JP2000209886A - モ―タ制御装置 - Google Patents

モ―タ制御装置

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JP2000209886A
JP2000209886A JP11005815A JP581599A JP2000209886A JP 2000209886 A JP2000209886 A JP 2000209886A JP 11005815 A JP11005815 A JP 11005815A JP 581599 A JP581599 A JP 581599A JP 2000209886 A JP2000209886 A JP 2000209886A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転数・トルクといった回転条件によって、
電源電流が最小となるような最適通電位相が動的に時々
刻々変化するIPMモータに対して、逐次、積極的に最
適通電位相を探索して最高効率運転を実現するモータ制
御装置を提供する。 【解決手段】 通電位相設定手段7が、所定時間毎に、
IPMモータ1における効率が最大となるように通電位
相設定値を設定する。この際に、前回と今回との間で、
電流値および通電位相設定値の比較が行われ、比較結果
に基づいて、新たな通電位相設定値が設定される。この
ように設定された通電位相設定値とロータ位相検出手段
5によって検出された位相とに基づいて、通電分配手段
8がIPMモータ1への通電タイミングを決定し、IP
Mモータ1が駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気調和機
をはじめとする圧縮機などに用いられる、電機子巻線の
インダクタンス変化および電機子電流に伴って発生する
リラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電
流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用
する種類のブラシレスモータを用いた、モータ制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電機子巻線のインダクタンス変化および
電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永
久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミ
ングトルクとを併用して利用する種類のブラシレスモー
タとしては、永久磁石をロータ内部に埋め込んだ埋込型
磁石構造のモータ(以下、IPM(Interior PermanentM
agnet) モータと称する)が一般的に用いられている。
このIPMモータにおけるトルク発生原理については、
例えば、文献「リラクタンストルクを利用した回転機
(電気学会論文誌D,114巻9号,'94)」などに詳細に示
されている。なお、この文献中においては、永久磁石の
磁束および電機子電流に伴って発生するトルクはアクテ
ィブトルクと呼称されているが、本明細書中において
は、これをフレミングトルクと称する。
【0003】図13は、IPMモータにおける、電機子
のコイル巻線へ電流を流すタイミング、すなわち通電位
相と、各種トルク値および端子電圧との関係の一例を示
すグラフである。図13に示すように、フレミングトル
クTmは、進み通電位相βが0゜の時に最大となり、そ
の波形は、位相0゜の時の値をピークとするsinβで
表わされる。また、リラクタンストルクTrは、進み通
電位相βが45゜の時に最大となり、その波形は、位相
45゜の時の値をピークとするsin2βで表わされ
る。また、端子電圧Vaは、図13に示すように、進み
通電位相βが大きくなるにつれて低くなっており、いわ
ゆる弱め界磁運転の状態となっている。また、総合トル
クTはTmとTrの加算値となっており、フレミングト
ルクのみを用いる通常のモータに比べて大きなトルクを
得ることが可能となっている。
【0004】総合トルクTを式で表わすと下式のように
なる。 T=P(φa×Ia×cosβ)十P(1/2×(Lq
−Ld)×Ia^2×sin2β) 上式で、φaは永久磁石による電機子鎖交磁束、Iaは
電機子電流、Lq,Ldは電機子巻線のq軸d軸インダ
クタンスを表している。また、同式において、第1項は
フレミングトルクTmを、第2項はリラクタンストルク
Trを表わしている。
【0005】このようなIPMモータにおいて、回転数
やトルクなどの回転条件が変化すると、これに追従する
ように速度制御が働き、電機子電流が変化する。上式か
らも明らかなように、電機子電流の増減に応じたフレミ
ングトルクTmおよびリラクタンストルクTrの変化
は、同じ割合にはならない。したがって、総合トルクT
が最大となる進み通電位相βは回転条件によって変動す
る。すなわち、最高の効率となる通電位相βは、回転条
件によって時々刻々変化している。
【0006】また、総合トルクTの変動には、図13に
おけるマイナストルク領域のように、そのトルク値が極
端に低くなってしまう通電位相の範囲が存在することに
なる。このようなマイナストルク領域は、リラクタンス
トルクTrおよびフレミングトルクTmの割合に応じて
変化する。
【0007】したがって、通電位相によっては、モータ
が急停止してしまう(以下、このことを脱調と称す)こ
とや、あるいはモータ効率が極端に悪化することがあ
る。例えば、図13に示すような特性を示すIPMモー
タの場合、通電位相を遅れ気味にした場合に、上記のよ
うな脱調やモータ効率の悪化が生じる。さらに、通電位
相が進みすぎても同様に脱調、あるいはモータ効率の悪
化が生じる。このような脱調やモータ効率の極端な悪化
が発生する通電位相も回転条件によって時々刻々変化す
る。
【0008】ここで、回転条件の変動について考察して
みる。現在、IPMモータは空気調和機などの圧縮機用
として圧縮機内部に組み込まれることが多い。このよう
に、上記のようなIPMモータが圧縮機に用いられる場
合、IPMモータの回転条件の1つである負荷トルクの
変動は、図10に示すような波形となる。図10は、ロ
ーリングピストン型およびスクロール型の圧縮機におけ
る、モータ回転角θに対する、各圧縮サイクルによって
発生する負荷トルクの変動を示している。このように、
圧縮サイクルによって負荷トルクすなわち回転条件は変
動している。
【0009】また、IPMモータ自体においても、ロー
タ着磁の精度、ステータコイルの精度、軸受け精度など
の要因によって、モータ1回転におけるトルク変動が生
じたり、モータ1回転毎に、モータ磁極数とモータコイ
ル数との最小公倍数の周期で発生するトルク変動、いわ
ゆるトルクリプルが生じている。このようなトルク変動
によっても、回転条件が変動していることになる。
【0010】一方、回転数は、基本的には制御装置で速
度制御されているので、一定に保たれているが、空気調
和機などのメインシステムから時々刻々目標となる回転
数が変更されて与えられている。すなわち、この目標回
転数に応じてモータ回転が制御されていることになる。
このように、回転数を見ても回転条件は変動しているこ
とになる。
【0011】また、モータを駆動・制御する際には、基
準となるコイル位相を検出する手段、つまり回転位置の
検出センサが必要となる。この点に関して、上記のよう
に圧縮機内にモータを搭載する場合、あるいはコストを
極力抑えたい場合には、圧縮機内の構成上の問題、ある
いはコストアップの問題を解消するために、センサレス
でロータ位相を検出する方法が採用されている。このセ
ンサレスでロータ位相を検出する方法は、例えば、文献
「ブラシレスモータのセンサレス化技術(機械設計、第
34巻、第17号、1990年12月別冊)」にいくつ
かの方法が示されている。このような方法としては、例
えば、各コイルに発生する逆起電圧波形をフィルタリン
グし、これを位相情報として検出する方法などが一般的
に行われている。
【0012】現在、IPMモータにおいて、その効率を
高めるための制御方法としては、テーブル参照方式と呼
ばれる方法が一般的に知られている。このテーブル参照
方式とは、あらかじめ実験などで求めた回転条件−効率
特性結果を制御回路内のROMに記憶し、回転数、トル
クなどの回転条件をパラメータとして、該当する通電位
相設定値を呼び出すことによって通電位相を設定する、
という方法のことである。
【0013】次に、電流を検出し、それによって通電位
相を変更し、電流が最小となるような駆動を行う従来技
術として、特開平4−140093号公報に開示されて
いるモータ駆動回路について説明する。
【0014】このモータ駆動回路は、フレミングトルク
のみを使用した通常のブラシレスモータにおいて、ホー
ル素子などの回転位置検出センサからの出力であるコイ
ル位相検出信号に基づく通電タイミングと、実際のモー
タコイル位相とのずれを補正し、両位相を一致させるこ
とを目的としており、結果的にモータ効率を向上させて
いる。これは、回転位置検出センサ出力であるコイル位
相検出信号と実際のコイル位置とが一致する位置は、結
果的にモータ電流が最小となる位置であるからである。
すなわち、モータ電流を検出して、これが最小となるよ
うにコイル位相検出信号の位相を進相あるいは遅相させ
る制御を行うことによって、コイル位相検出信号と実際
のコイル位置とが一致する位相(最適シフト時間)を決
定している。この処理はモータ運転開始直後の低速回転
検出後に一度だけ行われ、その後は決定された最適シフ
ト時間にしたがって運転が行われる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】フレミングトルクとリ
ラクタンストルクとを併用したIPMモータにおける従
来の効率制御は、上記のテーブル参照方式のように、オ
ープンループで一義的に通電位相を設定するものとなっ
ている。すなわち、実際に効率あるいは効率と同等の情
報を検出して制御するものではないので、正確な効率制
御を行っているとはいえない。
【0016】また、上記した、通電位相を変化させる構
成の場合、最適な通電位相に収束するまでにはある程度
の時間が必要であり、この収束時間中の動作によって、
運転期間中全体における効率が低下することになる。
【0017】詳しく説明すると、通電位相を変更した場
合に、速度制御回路の性能によっては、図12に示すよ
うに、瞬間的に発生トルクおよび回転速度が大きく変化
することになり、目標値に収束するまでに、ある程度の
時間Tcnt が必要となる。このTcnt の間は、通電位相
の変更前と比べると回転条件が異なっており、正確な電
流比較を行うことができないという問題がある。
【0018】また、特開平4−140093号公報に示
されているモータ駆動回路は、回転位置検出センサ出力
であるコイル位相検出信号のずれを補正するものであ
り、また、運転開始直後のみにシフト時間を求める構成
となっている。すなわち、このモータ駆動回路は、回転
条件によって最適な通電位相が動的に時々刻々変化する
ようなIPMモータに対して、積極的に逐次最適通電位
相を探索し、正確な効率制御を行うような処理を行うこ
とはできない。また検出精度の低いセンサレス位相検出
方法においては、最適シフト時間は検出タイミングごと
に異なるものとなってしまう。さらに、上記のように、
初期時においてのみ最適シフト時間を設定するだけで
は、最適シフト時間の変動に対応することができない。
【0019】また、上記のモータ駆動回路においては、
モータ回転初期では回転位置検出センサ出力であるコイ
ル位相検出信号に合わせてモータが運転されるが、通電
位相によっては脱調、効率の極端な低下が見られるIP
Mモータでは、このような運転を適用することはできな
い。
【0020】さらに、上記したように、IPMモータで
は負荷トルクの周期的な変動が存在するが、例えば電源
電流の変動の検出などを行うことによって、この変動に
応じた制御を行っていない上記モータ駆動回路では、正
確かつ精度の高い制御は困難である。
【0021】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、回転数・トルクといった回
転条件によって、電源電流が最小となるような最適通電
位相が動的に時々刻々変化するIPMモータに対して、
逐次、積極的に最適通電位相を探索して最高効率運転を
実現するモータ制御装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載のモータ制御装置は、電機子巻線の
インダクタンス変化および電機子電流に伴って発生する
リラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電
流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用
するモータを駆動するモータ制御装置において、上記モ
ータにおけるロータの回転位相を検出するロータ位相検
出手段と、駆動電源における電源電流の電流値を検出す
る電源電流検出手段と、所定時間毎に通電位相設定値を
設定する通電位相設定手段と、上記ロータ位相検出手段
で検出された回転位相と、上記通電位相設定手段で設定
された通電位相設定値から、上記モータにおけるモータ
コイルへの通電タイミングを決定し、上記モータにおけ
る各駆動素子ごとに通電信号を分配する通電分配手段と
を備え、上記通電位相設定手段は、前回読み込まれた電
流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれ
た電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比
較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通
電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定
することを特徴としている。
【0023】上記の構成によれば、通電位相設定手段
が、所定時間毎に通電位相設定値を設定し、この設定に
おいて、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位
相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通
電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づき通
電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新た
な通電位相設定値を設定しているので、回転条件が変動
する場合にも、逐次、最適な通電位相を探索して設定す
ることができる。よって、常に、電源電流が最小となる
ような最適通電位相によってモータを駆動することがで
きるので、効率が極めて優れたモータの運転を行うこと
ができる。
【0024】請求項2記載のモータ制御装置は、請求項
1記載の構成において、上記通電位相設定手段が、回転
条件が変更された際に、通電位相設定値を、回転条件に
応じて設定される通電位相設定初期値に設定することを
特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、回転条件が変更され
た際に、通電位相設定値が、回転条件に応じて設定され
る通電位相設定初期値に設定されるので、回転条件が大
きく変更した場合にも、通電位相設定値が、その回転条
件においてある程度適した通電位相に設定されることに
なる。よって、回転条件が大幅に変更されても、モータ
の脱調や極端な効率の低下を防止することが可能とな
り、モータの高効率運転の信頼性を高めることができ
る。
【0026】請求項3記載のモータ制御装置は、請求項
1記載の構成において、上記通電位相設定手段が、回転
条件に応じて設定されるリミッタ値の範囲内において通
電位相設定値を設定することを特徴としている。
【0027】上記の構成によれば、通電位相設定値は、
回転条件に応じて設定されるリミッタ値の範囲内におい
て設定されるので、例えば回転条件が大きく変更した場
合にも、最適通電位相の探索処理において、モータの脱
調や効率の極端な悪化が生じるような通電位相に通電位
相設定値が設定されてしまうことを防止することができ
る。よって、モータの高効率運転の信頼性を高めること
ができる。
【0028】請求項4記載のモータ制御装置は、請求項
1ないし3のいずれかに記載の構成において、上記通電
位相設定手段が、通電位相の変更量に対する電源電流の
変化量の割合に基づいて、上記通電位相変更量を決定す
ることを特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、通電位相設定値を増
減させる単位量となる通電位相変更量が、通電位相の変
更量に対する電源電流の変化の割合に基づいて決定され
るので、通電位相設定値を、回転条件によって変動する
最適通電位相に高速に設定することが可能となるととも
に、通電位相設定値が最適通電位相に収束した後の位相
変動も小さく抑えることが可能となる。よって、高速か
つ高精度の通電位相制御が可能になるので、モータの運
転をさらに高効率で行うことができる。
【0030】請求項5記載のモータ制御装置は、請求項
1ないし3のいずれかに記載の構成において、上記所定
時間が、モータのトルク変動に同期するように設定され
ていることを特徴としている。
【0031】上記の構成によれば、通電位相設定手段が
通電位相設定値を設定するタイミングとなる所定時間
が、モータのトルク変動に同期するように設定されてい
るので、電流値の比較をより的確に行うことが可能とな
る。よって、最適通電位相の探索をより正確に行うこと
ができるので、モータの運転をさらに高効率で行うこと
が可能となる。
【0032】請求項6記載のモータ制御装置は、請求項
1ないし3のいずれかに記載の構成において、通電位相
が変更された時にモータの回転速度が変動する場合に、
上記所定時間が、このモータの回転速度の変動が収まる
までの制御収束時間以上となるように設定されているこ
とを特徴としている。
【0033】上記の構成によれば、通電位相が変更され
た時に、モータの回転速度が変動する場合に、通電位相
設定手段が通電位相設定値を設定するタイミングとなる
所定時間が、制御収束時間以上となるように設定されて
いるので、モータの回転速度の変動によって、最適通電
位相の探索に悪影響を及ぼすことが防止される。よっ
て、最適通電位相の探索をより正確に行うことができる
ので、モータの運転をさらに高効率で行うことが可能と
なる。
【0034】請求項7記載のモータ制御装置は、請求項
1記載の構成において、上記通電位相設定手段が、所定
時間毎に、今回読み込んだ電流値と前回読み込んだ電流
値との比較結果を電流値比較結果として格納するととも
に、今回の通電位相設定値と前回の通電位相設定値との
比較結果を通電位相比較結果として格納し、この電流値
比較結果と通電位相比較結果とに対して排他的論理和演
算を行うことによって通電位相変更量の加減符号を決定
し、新たな通電位相設定値を設定することを特徴として
いる。
【0035】上記の構成によれば、電流値比較結果と通
電位相比較結果とに対して排他的論理和演算を行うこと
によって通電位相変更量の加減符号を決定し、新たな通
電位相設定値を設定するので、複雑な処理をすることな
く、最適通電位相の探索を行うことができる。すなわ
ち、簡単でかつ効率的に、モータの最高効率運転を実現
することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図12に基づいて説明すれば、以下のとおりで
ある。
【0037】図1は、本実施形態に係るモータ制御装置
の概略構成を示すブロック図である。図1に示すよう
に、このモータ制御装置は、IPMモータ1、交流電源
2、A/Dコンバータ3、インバータ回路4、ロータ位
相検出手段5、電源電流検出手段6、通電位相設定手段
7、および通電分配手段8を備えている。
【0038】IPMモータ1は、電機子巻線のインダク
タンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタ
ンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴っ
て発生するフレミングトルクとを併用して利用する種類
のブラシレスモータから構成されている。図2は、この
IPMモータ1におけるロータの内部構成を示す断面図
である。図2に示すように、IPMモータ1は、4つの
永久磁石9…を、ロータを構成する鉄心10の内部に埋
め込んだ埋込型磁石構造のモータとなっている。このロ
ータには、各永久磁石9…の両端からロータの外部に向
けて貫通するように、エアギャップ11…が形成されて
いる。
【0039】交流電源2は、IPMモータ1に電源を供
給するものであり、例えば一般家庭で使用される場合に
は、AC100Vの電源が用いられる。
【0040】A/Dコンバータ3は、交流電源2からの
交流を一旦直流に変換し、次のインバータ回路4に直流
電源を供給するものである。
【0041】インバータ回路4は、A/Dコンバータ3
から供給された直流電源から、任意の周波数の交流電源
をつくり出し、IPMモータ1に所望の周波数を有する
交流電源を供給するものである。これにより、IPMモ
ータ1の回転数を任意の値に滑らかに変化させることが
可能となる。
【0042】ロータ位相検出手段5は、IPMモータ1
における3相のコイル端子U,V,Wの非通電区間の逆
起電圧からロータの回転位相を検出するものである。
【0043】なお、このロータ位相検出手段5は上記の
ような構成に限定されるものではなく、例えば、モータ
中性点電位から求める構成、あるいはモータ電流から演
算して求める構成とすることも可能である。特に180
°通電の場合には、非通電区間が存在せず、逆起電圧が
発生しないので、本実施形態の構成は使用できず、上記
のような他の構成を用いることとなる。なお、180°
通電とは、1本のコイル端子への通電を時間的に見た
時、非通電期間が存在しない通電方法のことである。本
来ならば通電周期は360°であるが、3相モータの場
合、180°期間に注目すれば現象を把握できるので、
180°が基準となっている。
【0044】また、強制的に各コイル端子への通電を切
り換えて駆動させる、いわゆる強制励磁駆動方式でのロ
ータ位相検出手段5としては、強制的に通電を切り換え
ている切換信号を検出するものとすればよい。
【0045】さらに、このロータ位相検出手段5は、I
PMモータ1にエンコーダなどの回転検出手段を設ける
などの構成とすることも可能である。このような構成の
場合、コストアップの問題や、センサ取り付けに要する
空間の処理に関する問題が残るが、IPMモータ1の回
転位相を的確に検出することができる。なお、リラクタ
ンストルクを併用したブラシレスモータの場合、最大ト
ルクは前記した式のように回転条件によって異なる通電
位相で発生するので、ロータの回転位相を検出する手段
のみではなく、後述する最適通電位相の制御が必要とな
る。
【0046】なお、このロータ位相検出手段5には、図
示していない速度制御回路が接続されている。この速度
制御回路は、図示していないシステム制御装置から得ら
れる回転数目標とロータ位相検出手段5から得られる回
転情報との差を検出し、これを速度制御信号として出力
するものである。この速度制御信号に基づいて、IPM
モータ1の回転数が目標値に近づけられる。
【0047】電源電流検出手段6は、交流電源2に取り
付けられたカレントトランスC.T.の出力を受けて波
形整形し、電流値を検出するものである。
【0048】このように、電源電流検出手段6は、カレ
ントトランスC.T.から電源電流の検出を行っている
ものであるが、これは従来より過電流検出用として設け
られているものであり、新たな構成要素の追加となるも
のではない。また、この電源電流検出手段6の代わり
に、A/Dコンバータ3の出力側に電流センサなどを取
り付ける構成とすることも可能である。
【0049】通電位相設定手段7は、所定時間毎に、回
転条件を表わす情報によって通電位相を設定するととも
に、電源電流検出手段6で検出された電流値に応じて、
通電位相を増減させるものである。詳しく説明すると、
ある時点において、回転条件に応じて設定される通電位
相および電源電流検出手段6からの電流値と、その時点
の1回前に行われた処理において設定された通電位相お
よび電流値とをそれぞれ比較し、この比較結果に基づい
て、通電位相設定値を所定量増減することによって、新
たな通電位相設定値を設定している。
【0050】この通電位相設定手段7に入力される回転
条件情報としては、モータ回転数に比例した情報、例え
ば上記の速度制御回路から得られるモータ回転速度情
報、あるいは、モータトルクに比例した情報、例えばト
ルクセンサなどの出力、などが用いられるが、どちらか
一方の情報でもよいし両方の情報が入力されていてもよ
い。
【0051】通電分配手段8は、上記のロータ位相検出
手段5で検出された回転位相と、上記の通電位相設定手
段7で設定された通電位相設定値とに基づいてモータコ
イルヘの通電タイミングを決定し、この通電タイミング
に従って、インバータ回路4内の各駆動素子ごとに通電
信号を分配している。
【0052】このように、本実施形態に係るモータ制御
装置は、ロータ位相検出手段5によってモータの回転
位相を検出し、これを通電分配手段8に入力し、通電
位相設定手段7によって電流が最小となるように通電位
相を設定・変更し(詳細は後述する)、通電分配手段
8によって回転位相を基準として通電位相設定値分だ
け、通電位相を進ませ、あるいは遅らせて通電タイミン
グが決定されるとともに、U,V,W各相へ通電信号の
分配が行われ、IPMモータ1が所定の回転条件で、
最高効率にて回転される構成となっている。
【0053】次に、上記通電位相設定手段7における動
作について詳細に説明する。前記したように、モータと
してIPMモータを用いる場合には、リラクタンストル
クおよびフレミングトルクの割合に応じて最適な通電タ
イミングが存在する。この最適な通電タイミング、すな
わち通電位相では効率が最大となり、それ以外の通電位
相では効率が悪化することになる。
【0054】上記の効率を、IPMモータ1、インバー
タ回路4、およびA/Dコンバータ3を含めた総合効率
として考えると、この効率は(出力電力)/(入力電
力)で表される。上記の出力電力はモータの回転数およ
びトルクから求まり、入力電力はコンバータ回路への入
力電圧および電流で求まる。なお、一般に入力電圧は、
定格の電源電圧として与えられるので、入力電圧はほぼ
一定であるとすれば、入力電力は電流を検出するだけで
求めることができる。
【0055】ここで、ある回転条件下での通電位相設定
値に対する電源電流の特性をグラフに示すと、図3のよ
うになる。図3の特性1のグラフにおいて、最小の電源
電流Imin となっている通電位相β0が最適通電位相で
あり、通電位相をβ0に設定することで入力電力が最
小、つまり効率が最大となる。なお、この図3におい
て、X軸の通電位相設定値は右にいくほど進み位相とな
っている。本実施形態における通電位相設定手段7は、
通電位相を、この最小電流となる通電位相β0に自動的
に制御するものである。
【0056】図4も交えながら、通電位相設定手段7に
よる、通電位相を、最小の電流となる通電位相β0へ設
定する通電位相設定方法を説明する。
【0057】図4は、通電位相設定手段7における処理
の流れを示すフローチャートである。まず、ステップ5
1(以下、S51のように表記する)において、所定時
間Twaitが経過しているかが判断される。この所定時間
Twaitは一定の時間として設定してもよいが、後述する
ように設定すればより効果的である。
【0058】S51の後、S52において、回転条件に
変更があったかどうかの判断が行われる。変更がなかっ
た場合には(S52においてNO)、後述するS54以
降の処理を行う。変更があった場合には(S52におい
てYES)、S53において、通電位相設定値βを、そ
の回転条件に対応した脱調、および効率の極端な悪化が
起こらない通電位相初期値βini に設定し、後述するS
60を実行して一連の処理を終了する。そして、その後
の所定時間Twait経過後から、再び最小の電流を探索し
ていくS51からの処理が繰り返して行われる。
【0059】S54では、電源電流検出手段6で検出さ
れた電流値がInow として読み込まれる。
【0060】S55では、前回読み込まれた電流値Ila
stと今回読み込まれた電流値Inowとが比較され、電流
の変化の方向、すなわち、前回に比べて電流が増加した
か、減少したかが判断される。そして、この比較結果が
電流値比較結果としてIresultに格納される。
【0061】S56では、前回の電流値Ilastが読み込
まれた時の通電位相設定値βlastと、今回の電流値Ino
w が読み込まれた時の通電位相設定値βnow とを比較
し、通電位相の変化の方向、すなわち、前回に比べて通
電位相が進んでいるか、遅れているかが判断される。そ
して、この比較結果が通電位相比較結果としてβresult
に格納される。なお、このβresultは、S56において
比較演算するまでもなく、後述する通電位相設定値βの
設定時に分かるものであり、そのときに記憶しておいて
もよい。
【0062】S57では、Iresultとβresultとに対し
て排他的諭理和が行われ、2つの比較結果が判断され
る。
【0063】S58は、S57においてYES、すなわ
ち、Iresult、βresultともに今回の値Inow 、βnow
の方が大きい(>,>)、あるいはIresult、βresult
ともに前回の値Ilast、βlastの方が大きい(<,<)
という結果であった時に処理が行われる。この時には、
通電位相設定値βとしては、前回設定した通電位相設定
値βnow より通電位相変更量Δβだけ減少させた値が設
定される。
【0064】また、S57においてNO、すなわち、上
記の結果以外の時にはS59が実行される。この時に
は、通電位相設定値βとしては、前回設定した通電位相
設定値βnow より通電位相変更量Δβだけ増加させた値
が設定される。
【0065】そして、S60では、βlastにはβnow の
値、βnow にはβの値、IlastにはInow の値をそれぞ
れ記憶させて、1回の処理を終了する。そして以上のよ
うな処理が所定時間Twait毎に繰り返される。
【0066】ここで通電位相設定値βは+方向で位相を
進ませているものとし、S58は通電位相をより遅れ位
相とするもので、S59は通電位相をより進み位相にす
るものである。したがって通電位相設定値βの+−の方
向を逆にした場合には、S57における判定処理を変更
すればよい。
【0067】なお、通電位相の通電位相変更量Δβはあ
る一定値として設定しても構わないが、後述する方法で
あれば更に効果的である。
【0068】次に、以上のような処理を、図3における
特性1のグラフに基づいて具体的に説明する。まず、初
期位相がβs1であった、あるいは回転条件判断でβini1
となったする。そして、この初期位相から通電位相変更
量Δβだけ通電位相を進めたβs2にしたとする。この時
の通電位相の大小関係はβs1<βs2となっており、また
電流の大小関係はIs1>Is2となっている。この時、両
比較結果Iresult、βresultの大小関係は逆であるた
め、S59における処理により、通電位相をさらに通電
位相変更量Δβだけ進ませ、通電位相をβs3とする。そ
の後、図4で示したように、上記と同様の処理を繰り返
すことにより、通電位相はβ0に収束する。
【0069】なお、図4に示す処理を繰り返すと、通電
位相がβ0に収束した後、図3の特性1のグラフにおい
て、β0を中心としたβs4〜βs5の間で、通電位相が変
動することになる。しかしながら、通電位相変更量Δβ
を適当な値に設定することによって、この変動による効
率ダウン、速度変動などを無視できる程度のものとする
ことができる。また、βs4〜βs5の間で通電位相が変動
していることを検出し、β0の位相となった時に、図4
に示す処理をストップさせる構成としてもよい。
【0070】また、回転数・トルク等の回転条件が変わ
った場合には、例えば図3の特性2のグラフに示すよう
に、βa0を中心とした特性となる。仮に、特性1から特
性2に回転条件が変更されたとすると、まず、通電位相
設定初期値βini2が通電位相設定値βに設定され、その
後βa0に制御する最小電流化の制御処理が行われる。な
お通電位相変更量Δβの設定する方法としては後述する
方法が有効である。
【0071】このような処理により、IPMモータ1は
常に最高の効率を得ることができる。すなわち、例え
ば、極端なトルク低下などが生じたとしても、上記のS
52およびS53における処理を行うことによって、新
たに通電位相を設定しなおすことになる。つまり、通電
位相設定値βが、その回転条件においてある程度適した
通電位相に設定されることになる。よって、回転条件が
変更した場合にも、IPMモータ1の効率の低下、ある
いは脱調を防止することが可能となり、高効率運転の信
頼性を高めることができる。
【0072】また、通電位相設定手段7における処理と
して、図4に示すような処理とは異なる方法を、図5に
示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0073】まず、S71において、所定時間Twaitが
経過しているかが判断された後、S72において、回転
条件に変更があったかどうかの判断が行われる。変更が
なかった場合には(S72においてNO)、後述するS
74以降の処理を行う。変更があった場合には(S72
においてYES)、S73において、通電位相の遅れ位
相、進み位相の制限範囲となるリミッタ値βlower 、β
upper を設け、回転条件に応じて、脱調や効率の極端な
悪化が起こらない範囲となる、遅れ通電位相リミッタ値
βlim1、進み通電位相リミッタ値βlim2をそれぞれβlo
wer 、βupperに格納する。
【0074】S74では、電源電流検出手段6で検出さ
れた電流値がInow として読み込まれる。
【0075】S75では、前回読み込まれた電流値Ila
stと今回読み込まれた電流値Inowとが比較され、電流
の変化の方向、すなわち、前回に比べて電流が増加した
か、減少したかが判断される。そして、この比較結果が
Iresultに格納される。
【0076】S76では、前回の電流値Ilastが読み込
まれた時の通電位相設定値βlastと、今回の電流値Ino
w が読み込まれた時の通電位相設定値βnow とを比較
し、通電位相の変化の方向、すなわち、前回に比べて通
電位相が進んでいるか、遅れているかが判断される。そ
して、この比較結果がβresultに格納される。なお、こ
のβresultは、S76において比較演算するまでもな
く、後述する通電位相設定値βの設定時に分かるもので
あり、そのときに記憶しておいてもよい。
【0077】S77では、Iresultとβresultとに対し
て排他的諭理和が行われ、2つの比較結果が判断され
る。
【0078】S78は、S57においてYES、すなわ
ち、Iresult、βresultともに今回の値Inow 、βnow
の方が大きい(>,>)、あるいはIresult、βresult
ともに前回の値Ilast、βlastの方が大きい(<,<)
という結果であった時に処理が行われる。この時には、
通電位相設定値βとしては、前回設定した通電位相設定
値βnow より通電位相変更量Δβだけ減少させた値が設
定される。
【0079】また、S77においてNO、すなわち、上
記の結果以外の時にはS79が実行される。この時に
は、通電位相設定値βとしては、前回設定した通電位相
設定値βnow より通電位相変更量Δβだけ増加させた値
が設定される。
【0080】そして、S80において、通電位相設定値
βがリミッタ値βlower からβupper の範囲内にあるか
が判断される。S80においてYES、すなわち、通電
位相設定値βがリミッタ値βlower からβupper の範囲
内にあると判断された場合には、そのままS82に進
む。また、S80においてNO、すなわち、通電位相設
定値βがリミッタ値βlower からβupper の範囲内にな
いと判断された場合には、S81において、通電位相設
定値βをリミッタ範囲内に修正する処理が行われる。こ
れは、例えば通電位相設定値βがリミッタ値βlower よ
り遅れ位相であった場合には、通電位相設定値βを遅れ
リミッタ値βlower に修正し、通電位相設定値βがリミ
ッタ値βupper より進み位相であった場合には、通電位
相設定値βをリミッタ値βupper に修正する処理が行わ
れる。
【0081】そして、S82では、βlastにはβnow の
値、βnow にはβの値、IlastにはInow の値をそれぞ
れ記憶させて、1回の処理を終了する。そして以上のよ
うな処理が所定時間Twait毎に繰り返される。
【0082】これにより、極端なトルク低下などによっ
て回転条件が大きく変更した場合にも、最適通電位相の
探索処理において、モータの脱調や効率の極端な悪化が
生じるような通電位相に通電位相設定値が設定されてし
まうことを防止することができる。よって、高効率運転
の信頼性を高めることが出来る。
【0083】さらに、通電位相設定手段7における他の
処理として、図6のフローチャートに示すような処理が
ある。この図6に示す処理は、上記で説明した、図4に
示す処理と図5に示す処理を組み合わせた処理となって
おり、初期値を設けることによる効果、およびリミッタ
を設けることによる効果の両方ともを得ることが出来る
処理となっている。以下にこの処理の概略を示す。
【0084】まず、S91において、所定時間Twaitが
経過しているかが判断された後、S92において、回転
条件に変更があったかどうかの判断が行われる。変更が
なかった場合には(S92においてNO)、後述するS
95以降の処理を行う。変更があった場合には(S92
においてYES)、S93において、通電位相設定値β
を、その回転条件に対応した脱調、および効率の極端な
悪化が起こらない通電位相初期値βini に設定する。そ
して、S94において、通電位相の遅れ位相、進み位相
の制限範囲となるリミッタ値βlower 、βupper を設
け、回転条件に応じて、脱調や効率の極端な悪化が起こ
らない範囲となる、遅れ通電位相リミッタ値βlim1、進
み通電位相リミッタ値βlim2をそれぞれβlower 、βup
per に格納する。その後、後述するS103を実行して
一連の処理を終了する。そして、その後の所定時間Twa
it経過後から、再び最小の電流を探索していくS91か
らの処理が繰り返して行われる。
【0085】その後のS95〜S103においては、図
5に示す処理のS74〜S82の処理と同様の処理が行
われる。
【0086】前記したように、通電位相によっては、図
13に示すように、極端に総合トルクTが減少する通電
位相の範囲が存在している。このような通電位相の範囲
内でIPMモータ1を運転すると、最悪の場合にはIP
Mモータ1が脱調してしまうことがある。このような通
電位相は回転条件によって異なっているので、回転条件
が変化した場合には最適な通電位相も変化することにな
る。したがって、回転条件が変化する場合には、脱調、
効率低下、あるいは電流が最小となる最適通電位相へ収
束するのに要する時間が長くなってしまうといった不具
合が生じることが考えられる。
【0087】この点に関して、図4に示す処理において
はS52・S53の処理、図5に示す処理においてはS
72・S73・S80・S81の処理、図6に示す処理
においては、S92・S93・S94・S101・S1
02の処理によって、回転条件の変動に伴う最適通電位
相の変化に対応することが可能となる。したがって、時
々刻々と回転条件が変化するような使用環境において
も、脱調や効率悪化を防止することが可能となり、最高
効率となる通電位相の制御を確実に、かつ高い信頼性の
もとに行うことができる。
【0088】なお、上記の処理において、初期値βini
、およびリミッタ値βlim1・βlim2は、例えば図3の
特性1のグラフに示すような回転条件においては、図3
に示すように、それぞれの値を、上記のような最適通電
位相探索が可能となるような範囲内で設定すればよい。
このような値は、回転条件毎にROM(Read Only Memor
y)等に通電位相情報をあらかじめ格納しておき、それを
呼び出すようにしてもよいし、あるいは計算などで求め
てもよい。
【0089】また、回転条件は、厳密にみれば常に微少
変化しているものであるが、微少な変化であれば初期値
βini 、およびリミッタ値βlim1・βlim2を変更する必
要はない。これは、初期値βini 、およびリミッタ値β
lim1・βlim2を頻繁に変更すると、処理時間の増大を招
いたり、最適通電位相を探索する処理に支障をきたすこ
とも考えられるからである。よって、実験などによって
どれくらいの実験条件の変化で初期値βini 、およびリ
ミッタ値βlim1・βlim2を変更する必要があるかを判定
しておき、これをS52・S72・S92における判断
基準にしておくことが望ましい。
【0090】また、回転条件が変わった場合、一旦電源
電流が最小となる方向とは逆方向に通電位相が変更され
ることがありうるが、これは回転条件変更時の1回のみ
であるので実質問題は少ないし、回転条件が変更された
時には前回の通電位相、電流値などを破棄して、通電位
相を任意に変更して新たな通電位相制御処理を始めても
よい。
【0091】なお、本発明は自動最適位相制御を行うと
ともに、回転条件によって通電位相設定初期値βini 、
あるいはリミッタ値βlim1・βlim2を設定するものであ
り、これらの要件を満たしていれば図4ないし図6のフ
ローチャートの処理のみに限定されるものではない。
【0092】次に、通電位相検出手段7の通電位相変更
量Δβの設定に関して、図7を参照しながら以下に説明
する。図7は、ある回転条件における通電位相とその時
の電源電流との関係を示すグラフである。
【0093】図3を参照しながら説明した処理において
は、通電位相変更量Δβを一定として処理を行っていた
が、本例では通電位相変更量Δβを通電位相変更量に対
する電流の変化量に基づき設定するものである。
【0094】前述しているように、IPMモータ1では
回転条件によって時々刻々と最適な通電位相が変化して
いる。最高効率で運転を行うためには、回転条件の変化
に伴って通電位相を求める必要があり、高速な応答が求
められる。本例に示す処理によって、制御の高速化を確
保し、なおかつ高精度化も実現することができる。
【0095】図7に示すように、本例による処理は、通
電位相に対する電流の変化量の割合が大きい時には通電
位相変更量Δβを大きく設定し、逆に割合が小さい時に
は通電位相変更量Δβを小さく設定するものである。こ
の通電位相変更量Δβは、通電位相に対する電流変化の
微分値計算を行って求めてもよいし、変化割合にしたが
って予め決めておいた変更量に設定してもよいし、通電
位相に関わらず電流の変化量のみに基づいて設定しても
よい。また、例えば電流の変化が所定量以下の場合に
は、通電位相の変更は行わない等、段階的に通電位相変
更量Δβを変更するなどの処理が付加されていてもよ
い。
【0096】これによって、最適通電位相探索が収束す
る時間を短縮することができるとともに、収束後の通電
位相の変動も小さく抑えることができる。したがって、
高速でかつ精度のよい通電位相の制御を行うことが可能
となる。
【0097】次に、通電位相検出手段7における電流読
み込みタイミングとなる所定時間Twaitの設定に関して
以下に説明する。
【0098】IPMモータ1は、下記に示すような様々
な負荷トルクを受けており、それらは変動が全くないこ
とは少なく、周期的な変動を伴っていることが多い。ま
た通常、トルク変動がある場合には、これに伴って変動
する回転数を一定に保とうとするため、電流も同様に変
動することになる。
【0099】図8は、X軸にIPMモータ1における回
転位相θをとり、Y軸にモータ軸受けなどによる負荷ト
ルクをとった時の変動特性を示したグラフである。図8
に示すように、IPMモータ1が1回転する毎に、1回
のトルク変動が発生することが多い。
【0100】図9は、IPMモータ1におけるモータ磁
極数とモータコイル数との最小公倍数の周期で発生する
モータトルクリプルの特性を示すグラフである。図9に
示すように、4極、6コイルモータの場合には、IPM
モータ1が1回転する毎に、12回のトルク変動が生じ
る。
【0101】図10は、スクロール型コンプレッサおよ
びローリングピストン型コンプレッサの圧縮サイクルに
よるトルク変動を示したグラフである。図10に示すよ
うに、比較的トルク変動の少ないとされているスクロー
ル型の圧縮機でも周期的にトルク変動が存在している。
【0102】図11は、モータが組み込まれている機器
のトルク変動の一例を示すグラフである。図11に示す
ように、機器によって様々な周期のトルク変動が発生し
ていることがわかる。
【0103】ここで、前記したように、本実施形態にお
ける通電位相設定手段7では、前回読み込んだ電流値と
今回読み込んだ電流値との比較を行っているが、図8な
いし図11に示すように大きなトルク変動が存在する場
合には、同一のトルク変動位置での電流同士で比較しな
ければ、誤動作を起こしてしまう。
【0104】したがって、各トルク変動に同期した電流
読み込みタイミングとなる所定時間Twaitを設定し、こ
の所定時間Twaitを制御のサイクルとして処理を行って
いる。
【0105】なお、各変動周期の検出は、以下のように
行うことができる。まず、図8に示すような、回転に同
期したトルク変動、および図9に示すようなトルクリブ
ルはロータ位相検出手段5によって検出することができ
る。また、図10に示すようなトルク変動は圧力センサ
などを利用すればよく、図11に示すようなトルク変動
はトルクセンサなどを利用すればよい。
【0106】また、トルク周期の同じ位置で電流比較を
行えばよいので、例えば1周期中に複数回電流読み込み
を行い、同位置同士で比較をしてもよい。
【0107】以上のように所定時間Twaitを設定すれ
ば、読み込まれる電流タイミングは、例えば図8ないし
図11において、Tsに示すように常に同じ変動位置と
なり、正確な比較が実現でき、精度の高い制御が可能と
なる。
【0108】さらに、所定時間Twaitの設定に関して、
以下に示すようなことを考慮することが好ましい。図1
2は、通電位相の変更があった時の、IPMモータ1の
モータ回転速度の時間変化を示すグラフである。
【0109】通常、速度制御回路によるモータ回転速度
の制御には、制御遅れ時間が存在している。すなわち、
回転条件のうちのなんらかの要素が変化するとモータ回
転速度が変化するが、その後所定の回転数に収束するま
でには、ある程度の時間がかかってしまう。例えば、通
電位相を変更してIPMモータ1を運転すると、前記し
た弱め磁束の影響、発生トルクの増減の影響などによっ
て、モータ回転速度が変化することになる。そして、速
度制御回路による制御によってこの変動を抑制するまで
には、図12に示すように制御収束時間Tcnt が必要と
なる。
【0110】この制御収束時間Tcnt 内においてはモー
タ回転速度が変動していることになり、これは回転条件
が変化していることと同じ事となる。よって、この制御
収束時間Tcnt 内において前回の電流値との比較を行っ
ても精度の高い制御を望むことはできない。なお、この
ような、外乱によるモータ回転速度の変動は、速度制御
回路の制御特性が低い場合に特に顕著に表われる。
【0111】したがって、電流読み込みタイミングを決
定する所定時間Twaitを設定する際に、制御収束時間T
cnt を考慮することが好ましい。
【0112】なお、制御収束時間Tcnt は通電位相変更
量Δβなどによって変わってくるが、この制御収束時間
Tcnt をある一定値として定めて、所定時間Twaitを設
定する際に考慮してもよいし、通電位相変更量Δβによ
って所定時間Twaitを設定してもよい。または、実際に
モータ回転速度情報からモータ回転速度の変動量(収束
度)を検出すればより正確に所定時間Twaitを設定する
ことができる。
【0113】また、制御収束時間Tcnt は、モータ回転
速度の変動が所定の範囲内に入っているか否かによって
検出すればよい。また、例えばトルク変動等にも考慮し
て、負荷トルクの変動が大きい時などは、落ち着くまで
の時間、すなわち制御収束時間Tcnt を上記のように検
出し、この結果に応じて所定時間Twaitを設定してもよ
い。
【0114】以上のように所定時間Twaitを設定するこ
とにより、常に同じ回転条件での比較が可能となり精度
の高い制御が実現できる。
【0115】なお、以上の一連の説明において、各処理
に使用している変数の初期値には適当な値が格納されて
いるものとする。また、上記のような処理を行う構成
を、マイコンなどによってソフトウェア的に構成すれ
ば、回路規模を増大させることはない。
【0116】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係るモ
ータ制御装置は、電機子巻線のインダクタンス変化およ
び電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、
永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレ
ミンクトルクとを併用して利用するモータを駆動するモ
ータ制御装置において、上記モータにおけるロータの回
転位相を検出するロータ位相検出手段と、駆動電源にお
ける電源電流の電流値を検出する電源電流検出手段と、
所定時間毎に通電位相設定値を設定する通電位相設定手
段と、上記ロータ位相検出手段で検出された回転位相
と、上記通電位相設定手段で設定された通電位相設定値
から、上記モータにおけるモータコイルへの通電タイミ
ングを決定し、上記モータにおける各駆動素子ごとに通
電信号を分配する通電分配手段とを備え、上記通電位相
設定手段は、前回読み込まれた電流値およびその時の通
電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時
の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づ
いて、通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減
し、新たな通電位相設定値を設定する構成である。
【0117】これにより、回転条件が変動する場合に
も、逐次、最適な通電位相を探索して設定することがで
きる。よって、常に、電源電流が最小となるような最適
通電位相によってモータを駆動することができるので、
効率が極めて優れたモータの運転を行うことができると
いう効果を奏する。
【0118】請求項2の発明に係るモータ制御装置は、
上記通電位相設定手段が、回転条件が変更された際に、
通電位相設定値を、回転条件に応じて設定される通電位
相設定初期値に設定する構成である。
【0119】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、回転条件が大きく変更した場合にも、通電位相
設定値が、その回転条件においてある程度適した通電位
相に設定されることになる。よって、回転条件が大幅に
変更されても、モータの脱調や極端な効率の低下を防止
することが可能となり、モータの高効率運転の信頼性を
高めることができるという効果を奏する。
【0120】請求項3の発明に係るモータ制御装置は、
上記通電位相設定手段が、回転条件に応じて設定される
リミッタ値の範囲内において通電位相設定値を設定する
構成である。
【0121】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、例えば回転条件が大きく変更した場合にも、最
適通電位相の探索処理において、モータの脱調や効率の
極端な悪化が生じるような通電位相に通電位相設定値が
設定されてしまうことを防止することができる。よっ
て、モータの高効率運転の信頼性を高めることができる
という効果を奏する。
【0122】請求項4の発明に係るモータ制御装置は、
上記通電位相設定手段が、通電位相の変更量に対する電
源電流の変化量の割合に基づいて、上記通電位相変更量
を決定する構成である。
【0123】これにより、請求項1ないし3のいずれか
の構成による効果に加えて、通電位相設定値を、回転条
件によって変動する最適通電位相に高速に設定すること
が可能となるとともに、通電位相設定値が最適通電位相
に収束した後の位相変動も小さく抑えることが可能とな
る。よって、高速かつ高精度の通電位相制御が可能にな
るので、モータの運転をさらに高効率で行うことができ
るという効果を奏する。
【0124】請求項5の発明に係るモータ制御装置は、
上記所定時間が、モータのトルク変動に同期するように
設定されている構成である。
【0125】これにより、請求項1ないし3のいずれか
の構成による効果に加えて、電流値の比較をより的確に
行うことが可能となる。よって、最適通電位相の探索を
より正確に行うことができるので、モータの運転をさら
に高効率で行うことが可能となるという効果を奏する。
【0126】請求項6の発明に係るモータ制御装置は、
通電位相が変更された時にモータの回転速度が変動する
場合に、上記所定時間が、このモータの回転速度の変動
が収まるまでの制御収束時間以上となるように設定され
ている構成である。
【0127】これにより、請求項1ないし3のいずれか
の構成による効果に加えて、モータの回転速度の変動に
よって、最適通電位相の探索に悪影響を及ぼすことが防
止される。よって、最適通電位相の探索をより正確に行
うことができるので、モータの運転をさらに高効率で行
うことが可能となるという効果を奏する。
【0128】請求項7の発明に係るモータ制御装置は、
上記通電位相設定手段が、所定時間毎に、今回読み込ん
だ電流値と前回読み込んだ電流値との比較結果を電流値
比較結果として格納するとともに、今回の通電位相設定
値と前回の通電位相設定値との比較結果を通電位相比較
結果として格納し、この電流値比較結果と通電位相比較
結果とに対して排他的論理和演算を行うことによって通
電位相変更量の加減符号を決定し、新たな通電位相設定
値を設定する構成である。
【0129】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、複雑な処理をすることなく、最適通電位相の探
索を行うことができる。すなわち、簡単でかつ効率的
に、モータの最高効率運転を実現することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るモータ制御装置の
概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記モータ制御装置が備えるIPMモータにお
けるロータの内部構成を示す断面図である。
【図3】上記IPMモータにおいて、ある回転条件下で
の通電位相設定値に対する電源電流の特性を示すグラフ
である。
【図4】上記モータ制御装置が備える通電位相設定手段
における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】上記通電位相設定手段における、他の処理の流
れを示すフローチャートである。
【図6】上記通電位相設定手段における、さらに他の処
理の流れを示すフローチャートである。
【図7】上記IPMモータにおいて、ある回転条件下で
の通電位相設定値に対する電源電流の特性および通電位
相変更量を示すグラフである。
【図8】X軸にIPMモータにおける回転位相θをと
り、Y軸にモータ軸受けなどによる負荷トルクをとった
時の変動特性を示したグラフである。
【図9】IPMモータにおけるモータ磁極数とモータコ
イル数との最小公倍数の周期で発生するモータトルクリ
プルの特性を示すグラフである。
【図10】スクロール型コンプレッサおよびローリング
ピストン型コンプレッサの圧縮サイクルによるトルク変
動を示すグラフである。
【図11】モータが組み込まれている機器のトルク変動
の一例を示すグラフである。
【図12】通電位相の変更があった時の、IPMモータ
のモータ回転速度の時間変化を示すグラフである。
【図13】IPMモータにおける、電機子のコイル巻線
へ電流を流すタイミング、すなわち通電位相と、各種ト
ルク値および端子電圧との関係の一例を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 IPMモータ 2 交流電源 3 A/Dコンバータ 4 インバータ回路 5 ロータ位相検出手段 6 電源電流検出手段 7 通電位相設定手段 8 通電分配手段 9 永久磁石 10 鉄心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H550 AA09 BB02 CC06 CC09 DD08 EE03 FF03 GG06 GG07 HB07 JJ03 JJ17 KK06 LL14 LL22 LL24 LL33 LL60 5H560 AA02 BB04 BB17 DA13 DC12 EB01 GG04 JJ08 SS07 XA05 XA06 XA12 5H576 AA10 BB02 CC09 DD02 DD07 EE18 FF03 GG01 GG06 HB01 JJ03 KK06 LL16 LL22 LL25 LL39 LL41 MM20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電機子巻線のインダクタンス変化および電
    機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久
    磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミン
    クトルクとを併用して利用するモータを駆動するモータ
    制御装置において、 上記モータにおけるロータの回転位相を検出するロータ
    位相検出手段と、 駆動電源における電源電流の電流値を検出する電源電流
    検出手段と、 所定時間毎に通電位相設定値を設定する通電位相設定手
    段と、 上記ロータ位相検出手段で検出された回転位相と、上記
    通電位相設定手段で設定された通電位相設定値から、上
    記モータにおけるモータコイルへの通電タイミングを決
    定し、上記モータにおける各駆動素子ごとに通電信号を
    分配する通電分配手段とを備え、 上記通電位相設定手段は、前回読み込まれた電流値およ
    びその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値
    およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比
    較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変
    更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定すること
    を特徴とするモータ制御装置。
  2. 【請求項2】上記通電位相設定手段が、回転条件が変更
    された際に、通電位相設定値を、回転条件に応じて設定
    される通電位相設定初期値に設定することを特徴とする
    請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】上記通電位相設定手段が、回転条件に応じ
    て設定されるリミッタ値の範囲内において通電位相設定
    値を設定することを特徴とする請求項1記載のモータ制
    御装置。
  4. 【請求項4】上記通電位相設定手段が、通電位相の変更
    量に対する電源電流の変化量の割合に基づいて、上記通
    電位相変更量を決定することを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載のモータ制御装置。
  5. 【請求項5】上記所定時間が、モータのトルク変動に同
    期するように設定されていることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載のモータ制御装置。
  6. 【請求項6】通電位相が変更された時にモータの回転速
    度が変動する場合に、上記所定時間が、このモータの回
    転速度の変動が収まるまでの制御収束時間以上となるよ
    うに設定されていることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載のモータ制御装置。
  7. 【請求項7】上記通電位相設定手段が、所定時間毎に、
    今回読み込んだ電流値と前回読み込んだ電流値との比較
    結果を電流値比較結果として格納するとともに、今回の
    通電位相設定値と前回の通電位相設定値との比較結果を
    通電位相比較結果として格納し、この電流値比較結果と
    通電位相比較結果とに対して排他的論理和演算を行うこ
    とによって通電位相変更量の加減符号を決定し、新たな
    通電位相設定値を設定することを特徴とする請求項1記
    載のモータ制御装置。
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