JP2000212339A - 易引裂性フィルム用エチレン系重合体組成物およびそのフィルム - Google Patents
易引裂性フィルム用エチレン系重合体組成物およびそのフィルムInfo
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Abstract
易引裂性のバランスにおいて高水準で優れた樹脂組成物
及びそのフィルムを提供する。 【解決手段】 特定の性質を有するエチレン・α−オレ
フィン共重合体(A)成分及び特定の性質を有する高圧
ラジカル重合法により得られる低密度ポリエチレン
(B)成分を含有し、(A)成分と(B)成分の割合が
特定の条件を満たすことを特徴とする易引裂性フィルム
用エチレン系重合体組成物及び該組成物からなるフィル
ム。
Description
α−オレフィン共重合体と特定の低密度ポリエチレンか
らなる易引裂性の優れたフィルムに好適なエチレン系重
合体組成物およびそのフィルムに関するものである。
装用材料がその取り扱い易さ等の特徴を評価され、エチ
レン系樹脂等を用いたプラスチックフィルムの需要が飛
躍的に伸びている。近年開発されたメタロセン触媒系の
エチレン・α−オレフィン共重合体に代表される分子量
分布が狭く、組成分布が均一かあるいは狭い高性能なポ
リエチレンは、衝撃強度、抗ブロッキング性、ヒートシ
ール・ホットタック性が優れることを利用して、フィル
ムの薄肉化や内容物を高速で自動充填、自動包装を可能
とし、幅広く展開が進められているところである。しか
しながら、この高性能なポリエチレンは、上記の特徴を
発揮する一方で、材料の強度が高くなることにより包装
フィルムの開封性(カット性、手切れ性)すなわち易引
裂性が劣る為、実際の使用において袋を開封できない、
あるいは開封時に内容物を散乱させるなどトラブルを起
こしやすいといった問題がある。易引裂性フィルムは、
容易にカットして開封できることが必要であるフィル
ム、例えば洗剤などの詰替え容器用のフィルムや食品包
装用フィルムに使用されるラミネート用原反をはじめ様
々な包装フィルムで要求されている。またこのような易
引裂性は容器の蓋のようにフィルムを打ち抜いて利用さ
れる場合にも有効である。
善する手段としていくつかの報告がなされている。例え
ば、特公平7−85922号公報、特許第261634
0号公報、特開平5−229079号公報、特開平8−
53155号公報に易引裂性の優れたフィルムが開示さ
れているが、易引裂性は改善されているものの強度、ヒ
ートシール・ホットタック性において満足できるもので
はない。また、特開平8−295745号公報には、メ
タロセン触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合
体組成物からなる易引裂性包装材が開示されているが、
易引裂性と衝撃強度とのバランスにおいて高水準のレベ
ルに達するものでない。
強度、ヒートシール・ホットタック性と易引裂性のバラ
ンスにおいて高水準で優れた樹脂組成物及びそのフィル
ムを提供することにある。
度、ヒートシール・ホットタック性と易引裂性のバラン
スにおいて高水準で優れたエチレン・α−オレフィン共
重合体を含有する樹脂組成物について検討した結果、特
定のエチレン・α−オレフィン共重合体と特定の範囲の
メルトフローレートとスウェル比を示す高圧ラジカル重
合法による低密度ポリエチレンを特定の組成で配合した
樹脂組成物及びそのフィルムが本発明の目的を達成する
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
の性質を有するエチレン・α−オレフィン共重合体
(A)成分及び下記の(b-1)〜(b-3)の性質を有する高圧
ラジカル重合法により得られる低密度ポリエチレン
(B)成分を含有し、(A)成分と(B)成分の割合が
下記の条件を満たすことを特徴とする易引裂性フィルム
用エチレン系重合体組成物である。 (A)成分: (a-1) α−オレフィンの炭素数:4〜12 (a-2) メルトフローレート(MFR):0.1〜20g
/10分 (a-3) 密度(d):0.880〜0.930g/cm3 (a-4) 下記の(式1)から得られる組成分布変動係数C
xが0.5以下 Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は100
0C当たりの短鎖分岐の平均値(1/1000C)を表
わす。) (a-5) 冷キシレン可溶部の重量割合a(重量%)が下記の
(式2)の関係を有すること a<4.8×104×(0.95-d)3+106×(0.95-d)4+1 (式2) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合a(重量%)、
dはエチレン・α−オレフィン共重合体の密度(g/c
m3)を表わす。) (B)成分: (b-1) メルトフローレート(MFR):0.1〜50g
/10分 (b-2) 密度(d):0.910〜0.935g/cm3 (b-3) スウェル比(SR)が下記の(式3)の関係を有
すること SR>1.81×10-1×log(MFR)+1.58 (式3) (A)成分と(B)成分の総重量に対する(B)成分の
割合X重量%: (B)成分がMFR≦2の時、10≦X≦80 (B)成分が2<MFR≦10の時、 10≦X≦120−100×log(MFR) (B)成分がMFR>10の時、10≦X<20 また、本発明は、上記の易引裂性フィルム用エチレン系
重合体組成物からなることを特徴とする易引裂性フィル
ムである。また、本発明は、上記の易引裂性フィルムの
層を少なくとも一層含むことを特徴とする易引裂性積層
フィルムである。また、本発明は、上記の易引裂性フィ
ルム、または上記の易引裂性積層フィルムからなること
を特徴とする詰替え容器用フィルムである。以下、本発
明を詳細に説明する。
オレフィン共重合体(A)成分は、エチレンと1種類以
上の(a-1)炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合
体である。これらの共重合成分の具体例としては、プロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、
ドデセン−1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル
−ヘキセン−1、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロ
ヘキセン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン、イソ
プレン等が挙げられる。中でも炭素数が4、6及び8の
中から選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとの共
重合体が好ましく、具体例としてはブテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1との
共重合体が好ましい。
上記モノマーおよびコモノマーをチグラーナッタ系触媒
やメタロセン系触媒を用いて、溶液重合法・スラリー重
合法・高圧イオン重合法・気相重合法等によって得られ
る。
-3)密度は、0.880〜0.930g/cm3、好まし
くは0.890〜0.930g/cm3であり、かつそ
の(a-2)メルトフローレート(MFR)は0.1〜20
g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、さら
に好ましくは0.8〜5g/10分である。ここで言う
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度とは、JIS
K6760−1981に規定された方法により測定さ
れる。密度が、0.880g/cm 3よりも小さい場合
剛性が低くなりすぎる為、ハンドリング性の点から包装
用フィルムとして用いるのに適していない。一方、密度
が0.930g/cm3よりも大きい場合は、衝撃強度
が低下したり低温ヒートシール性が悪化するため好まし
くない。
IS K6760−1981に規定された方法によっ
て、荷重2.16kg、測定温度は190℃の条件で測
定した値である。この値が0.1g/10分より小さい
場合、フィルム成形において押出し負荷が高くなりすぎ
るため、好ましくない。一方、この値が20g/10分
を超える場合は、成形加工性が悪化したりフィルムの強
度の低下が激しく好ましくない。
らに下記(a-4)、(a-5)を満たすものである。 (a-4) 下記の(式1)から得られる組成分布変動係数C
xが0.5以下 Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は100
0C当たりの短鎖分岐の平均値(1/1000C)を表
わす。) (a-5) 冷キシレン可溶部の重量割合a(重量%)が下記の
(式2)の関係を有すること a<4.8×104×(0.95-d)3+106×(0.95-d)4+1 (式2) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合a(重量%)、
dはエチレン・α−オレフィン共重合体の密度(g/c
m3)を表わす。)
成分布の尺度を示すものであり、この値が小さいほど組
成分布が狭いことを示す。組成分布変動係数Cxが0.
5以下であることが好ましく、0.2〜0.4であるこ
とがさらに好ましい。組成分布変動係数Cxが0.5以
下であると、本発明のエチレン系重合体組成物は、易引
裂性と耐衝撃性のバランスが優れる。組成分布変動係数
Cxが0.5を越えると、易引裂性の悪化に加え、強度
の低下や抗ブロッキング性にも劣る。
記のとおりである。本発明で用いるエチレン・α-オレ
フィン共重合体を所定の温度に加熱した溶媒に溶解して
カラムオーブン中のカラムに入れ、オーブン温度を下げ
る。続いて、所定の温度まで上昇させて、その間に留出
した共重合体の相対濃度と短鎖分岐度をカラムに接続し
たFT−IRで測定する。その間に留出した共重合体の
相対濃度と短鎖分岐度を求めながら、最終温度まで上げ
ていく。得られた相対濃度と短鎖分岐度より組成分布曲
線を求める。この組成分布曲線の標準偏差をσ、平均分
岐度(Σ(SCB×各SCBをもつ溶出量の割合))を
SCBaveとし、上記式により組成分布変動係数Cxを
算出した。
code of federal regulations, Food and Drugs Admini
strationの§175.1520に規定された方法で測定
されるものをいう。冷キシレン可溶部の重量割合a(重
量%)が上記範囲を満足するエチレン・α−オレフィン
共重合体を用いることが好ましく、本発明の樹脂組成物
は、透明性と機械的強度のバランスにおいて優れた効果
を与える。冷キシレン可溶部の重量割合aが上式に示さ
れる範囲より大きい場合、強度が低下し、透明性、抗ブ
ロッキング性が悪化する。さらに好ましいaは(式4)
を充足するものであり、最も好ましくは(式5)を充足
するものである。 a<4.8×104×(0.95−d)3+106×(0.95−d)4 (式4) a<4.8×104×(0.95−d)3 (式5) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合a(重量%)、
dはエチレン・α−オレフィン共重合体の密度(g/c
m3)を表わす。)
レン・α−オレフィン共重合体は、遷移金属化合物を含
む触媒により製造され、特にシクロペンタジエン形アニ
オン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を含む触媒
の存在下に製造されるものが好ましい。該遷移金属化合
物はいわゆるメタロセン系化合物であり、通常、一般式
MLaXn-a(式中、Mは元素の周期律表の第4族又はラ
ンタナイド系列の遷移金属原子である。Lはシクロペン
タジエン形アニオン骨格を有する基又はヘテロ原子を含
有する基であり、少なくとも一つはシクロペンタジエン
形アニオン骨格を有する基である。複数のLは互いに架
橋していてもよい。Xはハロゲン原子、水素又は炭素数
1〜20の炭化水素基である。nは遷移金属原子の原子
価を表し、aは0<a≦nなる整数である。)で表さ
れ、単独または2種類以上組み合わせて用いることがで
きる。さらに、該触媒はこのメタロセン系化合物に、ア
ルモキサン化合物を含む有機アルミニウム化合物、及び
/またはトリチルボレート、アニリニウムボレート等の
イオン性化合物、及び/またはSiO2、Al2O3等の
無機担体、エチレン、スチレン等のオレフィン重合体等
の有機ポリマー担体を含む粒子状担体を組み合わせて用
いられる。
り得られる低密度ポリエチレン(B)は、(b-1) メルト
フローレート(MFR)が0.1〜50g/10分、好
ましくは0.5〜10g/10分であり、最も好ましく
は0.5〜5g/10分である。(b-2) 密度(d)が
0.910〜0.935g/cm3、好ましくは0.9
15〜0.930g/cm3、より好ましくは0.91
8〜0.925g/cm3であり、(b-3) スウェル比
(SR)が下記の(式3)の関係を満たすものである。 SR>1.81×10-1×log(MFR)+1.58 (式3)
S K6760−1981に規定された方法によって、
荷重2.16kg、測定温度は190℃の条件で測定し
た値をいう。この値が0.1g/10分より小さい場
合、フィルム成形においてエチレン・α−オレフィン共
重合体との相溶性が悪化し好ましくない。一方、この値
が50g/10分を超える場合は、満足できる易引裂性
が得られず、またフィルム強度の低下も激しく好ましく
ない。
−1981に規定された方法により測定される。密度
が、0.910g/cm3よりも小さい場合、剛性が低
くなりすぎる為、ハンドリング性の点から包装用フィル
ムとして用いるのに適していない。一方、密度が0.9
35g/cm3よりも大きい場合は、衝撃強度が低下す
るため好ましくない。
レンの構造に関しては、重合条件によって平均分子量、
分子量分布および長鎖分岐度などを制御することが可能
である。ここで用いられるスウェル比(SR)は、長鎖分
岐度をあらわす指標であり、JIS K7210によっ
て決定される。低密度ポリエチレンのスウェル比(SR)
がメルトフローレート(MFR)との関係式を満たす特定
の範囲のものを用いた時に、特徴的に本発明の効果を発
揮することができる。スウェル比(SR)が、上記範囲を
はずれると易引裂性が悪化する。
造は、一般に槽型反応器または管型反応器を用いて、ラ
ジカル発生剤の存在下、重合圧力1400〜3000k
g/cm2、重合温度200〜300℃の条件下でエチ
レンを重合することによって行われる。分子量調節剤と
して水素やメタン、エタンなどの炭化水素を用いること
によってメルトフローレートを調節することができる。
(A)成分と(B)成分の配合割合は、(A)成分と
(B)成分の総重量に対する(B)成分の割合をX重量
%とした時、以下の条件を満足させる必要がある。 (B)成分がMFR≦2の時、10≦X≦80 (B)成分が2<MFR≦10の時、 10≦X≦120−100×log(MFR) (B)成分がMFR>10の時、10≦X<20 (B)成分の配合割合が上記の範囲を超えると衝撃強度
の低下を引き起こしたり、本発明の主な目的である易引
裂性が悪化する。さらに、(B)成分が最も好ましいM
FRの範囲である0.5〜5g/10分の場合におい
て、より配合割合の好ましい範囲は、X重量%が以下の
条件を満たす場合である。 (B)成分がMFR≦2の時、40≦X≦70 (B)成分が2<MFR≦5の時、 40≦X≦120−100×log(MFR)
製造方法を特に限定するものではなく、例えば(A)成
分及び(B)成分をドライブレンドまたはメルトブレン
ドする方法により製造される。ドライブレンドには、例
えばヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなどの各
種ブレンダーが使用され、またメルトブレンドには、例
えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、熱
ロールなどの各種ミキサーが用いられる。
ン系重合体組成物からなるフィルムである。本発明の易
引裂性フィルムは、その製造方法を特に限定するもので
はなく、例えば公知のインフレーションフィルム製造装
置やTダイキャストフィルム製造装置などで製造され
る。また、本発明の易引裂性フィルムは、JIS K6
772に記載の方法により測定される引裂強度Fの時、
(F/厚み)が540kg/cm以下であるフィルムが
好ましい。より好ましくは400kg/cm以下のフィ
ルムである。上記厚みとは、フィルムの厚みである。具
体的な引裂強度Fの測定方法は、以下のとおりである。
幅40mm×長さ150mmのフィルムのMD方向(フ
ィルムの引き取り方向)およびTD方向(フィルムの引
き取り方向と垂直の方向)が長辺となるように試験片を
準備し、短片の中央から長さ方向に75mmの切り込み
を入れる。試験片の切り込みを入れた両側が裏表となる
ように引張試験機にとりつけ、200mm/分の速度で
引裂いた時の最大荷重を測定した。MD方向とTD方向
での最大荷重のうち小さい方の値を引裂強度Fとして求
めた。また、本発明のエチレン系重合体組成物を共押出
法、押出コーティング法(押出ラミネート法ともい
う。)などの技術を採用して、本発明の易引裂性フィル
ムの層を少なくとも一層含む積層フィルムとして利用す
ることができる。また、これらの装置を用いて得た単層
フィルムもしくは積層フィルムを用いて、さらにドライ
ラミネート法、ウェットラミネート法、サンドラミネー
ト法、ホットメルトラミネート法などのラミネーション
法など公知の技術によりセロハン、紙、板紙、織物、ア
ルミニウム箔、ナイロン6、ナイロン66などのポリア
ミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートなどのポリエステル樹脂、延伸ポリプロ
ピレンなどの基材にラミネートした積層フィルムとして
利用することも可能である。また、本発明は、上記の易
引裂性フィルムまたは上記の易引裂性積層フィルムから
なる詰替え容器用フィルムとして利用することができ
る。
に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに種
々の樹脂を配合してもよい。例えば、剛性を改良するた
めに高密度ポリエチレンを、また、衝撃強度の改良のた
めに低密度エラストマー等のポリオレフィン系樹脂を、
それぞれ一種または二種以上組み合わせて用いることが
できる。
る物性向上を計るため、必要に応じて2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチ
レン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン(IRGANOX
1010)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキ
シ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネー
ト(IRGANOX1076)で代表されるフェノール
系安定剤;ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表され
るホスファイト系安定剤;高級脂肪酸アミド、高級脂肪
酸エステルで代表される滑剤;炭素数8〜22の脂肪酸
のグリセリンエステル、ソルビタン酸エステル、ポリエ
チレングリコールエステルなどの帯電防止剤;ステアリ
ン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩で代表される加工性
改良剤;シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどで代表さ
れるブロッキング防止剤などが添加される。
エチレン、低密度エラストマー等の樹脂成分や酸化防止
剤、抗ブロッキング剤、滑剤、加工性改良剤等の添加剤
は、あらかじめ溶融混練したのち、フィルム加工に供し
てもよいし、個々にドライブレンドまたは一種以上のマ
スターバッチにしてドライブレンド後フィルム加工に供
してもよく、いずれの方法を用いてもよい。
従来から知られているエチレン・α−オレフィン共重合
体またはその樹脂組成物に比べ、衝撃強度、ヒートシー
ル・ホットタック性と易引裂性のバランスにおいて高水
準で優れた易引裂性フィルム用エチレン系重合体組成物
が提供できる。また、本発明は、上記優れた物性を有す
るエチレン系重合体組成物からなる洗剤などの詰替え容
器用のフィルムや食品包装用フィルムなどに使用される
ラミネート用原反に好適な易引裂性フィルムが提供でき
る。
るが、本発明は、これらに限定されるものではない。
2.16kg、温度は190℃である。 (3)組成分布変動係数(Cx) 東ソー社製多機能LCを用いて測定した。実施例及び比
較例で用いたエチレン・α−オレフィン共重合体を14
0℃に加熱したオルトジクロルベンゼン溶媒に溶解さ
せ、カラムオーブンの中の海砂を充填したカラムに入
れ、オーブンの温度を15℃/分の速度で−15℃まで
下げた。続いて、所定の温度まで10℃/hrの速度で
上昇させて、その間に流出した共重合体の相対濃度と分
岐度をカラムに接続したFT−IRで測定した。設定し
た各温度毎に流出した共重合体の相対濃度と分岐度を求
めながら、最終温度125℃まで上げていった。得られ
た相対濃度と分岐度より組成分布曲線を求め、この曲線
より平均組成および分布の広さを表す組成分布変動係数
Cxを得た。 (4)冷キシレン可溶部(a) 米国のcode of federal regulations, Food and Drugs
Administrationの§175.1520に規定された方法に従っ
た。 (5)スウェル比(SR) JIS K7210に規定されたメルトフローレート測
定装置を用い、荷重2.16kgでのメルトフローレー
ト測定時に押出したストランドの直径Dを測定し、オリ
フィスの直径D0との比D/D0を求め、スウェル比とし
た。測定温度は190℃で行った。 (6)引裂強度 JIS K6772に規定された方法に従った。すなわ
ち、幅40mmで長さ150mmのフィルムのMD方向
およびTD方向が長辺となるように試験片を準備し、短
片の中央から長さ方向に75mmの切り込みを入れた。
試験片の切り込みを入れた両側が裏表となるように引張
試験機にとりつけ、200mm/分の速度で引裂き最大
荷重を求めた。MD方向とTD方向のうち最大荷重が小
さい方を引裂強度Fとして求めた。この値が小さいほど
易引裂性が良好であることを示す。 (7)落錘衝撃強度 ASTM D1709に規定された方法に従った。 (8)ホットタック性 フィルムを厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
(エンブレム)を基材として康井精機(株)製テストコ
ーターMGD−280を用いてドライラミネート加工を
行い、ナイロン/該樹脂組成物フィルムとなる構成の積
層フィルムを得た。なお、ドライラミネート加工には二
液硬化型ポリウレタン系接着剤である武田薬品のタケラ
ックA310/タケネーA−3を用い、貼合後40℃で
48時間エージングした。得られた積層フィルムを25
mm幅の短冊状に切り、本発明のポリエチレン系樹脂層
同士を合わせ、Theller社製ホットタック強度試
験機モデルHTを用いて、シール面圧力414KPa、
シール温度を90℃から5℃刻みでシールを行う。各温
度水準で3秒間シールを行った後、0.375秒後に重
ね合わせたフィルムの一方に200cm/分で剥離させ
るに必要な強度を計測した。この剥離強度が最大となる
値をホットタック強度として示す。
−オレフィン共重合体(A)成分の物性を表1に、高圧
ラジカル重合法による低密度ポリエチレン(B)成分の
物性を表2にそれぞれ示す。
す組成になるようタンブルミキサーで混合し、さらに平
均粒径5μmの合成シリカ10重量%含有マスターバッ
チ、エルカ酸アミド4重量%含有マスターバッチをそれ
ぞれ1.5重量%、2重量%となるように同様に混合
し、エチレン系重合体組成物を得た。次に該エチレン系
重合体組成物をプラコー社製50mmφ押出機、ダイ1
25mmφ、リップ2.0mmのインフレーション成形
機により、加工温度170℃、押出量25kg/hr、
ブロー比1.8の条件で厚み50μmのフィルムを成形
した。得られたフィルムの物性を表3または表4にそれ
ぞれ示す。
ー(株)製、住友化学工業(株)販売、スミカセンE F
V203) A2:エチレン・ヘキセン−1共重合体(住友化学工業
(株)製、スミカセンαFZ201−0)
8 (注3) B1〜3:住友化学工業(株)製、高圧法L
DPE スミカセン
Claims (7)
- 【請求項1】下記の(a-1)〜(a-5)の性質を有するエチレ
ン・α−オレフィン共重合体(A)成分及び下記の(b-
1)〜(b-3)の性質を有する高圧ラジカル重合法により得
られる低密度ポリエチレン(B)成分を含有し、(A)
成分と(B)成分の割合が下記の条件を満たすことを特
徴とする易引裂性フィルム用エチレン系重合体組成物。 (A)成分: (a-1) α−オレフィンの炭素数:4〜12 (a-2) メルトフローレート(MFR):0.1〜20g
/10分 (a-3) 密度(d):0.880〜0.930g/cm3 (a-4) 下記の(式1)から得られる組成分布変動係数C
xが0.5以下 Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は100
0C当たりの短鎖分岐の平均値(1/1000C)を表
わす。) (a-5) 冷キシレン可溶部の重量割合a(重量%)が下記の
(式2)の関係を有すること a<4.8×104×(0.95-d)3+106×(0.95-d)4+1 (式2) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合a(重量%)、
dはエチレン・α−オレフィン共重合体の密度(g/c
m3)を表わす。) (B)成分: (b-1) メルトフローレート(MFR):0.1〜50g
/10分 (b-2) 密度(d):0.910〜0.935g/cm3 (b-3) スウェル比(SR)が下記の(式3)の関係を有
すること SR>1.81×10-1×log(MFR)+1.58 (式3) (A)成分と(B)成分の総重量に対する(B)成分の
割合X重量%: (B)成分がMFR≦2の時、10≦X≦80 (B)成分が2<MFR≦10の時、10≦X≦120
−100×log(MFR) (B)成分がMFR>10の時、10≦X<20 - 【請求項2】成分(A)のα−オレフィンが、炭素数
4、6及び8の中から選ばれる少なくとも1種のα−オ
レフィンである請求項1記載の易引裂性フィルム用エチ
レン系重合体組成物。 - 【請求項3】成分(A)がシクロペンタジエン形アニオ
ン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を用いてなる
重合用触媒の存在下に製造されるものである請求項1記
載の易引裂性フィルム用エチレン系重合体組成物。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の易引裂性
フィルム用エチレン系重合体組成物からなることを特徴
とする易引裂性フィルム。 - 【請求項5】易引裂性フィルムがJIS K6772に
記載の方法により測定される引裂強度Fの時、(F/厚
み)が540kg/cm以下である請求項4記載の易引
裂性フィルム。 - 【請求項6】請求項4または5記載の易引裂性フィルム
の層を少なくとも一層含むことを特徴とする易引裂性積
層フィルム。 - 【請求項7】請求項4または5記載の易引裂性フィル
ム、または請求項6記載の易引裂性積層フィルムからな
ることを特徴とする詰替え容器用フィルム。
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