JP2000211426A - 面状照明装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】導光板の側面に導光板同士を連結するための係
合部材を一体に設けてなる面状照明装置において、筋状
痕のような光学欠陥の発生しない面状照明装置を提供す
ること。 【解決手段】微細なＶ状突起の配列からなる反射面を有
する複数の導光板と、前記導光板の側面に配置された光
源とを備え、前記光源より入射された光を前記反射面を
介して所定面上に光を放散するようにした面状照明装置
であって、各導光板の側面に導光板同士を連結するため
の係合部材を一体に設けると共に、前記係合部材形成部
以外の側面を粗面状にしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の室
内や計器照明等に用いられる面状照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、自動車の室内ランプ等の照明
装置には、通常フィラメントタイプの白熱ランプやハロ
ゲンランプが使用されているが、最近では面状照明を使
用した照明装置も見受けられるようになってきている。

【０００３】この形式の照明装置は一般に図３に示すよ
うに、平板状透明部材に特定の配列の微細なＶ状突起か
らなる光の反射面Ａを形成し導光板１となし、その側面
部に陰極線管などの光源を配置し、そこから入射した光
を反射面Ａを介して導光板の上表面から出射するように
なっている。しかしながら、導光板単独では厚みが数ミ
リ程度と薄いために導光板から放出される光量が少ない
ため、反射面にアルミの蒸着フィルム層を配置したりし
て改善を図ってきたが十分ではなかった。光源の強さの
改善をはかる以外に、導光板からの光の出射量を増加さ
せる手段としては、複数の導光板を積層して用いること
によっても改善することができる。

【０００４】上下２枚を重ね合わせた導光板から構成さ
れる面状照明装置を図２を用いて説明すると、下側導光
板３の出射光は上側導光板２を透過しその最上面より出
射し、また各々の導光板は光入射面からの光を上面より
出射するため、両導光板の光の重ね合わせにより面発光
輝度は単一の場合に比べ一段と向上する。

【０００５】さらに、下側導光板の下面(反射面）のＶ
状突起の形状および配置を、上側導光板の下面(反射
面）のＶ状突起の形状および配置と異ならせることによ
り面発光輝度分布を意識的に強弱の広がりをコントロー
ルすることが出来る。

【０００６】この手法により均一な輝度分布を得ること
が出来るが、このような導光板を複数枚積み重ねる構成
においては、双方の導光板の相対的位置の固定は、面状
照明装置全体の面発光輝度分布を所定の性能に発揮させ
るためにも重要である。

【０００７】一方、このように複数枚組み合わせられた
面状照明装置は実際の照明装置の製造上、他の部材を用
いることなく、すばやく正確に相対的位置の固定がなさ
れることが望ましい。

【０００８】すなわち、組み立て作業の工程で一体とし
て扱えるため作業性の向上及び、位置合わせのための他
部材からくるコストを事前に減らすことが出来る。

【０００９】そこで、図２に示すように上下導光板２，
３の相対的位置の固定用に、あらかじめ凹と凸形状の係
合部材２６，３６を各々の導光板に形成しておく。この
係合部材は光入射面２２，３２以外の導光板の側面に複
数個所設けられる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】図３において光入射面
より導入された光は、導光板１内部を反射を繰り返しな
がら伝播するが、導光板の側面１３に達した光は、この
側面１３が鏡面に近いためほぼ全反射して内側に反射
し、下面に形成されたＶ状突起からなる反射面Ａに達す
ると上方に跳ね上げられ、導光板上面より出射する。

【００１１】一方図２に示すように導光板の側面２３，
３３に係合用部材２６，３６が形成されている場合は、
導光板の光入射面２２，３２から導入された光は、係合
用部材の影響で複雑な透過や反射を繰り返すことにな
り、結果としてこの係合用部材を起点とした筋状痕（点
線の領域）としてあらわれ均一な照明が得られずその解
決手段が強く求められいた。本発明はかかる実状に鑑み
なされたもので、導光板の側面に導光板同士を連結する
ための係合部材を一体に設けてなる面状照明装置におい
て、筋状痕のような光学欠陥の発生しない面状照明装置
を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、微細
なＶ状突起の配列からなる反射面を有する複数の導光板
と、前記導光板の側面に配置された光源とを備え、前記
光源より入射された光を前記反射面をを介して所定面上
に光を放散するようにした面状照明装置であって、各導
光板の側面に導光板同士を連結するための係合部材を一
体に設けると共に、前記係合部材形成部以外の側面を粗
面状にしたことを特徴とする面状照明装置に関する。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる面状照明装
置を実施例を示した図面を参照しながら説明する。

【００１４】図１は本発明に係わる面状照明装置の一実
施形態の構成を示すものである。この実施形態の面状照
明装置は、上下導光板４，５とそれに光を供給する光源
６と、図には記載されていないが光源を点灯させる電源
とから構成されている。

【００１５】導光板４，５の材質は光透過性のある材質
であれば特に制約はないがアクリル系樹脂やポリカーボ
ネート系のプラスチックが成形性に優れており好まし
い。それぞれの導光板の下面にはＶ状突起からなる配列
の反射面Ａが形成されている。

【００１６】下側導光板５と上側導光板４の相対的位置
の固定用に、あらかじめ凹と凸形状の係合部材４６，５
６が光入射面を除く導光板の側面部４３，５３に形成さ
れている。

【００１７】ところで先に説明したように、導光板側面
に係合部材を設けるとその部分で発生する光の透過や反
射に起因する筋状痕ができるのであるが、本発明者ら
は、係合部材形成部以外の側面部分の表面を粗面化する
ことによって筋状痕の発生が抑えられることを見出し
た。

【００１８】筋状痕の発生が抑えられる理由は必ずしも
明らかでないが、導光板４，５内部の伝播光で係合部材
４６，５６以外で反射した光は、係合部材内から反射し
てくる光と重なり合うため、導光板の側面４３，５３の
面形状を最適な拡散反射光が得られる粗面形状とするこ
とにより、前記係合部材４６，５６を起点とし発生する
斜め黒線状の影を消失させることが出来たものと考えら
れる。

【００１９】

【実施例】面状照明装置は図１に示すように、幅１１１
ｍｍ、長さ１７４ｍｍ、 厚み３ｍｍのポリカーボネー
ト板で、上下に２枚積み重ねられ、それぞれの下面には
Ｖ字状の突起を配列した反射面が形成されている。ま
ず、面状照明装置４，５の側面４３，５３の係合部材が
形成されていない部分に＃１００の研磨砂によりサンド
ブラスト処理をしたところ筋状痕の発生はみられなかっ
た。同様に成形金型の光入射面以外の側面を形成する部
分を＃１００の研磨砂によりサンドブラスト処理をした
もので成形した導光板を使った面状照明装置においても
筋状痕の発生はみられず均一な照明が得られた。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、光入
射面より入射し導光板内部を伝播した光が、拡散反射光
を得られる粗面形状とした側面を介して導光板上面に導
出するようにしたことにより、相互固定のために省くこ
との難しい係合部材を設けた面状照明装置に発生する筋
状痕の発生を防止することが出来るようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る面状照明装置の一実施例を示す
斜視図。

【図２】 位置固定の係合部材と筋状痕の発生状況を示
す概念図である。

【図３】 面状照明装置の出射光の状態についての説明
図。

【符号の説明】

１ 導光板 ２、４ 上部導光板 ３、５ 下部
導光板 ６ 光源 ２２、３２ 光入射面 ２３、３３、４３、５３ 導光板側面 ２６、３６、４６、５６ 係合部材 ３４ 係合突起

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石沢 勲 茨城県下館市大字五所宮1150番地 日立化 成工業株式会社五所宮工場内 Ｆターム(参考） 3K040 EA01 GA01 GC01 GC05 HA01 HA02 HB04

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 微細なＶ状突起の配列からなる反射面を
   有する複数の導光板と、前記導光板の側面に配置された
   光源とを備え、前記光源より入射された光を前記反射面
   を介して所定面上に光を放散するようにした面状照明装
   置であって、各導光板の側面に導光板同士を連結するた
   めの係合部材を一体に設けると共に、前記係合部材形成
   部以外の側面を粗面状にしたことを特徴とする面状照明
   装置。
2. 【請求項２】 粗面形状が、光を散乱させる凹凸形状で
   ある請求項１記載の面状照明装置。