JP2005071928A - バックライト及び導光体の作製方法 - Google Patents

バックライト及び導光体の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 液晶パネル等に用いられるバックライトからの出射光の指向性を改善し、輝度を向上させる。
【解決手段】 バックライト用導光体7の上面7bにレンズアレイ4を形成し、底面7cには各レンズに対応して四角錐形状の突起状構造物5を形成する。突起状構造物5の表面には反射膜6が設けられ、ここで反射された光は導光体7の上面7bのレンズアレイ4に導かれレンズから出射される。突起状構造物5は、導光体7の底面7cに塗布形成された紫外線硬化樹脂層に対して、導光体上面のレンズを介して紫外線を照射しパターニングすることで形成される。各レンズの焦点付近に各々突起状構造物5が形成されるので、そこからの反射光はレンズによってほぼ平行光化され導光体7から出射される。
【選択図】 図1


Description

本発明は、液晶ディスプレイ装置等に用いられるバックライト及びそのバックライトを構成する導光体の作製方法に関するものである。
バックライトは、ノート型パソコンや携帯端末などの液晶ディスプレイ装置等の光源として用いられ、高輝度化及び低消費電力化が要求されている。
図7は、従来のバックライトの一構成例を概略的に示した断面図である。
このバックライトは、導光体61、光拡散シート62、導光体裏面反射シート63、線状光源64、反射板65、光拡散物質66、プリズムシート67等で構成されている。この構成では、線状光源64からの出射光を導光体61により面状に広げ、光拡散シート62により光線の放射分布を整え、プリズムシート67により光線の方位を導光体61の面の法線方向になるように調整している(例えば、特許文献1参照)。しかし、上記の構成では、バックライトより射出される光の放射角が広く、不要な方向への光の損失が生じるという課題を有していた。
この課題の解決方法として、後述する特許文献2や特許文献3の技術が開示されている。
図8は、特許文献2に示されているバックライトの構成を概略的に示した断面図である。
このバックライトは、線状光源71、反射板72、導光体73、反射シート76、レンズアレイ77等で構成されている。導光体73の底面(反射面)には微小なくぼみ74が設けられ、導光体73の上面(出射面)にはレンズアレイ77が設けられている。光源71から出射され、微小くぼみ74で反射された光は、レンズアレイ77によって平行光化され、バックライトを出射する。この構成により指向性のよい面光源が得られる。
図9は、特許文献3に示されているバックライトの構成を概略的に示した断面図である。
このバックライトは、光線指向性化シートを用いて同様な特性を実現したものである。すなわち、底面に微小突起85、上面にレンズアレイ84をそれぞれ形成した光線指向性化シート83を、導光体82の上面に接して設けたものである。線状光源81を出射し、導光体82内で反射を繰り返す光線は、微小突起85で光線指向性化シート83内に導かれ、レンズアレイ84によって平行光化される。この構成により、指向性のよい面光源が得られる。
特開平5−127159号公報 特開平10−125123号公報 特開平10−39118号公報
しかしながら、図8に示すバックライトの構造では、指向性の良い面光源を得るためには、レンズアレイ77と微小くぼみ74の位置を高精度に合わせなければならないといった問題があり、また図9に示すバックライトの構造では、微小突起85の形状制御の自由度が小さいといった問題があった。
さらに、図8及び図9に示すバックライトは、微小くぼみ74または微小突起85の分布を密にしたり疎にしたりすることで、面光源としての輝度の均一性を図っているが、微小くぼみ74や微小突起85だけでなく、それに対応するレンズのサイズや配置も変えなければならず、レンズを稠密に配置することが難しかった。そのため、実際上、輝度を均一にすることが難しいといった問題があった。
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、高輝度で、輝度均一性が高く、指向性の良いバックライト及びそのバックライトを構成する導光体の作製方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のバックライトは、光源と導光体とからなり、前記導光体は、前記光源に対向する入射面と、この入射面を透過した入射光を反射させる反射面と、この反射面で反射された光を出射する出射面とを備えており、かつ、前記反射面と出射面とが対向配置された構造のバックライトにおいて、前記導光体の反射面に前記出射面と反対側に突出した複数の突起状構造物が設けられ、前記導光体の出射面に前記突起状構造物に対応して複数のレンズが設けられ、前記突起状構造物が前記レンズの焦点を含む面上に配置されていることを特徴とする。
ここで、前記光源は、線状光源と反射板とにより構成することができる。また、前記光源は、点状光源と第2の導光体とにより構成することができる。この場合、第2の導光体は、上記導光体と同様の構成とし、第2の導光体の出射面と導光体の入射面とが対向するように配置する。
また、前記突起状構造物を感光性樹脂で形成し、その表面に反射膜を設けた構成とする。さらに、前記突起状構造物の中心位置が、この突起状構造物と対応するレンズの光軸上に位置するように配置し、かつ、複数の突起状構造物のそれぞれの中心位置と、これら突起状構造物に対応する複数のレンズのそれぞれの光軸との間の距離がすべて同じ距離となるように配置する。
また、前記突起状構造物は、そのサイズが前記光源に近い側では小さく、前記光源から遠ざかるに従って次第に大きくなるように形成し、前記レンズは、その外形状を六角形または四角形に形成することで隙間無く稠密に配列した構造とする。さらに、前記導光体の入射面と反射面とのなす角度を鋭角とし、前記突起状構造物の表面を斜面とする。
このような構成とすることにより、突起状構造物で反射された光が、レンズによって平行光化されるので、指向性の高い光が導光体出射面の全面にわたって出射される。また、出射光の出射方向は、レンズと突起状構造物の位置関係を変えることにより制御でき、出射光の光量分布は突起状構造物のサイズを上記の如く場所ごとに調整することで制御できる。
また、本発明の導光体の作製方法は、透明基板の一方の面に複数のレンズを形成する工程と、前記透明基板の他方の面に感光性樹脂層を形成する工程と、前記レンズを通して光を前記感光性樹脂層に照射することにより、前記感光性樹脂層を用いて複数の突起状構造物を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
この場合、前記感光性樹脂層を紫外線硬化樹脂とし、前記複数の突起状構造物を形成する工程では、前記紫外線硬化樹脂層を感光させ、未硬化部分を有機溶剤により除去して、複数の突起状構造物を形成するようにしてもよい。また、前記感光性樹脂層をレジストとし、前記複数の突起状構造物を形成する工程では、前記レジスト層に形成された複数の突起状構造物を前記基板に形状転写するようにしてもよい。
また、前記感光性樹脂層に光を照射して複数の突起状構造物を形成する工程では、照射光を光源と、レンズと、前記光源とレンズとの間に配置された部分的に透過率を変化させたマスクとにより生成し、前記光源から出射され前記マスクと前記レンズとを通過した光を前記導光体のレンズ面に照射するようにしてもよい。また、前記感光性樹脂層に光を照射して複数の突起状構造物を形成する工程では、照射光を光源とコリメートレンズとにより生成し、前記光源から出射され前記コリメートレンズを通過した光の入射方向と光の強度または照射時間とを調整しながら前記導光体のレンズ面に光を照射するようにしてもよい。
このような特徴を有する本発明の導光体の作製方法によれば、各レンズの光軸に対して精度良く位置決めして、それぞれのレンズに対応する構造物を形成することができる。このように作製された導光体を用いることにより、指向性の高い面光源が得られる。
本発明のバックライトは、光源と導光体とからなり、前記導光体は、前記光源に対向する入射面と、この入射面を透過した入射光を反射させる反射面と、この反射面で反射された光を出射する出射面とを備えており、かつ、前記反射面と出射面とが対向配置された構造であって、前記導光体の反射面に前記出射面と反対側に突出した複数の突起状構造物が設けられ、前記導光体の出射面に前記突起状構造物に対応して複数のレンズが設けられ、前記突起状構造物が前記レンズの焦点を含む面上に配置された構成としている。このような構成とすることにより、突起状構造物で反射された光がレンズによって平行光化されるので、指向性の高い光が導光体出射面の全面にわたって出射されることになる。この場合、出射光の出射方向は、レンズと構造物の位置関係を変えることにより制御でき、また出射光の光量分布は構造物のサイズを場所ごとに調整することで制御できるので、高輝度で、輝度均一性が高く、指向性の良いバックライトを実現することができる。
また、本発明の導光体の作製方法は、透明基板の一方の面に複数のレンズを形成する工程と、前記透明基板の他方の面に感光性樹脂層を形成する工程と、前記レンズを通して光を前記感光性樹脂層に照射することにより、前記感光性樹脂層を用いて複数の突起状構造物を形成する工程と、を備えた構成としたので、各レンズの光軸に対して精度良く位置決めして、それぞれのレンズに対応する突起状構造物を形成することができる。このように作製された導光体を用いることにより、指向性の高い面光源が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1は、本実施形態1のバックライトの構成を模式的に示した断面図である。
図1に示すように、本実施形態1のバックライトは、紙面に垂直な方向に配置された線状光源1と、線状光源1からの出射光を第1の所定方向(例えば、図中右方向)に伝播させると共に、第2の所定方向(例えば、図中上方向)に出力させる導光体7と、導光体7の入射面7aに対向する部分を除いて線状光源1の周囲を囲むように断略横向きU字状に配置された反射鏡2等で構成されている。
導光体7は、例えば石英、ガラス、アクリル系樹脂やポリカーボネート等の透明樹脂等の材料によって形成されている。導光体7の上面(以下「出射面」という)7bにはレンズアレイ4が設けられており、また導光体7の底面(以下「反射面」という)7cには一定のピッチで複数の突起状構造物5が配置されている。この突起状構造物5は、反射面7cに対して傾斜した面を含み、その形状は多角錐状、四角錐状、円錐状等を始め、傾斜面を含む形状であればその他の形状であってもよい。レンズアレイ4の各レンズ4aは凸レンズの作用を有し、一つのレンズ4aに対して、1つ以上の突起状構造物5が対応するように配置されている。また、レンズ4aの焦点位置は導光体7の反射面7c付近にあり、いずれかの突起状構造物5の中央に位置するように設定されている。また、反射面7cには、突起状構造物5の表面も含め、全体に反射膜6が設けられている。
導光体7からの出射光の強度の均一性が重要な場合、光源は本実施形態1の線状光源1が望ましい。線状光源1としては、蛍光灯、白熱灯の他、LEDのような点状光源を並べたもの等を用いることができる。反射鏡2の線状光源1に面した部分には、銀やアルミ等の反射率の高い物質が蒸着され、高反射率化されている。
線状光源1から出射された光線は、図1に示すように、入射面7aを通って導光体7に直接入射するか、または反射鏡2により反射されて入射面7aを通過して導光体7内に導かれ、導光体7の出射面7b及び反射面7cで全反射されて、導光体7内を伝播する。導光体7の出射面7bにはレンズアレイ4が設けられており、完全な平面ではないが、曲率の小さいレンズが並ぶため、平面に近い領域が多く、導光体7の出射面7bに入射する光線の大部分は全反射されて、導光体7内を進む。
一方、導光体7の底面7cの突起状構造物5に入射する光線は、突起状構造物5表面の反射膜6で反射されて上方に導かれ、レンズアレイ4に入射する。レンズアレイ4の各レンズ4a部分の焦点位置は、突起状構造物5の中央部に位置しているので、導光体7からの射出光は、レンズアレイ4の各レンズ4a部分によりほぼ平行光化される。
次に、導光体7内を伝播する光線の振る舞いの詳細について図2を用いてさらに説明する。
導光体7の出射面7b及び反射面7cはXZ面内にあり、導光体7内に導かれた光はZ方向に伝播する。また、導光体7の入射面7aは導光体7の出射面7b及び反射面7cの法線に対して傾いており、入射面7aと反射面7cのなす角度は90度よりも小さくなっている。この角度をα1、光源から出射された光線8とZ軸とがなす角度をθ1、導光体7の屈折率をnとすると、入射面7a透過後の光線8とZ軸とがなす角度θ2は次式で表される。
θ2=sin-1(sin(90°―(α1+θ1))/n)
Z軸方向に強度ピークをもつ入射光が導光体7内に入射した場合、入射面7aでの屈折により、入射光はZ軸方向から角度sin-1(sin(90°―α1)/n)だけ傾いた方向に強度ピークをもつ光束に変換される。
導光体7内を伝播する光の一部は、導光体7の反射面7cに設けられた突起状構造物5により反射される。
ここで、突起状構造物5が四角錐形状であるとし、突起状構造物5の頂角をα2とすると、このときの四角錐の斜面の傾きα3は次式で表される。
α3=90°―α2/2
また、光線8の斜面への入射角θ3は、以下の式で与えられる。
θ3=90°−(θ2+α3)
突起状構造物5の斜面で反射された光線8は、次に導光体7の出射面7bに入射する。その入射角θ4は、以下の式で与えられる。
θ4=θ3−α3=90°―(θ2+2α3)
例えば、n=1.5、α1=75°、α2=100°の場合、θ1=0°で入射した光線は、突起状構造物5内で反射され、入射角度0°で導光体7の出射面7bに入射する。
突起状構造物5がレンズ4の光軸上にある場合、突起状構造物5内で反射された光線は、レンズアレイ4によって平行光化され導光体7の出射面7bから出射される。
この平行光の出射方向は、レンズアレイ4と突起状構造物5の位置関係を変えることにより調整できる。
すなわち、突起状構造物5の位置を焦点距離fのレンズアレイ4の光軸からZ方向にΔだけずらすと、
θ5=sin-1(f/n/Δ)
の方向に平行光は出射される。ここでθ5は、出射面法線と出射光の光軸とがなす角度である。このようにして、任意の方向の出射成分の大きな面光源をつくることができる。
また、突起状構造物5のサイズを制御することにより、導光体7から出射される光の強度制御を行うことができる。
すなわち、突起状構造物5のサイズを大きくすれば、その内部に入射し反射される光の光量を増大させることができる。逆に突起状構造物5のサイズを小さくすれば、その内部に入射し反射される光の光量を低減することができる。したがって、導光体7から出射される光の光量分布の調整は、突起状構造物5のサイズの調整により行うことができる。通常、光源に近い側では突起状構造物5に入射する光量が増えるので、光源に近い側では突起状構造物5のサイズを小さくし、光源に遠い側では突起状構造物5のサイズを大きくすることにより、導光体7から出射される光の光量分布を均一にすることができる。
また、突起状構造物5のサイズの制御により、面光源の指向性の制御もできる。特に高い指向性を必要としない場合は、突起状構造物5のサイズを大きくするとよい。突起状構造物5のサイズを大きくすると、レンズアレイ4の各レンズ4aからみた見かけ上の光源のサイズが大きくなるため、レンズ4aから出射された光の広がり角度が大きくなる。
また、レンズアレイ4の各レンズ4aの外周形状を六角形や四角形状とし、稠密配列にすると、導光体7の出射面7bに入射した光線はすべてレンズを通過し、平行光に変換されて出射されるので、光量ムラの少ない面光源が得られる。
次に、本実施形態1のバックライトを構成する導光体7の形成方法を、図3を用いて説明する。図3は、導光体の製造工程を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、アクリルからなる透明基板3の一方の面にレンズアレイ4を形成する。ここで、透明基板3としてはアクリル板を使用しているが、その他の種類のプラスチック材、ガラス板等であってもよい。基板上にレンズアレイを形成する方法としては、2P(Photo−Polymerization)法や、インクジェットヘッドにより紫外線硬化樹脂を滴下後、硬化させてレンズアレイを形成する方法などがある。また、透明基板がガラス板の場合は、等方性ウェットエッチングにより形成された球面状凹部を高屈折率部材で埋める方法、イオン交換で屈折率を高くする方法などがある。あるいは、射出成形によりレンズ基板を作製してもよい。
次に、図3(b)に示すように、透明基板3のレンズ形成面と反対側の面に紫外線硬化樹脂層11を塗布形成する。この紫外線硬化樹脂層11に対してレンズアレイ4を介して紫外光を照射し、紫外線硬化樹脂層11を感光させる。この感光工程の詳細については後述する。
感光後、有機溶剤を用いて、紫外線硬化樹脂層11の未硬化部を取り除くと、図3(c)に示すように、レンズ面の直下に四角錐形状の突起状構造物5が得られる。この突起状構造物5は、複数個のレンズ4aの各々に対応して各レンズ4aの光軸上に得られる。これにより、透明基板3の片面にレンズアレイ4、もう一方の面に四角錐形状の突起状構造物5を備えた導光体7が得られる。
次に、図3(d)に示すように、透明基板3の突起状構造物5が形成されている面に、反射膜6を形成して、導光体7が形成される。反射膜6は、金属膜や誘電体多層膜を用いるとよい。金属膜6であれば、銀、アルミなどをスパッタ、真空蒸着で成膜する。この後、導光体7の入射面7aに、反射面2を備えた線状光源1を結合して、図1に示すバックライトが完成する。
ここでは、突起状構造物5が紫外線硬化樹脂11により形成されている例について作製方法を示したが、この工程はレジストを用いて行ってもよい。すなわち、紫外線硬化樹脂層11の代わりにネガレジスト層を形成し、紫外線硬化樹脂の場合と同様に、レンズアレイ4を介して紫外光を照射して露光を行い、現像後、ネガレジスト層側から透明基板3をエッチングして形状転写し、透明基板3上に紫外線硬化樹脂を用いた場合と同様に、突起状構造物を形成する。
ここで、前述した感光工程について、図4を参照して説明する。
図4は、感光工程を行うための紫外線照射光学系の構成を概略的に示している。
図4に示すように、紫外線照射光学系は、超高圧水銀ランプ51と、曲面ミラー52と、グレースケールマスク53と、レンズ54とを備えて構成されている。
超高圧水銀ランプ51は、照射光の光源である。超高圧水銀ランプ51から出射されたi線(波長365nm)の紫外光は、曲面ミラー52によって反射され、グレースケールマスク53を照明する。グレースケールマスク53は、部分的に光の透過率を変化させたマスクである。グレースケールマスク53は、透明基板3の上の感光性樹脂層11において四角錐突起物の形状を形成するのに必要な露光量分布となるように、光の透過率を調整する。
すなわち、透過率が連続的に変化しているグレースケールマスク53を介して紫外光を照射することで、紫外光の強度が連続的に変化する、これにより、所望の強度分布をもった光束を照射する。
グレースケールマスク53を透過した紫外光は、レンズ54を透過してレンズアレイ4に入射する。レンズアレイ4の焦点は感光性樹脂層11内に位置するように設定されているため、紫外線はレンズアレイ4によって感光性樹脂層11内に結像し、感光性樹脂層11が感光される。このとき、強い紫外線により強く露光された地点は、感光性樹脂層11の硬化が早いため、溶剤浸漬後、より厚く残り、一方弱い紫外線により弱く感光された地点では、感光性樹脂層11は薄く残る。従って、この光量分布の調整、すなわちグレースケールマスク53の透過率分布の制御を行うことにより、所望の形状の突起状構造物5を形成することができる。以上の露光方法は、レジスト層に対しても同様に行うことができる。
次に、別の感光手段を図5を参照して説明する。
図5は、紫外線照射光学系の別の構成を示している。図5の紫外線照射光学系は、図4の紫外線照射光学系と同様に超高圧水銀ランプ51を備えているが、球面ミラー55とコリメートレンズ56により、紫外光平行光が透明基板3に向かって照射される構成となっている。透明基板3は2軸回転可能なステージ(図示せず)に搭載されており、回転ステージは自動制御される。
超高圧水銀ランプ51から出射されたi線紫外光は、球面ミラー55とコリメートレンズ56によって平行光に変換され、透明基板3に導かれる。透明基板3は、X軸とY軸(基板面法線)とを中心に回転する2軸回転ステージに搭載されており、この回転ステージの回転角の制御によって、基板面法線と紫外線平行光の光軸との傾きを自在に変化させることができる。
透明基板3に紫外線平行光を照射すると、レンズアレイ4によって透明基板3の反対側の面に形成された感光性樹脂層11(またはレジスト層)で一点に集光され、この集光スポットによって感光性樹脂層11が感光される。透明基板3を回転させることにより紫外線平行光の入射角度を変えると、集光スポットの位置が変化し、感光されるポイントを変化させることができる。このとき、各ポイントで露光時間(あるいは照射光強度)を制御することで、所望の地点に所望の露光量の露光を行うことができる。この工程の繰り返しで所望のパターンに感光性樹脂層11を感光する。
この紫外線照射光学系では、図4に示したグレースケールマスク53が不要であり、マスク作製コストを削減できる。また自動制御のプログラムを変更することにより、様々な形状のパターニングを行うことができる。
上記した感光手段を用いた方法では、四角錐や円錐等任意の形状の突起状構造物5を形成することができる。また、これらの突起状構造物はセルフアライメントされてレンズ直下に形成されるため、レンズと突起状構造物との位置ずれは抑制される。突起状構造物がレンズ光軸上に位置するよう形成すれば、バックライトを構成したとき、各レンズからレンズ光軸に沿った方向に、広がり角度の小さな光が出射され、指向性の高い面光源が得られる。
また、これらの方法では、突起状構造物5をレンズ光軸から一定距離だけ離して配列して形成することも容易である。すなわち、露光の際にあらかじめ傾けて透明基板を配置し、傾けた軸を中心にしてパターニングを行うことにより、その軸上に突起状構造物を形成することができる。突起状構造物をレンズ光軸からシフトして配列するため、そのシフト量に応じてレンズからの出射角度が制御され、面光源の出射角度を調整することができる。
また、バックライトとして機能させた時に、導光体7から出射される光の光量分布を調整するため、場所によって突起状構造物のサイズを調整しなければならないが、この制御も容易である。上記した図4に示す作製方法では、紫外線照射光学系において、感光される透明基板3の直前にグレースケールマスク53を配置する。このグレースケールマスク53により光透過率を調整し、各レンズ4aに入射する紫外光の光量を調整する。バックライトとして機能させた時の出射光量を増やしたいポイント、すなわち突起状構造物のサイズを大きくしたいポイントでは、マスクの光透過率を上げ、出射光量を減らしたいポイント、すなわち突起状構造物のサイズを小さくしたいポイントでは、マスクの光透過率を下げる。このようにして、面全体で均一な出射光量分布となるよう、グレースケールマスク53の光透過率分布を設定し、各ポイントの突起状構造物サイズを調整する。
以上のように、導光体からの射出光をレンズアレイにより放射角の小さい光、すなわち平行光に近い光として射出させることにより、不要な方向へ放射される光の損失を低減することができ、本実施形態1のバックライトを正面から見たときの輝度を従来のものよりも大幅に向上させることができる。
なお上記実施形態1では、各レンズ4aに対し1つの突起状構造物5が形成されている例について説明したが、特に指向性が重要ではなく、広がり角度の大きな面光源が必要な場合は、各レンズ4aについて複数個の突起状構造物5を形成してもよい。この場合、各レンズについて複数個の点光源が並ぶ形になるので、レンズにより平行光化した時に出射光の広がり角度が大きくなる。
<実施形態2>
図6は、実施形態2のバックライトの構成を模式的に示した図であり、(a)は正面図、(b)は同図(a)のA−A線断面図である。
本実施形態2では、面光源を生成する導光体部(第2導光体)は実施形態1と同じであるが、線状光源が発光ダイオードと第1導光体で形成されている点が実施形態1と異なっている。
実施形態1では、蛍光灯、白熱灯、LED等を用いて線状光源1を構成していたが、これらの構成では線状光源1からの出射光の放射角度を調整することができないため、広がり角度の大きな光が導光体7内に導かれていた。放射角度の大きな光線は、導光体7の反射面7cに設けられた突起状構造物5への入射角も大きいため、その反射光は隣接レンズ等にも入射し、その結果、導光体7の出射面7bから出射される光の平行度が劣化する結果を招いていた。すなわち、入射角θ1が大きい光が突起状構造物5に入射し、反射されると、その出射角度θ4も大きくなるため、光は隣接レンズやその隣のレンズに導かれる。隣接レンズに導かれた光線は、例えば、n=1.5、レンズ開口数0.26の場合、レンズ面から出射角度31°で出射され、これらの光線成分が多いと、面光源としての平行度が悪くなり、導光体7の出射面7bの正面に射出する光量が低下してしまう。
この改善のためには、導光体7内に入射する入射光の広がり角度を抑制する必要がある。
本実施形態2では、発光ダイオード21と第1導光体26との組み合わせにより、第2導光体31(実施形態1の導光体7)への入射光の広がり角度を抑制している。この第1導光体26は、第1導光体基材22の一方の面(図6中右側の面)にレンズアレイ23を、その面と対向する面(図6中左側の面)に突起状構造物24をそれぞれ備え、突起状構造物24が形成された面には反射膜25が形成されており、上記実施形態1で説明した導光体7と同様の働きをする。
すなわち、突起状構造物24内に入射し反射された光はレンズアレイ23によって平行光に変換され、第1導光体26からは略平行光化された光が出射され、第2導光体31に導かれる。本実施形態2の第2導光体31は、実施形態1の導光体7と同じものであり、第2導光体31への入射光が平行光に近いため、第2導光体31の出射面からはほぼ平行光が出射される。この構成により、指向性の高い面状光源が形成される。
また、第2導光体31からの出射光の均一性を上げるためには、第1導光体26の出射光もある程度の角度分布を必要とする。この角度分布は突起状構造物24の配置で制御できる。すなわち、1個のレンズ23aに対応して複数の突起状構造物24(図6では3個)を形成する。この結果、第1導光体26の出射光の広がり角度を抑制しながらも、その範囲内で様々な角度の平行光が形成され、それが第2導光体31に入射される。その結果、様々な角度をもった光が第2導光体31内を伝搬するため、第2導光体31からの出射光の均一性も向上させることができる。
本発明の実施形態1に係るバックライトの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係るバックライトの導光体内での光線の伝播を示す図である。 本発明の実施形態1に係るバックライトの導光体部の作製方法の工程を示す断面図である。 本発明のバックライトの導光体部の作製工程で用いられる紫外線照射光学系の構成を示す図である。 本発明のバックライトの導光体部の作製工程で用いられる紫外線照射光学系の別の構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係るバックライトの構成を示す図である。 従来例のバックライトの一構成例を示す断面図である。 従来例のバックライトの他の構成例を示す断面図である。 従来例のバックライトのさらに他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1 光源
2 反射板
4 レンズアレイ
5 突起状構造物
6 反射膜
7 導光体
21 発光ダイオード
26 第1導光体
23 レンズアレイ
24 突起状構造物
31 第2導光体

Claims (16)

  1. 光源と導光体とからなり、前記導光体は、前記光源に対向する入射面と、この入射面を透過した入射光を反射させる反射面と、この反射面で反射された光を出射する出射面とを備えており、かつ、前記反射面と出射面とが対向配置された構造のバックライトにおいて、
    前記導光体の反射面に前記出射面と反対側に突出した複数の突起状構造物が設けられ、前記導光体の出射面に前記突起状構造物に対応して複数のレンズが設けられ、前記突起状構造物が前記レンズの焦点を含む面上に配置されていることを特徴とするバックライト。
  2. 前記光源が、線状光源と反射板とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
  3. 前記光源が、点状光源と第2の導光体とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
  4. 前記第2の導光体は、前記点状光源に対向する入射面と、この入射面を透過した入射光を反射させる反射面と、この反射面で反射された光を出射する反射面と対向配置された出射面とを備えており、かつ、前記反射面に前記出射面と反対側に突出した複数の突起状構造物が設けられ、前記出射面に前記突起状構造物に対応して複数のレンズが設けられ、前記突起状構造物が前記レンズの焦点を含む面上に配置されており、この第2の導光体の出射面と前記導光体の入射面とが対向配置されていることを特徴とする請求項3に記載のバックライト。
  5. 前記突起状構造物が感光性樹脂で形成され、その表面に反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のバックライト。
  6. 前記突起状構造物の中心位置が、この突起状構造物と対応するレンズの光軸上にあることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のバックライト。
  7. 前記複数の突起状構造物のそれぞれの中心位置と、これら突起状構造物に対応する複数のレンズのそれぞれの光軸との間の距離がすべて同じであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のバックライト。
  8. 前記突起状構造物のサイズが前記光源に近い側では小さく、前記光源から遠ざかるに従って次第に大きくなるように設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のバックライト。
  9. 前記レンズの外形状が六角形または四角形に形成されて稠密に配列されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のバックライト。
  10. 前記導光体の入射面と反射面とのなす角度が鋭角であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のバックライト
  11. 前記突起状構造物の表面が斜面からなることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のバックライト。
  12. 透明基板の一方の面に複数のレンズを形成する工程と、前記透明基板の他方の面に感光性樹脂層を形成する工程と、前記レンズを通して光を前記感光性樹脂層に照射することにより、前記感光性樹脂層を用いて複数の突起状構造物を形成する工程と、を備えたことを特徴とする導光体の作製方法。
  13. 前記感光性樹脂層が紫外線硬化樹脂であり、前記複数の突起状構造物を形成する工程は、前記紫外線硬化樹脂層を感光させ、未硬化部分を有機溶剤により除去して、複数の突起状構造物を形成することを特徴とする請求項12に記載の導光体の作製方法。
  14. 前記感光性樹脂層がレジストであり、前記複数の突起状構造物を形成する工程は、前記レジスト層に形成された複数の突起状構造物を前記基板に形状転写することを特徴とする請求項12に記載の導光体の作製方法。
  15. 前記感光性樹脂層に光を照射して複数の突起状構造物を形成する工程では、照射光が光源と、レンズと、前記光源とレンズとの間に配置された部分的に透過率を変化させたマスクとにより生成され、前記光源から出射され前記マスクと前記レンズとを通過した光を前記導光体のレンズ面に照射することを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれかに記載の導光体の作製方法。
  16. 前記感光性樹脂層に光を照射して複数の突起状構造物を形成する工程では、照射光が光源とコリメートレンズとにより生成され、前記光源から出射され前記コリメートマスクを通過した光の入射方向と光の強度または照射時間とを調整しながら前記導光体のレンズ面に光を照射することを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれかに記載の導光体の作製方法。


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