JP2000209426A - 電子透かし埋込装置および方法ならびに電子透かし埋込機能付ディジタル・カメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 主画像が見にくくなるのを抑えて著作権情報
を表示し，かつ電子透かしによって著作権情報を埋め込
む。 【構成】 被写体像のうち，主被写体像ＯＢの部分の画
像を表す画像データに電子透かしによって著作権情報を
埋め込む（領域62）。主被写体像と重ならないように著
作権情報を可視表示する（領域61）。主被写体像が見に
くくなるのを抑えて，著作権情報を表示できる。可視表
示されている著作権情報が除かれても電子透かしによっ
て著作権情報が埋め込められているので，その著作権情
報を読み出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】この発明は，画像データに所定の情報を電
子透かしによって埋め込む電子透かし埋込装置および方
法ならびに電子透かしによる情報の埋め込みが可能なデ
ィジタル・カメラおよびその制御方法に関する。

【０００２】

【発明の背景】ディジタル画像は，その複写が容易であ
る。ディジタル画像の違法な複写を防止するために，デ
ィジタル画像中の一部に著作権者を示すキャラクタを重
ねることがある。

【０００３】ところが，ディジタル画像の中の主画像を
除く部分に著作権者を示すキャラクタを重ねると，その
キャラクタを取り除くことにより，著作権者がわからな
くなってしまう。ディジタル画像中において，主画像の
著作権者がわからないので，肝心の主画像についての違
法な複写を防止することができない。

【０００４】主画像についての違法な複写を防止するた
めに，ディジタル画像の中の主画像上に著作権者を示す
キャラクタを重ねると，主画像が見にくくなる。

【０００５】

【発明の開示】この発明は，主画像についての違法な複
写を防止しつつ，主画像が見やすくなるようにすること
を目的とする。

【０００６】第１の発明による電子透かし埋込装置は，
被写体像を表す画像データに，与えられる埋込情報を電
子透かしによって埋め込む電子透かし埋込手段，上記画
像データによって表される被写体像のうち主画像を除く
位置に，与えられるキャラクタ・データによって表され
るキャラクタを可視表示するように上記画像データと上
記キャラクタ・データとを合成するキャラクタ合成手
段，および上記電子透かし埋込手段により上記埋込情報
が埋め込められた画像データに，上記キャラクタ・デー
タを合成して合成されたデータを出力するように上記キ
ャラクタ合成手段を制御する，または上記キャラクタ合
成手段によって上記キャラクタ・データが合成された上
記画像データに上記埋込情報を埋め込んで出力するよう
に上記電子透かし埋込手段を制御する出力制御手段を備
えていることを特徴とする。

【０００７】第１の発明は，上記装置に適した方法も提
供している。すなわち，この方法は，被写体像を表す画
像データに，与えられる埋込情報を電子透かしによって
埋め込む電子透かし埋込手段，および上記画像データに
よって表される被写体像に，与えられるキャラクタ・デ
ータによって表されるキャラクタを可視表示するように
上記画像データと上記キャラクタ・データとを合成する
キャラクタ合成手段を備えた電子透かし埋込装置におい
て，上記電子透かし埋込手段により上記埋込情報が埋め
込められた画像データによって表される被写体像のうち
主画像を除く位置の画像データに上記キャラクタ・デー
タを合成して合成されたデータを出力するように上記キ
ャラクタ合成手段を制御する，または上記キャラクタ合
成手段によって上記キャラクタ・データが合成された上
記画像データによって表される被写体像のうち主画像を
除く位置の画像データに上記埋込情報を埋め込んで出力
するように上記電子透かし埋込手段を制御することを特
徴とする。

【０００８】第１の発明によると，被写体像を表す画像
データに，与えられる埋込情報が電子透かしによって埋
め込められる。さらに，上記被写体像の中において，主
画像を除く位置にキャラクタが可視表示されるように上
記画像データと上記キャラクタ・データとが合成され
る。

【０００９】得られるデータによって表される画像は，
主画像を除く位置にキャラクタが表示され，かつ埋込情
報が電子透かしによって埋め込まれているものとなる。
キャラクタは，たとえば，著作権者を示すものであって
もよいし，その他の情報であってもよい。また，埋込情
報も著作権者を示すものであってもよいし，その他の情
報であってもよい。さらに，キャラクタと埋込情報とが
同じものであっても良いし異なるものであってもよい。

【００１０】キャラクタは，主画像を除く位置に可視表
示されるので，主画像が見にくくなることを防止でき
る。被写体像を表す画像データには，電子透かしによっ
て埋込情報が埋め込まれている。キャラクタを取り除い
ても，埋込情報が被写体像に埋め込まれている。埋込情
報が，例えば，著作権者を示すものであれば，キャラク
タが取り除かれてもその著作権者を確認することができ
る。

【００１１】一例としては，上記主画像を除く位置であ
って，あらかじめ定められた位置に上記キャラクタを可
視表示するように上記画像データと上記キャラクタ・デ
ータとを合成する。

【００１２】キャラクタは，あらかじめ定められた位置
に可視表示されるので，キャラクタの可視表示の位置指
定が不要となる。

【００１３】上記埋込情報を埋め込む画像位置を指定す
る埋込位置指定手段をさらに備え，上記埋込位置指定手
段によって指定された埋込位置にもとづいて上記埋込情
報を上記画像データに電子透かしによって埋め込むよう
にしてもよい。

【００１４】所望の位置に上記埋込情報を埋め込むこと
ができる。

【００１５】上記キャラクタの可視表示位置を指定する
可視表示位置指定手段をさらに備え，上記可視表示位置
指定手段によって指定された位置に上記キャラクタが可
視表示されるように上記画像データと上記キャラクタ・
データとを合成するようにしてもよい。

【００１６】被写体像の中でキャラクタを所望の位置に
可視表示させることができる。もちろん，可視表示させ
る位置は，被写体像の中において主画像を除く位置であ
るのはいうまでもない。

【００１７】第２の発明による電子透かし埋込機能付き
ディジタル・カメラは，被写体を撮像し，被写体像を表
す画像データを出力する撮像手段，上記撮像手段から出
力される画像データに，与えられる埋込情報を電子透か
しによって埋め込む電子透かし埋込手段，上記画像デー
タによって表される被写体像のうち主画像を除く位置
に，与えられるキャラクタ・データによって表されるキ
ャラクタを可視表示するように上記画像データと上記キ
ャラクタ・データとを合成するキャラクタ合成手段，上
記電子透かし埋込手段により上記埋込情報が埋め込めら
れた画像データに，上記キャラクタ・データを合成して
合成されたデータを出力するように上記キャラクタ合成
手段を制御する，または上記キャラクタ合成手段によっ
て上記キャラクタ・データが合成された上記画像データ
に上記埋込情報を埋め込んで出力するように上記電子透
かし埋込手段を制御する出力制御手段，および上記出力
制御手段から出力されたデータを記録媒体に記録する記
録制御手段を備えていることを特徴とする。

【００１８】第２の発明は，上記カメラに適した制御方
法も提供している。すなわち，この方法は，被写体を撮
像し，被写体像を表す画像データを出力するディジタル
・カメラにおいて，上記画像データに，与えられる埋込
情報を電子透かしによって埋め込む電子透かし埋込手
段，および上記画像データによって表される被写体像
に，与えられるキャラクタ・データによって表されるキ
ャラクタを可視表示するように上記画像データと上記キ
ャラクタ・データとを合成するキャラクタ合成手段を設
け，上記電子透かし埋込手段により上記埋込情報が埋め
込められた画像データによって表される被写体像のうち
主画像を除く位置の画像データに上記キャラクタ・デー
タを合成して合成されたデータを出力するように上記キ
ャラクタ合成手段を制御する，または上記キャラクタ合
成手段によって上記キャラクタ・データが合成された上
記画像データによって表される被写体像のうち主画像を
除く位置の画像データに上記埋込情報を埋め込んで出力
するように上記電子透かし埋込手段を制御し，上記電子
透かし埋込手段または上記キャラクタ合成手段から出力
されたデータを記録媒体に記録するものである。

【００１９】第２の発明によっても，キャラクタは，主
画像を除く位置に可視表示される。このため，主画像が
見にくくなることを防止できる。また，被写体像を表す
画像データには，電子透かしによって埋込情報が埋め込
まれる。キャラクタを取り除いても，埋込情報が被写体
像に埋め込まれている。埋込情報が，例えば，著作権者
を示すものであれば，キャラクタが取り除かれてもその
著作権者を確認することができる。

【００２０】

【実施例の説明】図１は，この発明の実施例を示すもの
で，ディジタル・カメラの背面図である。

【００２１】ディジタル・カメラ１の背面には，その左
上方に光学的ビュー・ファインダ３が形成されている。

【００２２】ディジタル・カメラ１の背面の右上方に
は，回転自在なモード・ダイアル４が形成されている。
このモード・ダイアル４には，様々なモードを示す絵が
記載されている。モード・ダイアル４の左側には指標６
が形成されている。この指標６の位置に，モード・ダイ
アル４に記載されている絵が位置決めされることによ
り，ディジタル・カメラ１は，位置決めされている絵に
よって定められるモードとなる。

【００２３】モード・ダイアル４の中には，上下左右の
矢印が記載されている十字キー５が形成されている。こ
の十字キー５上に記載されている上下左右の矢印のうち
いずれかの矢印上を押すことにより，後述するように，
画像表示用液晶表示器９の表示画面に表示される枠が上
下左右のうち押された矢印の方向に移動する。

【００２４】ディジタル・カメラ１の背面の左下方に
は，画像表示用液晶表示器９が設けられている。この液
晶表示器９の表示画面上に撮像した被写体像，再生画像
などが表示される。ディジタル・カメラ１のユーザは，
光学的ビュー・ファインダ３から見える被写体像または
液晶表示器９に表示されている被写体像を見ながら，カ
メラ・アングルを決めることとなる。

【００２５】液晶表示器９の上には，電源ボタン８およ
び実行ボタン７が設けられている。

【００２６】ディジタル・カメラ１の上面の右側（図１
において右側）には，シャッタ・レリーズ・ボタン２が
形成されている。さらに，ディジタル・カメラ１の上面
においては，シャッタ・レリーズ・ボタン２の左側に各
種情報を表示するための操作用液晶表示器が形成されて
いる（図１においては見えない）。

【００２７】図２は，ディジタル・カメラ１の電気的構
成を示すブロック図である。

【００２８】ディジタル・カメラ１の全体の動作は，メ
インＣＰＵ11によって統括される。

【００２９】モード・ダイアル４によって設定されたモ
ードを表す信号，十字キー５の矢印を押下を示す信号，
実行ボタン７の押下を示す信号および電源ボタン８の押
下を示す信号は，メインＣＰＵ11に入力する。さらに，
シャッタ・レリーズ・ボタン２の押し下げを表す信号も
メインＣＰＵ11に入力する。

【００３０】各種情報を表示するための操作用液晶表示
器24は，その表示がメインＣＰＵ11によって制御され
る。

【００３１】ディジタル・カメラ１は，後述するように
被写体像表す画像データに電子透かしによって著作権情
報（埋込情報）を埋め込むことができる。このためにデ
ィジタル・カメラ１には，著作権情報埋込回路20が含ま
れている。ディジタル・カメラ１は，電子透かしによっ
て埋め込まれた著作権情報を解読することも可能であ
る。このためにディジタル・カメラ１には，著作権情報
解読回路21も含まれている。

【００３２】ディジタル・カメラ１には，著作権情報EE
PROM25も含まれている。このEEPROM25に著作権情報埋込
回路20によって埋め込まれるべき著作権情報が記憶され
ている。ディジタル・カメラ１は，ドライバ26を介し
て，パーソナル・コンピュータと通信することができ
る。パーソナル・コンピュータからディジタル・カメラ
１に著作権情報が送信され，著作権情報EEPROM25に記憶
される。

【００３３】さらに，ディジタル・カメラ１は後述する
ように著作権情報（キャラクタ）を被写体像の主被写体
を除く部分に可視表示するように合成することができ
る。この合成処理のためにディジタル・カメラ１には，
画像合成回路23が含まれている。

【００３４】ディジタル・カメラ１には，電源28が含ま
れており，この電源28からディジタル・カメラ１を構成
する各種回路に動作電源が供給される。

【００３５】ディジタル・カメラ１には，測光および測
距処理を制御するための測光／測距ＣＰＵ30が含まれて
いる。測光／測距ＣＰＵ30によって，制御される充電／
発光回路31によって，ストロボ32の発光光量および発光
タイミングが制御される。

【００３６】撮像レンズ・ユニット12には，フォーカス
・レンズおよび絞りが含まれており，撮像レンズ・ユニ
ット12によって被写体像がＣＣＤ13の受光面上に結像す
る。このＣＣＤ13は，クロック・ジェネレータ33から出
力されるクロック信号にもとづいて動作する。

【００３７】電源ボタン８がオンとされると，被写体が
撮像される。被写体像を表す映像信号がＣＣＤ13から出
力される。映像信号は，撮像回路14を単に通過して，ア
ナログ／ディジタル変換回路15に入力する。アナログ／
ディジタル変換回路15において，映像信号からＲＧＢの
ディジタル画像データに変換される。ディジタル画像デ
ータは，バッファ・メモリ16を通過し，ＹＣ処理回路19
に入力する。

【００３８】ＹＣ処理回路19において，ディジタル画像
データから輝度データＹおよび色差データＣが生成され
る。輝度データＹおよび色差データＣがＹＣ／ＲＧＢ変
換回路22に入力する。ＹＣ／ＲＧＢ変換回路22におい
て，輝度データＹおよび色差データＣがＲＧＢ画像デー
タに戻される。ＲＧＢ画像データがドライバ27を介して
画像表示用液晶表示器９に入力し，撮像した被写体像が
動画で表示される。

【００３９】シャッタ・レリーズ・ボタン２が押される
と，被写体像を表す画像データは，ディジタル・カメラ
１に装着されているメモリ・カード35に記録される。こ
の実施例によるディジタル・カメラ１においては，上述
したように被写体像を表す画像データに著作権情報を電
子透かしによって埋め込むことができ，かつ，著作権情
報を被写体像に可視表示するように画像合成することが
できる。このために，電子透かしによって画像データに
埋め込み，かつ可視表示するように画像合成する著作権
情報をあらかじめ設定する。

【００４０】図３は，著作権情報設定の処理手順を示す
フローチャートである。図４から図６は，画像表示用液
晶表示器９の表示画面の一例を示している。

【００４１】モード・ダイアル４が回され，著作権設定
モードとされる。すると，EEPROM25に記憶されている著
作権情報が読み出される（ステップ41）。画像表示用液
晶表示器９には，図４に示すような著作権情報設定画面
が表示される（ステップ42）。

【００４２】著作権情報設定画面には，設定可能な著作
権情報を表示する領域50が含まれている。ここでは，３
つの著作権情報，「１．ABC co.ltd」，「２．Izumi
Miyake」および「３．ABC Service」が設定可能であ
り，これらの著作権情報が領域50に表示されている。領
域50の右側には，選択する著作権情報を指定するための
カーソル51が表示されている。このカーソル51は，領域
50に表示されている３つの著作権情報のいずれかを指す
ように下方向に移動可能に設定されている。ディジタル
・カメラ１の十字キー５の下矢印を押すことにより，カ
ーソル51が１つ下に移動する。著作権情報設定画面の下
方には，現在設定されている著作権情報を表示する領域
52が形成されている。この領域52内に，カーソル51によ
って指されている著作権情報が表示される。

【００４３】カーソル51の位置を制御するために，イン
デックス・ポインタ値の概念が導入される。このインデ
ックス・ポインタ値は，カーソル51が１つ下がるごとに
インクレメントされるものである。インデックス・ポイ
ンタ値と著作権情報とは一義的に定まっている。「１．
ABC co.ltd」の著作権情報は，インデックス・ポイン
タ値が「０」によって特定され，「２．Izumi Miyak
e」の著作権情報は，インデックス・ポインタ値「１」
によって特定され，「３．ABC Service」の著作権情報
は，インデックス・ポインタ値「２」によって特定され
る。著作権情報設定画面が画像表示用液晶表示器９に表
示されると，インデックス・ポインタ値がクリアされる
（ステップ43）。

【００４４】著作権情報設定画面が最初に表示されると
きは，カーソル51は，領域50の最上段に表示されている
著作権情報を指している。このときのインデックス・ポ
インタ値は「０」であるから，実行ボタン７が押される
と（ステップ44でＹＥＳ），インデックス・ポインタ値
「０」で指定される著作権情報（1.ABC Service）が設
定される（ステップ49）。

【００４５】実行ボタン７が押されずに（ステップ44で
ＮＯ），十字キー５の下矢印が押されると（ステップ45
でＹＥＳ），現在のインデックス・ポインタ値が１より
大きいかどうかが確認される（ステップ46）。インデッ
クス・ポインタ値が１より大きければ，カーソル51はす
でに最下段の位置にあるので，それ以上，下には移動で
きない。このためにカーソル51は，最上段の著作権情報
を指すように移動させられる。インデックス・ポインタ
値が１以下であれば，カーソル51は下方向に移動可能で
ある。

【００４６】インデックス・ポインタ値が１以下であれ
ば（ステップ46でＮＯ），インデックス・ポインタ値が
インクレメントされ，カーソル51が現在の位置よりも１
つ下の著作権情報を指すように移動させられる（ステッ
プ48）。インデックス・ポインタ値が１よりも大きけれ
ば（ステップ46でＹＥＳ），インデックス・ポインタ値
がクリアされ，カーソル51は，最上段の著作権情報を指
すように移動させられる（ステップ47）。

【００４７】カーソル51が設定すべき著作権情報の位置
を指すように動かされ，実行ボタン７が押されることに
より著作権情報の設定処理が終了する。

【００４８】著作権情報の設定が終了すると，画像表示
用液晶表示器９には図５に示す電子透かし位置設定画面
が表示される。

【００４９】電子透かし位置設定画面には，現在ＣＣＤ
13によって撮像されている被写体像ＯＢが表示される。
さらに，電子透かし位置設定枠53が表示される。電子透
かし位置設定枠53の大きさは，あらかじめ定められてい
る。画像表示用液晶表示器９に電子透かし位置設定画面
が表示されたときに十字キー５の矢印が押されることに
より，押された矢印の方向に設定枠53が移動する。設定
枠53の大きさを変えることができるようにしてもよい。

【００５０】設定枠53が表示されているときに，実行ボ
タン７が押されることにより，その設定枠53内の被写体
像の画像を表す画像データに後述するように著作権情報
が電子透かしによって埋め込められる。電子透かしの埋
込位置（設定枠53の設定位置）は，被写体像の中の主画
像の位置でも良いし，主画像を除く位置でも良いが，好
ましくは，主画像の位置とされる。被写体像から主画像
のみを切り出されても電子透かしによって埋め込められ
た著作権情報を読み出すことができる。

【００５１】電子透かし設定位置が設定されると，画像
表示用液晶表示器９には，図６に示すような合成位置設
定画面が表示される。

【００５２】合成位置設定画面にも，現在ＣＣＤ13によ
って撮像されている被写体像ＯＢが表示される。さら
に，合成位置設定枠55が表示される。合成位置設定枠55
は，被写体像上に重ねて可視表示すべき著作権情報の位
置を設定するためのものである。合成位置設定枠55は，
撮像している被写体像のうち主被写体像の領域54に重な
らないように位置決めされる。このために，合成位置設
定画面となると，設定枠55は，図６に示すように領域54
と重ならないように左下の部分にあらかじめ位置決めさ
れて表示されている。著作権情報を可視表示する位置が
この位置で良ければ，ユーザによって実行ボタン７が押
される。十字キー54の矢印が押されると，その押された
矢印が示す方向に設定枠55が移動する。主画像の領域54
に重ならないように設定枠55を移動させる。これによ
り，著作権情報が被写体像上に重ねて表示されても主画
像上には重ならないので，主画像が見にくくなるのを防
止できる。

【００５３】画像表示用液晶表示器９の表示画面上にタ
ッチ・パネルを設け，主画像が存在する領域54の座標位
置を入力できるようにすることもできる。これにより，
領域54と設定枠55とが重なる場合には，設定枠55が位置
決めできないようにすることができる。また，領域54と
設定枠55とが重なるように位置決めされた場合には，警
告するようにしてもよい。

【００５４】いずれにしても，著作権情報，電子透かし
位置および合成位置の設定がすべて終わる（設定された
結果はメモリ（図示略）に記憶されているのはいうまで
もない）と，シャッタ・レリーズ・ボタン２の押し下げ
により被写体像を表す画像データの記録処理が行われ
る。もっとも，被写体像を表す画像データをメモリ・カ
ード35に一旦記録したあとに，著作権情報，電子透かし
位置および合成位置の少なくとも１つを設定するように
してもよい。

【００５５】図７は，画像データの記録処理の処理手順
を示すフローチャートである。図８から図10は，画像表
示用液晶表示器９の表示画面の一例を示している。

【００５６】シャッタ・レリーズ・ボタン２が押される
と（ステップ62でＹＥＳ），著作権情報が設定済かどう
かが確認される（ステップ63）。

【００５７】著作権情報が設定されていると（ステップ
63でＹＥＳ），ＣＣＤ13から出力された映像信号は，撮
像回路14において，白バランス調整，ガンマ補正などの
所定の撮像処理が行われる。映像信号は，ディジタル画
像データに変換されバッファ・メモリ16に一時的に格納
される（ステップ64）。バッファ・メモリ16に格納され
ている画像データによって表される被写体像が図８に示
すものである。

【００５８】ディジタル画像データは，バッファ・メモ
リ16から読み出され，輝度データおよび色差データに変
換されて画像合成回路23に入力する。EEPROM25から設定
された著作権情報が読み出され，画像合成回路23に入力
する。画像合成回路23において，被写体像を表す画像デ
ータと著作権情報を表すデータとが，設定枠55で設定さ
れた位置に著作権情報が可視表示されるように合成され
る（ステップ65）。合成された画像データが圧縮／伸長
回路17において，データ圧縮される。圧縮された画像デ
ータは，インターフェィス18を介してメモリ・カード35
に与えられ，記録される（ステップ66）。合成された画
像データによって表される画像が図９に示すものであ
る。著作権画像は，主被写体像ＯＢと重ならないように
左下の領域61に可視表示されている。

【００５９】つづいて，著作権情報が合成された画像デ
ータがメモリ・カード35から読み出される。読み出され
た画像データは，透かし情報埋込回路20に入力する。ま
た，設定された著作権情報もEEPROM25から読み出され，
透かし情報埋込回路20に入力する。透かし情報埋込回路
20において，電子透かしにより，上述したように設定枠
53内の画像を表す画像データに著作権情報が埋め込めら
れる（ステップ67）。たとえば，ＤＣＴ（Discrete Cos
ine Transform）変換により得られるＤＣ成分に透かし
ビットを埋め込むことにより実現できる。もっとも，電
子透かしには色々な手法があるので，電子透かしによっ
て埋め込められた著作権情報が可視表示されなければ，
そのいずれの方法を用いても良い。図10は，主画像の一
部を表す部分の画像データに著作権情報が電子透かしに
よって埋め込められた様子を示している。電子透かしに
よって埋め込められた著作権情報は，目で見ることがで
きないが，ここでは，わかりやすくするために著作権情
報が埋め込められている様子を領域62で示している。

【００６０】電子透かしが埋込められた画像データがメ
モリ・カード35に記録される。

【００６１】領域61で示す部分に可視表示された著作権
情報が削除されても，電子透かしによって著作権情報が
埋め込められているので，画像の著作権に関する情報を
確認することができる。また，可視表示される著作権情
報は，主画像以外の部分に表示されるので，主画像が見
にくくなることを防止できる。

【００６２】シャッタ・レリーズ・ボタン２が押された
ときに著作権情報がまだ設定されていなければ（ステッ
プ63でＮＯ），ユーザに警告が行われる（ステップ6
8）。

【００６３】上述の実施例では，可視表示される著作権
情報と電子透かしによって埋め込められる著作権情報と
が同一のものであるが，可視表示される著作権情報と電
子透かしによって埋め込められる著作権情報とを異なる
ものとしてもよい。その場合には，設定枠53または54ご
とに著作権情報が選択されることとなろう。

【００６４】また上述した実施例では画像合成後に電子
透かしによる埋込み処理を行なっているが，電子透かし
による埋込み処理後に画像合成処理を行なうようにして
もよい。

【００６５】図11は，他の実施例を示すもので，電子透
かし埋込装置の構成を示している。

【００６６】ネットワークを介して，端末装置78および
79と処理装置70とが接続されている。処理装置70には，
上述したディジタル・カメラ１のバッファ・メモリ16，
圧縮／伸長回路17，ＹＣ処理回路19およびメインＣＰＵ
11に相当する回路が含まれている。

【００６７】処理装置70には，被写体像を表す画像デー
タが格納されているデータベース71，著作権情報を表す
データが格納されているデータベース72および著作権情
報が可視表示され，かつ著作権情報が電子透かしによっ
て埋め込められた画像データを格納するためのデータベ
ース73が接続されている。さらに，処理装置70には，著
作権情報を電子透かしによって埋め込むための著作権情
報埋込装置74，著作権情報を可視表示で画像に合成する
ための画像合成装置75，電子透かしによる著作権情報の
埋込位置および合成位置を指定するためのパーソナル・
コンピュータ76および画像を読み取り，その画像を表す
画像データを出力するための画像入力装置77が接続され
ている。

【００６８】画像入力装置77によって画像が読み取ら
れ，その画像を表す画像データが得られる。画像データ
は，画像データベース71に入力し，格納される。また，
著作権情報がパーソナル・コンピュータ76によって生成
され，その著作権情報を表すデータがデータベース72に
格納される。

【００６９】データベース72から著作権情報が読み出さ
れ，パーソナル・コンピュータ76に含まれる表示装置の
表示画面上に，図４に示すような著作権情報設定画面が
表示される。ユーザは，その著作権情報設定画面を見な
がら，上述したように著作権情報を設定する。

【００７０】著作権情報の設定が終了すると，データベ
ース71から所望の画像を表す画像データが読み出され，
図５に示すような電子透かし位置設定画面がパーソナル
・コンピュータ76に含まれる表示装置の表示画面上に表
示される。ユーザは，電子透かし設定画面を見ながら，
著作権情報を電子透かしによって埋め込むべき位置を設
定する。この設定が終了すると，図６に示すような合成
位置設定画面が表示装置の表示画面上に表示される。合
成位置設定画面を見ながら，合成位置が設定される。

【００７１】著作権情報の選択，電子透かしの埋込位置
および合成位置のすべての設定が終了すると，画像デー
タが画像合成装置75に入力する。画像合成装置75によ
り，指定された合成位置に著作権情報が可視表示される
ように画像合成処理が行われる。これにより，図９に示
すように著作権情報が可視表示された画像が得られる。
著作権情報が合成された画像データは，著作権情報埋込
装置74に入力し，設定された位置に著作権情報が電子透
かしによって埋め込まれる。

【００７２】著作権情報が可視表示されるように画像合
成され，かつ，電子透かしによって著作権情報が埋め込
められた画像データがデータベース73に格納されること
となる。データベース73に格納された画像データにより
図10に示すように著作権情報が可視表示され，かつ，主
被写体像の部分の画像を表す画像データに著作権情報が
電子透かしによって埋め込められた画像が得られること
となる。

【００７３】上述した実施例においてはハードウェア的
な回路によって各処理が行なわれるようにされている
が，処理の一部またはすべてをソフトウェアによって実
現することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ディジタル・カメラの背面図である。

【図２】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロッ
ク図である。

【図３】著作権情報の設定の処理手順を示すフローチャ
ートである。

【図４】画像表示用液晶表示装置に表示される画面の一
例を示している。

【図５】画像表示用液晶表示装置に表示される画面の一
例を示している。

【図６】画像表示用液晶表示装置に表示される画面の一
例を示している。

【図７】ディジタル・カメラの処理手順を示すフローチ
ャートである。

【図８】画像表示用液晶表示装置に表示される画面の一
例を示している。

【図９】画像表示用液晶表示装置に表示される画面の一
例を示している。

【図１０】画像表示用液晶表示装置に表示される画面の
一例を示している。

【図１１】電子透かし埋込装置の構成を示している。

【符号の説明】

１ ディジタル・カメラ ５ 十字キー ７ 実行ボタン ９ 画像表示用液晶表示器 11 メインＣＰＵ 20 著作権情報埋込回路 23 画像合成回路 25 著作権情報EEPROM 70 処理装置 71 著作権情報埋込装置 75 画像合成装置 76 パーソナル・コンピュータ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被写体像を表す画像データに，与えられ
   る埋込情報を電子透かしによって埋め込む電子透かし埋
   込手段，上記画像データによって表される被写体像のう
   ち主画像を除く位置に，与えられるキャラクタ・データ
   によって表されるキャラクタを可視表示するように上記
   画像データと上記キャラクタ・データとを合成するキャ
   ラクタ合成手段，および上記電子透かし埋込手段により
   上記埋込情報が埋め込められた画像データに，上記キャ
   ラクタ・データを合成して合成されたデータを出力する
   ように上記キャラクタ合成手段を制御する，または上記
   キャラクタ合成手段によって上記キャラクタ・データが
   合成された上記画像データに上記埋込情報を埋め込んで
   出力するように上記電子透かし埋込手段を制御する出力
   制御手段，を備えた電子透かし埋込装置。
2. 【請求項２】 上記キャラクタ合成手段は，上記主画像
   を除く位置であって，あらかじめ定められた位置に上記
   キャラクタを可視表示するように上記画像データと上記
   キャラクタ・データとを合成するものである，請求項１
   に記載の電子透かし埋込装置。
3. 【請求項３】 上記埋込情報を埋め込む画像位置を指定
   する埋込位置指定手段をさらに備え，上記電子透かし埋
   込手段は，上記埋込位置指定手段によって指定された埋
   込位置にもとづいて上記埋込情報を上記画像データに電
   子透かしによって埋め込むものである，請求項１に記載
   の電子透かし埋込装置。
4. 【請求項４】 上記キャラクタの可視表示位置を指定す
   る可視表示位置指定手段をさらに備え，上記キャラクタ
   合成手段は，上記可視表示位置指定手段によって指定さ
   れた位置に上記キャラクタが可視表示されるように上記
   画像データと上記キャラクタ・データとを合成するもの
   である，請求項１に記載の電子透かし埋込装置。
5. 【請求項５】 被写体を撮像し，被写体像を表す画像デ
   ータを出力する撮像手段，上記撮像手段から出力される
   画像データに，与えられる埋込情報を電子透かしによっ
   て埋め込む電子透かし埋込手段，上記画像データによっ
   て表される被写体像のうち主画像を除く位置に，与えら
   れるキャラクタ・データによって表されるキャラクタを
   可視表示するように上記画像データと上記キャラクタ・
   データとを合成するキャラクタ合成手段，上記電子透か
   し埋込手段により上記埋込情報が埋め込められた画像デ
   ータに，上記キャラクタ・データを合成して合成された
   データを出力するように上記キャラクタ合成手段を制御
   する，または上記キャラクタ合成手段によって上記キャ
   ラクタ・データが合成された上記画像データに上記埋込
   情報を埋め込んで出力するように上記電子透かし埋込手
   段を制御する出力制御手段，および上記出力制御手段か
   ら出力されたデータを記録媒体に記録する記録制御手
   段，を備えた電子透かし埋込機能付ディジタル・カメ
   ラ。
6. 【請求項６】 被写体像を表す画像データに，与えられ
   る埋込情報を電子透かしによって埋め込む電子透かし埋
   込手段，および上記画像データによって表される被写体
   像に，与えられるキャラクタ・データによって表される
   キャラクタを可視表示するように上記画像データと上記
   キャラクタ・データとを合成するキャラクタ合成手段を
   備えた電子透かし埋込装置において，上記電子透かし埋
   込手段により上記埋込情報が埋め込められた画像データ
   によって表される被写体像のうち主画像を除く位置の画
   像データに上記キャラクタ・データを合成して合成され
   たデータを出力するように上記キャラクタ合成手段を制
   御する，または上記キャラクタ合成手段によって上記キ
   ャラクタ・データが合成された上記画像データによって
   表される被写体像のうち主画像を除く位置の画像データ
   に上記埋込情報を埋め込んで出力するように上記電子透
   かし埋込手段を制御する，電子透かし埋込方法。
7. 【請求項７】 被写体を撮像し，被写体像を表す画像デ
   ータを出力するディジタル・カメラにおいて，上記画像
   データに，与えられる埋込情報を電子透かしによって埋
   め込む電子透かし埋込手段，および上記画像データによ
   って表される被写体像に，与えられるキャラクタ・デー
   タによって表されるキャラクタを可視表示するように上
   記画像データと上記キャラクタ・データとを合成するキ
   ャラクタ合成手段を設け，上記電子透かし埋込手段によ
   り上記埋込情報が埋め込められた画像データによって表
   される被写体像のうち主画像を除く位置の画像データに
   上記キャラクタ・データを合成して合成されたデータを
   出力するように上記キャラクタ合成手段を制御する，ま
   たは上記キャラクタ合成手段によって上記キャラクタ・
   データが合成された上記画像データによって表される被
   写体像のうち主画像を除く位置の画像データに上記埋込
   情報を埋め込んで出力するように上記電子透かし埋込手
   段を制御し，上記電子透かし埋込手段または上記キャラ
   クタ合成手段から出力されたデータを記録媒体に記録す
   る，ディジタル・カメラの制御方法。