JPH0991629A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents
薄膜磁気ヘッドInfo
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- JPH0991629A JPH0991629A JP7243096A JP24309695A JPH0991629A JP H0991629 A JPH0991629 A JP H0991629A JP 7243096 A JP7243096 A JP 7243096A JP 24309695 A JP24309695 A JP 24309695A JP H0991629 A JPH0991629 A JP H0991629A
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- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/127—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
- G11B5/33—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
- G11B5/39—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
- G11B5/3903—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
- G11B5/3906—Details related to the use of magnetic thin film layers or to their effects
- G11B5/3929—Disposition of magnetic thin films not used for directly coupling magnetic flux from the track to the MR film or for shielding
- G11B5/3932—Magnetic biasing films
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の縦バイアス層として用いられていた反
強磁性層は磁気抵抗層に数十(Oe;エルステッド)の
交換異方性磁界を与えるにすぎなかったため、磁気抵抗
層の単磁区化度が低く、バルクハウゼンノイズが発生し
やすいものであった。 【解決手段】 縦バイアス層8の材料として、α−Fe
2O3(酸化鉄)を用い、この縦バイアス層8を磁気抵抗
層4の下に密着させる。α−Fe2O3の縦バイアス層8
は、磁気抵抗層4に交換異方性磁界を与えるのみなら
ず、B領域での磁気抵抗層4に数百(Oe)程度の大き
な保磁力を持たせる。このため、磁気抵抗層4のB領域
でのx方向の磁化が安定しA領域の磁気抵抗層4に対し
確実な縦バイアス磁界が与えられる。よって、バルクハ
ウゼンノイズを低減することができ、磁気検出特性を高
めることができる。
強磁性層は磁気抵抗層に数十(Oe;エルステッド)の
交換異方性磁界を与えるにすぎなかったため、磁気抵抗
層の単磁区化度が低く、バルクハウゼンノイズが発生し
やすいものであった。 【解決手段】 縦バイアス層8の材料として、α−Fe
2O3(酸化鉄)を用い、この縦バイアス層8を磁気抵抗
層4の下に密着させる。α−Fe2O3の縦バイアス層8
は、磁気抵抗層4に交換異方性磁界を与えるのみなら
ず、B領域での磁気抵抗層4に数百(Oe)程度の大き
な保磁力を持たせる。このため、磁気抵抗層4のB領域
でのx方向の磁化が安定しA領域の磁気抵抗層4に対し
確実な縦バイアス磁界が与えられる。よって、バルクハ
ウゼンノイズを低減することができ、磁気検出特性を高
めることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置の磁気ヘッドなどに設けられて磁気記録媒体からの洩
れ磁束を磁気抵抗効果を利用して検出する薄膜磁気ヘッ
ドに係り、特に縦バイアス層から磁気抵抗層に効果的な
縦バイアス磁界を与えることができる薄膜磁気ヘッドに
関する。
置の磁気ヘッドなどに設けられて磁気記録媒体からの洩
れ磁束を磁気抵抗効果を利用して検出する薄膜磁気ヘッ
ドに係り、特に縦バイアス層から磁気抵抗層に効果的な
縦バイアス磁界を与えることができる薄膜磁気ヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来のエクスチェンジバイアス
方式の薄膜磁気ヘッドの正面図である。この薄膜磁気ヘ
ッドに対するハードディスクなどの磁気記録媒体の走行
方向はz方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方
向はy方向である。Al2O3(酸化アルミニウム)など
で形成された下部絶縁層1の上に、軟磁性(SAL)層
2、非磁性(SHUNT)層3、磁気抵抗(MR)層4
が下から順に積層されている。磁気抵抗層4の上のトラ
ック幅Twを開けた両側には、反強磁性層5,5が設け
られている。そして、反強磁性層5,5の上にはリード
層6,6が積層され、リード層6,6と磁気抵抗層4の
上には、上部絶縁層7が積層されている。
方式の薄膜磁気ヘッドの正面図である。この薄膜磁気ヘ
ッドに対するハードディスクなどの磁気記録媒体の走行
方向はz方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方
向はy方向である。Al2O3(酸化アルミニウム)など
で形成された下部絶縁層1の上に、軟磁性(SAL)層
2、非磁性(SHUNT)層3、磁気抵抗(MR)層4
が下から順に積層されている。磁気抵抗層4の上のトラ
ック幅Twを開けた両側には、反強磁性層5,5が設け
られている。そして、反強磁性層5,5の上にはリード
層6,6が積層され、リード層6,6と磁気抵抗層4の
上には、上部絶縁層7が積層されている。
【0003】軟磁性層2はFe−Ni−Nb(鉄−ニッ
ケル−ニオブ)系材料、非磁性層3はTa(タンタ
ル)、磁気抵抗層4はNi−Fe(ニッケル−鉄)系材
料などによりそれぞれ形成されている。また、反強磁性
層5は、NiO(酸化ニッケル)、Ni−Mn(ニッケ
ル−マンガン)合金、Pt−Mn(白金−マンガン)合
金、Fe−Mn(鉄−マンガン)合金のいずれか1つの
材料で形成されている。リード層6はCr(クロム)や
Ta(タンタル)やW(タングステン)などの導電性材
料で形成されている。
ケル−ニオブ)系材料、非磁性層3はTa(タンタ
ル)、磁気抵抗層4はNi−Fe(ニッケル−鉄)系材
料などによりそれぞれ形成されている。また、反強磁性
層5は、NiO(酸化ニッケル)、Ni−Mn(ニッケ
ル−マンガン)合金、Pt−Mn(白金−マンガン)合
金、Fe−Mn(鉄−マンガン)合金のいずれか1つの
材料で形成されている。リード層6はCr(クロム)や
Ta(タンタル)やW(タングステン)などの導電性材
料で形成されている。
【0004】図4では、反強磁性層5から磁気抵抗層4
に対しx方向への縦バイアス磁界が与えられる。すなわ
ち、磁気抵抗層4の反強磁性層5との交換結合領域(B
領域)では、反強磁性層5からの交換異方性磁界(He
x)が与えられてx方向へ単磁区化され、これに誘発さ
れて、磁気抵抗層4のトラック幅(Tw)内の領域であ
る磁気抵抗機能領域(A領域)の磁化方向がx方向へ向
くようになる。
に対しx方向への縦バイアス磁界が与えられる。すなわ
ち、磁気抵抗層4の反強磁性層5との交換結合領域(B
領域)では、反強磁性層5からの交換異方性磁界(He
x)が与えられてx方向へ単磁区化され、これに誘発さ
れて、磁気抵抗層4のトラック幅(Tw)内の領域であ
る磁気抵抗機能領域(A領域)の磁化方向がx方向へ向
くようになる。
【0005】再生動作を行なうときには、定常電流がリ
ード層6を通って磁気抵抗層4に与えられる。このとき
に磁気抵抗層4に発生する電流磁界が、軟磁性層2に対
しy方向(紙面手前方向)へ印加される。この磁界に基
づいて軟磁性層2がもたらす静磁結合エネルギーによ
り、磁気抵抗層4のA領域に横バイアス磁界(y方向へ
の磁界)が与えられる。磁気抵抗層4にx方向への縦バ
イアス磁界とy方向への横バイアス磁界が与えられるこ
とにより、A領域にて磁気抵抗層4の磁化の方向がx軸
方向とy軸方向の中間の角度に設定される。その結果、
記録媒体からA領域に与えられる外部磁界(磁気記録媒
体からの洩れ磁界)に対する抵抗変化(磁気抵抗効果特
性;H−R効果特性)が直線性を有する状態に設定され
る。磁気抵抗層4のA領域での抵抗の変化は、定常電流
から電圧の変化として検出される。
ード層6を通って磁気抵抗層4に与えられる。このとき
に磁気抵抗層4に発生する電流磁界が、軟磁性層2に対
しy方向(紙面手前方向)へ印加される。この磁界に基
づいて軟磁性層2がもたらす静磁結合エネルギーによ
り、磁気抵抗層4のA領域に横バイアス磁界(y方向へ
の磁界)が与えられる。磁気抵抗層4にx方向への縦バ
イアス磁界とy方向への横バイアス磁界が与えられるこ
とにより、A領域にて磁気抵抗層4の磁化の方向がx軸
方向とy軸方向の中間の角度に設定される。その結果、
記録媒体からA領域に与えられる外部磁界(磁気記録媒
体からの洩れ磁界)に対する抵抗変化(磁気抵抗効果特
性;H−R効果特性)が直線性を有する状態に設定され
る。磁気抵抗層4のA領域での抵抗の変化は、定常電流
から電圧の変化として検出される。
【0006】また、図4に示す薄膜磁気ヘッドの製造工
程を以下に簡単に説明すると、まず下部絶縁層1の上に
軟磁性層2、非磁性層3、磁気抵抗層4を順にスパッタ
成膜する。次に、磁気抵抗層4の上のトラック幅Tw部
分に、レジスト層を形成する。そして、レジスト層を載
せたままで、反強磁性層5およびリード層6をスパッタ
成膜する。磁気抵抗層4の上に形成されていたレジスト
層を除去すると、トラック幅Twを開けた両側に反強磁
性層5,5とリード層6,6が形成される。さらにその
上に上部絶縁層7を成膜すると、図4に示す薄膜磁気ヘ
ッドが製造される。
程を以下に簡単に説明すると、まず下部絶縁層1の上に
軟磁性層2、非磁性層3、磁気抵抗層4を順にスパッタ
成膜する。次に、磁気抵抗層4の上のトラック幅Tw部
分に、レジスト層を形成する。そして、レジスト層を載
せたままで、反強磁性層5およびリード層6をスパッタ
成膜する。磁気抵抗層4の上に形成されていたレジスト
層を除去すると、トラック幅Twを開けた両側に反強磁
性層5,5とリード層6,6が形成される。さらにその
上に上部絶縁層7を成膜すると、図4に示す薄膜磁気ヘ
ッドが製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のエクスチェ
ンジバイアス方式の薄膜磁気ヘッドでは、NiOやFe
−Mn合金などで形成される反強磁性層5からNi−F
e系材料の磁気抵抗層4のB領域に与えられる交換異方
性磁界はたかだか数十(Oe;エルステッド)にすぎな
い。またNi−Fe系材料の磁気抵抗層4は保磁力が小
さく、B領域における磁気抵抗層4のX方向の磁化は不
安定である。
ンジバイアス方式の薄膜磁気ヘッドでは、NiOやFe
−Mn合金などで形成される反強磁性層5からNi−F
e系材料の磁気抵抗層4のB領域に与えられる交換異方
性磁界はたかだか数十(Oe;エルステッド)にすぎな
い。またNi−Fe系材料の磁気抵抗層4は保磁力が小
さく、B領域における磁気抵抗層4のX方向の磁化は不
安定である。
【0008】そのため、磁気記録媒体からのy方向への
洩れ磁界によりB領域での磁気抵抗層4の磁化の方向が
x方向に安定せずに揺らぎを生じる。その結果、磁気抵
抗層4のB領域からA領域に対し安定したx方向への縦
バイアス磁界を与えることができず、その結果、A領域
の磁化方向の変動に起因するバルクハウゼンノイズが高
くなるという欠点がある。
洩れ磁界によりB領域での磁気抵抗層4の磁化の方向が
x方向に安定せずに揺らぎを生じる。その結果、磁気抵
抗層4のB領域からA領域に対し安定したx方向への縦
バイアス磁界を与えることができず、その結果、A領域
の磁化方向の変動に起因するバルクハウゼンノイズが高
くなるという欠点がある。
【0009】また、磁気抵抗層に安定した縦バイアス磁
界を与える方法としてハードバイアス方式がある。この
方式は、磁気抵抗層の両側に保磁力の大きい磁性材料に
よるハードバイアス層が形成され、ハードバイアス層の
x方向への永久磁化により磁気抵抗層にx方向への磁界
が与えられる。ハードバイアス層は数百(Oe)の保持
力を有する材料で形成される。
界を与える方法としてハードバイアス方式がある。この
方式は、磁気抵抗層の両側に保磁力の大きい磁性材料に
よるハードバイアス層が形成され、ハードバイアス層の
x方向への永久磁化により磁気抵抗層にx方向への磁界
が与えられる。ハードバイアス層は数百(Oe)の保持
力を有する材料で形成される。
【0010】しかし、従来のハードバイアス方式では、
磁気抵抗層、非磁性層、軟磁性層の全ての層の両側にハ
ードバイアス層が接合されるものであるため、ハードバ
イアス層の磁化を磁気抵抗層のみに効率的に与えること
が困難であり、また磁気抵抗層とハードバイアス層との
接合界面における静磁結合が不十分となり、磁気抵抗層
に対し必ずしも充分な縦バイアス磁界が与えられないも
のとなっている。
磁気抵抗層、非磁性層、軟磁性層の全ての層の両側にハ
ードバイアス層が接合されるものであるため、ハードバ
イアス層の磁化を磁気抵抗層のみに効率的に与えること
が困難であり、また磁気抵抗層とハードバイアス層との
接合界面における静磁結合が不十分となり、磁気抵抗層
に対し必ずしも充分な縦バイアス磁界が与えられないも
のとなっている。
【0011】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
であり、磁気抵抗層の交換結合領域に磁界を与えるとと
もにその領域での磁気抵抗層の保持力を高めて永久磁化
させやすくし、トラック幅内の磁気抵抗層の単磁区化度
を高めて、バルクハウゼンノイズを低減できるようにし
た薄膜磁気ヘッドを提供することを目的としている。
であり、磁気抵抗層の交換結合領域に磁界を与えるとと
もにその領域での磁気抵抗層の保持力を高めて永久磁化
させやすくし、トラック幅内の磁気抵抗層の単磁区化度
を高めて、バルクハウゼンノイズを低減できるようにし
た薄膜磁気ヘッドを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気抵抗層と
非磁性層と軟磁性層とが積層され、前記磁気抵抗層に対
し磁気記録媒体の記録面に沿う方向の縦バイアス磁界を
与える縦バイアス層が設けられた薄膜磁気ヘッドにおい
て、前記縦バイアス層は、トラック幅方向に間隔を開け
て前記磁気抵抗層に接しており、且つこの縦バイアス層
は、前記磁気抵抗層に交換異方性磁界を与えるとともに
この磁気抵抗層の保磁力を高くするものであることを特
徴とするものである。
非磁性層と軟磁性層とが積層され、前記磁気抵抗層に対
し磁気記録媒体の記録面に沿う方向の縦バイアス磁界を
与える縦バイアス層が設けられた薄膜磁気ヘッドにおい
て、前記縦バイアス層は、トラック幅方向に間隔を開け
て前記磁気抵抗層に接しており、且つこの縦バイアス層
は、前記磁気抵抗層に交換異方性磁界を与えるとともに
この磁気抵抗層の保磁力を高くするものであることを特
徴とするものである。
【0013】上記において、縦バイアス層は、例えばα
−Fe2O3で形成される。
−Fe2O3で形成される。
【0014】また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、縦バイ
アス層の上に磁気抵抗層が積層され、さらに磁気抵抗層
の上に非磁性層、軟磁性層が順に積層されているもの、
または、下から順に磁気抵抗層、非磁性層、軟磁性層が
積層され、非磁性層と軟磁性層はトラック幅方向に一定
の寸法を残して両側が除去されており、この除去された
部分に、縦バイアス層が磁気抵抗層に密着して積層され
ているものとなる。
アス層の上に磁気抵抗層が積層され、さらに磁気抵抗層
の上に非磁性層、軟磁性層が順に積層されているもの、
または、下から順に磁気抵抗層、非磁性層、軟磁性層が
積層され、非磁性層と軟磁性層はトラック幅方向に一定
の寸法を残して両側が除去されており、この除去された
部分に、縦バイアス層が磁気抵抗層に密着して積層され
ているものとなる。
【0015】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、磁気抵抗層
の膜厚を均一に形成でき、またトラック幅を開けた両側
で、縦バイアス層と磁気抵抗層とが確実に密着した構造
となる。このため、縦バイアス層と磁気抵抗層とが密着
している部分(B領域)での交換異方性結合が良好であ
り、縦バイアス層から磁気抵抗層の交換結合領域(B領
域)にx方向への安定した交換異方性磁界(Hex)を
与えることができる。さらにα−Fe2O3などの縦バイ
アス層は、これに密着しているNi−Fe系材料(磁気
抵抗層)の保磁力を高くする機能を発揮し、磁気抵抗層
はB領域において数百(Oe)にも及ぶ保持力(Hc)
を持つものとなる。この保持力は従来のハードバイアス
方式におけるハードバイアス層の保持力に匹敵する。よ
って磁気抵抗効果層では、B領域がハードバイアス層と
近似した機能を発揮し、A領域において磁気抵抗層にx
方向へ大きな縦バイアス磁界が与えられ、A領域がx方
向へ確実に単磁区化される。
の膜厚を均一に形成でき、またトラック幅を開けた両側
で、縦バイアス層と磁気抵抗層とが確実に密着した構造
となる。このため、縦バイアス層と磁気抵抗層とが密着
している部分(B領域)での交換異方性結合が良好であ
り、縦バイアス層から磁気抵抗層の交換結合領域(B領
域)にx方向への安定した交換異方性磁界(Hex)を
与えることができる。さらにα−Fe2O3などの縦バイ
アス層は、これに密着しているNi−Fe系材料(磁気
抵抗層)の保磁力を高くする機能を発揮し、磁気抵抗層
はB領域において数百(Oe)にも及ぶ保持力(Hc)
を持つものとなる。この保持力は従来のハードバイアス
方式におけるハードバイアス層の保持力に匹敵する。よ
って磁気抵抗効果層では、B領域がハードバイアス層と
近似した機能を発揮し、A領域において磁気抵抗層にx
方向へ大きな縦バイアス磁界が与えられ、A領域がx方
向へ確実に単磁区化される。
【0016】また、B領域での磁気抵抗層は保磁力が大
きいために、磁気記録媒体からの洩れ磁界のような外部
磁界の影響を受けず、外部磁界により磁化の方向に揺ら
ぎが生じにくくなる。よって、A領域における磁気抵抗
層に対し安定した縦バイアス磁界を与えることができ、
これによりバルクハウゼンノイズを低減できる。
きいために、磁気記録媒体からの洩れ磁界のような外部
磁界の影響を受けず、外部磁界により磁化の方向に揺ら
ぎが生じにくくなる。よって、A領域における磁気抵抗
層に対し安定した縦バイアス磁界を与えることができ、
これによりバルクハウゼンノイズを低減できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1ないし図3は本発明の薄膜磁気ヘ
ッドを構造別に示した正面図である。ハードディスクな
どの記録媒体の記録面は、図1ないし図3の紙面に平行
な向きで薄膜磁気ヘッドに対向する。x方向はトラック
幅方向、z方向は磁気ヘッドの記録媒体に対する相対的
な移動方向、y方向(紙面手前方向)は記録媒体から磁
気ヘッドに与えられる洩れ磁界の方向である。
により説明する。図1ないし図3は本発明の薄膜磁気ヘ
ッドを構造別に示した正面図である。ハードディスクな
どの記録媒体の記録面は、図1ないし図3の紙面に平行
な向きで薄膜磁気ヘッドに対向する。x方向はトラック
幅方向、z方向は磁気ヘッドの記録媒体に対する相対的
な移動方向、y方向(紙面手前方向)は記録媒体から磁
気ヘッドに与えられる洩れ磁界の方向である。
【0018】図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、Al2O3
により形成された下部絶縁層1の上の所定の間隔を開け
た両側に、縦バイアス層8,8が積層され、その上に磁
気抵抗層4が一定の膜厚で成膜されている。磁気抵抗層
4の縦バイアス層8,8が重ねられていない部分のx方
向の間隔がトラック幅Twである。磁気抵抗層4のうち
前記トラック幅Twの部分が磁気抵抗機能領域(A領
域)であり、磁気抵抗層4のうち前記縦バイアス層8が
重ねられている部分が交換結合領域(B領域)である。
により形成された下部絶縁層1の上の所定の間隔を開け
た両側に、縦バイアス層8,8が積層され、その上に磁
気抵抗層4が一定の膜厚で成膜されている。磁気抵抗層
4の縦バイアス層8,8が重ねられていない部分のx方
向の間隔がトラック幅Twである。磁気抵抗層4のうち
前記トラック幅Twの部分が磁気抵抗機能領域(A領
域)であり、磁気抵抗層4のうち前記縦バイアス層8が
重ねられている部分が交換結合領域(B領域)である。
【0019】磁気抵抗層4はNi−Fe系材料で形成さ
れ、縦バイアス層8はα−Fe2O3(酸化鉄)により形
成されている。磁気抵抗層4の上には、非磁性(SHU
NT)層3、軟磁性(SAL)層2が下から順に積層さ
れている。これらの各層は互いに平行に積層されてお
り、非磁性層3はTa、軟磁性層2はFe−Ni−Nb
系材料などによりそれぞれ形成されている。軟磁性層2
の上のリードトラック幅を開けた両側には、リード層
6,6が形成されている。このリード層6はCrあるい
はTaあるいはWなどの導電性材料により形成されてい
る。さらに最上部にはAl2O3などの上部絶縁層7が積
層されている。
れ、縦バイアス層8はα−Fe2O3(酸化鉄)により形
成されている。磁気抵抗層4の上には、非磁性(SHU
NT)層3、軟磁性(SAL)層2が下から順に積層さ
れている。これらの各層は互いに平行に積層されてお
り、非磁性層3はTa、軟磁性層2はFe−Ni−Nb
系材料などによりそれぞれ形成されている。軟磁性層2
の上のリードトラック幅を開けた両側には、リード層
6,6が形成されている。このリード層6はCrあるい
はTaあるいはWなどの導電性材料により形成されてい
る。さらに最上部にはAl2O3などの上部絶縁層7が積
層されている。
【0020】Ni−Fe系材料により形成されている磁
気抵抗層4の下側にはα−Fe2O3による縦バイアス層
8が密着している。この両材料の密着により、B領域で
は、縦バイアス層8から磁気抵抗層4に数十(Oe;エ
ルステッド)の交換異方性磁界(Hex)が与えられ
る。この交換異方性磁界の大きさは、従来のエクスチェ
ンジバイアス層のNiO、Fe−Mn合金などが磁気抵
抗層に与える交換異方性磁界の大きさとほぼ同じであ
る。図1に示すようにB領域では縦バイアス層8と磁気
抵抗層4とが均一な膜厚で互いに平行に積層されて密着
しているため、縦バイアス層8と磁気抵抗層4のB領域
との交換異方性結合は良好であり、縦バイアス層8から
交換異方性磁界(Hex)により、磁気抵抗層4のB領
域がx方向に単磁区化される。
気抵抗層4の下側にはα−Fe2O3による縦バイアス層
8が密着している。この両材料の密着により、B領域で
は、縦バイアス層8から磁気抵抗層4に数十(Oe;エ
ルステッド)の交換異方性磁界(Hex)が与えられ
る。この交換異方性磁界の大きさは、従来のエクスチェ
ンジバイアス層のNiO、Fe−Mn合金などが磁気抵
抗層に与える交換異方性磁界の大きさとほぼ同じであ
る。図1に示すようにB領域では縦バイアス層8と磁気
抵抗層4とが均一な膜厚で互いに平行に積層されて密着
しているため、縦バイアス層8と磁気抵抗層4のB領域
との交換異方性結合は良好であり、縦バイアス層8から
交換異方性磁界(Hex)により、磁気抵抗層4のB領
域がx方向に単磁区化される。
【0021】さらに、α−Fe2O3とNi−Fe系材料
とが密着していると、Ni−Fe系材料の保磁力が大き
くなる。すなわち縦バイアス層8が密着している磁気抵
抗層4のB領域は、数百(Oe;エルステッド)の保持
力を有するようになる。磁気抵抗層4のB領域の保磁力
が大きいと、磁気記録媒体からB領域に洩れ磁界が与え
られても、B領域での磁気抵抗層4に与えられる交換異
方性磁界が揺らぐことがない。よって、縦バイアス層8
からの交換異方性磁界による磁気抵抗層4のB領域での
磁化は安定し、A領域の磁気抵抗層4もB領域の磁化に
誘発されてx方向へ確実に単磁区化される。
とが密着していると、Ni−Fe系材料の保磁力が大き
くなる。すなわち縦バイアス層8が密着している磁気抵
抗層4のB領域は、数百(Oe;エルステッド)の保持
力を有するようになる。磁気抵抗層4のB領域の保磁力
が大きいと、磁気記録媒体からB領域に洩れ磁界が与え
られても、B領域での磁気抵抗層4に与えられる交換異
方性磁界が揺らぐことがない。よって、縦バイアス層8
からの交換異方性磁界による磁気抵抗層4のB領域での
磁化は安定し、A領域の磁気抵抗層4もB領域の磁化に
誘発されてx方向へ確実に単磁区化される。
【0022】またα−Fe2O3が密着していることによ
りB領域の磁気抵抗層4の保磁力が大きいため、このB
領域をx方向へ永久磁化させることもできる。この永久
磁化によりA領域の磁気抵抗層4を確実にx方向へ単磁
区化できる。このように、α−Fe2O3を縦バイアス層
8として使用することにより、A領域の磁気抵抗層4に
対し、エクスチェンジバイアスとハードバイアスの双方
の縦バイアス磁界を与えることができる。
りB領域の磁気抵抗層4の保磁力が大きいため、このB
領域をx方向へ永久磁化させることもできる。この永久
磁化によりA領域の磁気抵抗層4を確実にx方向へ単磁
区化できる。このように、α−Fe2O3を縦バイアス層
8として使用することにより、A領域の磁気抵抗層4に
対し、エクスチェンジバイアスとハードバイアスの双方
の縦バイアス磁界を与えることができる。
【0023】再生動作では、定常電流がリード層6を通
って磁気抵抗層4に与えられ、この定常電流により、磁
気抵抗層4にy方向(紙面手前方向)の電流磁界が発生
し、この電流磁界が軟磁性層2にy方向へ与えられる。
さらに軟磁性層2がもたらす静磁結合エネルギーによ
り、磁気抵抗層4に横方向(y方向)のSALバイアス
磁界が与えられる。A領域の磁気抵抗層4には前記縦バ
イアス磁界と、SALバイアスによる横バイアス磁界が
与えられ、これによりA領域の磁気抵抗層4の磁化の方
向がx方向とy方向の中間の角度に設定される。磁気記
録媒体からA領域の磁気抵抗層4に対してy方向に与え
られる洩れ磁界によりA領域の磁化方向が変化し、その
結果変化する電気抵抗が定常電流に基づき検出される。
って磁気抵抗層4に与えられ、この定常電流により、磁
気抵抗層4にy方向(紙面手前方向)の電流磁界が発生
し、この電流磁界が軟磁性層2にy方向へ与えられる。
さらに軟磁性層2がもたらす静磁結合エネルギーによ
り、磁気抵抗層4に横方向(y方向)のSALバイアス
磁界が与えられる。A領域の磁気抵抗層4には前記縦バ
イアス磁界と、SALバイアスによる横バイアス磁界が
与えられ、これによりA領域の磁気抵抗層4の磁化の方
向がx方向とy方向の中間の角度に設定される。磁気記
録媒体からA領域の磁気抵抗層4に対してy方向に与え
られる洩れ磁界によりA領域の磁化方向が変化し、その
結果変化する電気抵抗が定常電流に基づき検出される。
【0024】図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記のよ
うにB領域の磁気抵抗層4の保磁力が高いためにx方向
への磁化が安定している。また磁気記録媒体からの洩れ
磁界などの外部磁界がB領域に与えられても、B領域の
磁気抵抗層4の保磁力が大きいため、B領域の磁気抵抗
層4のx方向の磁化の揺るぎが生じない。したがって磁
気抵抗層4のA領域に確実な縦バイアス磁界が与えら
れ、A領域の磁化の方向が安定し、バルクハウゼンノイ
ズを低減できる。
うにB領域の磁気抵抗層4の保磁力が高いためにx方向
への磁化が安定している。また磁気記録媒体からの洩れ
磁界などの外部磁界がB領域に与えられても、B領域の
磁気抵抗層4の保磁力が大きいため、B領域の磁気抵抗
層4のx方向の磁化の揺るぎが生じない。したがって磁
気抵抗層4のA領域に確実な縦バイアス磁界が与えら
れ、A領域の磁化の方向が安定し、バルクハウゼンノイ
ズを低減できる。
【0025】次に図1に示す上記薄膜磁気ヘッドの製造
工程を以下に簡単に説明する。最初に下部絶縁層1の上
の全面に、縦バイアス層8をスパッタ成膜する。縦バイ
アス層8の上に所定のトラック幅を開けてレジスト層を
形成し、イオンミーリングなどによるエッチングを行
い、レジスト層が形成されていない領域(トラック幅T
wの領域)の縦バイアス層8を除去する。あるいは、下
部絶縁層1の上のトラック幅Twの部分にレジスト層を
形成し、このレジスト層が形成されていない部分(トラ
ック幅Twの両側部分)に縦バイアス層8をスパッタ成
膜してもよい。このいずれかの工程により、縦バイアス
層8のトラック幅Twの部分が除去され、トラック幅T
wの部分には下部絶縁層1が現れている状態となる。
工程を以下に簡単に説明する。最初に下部絶縁層1の上
の全面に、縦バイアス層8をスパッタ成膜する。縦バイ
アス層8の上に所定のトラック幅を開けてレジスト層を
形成し、イオンミーリングなどによるエッチングを行
い、レジスト層が形成されていない領域(トラック幅T
wの領域)の縦バイアス層8を除去する。あるいは、下
部絶縁層1の上のトラック幅Twの部分にレジスト層を
形成し、このレジスト層が形成されていない部分(トラ
ック幅Twの両側部分)に縦バイアス層8をスパッタ成
膜してもよい。このいずれかの工程により、縦バイアス
層8のトラック幅Twの部分が除去され、トラック幅T
wの部分には下部絶縁層1が現れている状態となる。
【0026】次にレジスト層を除去し、磁気抵抗層4、
非磁性層3、軟磁性層2の3層を連続してスパッタ成膜
する。これにより、磁気抵抗層4のB領域は縦バイアス
層8の上に密着し、且つA領域は下部絶縁層1の上に積
層された状態になる。さらに、軟磁性層2の上の所定の
リードトラック幅部分にレジスト層を形成する。そし
て、この上から、リード層6,6をスパッタ成膜する。
リード層6,6はレジスト層が形成されていない領域
(リードトラック幅の両側)に形成される。軟磁性層2
の上のレジスト層を除去し、軟磁性層2とリード層6,
6の上に上部絶縁層7を積層すると、図1に示す薄膜磁
気ヘッドが完成する。
非磁性層3、軟磁性層2の3層を連続してスパッタ成膜
する。これにより、磁気抵抗層4のB領域は縦バイアス
層8の上に密着し、且つA領域は下部絶縁層1の上に積
層された状態になる。さらに、軟磁性層2の上の所定の
リードトラック幅部分にレジスト層を形成する。そし
て、この上から、リード層6,6をスパッタ成膜する。
リード層6,6はレジスト層が形成されていない領域
(リードトラック幅の両側)に形成される。軟磁性層2
の上のレジスト層を除去し、軟磁性層2とリード層6,
6の上に上部絶縁層7を積層すると、図1に示す薄膜磁
気ヘッドが完成する。
【0027】図2に示す他の構造の薄膜磁気ヘッドにつ
いて説明する。図2に示した薄膜磁気ヘッドでは、図1
に示した薄膜磁気ヘッドと同様に、下部絶縁層1の上
に、所定の間隔aを開けてα−Fe2O3の縦バイアス層
8,8が形成されている。そして、縦バイアス層8,8
と、下部絶縁層1の上にNi−Fe系材料の磁気抵抗層
4が均一な膜厚で積層されている。B領域では縦バイア
ス層8と磁気抵抗層4とが密着しており、B領域の磁気
抵抗層4の磁化の方向が安定している点は、図1と同様
である。
いて説明する。図2に示した薄膜磁気ヘッドでは、図1
に示した薄膜磁気ヘッドと同様に、下部絶縁層1の上
に、所定の間隔aを開けてα−Fe2O3の縦バイアス層
8,8が形成されている。そして、縦バイアス層8,8
と、下部絶縁層1の上にNi−Fe系材料の磁気抵抗層
4が均一な膜厚で積層されている。B領域では縦バイア
ス層8と磁気抵抗層4とが密着しており、B領域の磁気
抵抗層4の磁化の方向が安定している点は、図1と同様
である。
【0028】図2では、磁気抵抗層4の上の中央部分に
非磁性層3と軟磁性層2が順に積層され、軟磁性層2の
x方向の幅寸法によりトラック幅Twが決められてい
る。また非磁性層3と軟磁性層2の両側に、リード層
6,6が形成され、さらに軟磁性層2とリード層6,6
の上に上部絶縁層7が形成されている。図2に示した薄
膜磁気ヘッドを図1に示したものと比べると、α−Fe
2O3から成る縦バイアス層8と、Ni−Fe系材料の磁
気抵抗層4との密着により、B領域での磁気抵抗層4の
x方向への磁化が安定する点で、図2と図1では同じ効
果を期待できる。
非磁性層3と軟磁性層2が順に積層され、軟磁性層2の
x方向の幅寸法によりトラック幅Twが決められてい
る。また非磁性層3と軟磁性層2の両側に、リード層
6,6が形成され、さらに軟磁性層2とリード層6,6
の上に上部絶縁層7が形成されている。図2に示した薄
膜磁気ヘッドを図1に示したものと比べると、α−Fe
2O3から成る縦バイアス層8と、Ni−Fe系材料の磁
気抵抗層4との密着により、B領域での磁気抵抗層4の
x方向への磁化が安定する点で、図2と図1では同じ効
果を期待できる。
【0029】ただし、図1では、SALバイアス磁界
(横バイアス磁界)を与える軟磁性層2がx方向へ長
く、トラック幅Twの両側に延びている。したがって、
磁気記録媒体からの洩れ磁界のうち、トラック幅Twか
ら外れる領域の磁界が軟磁性層2に与えられ、この磁界
によりバルクハウゼンノイズが多くなり、またオフトラ
ック特性も劣るものとなる。これに対し、図2に示すも
のでは、軟磁性層2の幅寸法によりトラック幅Twが決
められるため、上記のような欠点がなくなる。また図2
に示すものは、a、b、cの寸法を設定しやすい構造で
ある。すなわち軟磁性層2のトラック幅寸法Twはイオ
ンミーリングなどのエッチング工程により高精度に決め
られるため、トラック幅Twの寸法精度の安定したもの
となる。
(横バイアス磁界)を与える軟磁性層2がx方向へ長
く、トラック幅Twの両側に延びている。したがって、
磁気記録媒体からの洩れ磁界のうち、トラック幅Twか
ら外れる領域の磁界が軟磁性層2に与えられ、この磁界
によりバルクハウゼンノイズが多くなり、またオフトラ
ック特性も劣るものとなる。これに対し、図2に示すも
のでは、軟磁性層2の幅寸法によりトラック幅Twが決
められるため、上記のような欠点がなくなる。また図2
に示すものは、a、b、cの寸法を設定しやすい構造で
ある。すなわち軟磁性層2のトラック幅寸法Twはイオ
ンミーリングなどのエッチング工程により高精度に決め
られるため、トラック幅Twの寸法精度の安定したもの
となる。
【0030】図2に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程で
は、下部絶縁層1の上に間隔aを開けて縦バイアス層8
を積層し、その上に、磁気抵抗層4、非磁性層3、軟磁
性層2を連続してスパッタ成膜する。ここまでは図1に
示す薄膜磁気ヘッドと同じである。そしてレジスト層を
軟磁性層2の上に形成してトラック幅Twを決定し、ト
ラック幅Twの両側にて非磁性層3と軟磁性層2をイオ
ンミーリングなどのエッチング工程により除去する。そ
して軟磁性層2の上にレジスト層を載せたままその両側
にリード層6をスパッタ成膜する。その後に、レジスト
層を除去し、上部絶縁層7を形成する。
は、下部絶縁層1の上に間隔aを開けて縦バイアス層8
を積層し、その上に、磁気抵抗層4、非磁性層3、軟磁
性層2を連続してスパッタ成膜する。ここまでは図1に
示す薄膜磁気ヘッドと同じである。そしてレジスト層を
軟磁性層2の上に形成してトラック幅Twを決定し、ト
ラック幅Twの両側にて非磁性層3と軟磁性層2をイオ
ンミーリングなどのエッチング工程により除去する。そ
して軟磁性層2の上にレジスト層を載せたままその両側
にリード層6をスパッタ成膜する。その後に、レジスト
層を除去し、上部絶縁層7を形成する。
【0031】図3に示す薄膜磁気ヘッドでは、縦バイア
ス層8が磁気抵抗層4の上に密着して設けられている。
図3に示す薄膜磁気ヘッドでは、下部絶縁層1の上に、
磁気抵抗層4、非磁性層3、軟磁性層2の3層が連続し
てスパッタ成膜される。そして軟磁性層2の上面の間隔
aの部分にレジスト層が形成され、寸法aの両側部分が
イオンミーリングによるエッチングにより除去される。
その結果、間隔aの両側にて非磁性層3と軟磁性層2が
完全に除去され、また磁気抵抗層4の一部が除去され
る。そして前記レジスト層を残したまま、α−Fe2O3
をスパッタし、縦バイアス層8が形成される。磁気抵抗
層4はB領域にて一部が除去され、その上に非磁性層3
が残っていないため、縦バイアス層8は磁気抵抗層4の
上に完全に密着する。次に、軟磁性層2の上のレジスト
層を除去し、次に軟磁性層2の上にトラック幅Twを決
めてレジスト層を形成し、このレジスト層の両側にリー
ド層6を形成する。さらに上部絶縁層7を形成する。
ス層8が磁気抵抗層4の上に密着して設けられている。
図3に示す薄膜磁気ヘッドでは、下部絶縁層1の上に、
磁気抵抗層4、非磁性層3、軟磁性層2の3層が連続し
てスパッタ成膜される。そして軟磁性層2の上面の間隔
aの部分にレジスト層が形成され、寸法aの両側部分が
イオンミーリングによるエッチングにより除去される。
その結果、間隔aの両側にて非磁性層3と軟磁性層2が
完全に除去され、また磁気抵抗層4の一部が除去され
る。そして前記レジスト層を残したまま、α−Fe2O3
をスパッタし、縦バイアス層8が形成される。磁気抵抗
層4はB領域にて一部が除去され、その上に非磁性層3
が残っていないため、縦バイアス層8は磁気抵抗層4の
上に完全に密着する。次に、軟磁性層2の上のレジスト
層を除去し、次に軟磁性層2の上にトラック幅Twを決
めてレジスト層を形成し、このレジスト層の両側にリー
ド層6を形成する。さらに上部絶縁層7を形成する。
【0032】図3に示す実施例では、α−Fe2O3の縦
バイアス層8が、Ni−Fe系材料の磁気抵抗層4のB
領域に密着しているため、図1と図2に示すものと同様
に、A領域の磁気抵抗層4に与えられる縦バイアス磁界
が安定する。また、軟磁性層2がトラック幅Twの両側
に長く延びていないため、図2に示したものと同様にオ
フトラック特性が良好になる。またトラック幅Twは、
リード層6の間隔により高精度に決められるものとな
る。
バイアス層8が、Ni−Fe系材料の磁気抵抗層4のB
領域に密着しているため、図1と図2に示すものと同様
に、A領域の磁気抵抗層4に与えられる縦バイアス磁界
が安定する。また、軟磁性層2がトラック幅Twの両側
に長く延びていないため、図2に示したものと同様にオ
フトラック特性が良好になる。またトラック幅Twは、
リード層6の間隔により高精度に決められるものとな
る。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明の薄膜磁気ヘッドで
は、α−Fe2O3などで形成される縦バイアス層によ
り、磁気抵抗層に対して交換異方性磁界が与えられると
ともに、縦バイアス層が密着している部分での磁気抵抗
層の保磁力が大きくなるため、トラック幅の領域での磁
気抵抗層に充分な縦バイアス磁界を与え、バルクハウゼ
ンノイズを低減できる。
は、α−Fe2O3などで形成される縦バイアス層によ
り、磁気抵抗層に対して交換異方性磁界が与えられると
ともに、縦バイアス層が密着している部分での磁気抵抗
層の保磁力が大きくなるため、トラック幅の領域での磁
気抵抗層に充分な縦バイアス磁界を与え、バルクハウゼ
ンノイズを低減できる。
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドの正面図
【図2】本発明の他の薄膜磁気ヘッドの正面図
【図3】本発明の他の薄膜磁気ヘッドの正面図
【図4】従来のエクスチェンジバイアス方式の薄膜磁気
ヘッドの正面図
ヘッドの正面図
1 下部絶縁層 2 軟磁性(SAL)層 3 非磁性(SHUNT)層 4 磁気抵抗(MR)層 6 リード層 7 上部絶縁層 8 縦バイアス層
Claims (4)
- 【請求項1】 磁気抵抗層と非磁性層と軟磁性層とが積
層され、前記磁気抵抗層に対し磁気記録媒体の記録面に
沿う方向の縦バイアス磁界を与える縦バイアス層が設け
られた薄膜磁気ヘッドにおいて、前記縦バイアス層は、
トラック幅方向に間隔を開けて前記磁気抵抗層に接して
おり、且つこの縦バイアス層は、前記磁気抵抗層に交換
異方性磁界を与えるとともにこの磁気抵抗層の保磁力を
高くするものであることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項2】 縦バイアス層がα−Fe2O3で形成され
ている請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項3】 縦バイアス層の上に磁気抵抗層が積層さ
れ、さらに磁気抵抗層の上に非磁性層、軟磁性層が順に
積層されている請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッ
ド。 - 【請求項4】 下から順に磁気抵抗層、非磁性層、軟磁
性層が積層され、非磁性層と軟磁性層はトラック幅方向
に一定の寸法を残して両側が除去されており、この除去
された部分に、縦バイアス層が磁気抵抗層に密着して積
層されている請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7243096A JPH0991629A (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | 薄膜磁気ヘッド |
US08/718,061 US5805389A (en) | 1995-09-21 | 1996-09-17 | Magnetoresistive head |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7243096A JPH0991629A (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | 薄膜磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0991629A true JPH0991629A (ja) | 1997-04-04 |
Family
ID=17098736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7243096A Pending JPH0991629A (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | 薄膜磁気ヘッド |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5805389A (ja) |
JP (1) | JPH0991629A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6556391B1 (en) | 1999-12-07 | 2003-04-29 | Fujitsu Limited | Biasing layers for a magnetoresistance effect magnetic head using perpendicular current flow |
US6721147B2 (en) | 1999-12-07 | 2004-04-13 | Fujitsu Limited | Longitudinally biased magnetoresistance effect magnetic head and magnetic reproducing apparatus |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6040962A (en) * | 1997-05-14 | 2000-03-21 | Tdk Corporation | Magnetoresistive element with conductive films and magnetic domain films overlapping a central active area |
KR100434484B1 (ko) * | 1997-12-30 | 2004-07-16 | 삼성전자주식회사 | 소프트 어제이션트 레이어로 바이어스된 자기 저항 헤드 |
US6353318B1 (en) | 2000-03-10 | 2002-03-05 | Read-Rite Corporation | Magnetoresistive sensor having hard biased current perpendicular to the plane sensor |
US6496334B1 (en) | 2000-05-26 | 2002-12-17 | Read-Rite Corportion | Data storage and retrieval apparatus with thin film read head having planarized extra gap and shield layers and method of fabrication thereof |
US7144484B2 (en) * | 2000-08-15 | 2006-12-05 | Seagate Technology Llc | Ion mill shutter system |
US6801408B1 (en) | 2000-11-02 | 2004-10-05 | Western Digital (Fremont), Inc. | Data storage and retrieval apparatus with thin film read head having a planar sensor element and an extra gap and method of fabrication thereof |
US6833982B2 (en) | 2001-05-03 | 2004-12-21 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Magnetic tunnel junction sensor with a free layer biased by longitudinal layers interfacing top surfaces of free layer extensions which extend beyond an active region of the sensor |
AU2002352786A1 (en) * | 2002-03-07 | 2003-09-22 | Seagate Technology Llc | Armature vibration damper for an armature in a disc storage system |
US6756648B2 (en) * | 2002-03-25 | 2004-06-29 | International Business Machines Corporation | System and method for stabilizing a magnetic tunnel junction sensor |
US7268981B2 (en) * | 2004-04-30 | 2007-09-11 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Spin valve sensor having antiferromagnetic (AFM) pinning layer structures formed in the end regions |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4663685A (en) * | 1985-08-15 | 1987-05-05 | International Business Machines | Magnetoresistive read transducer having patterned longitudinal bias |
US5495378A (en) * | 1995-01-30 | 1996-02-27 | Seagate Technology, Inc. | Magnetoresistive sensor with improved performance and processability |
-
1995
- 1995-09-21 JP JP7243096A patent/JPH0991629A/ja active Pending
-
1996
- 1996-09-17 US US08/718,061 patent/US5805389A/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6556391B1 (en) | 1999-12-07 | 2003-04-29 | Fujitsu Limited | Biasing layers for a magnetoresistance effect magnetic head using perpendicular current flow |
US6721147B2 (en) | 1999-12-07 | 2004-04-13 | Fujitsu Limited | Longitudinally biased magnetoresistance effect magnetic head and magnetic reproducing apparatus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5805389A (en) | 1998-09-08 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010417 |