が形
成された溝の深さをtubとした場合、tub/Ws ≧0.
1が成立するよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0017】また、請求項3記載の発明は、上部ヨーク
をギャップを介して上部ヨーク前部と上部ヨーク後部と
に分断すると共に前記ギャップに磁気記録信号を検出す
る磁気抵抗効果素子を配設し、前記磁気抵抗効果素子と
前記上部ヨーク前部との間に第1の磁気結合層を配設す
ると共に、前記磁気抵抗効果素子と前記上部ヨーク後部
との間に第2の磁気結合層を配設し、再生ヘッドギャッ
プ、前記上部ヨーク前部、前記第1の磁気結合層、前記
磁気抵抗効果素子、前記第2の磁気結合層、前記上部ヨ
ーク後部、及び下部ヨークとの間に環状の磁気回路を形
成する磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、前記第
1の磁気結合層と前記第2の磁気結合層を高比抵抗軟磁
性を示すFe系またはCo系強磁性材料で形成し、前記
第1の磁気結合層と前記第2の磁気結合層の比抵抗を前
記磁気抵抗効果素子の比抵抗に対して5倍以上大きく設
定し、かつ、前記上部ヨークの透磁率を300以上とし
たことを特徴とするものである。
【0018】更に、請求項4記載の発明は、前記請求項
3記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、前記
上部ヨークに形成したギャップの幅方向に対し、前記磁
気抵抗効果素子が前記上部ヨーク前部にオーバーラップ
する幅寸法をWs とし、また前記磁気抵抗効果素子の底
面から前記下部ヨークの上面に至る非磁性の絶縁層が形
成された溝の深さをtubとした場合、tub/Ws ≧0.
1が成立するよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。図1及び図2は、本発明の第1
実施例である磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを示してい
る。図1は磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの断面図であ
り、また図2は磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの平面図
である。
【0020】各図に示すように、磁気抵抗効果型薄膜磁
気ヘッドは、磁性あるいは非磁性の基板1上に下部ヨー
ク2,上部ヨーク(上部ヨーク前部3と上部ヨーク後部
4とよりなる),MR素子9,及び絶縁層8等を配設し
た構成としている。この下部ヨーク2及び上部ヨーク
3,4は、本実施例では高比抵抗軟磁性材料であるFe
−Hf−O系材料により形成されている。また上部ヨー
ク前部3と上部ヨーク後部4との間にはギャップ5が形
成されている。このギャップ5により、上部ヨークは上
部ヨーク前部3と上部ヨーク後部4とに分離されてい
る。
【0021】MR素子9は、このギャップ5の形成位置
の下部に配設されている。また、MR素子9は上部ヨー
ク前部3と上部ヨーク後部4に磁気的に接続可能な構成
で配設されている。また、下部ヨーク2と上部ヨーク後
部4は接合されることにより磁気的に接続されており、
また下部ヨーク2と上部ヨーク前部3との間には再生ヘ
ッドギャップ6が形成されている。
【0022】これにより、ヨーク型MRヘッドは、上部
ヨーク前部3、MR素子9、上部ヨーク後部4、下部ヨ
ーク2によって磁気回路を形成し、再生ヘッドギャップ
6で検出した磁気記録媒体(例えば、磁気テープ)から
の信号磁束をMR素子9により電気信号に変換して再生
出力を得る構造となっている。また、下部ヨーク2と上
部ヨーク3,4との間には、絶縁層8が形成されてい
る。
【0023】また、上部ヨーク前部3と下部ヨーク2の
先端に形成する再生ヘッドギャップ6の再生ヘッドギャ
ップ長は0.1μmとし、また上部ヨーク前部3と下部
ヨーク2が絶縁層8を介して再生ヘッドギャップ6とし
て対向している再生ヘッドギャップ深さDg は、再生出
力を高く維持させるために0μm<Dg ≦10μmとし
た(図4参照)。
【0024】また、上部ヨーク前部3の再生ヘッドギャ
ップ先端の幅(以降、上部ヨーク再生トラック幅とい
う)をWu 、下部ヨーク2の再生ヘッドギャップ先端の
幅(以降下部ヨーク再生トラック幅)をWb とすると、
それぞれ1μm≦Wu ≦20μmおよびWu ≦Wb とし
た。また、上部ヨーク前部3から上部ヨーク後部4へ向
かう方向のMR素子9の幅(以降MR高さ)をhとする
と、本実施例においては0<h≦10μmとした。
【0025】図5は本実施例における、上部ヨークに形
成したギャップ5の幅方向に対してMR素子9が上部ヨ
ーク前部3にオーバーラップする幅寸法Ws (図2に矢
印で示す。尚、以下MRセンス幅という)と、再生出力
との関係を示す図である。同図よりMRセンス幅Ws
広いほど高い再生出力が得られることが分かる。これ
は、MRセンス幅Ws が広いほどMR素子9の磁気抵抗
が低下し、磁気記録媒体からMR素子19へ流入する磁
束が増大するためであり、また、MRヘッド19の再生
出力がMRセンス幅Ws に比例するという本質的な特徴
を有しているためである。
【0026】しかしながら、MRセンス幅Ws を広くす
ると、それだけMR素子9の抵抗が大きくなりMR素子
9から発生する抵抗ノイズが増大して、磁気記録情報の
再生誤りを生じるという問題がある。そこで、本実施例
ではこれを防止するため、抵抗ノイズのレベルが再生ア
ンプのノイズレベルを超えないよう、かつできるだけ高
い再生出力を得ることを目的としてMRセンス幅Ws
1μm≦Ws ≦30μmとした。
【0027】図6は本実施例における、MR素子9の底
面から下部ヨーク2の上面に至る溝の深さtubとMRセ
ンス幅Ws との比(tub/Ws )と、再生出力の大きさ
との関係を示す図である。同図より、溝の深さtubとM
Rセンス幅Ws との比が0.1以上(tub/Ws≧0.
1)において再生出力が飽和していることが分かる。こ
のことは、tub/Ws <0.1においては、再生ヘッド
ギャップ6で検出した磁気記録媒体からの信号磁束の一
部がMR素子9の底面から下部ヨーク2の上面へ漏洩す
るために、MR素子9が十分に励磁されないことを示し
ている。
【0028】この結果から、溝の深さtubとMRセンス
幅Ws との比をtub/Ws ≧0.1に設定することで、
MR素子9の底面から下部ヨーク2の上面へ漏洩する磁
束を抑えることが可能となり、MR素子9の底面から下
部ヨーク2の上面に至る溝の深さtubを最小値0.1・
s に設定しても十分に高い再生出力が得ることが判
る。
【0029】一方、図2において上部ヨーク前部3から
上部ヨーク後部4へ向かう方向のMR素子9の幅hをM
R高さhとし、また上部ヨーク前部3に対してMR素子
9がオーバーラップしているMR高さ方向の幅をov1
(以降、オーバーラップ長ov1という)、上部ヨーク
後部4に対してMR素子9がオーバーラップしているM
R高さ方向の幅をov2(以降オーバーラップ長ov
2)とすると、ov1=ov2としたときのオーバーラ
ップ長ov1,ov2と再生出力との関係は、図7に示
すようになる。
【0030】図7では、MR高さhが4μmの場合(実
線で示す)と6μmの場合(破線で示す)の結果を合わ
せて示している。同図より、高い再生出力を得るために
は、オーバーラップ長ov1、及びオーバーラップ長o
v2をそれぞれ0<ov1<h/2、及び0<ov2<
h/2と設定することが望ましいことが判る。尚、本実
施例では上部ヨーク前部3および上部ヨーク後部4をF
e−Hf−O系材料で形成したが、高比抵抗軟磁性を示
すFe系またはCo系強磁性微結晶材料であればよく、
たとえばFe−Mg−OあるいはCo−Al−Oなどで
形成することも可能である。
【0031】また、図3は本発明の第2実施例である磁
気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを示している。本実施例に
係る磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドは、上部ヨーク前部
3及び上部ヨーク後部4とMR素子9との磁気的な結合
を高める第1及び第2の磁気結合層7A,7Bを設けた
ことを特徴としている。この第1及び第2の磁気結合層
7A,7Bは、例えば高比抵抗軟磁性材料であるFe−
Hf−O系材料で形成されている。
【0032】この磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドは、磁
性あるいは非磁性の基板1の上に下部ヨーク2を形成
し、下部ヨーク2の上に絶縁層8を形成し、その上にM
R素子9を形成し、更に第1及び第2の磁気結合層7
A,7B,上部ヨーク前部3及び上部ヨーク後部4を形
成し、ギャップ5を形成する。このとき、上部ヨーク前
部3,第1の磁気結合層7A,MR素子9,第2の磁気
結合層7B,上部ヨーク後部4,下部ヨーク2は磁気回
路を構成する。
【0033】尚、本実施例では第1及び第2の磁気結合
層7A,7BをFe−Hf−O系材料で形成したが、高
比抵抗軟磁性を示すFe系またはCo系強磁性微結晶材
料であればよく、たとえばFe−Mg−OあるいはCo
−Al−Oなどで形成することもできる。ところで、上
記した第1の実施例に係る磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッ
ドにおいて、MR素子9に流す出力検出用電流が下部ヨ
ーク2,上部ヨーク前部3,及び上部ヨーク後部4(以
下、これらを総称する場合にはヨーク部材2〜4とい
う)を形成するヨーク材料に分流することを防止するに
は、ヨーク部材2〜4の内、少なくとも上部ヨーク(上
部ヨーク前部3と上部ヨーク後部4とにより構成され
る)の比抵抗を、MR素子9の比抵抗に比べて5倍以上
(少なくとも5倍以上)大きく設定しなければならな
い。
【0034】また、上記した第2の実施例に係る磁気抵
抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、MR素子9に流す出
力検出電流がヨーク部材2〜4を形成するヨーク材料及
び磁気結合層7A,7Bに分流することを防止するに
は、少なくとも磁気結合層(磁気結合層7Aと磁気結合
層7Bとにより構成される)の比抵抗を、MR素子9の
比抵抗に比べて5倍以上(少なくとも5倍以上)大きく
設定しなければならない。
【0035】上記した各実施例において、ヨーク部材2
〜4あるいは磁気結合層7A,7Bの材料として用いた
Fe−Hf−O系材料の比抵抗は、1000μΩ・cm
程度であり、MR素子9の比抵抗25μΩ・cmに対し
て約40倍大きい。したがって、MR素子9に流す出力
検出電流がヨーク部材2〜4あるいは磁気結合層7A,
7Bへ分流することを確実に抑止することができる。こ
れにより、磁気記録媒体からの信号磁束によってMR素
子9を効率よく励磁することができ、ギャップ深さDg
が0μm<Dg ≦10μmのヨーク型MRヘッドにおい
ても高い再生出力を実現することができる。
【0036】図8は、上記した第1の実施例(図1に示
す磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド)におけるヨーク部材
2〜4の透磁率をそれぞれ表すμ2,μ3,μ4 が μ2
3 4 である時の透磁率に対する再生出力を、従来のヨ
ーク型の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド(図9に示すも
の)と比較して示した図である。同図より、本実施例に
係る磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいては、ヨーク
部材2〜4の透磁率を少なくとも300以上に設定すれ
ば、従来の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドより高い再生
出力を得ることができることが判る。
【0037】また、上記した各実施例においてヨーク部
材2〜4の材料として使用したFe−Hf−O系材料の
透磁率は約1200程度であり、透磁率2000程度の
ヨーク材料を用いた従来の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッ
ドに比べても、約2倍程度高い再生出力を得ることがで
きている。また、ヨーク部材2〜4あるいは磁気結合層
7A,7Bの材料としてFe−Hf−O系材料を用いた
場合には、膜形成に必要な熱処理温度が約270℃程度
でよく、パーマロイから成るMR素子9の特性を劣化さ
せることはない。
【0038】また、上記した各実施例に係る磁気抵抗効
果型薄膜磁気ヘッドでは、MR素子9の底面から下部ヨ
ーク2の上面に至る溝の深さtubを最小値0.1・Ws
に設定することが可能であるため、その溝を精度良く形
成できるイオンビームミリング法などを用いて形成する
ことが可能となる。このイオンビームミリング法は薄膜
パターニング技術の一つであり、所望の薄膜を形成した
後、パターニングすべき部分をレジスト層で覆い、Ar
などの不活性イオンのビームを全面に照射してレジスト
層で覆われていない部分の薄膜をエッチングし、その後
有機溶剤などでレジスト層を除去するという方法であ
る。よって、高い精度で薄膜をパターニングすることが
可能となり、磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの寸法精度
を向上させることができる。
【0039】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、MR素子か
らの検出電流の分流を抑止することが可能となり、高密
度磁気記録再生においても高い再生出力を得ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である磁気抵抗効果型薄膜
磁気ヘッドの断面図である。
【図2】本発明の第1実施例である磁気抵抗効果型薄膜
磁気ヘッドの平面図である。
【図3】本発明の第2実施例である磁気抵抗効果型薄膜
磁気ヘッドの断面図である。
【図4】本発明の実施例におけるヨーク型MRヘッドの
再生ヘッドギャップ深さDg に対する再生出力を表す図
である。
【図5】本発明の実施例におけるMRセンス幅Ws に対
する再生出力を表す図である。
【図6】本発明の実施例におけるヨーク型MRヘッドに
おいて、MR素子の底面から下部ヨークの上面に至る溝
の深さtubとMRセンス幅Ws との比に対する再生出力
を表す図である。
【図7】本発明の実施例におけるオーバーラップ長に対
する再生出力を表す図である。
【図8】ヨーク材料の透磁率に対する再生出力におい
て、本発明の実施例で示したヨーク型MRヘッドと従来
のヨーク型MRヘッドとの比較を表す図である。
【図9】従来の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの一例を
示す断面図である。
【図10】磁気結合層を有する従来の磁気抵抗効果型薄
膜磁気ヘッドの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部ヨーク 3 上部ヨーク前部 4 上部ヨーク後部 5 ギャップ 6 再生ヘッドギャップ 7A,7B 磁気結合層 8 絶縁層 Dg 再生ヘッドギャップ深さ tub MR素子の底面から下部ヨークの上面に至る溝の
深さ Ws MRセンス幅 h MR高さ ov1 上部ヨーク前部とMR素子のオーバーラップ長 ov2 上部ヨーク後部とMR素子のオーバーラップ長 Wu 上部ヨーク再生トラック幅 Wb 下部ヨーク再生トラック幅 μ2 下部ヨークの透磁率 μ3 上部ヨーク前部の透磁率 μ4 上部ヨーク後部の透磁率 μ7 磁気結合層の透磁率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 守央 神奈川県厚木市酒井1601 ミツミ電機株式 会社厚木事業所内 (72)発明者 中村 明 神奈川県厚木市酒井1601 ミツミ電機株式 会社厚木事業所内 (72)発明者 町田 賢司 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 林 直人 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 武藤 一利 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 上原 年博 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 沼澤 潤二 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 5D034 AA03 BA02 BA18 BA21 BB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部ヨークをギャップを介して上部ヨー
    ク前部と上部ヨーク後部とに分断すると共に前記ギャッ
    プに磁気記録信号を検出する磁気抵抗効果素子を配設
    し、 再生ヘッドギャップ、前記上部ヨーク前部、前記磁気抵
    抗効果素子、前記上部ヨーク後部、及び下部ヨークの間
    に環状の磁気回路を形成する磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘ
    ッドにおいて、 前記上部ヨークを高比抵抗軟磁性を示すFe系またはC
    o系強磁性材料で形成し、 前記上部ヨークの比抵抗を前記磁気抵抗効果素子の比抵
    抗に対して5倍以上大きく設定し、 かつ、前記上部ヨークの透磁率を300以上としたこと
    を特徴とする磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気
    ヘッドにおいて、 前記上部ヨークに形成したギャップの幅方向に対し、前
    記磁気抵抗効果素子が前記上部ヨーク前部にオーバーラ
    ップする幅寸法をWs とし、 また前記磁気抵抗効果素子の底面から前記下部ヨークの
    上面に至る非磁性の絶縁層が形成された溝の深さをtub
    とした場合、 tub/Ws ≧0.1が成立するよう構成したことを特徴
    とする磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上部ヨークをギャップを介して上部ヨー
    ク前部と上部ヨーク後部とに分断すると共に前記ギャッ
    プに磁気記録信号を検出する磁気抵抗効果素子を配設
    し、 前記磁気抵抗効果素子と前記上部ヨーク前部との間に第
    1の磁気結合層を配設すると共に、前記磁気抵抗効果素
    子と前記上部ヨーク後部との間に第2の磁気結合層を配
    設し、 再生ヘッドギャップ、前記上部ヨーク前部、前記第1の
    磁気結合層、前記磁気抵抗効果素子、前記第2の磁気結
    合層、前記上部ヨーク後部、及び下部ヨークとの間に環
    状の磁気回路を形成する磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
    において、 前記第1の磁気結合層と前記第2の磁気結合層を高比抵
    抗軟磁性を示すFe系またはCo系強磁性材料で形成
    し、 前記第1の磁気結合層と前記第2の磁気結合層の比抵抗
    を前記磁気抵抗効果素子の比抵抗に対して5倍以上大き
    く設定し、 かつ、前記上部ヨークの透磁率を300以上としたこと
    を特徴とする磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気
    ヘッドにおいて、 前記上部ヨークに形成したギャップの幅方向に対し、前
    記磁気抵抗効果素子が前記上部ヨーク前部にオーバーラ
    ップする幅寸法をWs とし、 また前記磁気抵抗効果素子の底面から前記下部ヨークの
    上面に至る非磁性の絶縁層が形成された溝の深さをtub
    とした場合、 tub/Ws ≧0.1が成立するよう構成したことを特徴
    とする磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
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