JP2000211223A - インクリボンカセット - Google Patents

インクリボンカセット

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JP2000211223A
JP2000211223A JP1873199A JP1873199A JP2000211223A JP 2000211223 A JP2000211223 A JP 2000211223A JP 1873199 A JP1873199 A JP 1873199A JP 1873199 A JP1873199 A JP 1873199A JP 2000211223 A JP2000211223 A JP 2000211223A
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ink ribbon
roller
winding
core
take
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JP1873199A
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English (en)
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Nobuyuki Motoyama
信之 本山
Kazuhiko Amemori
和彦 雨森
Nagatake Watanabe
長武 渡辺
Yoshiyuki Hori
芳行 堀
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Dynic Corp
Original Assignee
Dynic Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低温印字時においても印字不良を起こさず、巻
太りの問題も解消することのできるインクリボンカセッ
ト。 【解決手段】一対の巻出13コアおよび巻取コア14が
収納され、印字ヘッドを挿入するための凹部19が設け
られ、インクリボン12のパスラインにおいて印字ヘッ
ド挿入凹部19と巻取コアとの間にはインクリボンの走
行を補助する巻取駆動ローラ23が設けられ、巻出コア
13と印字ヘッド挿入凹部19との間には巻出停止ロー
ラ16が設けられる。巻取駆動ローラ23とインクリボ
ン12の非印字面との間の動摩擦係数(μ1)を0.4
〜0.8の範囲内とし、巻出停止ローラとインクリボン
の非印字面との間の動摩擦係数(μ2)を0.2〜0.
7の範囲内とし、動摩擦係数がμ1>μ2の関係を満た
すようにする。好ましくはμ1の方がμ2よりも0.1
以上大であるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタのキャリ
ッジ上に装着されて該プリンタ側の印字ヘッドとの共働
により所定の記録媒体に印字するために用いられるイン
クリボンカセットに関する。
【従来の技術】従来より、カセット本体内に一対の回転
自在なコアが収納され、これらコア間にインクリボンが
巻回されて一方が巻出コア、他方が巻取コアとされたイ
ンクリボンカセットの構成が知られている(たとえば特
開平6−48003号公報参照)。このインクリボンカ
セットにおいて、カセット本体の一方の長手方向端縁に
は印字ヘッドを挿入するための凹部が設けられており、
インクリボンはそのパスラインにおいて該凹部を通過す
るときにカセット本体の外部に導出され、該凹部に挿入
された印字ヘッドとの共働によって記録媒体に印字する
ものである。このインクリボンカセットは、プリンタの
キャリッジ上に装着したときに巻取コアがキャリッジの
巻取ボビンに嵌着されて該巻取ボビンと共に回転駆動さ
れることにより、インクリボンを巻出コアから巻取コア
に向けて上記パスラインに沿って走行させるが、さら
に、ヘッド部と巻取コアとの間にキャリッジ側の駆動軸
に嵌着されて回転駆動される巻取ローラが設けられ、イ
ンクリボンの走行が円滑に行われるように補助してい
る。
【発明が解決しようとする課題】ところで、巻取ローラ
はインクリボンの滑りを防止するためにインクリボンの
非印字面に対して所定以上の摩擦力で接する必要があ
り、このため巻取ローラの表面は一般にショアーA硬度
50程度のゴムで形成されていたが、このようなゴムは
動摩擦係数が過大である(一般に1.3以上)ためイン
クリボンが走行中に巻取ローラに巻き込まれるという問
題があった。この問題を解決するため、特開平7−30
4238号公報において、駆動ローラの表面をエチレン
ブロピレンブタジエン共重合体(EPDM)で形成する
ことが提案されているが、このような表面材質の駆動ロ
ーラを使用すると、インクリボンの巻き込みの問題は解
決されるが、走行中にインクリボンの非印字面を構成す
るバックコート材が駆動ローラに付着堆積して表面材質
の動摩擦係数を変化させる傾向があり、インクリボンの
走行を不安定にすると共に、駆動ローラ表面に堆積した
付着物がヘッドに転移することによる印字不良やヘッド
寿命の低下を招くという新たな問題を生ずるものであっ
た。出願人はこれらの問題を解決することができるもの
として特開平10−166699号公報において巻取お
よび巻出ローラとインクリボン非印字面との間の摩擦係
数を0.2〜0.8の範囲内とすることを提案した。こ
のような低摩擦ローラを使用することにより概ね上記問
題を解決することができたが、低温環境(たとえば10
℃以下)での特定の印字パターンにおいて印字不良の発
生が見られた。特に、低温時にベタ印字を行う場合に転
写されずに点状に白く抜けてしまうボイドと呼ばれる印
字不良が生じやすいものであった。この印字不良をなく
すための方策として、巻取ローラをより大きな駆動力で
回転させて巻取力を強くすることも考えられるが、これ
によると巻太り(インクリボンが巻取コアに緩んだ状態
で巻き取られる現象)が起こり、カセット内に収納する
インクリボンの総長をなるべく大きくしようとするとそ
の全長を巻取コアに巻き取ったときにケース内面に接触
して巻取不良を来たす。
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、従来技
術における上記問題を解決し、インクリボンが巻取ロー
ラに巻き込まれる現象を排除し、且つ低温印字時におい
ても印字不良を起こさず、巻太りの問題も解消すること
のできる新規なインクリボンカセットを提供することを
目的とする。すなわち、本発明によるインクリボンカセ
ットは、カセット本体内にインクリボンが巻回された一
対の巻出コアおよび巻取コアが収納され、カセット本体
の一方の長手方向端縁に印字ヘッドを挿入するための凹
部が設けられ、巻出コアから印字ヘッド挿入凹部を通っ
て巻取コアに至るインクリボンのパスラインにおいて印
字ヘッド挿入凹部と巻取コアとの間にはインクリボンの
走行を補助する巻取駆動ローラが設けられると共に、巻
出コアと印字ヘッド挿入凹部との間には巻出停止ローラ
が設けられ、巻取駆動ローラとインクリボンの非印字面
との間の動摩擦係数(μ1)を0.4〜0.8の範囲内
とし、巻出停止ローラとインクリボンの非印字面との間
の動摩擦係数(μ2)を0.2〜0.7の範囲内とし、
且つ、これら動摩擦係数がμ1>μ2の関係を満たすこ
とを特徴とする。本発明の好適な態様によれば、動摩擦
係数の差(μ1−μ2)が0.1以上とされる。巻取駆
動ローラの材質は好ましくは熱可塑性エラストマーであ
り、巻出停止ローラの材質は好ましくはABS(アクリ
ロニトリルブタジエンスチレン),AS(アクリロニト
リルスチレン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカ
ーボネート)およびPOM(ポリアセタール)よりなる
群から選ばれるいずれか一である。巻出停止ローラに代
えて巻出停止ピン、またはインクリボンの走行を案内す
る案内面を有する固定部材を用いても良い。
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例によるイ
ンクリボンカセット10が示されている。なお、内部機
構を示すため、図1にはケース11およびカバーを接合
してなるカセット本体からカバーを取り除いた状態のイ
ンクリボンカセット10が示されている。ケース11内
にはインクリボン12が巻回された一対のコア13、1
4が収容されており、図1の状態ではコア13が巻出コ
ア、コア14が巻取コアとされている。インクリボン1
2は巻出コア13からガイドローラ15、巻出停止ロー
ラ16、ガイドローラ17および18によって案内さ
れ、さらに、ケース11の一方の長手方向端縁の中央部
に形成される凹部19の両側に突出して形成される先細
形状の突起部20、21の一方20の先端部に案内され
た後、凹部19に向けてカセット本体の外部に導出され
る。他方の突起部21の先端部に案内されて再度カセッ
ト本体内部に導入されたインクリボン12は、ガイドロ
ーラ22、巻取駆動ローラ23およびガイドローラ24
に案内され、巻取コア14に巻き取られる。このように
して巻出コア13から巻取コア14に至るインクリボン
12のパスラインが規定されている。インクリボンカセ
ット10が熱転写プリンタのキャリッジに装填された状
態において、該キャリッジ上の一対のボビンが巻出コア
13および巻取コア14に各々嵌合し、巻取コア14に
嵌合された巻取ボビンが適当な駆動源により回転駆動さ
れることにより、インクリボン12が前述のパスライン
を通って巻出コア13から巻取コア14に向けて送出さ
れ、これに伴って巻出コア13も巻取コア14の回転駆
動方向と同方向に従動回転する。また、キャリッジと共
にプラテンに沿って往復移動可能に設けられるサーマル
ヘッドは、インクリボンカセット10の凹部19に挿入
され、印字時には図1において上方に移動してインクリ
ボンカセット10の外部に導出されている部分のインク
リボン12を引き上げ、インクリボン12の走行に同期
して搬送される所定の記録媒体に対して所定の印字を行
うものである。かかるプリンタ側の構成および熱転写方
式による印字メカニズムは公知であるので、図示省略し
て以上の簡単な説明に止める。ガイドローラ15、1
7、18、22および24はいずれも回転自在に設けら
れたフリーローラであり、それら周面とインクリボン1
2の非印字面(バックコート面)または印字面との間の
摩擦によりインクリボン12の走行に伴って回転する。
巻出停止ローラ16および巻取駆動ローラ23はガイド
ローラ15、17、18、22および24と共にインク
リボン12を所定のパスラインに沿って走行するように
案内する役割を果たすと共に、巻取駆動ローラ23は装
填状態においてキャリッジ側の駆動軸(図示せず)が嵌
合されることにより該駆動軸が回転駆動されたときにそ
の駆動力を受けて図1において反時計方向に回転してイ
ンクリボン12の走行を積極的に補助する。一方、巻出
停止ローラ16は積極的に回転駆動されないだけでな
く、インクリボン12走行に伴って従動回転もせずに実
質的に停止状態を維持することにより、走行するインク
リボン12に対してバックテンションを与える。巻取駆
動ローラ23の材質は好ましくは熱可塑性エラストマー
であり、特にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TP
O)であってショアー硬度(D)が40以上、より好ま
しくは45〜50のものが好適に用いられる。巻出停止
ローラの材質は好ましくはABS(アクリロニトリルブ
タジエンスチレン),AS(アクリロニトリルスチレ
ン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカーボネー
ト)およびPOM(ポリアセタール)よりなる群から選
ばれるいずれか一である。ここで、巻出停止ローラ16
および巻取駆動ローラ23として、インクリボン12の
非印字面との間の動摩擦係数(μ)が0.1〜0.9と
なるような各種のローラを組み合わせて用いて図1の構
成のインクリボンカセットを作成し、これに170m巻
のインクリボン12を巻回収容して全巻印字したときの
印字結果を評価した。この結果を図2に示す。図2の表
中、Kはインクリボン12に対するバックテンションが
不十分なことによる印字欠けが見られ、Bは低温環境下
で希薄ドット印字したときのボイドの印字不良が見られ
たことを意味している。また、Fは巻取駆動ローラ23
にインクリボン12のバックコート材が付着したことを
意味し、Mは巻取コア14における巻太りの現象が見ら
れたことを意味している。○印はこれらの不良が見られ
ず好ましい印字結果が得られた場合である。この結果よ
り、巻取駆動ローラ23とインクリボン12の非印字面
との間の動摩擦係数(μ1)を0.4〜0.8の範囲
内、巻出駆動ローラ16とインクリボン12の非印字面
との間の動摩擦係数(μ2)を0.2〜0.7の範囲内
とし、且つ、μ1がμ2より大であり、好ましくはμ1
の方がμ2よりも0.1以上大であるように構成するこ
とにより各種の不良を生じさせずに好ましい印字結果が
得られることが確認された。以上において本発明の一実
施例について詳述したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、請求項に記載された発明の範囲内において
広く変形態様をとることができる。たとえば、図1の構
成において巻出停止ローラ16が用いられているが、既
述したようにこの部材はインクリボン12に対してバッ
クテンションを与えるためにその走行中実質的に停止状
態を維持するものであるから、必ずしもローラ形状を有
する必要はなく、ピン形状やその他の形状、たとえばイ
ンクリボン12の走行を案内する円弧状の案内面を有す
る固定部材であってもよい。
【発明の効果】本発明によれば、駆動ローラへのインク
リボン巻き込みを有効に防止することができ、且つ、イ
ンクリボンのバックコート材が駆動ローラ表面に付着堆
積することによる印字不良やヘッドの寿命低下、巻太り
等の問題をすべて解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクリボンカセット
の内部構造を示す上面図である。
【図2】図1のインクリボンカセットにおいて巻出停止
ローラと巻取駆動ローラの各々についてインクリボンの
非印字面との間の動摩擦係数を0.1〜0.9の範囲で
変化させて組み合わせて作成した各種のインクリボンカ
セットを用いて印字した結果を示す表である。
【符号の説明】
10 インクリボンカセット 11 ケース 12 インクリボン 13 巻出コア 14 巻取コア 15、17、18、22、24 ガイドローラ 16 巻出停止ローラ 23 巻取駆動ローラ 19 ヘッド挿入凹部 20、21 突起部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月9日(1999.2.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インクリボンカセット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタのキャリ
ッジ上に装着されて該プリンタ側の印字ヘッドとの共働
により所定の記録媒体に印字するために用いられるイン
クリボンカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カセット本体内に一対の回転
自在なコアが収納され、これらコア間にインクリボンが
巻回されて一方が巻出コア、他方が巻取コアとされたイ
ンクリボンカセットの構成が知られている(たとえば特
開平6−48003号公報参照)。
【0003】このインクリボンカセットにおいて、カセ
ット本体の一方の長手方向端縁には印字ヘッドを挿入す
るための凹部が設けられており、インクリボンはそのパ
スラインにおいて該凹部を通過するときにカセット本体
の外部に導出され、該凹部に挿入された印字ヘッドとの
共働によって記録媒体に印字するものである。
【0004】このインクリボンカセットは、プリンタの
キャリッジ上に装着したときに巻取コアがキャリッジの
巻取ボビンに嵌着されて該巻取ボビンと共に回転駆動さ
れることにより、インクリボンを巻出コアから巻取コア
に向けて上記パスラインに沿って走行させるが、さら
に、ヘッド部と巻取コアとの間にキャリッジ側の駆動軸
に嵌着されて回転駆動される巻取ローラが設けられ、イ
ンクリボンの走行が円滑に行われるように補助してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、巻取ローラ
はインクリボンの滑りを防止するためにインクリボンの
非印字面に対して所定以上の摩擦力で接する必要があ
り、このため巻取ローラの表面は一般にショアーA硬度
50程度のゴムで形成されていたが、このようなゴムは
動摩擦係数が過大である(一般に1.3以上)ためイン
クリボンが走行中に巻取ローラに巻き込まれるという問
題があった。
【0006】この問題を解決するため、特開平7−30
4238号公報において、駆動ローラの表面をエチレン
ブロピレンブタジエン共重合体(EPDM)で形成する
ことが提案されているが、このような表面材質の駆動ロ
ーラを使用すると、インクリボンの巻き込みの問題は解
決されるが、走行中にインクリボンの非印字面を構成す
るバックコート材が駆動ローラに付着堆積して表面材質
の動摩擦係数を変化させる傾向があり、インクリボンの
走行を不安定にすると共に、駆動ローラ表面に堆積した
付着物がヘッドに転移することによる印字不良やヘッド
寿命の低下を招くという新たな問題を生ずるものであっ
た。
【0007】出願人はこれらの問題を解決することがで
きるものとして特開平10−166699号公報におい
て巻取および巻出ローラとインクリボン非印字面との間
の摩擦係数を0.2〜0.8の範囲内とすることを提案
した。このような低摩擦ローラを使用することにより概
ね上記問題を解決することができたが、低温環境(たと
えば10℃以下)での特定の印字パターンにおいて印字
不良の発生が見られた。特に、低温時にベタ印字を行う
場合に転写されずに点状に白く抜けてしまうボイドと呼
ばれる印字不良が生じやすいものであった。
【0008】この印字不良をなくすための方策として、
巻取ローラをより大きな駆動力で回転させて巻取力を強
くすることも考えられるが、これによると巻太り(イン
クリボンが巻取コアに緩んだ状態で巻き取られる現象)
が起こり、カセット内に収納するインクリボンの総長を
なるべく大きくしようとするとその全長を巻取コアに巻
き取ったときにケース内面に接触して巻取不良を来た
す。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、従来技
術における上記問題を解決し、インクリボンが巻取ロー
ラに巻き込まれる現象を排除し、且つ低温印字時におい
ても印字不良を起こさず、巻太りの問題も解消すること
のできる新規なインクリボンカセットを提供することを
目的とする。
【0010】すなわち、本発明によるインクリボンカセ
ットは、カセット本体内にインクリボンが巻回された一
対の巻出コアおよび巻取コアが収納され、カセット本体
の一方の長手方向端縁に印字ヘッドを挿入するための凹
部が設けられ、巻出コアから印字ヘッド挿入凹部を通っ
て巻取コアに至るインクリボンのパスラインにおいて印
字ヘッド挿入凹部と巻取コアとの間にはインクリボンの
走行を補助する巻取駆動ローラが設けられると共に、巻
出コアと印字ヘッド挿入凹部との間には巻出停止ローラ
が設けられ、巻取駆動ローラとインクリボンの非印字面
との間の動摩擦係数(μ1)を0.4〜0.8の範囲内
とし、巻出停止ローラとインクリボンの非印字面との間
の動摩擦係数(μ2)を0.2〜0.7の範囲内とし、
且つ、これら動摩擦係数がμ1>μ2の関係を満たすこ
とを特徴とする。
【0011】本発明の好適な態様によれば、動摩擦係数
の差(μ1−μ2)が0.1以上とされる。
【0012】巻取駆動ローラの材質は好ましくは熱可塑
性エラストマーであり、巻出停止ローラの材質は好まし
くはABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン),
AS(アクリロニトリルスチレン),PS(ポリスチレ
ン),PC(ポリカーボネート)およびPOM(ポリア
セタール)よりなる群から選ばれるいずれか一である。
【0013】巻出停止ローラに代えて巻出停止ピン、ま
たはインクリボンの走行を案内する案内面を有する固定
部材を用いても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例によるイ
ンクリボンカセット10が示されている。なお、内部機
構を示すため、図1にはケース11およびカバーを接合
してなるカセット本体からカバーを取り除いた状態のイ
ンクリボンカセット10が示されている。
【0015】ケース11内にはインクリボン12が巻回
された一対のコア13、14が収容されており、図1の
状態ではコア13が巻出コア、コア14が巻取コアとさ
れている。インクリボン12は巻出コア13からガイド
ローラ15、巻出停止ローラ16、ガイドローラ17お
よび18によって案内され、さらに、ケース11の一方
の長手方向端縁の中央部に形成される凹部19の両側に
突出して形成される先細形状の突起部20、21の一方
20の先端部に案内された後、凹部19に向けてカセッ
ト本体の外部に導出される。他方の突起部21の先端部
に案内されて再度カセット本体内部に導入されたインク
リボン12は、ガイドローラ22、巻取駆動ローラ23
およびガイドローラ24に案内され、巻取コア14に巻
き取られる。このようにして巻出コア13から巻取コア
14に至るインクリボン12のパスラインが規定されて
いる。
【0016】インクリボンカセット10が熱転写プリン
タのキャリッジに装填された状態において、該キャリッ
ジ上の一対のボビンが巻出コア13および巻取コア14
に各々嵌合し、巻取コア14に嵌合された巻取ボビンが
適当な駆動源により回転駆動されることにより、インク
リボン12が前述のパスラインを通って巻出コア13か
ら巻取コア14に向けて送出され、これに伴って巻出コ
ア13も巻取コア14の回転駆動方向と同方向に従動回
転する。また、キャリッジと共にプラテンに沿って往復
移動可能に設けられるサーマルヘッドは、インクリボン
カセット10の凹部19に挿入され、印字時には図1に
おいて上方に移動してインクリボンカセット10の外部
に導出されている部分のインクリボン12を引き上げ、
インクリボン12の走行に同期して搬送される所定の記
録媒体に対して所定の印字を行うものである。
【0017】かかるプリンタ側の構成および熱転写方式
による印字メカニズムは公知であるので、図示省略して
以上の簡単な説明に止める。
【0018】ガイドローラ15、17、18、22およ
び24はいずれも回転自在に設けられたフリーローラで
あり、それら周面とインクリボン12の非印字面(バッ
クコート面)または印字面との間の摩擦によりインクリ
ボン12の走行に伴って回転する。
【0019】巻出停止ローラ16および巻取駆動ローラ
23はガイドローラ15、17、18、22および24
と共にインクリボン12を所定のパスラインに沿って走
行するように案内する役割を果たすと共に、巻取駆動ロ
ーラ23は装填状態においてキャリッジ側の駆動軸(図
示せず)が嵌合されることにより該駆動軸が回転駆動さ
れたときにその駆動力を受けて図1において反時計方向
に回転してインクリボン12の走行を積極的に補助す
る。一方、巻出停止ローラ16は積極的に回転駆動され
ないだけでなく、インクリボン12走行に伴って従動回
転もせずに実質的に停止状態を維持することにより、走
行するインクリボン12に対してバックテンションを与
える。
【0020】巻取駆動ローラ23の材質は好ましくは熱
可塑性エラストマーであり、特にオレフィン系熱可塑性
エラストマー(TPO)であってショアー硬度(D)が
40以上、より好ましくは45〜50のものが好適に用
いられる。巻出停止ローラの材質は好ましくはABS
(アクリロニトリルブタジエンスチレン),AS(アク
リロニトリルスチレン),PS(ポリスチレン),PC
(ポリカーボネート)およびPOM(ポリアセタール)
よりなる群から選ばれるいずれか一である。
【0021】ここで、巻出停止ローラ16および巻取駆
動ローラ23として、インクリボン12の非印字面との
間の動摩擦係数(μ)が0.1〜0.9となるような各
種のローラを組み合わせて用いて図1の構成のインクリ
ボンカセットを作成し、これに170m巻のインクリボ
ン12を巻回収容して全巻印字したときの印字結果を評
価した。この結果を図2に示す。
【0022】図2の表中、Kはインクリボン12に対す
るバックテンションが不十分なことによる印字欠けが見
られ、Bは低温環境下で希薄ドット印字したときのボイ
ドの印字不良が見られたことを意味している。また、F
は巻取駆動ローラ23にインクリボン12のバックコー
ト材が付着したことを意味し、Mは巻取コア14におけ
る巻太りの現象が見られたことを意味している。○印は
これらの不良が見られず好ましい印字結果が得られた場
合である。
【0023】この結果より、巻取駆動ローラ23とイン
クリボン12の非印字面との間の動摩擦係数(μ1)を
0.4〜0.8の範囲内、巻出駆動ローラ16とインク
リボン12の非印字面との間の動摩擦係数(μ2)を
0.2〜0.7の範囲内とし、且つ、μ1がμ2より大
であり、好ましくはμ1の方がμ2よりも0.1以上大
であるように構成することにより各種の不良を生じさせ
ずに好ましい印字結果が得られることが確認された。
【0024】以上において本発明の一実施例について詳
述したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請
求項に記載された発明の範囲内において広く変形態様を
とることができる。たとえば、図1の構成において巻出
停止ローラ16が用いられているが、既述したようにこ
の部材はインクリボン12に対してバックテンションを
与えるためにその走行中実質的に停止状態を維持するも
のであるから、必ずしもローラ形状を有する必要はな
く、ピン形状やその他の形状、たとえばインクリボン1
2の走行を案内する円弧状の案内面を有する固定部材で
あってもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、駆動ローラへのインク
リボン巻き込みを有効に防止することができ、且つ、イ
ンクリボンのバックコート材が駆動ローラ表面に付着堆
積することによる印字不良やヘッドの寿命低下、巻太り
等の問題をすべて解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクリボンカセット
の内部構造を示す上面図である。
【図2】図1のインクリボンカセットにおいて巻出停止
ローラと巻取駆動ローラの各々についてインクリボンの
非印字面との間の動摩擦係数を0.1〜0.9の範囲で
変化させて組み合わせて作成した各種のインクリボンカ
セットを用いて印字した結果を示す表である。
【符号の説明】 10 インクリボンカセット 11 ケース 12 インクリボン 13 巻出コア 14 巻取コア 15、17、18、22、24 ガイドローラ 16 巻出停止ローラ 23 巻取駆動ローラ 19 ヘッド挿入凹部 20、21 突起部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 長武 埼玉県深谷市内ケ島500 ダイニック株式 会社埼玉工場内 (72)発明者 堀 芳行 埼玉県深谷市内ケ島500 ダイニック株式 会社埼玉工場内 Fターム(参考) 2C068 AA01 AA06 AA15 EE01 EE87 FF01 FF12 FF19 GK02 GK13 HH04 HH12 HH20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カセット本体内にインクリボンが巻回され
    た一対の巻出コアおよび巻取コアが収納され、カセット
    本体の一方の長手方向端縁に印字ヘッドを挿入するため
    の凹部が設けられ、巻出コアから印字ヘッド挿入凹部を
    通って巻取コアに至るインクリボンのパスラインにおい
    て印字ヘッド挿入凹部と巻取コアとの間にはインクリボ
    ンの走行を補助する巻取駆動ローラが設けられると共
    に、巻出コアと印字ヘッド挿入凹部との間には巻出停止
    ローラが設けられ、巻取駆動ローラとインクリボンの非
    印字面との間の動摩擦係数(μ1)を0.4〜0.8の
    範囲内とし、巻出停止ローラとインクリボンの非印字面
    との間の動摩擦係数(μ2)を0.2〜0.7の範囲内
    とし、且つ、これら動摩擦係数がμ1>μ2の関係を満
    たすことを特徴とするインクリボンカセット。
  2. 【請求項2】動摩擦係数の差(μ1−μ2)が0.1以
    上であることを特徴とする請求項1のインクリボンカセ
    ット。
  3. 【請求項3】巻取駆動ローラの材質が熱可塑性エラスト
    マーであることを特徴とする請求項1または2のインク
    リボンカセット。
  4. 【請求項4】巻出停止ローラの材質がABS(アクリロ
    ニトリルブタジエンスチレン),AS(アクリロニトリ
    ルスチレン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカー
    ボネート)およびPOM(ポリアセタール)よりなる群
    から選ばれるいずれか一であることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかのインクリボンカセット。
  5. 【請求項5】巻出停止ローラに代えて巻出停止ピン、ま
    たはインクリボンの走行を案内する案内面を有する固定
    部材が用いられることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかのインクリボンカセット。
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