JP2701748B2 - 磁気抵抗効果素子およびそのバイアス印加方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子およびそのバイアス印加方法

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JP2701748B2 JP6212478A JP21247894A JP2701748B2 JP 2701748 B2 JP2701748 B2 JP 2701748B2 JP 6212478 A JP6212478 A JP 6212478A JP 21247894 A JP21247894 A JP 21247894A JP 2701748 B2 JP2701748 B2 JP 2701748B2
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    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気媒体等において磁
界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効果素子に
係わり、特に、再生波形の対称性を改善するためのバイ
アス印加方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気センサの高感度化および磁気
記録における高密度化が進められており、これに伴い磁
気抵抗効果型磁気センサ(以下、MRセンサという)お
よび磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドとい
う)の開発が盛んに進められている。MRセンサもMR
ヘッドも、磁性材料からなる読み取りセンサ部の抵抗変
化により、外部磁界信号を読み出す訳であるが、MRセ
ンサおよびMRヘッドの再生出力が記録媒体との相対速
度に依存しないことから、MRセンサでは高感度が、M
Rヘッドでは高密度磁気記録においても高い出力が得ら
れるという特がある。
【0003】最近、非磁性薄膜層を介して隣り合う保磁
力の異なった2種類以上の磁性薄膜が積層された構造を
有し、小さな外部磁場で大きな磁気抵抗変化を示す人工
格子磁気抵抗効果膜が発見された(特開平4−2189
82号公報)。この磁気抵抗効果素子は、数Oe〜数十
Oe程度の小さい外部磁場で数%〜数十%の大きい抵抗
変化率を示す。
【0004】また、非磁性薄膜層を介して積層された少
なくとも2層の磁性薄膜を有してなり、一方の軟磁性薄
膜に反強磁性薄膜を隣接して設けることによって抗磁力
を与え、非磁性薄膜を介して隣接した他方の軟磁性薄膜
と異なる外部磁界で磁化回転させることにより、抵抗変
化を生じる磁気抵抗効果膜がある(フィジカルレビュー
B(Phys.Rev.B) 第43巻、1297頁、1
991年)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
願の磁気抵抗効果膜においても、小さい外部磁場で動作
するとは言え、実用的なセンサ,磁気ヘッドとして使用
する場合には、対称な信号再生波形を得るため磁気抵抗
効果膜に外部バイアス磁界を印加する必要があった。
【0006】本発明の目的は、上記先願の磁気抵抗効果
膜に的確にバイアス磁界を印加することにより、高出力
でかつ対称な信号再生波形を得ることができる磁気抵抗
効果素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、保磁力の異な
る2種類以上の磁性薄膜が非磁性層を介して積層した人
工格子磁気抵抗効果膜と、隣り合う前記磁性薄膜の各々
の保磁力をHc2,Hc3(0<Hc2<Hc3)とするとき、
保磁力がHc3の磁性薄膜における残留磁化方向と、前記
人工格子磁気抵抗効果膜に印加されるバイアス磁界の方
向とが同一方向となるように配置したバイアス磁界印加
機構とを備えることを特徴とする。
【0008】また、非磁性薄膜を介して積層された複数
の磁性薄膜からなり、非磁性薄膜を介して隣り合う一方
の磁性薄膜に反強磁性薄膜が隣接して設けた人工格子磁
気抵抗効果膜と、前記反強磁性薄膜によって交換バイア
スされた磁性薄膜の磁化方向と、前記人工格子磁気抵抗
効果膜に印加されるバイアス磁界の方向とが同一方向と
なるように配置したバイアス磁界印加機構とを備えるこ
とを特徴とする。
【0009】そして、前記バイアス磁界印加機構が、シ
ャント膜の分流で発生する磁界を用いるシャントバイア
ス方式であり、かつ前記シャント膜が膜厚2nmから2
0nmの非磁性導体であってもよく、また、前記バイア
ス磁界印加機構が、永久磁石による発生磁界を用いるバ
イアス方式であり、かつ前記永久磁石の残留磁束密度が
1000Gから5000Gであってもよい。
【0010】次に、本発明の磁気抵抗効果素子のバイア
ス印加方法は、隣り合う前記磁性薄膜の各々の保磁力を
Hc2,Hc3(0<Hc2<Hc3)とするとき、保磁力がH
c3の磁性薄膜における残留磁化方向と同一方向に、前記
人工格子磁気抵抗効果膜に対してバイアス磁界を印加す
ることを特徴とする。
【0011】また、前記反強磁性薄膜によって交換バイ
アスされた磁性薄膜の磁化方向と同一方向に、前記人工
格子磁気抵抗効果膜に対してバイアス磁界を印加するこ
とを特徴とする。
【0012】そして、前記バイアス磁界を、シャント膜
の分流で発生する磁界を用いるシャントバイアス方式、
電流による誘導磁界方式、永久磁石による発生磁界を用
いる永久磁石バイアス方式、軟磁性膜の漏洩磁界を用い
るソフトフィルムバイアス方式、2つの前記人工格子磁
気抵抗効果膜に流れるセンス電流で発生する磁界を用い
る相互バイアス方式のうちのいずれか1つの方式、もし
くは少なくとも2つを併用した方式を用いて印加しても
よい。
【0013】
【作用】上述した、保磁力の差を用いた先願の磁気抵抗
効果膜は、非磁性層を介して隣り合った磁性薄膜の保磁
力の違いにより、外部磁場によって隣り合った磁性層の
磁化の向きが互いに平行から反平行となることによって
抵抗変化が生じる。すなわち、前記隣り合う磁性薄膜の
各々の保磁力をHc2,Hc3(0<Hc2<Hc3)として、
外部磁場Hが磁性薄膜の保磁力Hc2とHc3の間(Hc2
H<Hc3)であるとき、隣り合った磁性薄膜の磁化の方
向が互いに逆向きになり、抵抗が増大する。このため磁
気抵抗効果素子として作用させるために、保磁力Hc3
磁性薄膜における磁化は初めに磁化飽和される。
【0014】さらに、反強磁性薄膜を用いた公知の磁気
抵抗効果膜では、非磁性層を介して積層された磁性薄膜
の一方の磁性薄膜に、隣接して反強磁性薄膜が成膜され
ることにより交換バイアス力が働き、外部磁場によって
隣り合った磁性層の磁化の向きが互いに平行から反平行
となることによって抵抗変化が生じる。すなわち、反強
磁性薄膜によって交換バイアスされた磁性薄膜の抗磁力
をHex、他方の磁性薄膜の保磁力をHc2(0<Hc2<H
ex)として、外部磁場HがHc2とHexの間(Hc2<H<
ex)であるとき、隣り合った磁性薄膜の磁化の方向が
互いに逆向きになり、抵抗が増大する。
【0015】このとき、微細加工された人工格子よりな
る磁気抵抗効果膜では膜端部において、非磁性薄膜を介
して隣り合った磁性薄膜の間で静磁結合が生じているた
め、外部磁場ゼロの状態でも膜端部では隣り合った磁性
層間で磁化が反平行状態となっている。すなわち、保磁
力Hc2の磁性薄膜の磁化は、微細加工されたパターン幅
方向において、膜中央部から膜端部にかけて徐々に片側
に飽和した磁化分布となっており、外部磁界に対するダ
イナミックレンジが膜端部では小さい。これが、センサ
や磁気ヘッドとした場合における再生波形の非対称の原
因である。
【0016】磁気抵抗効果膜における保磁力Hc2の磁性
薄膜は、反強磁性薄膜によって交換バイアスされた磁性
薄膜によって、膜端部に過剰なバイアス磁界が生じた状
態といえる。これより、この非対称性を改善させるため
には、バイアス磁界を印加して、保磁力Hc2の磁性薄膜
における静磁結合の影響を抑えることが有効であるが、
この場合、上記の理由によりバイアス磁界の印加方向
は、反強磁性薄膜によって交換バイアスされた磁性薄膜
の磁化方向と同一方向であることが必要不可欠である。
この磁気抵抗効果素子に与えるバイアス磁界印加機構と
しては、シャントバイアス方式,電流による誘導磁界方
式,永久磁石バイアス方式,ソフトフィルムバイアス方
式,相互バイアス方式等が使用できる。
【0017】次に、これらの方式の特徴について説明す
る。
【0018】シャントバイアス方式は、磁気抵抗効果膜
上に直接非磁性導体層を形成し、非磁性導体層に分流す
るセンス電流によって発生する磁界によりバイアス磁界
を印加する方法である。この方法は、構造が単純で作成
が容易である反面、非磁性導体層に流れる電流に対して
は磁界による電気抵抗の変化は生じず、素子全体の磁気
抵抗変化率が減少するという欠点がある。
【0019】電流による誘導磁界方式は、磁気抵抗効果
膜上に非磁性絶縁層を介して非磁性導体層を形成し、非
磁性導体層に電流を流すことによってバイアス磁界を印
加する方式である。この方式は、シャントバイアス方式
における欠点を改善することができるが、非磁性導体層
には独立にバイアス用電流を通電する必要があるため、
構造が複雑になる。
【0020】永久磁石バイアス方式は、磁気抵抗効果膜
に近接して永久磁石を配置し、永久磁石からの漏洩磁界
によりバイアスを印加する方式である。この方式による
バイアス磁界は、永久磁石と磁気抵抗効果膜との間の静
磁結合を利用しているため、磁気抵抗効果膜の素子端部
でバイアス磁界が大きくなる。磁気抵抗効果膜では、上
述したように、保磁力Hc2の磁性薄膜は、反強磁性薄膜
によって交換バイアスされた磁性薄膜により膜端部に過
剰なバイアス磁界が生じた状態であるため、この膜端部
における磁界を相殺するには、より好ましい方式である
といえる。
【0021】ソフトフィルムバイアス方式は、磁気抵抗
効果膜に隣接して配置された軟磁性膜との磁気的な結合
を利用するバイアス印加手法であり、磁気抵抗効果膜に
流れるセンス電流によって発生する磁界で軟磁性膜を磁
化し、その漏洩磁界によりバイス磁界を印加するもの
である。この方式も磁気抵抗効果膜の素子端部でバイア
ス磁界が大きくなるため、永久磁石方式と同様に好まし
い。
【0022】相互バイアス方式は、2つの磁気抵抗効果
膜を使用し、それぞれに流れるセンス電流によって発生
する磁界により、相互にバイアス磁界を印加する方式で
ある。この場合、2つとも磁気抵抗効果素子として使用
することにより、2倍の出力を得ることができ、また、
差動型素子とすることも可能である。
【0023】また、以上述べた、シャントバイアス方
式,電流による誘導磁界方式,永久磁石バイアス方式,
ソフトフィルムバイアス方式,相互バイアス方式のうち
の少なくとも2つの方式を併用することも可能である。
【0024】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0025】図1は、本発明のシャントバイアス方式使
用による磁気抵抗効果素子の一実施例を示す断面図であ
る。本発明の磁気抵抗効果素子1aは、図1に示すよう
に、磁性薄膜2aにNiFeを、磁性薄膜3aにCo
を、また、非磁性薄膜6aにCuを選び、例えば、1.
5nm厚のNiFe薄膜、3.5nm厚のCu薄膜、
1.5nm厚のCo薄膜および3.5nm厚のCu薄膜
を順次形成する工程を3回繰り返して作製された人工格
子磁気抵抗効果膜(以下、磁気抵抗効果膜という)より
なり、磁気抵抗効果素子1aの微細加工パターン幅は、
図1に示すMR高さに相当する。
【0026】なお、最後のCu薄膜は形成されていな
い。この磁気抵抗効果素子1aには非磁性導体層7a
(例えば、Cu薄膜)が隣接して設けられており、図1
に示すように、磁性薄膜3aの残留磁化方向(磁化方向
8a参照)をY軸正とし、磁気抵抗効果膜の膜面に垂直
に非磁性導体層7aから磁気抵抗効果膜(磁性薄膜)へ
向かう方向をZ軸正としたときに定められるX軸の負の
方向(センス電流方向9a参照)にセンス電流を流すこ
とによって、磁気抵抗効果膜に対してバイアス磁界をY
軸正の方向に印加することが可能となる。
【0027】続いて、図2は、本発明のシャントバイア
ス方式使用による磁気抵抗効果素子の他の実施例を示す
断面図である。
【0028】本発明の磁気抵抗効果素子1bは、図2に
示すように、金属薄膜5にCuを、磁性薄膜2bおよび
磁性薄膜3bにNiFeを、非磁性薄膜6bにCuを、
また、反強磁性薄膜4にFeMnをそれぞれ選び、例え
ば、3nm厚のCu薄膜、5nm厚のNiFe薄膜、
2.5nm厚のCu薄膜、5nm厚のNiFe薄膜およ
び10nm厚のFeMn薄膜を順次形成する工程を3回
繰り返して作製された人工格子磁気抵抗効果膜(以下、
磁気抵抗効果膜という)よりなり、磁気抵抗効果素子1
bの微細加工パターン幅は、図2に示すMR高さに相当
する。
【0029】また、この磁気抵抗効果素子1bには、非
磁性導体層7b(例えば、Cu薄膜)が隣接して設けら
れており、図2に示すように、反強磁性薄膜4によって
交換バイアスされた磁性薄膜3bの磁化方向(磁化方向
8b参照)をY軸正とし、磁気抵抗効果膜の膜面に垂直
に非磁性導体層7bから磁気抵抗効果膜(磁性薄膜)へ
向かう方向をZ軸正としたときに定められるX軸の負の
方向(センス電流方向9b参照)にセンス電流を流すこ
とによって、磁気抵抗効果膜に対してバイアス磁界をY
軸正の方向に印加することが可能となる。
【0030】実際には、これらの磁気抵抗効果素子1a
(1b)を、図3に示すようなヨーク型ヘッドに組み込
んで測定を行った。ここで、図3(a)および図3
(b)は、それぞれ本実施例におけるヨーク型磁気抵抗
効果ヘッド(以下、ヨーク型MRヘッドという)の構成
を示す正面図および断面図である。
【0031】図3を参照すると、このヨーク型MRヘッ
ドは、バックヨークを構成する強磁性体基板11(例え
ば、NiZnフェライト)に溝(例えば、幅:30μ
m,深さ:30μm)が形成され、この溝には非磁性絶
縁体12(例えば、ガラス)が充填される。そして、こ
の非磁性絶縁体12上に磁気抵抗効果素子1a(1b)
(例えば、MR高さ:10μm)を形成し、電極13
(例えば、Au:0.24μm)および非磁性絶縁層1
4(例えば、SiO2 :0.2μm)を介してヨーク1
5,ヨーク16(例えば、NiFe:1μm)が、磁気
抵抗効果素子1a(1b)とオーバーラップ(例えば、
オーバーラップ長:2μm)するように形成されてい
る。
【0032】ただし、図(a)の正面図では非磁性絶
縁層14は省略した。また、記録媒体は垂直2層膜媒体
とし、この垂直磁気記録層17の膜厚を0.1μm、記
録ビット長を1μmとし、媒体下地層18の膜厚を0.
05μmとした。なお、ヨーク型MRヘッドと記録媒体
とのスペーシング(間隙)は0.02μmである。
【0033】図4は、バイアス磁界に対する再生出力お
よび再生波形の対称性を示したものである。なお、再生
出力の値は正規化した値を示す。ここで、バイアス磁界
の大きさは、非磁性導体層7a(7b)の膜厚を制御す
ることによって行った。図4によれば、バイアス磁界の
印加によって再生波形の対称性が徐々に改善されること
がわかる。
【0034】次に、この結果を基に磁気抵抗効果素子の
内部磁化の分布から説明する。ここでは、本発明におけ
る磁気抵抗効果素子を用いたヨーク型MRヘッドの、垂
直2層膜媒体による信号磁界の変化に対する磁化解析を
積分要素法によって行った結果について示す。
【0035】なお、この磁化計算では、非磁性薄膜6a
(6b)の両側の磁性薄膜2a(2b)と磁性薄膜3a
(3b)との磁化のなす角度θの変化により、磁気抵抗
効果が起こるとした。そして、このときの磁気抵抗効果
素子1a(1b)の比抵抗ρは、外部磁場がゼロのとき
の磁気抵抗効果素子1a(1b)の比抵抗をρ0 、ま
た、比抵抗ρの外部磁場に対する最大変化分をΔρとし
て、次式により計算した。
【0036】ρ=ρ0 −0.5・Δρ・cosθ 図5は、磁性薄膜2a(2b)の2層目の薄膜10a
(10b)の内部磁化を非磁性導体層7a(7b)の膜
厚をパラメータとして示したものである。記録媒体から
の磁界はゼロである。また、MR高さは3μm、磁気抵
抗効果素子1a(1b)とヨーク15およびヨーク16
とのオーバーラップ長は1μmである。そして、バイア
ス磁界がゼロの場合、磁性薄膜2a(2b)の2層目の
薄膜10a(10b)の磁化は、磁性薄膜3a(3b)
との静磁結合によって膜端部において強く、磁性薄膜3
a(3b)の磁化とは逆方向に磁化が向いた分布をも
つ。また、膜中央部においても磁性薄膜2a(2b)の
2層目の薄膜10a(10b)の磁化は負の方向を向い
ており、これは磁気抵抗効果素子のMR高さが小さいた
めに、静磁結合の影響が膜中央部にまで及んでいるため
である。
【0037】ここで、バイアス磁界を印加した場合、バ
イアス磁界の増加に従って静磁結合の影響が相殺されて
いく様子がわかる。バイアス磁界の大きさは非磁性導体
7a(7b)の膜厚の制御によって行われているが、
磁気抵抗効果素子におけるMR高さによって、必要なバ
イアス磁界を得るための非磁性導体層7a(7b)の膜
厚は変わり、その膜厚は2nmから20nmとすること
で十分であることがわかった。
【0038】一方、図6は、永久磁石バイアス方式によ
ってバイアス磁界を印加した場合の、再生出力および再
生波形の対称性を示したものである。なお、再生出力の
値は正規化した値を示す。ここで、バイアス磁界の大き
さは、永久磁石の残留磁束密度を変えることによって行
った。その結果、バイアス磁界の印加により再生波形の
対称性が徐々に改善されていることがわかる。
【0039】図7は、上述した磁化解析によって磁性薄
膜の内部磁化を計算した結果である。バイアス磁界の印
加によって、静磁結合の影響が相殺され、特に膜端部に
おいてその効果が大きく表れている。この場合も、磁気
抵抗効果素子におけるMR高さによって、必要なバイア
ス磁界を得るための永久磁石の残留磁束密度が変わり、
その値は1000Gから5000Gで十分であることが
わかった。
【0040】以上の結果は、電流による誘導磁界方式,
ソフトフィルムバイアス方式,相互バイアス方式におい
ても認められ、さらに、シャントバイアス方式,電流に
よる誘導磁界方式,永久磁石バイアス方式,ソフトフィ
ルムバイアス方式,相互バイアス方式のうちのいずれか
1つの方式、もしくは少なくとも2つを併用した方式を
使用することも可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、保
磁力の異なった2種類以上の磁性薄膜が非磁性層を介し
て積層された人工格子磁気抵抗効果膜において、前記隣
り合う磁性薄膜の各々の保磁力をHc2,Hc3(0<Hc2
<Hc3)としたとき、保磁力がHc3の磁性薄膜における
残留磁化方向と同一方向に、磁気抵抗効果膜にバイアス
磁界を印加することにより、高出力で、かつ対称な信号
再生波形を得ることができる。
【0042】また、非磁性薄膜を介して積層された複数
の磁性薄膜からなり、非磁性薄膜を介して隣り合う一方
の磁性薄膜に反強磁性薄膜が隣接して設けられた人工格
子磁気抵抗効果膜において、反強磁性薄膜によって交換
バイアスされた磁性薄膜の磁化方向と同一方向に、磁気
抵抗効果膜にバイアス磁界を印加することによっても、
高出力で、かつ対称な信号再生波形を得ることができ
る。
【0043】さらに、磁気抵抗効果素子に与えるバイア
ス磁界印加機構としては、シャントバイアス方式,電流
による誘導磁界方式,永久磁石バイアス方式,ソフトフ
ィルムバイアス方式,相互バイアス方式のうちのいずれ
か1つ方式、もしくは少なくとも2つを併用した方式が
使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャントバイアス方式使用による磁気
抵抗効果素子の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のシャントバイアス方式使用による磁気
抵抗効果素子の他の実施例を示す断面図である。
【図3】本実施例におけるヨーク型磁気抵抗効果ヘッド
の構成を示す図である。
【図4】本実施例における再生出力および再生波形の対
称性のバイアス磁界依存性を示す図である(シャントバ
イアス方式)。
【図5】本実施例における磁性薄膜の2層目の内部磁化
のバイアス磁界依存性を示す図である(シャントバイア
ス式)。
【図6】本実施例における再生出力および再生波形の対
称性のバイアス磁界依存性を示す図である(永久磁石方
式)。
【図7】本実施例におけるNiFe薄膜の内部磁化のバ
イアス磁界依存性(永久磁石方式)を示す図である。
【符号の説明】 1a,1b 磁気抵抗効果素子 2a,2b 磁性薄膜(NiFe薄膜) 3a 磁性薄膜(Co薄膜) 3b 磁性薄膜(NiFe薄膜) 4 反強磁性薄膜(FeMn薄膜) 5 金属薄膜(Cu薄膜) 6a,6b 非磁性薄膜(Cu薄膜) 7a,7b 非磁性導体層(Cu薄膜) 8a,8b 磁化方向 9a,9b センス電流方向 10a,10b 磁性薄膜2a(2b)の2層目の薄
膜 11 強磁性体 12 非磁性絶縁体 13 電極 14 非磁性絶縁層 15,16 ヨーク 17 垂直磁気記録層 18 媒体下地層

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保磁力の異なる2種類以上の磁性薄膜が
    非磁性層を介して積層した人工格子磁気抵抗効果膜と、 隣り合う前記磁性薄膜の各々の保磁力をHc2,Hc3(0
    <Hc2<Hc3)とするとき、保磁力がHc3の磁性薄膜に
    おける残留磁化方向と、前記人工格子磁気抵抗効果膜に
    印加されるバイアス磁界の方向とが同一方向となるよう
    に配置したバイアス磁界印加機構と、を備えることを特
    徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 非磁性薄膜を介して積層された複数の磁
    性薄膜からなり、非磁性薄膜を介して隣り合う一方の磁
    性薄膜に反強磁性薄膜が隣接して設けた人工格子磁気抵
    抗効果膜と、 前記反強磁性薄膜によって交換バイアスされた磁性薄膜
    の磁化方向と、前記人工格子磁気抵抗効果膜に印加され
    るバイアス磁界の方向とが同一方向となるように配置し
    たバイアス磁界印加機構と、を備えることを特徴とする
    磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記バイアス磁界印加機構が、シャント
    膜の分流で発生する磁界を用いるシャントバイアス方式
    であり、かつ前記シャント膜が膜厚2nmから20nm
    の非磁性導体よりなることを特徴とする請求項1または
    2記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 前記バイアス磁界印加機構が、永久磁石
    による発生磁界を用いるバイアス方式であり、かつ前記
    永久磁石の残留磁束密度が1000Gから5000Gで
    あることを特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗
    効果素子。
  5. 【請求項5】 保磁力の異なる2種類以上の磁性薄膜が
    非磁性層を介して積層した人工格子磁気抵抗効果膜より
    なる磁気抵抗効果素子のバイアス印加方法であって、 隣り合う前記磁性薄膜の各々の保磁力をHc2,Hc3(0
    <Hc2<Hc3)とするとき、保磁力がHc3の磁性薄膜に
    おける残留磁化方向と同一方向に、前記人工格子磁気抵
    抗効果膜に対してバイアス磁界を印加することを特徴と
    する磁気抵抗効果素子のバイアス印加方法。
  6. 【請求項6】 非磁性薄膜を介して積層された複数の磁
    性薄膜からなり、非磁性薄膜を介して隣り合う一方の磁
    性薄膜に反強磁性薄膜が隣接して設けられた人工格子磁
    気抵抗効果膜よりなる磁気抵抗効果素子のバイアス印加
    方法であって、 前記反強磁性薄膜によって交換バイアスされた磁性薄膜
    の磁化方向と同一方向に、前記人工格子磁気抵抗効果膜
    に対してバイアス磁界を印加することを特徴とする磁気
    抵抗効果素子のバイアス印加方法。
  7. 【請求項7】 前記バイアス磁界を、シャント膜の分流
    で発生する磁界を用いるシャントバイアス方式により印
    加することを特徴とする請求項5または6記載の磁気抵
    抗効果素子のバイアス印加方法。
  8. 【請求項8】 前記バイアス磁界を、電流による誘導磁
    界を用いて印加することを特徴とする請求項5または6
    記載の磁気抵抗効果素子のバイアス印加方法。
  9. 【請求項9】 前記バイアス磁界を、永久磁石による発
    生磁界を用いる永久磁石バイアス方式により印加するこ
    とを特徴とする請求項5または6記載の磁気抵抗効果素
    子のバイアス印加方法。
  10. 【請求項10】 前記バイアス磁界を、軟磁性膜の漏洩
    磁界を用いるソフトフィルムバイアス方式により印加す
    ることを特徴とする請求項5または6記載の磁気抵抗効
    果素子のバイアス印加方法。
  11. 【請求項11】 前記バイアス磁界を、2つの前記人工
    格子磁気抵抗効果膜に流れるセンス電流で発生する磁界
    を用いる相互バイアス方式により印加することを特徴と
    する請求項5または6記載の磁気抵抗効果素子のバイア
    ス印加方法。
  12. 【請求項12】 前記バイアス磁界を、前記シャントバ
    イアス方式,電流による誘導磁界方式,永久磁石バイア
    ス方式,ソフトフィルムバイアス方式,相互バイアス方
    式のうちの少なくとも2つを併用した方式を用いて印加
    することを特徴とする請求項5または6記載の磁気抵抗
    効果素子のバイアス印加方法。
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