JP2000209009A - 伸縮式アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 性能を損なわずして可及的小さく少ない部品
で様々な機種に対応可能な小型の伸縮式アンテナを提供
する。 【構成】 棒状のアンテナ本体５をその軸方向に可動に
して筒状の伸縮ガイド４に挿通する。伸縮ガイド４には
操作ノブ７を装置するとともに圧縮コイルバネなどで成
る弾性体１０を内蔵する。弾性体１０はアンテナ本体５
をその先端方向に射出するためのものであって、アンテ
ナ本体５の軸方向に沿って伸縮可能に装置される。一
方、アンテナ本体５の先端側には縮小時に弾性体１０に
より押圧される受圧部１６を形成する。そして、操作ノ
ブ７を押圧してアンテナ本体５の先端部の係止を解除す
ることにより、アンテナ本体５が弾性体１０の復元力を
得て先端方向に射出され、このときその末端部が伸縮ガ
イド４内に導入して支持されることにより伸長状態を保
つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話やラジオ又
はトランシーバなどの受信機、送信機に用いられる伸縮
式アンテナに関し、特にＰＨＳを含む携帯電話用伸縮式
アンテナに係わるものであり、詳細には純正アンテナに
代えて電話機の筺体に装着可能であって使用時にはワン
タッチで伸長することのできる軽便な伸縮式アンテナに
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、携帯電話の普及が顕著であるが、
これらの通信機器に用いられるアンテナとして、短小な
固定式のほか伸縮式のものが知られる。その伸縮式アン
テナとしては多段状のものが主流であるが、単式の棒状
にして伸長操作をワンタッチで行えるようにしたものが
ある。なお、携帯電話に用いられる伸縮式アンテナの多
くは折損時などに交換できるよう着脱可能とされてお
り、その交換品として上記のようなワンタッチで伸長可
能な伸縮式アンテナが賞用されている。

【０００３】その種のアンテナを図７に示して説明すれ
ば、Ａはアンテナ本体であり、このアンテナ本体Ａは軸
方向に動き得るようにして筒状の伸縮ガイドＧに通され
ている。伸縮ガイドＧはその下端に形成されるネジ式の
接続部ｇをもち、その接続部ｇにより図示せぬ電話機の
筺体に形成される取付部に装着可能とされている。特
に、伸縮ガイドＧの下端には樹脂製その他で成るのガイ
ドパイプＰを接続し、その中に圧縮コイルバネで成る弾
性体Ｓを収容し、その弾性体Ｓでアンテナ本体Ａの末端
部を支持している。そして、アンテナ本体Ａをガイドパ
イプＰ内に押し込むことにより弾性体Ｓが縮小され、そ
の復元力でアンテナ本体Ａが伸長するようにしてある。

【０００４】一方、アンテナ本体Ａの先端部には伸縮ガ
イドＧに設けられる操作ノブＮの部位にて係止される被
係止部ａが形成され、その被係止部ａと操作ノブＮの部
位との係合により、弾性体Ｓの作用によるアンテナ本体
Ａの飛び出しが防止されるようになっている。而して、
上記のように構成される伸縮式アンテナによれば、アン
テナ本体Ａを伸縮ガイドＧを通じて携帯電話などの筺体
内に収納することができ、しかも使用時には操作ノブＮ
の押圧操作によりアンテナ本体Ａの先端部を解除するこ
とのみでアンテナ本体Ａを容易に伸長することができ
る。そして、そのアンテナ本体Ａは弾性体Ｓで支持され
たまま伸長状態を保つことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ように構成される伸縮式アンテナによれば、アンテナ本
体の末端部に導電性のある弾性体が接触するため、アン
テナ本体の感度が悪くなるなどアンテナ特性に悪影響を
及ぼしてしまうという欠点があった。更に、アンテナ本
体の末端部に弾性体が直列状に連ねられることから全長
が大きく、これを装置し得る対応機種が少ない上、携帯
電話などの機器本体にはその収納スペースを確保しなけ
ればならないので小型軽量化に悪影響を及ぼすことにな
る。

【０００６】又、伸長したアンテナ本体を弾性体で支持
し続けるようにしていることから弾性体としてバネ長の
大きなものを用いる必要があり、しかもこれを収納する
ガイドパイプを伸縮ガイドに接続していることからコス
ト高になる。

【０００７】本発明は以上のような事情に鑑みて成され
たものであり、その目的とする処は性能を損なわずして
可及的小さく少ない部品で様々な機種に対応可能な小型
の伸縮式アンテナを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、筺体に装着される筒状の伸縮ガイドと、この
伸縮ガイドに通される棒状のアンテナ本体とを有して成
り、前記伸縮ガイドは前記アンテナ本体を押し下げたと
き変形して該アンテナ本体をその先端側に向けて付勢す
る弾性体と、該弾性体の復元力に抗して前記アンテナ本
体の先端部を係止するロック手段とを含み、前記弾性体
は伸縮ガイドに内蔵されてロック手段によるアンテナ本
体の先端部の係止を解除したときに復元しつつ該アンテ
ナ本体をその先端側に向けて射出するとともに、アンテ
ナ本体はその先端側に前記弾性体で押圧される受圧部を
形成して弾性体による射出によりその末端部が伸縮ガイ
ド内に導入して支持されるようにしたことを特徴とする
伸縮式アンテナを提供するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の適用例を図面に基
づいて詳細に説明する。先ず、図１は携帯電話を示す。
同図において、１はプラスチックなどにて形成される電
話機の筺体であり、この筺体１の上部には筒状の取付部
２が形成される。３は当該部位に取り付けた本願に係る
伸縮式アンテナであり、この伸縮式アンテナ３は筺体１
の取付部３に固定する数ｃｍ程度の短小な筒状の伸縮ガ
イド４と、この伸縮ガイドに通した１０ｃｍ程度の軸長
をもつ棒状のアンテナ本体５とで構成される。そして、
この伸縮式アンテナ３によれば、アンテナ本体５を伸縮
ガイド４を通じて筺体１の内部に収納し、収納したアン
テナ本体５を通話時など必要に応じて想像線の如く伸長
させることができる。

【００１０】次に、図２は伸縮ガイドを部分的に破断し
て示した斜視図である。この図で明らかにするように、
伸縮ガイド４はその下部外周に筺体１に装着するための
接続部６として所定ピッチのネジを形成する。又、伸縮
ガイド４の上部側には操作ノブ７と該操作ノブを水平方
向に付勢するバネ８とを内蔵する。このうち、操作ノブ
７はその一端を伸縮ガイドの外周面より僅かに突出する
ヘッド部７Ａとして、他端がバネ８にてヘッド部７Ａ側
に押圧されるようにしている。又、その操作ノブ７にお
いて、ヘッド部７Ａの裏面側に延びる部位には、アンテ
ナ本体５の先端部を係止するロック手段として、アンテ
ナ本体５が通る円形の透孔７Ｂを形成する。つまり、バ
ネ８にてアンテナ本体５の軸直角方向に付勢される操作
ノブ７によれば、後述の如くアンテナ本体５を押し下げ
たとき透孔７Ｂの縁がアンテナ本体５の先端部の部位に
係止して、その軸方向への移動を規制することができ
る。又、操作ノブ７はロック解除機能も兼ねる。つま
り、ヘッド部７Ａをバネ８の弾力に抗して押圧すること
により、アンテナ本体５の先端部の部位と透孔７Ｂとの
係止を容易に解除することができる。なお、図２におい
て、９は透孔７Ｂに対向して伸縮ガイド４の先端中心部
に穿設した開口であり、この開口９からアンテナ本体５
が外部に向けて伸長される。

【００１１】次に、図３は伸縮ガイドの縦断面を示す。
この図で明らかなように、伸縮ガイド４には上述のバネ
８とは別に圧縮コイルバネで成る弾性体１０とリング状
の座金１１が内蔵される。弾性体１０はアンテナ本体５
の軸方向に沿って伸縮可能に内蔵されており、この弾性
体１０とその上部に配置される座金１１にはアンテナ本
体５が通される。なお、伸縮ガイド４の内部には弾性体
１０と座金１１とを格納し得る円筒形の領域１２Ａが形
成され、その領域１２Ａの下端は段状の着座部１３とし
て弾性体１０の下面を支持できるようにしてある。又、
伸縮ガイド４の内部には上述の領域１２Ａを挟んでその
上下に別の領域１２Ｂ，１２Ｃが形成される。このう
ち、上部の領域１２Ｂには上述の操作ノブ７とバネ８と
が格納され、下部領域１２Ｃにはアンテナ本体５の伸長
時にその末端部が導入される。

【００１２】特に、この下部領域１２Ｃにはアンテナ本
体５の末端部を支持する支持具として割溝をもつ円筒形
の板バネ１４が装置され、この板バネ１４の内部にアン
テナ本体５の末端部が圧入するようにしてある。ここ
で、伸縮ガイド４は弾性体１０を格納し得るよう、その
格納領域１２Ａを二分する治具本体４Ａと該治具本体に
ねじ接続される口金４Ｂとで構成される。

【００１３】一方、アンテナ本体５は、芯材として形状
記憶合金その他の導体線から成るエレメント５Ａ、この
エレメント５Ａを挿入する樹脂製のスリーブ５Ｂ、エレ
メント５Ａの一端に固定する飾り玉５Ｃ、及びエレメン
ト５Ａの他端に固定する端子５Ｄとで構成される。ここ
で、飾り玉５Ｃの軸部には操作ノブの透孔７Ｂにて係止
される被係止部として凹状の縊れ１５が形成されるとと
もに、その軸部は座金１１が通り得ない径にして、その
下端部すなわちスリーブ５Ｂとの接続部分がテーパ状の
受圧部１６として形成される。そして、その受圧部１６
はアンテナ本体５を図３の如く押し下げたとき座金１１
を介して弾性体１０により押圧される。

【００１４】ここで、以上のように構成される伸縮式ア
ンテナ３によれば、図３に示すようにアンテナ本体５を
押し下げて縮小したとき、アンテナ本体５はその先端側
に形成される受圧部１６が弾性体１０で押圧されて先端
方向に付勢されたまま、その先端部に形成される縊れ１
５が操作ノブの透孔７Ｂにて係止されることにより縮小
状態を保つ。そして、この状態において、操作ノブのヘ
ッド部７Ａを押圧するだけでアンテナ本体５を伸長させ
ることができる。つまり、バネ８の弾力に抗して操作ノ
ブのヘッド部７Ａを押圧すると、操作ノブの透孔７Ｂと
アンテナ本体の縊れ１５との係合が断たれるために、弾
性体１０にて先端方向に付勢された状態にあるアンテナ
本体５は弾性体１０の復元力により先端側に向けて勢い
よく射出される。なお、弾性体１０は座金１１が領域の
上端に達した段階で伸びきるが、アンテナ本体５は無抵
抗のまま初速を保って伸び続け、その末端部の端子５Ｄ
が伸縮ガイド４内に導入した時点で制止される。このと
き、端子５Ｄは板バネ１４の内部に圧入して支持される
のであり、このためアンテナ本体５は弾性体１０とは非
接触にして末端部を伸縮ガイド４で支持されたまま伸長
状態を保つことができる。

【００１５】一方、アンテナ本体５を縮小するには、そ
の先端を押圧するだけで足りる。すなわち、アンテナ本
体５の先端を押圧すると、先ず端子５Ｄが伸縮ガイド４
の内部から押し出され、次いで受圧部１６が座金１１に
接触することになる。そこで、弾性体１０の弾力に抗し
てアンテナ本体５の先端を圧し続ければ、アンテナ本体
５はその受圧部１６で弾性体１０を縮小させつつ降下
し、やがて先端部が操作ノブ７にて係止されることにな
る。ところで、受圧部１６がアンテナ本体５の末端部側
に向けて細くなるテーパ状とされていることから、当該
部位が操作ノブの透孔７Ｂを通過するときの負荷が少な
く、アンテナ本体５を円滑に縮小させることができる
が、その受圧部１６を直角面としても良く、このとき操
作ノブ７を押したままアンテナ本体５を円滑に縮小させ
ることができる。なお、図４（Ａ）にはアンテナ本体の
縮小状態、図４（Ｂ）にはアンテナ本体の伸長状態が概
略的に示される。

【００１６】次に、図５に基づいて上記伸縮式アンテナ
の組立例を説明すれば、先ずアンテナ本体５を飾り玉５
Ｃを未装着のまま伸縮ガイドの治具本体４Ａの下方から
挿入し、その先端側から弾性体１０、座金１１、及び口
金４Ｂを順に通し、最後に飾り玉５Ｃを装着してその軸
部をかしめて固定する。そして、治具本体４Ａと口金４
Ｂとを結合して上記の伸縮式アンテナ３を得る。ところ
で、この伸縮式アンテナ３における電波の送受信はアン
テナ本体５の縮小時において、エレメント５Ａと飾り玉
５Ｃ、操作ノブ７、バネ８並びに伸縮ガイド４とを通じ
て成され、アンテナ本体５の伸長時にはエレメント５Ａ
と飾り玉５Ｃ、端子５Ｄ、板バネ１３並びに伸縮ガイド
７とを通じて成される。

【００１７】以上、本発明の好適な一例を説明したが、
板バネ１４は必ずしも設けることに限らず、端子５Ｄを
伸縮ガイド４内に圧入して支持されるような径をもつテ
ーパ状にするなどにしてもよい。又、座金１１について
も同様であり、受圧部１６を弾性体１０に適応する大径
にするか、若しくは弾性体１０として受圧部１６に適応
する小径のコイルバネを用いるかして座金１１を省略す
ることもできる。

【００１８】更に、アンテナ本体５の射出に用いる弾性
体１０として圧縮コイルバネのほか板バネなども利用可
能である。図６は、その一例を示した概略図であり、本
例の弾性体２０は板バネにして受圧部１６の進路上で伸
縮ガイド４に内蔵される。そして、この弾性体２０もア
ンテナ本体５の縮小時にその受圧部１５により変形され
つつアンテナ本体５を先端方向に付勢し、ロック手段か
らアンテナ本体５を解放したときには弾性体２０の復元
をもってアンテナ本体５が先端方向に射出される。な
お、図６はアンテナ本体５が縮小状態にあって弾性体２
０が垂れ下がった状態に変形されているが、アンテナ本
体５の伸長時には上記例と同様にアンテナ本体５と非接
触であって水平状に復元する。

【００１９】なお、本願に係る伸縮式アンテナ３は携帯
電話用に限らず、携帯ラジオ用又はトランシーバ用など
としての用途がある上、伸縮ガイド４を装着する筺体１
は必ずしも機器本体に限らず、例えば車載テレビ用にし
て車体に装着することもできる。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば伸縮ガイドに弾性体を内蔵するとともにアンテナ
本体の先端側にその弾性体で押圧される受圧部を形成
し、ロック手段によるアンテナ本体の先端部の係止が解
除されたときにアンテナ本体が弾性体の復元力を得て先
端方向に射出されるようにしたため、従来のようにアン
テナ本体の末端側に弾性体を直列状に連ねて配置したも
のに比べ全長を短くでき、このため様々な機種に適用す
るばかりでなく携帯電話など機器本体の小型軽量化にも
貢献する。

【００２１】しかも、アンテナ本体は弾性体による射出
でその末端部が伸縮ガイドに導入して支持されることか
ら、弾性体に頼らずアンテナ本体の伸長状態を保つこと
ができ、弾性体もアンテナ本体を射出するだけで足る小
型のものを用いることができる。特に、アンテナ本体が
伸長時に弾性体と非接触になることから、アンテナ特性
に悪影響が及ぶことが無く感度を良好にできる。又、従
来品のように弾性体を収納するためのガイドパイプを伸
縮ガイドに接続する必要もなくなることから、可及的小
型で少数の部品により低コストにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願に係る伸縮式アンテナを取り付けた携帯電
話を示す正面概略図

【図２】同伸縮式アンテナの伸縮ガイドを部分的に破断
して示した斜視図

【図３】同伸縮式アンテナの内部構造を示した拡大断面
図

【図４】同伸縮式アンテナにおけるアンテナ本体の伸縮
状態を示した概略図

【図５】同伸縮式アンテナの分解図

【図６】本願に係る伸縮式アンテナの他の実施形態を示
した概略図

【図７】従来の伸縮式アンテナを示した正面図

【符号の説明】

１ 筺体 ３ 伸縮式アンテナ ４ 伸縮ガイド ５ アンテナ本体 ７ 操作ノブ １０、２０ 弾性体 １４ 板バネ １５ 縊れ １６ 受圧部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筺体に装着される筒状の伸縮ガイドと、
   この伸縮ガイドに通される棒状のアンテナ本体とを有し
   て成り、前記伸縮ガイドは前記アンテナ本体を押し下げ
   たとき変形して該アンテナ本体をその先端側に向けて付
   勢する弾性体と、該弾性体の復元力に抗して前記アンテ
   ナ本体の先端部を係止するロック手段とを含み、前記弾
   性体は伸縮ガイドに内蔵されてロック手段によるアンテ
   ナ本体の先端部の係止を解除したときに復元しつつ該ア
   ンテナ本体をその先端側に向けて射出するとともに、ア
   ンテナ本体はその先端側に前記弾性体で押圧される受圧
   部を形成して弾性体による射出によりその末端部が伸縮
   ガイド内に導入して支持されるようにしたことを特徴と
   する伸縮式アンテナ。