JP2000210327A - 補聴器用イヤインプレションの製造方法 - Google Patents

補聴器用イヤインプレションの製造方法

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JP2000210327A JP16462299A JP16462299A JP2000210327A JP 2000210327 A JP2000210327 A JP 2000210327A JP 16462299 A JP16462299 A JP 16462299A JP 16462299 A JP16462299 A JP 16462299A JP 2000210327 A JP2000210327 A JP 2000210327A
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裕恒 吉永
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 難聴者に対し、違和感や圧迫感を与えずハウ
リング(音漏れ)現象を生じないイヤモールド(耳栓)
を得る補聴器用イヤインプレションを製造する技術の提
供。 【解決手段】 補聴器のイヤモールドを鋳造用のイヤイ
ンプレションの製造方法であり、(1)可撓・硬化性の
耳型材を耳甲介腔、耳珠および対珠が覆われるように外
耳道に注入硬化後、外耳道から取出して、外耳道、耳甲
介腔、耳珠および対珠に相応の形状を有する予備イヤイ
ンプレションを調製する工程、(2)予備イヤインプレ
ションの耳奥に近い側の先端部を切削し、さらに、予備
イヤインプレションの外耳道の第一の屈曲部から第二の
屈曲部に相応する部分付近に(1)における耳型材より
も柔軟性のある可撓・硬化性の耳型材を塗布する工程、
および(3)柔軟性耳型材を塗布した予備イヤインプレ
ションを外耳道内に挿入し硬化後、外耳道から取出し所
望のイヤインプレションを得る工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補聴器のイヤモー
ルド(耳栓)を鋳造するのに用いられるイヤインプレシ
ョン(耳型)を製造する新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】難聴者によって使用される補聴器は、大
略、外界からの音を受けるマイクロホン、その音を耳に
伝えるスピーカー、およびそれらを動作させるための電
気的装置(電池を含む)を備える本体と、該本体に連結
され耳(外耳道)内に挿入される耳栓とから構成され
る。補聴器本体に関しては、これまでも、音質や音量を
調整可能にしたり使用寿命を長くする等の高性能化や、
審美的なデザインを施したり補聴器の使用を意識させな
いような小型化の試みがいろいろと行われている。
【0003】しかしながら、耳栓に関してはあまり改良
は行われていない。補聴器本体をいかに高性能化して
も、耳栓が使用者に適合しないと長期の使用に際して不
快感を与えたり、適正な音質を確保できない。
【0004】補聴器用の耳栓に関しては、最近、カスタ
ムメイドの耳栓、すなわち、それぞれの使用者の耳の形
に合わせて注文制作する耳栓(イヤモールド)が推奨さ
れ多用されている。このようなイヤモールドは、使用者
の耳(外耳道)に適当な耳型材を注入・硬化させること
により型取りしてイヤインプレション(耳型)を調製
し、このイヤインプレションの表面にワックス、パラフ
ィンろう等を0.3〜0.7mm程度に均一に塗布し
(最終的にイヤモールドを仕上げるために研磨すること
を考慮して大き目の型を作るため)、これに石膏を流し
込んだ後、イヤインプレションを取り出し且つワックス
やパラフィンろうを除去することにより石膏型を形成
し、この石膏型にイヤモールド材料を注入し硬化させる
ことによって得られるのが一般的である。
【0005】このように各使用者の耳の形に応じて型取
りしたイヤインプレションを原型とする鋳造によって得
られるイヤモールドは、使用者による違和感やはずれる
心配を概ね解消しているが、しばしば、ピーピーと音が
する音漏れ(所謂、ハウリング現象)に悩まされる。こ
の一因は、イヤインプレションの調製が完全でなく使用
者の耳の形に充分に適応していないためと考えられる。
【0006】さらに、イヤインプレションを製造するに
当たっては、上述のように、使用者の耳(外耳道)に耳
型材を注入・硬化させなければならないが、従来のやり
方では音および空気を遮断した状態で異物が耳の中に導
入されることになるため、使用者(難聴者)に違和感や
圧迫感、場合によっては苦痛を与えることにもなってい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、使用
者(難聴者)に対して違和感や圧迫感などを与えること
なく、イヤインプレション(耳型)を製造することがで
き、該イヤインプレションを用いるとハウリング(音漏
れ)現象を生じないイヤモールド(耳栓)を得ることの
できる補聴器用イヤインプレションを製造する技術を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、研究を重ね
た結果、ハウリングのない補聴器用耳栓を得るには、イ
ヤモールドおよびその原型となるイヤインプレションが
可及的に外耳道の形状を反映(再現)したものでなけれ
ばならず、特に、外耳道の第一の屈曲部から第二の屈曲
部に相応する部分が確実に密閉されていることが必要で
あることを見出した。
【0009】本発明は、この事実に基づいて完成された
ものであり、補聴器のイヤモールドを鋳造するのに用い
られるイヤインプレションを製造する方法であって、
(1)可撓・硬化性の耳型材を耳甲介腔、耳珠および対
珠が覆われるように外耳道に注入し硬化させた後、外耳
道から取り出すことにより、外耳道、耳甲介腔、耳珠お
よび対珠に相応する形状を有する予備イヤインプレショ
ンを調製する工程、(2)前記予備イヤインプレション
の耳奥に近い側の先端部を切削し、さらに、該予備イヤ
インプレションの外耳道の第一の屈曲部から第二の屈曲
部に相応する部分付近に前記(1)における耳型材より
も柔軟性のある可撓・硬化性の耳型材を塗布する工程、
および(3)該柔軟性耳型材を塗布した予備イヤインプ
レションを外耳道内に挿入し硬化させた後、外耳道から
取り出して所望のイヤインプレションを得る工程を含む
ことを特徴とする方法を提供する。
【0010】本発明者は、さらに、簡便な補助具を案出
し、これを利用することによって、イヤインプレション
製造時に使用者に与える違和感や圧迫感などを著しく軽
減し得ることも見出した。かくして、本発明の方法の好
ましい態様においては、柔軟性で中空のチューブの先端
に耳型材押入防止綿が接合された耳型材押入防止具を該
耳型材押入防止綿が鼓膜の手前に位置するように外耳道
内に予め挿入しておき、この耳型材押入防止具の中空チ
ューブがイヤインプレション内に保持された状態で前記
(1)〜(3)の工程を実施した後、該中空チューブを
取り外す。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、従来のイヤインプレシ
ョンの調製が単一回の耳型取り法によって行われていた
のに対して、2回型取り法によりイヤインプレションを
製造するものであり、しかも、耳型材押入防止具を改良
することにより、このような複数回の型取りにおいても
使用者に与える違和感や圧迫感などをきわめて軽減する
ことができる。以下、理解を容易にするため図面に沿っ
て本発明を説明する。
【0012】イヤインプレションの製造 (1)予備イヤインプレションの調製 本発明により補聴器用イヤインプレションを製造するに
当たっては、先ず、従来の手法に従って1回目の耳型取
りを行うことにより予備イヤインプレションを調製す
る。このためには、可撓・硬化性の耳型材(後述するよ
うにシリコーン系の材料が一般に用いられる)を外耳道
1に注入するが、この際、耳型材が鼓膜2内に押入され
ないように予め、従来から用いられているような糸付き
の耳型材押入防止綿3を通しておく〔図3の(A)参
照〕。
【0013】このように耳型材押入防止綿が通された状
態で、次に、耳型材4を挿入用シリンジ5に入れ、その
ピストン部材6をゆっくり押圧しながら耳型材を外耳道
内に注入する〔図3の(B)参照〕とともに、耳の外形
のうち少なくとも耳甲介腔、耳珠および対珠(図1参
照)が覆われるように耳型材を盛り上げる。この状態で
暫く放置すると耳型材が硬化する。
【0014】硬化後、耳型材押入防止綿3の糸をゆっく
りと引き出すことにより、鼓膜付近の印圧(空気)を徐
々にぬきながら耳型材を外耳道から取り出す〔図3の
(C)参照〕。かくして、外耳道、耳甲介腔、耳珠およ
び対珠に相応する形状を有する予備イヤインプレション
が得られる。
【0015】(2)予備イヤインプレションの修正 本発明のイヤインプレションの製造方法の特徴は、以上
のようにして得られた予備イヤインプレションを修正し
て、個々の使用者の耳の形に一層適合するとともに、音
漏れが確実に防止されるようにすることにある。
【0016】このためには、先ず、予備インプレション
の耳奥に近い側の先端部、すなわち、鼓膜に近い第二の
屈曲部7から先の奥に広がっている部分をカミソリやカ
ッターナイフ9で切削する〔図4の(A)参照〕。1回
目の耳型取りにより得られた予備イヤインプレション
は、第二の屈曲部から先が鼓膜に向かって奥に広がって
いるために、そのままでは、後述の2回目の耳型取りに
際して入りにくく、外耳道に挿入すると、疼痛を生じた
り耳の中に完全にもどらなくなる。耳奥に近い側の先端
部を切削することにより、予備インプレションを2回目
の耳型取りに供することができるようになる。
【0017】以上のようにして、予備インプレションの
先端部を切削し終えたら〔図4の(B)参照〕、該予備
インプレションの外耳道の第一の屈曲部8から第二の屈
曲部7に相応する部分付近に、前記(1)の予備インプ
レションの調製工程で用いた耳型材よりも柔軟性のある
可撓・硬化性の材料10を塗布する〔図4の(C)参
照〕。
【0018】(3)2回目の耳型取り:イヤインプレシ
ョンの仕上げ 本発明の補聴器用イヤインプレションの製造方法におい
ては、最後に、上述のように柔軟性材料を塗布した予備
インプレションを再び外耳道内に挿入し硬化させた後、
外耳道から取り出すことにより所望のイヤインプレショ
ンが得られる。すなわち、上記(2)の工程で修正され
た予備インプレションを挿入し柔軟性の耳型材が硬化し
た後、インプレションを取り出す。かくして、外耳道の
第二の屈曲部から第一の屈曲部に延び、更に該第一の屈
曲部を越えて耳の開口部(耳甲介腔)に到るまで、使用
者の外耳道にピッタリと適合する外形を有するイヤイン
プレション〔図4の(D)参照〕が得られる。
【0019】耳型材 本発明において1回目の耳型取り(予備イヤインプレシ
ョンの調製)および2回目の耳型取り(イヤインプレシ
ョンの仕上げ)に用いられる耳型材としては、シリコー
ン系材料によって代表され従来よりイヤインプレション
印象材として、更には義歯床用裏装材として使用される
ような各種の材料を用いることができる。重要なことは
いずれの耳型取り工程においても使用される耳型材は可
撓性(流動性)と経時的な硬化性を有するが、2回目の
耳型取りに使用する耳型材が1回目の耳型取りに使用す
る耳型材よりも柔軟性のあることである。
【0020】好適な耳型材の組合せの例としては、次の
ようなものが挙げられるが、これらに限定されるもので
はない:(1)1回目の耳型取りに商品名「デタック
ス」(ドイツ名Classic;製造元:DETAX GMB
H;発売元;NJH Co. Ltd.)のシリコーン系イヤイ
ンプレション印象材を使用し、2回目耳型取りに商品名
「ドリーブ」(ドイツ名OTOFORM−K/c;製造
元:DREVE−OPOPLASTIK MBH;発売
元:NJH Co. Ltd.)のシリコーン系イヤインプレシ
ョン印象材を使用する。(2)1回目の耳型取りに商品
名「ドリーブ1:1」(ドイツ名OTOFORM−A/
k;製造元:DREVE−OPOPLASTIK GM
BH;発売元:NJH Co. Ltd.)のビニルポリシロキ
サン系イヤインプレション印象材を使用し、2回目の耳
型取りに商品名「ジーシーエクザファイン」(製造元:
(株)ジーシーデンタルプロダクツ;発売元:(株)ジ
ーシー)の親水性付加重合型ビニルシリコーン系義歯用
印象材を使用する。これらのシリコーン系耳型材は、一
般にベース成分(主剤)とキャタリスト成分(触媒)を
練和して使用される。
【0021】従来の単一回の耳型取りによるイヤインプ
レションを介して鋳造されるイヤモールド(耳栓)にお
いてハウリング現象が見られるのは、イヤインプレショ
ンが外耳道の形状を確実に再現(反映)していなかった
ためと解される。特に、外耳道の複雑な屈曲部を含む部
分、すなわち鼓膜に近い側の第二の屈曲部から第二の屈
曲部を越え耳の開口部に到るまでの最も密閉を必要とす
る部分(シーリングゾーン)において、耳道内部の皮膚
の流動的な動き〔皮膚の柔らかさ、皮膚の運動による膨
張・収縮、気温等の環境条件の変化による耳道への圧
迫、顎関節の動き(口の開閉)による耳道内の動き等に
よる〕に適応していなかったものと考えられる。
【0022】これに対して、本発明のイヤインプレショ
ンの製造方法においては、上述のように2種類の耳型材
を用いて2回の耳型取りを行うことにより、1回目の耳
型取りによって得られた耳型(予備イヤインプレショ
ン)が土台となり、2回目の耳型取りにおいて耳型材と
皮膚の間に適度の圧力(圧迫)が生じて皮膚の動きに順
応し、そして、2回目の耳型取りで盛り上げられる耳型
材が柔らかいため、ミクロ的にも細部に至るまでの外耳
道の再現が可能となり、シーリングゾーンの密閉が確実
に行われるものと考えられる。
【0023】改良式耳型材押入防止具の使用 以上のように、本発明に従えば、2回の耳型取りを実施
することにより、使用者の外耳道を確実に反映したイヤ
インプレションを製造することができる。そして、この
ようなイヤインプレションの製造は、図3および図4に
関連して説明したように、図2の(A)に示す糸付き耳
型材押入防止綿を用いて行うこともでき、これによっ
て、耳道の深奥部に耳型材が移動・流入することが防止
され、また、硬化後の耳型材を外耳道から取り出すこと
が容易となる。
【0024】しかしながら、このような従来式の耳型材
押入防止綿を用いる場合、使用者の耳は空気と音が遮断
された状態でイヤインプレションを製造することにな
り、使用者が不安感や圧迫感などを受けるのは回避でき
ず、また、硬化後の耳型材を完全に耳道から取り出すこ
とはできず、耳道内に残存することもある。
【0025】本発明者は、従来から用いられていた耳型
材押入防止綿におけるこのような問題を解消するものと
して図2の(B)に示すような耳型材押入防止具を案出
した。すなわち、従来の耳型材押入防止綿のように単な
る糸ではなく、柔軟性で中空のチューブを綿に接合させ
て耳型材押入防止具を構成した。
【0026】耳型材押入防止綿11としては、直径6m
m〜8mm、厚さ3mm〜5mmの円板状の綿花(綿繊
維)を用いる。この寸法は、平均値であり、これに限定
されるものではない。必要に応じて綿花をちぎったり幾
種類かの大きさの綿を用意して耳の口径に合わせて調整
すればよい。
【0027】また、チューブ12は、中空(中心部空
洞)の形状から成り、外耳道の凹凸あるいは湾曲に適合
する柔軟性と耳型材による圧力によって中空部分(空
洞)がつぶれないような強度を備えるものを用いる。こ
のような特性を有し且つ入手容易な素材として特に適し
ているのはポリ塩化ビニルであり、例えば、渓流釣用目
印ビニルチューブとして市販されているもの(東邦産業
株式会社)が挙げられる。このチューブは、一般に、中
空で外径が1mm程度、長さ5cm〜7cm(耳型取り
の際、耳道から完全に耳の外側に出ていなければならな
いので5cm以上の長さが必要である)の寸法を有す
る。
【0028】耳型材押入防止綿11とチューブ12との
接合は、耳型材との適合性などの点からシリコーン系接
着剤を用いて行うのが好ましい。好適なシリコーン系接
着剤の例としては、コニシ株式会社(大阪市)からバス
ボンドの商品名で市販されているものが挙げられる。
【0029】本発明の方法の好ましい態様においては上
記のごとき改良式耳型材押入防止具がイヤインプレショ
ン(耳型材)内に保持された状態で(1)〜(3)の各
工程を実施する。すなわち、予備イヤインプレションを
調製する工程は、既述した従来の耳型材押入防止綿を用
いる場合と同じであるが、以後の工程における手法が若
干異なり、具体的には次のようになる。
【0030】1回目の耳型取り(予備イヤインプレシ
ョンの調製)は、従来の糸付き耳型材押入防止綿を用い
る場合と同様に、改良式耳型材押入防止具を外耳道に挿
入しておき、耳型材4を挿入用シリンジ5を用いて外耳
道内に注入し(図5参照)、耳型材が硬化した後、耳型
材押入防止具のチューブ12を引き出すことにより耳型
材(予備イヤインプレション)を外耳道から取り出す。
【0031】次に、取り出した耳型材〔図6の(A)
参照〕の綿の部分のみを取り除き、チューブが耳型材
(予備イヤインプレション)に保持された状態で、図4
の(A)と同様に、予備イヤインプレションの耳奥に近
い側の先端部を切削する〔図6の(B)〕。
【0032】先端が切削されチューブを保持した状態
の耳型材(予備イヤインプレション)〔図6の(C)〕
に、図4のCと同様に、外耳道の第一の部分付近に、予
備イヤインプレションの調製工程で用いたのよりも柔軟
な耳型材を塗布し〔図6の(D)〕、2回目の耳型取り
を行う。
【0033】耳型材が硬化し2回目の耳型取りが終了
すると、耳型材を外耳道から取り出すと、外耳道の第二
の屈曲部から第一の屈曲部に延び耳の開口部に到るまで
使用者の外耳道に適合した外形を有するイヤインプレシ
ョンが得られ〔図6の(E)〕、このイヤインプレショ
ンからチューブを取り外す〔図6の(F)〕。
【0034】このように本発明に従う改良式の耳型材押
入防止具を使用してイヤインプレションを製造すると、
中空(中心部空洞)のチューブが、内耳・中耳部分と耳
外部との気道(空気の通り道)を確保して、気圧の変化
を軽減し且つ音を通過させるので、耳型取りが行われて
いる難聴者の不安感、圧迫感、苦痛などを取り除くこと
ができる。
【0035】耳型材の注入時に発生する圧力は、鼓膜の
みならず、内耳、うずまき管などに移行して難聴者に吐
き気、めまい、頭の圧迫感などを与えることから、複数
回の耳型取りは避けるべきものとされていた。しかしな
がら、本発明に従い、中空チューブを備える耳型材押入
防止具を用いれば、そのような症状を呈することなく2
回の耳型取りを行うことができ、使用者(難聴者)の外
耳道に適合したイヤインプレションを得ることができ
る。
【0036】外耳道に耳型材を注入してイヤインプレシ
ョン(耳型)を製造するに際しては、各種の要因により
耳型を取り出した後も外耳道内に耳型材が残存すること
がある。例えば、耳型材自体の粘着性や耳の病気(外耳
炎、中耳炎)による炎症や耳だれに因り耳型材が外耳道
に固着したり、ベース成分(主剤)とキャタリスト成分
(触媒)との混練不良により硬化不充分な耳型材が残存
したりすることがある。このような場合に耳道内から耳
型材を除去するのは困難をきわめるが、これは、イヤイ
ンプレションの先端部、すなわち、耳道で言えば、第二
の屈曲深奥部分から鼓膜の間の空間に陰圧がかかり、丁
度吸盤のようにお互い引っ張り合うためである。従って
耳鼻科医師による外科的処置に頼らざるを得ない状況に
なることもある。しかし、本発明に従い、中心部空洞チ
ューブによる気道確保がなされていれば、耳型材の除去
を比較的容易に行うことができる。
【0037】イヤモールドの鋳造 以上のようにして得られたイヤインプレションは、既述
したような従来より既知の手法に従ってイヤモールドを
鋳造するのに使用される。すなわち、一般的には、イヤ
インプレションに石膏を流し込んだ後、イヤインプレシ
ョンを取り出して形成した石膏型にイヤモールド材料を
注入し硬化させ、石膏を壊すことによりイヤモールドが
得られる。イヤモールドを製造する手法自体は本発明の
主題ではないので、これ以上の説明は省略する。本発明
に従うイヤインプレションを用いて得られたイヤモール
ドはハウリング現象が殆ど起こらないことが確認されて
いる。
【0038】
【発明の効果】如上の説明から理解されるように、本発
明は、比較的簡単な手段により、しかも使用者に肉体的
な不快感や苦痛を与えることなく、該補聴器使用者の耳
道に適合し従来から補聴器の最大の問題であったハウリ
ング現象を防止したイヤモールドを得ることのできるイ
ヤインプレションの製造を可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるために示す耳の外形図で
ある。
【図2】本発明を実施するのに用いられる耳型材押入防
止具を示し、(A)は従来のもの、(B)は本発明によ
る改良式のものである。
【図3】本発明に従い耳型取りを行う様子を示す図であ
る。
【図4】本発明に従い予備イヤインプレションを修正す
る様子を示す図である。
【図5】本発明の好ましい態様として改良式耳型材押入
防止具を用いて予備イヤインプレションを調製する様子
を示す図である。
【図6】本発明の好ましい態様として改良式耳型材押入
防止具を用いた場合の予備イヤインプレションを修正す
る様子を示す図である。
【符号の説明】
7 第二の屈曲部 8 第一の屈曲部 11 耳型材押入防止綿 12 中空チューブ 13 耳型材押入防止具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補聴器のイヤモールドを鋳造するのに用
    いられるイヤインプレションを製造する方法であって、
    (1)可撓・硬化性の耳型材を耳甲介腔、耳珠および対
    珠が覆われるように外耳道に注入し硬化させた後、外耳
    道から取り出すことにより、外耳道、耳甲介腔、耳珠お
    よび対珠に相応する形状を有する予備イヤインプレショ
    ンを調製する工程、(2)前記予備イヤインプレション
    の耳奥に近い側の先端部を切削し、さらに、該予備イヤ
    インプレションの外耳道の第一の屈曲部から第二の屈曲
    部に相応する部分付近に前記(1)における耳型材より
    も柔軟性のある可撓・硬化性の耳型材を塗布する工程、
    および(3)該柔軟性耳型材を塗布した予備イヤインプ
    レションを外耳道内に挿入し硬化させた後、外耳道から
    取り出して所望のイヤインプレションを得る工程を含む
    ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 柔軟性で中空のチューブの先端に耳型材
    押入防止綿が接合された耳型材押入防止具を該耳型材押
    入防止綿が鼓膜の手前に位置するように外耳道内に予め
    挿入しておき、この耳型材押入防止具の中空チューブが
    イヤインプレション内に保持された状態で前記(1)〜
    (3)の工程を実施した後、該中空チューブを取り外す
    ことを特徴とする請求項1のイヤインプレションの製造
    方法。
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