JP2000210376A - 縫合可能な組織再生誘導型癒着防止膜 - Google Patents
縫合可能な組織再生誘導型癒着防止膜Info
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Abstract
て優れ、さらに、癒着防止性能を合わせもつ縫合可能な
組織再生誘導型癒着防止膜を提供する。 【解決手段】コラーゲン繊維からなる不織布層とコラー
ゲンからなるスポンジ層を有する積層膜状物の表面に、
ゼラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆層を有すること
を特徴とする縫合可能な組織再生誘導型癒着防止膜。
Description
生誘導型癒着防止膜に関するものである。詳しくは生体
内での癒着防止膜として、胸膜、心膜、脳硬膜、漿膜な
どの生体内膜状組織および各種臓器などの欠損部または
切断面への補填、補綴などに利用され、特に縫合が可能
であり、かつ、生体適合性が良好であり、さらに組織再
生の促進を誘導することを特徴とする癒着防止膜に関す
るものである。
および損傷部位の修復等を行うことが多く、特に肺、心
臓、肝臓、脳、消化器官、胆嚢などの各種臓器を対象と
する外科手術の場合には、その切断面や欠損部などに、
該臓器の組織を覆っている膜状物を補填または補綴しな
ければ、その臓器の根本的な機能を損なう場合が多い。
これらの処置を不完全に行うと、臓器の機能不全により
死亡するか、もしくは生命の危機を逃れても、予後が大
変悪くなる傾向が良く見受けられる。また、これらの補
綴、補填部位での膜状物の縫合固定が不良であると、該
処置を行った臓器自身の機能はかろうじて維持できたと
しても、これらの臓器から滲出または漏出した体液、消
化液、内容物などにより、感染したり、他臓器への攻
撃、浸食を引き起こして生命の危機を招くこともある。
は、膜状物の癒着が高頻度に発生するケースがあり、そ
の結果として、経時的に臓器の機能不全を誘発すること
もある。このような各種の問題点を解決する目的で、臓
器または該臓器の組織を覆う膜状物または癒着防止膜
が、様々な材料により開発されている。
を利用した医療用膜を改良した膜として、架橋したコラ
ーゲン繊維からなる不織布層の少なくとも一面が、コラ
ーゲン被膜で覆われてなる医療用コラーゲン膜を提案し
ている(特願平10-264891号)。該膜は、コラーゲン繊
維からなる不織布層をアルデヒド類で耐水処理し、コラ
ーゲンで前記繊維を相互に結合した外科用創傷被覆材
(特開昭50-141190号公報)に比べて、表面層が架橋剤
を使用した層でないことから、生体適合性、組織再生促
進の誘導などに優れる。また、該膜は直接縫合固定が可
能であることから、特に各種臓器への補填、補綴材料と
しての利用が可能であるなど、外科的手技的に適用範囲
が非常に広い特長を併せもつ。また該膜は線維コラーゲ
ンの多孔質層(1)と、コラーゲンおよび/またはゼラ
チンの膜(2)とで構成される2層よりなる内臓用手術
用バッチ(特許2775115号公報)に比べて、特に縫合固
定が可能である膜強度を有するため、該特許に記載され
ている生物接着剤のみによる固定に比べて、より一般的
かつ安価な縫合糸で、より強固な適用部への膜固定が可
能であり、外科的適用範囲が広いという特長を併せも
つ。
良された膜は細胞の接着、増殖、伸展を促進する動物由
来のコラーゲンを原材料として使用していることから、
十分な癒着防止性能を合わせもつことが困難である。し
たがって、本発明の課題は、縫合強度、生体適合性、組
織再生の誘導において優れ、さらに、癒着防止性能を合
わせもつ縫合可能な組織再生誘導型癒着防止膜を提供す
ることにある。
るために、種々鋭意検討を行った結果、本発明者はコラ
ーゲン繊維からなる不織布層とコラーゲンからなるスポ
ンジ層を有する積層構造を形成する膜状物の表面に、ゼ
ラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆層を設けることに
より、十分な縫合強度および生体適合性、組織再生促進
性能、また十分な癒着防止効果を有する癒着防止膜が得
られることを見出し、本発明に到達した。
織布層とコラーゲンからなるスポンジ層を有する積層膜
状物の表面に、ゼラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆
層を有することを特徴とする縫合可能な組織再生誘導型
癒着防止膜である。
も単純かつ効果的である方法は、損傷または欠損等によ
り傷ついた組織と、この組織に物理的に接触が可能であ
る別の組織とを隔壁により接触させないことである。し
かし、これを合成繊維等で行う場合、生体適合性の不足
から、過度の石灰化、異物反応、炎症反応などの様々な
不都合が生じてくる。また、隔壁として用いた材料自身
が、損傷または欠損した組織と、それに対応する別組織
との癒着を媒介してしまってはならない。これらの条件
を満足するものとしては、ヒアルロン酸またはゼラチン
などが挙げられる。両者は共に粘性のある水溶性の液と
して取り扱うことが可能であり、様々な加工方法によ
り、ゲルとして利用することが可能である。
・精製されるものであるから、生体適合性が良好であ
り、既に医薬品をはじめ、様々な医療分野で実用化が成
されている。また、生体内に埋植した場合、分解・吸収
される過程でゼラチンまたはヒアルロン酸分子が徐放さ
れ、親水性を保ったまま粘性を継続して発揮するので、
損傷または欠損した組織の傷ついた部位と接触していて
も、物理的に接着、癒着が起こりにくいという特性を合
わせ持つ。
利用した癒着防止膜、医用材料等を製造する技術として
は、特開平6−73103号公報、特公平7−3012
4号公報、登録特許第2670996号公報、特開平8
−333402号公報、特開昭61−234864号公
報、登録特許第2648308号公報、特開平8−15
7378号公報、特開平9−296005号公報、特開
平7−102002号公報、特表平7−509386号
公報などに記載されたものが挙げられる。しかし、これ
らの技術を含めて、癒着防止効果の他に、同時に組織再
生の誘導、縫合が可能である機械的強度を合わせ持つ技
術は現在のところ見あたらない。
着防止効果を期待して利用する技術としては、特開平9
−103479号公報、特開平8−52204号公報に
記載されたものが挙げられる。しかし、これらの技術は
いずれもヒアルロン酸を利用した場合と同様に、癒着防
止効果、縫合固定が可能な機械的強度、組織再生の誘
導、の三点を同時に満足する医用材料を提供するには至
っていない。
の一部分において、例えば膜の2点以上において、体内
の適用部位、例えば、心膜、脳硬膜、胸膜、腸漿膜など
の欠損部位または肺、肝臓等の切断部位に対して、一般
的な外科用縫合糸を用いて縫合固定することが可能であ
る状態を意味する。また、該膜が縫合固定部位から容易
に逸脱、脱落、移動、変形することが起こらない状態に
一定期間維持可能であることをいう。組織再生誘導と
は、組織が欠損した部位等へ移植された癒着防止膜が、
該組織の再生を誘導する性質を意味する。具体的には、
このような性質は合成高分子等の人工組成物によく見う
けられる体組織の正常な再生過程を阻害する性質を示さ
ず、円滑な自然治癒/再生過程を経過する状態をいう。
生体適合性とは、特に本発明においては、人工物を体内
に埋植した場合におこる生体による免疫的、組織的反応
の程度を示し、炎症反応等を肉眼で観察して判定した。
癒着とは、本来、分離しているべき臓器・組織が接着・
癒合することをいう。この癒着は目視により判定する。
合成物質を一切使用せず、生体由来材料であるコラーゲ
ンと、ゼラチンまたはヒアルロン酸を主原料として、こ
れらを不織布状またはスポンジ状に加工して積層させ
た、主として3〜10層から成る積層構造により構成さ
れる。該癒着防止膜は、十分に縫合可能な膜強度を主と
してコラーゲン不織布層が担当し、生体適合性および組
織再生促進性能を主としてコラーゲンスポンジ層が担
い、さらに周囲組織との癒着防止効果を、ゼラチンまた
はヒアルロン酸により形成される被覆層が発揮すると考
えられる。
であるコラーゲンおよびゼラチンまたはヒアルロン酸に
より構成されるため、生体適合性が非常に優秀であるだ
けでは無く、移植された生体内では除々に分解・吸収さ
れ、最終的には全て分解・吸収されることとなる。この
分解・吸収の過程において、主にコラーゲンスポンジ層
は、コラーゲンの特長である止血作用、細胞の接着・増
殖・伸展といった性質を発揮して、移植された欠損部位
等の組織再生をも促す。
欠損部位等の組織再生が完了するまでの間、補填、補
綴、シールする足場として存在し、縫合固定後の一定期
間その膜強度を維持した後、コラーゲンスポンジ層と同
様に全て分解、吸収される。無論、この不織布層もコラ
ーゲンにより構成されているために、強度保持としての
役目だけではなく、前述のコラーゲンスポンジ層と同様
の特性も少なからず併せ持つ。また、最外層のゼラチン
またはヒアルロン酸層は、その粘性と徐放作用により、
損傷または欠損部位の組織と周囲組織との癒着を防止す
る。
たは欠損部位の組織が、自然状態で周囲組織との癒着が
起こらない程度まで、再生・治癒するまでの期間持続す
る。本発明により得られる癒着防止膜は、特に縫合が可
能であるため、生体中の欠損または損傷部位に直接固定
が可能であり、これにより、従来の癒着防止膜に見られ
た体内における目的部位よりの移動、脱落、逸脱が無
く、被癒着部位と欠損、損傷部位等を確実に隔離し、良
好な癒着防止効果を発揮することが可能となる。
しては、酵素可溶化コラーゲン、酸可溶化コラーゲン、
アルカリ可溶化コラーゲンまたは中性可溶化コラーゲン
などの可溶化コラーゲンが挙げられる。これら可溶化さ
れたコラーゲンとは、特に蛋白質分解酵素(例:ペプシ
ン、トリプシンなど)による可溶化処理、もしくはアル
カリにより可溶化処理されたものであって、可溶化と同
時にコラーゲンの抗原決定基であるテロペプタイドの除
去処理を行って得られる。通常、アテロコラーゲンと呼
ばれる医療用途に適するものが特に好適である。これら
の可溶化されたコラーゲンについては、以下の動物種な
どから、公知の技術(特公昭46-15033号公報、特公昭43
-259839号公報、特公昭43-27513号公報など)などに従
い、容易に得られる。
来については、特に限定はされないが、一般的には牛、
豚、鳥類、魚類、兎、羊、ネズミ、ヒトなどが挙げられ
る。また、コラーゲンはこれらの皮膚、腱、骨、軟骨、
臓器などから公知の各種抽出方法を用いることにより得
られるものである。また、コラーゲンのタイプについて
は、I型、III型などの分類可能なタイプの内のいずれ
かに特に限定されるものではないが、取り扱い上の観点
からI型コラーゲンが特に好適である。また、コラーゲ
ンを可溶化させる溶媒については、取り扱い上、水が好
適である。ゼラチンは通常の日本薬局方準拠のゼラチン
を使用し、ヒアルロン酸は動物由来、微生物由来のどち
らでも良いが、医療用グレードの物が特に好適である。
を得るためには、上記コラーゲン溶液を凝固浴中に紡糸
し、凝固浴の底面で多重多層に交差させて、繊維直径が
5〜1000μmである繊維の集合体を得る。すなわ
ち、上記可溶化コラーゲン溶液を連続的に湿式紡糸し、
この長いままの糸を適当な容器に移し、一定方向のみに
配列しないように交差状態に配列して配置する。次に減
圧乾燥、自然乾燥、低温乾燥、送風下乾燥などの方法で
乾燥して綿状とした不織布(繊維状物)を得る。いずれ
の乾燥方法においてもコラーゲンの変性を防ぐため、使
用するコラーゲンの変性温度以下で乾燥を行うことが重
要であり、その温度は使用するコラーゲンの種類にもよ
るが、おおよそ35℃〜45℃の温度域以下が望まし
い。特に低温乾燥または減圧乾燥が好ましい。
常の連続紡糸を行った後に得られた糸を切断処理するこ
とにより、連続、非連続紡糸のいずれの場合においても
短いステープル状の繊維状物が得られる。これらを適当
な大きさの容器に均一に分散させた状態で、同様に減圧
乾燥、自然乾燥などの方法により乾燥させ不織布(繊維
状物)を得ることも可能である。
度は、使用するコラーゲンの種類により任意であり、紡
糸可能であれば、どのような濃度でも構わないが、通常
は0.1〜20wt%であり、このうち、湿式紡糸では
1〜10wt%程度の濃度が特に好適である。また、紡
糸時の可溶化コラーゲンの吐出速度、得られた糸の巻き
取り速度は、紡糸可能である範囲であれば任意である。
用いる装置は、汎用のギアポンプ、ディスペンサー、各
種押し出し装置等何を用いても良いが、均一な紡糸を行
う為には脈動が少なく安定してコラーゲン溶液を定量吐
出できる装置が良い。
紡糸さえ可能であれば、特に限定はされないが、あまり
に大きな孔径では後工程で繊維状物から膜状物にする場
合にはこれが困難となり、また極度に細径であると膜強
度の向上が難しいため、通常、5〜1000μm、好ま
しくは、50〜700μmの範囲であることが好まし
い。なお、口金の孔数は単数でも複数でも良い。また、
口金の形状も特に限定はされず、紡糸可能であれば、例
えばスリット状、各種形状などの物を用いても良い。さ
らに口金の孔長に関しては、これも紡糸可能であれば特
に限定はされないが、可溶化コラーゲン分子中のコラー
ゲン分子を、少しでも多く配向させる目的において、可
能な限り長い方が好ましい。
ラーゲンを凝固させることが可能であれば、特に限定は
されないが、無機塩類水溶液、無機塩類溶解有機溶媒、
アルコール類、ケトン類またはそれらの内から選ばれる
組み合わせを採用することができる。これらの凝固浴と
しては、例えば無機塩類水溶液としては、硫酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウムなどが挙げられるが、特に塩化ナ
トリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムが紡糸に
は好ましい。また、これらの無機塩類をアルコール、ア
セトンに溶解/分散させた無機塩類溶解有機溶媒等も利
用可能であり、特に塩化ナトリウムのエタノール溶解/
分散溶液は好適である。またアルコール類としては、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、アミルアル
コールなどが挙げられるが、医療用途としてはエタノー
ルが特に好適である。さらにケトン類としてはアセト
ン、メチルエチルケトンなどがある。
後述する各種架橋剤との組み合わせにより、コラーゲン
の凝固と架橋処理を兼ね備えた加工方法も有効である。
たとえば、エタノールとグルタルアルデヒドを混和した
溶液を、凝固処理と架橋処理を兼ね備えた凝固浴として
使用した場合、両者の工程を一度に行うことができ、紡
糸されたコラーゲン糸はそのまま浸漬することにより架
橋処理も可能である。これらの同時処理は、工程の合理
化だけではなく、希薄なコラーゲン溶液による紡糸や細
径の糸を紡糸する際に非常に有効である。
好適な具体例を以下に記す。コラーゲン吐出用口金の孔
径がφ200μm程度で、孔長15〜20mm程度のも
のを使用し、脈動なく可溶化コラーゲン溶液をディスペ
ンサー等で吐出させ、99.5vol%エタノール凝固浴
中へ湿式紡糸することが望ましい。99.5vol%エタ
ノール凝固浴中に可溶化コラーゲンを押し出す際には、
吐出口金を随時移動せしめ、紡糸された糸が任意の方向
より交差し得る状態で連続的に押し出し、糸を多重多層
状態にした後に凝固液を除去して、再度、エタノールで
洗浄し、減圧乾燥することにより、非常に良好な綿状の
繊維状物を簡便に得ることができる。この方法は、紡糸
と不織布化が同時に行えると言う点において、工程の簡
素化、短縮化、経済性の面で特に有効である。
状物が得られさえすれば、これに限定されるものではな
く、例えば前述のステープル状短繊維を利用しても良い
し、凝固浴の種類、凝固浴と架橋剤の混合浴の利用、ま
た乾燥方法等を変更し、さらにそれらの組み合わせを変
更しても一切支障はない。
強度を獲得するために、さらに架橋処理を施すことが望
ましい。これは架橋処理により、特に湿潤時における物
理的な強度が向上し、縫合に必要な強度が十分に確保で
きるからである。また、生体内に移植された際に分解・
吸収される時間を、未架橋の場合に比較して飛躍的に遅
延させるためでもある。この架橋処理により、生体の欠
損部を補填または補綴し、欠損による臓器・組織等の機
能不全を防止し、しかも創傷面の修復および組織の再生
を完了するまでの期間、体内で必要な膜強度を維持した
まま残存することが可能となる。
法と化学的架橋方法が存在する。物理的架橋架橋方法の
例としてはγ線、紫外線、電子線、プラズマ、熱脱水架
橋などが挙げられ、一方、化学的架橋方法の代表例とし
ては、ジアルデヒド、ポリアルデヒドなどのアルデヒド
類、エポキシ類、カルボジイミド類、イソシアネート
類、タンニン処理、クロム処理などが挙げられる。この
うち、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、グル
タルアルデヒド、酸アルデヒド、グリオキザール、マロ
ンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、フタルアルデ
ヒド、ジアルデヒド澱粉、ポリアクロレイン、ポリメタ
クロレインなどがあるが、コラーゲンとの架橋反応が可
能なアルデヒド類であれば、どのようなものでも構わな
い。また、エポキシ類としては、グリセロールジグリシ
ジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポ
リグリシジルエーテルなどがあり、このほかコラーゲン
と架橋反応が可能なエポキシ化合物であれば、使用可能
である。さらに、カルボジイミド類の一例としては、特
に水溶性カルボジイミドが好適であるが、同様の反応機
構が可能であれば、何でも良い。また、イソシアネート
類の代表例としては、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネートなどが挙げられるが、特
に架橋反応に関与するイソシアネート基を2つ以上保有
しているものであれば、コラーゲンを架橋可能であり、
特にこれらのみに限定はされない。
ーゲン不織布(繊維状物)は、より高い縫合強度を得る
ために、さらにこれを圧縮することもできる。圧縮する
ことにより、不織布層の繊維密度が上がり、より強度の
高い好ましい膜状物を得ることが可能になる。圧縮は汎
用のプレス機で行うことが可能であるが、医療用途を目
的とすることから、十分に丈夫な滅菌済みの包装材、例
えばアルミパック、高強度樹脂包装材等により無菌的に
包装された状態で圧縮されることが望ましい。この際、
不織布層を圧縮する圧力に関しては、不織布層本体を破
壊しない範囲において特に制限はされないが、通常、1
0kgf/cm2〜1000kgf/cm2であること
が望ましい。不織布層は強度向上の目的で嵩密度(繊維
密度)を上げるためにも、また最終形態である積層構造
をもつ癒着防止膜にした場合における医療行為上の取り
扱いの観点からも、可能な限り十分に圧縮され、薄層化
されることが望ましい。このように薄層化された不織布
層は、これを積層し、多層構造とすることによって、さ
らに縫合強度を高めた癒着防止膜を得ることが可能とな
る。圧縮された嵩密度(繊維密度)は、0.1〜5g/
cm3であることが好ましい。
縮された不織布層の物理的強度を、さらに向上する目的
で、バインダー処理を施すことが可能である。バインダ
ーとしては可溶性コラーゲン溶液が好ましい。これは不
織布層または圧縮された不織布層に、可溶化コラーゲン
の溶液を含浸させた後、自然乾燥、送風下乾燥、減圧乾
燥、低温下乾燥などの適当な乾燥方法で乾燥を行い、不
織布層の繊維同士を結合させ、膜状にする手法である。
この操作により得られた膜状物は、不織布層単体の時よ
りもはるかに物理的強度が向上し、従って、縫合強度も
格段に向上する。なお、要求される物理的強度の程度に
より、この含浸・乾燥の工程を1回〜数10回以上繰り
返しても差し支えない。
織布層または圧縮された不織布層に架橋処理が施されて
いない場合、可溶化コラーゲンの溶液に含浸した時点で
不織布層自身が溶解してしまうことがある。したがっ
て、前述の方法等で、前もって架橋処理を施しておくこ
とが望ましい。なお、含浸処理の他には、収容した適当
な容器または型中に不織布層とともに可溶化コラーゲン
を流延または充填する方法や直接、不織布層に可溶化コ
ラーゲン溶液を塗布する方法もある。
ジ層とは、微細な多孔を有するコラーゲン層であり、そ
の孔径はコラーゲンの種類、製法などにより種々異な
る。スポンジ層に占める空孔の割合(空孔率)は、通
常、10〜90%である。
織布層とコラーゲンからなるスポンジ層からなる積層構
造を有する。特にコラーゲン不織布層は厚さが50μm
〜10mmであり、コラーゲンスポンジ層は、厚さが5
0μm〜20mmであり、本発明の膜状物はコラーゲン
不織布層1〜6層およびコラーゲンスポンジ層1〜4層
である。該膜状物の表面はゼラチンまたはヒアルロン酸
層であることが好ましい。ゼラチン又はヒアルロン酸層
は1〜4層であり、厚さが50μm〜20mmであるフ
ィルムまたはスポンジ状であることが好ましい。
でも十分に縫合可能な膜強度を有するが、バインダー処
理を施す事により更に膜強度を向上する事が可能であ
る。バインダー処理方法としては、あらかじめスポンジ
状に乾燥しておいたコラーゲン層で不織布層を挟んで膜
状物を得るか、もしくはスポンジ層と不織布層を同時に
圧縮し。不織布層をスポンジ層に埋入せしめて得た膜状
物を、希薄なコラーゲン溶液または水の存在下で状圧も
しくは減圧下に置くことにより、可溶化コラーゲンのス
ポンジ層を溶解させ、不織布層と十分になじませてから
各種乾燥方法により得る。このスポンジ層を利用するバ
インダー処理方法は、不織布層の繊維同士を結合させる
ために、実際に使用されるコラーゲン量に対して、水分
などの溶媒成分が非常に少量で済むために、後工程で乾
燥を行う際に短時間で済む。さらに、乾燥時における拘
縮、変形などが非常に少ないという大きなメリットがあ
る。通常の含浸工程であれば、含浸用可溶化コラーゲン
溶液中の実質コラーゲン量は、実用的溶液粘度から、数
%程度が限度であり、残り90%以上は水分等の溶媒成
分となるため、含浸・乾燥の操作に時間がかかるだけで
なく、この操作自体を反復する必要があるために、簡便
な方法であるが、合理性に欠ける。無論、これらは代表
例であり、不織布層または圧縮された不織布層の繊維同
士を可溶化コラーゲンを用いて結合させ、膜状物とする
方法であれば、どのような方法でもよく、上記代表例に
は特に限定されない。
ーゲン不織布層に、さらにコラーゲンのスポンジ層を有
し、さらに該積層膜状物の表面上に、ゼラチン層または
ヒアルロン酸層を形成することが必要である。該形成法
は定法に従い、凍結乾燥などの方法により容易に形成可
能である。具体的な製法の一例としては、バインダー処
理を施した不織布層を、コラーゲンの溶液を充填した容
器中に漬け、コラーゲン溶液層の中間位置に留まるよう
に調整した後に凍結し、凍結乾燥させてコラーゲンスポ
ンジ層を得る。さらにこれを圧縮して膜状物を得る。つ
ぎにこの膜状物をヒアルロン酸の溶液を充填した容器中
に浸漬し、コラーゲンスポンジ層の形成と同様に凍結、
凍結乾燥、圧縮の操作を行い、ヒアルロン酸スポンジ層
を有する癒着防止膜を得る。最後にこの癒着防止膜に熱
脱水架橋を施す方法がある。
アルロン酸のスポンジ層を形成する工程は、その順序・
方法等については特に限定されない。一例として、これ
ら各種スポンジ層を独自に作製して、その後にコラーゲ
ン不織布層に可溶化コラーゲンなどを接着剤として用い
て接着する方法がある。
ーゲンの溶液に浸漬させた後に一度凍結し、再度、同様
にゼラチンもしくはヒアルロン酸溶液に浸漬させ、これ
らを凍結して一体化した後に凍結乾燥することにより、
同時にコラーゲン層とゼラチンまたはヒアルロン酸の積
層スポンジを得る方法などがある。しかし、これらはス
ポンジ層と不織布層が生体内移植時に簡単に剥離・分離
すること無く一体化されることが目的であり、これが達
成されるのであれば、どのような方法でも構わない。
ーゲン溶液、ゼラチン溶液、ヒアルロン酸溶液などを、
容器に流延または所望の厚さとなるまで充填し、汎用の
フリーザー等で十分に凍結した後、凍結乾燥機で乾燥す
ることにより均一な各種スポンジ層が得られる。この
時、各種スポンジに形成される微細な多孔の孔径は、可
溶化コラーゲン溶液、ゼラチン溶液、ヒアルロン酸溶液
の濃度とその溶媒、凍結時の温度と凍結時間などにより
変化する。
ンジ層に使用される総原料量は、生体内に移植された場
合の分解・吸収時間、組織再生の誘導への影響を考慮し
て、任意にコントロールすることが可能である。これら
の状況を考慮して、一般的には可溶化コラーゲン溶液の
濃度は0.5〜5wt%の範囲であり、好ましくは1〜
3wt%である。またゼラチン溶液の濃度範囲は0.5
〜60wt%であり、好ましくは5〜40wt%であ
る。さらにヒアルロン酸溶液の濃度範囲は0.1〜50
wt%であることが望ましい。
好ましくは汎用のフリーザーまたはディープフリーザー
で設定可能である−80℃〜−10℃が好ましい。ま
た、凍結乾燥機は安定して乾燥が可能であれば特に限定
はされない。さらに可溶化コラーゲン溶液、ゼラチン溶
液、ヒアルロン酸溶液の容器への充填量は、仕上がりス
ポンジの厚さがおおむね1mm〜20mm程度になるよ
うに充填すれば良い。これらの値は、使用する目的に応
じて随時変更が可能であり、これらの例示には限定され
ない。また、コラーゲンスポンジ層、ゼラチンスポンジ
層、ヒアルロン酸スポンジ層における各種原料の総量お
よび各種スポンジ層の厚さについては、対象となる部位
の癒着防止効果、損傷・切断部位の修復、組織再生の誘
導などにおける支障を来さないように、おおむね1〜4
週間程度各スポンジ層が体内で残存している程度が望ま
しい。
酸またはゼラチンの層は、スポンジの形状のみには限定
されず、例えば通常の流延方式などにより得られるフィ
ルム状などに加工されていても良い。また、癒着防止効
果を付与する為にゼラチンまたはヒアルロン酸層を形成
する場合には、目的に応じて膜の片面、または両面、あ
るいは一部分または全面被覆など様々な形態が選択可能
であり、ゼラチンまたはヒアルロン酸層の形成方法・ま
たその部位については特に限定されるものでは無く、任
意の組み合わせが可能である。
される対象としては、本発明の癒着防止膜が、全てコラ
ーゲンとゼラチンもしくはヒアルロン酸により構成され
ているから、膜を構成するスポンジ層、不織布層、ゼラ
チン層またはヒアルロン酸層、およびこれらが一体化さ
れ積層化された癒着防止膜の一部、または全部が対象と
なる。また、架橋の順序、架橋方法の組み合わせは任意
であり、特に限定されない。しかし、最も好ましくは、
コラーゲン不織布層においてグルタルアルデヒドなどの
アルデヒト類を用いた架橋を施し、しかる後にコラーゲ
ンスポンジ層とゼラチン層またはヒアルロン酸層を形成
し、これと一体化させ、最後に熱脱水架橋を施すことで
ある。これらの方法においては、コラーゲンの紡糸・不
織布化の工程において、エタノール等の凝固剤と、グル
タルアルデヒドに代表される架橋剤類を混合し、紡糸と
架橋の工程を一度に行う方法なども含まれる。
着防止膜は、縫合強度、生体適合性、組織再生の誘導の
効果の点において最適の癒着防止膜である。なお、コラ
ーゲン不織布層において、バインダー処理を行う場合に
は、これにより形成されるコラーゲン層をも熱脱水架橋
することが望ましい。しかし、これはあくまで一例であ
って、例えば全ての層を熱脱水架橋により処理しても何
ら問題は無く、また、滅菌と架橋を兼ねて、例えばγ線
を照射しても良い。すなわち本癒着防止膜の製造工程に
おける架橋処理方法の組み合わせ、および順序等につい
ては、前述の架橋の目的を達成可能な程度に良好に架橋
が行われるのであれば特に制限は無い。
ンジ層を有する癒着防止膜を、さらに圧縮することが可
能である。各種スポンジ層単独または不織布層単独を圧
縮した後に、圧縮されていない不織布層または各種スポ
ンジ層と一体化しても良い。特に好ましくは、製膜の最
終工程において不織布層と各種スポンジ層が一体化され
ているものを同時に圧縮することである。これは圧縮す
ることにより膜厚が減少し、薄膜化されたことによっ
て、手術現場等において実際に癒着防止膜を使用する際
に、縫合における縫合針の貫通性、任意の形状への切断
等の取り扱いが特に向上し、移植手術等がより円滑に行
える。圧縮の方法は不織布層を圧縮する際と全く同様
に、汎用のプレス機で行うことが可能であるが、医療用
途を目的とすることから、十分に丈夫な滅菌済みの包装
材、例えばアルミパック、高強度樹脂包装材等により無
菌的に包装された状態で圧縮される事が望ましい。ま
た、癒着防止膜を圧縮する圧力に関しては、膜本体を破
壊しない範囲において特に制限はされないが、通常10
〜1000kgf/cm2であることが望ましい。
る。実施例1 まず、エルレンマイヤーフラスコ中でニワトリ由来アテ
ロコラーゲンをマグネチックスターラーで緩やかに撹拌
しながら、注射用蒸留水を加えて、コラーゲン濃度が3
wt%または5wt%である2種のコラーゲン溶液を、
クリーンベンチ内で無菌的に調製した。次に、5wt%
コラーゲン溶液40mlをディスペンサー(サンエイテ
ック社製:EFD900型)を用いて、27ゲージサイ
ズ(孔径200μm)のニードル先端より、4.0ba
rの定圧条件下で、99.5vol%エタノール液(和
光純薬社製、特級)である凝固浴中に連続押出し紡糸を
行った。なお、連続押出し紡糸中において、ニードル先
端をエタノール凝固浴上でランダムに移動させながら、
沈降・凝固したコラーゲン糸が凝固浴の底面で多重多層
に交差するように紡糸させて、不織布(繊維状コラーゲ
ンの集合体)を得た。次に、この不織布(集合体)を1
時間放置して十分に凝固させた後、同じエタノール溶液
中で2回凝固液を交換して洗浄した。繊維の直径は60
μm、不織布の嵩密度は0.9g/cm3である。
を、そのまま、バキュームドライオーブン(EYELA
社製:VOS-300VD型)中で油回転真空ポンプ(ULVA
C社製:GCD135−XA型)にて室温〜減圧下(1Torr未
満)で4時間乾燥させ、不織布(繊維状コラーゲン不織
布)を得た。次に、この不織布を滅菌済みアルミ包材に
入れ、ハイプレッシャージャッキ(井内盛栄堂社製:1
5tプレス機)にて100kgf/cm2の圧力で圧縮
し、約8cm×5cmの圧縮不織布(繊維の直径は60
μm、不織布の嵩密度は0.9g/cm3)を得た。
デヒド溶液(和光純薬製、1級グルタルアルデヒド25
%溶液を注射用蒸留水で希釈)に4時間浸漬させ、架橋
処理を行った。反応終了後に注射用蒸留水で十分に洗浄
した後、注射用蒸留水浴中に1時間浸漬させ、浸漬中に
水を3回交換して、余剰のグルタルアルデヒドを除去し
た。架橋処理が完了した不織布を乾燥し、滅菌済みアル
ミ包材に入れ、ハイプレッシャージャッキ(井内盛栄堂
社製:15tプレス機)にて100kgf/cm2の圧
力で圧縮し、約8cm×5cmの圧縮不織布(繊維の直
径は60μm、不織布の嵩密度は0.9g/cm3)を得
た。
下記方法により作製した。まず、3wt%可溶化コラー
ゲン溶液をスチロール角型容器に入れ、厚さ約17mm
まで充填した後、フリーザー(SANYO社製:MEDICA
LFREEZER)にて、−20℃下で12時間程凍結処理し
た。次に、上記凍結した可溶化コラーゲンを上記容器に
入れたまま、凍結乾燥機(EYELA社製:FDU-830
型)中に移し、油回転真空ポンプ(ULVAC社製:GC
D200−XA型)にて減圧下(0.05Torr未満)で約24時
間凍結乾燥して、コラーゲンスポンジを得た。なお、凍
結乾燥終了時の膜厚は約15mm、空孔率は約70%で
あった。
途作製した上記コラーゲンスポンジ2枚と共に、再び1
00kgf/cm2の圧力で圧縮し、不織布層がスポン
ジ層に埋没した3層構造を有する約8cm×5cmの大
きさのコラーゲン膜状物を得た。(スポンジ層/不織布
層/スポンジ層) 表面層はコラーゲンスポンジ層であ
る。
ゲン水溶液約15ml中に浸漬した状態で、バキューム
ドライオーブン(EYELA社製:VOS-300VD型)中に
て減圧し、膜状物中の空気を脱気して可溶化コラーゲン
溶液を上記膜状物のスポンジ層に強制的に含浸させた。
得られたスポンジ層が溶解した膜状物を低温下(4℃)
で24時間乾燥した。乾燥膜状物をスチロール角形容器
に移し、該乾燥膜状物の上から、3wt%可溶化コラー
ゲン溶液を厚さ15mmに注ぎ込み、膜状物がほぼ中間
層に来るように滅菌ピンセット等で位置調整を行った
後、フリーザー(SANYO社製:MEDICALFREEZER)中
にて−20℃下で12時間程凍結処理した。さらに凍結
乾燥を行い、コラーゲンスポンジ層/不織布層/コラー
ゲンスポンジ層なる3層積層構造の凍結乾燥状態の膜を
得た。
200kgf/cm2で圧縮し、次に30wt%ゼラチン溶液
に浸漬し、同様に、−20℃下で12時間程凍結処理を
行った。ゼラチン層/コラーゲンスポンジ層/コラーゲ
ン不織布層/コラーゲンスポンジ層/ゼラチン層の5層
積層構造の凍結乾燥状態膜を得た。
ジ層が一体化したコラーゲン膜状物を、再度同様に、4
00kgf/cm2の圧力で圧縮し、厚さ約1.6m
m、大きさ約8cm×5cmの5層構造のコラーゲン膜
状物(ゼラチン層/コラーゲンスポンジ層/コラーゲン
不織布層/コラーゲンスポンジ層/ゼラチン層)を得
た。
イオーブンと油回転真空ポンプ(ULVAC社製:GCD1
35−XA型)にて135℃、減圧下(1Torr未満)で1
2時間、熱脱水架橋処理を行った。このようにして、コ
ラーゲン不織布層の繊維のみがグルタルアルデヒド架橋
処理と熱脱水架橋された癒着防止膜を得た。得られた癒
着防止膜の縫合強度、生体適合性、組織再生の誘導
性、、癒着防止性を下記実施例3〜5に示す。
型)を用いて、20ゲージサイズ(孔径600μm)の
ニードル先端より2.0barの定圧条件下で紡糸する
こと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。次い
で、得られた不織布に実施例1と同様にして、グルタル
アルデヒド処理を4時間行い、再び圧縮した。得られた
圧縮不織布2枚を重ねて積層構造とした。次に、2枚の
圧縮不織布層をスチロール角形容器に入れ、さらに3w
t%コラーゲン溶液を厚さ15mm充填した後、フリー
ザー(サンヨー社製:MEDICALFREEZER)にて、−20℃
下で12時間凍結し、次いで凍結乾燥を約24時間行っ
た。得られた不織布を含有するスポンジ状コラーゲン膜
を、再度、3wt%のコラーゲン溶液約20mlに含浸
させ、コラーゲンスポンジ層を完全にゲル状にした後、
クリーンベンチ内で約12時間送風下にて乾燥させた。
不織布層にコラーゲン溶液によるバインダー処理を行っ
たプレート状コラーゲン膜が得られた。次にこのプレー
ト状コラーゲン膜をグルタールアルデヒドの5%溶液
(和光純薬製、1級グルタルアルデヒド25%溶液を注
射用蒸留水で希釈)に4時間浸漬させ、架橋処理を行っ
た。反応終了後に注射用蒸留水で、プレート状コラーゲ
ン膜を十分に洗浄した後、注射用蒸留水浴中に2時間浸
漬させ、浸漬中に水を5回交換して、余剰のグルタルア
ルデヒドを除去した。洗浄が完了した膜状物を、4℃下
で24時間乾燥させた後、膜状物をスチロール角型容器
に移し、その上から3wt%可溶化コラーゲン溶液を厚
さ15mmに注ぎ込み、膜状物がほぼ中間層に来るよう
に滅菌ピンセット等で位置調整を行った後、フリーザー
にて、−20℃下で12時間程凍結処理した。凍結した
コラーゲン膜をスチロール角型容器のまま、凍結乾燥を
約24時間行った。
化したコラーゲン膜状物を、再度、400kgf/cm
2の圧力で圧縮し、厚さ約1.7mm、大きさ約8cm
×5cmの4層構造のコラーゲン膜状物を得た。この膜
状物をスチロール角型容器に移し、3wt%ヒアルロン
酸溶液を約10mmの厚さに充填して、凍結・凍結乾燥
して、ヒアルロン酸によるスポンジ層を有する膜状物を
得た。このようにして、コラーゲンスポンジ層の外側全
面にヒアルロン酸によるスポンジ層を形成した。このよ
うにして得られた積層膜を、再度400kgf/cm 2
の圧力で圧縮し、厚さ約1.9mm、大きさ約8cm×
5cmの6層構造の癒着防止膜を得た。次に、この得ら
れた膜を、バキュームドライオーブンと油回転真空ポン
プ(ULVAC社製:GCD135−XA型)にて、135
℃、減圧下(1Torr未満)で12時間熱脱水架橋処理を
行った。このようにして、不織布層とバインダー層がグ
ルタルアルデヒドにより架橋処理され、コラーゲンスポ
ンジ層とヒアルロン酸スポンジ層が熱脱水架橋された癒
着防止膜を得た。得られた癒着防止膜の縫合強度を下記
実施例3に示す。
縫合強度を測定した。コントロールサンプルとしては、
ゴアテックス心膜(ゴアテックス社製:ゴアテックス
EPTFEパッチII(心膜用シート))、ブタ摘出心
膜、ブタ摘出脳硬膜を使用した。なお、ブタ摘出心膜お
よび摘出脳硬膜は、約20kgのブタを麻酔下で摘出手
術により、各膜を取り出した後、生理食塩水に浸漬さ
せ、新鮮な状態で直ちに測定した。測定方法は以下の通
りに行った。まず、各サンプル膜およびコントロール膜
を全て1cm×2.5cmのプレート状切片として切り
出し、長辺方向の片端より5mmの距離で、膜の中央部
に、縫合糸(4−0プロリーン糸、ETHICON,IN
C製)を通して輪状に結節した。次に、縫合糸を結節し
た切片を37℃の生理食塩水中に30分間浸漬させた
後、速やかに取り出して、引張り強度測定計(島津社製
オートグラフS−500D)により、引張り強度を測定
した。測定条件は、縫合糸を通した側と反対側の端を、
各末端より約10mmの距離までチャックして固定し、
一端にある輪状の縫合糸を測定フックに掛けて、10m
m/分の一定速度で引っ張り測定した。この時、切片が
4−0プロリーン糸により切断、または該プロリーン糸
が切片より離れる時点までの強度変化を測定した。記録
された強度の内で、その最高値を本発明の癒着防止膜の
縫合強度(N:ニュートン)とした。その結果を表1に
示す。
止膜は、縫合強度において、ゴアテックス心膜(ゴアテ
ックス社製:ゴアテックス EPTFEパッチII(心膜
用シート))と同等であり、ブタ摘出心膜より顕著に優
れ、またブタ摘出脳硬膜よりも優れる。
背部筋肉内に埋植して、その組織反応を肉眼と光学顕微
鏡により観察し、生体適合性を評価した。埋植サンプル
は、実施例1により得られた癒着防止膜を1.5mm×
10mmの大きさに切断して使用した。また、コントロ
ールとしては、高密度ポリエチレンプレートをサンプル
と同じ大きさに切断して使用した。なお、コントロール
はEOG滅菌を行って使用した。サンプル膜は25kG
yのγ線を照射して滅菌した後に埋植試験に使用した。
埋植は、まず、ウサギ(体重約2.5kg〜3.0k
g)に通常の吸入麻酔を行い、次に無菌的にラット背部
脊髄を挟んで左にコントロール、右にサンプルを埋植し
た。埋植方法は、滅菌した15ゲージの注射針を用いて
皮膚表面に対して斜めに約30度の角度より刺入して、
注射針内に充填しておいたサンプル膜およびコントロー
ルを押し出して、ウサギ筋肉内に埋植した。この後、埋
植1週間後に4羽、さらに4週間後に4羽を観察対象と
して使用した。各観察時間において、ウサギ4羽のうち
の2羽については、麻酔下でサンプル埋植部位を切開
し、埋植部分とその周囲組織の観察を炎症反応等を中心
に目視による観察を行った。また、残り2羽について
は、過剰の麻酔により犠牲死させ、埋植物を含む周囲組
織を摘出した後、通常のホルマリン固定を行い、切片を
作製して顕微鏡による観察を行った。
において、また全てのウサギにおいて、サンプル膜はコ
ントロールに対して顕著な炎症反応等を示さず、本発明
により得られる癒着防止膜の生体適合性が良好であるこ
とが分かった。なお、埋植後4週間経過した場合におい
ては、サンプル膜が分解・吸収されていることが見受け
られた。
群に分け、一方の群をコントロールとし、他方の群をサ
ンプル群とした。コントロール群、サンプル群のいずれ
の場合も、ラットに筋肉注射により麻酔をかけた後、吸
入麻酔により麻酔状態を持続させた。コントロール群で
は、麻酔下で腹部を切開し、盲腸を露出させた後に、約
5mm四方程度の漿膜を剥離した。また、剥離した盲腸
漿膜とこれに対応する腹壁側を同様に剥離して、盲腸損
傷面と腹壁損傷面とが接合面となる癒着モデルを作製し
た。コントロール群では、この後特に何も処置をせずに
閉腹した。一方、サンプル群では、コントロール群と同
様に癒着モデルを作製した後に、盲腸損傷面に対して、
実施例1で作製した癒着防止膜を被覆して固定した。固
定した癒着防止膜の大きさは、約10mm×10mm程
度の大きさであり、四隅を縫合糸(5−0バイクリル糸)
にて腸管に軽く掛けて縫合固定した。サンプル群および
コントロール群ともに4週間後にラットを再手術し、開
腹して癒着の状態ををれぞれ目視で観察した。目視によ
る癒着の程度は下記表2の基準を基に判別し、点数化を
行って、サンプル群、コントロール群を比較評価した。
癒着も認めたと判断する場合は等級3以上を採用した。
コントロール群を比較検討した結果、サンプル群では癒
着を認めた例が無かったのに対して、コントロール群で
は全例等級3以上の癒着を認めた。また、サンプル群で
はほぼ全例において、癒着防止膜は固定した部位に残存
しており、他所へ移動すること無く、損傷面同士を隔離
する役目を果たしていた。さらに、残存した癒着防止膜
を慎重に剥離し、盲腸の損傷面を目視観察すると、損傷
面が再生し始めている様子が伺えた。なお、癒着防止効
果に関する詳細な評価結果は下記の表3の通りとなり、
本発明の癒着防止膜の癒着防止効果と組織再生効果にお
いて有効であることが示された。
止膜はその表面にゼラチンまたはヒアルロン酸の被膜層
を有することにより、癒着防止効果および組織再生効果
において優れる。
適合性、組織再生の誘導において優れ、さらに、癒着防
止性能を合わせもつ。したがって、手術後などにおける
生体内の損傷部位もしくは出血部位、またはそれらと正
常部位との癒着を防止することができる人工生体膜とし
て有用である。
Claims (15)
- 【請求項1】 コラーゲン繊維からなる不織布層とコラ
ーゲンからなるスポンジ層を有する積層膜状物の表面
に、ゼラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆層を有する
ことを特徴とする縫合可能な組織再生誘導型癒着防止
膜。 - 【請求項2】 ゼラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆
層が、スポンジ状もしくはフィルム状である請求項1記
載の癒着防止膜。 - 【請求項3】 ゼラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆
層が、架橋されたゼラチンまたはヒアルロン酸の層であ
る請求項1記載の癒着防止膜。 - 【請求項4】 コラーゲンが、酵素可溶化コラーゲン、
酸可溶化コラーゲン、アルカリ可溶化コラーゲンまたは
中性可溶化コラーゲンである請求項1記載の癒着防止
膜。 - 【請求項5】 コラーゲン繊維からなる不織布層とコラ
ーゲンからなるスポンジ層を有する積層膜状物の一部も
しくは全部が、架橋されたコラーゲンである請求項1記
載の癒着防止膜。 - 【請求項6】 コラーゲン繊維からなる不織布層が、紡
糸されたコラーゲン繊維を凝固させ、圧縮することによ
り得られた層である請求項1記載の癒着防止膜。 - 【請求項7】 ゼラチンまたはヒアルロンを含むスポン
ジ層が、凍結乾燥により形成される請求項2記載の癒着
防止膜。 - 【請求項8】 コラーゲン繊維からなる不織布層とコラ
ーゲンからなるスポンジ層を有する積層膜状物のうち、
該不織布層または該スポンジ層のいずれかの層が圧縮し
て得られた層であるか、または該膜状物が圧縮して得ら
れたものである請求項1記載の癒着防膜。 - 【請求項9】 コラーゲン繊維からなる不織布層が、バ
インダーにより結合されてなるものである請求項1記載
の癒着防止膜。 - 【請求項10】 コラーゲン繊維からなる不織布層の厚
さが50〜1,000μmであり、コラーゲンからなる
スポンジ層の厚さが50〜20,000μmであり、ゼ
ラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆層が50〜20,
000μmである請求項1記載の癒着防止膜。 - 【請求項11】 コラーゲン繊維からなる不織布1〜6
層およびコラーゲンからなるスポンジ層1〜4層が積層
して、さらに、ゼラチンまたはヒアルロン酸層1〜4層
を積層し、全体として3〜10層からなる請求項1記載
の癒着防止膜。 - 【請求項12】 コラーゲンからなる不織布の繊維が、
繊維直径5〜1,000μmであり、嵩密度(繊維密
度)が5×10−4〜5g/cm3である請求項1記載の癒
着防止膜。 - 【請求項13】 コラーゲンからなるスポンジ層の多孔
面積が、10〜90%である請求項1記載の癒着防止
膜。 - 【請求項14】 第1層が圧縮コラーゲンスポンジ層、
第2層が化学架橋された圧縮コラーゲン不織布層および
第3層が圧縮コラーゲンスポンジ層である積層膜状物の
表面に、ゼラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆層を有
する縫合可能な組織再生誘導型癒着防止膜。 - 【請求項15】 第1層および第2層が化学架橋された
圧縮コラーゲン不織布である積層膜状物の両表面に、圧
縮コラーゲンスポンジ層を有し、さらに該スポンジ層の
表面にゼラチンまたはヒアルロン酸を含む被覆層を有す
る縫合可能な組織再生誘導型癒着防止膜。
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