JP2000210881A - 火薬力作動型の打ち込み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 火薬を完全燃焼させるため、マガジンの着火
後にピストンを、初期段階では高い加速度で変位させ、
次の段階でより低い加速度までほぼ一定の加速度変化の
下で変位させることにより、燃焼室内での急激な圧力降
下の発生を防止する。 【解決手段】 支持体３は、打ち込み方向と反対側に位
置する端部領域にマガジン受座１０が、また、打ち込み
方向側に位置する端部領域に第１作用面４がそれぞれ設
けられている。第１作用面４から円筒形状を有する突部
１１が突出し、突部１１の打ち込み方向側に位置する端
面が第２作用面５を形成する。駆動ピストン６には、支
持体３の第１作用面４と協働させ得る当接面１３が設け
られている。当接面１３から打ち込み方向に向けて、支
持体３の突部１１を収めるための円筒形状を有する凹部
１２が延在する。第２作用面５は、連通チャネル１４を
介して前記第１作用面４と連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、請求項１の前段に記載した構成
を有する火薬力作動型の打ち込み装置に関するものであ
る。

【０００２】

【背景技術】コンクリート、石材又は鋼材などの硬質基
材に固定素子を打ち込むため、火薬を収めたマガジンに
より作動可能とした打ち込み装置が使用される。この種
の打ち込み装置は、例えばフランス特許第１３５５３７
０号明細書に開示されている。この基地の打ち込み装置
においては、ガイドシリンダ内に、駆動ピストンと、マ
ガジン受座を有する支持体とが配置されている。

【０００３】駆動ピストンはガイドシリンダのピストン
孔内に配置され、打ち込み方向と平行な方向に変位可能
とされている。支持体は、打ち込み方向と反対側に位置
するガイドシリンダの端部領域に配置され、かつ、ガイ
ドシリンダに結合されている。支持体には、打ち込み方
向と反対側に位置する端部領域にマガジン受座が、ま
た、打ち込み方向側に位置する端部領域に第１作用面が
それぞれ設けられている。この第１作用面は、支持体の
打ち込み方向側に位置する端面により形成されるもので
あり、その中央に円筒形状を有する突部が設けられてい
る。この突部は、打ち込み方向側に位置する第２作用面
を有する。さらに、マガジン受座をピストン孔に連通さ
れるための連通孔が、支持体を貫通して設けられてい
る。

【０００４】駆動ピストンの後端領域、すなわち打ち込
み方向とは反対側に位置する端部領域には、後向きに開
放する形状とされ、支持体の突部が突入可能とされた凹
部が設けられている。支持体の突部の外径が凹部の内径
にほぼ一致しているため、マガジンの着火に際して突部
が凹部から離脱するときに、初期の高い加速度が急激に
低下する。この急激な加速度の低下により燃焼室内の圧
力が急激に低下するので、火薬の全量を燃焼させること
が不可能となる。この不完全燃焼により打ち込み装置が
過度に汚染される。

【０００５】

【発明の課題】したがって、本発明の課題は、従来の火
薬力作動型の打ち込み装置を改良し、火薬を完全燃焼さ
せるため、マガジンの着火後にピストンを、初期段階で
は高い加速度で変位させ、次の段階でより低い加速度ま
でほぼ一定の加速度変化の下で変位させることにより、
燃焼室内での急激な圧力降下の発生を防止可能とするこ
とである。

【０００６】

【課題の解決手段】この課題を解決するため、本発明
は、ガイドシリンダのピストン孔内に変位可能に配置さ
れた駆動ピストンと、ガイドシリンダに結合された支持
体とを具え、該支持体は、打ち込み方向と反対側に位置
する端部領域にマガジン受座が、また、打ち込み方向側
に位置する端部領域に第１作用面がそれぞれ設けられ、
該第１作用面から円筒形状を有する突部が突出し、該突
部の打ち込み方向側に位置する端面が第２作用面を形成
し、さらに、駆動ピストンに、支持体における第１作用
面と協働させ得る当接面が設けられ、該当接面から打ち
込み方向に向けて、支持体の前記突部を収めるための円
筒形状を有する凹部が延在する火薬力作動型の打ち込み
装置において、前記第２作用面を、連通チャネルを介し
て前記第１作用面と連通させることを特徴とするもので
ある。

【０００７】本発明に係る火薬力作動型の打ち込み装置
の上記構成によれば、打ち込み方向に向けての駆動ピス
トンの加速前又は加速直後に、マガジンの着火により生
じた燃焼ガスの一部が連通チャンネルを経て支持体にお
ける第１作用面まで導かれる。駆動ピストンが打ち込み
方向に向けて更に変位する際に燃焼ガス、したがって燃
焼ガスにより発生される圧力が第１作用面に及ぼされ
る。これにより、支持体の突部が駆動ピストンの凹部を
開放すると、当該凹部内での圧力降下が徐々に進行す
る。

【０００８】製造技術上の観点から、連通チャネルを、
前記突部の円周方向の少なくとも一部に亙って延在させ
ると共に当該突部の全長に亙って延在させるのが好適で
ある。

【０００９】燃焼ガスにより発生される圧力を第１作用
面に対して均等に、かつ全面的に作用させるため、連通
チャネルの少なくとも一部を、前記突部の外周面と前記
凹部の内周面との間に配置された環状溝により形成する
のが好適である。

【００１０】火薬の良好な完全燃焼特性を担保するた
め、連通チャネルの断面積を、第１作用面の断面積の
０．０４倍〜０．５倍から、第２作用面の断面積を差し
引いた値とするのが好適である。

【００１１】駆動ピストンの変位開始前に、マガジンの
着火による燃焼圧力を支持体の第２作用面及び凹部の底
面まで良好に拡散可能とするため、突部の全長を、凹部
の深さの０．５倍〜０．９倍とするのが好適である。

【００１２】

【実施の形態】以下、本発明を図示の好適な実施形態に
ついて更に詳述する。

【００１３】図１に示すガイドシリンダ１は、全体構造
の図示を省略した火薬力作動型の打ち込み装置の要部で
あり、中心部のシリンダ孔２を具え、そのシリンダ孔内
には駆動ピストン６が軸線方向に変位可能に収められて
いる。ガイドシリンダ１は、打ち込み装置における図示
しないハウジング内で打ち込み方向と平行な方向に変位
可能に配置され、シリンダ孔２を大気に連通させる排気
チャンネル９を有している。

【００１４】打ち込み方向とは反対側に位置するガイド
シリンダ１の端部領域内には、ガイドシリンダ１に結合
された支持体３が突入している。支持体３は、打ち込み
方向とは逆向きに拡大するマガジン受座１０を有する。
打ち込み方向に向けられた第１作用面４からは、中央に
配置され、かつ、直径がＤ１である突部１１と、打ち込
み方向に向けられた第２作用面５とが突出している。第
２作用面５内には、マガジン受座１０をシリンダ孔２に
連通させる連通チャンネルの開口部が配置されている。

【００１５】駆動ピストン６は、ピストンヘッド８と、
打ち込み方向側でピストンヘッド８に結合されたシャフ
ト７とを具える。シャフト７は、ピストンヘッド８より
も小径とされている。また、ピストンヘッド８の外径
は、シリンダ孔６の内径Ｄとほぼ一致している。打ち込
み方向とは反対側に位置する駆動ピストンの端面、すな
わち当接面１３から、ピストンヘッド８内で円筒形状の
凹部１２が延在し、その内径はＤ２である。この凹部１
２内には、上述した突部１１が突入する配置とされてい
る。打ち込み方向と平行な方向に測った突部１１の長さ
Ｌ１は、凹部１２の深さＬ２の約０．５〜０．９倍であ
る。打ち込み方向側で凹部１２にはテーパ形状の底面が
接続し、この底面は打ち込み方向側に尖端を有してい
る。

【００１６】支持体３における突部１１の外周面と、凹
部１２の内周面との間には、連通チャンネル１４として
の環状スペースが配置されている。この連通チャンネル
１４は、支持体３の第２作用面５から第１作用面まで延
在するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例による打ち込み装置の要部
を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ ガイドシリンダ ２ シリンダ孔 ３ 支持体 ４ 第１作用面 ５ 第２作用面 ６ 駆動ピストン ７ シャフト ８ ピストンヘッド ９ 排気チャンネル １０ マガジン受座 １１ 突部 １２ 凹部 １４ 連通チャンネル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジビレ レンナー スイス国 9472 グラープス グロッケン ヴェーク １

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドシリンダ（１）のピストン孔
   （２）内に変位可能に配置された駆動ピストン（６）
   と、ガイドシリンダ（１）に結合された支持体（３）と
   を具え、該支持体（３）は、打ち込み方向と反対側に位
   置する端部領域にマガジン受座（１０）が、また、打ち
   込み方向側に位置する端部領域に第１作用面（４）がそ
   れぞれ設けられ、該第１作用面（４）から円筒形状を有
   する突部（１１）が突出し、該突部（１１）の打ち込み
   方向側に位置する端面が第２作用面（５）を形成し、さ
   らに、駆動ピストン（６）に、支持体（３）における第
   １作用面（４）と協働させ得る当接面（１３）が設けら
   れ、該当接面（１３）から打ち込み方向に向けて、支持
   体（３）の前記突部（１１）を収めるための円筒形状を
   有する凹部（１２）が延在する火薬力作動型の打ち込み
   装置において、前記第２作用面（５）を、連通チャネル
   （１４）を介して前記第１作用面（４）と連通させるこ
   とを特徴とする打ち込み装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の装置において、前記連通
   チャネル（１４）を、前記突部（１１）の円周方向の少
   なくとも一部に亙って延在させると共に、前記突部（１
   １）の全長（Ｌ１）に亙って延在させることを特徴とす
   る打ち込み装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の装置において、
   前記連通チャネル（１４）の少なくとも一部を、前記突
   部（１１）の外周面と、前記凹部（１２）の内周面との
   間に配置された環状溝により形成したことを特徴とする
   打ち込み装置。
4. 【請求項４】 請求項３記載の装置において、前記連通
   チャネル（１４）の断面積を、前記第１作用面（４）の
   断面積の０．０４倍〜０．５倍から、前記第２作用面
   （５）の断面積を差し引いた値とすることを特徴とする
   打ち込み装置。
5. 【請求項５】 請求項１〜４の何れか一項に記載された
   装置において、前記突部の全長（Ｌ１）を、前記凹部
   （１２）の深さ（Ｌ２）の０．５倍〜０．９倍としたこ
   とを特徴とする打ち込み装置。