JP2000212929A - ヘドロ類の封じ込め工法 - Google Patents

ヘドロ類の封じ込め工法

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JP2000212929A
JP2000212929A JP11018100A JP1810099A JP2000212929A JP 2000212929 A JP2000212929 A JP 2000212929A JP 11018100 A JP11018100 A JP 11018100A JP 1810099 A JP1810099 A JP 1810099A JP 2000212929 A JP2000212929 A JP 2000212929A
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sludge
sealing sheet
layer
soil layer
water
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Masaaki Nakamizo
誠明 中溝
Mitsuru Morimoto
充 森元
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SENI DOBOKU KAIHATSU KK
Ohmoto Gumi Co Ltd
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SENI DOBOKU KAIHATSU KK
Ohmoto Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海底、湖底等に沈降、堆積したヘドロを、流
動、浮游等を伴うことなく封じ込めうる工法を提供する
こと。 【解決手段】 強靱な合成樹脂製の線条等よりなる粗目
のネットの裏面に、水は透過させるもののヘドロ粒子等
の透過は阻止できる合成繊維製の不織布を固着した封止
シートをヘドロ層の上面に敷設し、封止シートの上面に
圧密用土層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海底,湖底等に沈
降堆積した汚泥,渣泥等のヘドロ層を、圧密用土層によ
って封じ込める工法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】海底,湖底等に沈降堆積した汚泥,渣泥
等のヘドロ層、底泥、浮泥等は、港湾建設,改修あるい
は埋立等の各種土木工事の際、ヘドロ層、底泥,浮泥等
の液状化,側方流動,舞い上がり等を生じ、漁業,海や
湖の生態系に著しい悪影響を与えている。
【0003】このため、施工現場のヘドロ層は浚渫によ
って除去するとか、圧密用土層の投入によって封じ込め
るとかの手段が採られているが、浚渫は大規模な設備と
浚渫されたヘドロの後処理とを必要とする問題があり、
圧密用土層の投入は図7に示すように、底泥Aや浮泥B
の液状化や舞い上がりC、側方流動Dあるいは圧密用土
層Eの沈化Fによる該土層Eと底泥Aたるヘドロ層との
上下逆転等を生じ、付近の海域,水域の漁業や生態系に
著しい悪影響を与えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のヘドロ層が沈降
堆積している海底,湖底等において、従来の各種土木工
事に伴うヘドロによる漁業や生態系に対する悪影響に鑑
み、本発明は、かかる悪影響を最小限に留めうるヘドロ
類の封じ込め工法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明では、ヘドロ類の封じ込め工法を、
合成樹脂線条、糸条のごとき強靭な線条を主材料とする
粗目のネットの裏面に、水は透過させるものの、ヘドロ
粒子,粘土粒子等の、微粒子の透過は阻止できるところ
の、表裏面間に緻密な連通間隙を有するシート体が固着
されている封止シートを、海底,湖底等に堆積している
ヘドロ層の上面に敷設し、敷設された封止シートの上面
に圧密用土層を形成するという構成とした。
【0006】請求項2の発明では、封止シートの周縁部
に幅数メートルの圧密用土層の非形成部を形成するとい
う構成を請求項1の発明に付加した。
【0007】請求項3の発明では、請求項1または請求
項2の発明に、予め所定面積に成形された単位封止シー
トに、フロートと平面形状保持材とを着脱自在に取り付
けて海・水面上に浮かせ、単位施工面積を占めるまで該
単位封止シートを海・水面上で連設したのちヘドロ層上
面に沈下させるという構成を付加した。
【0008】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明で使用
する封止シート1の略示図であって、粗目のネット2
は、ナイロン,ポリエステル,塩ビ等の耐水性に富む合
成樹脂の線条,糸条等で粗な目合い3のもじ網のごとき
ネット体に形成されており、線条,糸条の太さ、目合い
3の大きさ等は、使用状況によって種々選定されるが通
常、引裂強度1000〜20000Kg、目合い5〜10ミリメー
トル程度の範囲で選定される。
【0009】前記ネット2の裏面には、図示実施例の場
合には、耐水性を有する合成繊維製の不織布たるシート
体4が、接着等の手段で固着されている。このシート体
4は、水は透過させるものの、ヘドロ粒子や粘土粒子等
の透過は阻止できる密度の緻密は連通間隙を表裏面に有
するものであれば、合成繊維、天然繊維等の不織布、漉
網、濾布あるいは微細孔の穿設された合成樹脂シート等
から選定されるが、透水係数k=10〜10程度で、
厚さが0.1〜10ミリメートルのものが施工現場の状況
によって選択され、ネット2を構成している線条,糸条
に合成樹脂系接着剤で接着され、固着されている。
【0010】図3は、封止シート1が原地地盤X上に沈
降堆積したヘドロ層5の上面に敷設され、封止シートの
上面にヘドロ封じ込め用の圧密用土層6と押え砂層7と
が形成された状態を模型的断面として現している。圧密
用土層6は概ね厚さ1.5メートル前後、押え砂層7は概
ね厚さ0.5メートル前後となるよう土運船等から投入さ
れるが、これらの厚さは、施工現場によって異なるの
で、封止シート1の引張り強度としては、1〜200トン
/■のものが一般的に選択、採用される。
【0011】図3に示される例では封止シート1の周縁
部8が護岸9に当接した状態とされているが、開放海面
側の封止シート1の周縁部は、請求項2の発明により、
図4に示される周縁部10,11のごとく、圧密用土層
6の形成されない幅数メートルの圧密用土層の非形成部
とされている。この非形成部たる周縁部10,11の存
在により、図7に示した底泥Aや浮泥Bの液状化や舞い
上がりCとか側方流動Dが防止されると共に封止シート
1の存在により圧密用土層Eの著しい沈化Fや、底泥A
たるヘドロ層との上下逆転等も防止される。
【0012】前記封止シート1の敷設は、図5および図
6に示す請求項3の発明によって行われる。すなわち、
ヘドロ類の封じ込め施工現場の海・水面位置において、
図5に示されるごとく、基準寸法、例えば幅Wが10メ
ートル、長さLが35メートルというがごとき寸法に予
め工場生産された基本シート12,13を、台船14の
ごとき作業台上で一側縁、一端縁同士を結合15,16
して一体に連続させると同時に、上表面にフロートを兼
ねた平面形状保持材17,18を着脱自在に取り付け
る。
【0013】前述の結合15,16と平面形状保持材1
7,18の取り付けの進行に伴い、クレーン船19のク
レーン20または曳舟等で基本シート12,13の結合
体を海・水面上に引き出し、アンカー21群、フロート
22群等を付設して海・水面上に浮かせて定置し、台船
14、クレーン船19等を隣位に移動させ、次の基本シ
ート12,13の結合、海・水面への引き出しを繰り返
す。
【0014】図5に示す基本シート12,13の結合体
は単位封止シート23,24を構成し、それぞれの側縁
25,26を、海・水面に浮いた状態で連結し、この連
結を単位施工面積となるまで繰り返すことにより封止シ
ート1に構成される。
【0015】単位施工面積を覆いうる広さに単位封止シ
ート23,24群が連結されると、図6に示すごとく、
封止シート1の後端を台船14上に保持し、前端28に
H形鋼等の仮押え重量材29をクレーン20で載置し、
仮留めし、近傍の平面形状保持材17,18、フロート
22群を取り外すことにより封止シート1をヘドロ層5
の上面に位置させる。
【0016】前記平面形状保持材17,18、フロート
22群の取り外しを台船14側へ進めて行くに従い、封
止シート1は不織布4を通して海水、または淡水が流通
するので自重でヘドロ層5の上面は徐々に沈化して行
き、前記アンカー21群と仮押え重量材29との作用に
より、変位,変形を生ずることなく、予定位置に効率的
に敷設される。
【0017】ヘドロ層5の上面に敷設した封止シート1
には、適所に土のう27を投入,配置して定位させたう
えで、前記仮押え重量材29の除去を行う。
【0018】次いで既述の請求項1および請求項2の発
明により、封止シート1の周縁部の幅数メートル、実施
の一例では幅約5メートルの圧密用土層6の非形成部で
囲まれた内部域に圧密用土層6を土運船から投下し、必
要に応じて押え砂層7の投下も行い、ヘドロ類の封じ込
め工法が完了する。
【0019】図示実施例は海底,水底のヘドロ類を封じ
込める実施例であるが、本発明はヘドロ層の存する地盤
を埋立により陸地化する際にも適用でき、陸地化に伴う
海水あるいは河川へのヘドロ粒子の流出の防止にも利用
しうることは勿論である。
【0020】
【発明の効果】請求項1の発明によると、合成樹脂線
条,糸条のごとき強靭な線条を主材料とする粗目のネッ
ト体の裏面に、水は透過させるもののヘドロ粒子,粘土
粒子等の微粒子の透過は阻止できる合成繊維製の不織布
が固着されている封止シートを海底や湖底等に堆積して
いるヘドロ層の上面に敷設し、その封止シートの上面に
圧密用土層を形成するので、圧密用土層の重量が負荷さ
れた際、ヘドロ層内の水分のみが不織布を通して上昇流
動し、ヘドロ粒子は圧縮されるものの流動傾向は著しく
減少し、図7に示したごとき底泥Aや浮泥Bの液状化を
良好に防止でき、その結果として圧密用土層の沈下も防
止できる効果を奏する。
【0021】請求項2の発明によると、封止シートの周
縁に圧密用土層の非形成部が数メートルの幅で形成した
ので、圧密用土層の投入,堆積時に底泥や浮泥の舞い上
がりを防止でき、かつこれらの側方流動も押さえること
ができ、ヘドロ粒子が近隣水中へ飛散,流動するのを良
好に防止できる効果を奏する。
【0022】請求項3の発明によると、予め所定面積に
単位封止シートを形成するので、フロート,平面形状保
持材等を取り付けること、海・水面に浮かせること、こ
れを連結すること等の作業性を良好としうるので、必要
とされる広面積の封止シートを施工現場で容易に製作で
きる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 封止シートの一部の模型的斜視図である。
【図2】 図1に示すものの模型的側面図である。
【図3】 本発明の完工状態を示す1実施例の模型的縦
断面図である。
【図4】 本発明の別の実施例の模型的縦断面図であ
る。
【図5】 本発明による封止シートの海面上での連結工
程を示す模型的平面図である。
【図6】 本発明による封止シートの沈下敷設状態を示
す模型的縦断面図である。
【図7】 従来のヘドロ封じ込め状態を示す模型的縦断
面図である。
【符号の説明】
1 封止シート 2 ネット 4 不織布 5 ヘドロ層 6 圧密用土層 10,11 周縁部 17,18 平面形状保持材 23,24 単位封止シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂線条、糸条のごとき強靭な線条を
    主材料とする粗目のネットの裏面に、水は透過させるも
    ののヘドロ粒子,粘土粒子等の、微粒子の透過は阻止で
    きるところの、表裏面間に緻密な連通間隙を有するシー
    ト体が固着されている封止シートを、海底,湖底等に堆
    積しているヘドロ層の上面に敷設し、 敷設された封止シートの上面に圧密用土層を形成するヘ
    ドロ類の封じ込め工法。
  2. 【請求項2】封止シートの周縁部に幅数メートルの圧密
    用土層の非形成部を形成する請求項1記載のヘドロ類の
    封じ込め工法。
  3. 【請求項3】予め所定面積に成形された単位封止シート
    に、フロートと平面形状保持材とを着脱自在に取り付け
    て海・水面上に浮かせ、単位施工面積を占めるまで該単
    位封止シートを海・水面上で連設したのちヘドロ層上面
    に沈下させる請求項1または請求項2記載のヘドロ類の
    封じ込め工法。
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