JP2000208799A - 薄膜構成体の加工方法 - Google Patents

薄膜構成体の加工方法

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JP2000208799A
JP2000208799A JP11006815A JP681599A JP2000208799A JP 2000208799 A JP2000208799 A JP 2000208799A JP 11006815 A JP11006815 A JP 11006815A JP 681599 A JP681599 A JP 681599A JP 2000208799 A JP2000208799 A JP 2000208799A
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processing
thin
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oscillators
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JP11006815A
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Masataka Kondo
正隆 近藤
Takayuki Suzuki
孝之 鈴木
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常のレーザ加工では困難とされていた数μ
mオーダーの厚みの薄膜積層体のレーザ加工を精度良く
一度のレーザ加工で実現すること。 【解決手段】 前記レーザパルスの照射元が波長や焦点
位置の異なる複数のレーザ発振器と該レーザ発振器から
のレーザ光線を略同一の加工点に集光する光学系で構成
され、前記複数の異なるレーザ発振器のQスイッチの動
作が同期して動作し、パルス発生のタイミングを相互に
調整できるようにする。特に厚い半導体層を有する薄膜
太陽電池の加工に有効な発明である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に構成され
た薄膜構成体のレーザ加工方法、特に加工速度を高速化
するための技術、並びに複数のレーザ加工内容を連続的
に行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】産業界では、レーザを用いた加工方法が
広く一般的に普及しており、材料の切断、溶接、表面の
改質、さらには基板表面の材料の除去がこの方法で行わ
れている。基板表面の材料の除去するには、材料が吸収
する波長のレーザ光をその表面に直接あるいは透明な基
板や透明な膜を介して照射する。その光線エネルギーは
材料によって吸収され熱に変わることにより、材料の熱
変化あるいは蒸発を誘発して材料の除去が行われる。
【0003】透明基板を用いる場合においては、たとえ
ば特開昭61−14727に開示されているように基板
側の膜にレーザ光を照射して蒸発、または剥離を発生さ
せて、その上にある膜を同時に除去する方法も行われて
いる。
【0004】これらの技術は、大面積の基板に精密な加
工が成される分野に特に有効であり、プラズマディスプ
レー(PDP)、薄膜太陽電池等のパターニングが実際
に活用されている。
【0005】本発明が特に意図する応用分野は後者の薄
膜太陽電池である。
【0006】この方式の太陽電池では、既に特開昭57
−12568などで開示されているようにレーザパター
ニング技術により短冊形状の薄膜太陽電池素子を複数直
列接続するように構成する集積技術が用いられている。
【0007】集積構造では、透明基板上の透明電極を等
間隔に施された第1の分離線によって互いに隔てられた
複数個の短冊状の透明電極細条を形成し、光によって起
電力を発生する半導体層を形成した後に、第1の分離線
から近接した部分に施された第1の分離線と概略同じ間
隔の第2の分離線によって互いに隔てられた半導体層細
条を形成し、裏面電極層を形成した後に第2の分離線か
ら近接した部分に第1の分離線と反対側に施された第1
の分離線と等間隔に施された第3の分離線によって互い
に隔てられた裏面電極細条からなり、隣同志の素子の透
明電極細条と裏面電極細条とは第2の分離線の部分で接
続され、その結果多数の素子が直列接続された構造にな
っている。
【0008】この集積構造もしくは第3の分離線で裏面
電極層と半導体層を分離した集積構造は、昭和55年よ
り広く用いられている。また、発電領域である直列接続
された短冊状太陽電池素子の並びの両端には発生した電
力を取り出す為の電極領域が形成されている。
【0009】発電領域及び電極領域が透明絶縁基板の全
体にわたることは通常はなく、モジュールに組み込む場
合にフレームに隠れる部分や半導体や裏面電極を製膜す
る装置の基板支持枠に隠れて製膜されない部分があるた
めに、基板周辺の5mm〜10mm前後の部分は周辺領
域となっている。
【0010】透明電極には、以前はITO(酸化インジ
ウムと酸化スズの混ざったもの)が蒸着法で製膜された
ものが用いられていたが、最近熱CVDで形成されたS
nO2(酸化スズ)のテクスチャー膜が広く用いられて
いる。熱CVD膜の場合はマスク等によって製膜部分を
限定することが困難であり、製膜領域は基板全面にわた
る。
【0011】その結果として前記周辺領域には導電体が
存在し、周辺領域と発電領域及び電極領域を絶縁分離す
る必要が生じている。その方法としては、透明電極を発
電領域及び電極領域の周囲において部分的に除く絶縁分
離ラインによって、周辺領域と絶縁分離されている。絶
縁分離ラインの幅は、素子面を樹脂にて封止した時に絶
縁分離ラインに必要な絶縁耐圧1500Vが得られるこ
とが重要であり、その為に100μm以上を設定してい
る。
【0012】レーザ加工にて、この幅を得る方法として
は、特開平8−83919に開示されている様に、複数
のレーザスクライブ線を書くことによって作成されてい
る。
【0013】この様に形成された薄膜太陽電池に、EV
A等の充填樹脂のシート並びにテドラーなどのフッ素系
の樹脂シートを重ねて真空ラミネート法で封止し、アル
ミフレームと端子箱を設置して薄膜太陽電池モジュール
を作成する。
【0014】以上の様にレーザ加工法はパターニングに
極めて有効な技術であり、既に多数の発明がなされ技術
が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この加工法
の大きな問題点は、基板上に集光点を走査してなされ
る、いわゆる点書きの一筆書きの加工の為に、速度を上
げるのが困難なことである。更には加工する部分の厚み
が大きい場合には、異なる方向、焦点位置又は波長の加
工が必要と成る場合が生じるが、その場合は複数のレー
ザ加工機を用いて加工するか、同じ装置で同じ加工点を
後でなぞって加工しなければならず、ますます、速度的
に遅くなる。また、同じ場所をなぞるためには機械的な
位置精度に対する要求が益々必要になり装置のコストが
高価なものとなる。
【0016】レーザ発振器は、通常の場合、連続発振が
可能であるが、材料加工をする為の高エネルギーの集光
点を得るためには、レーザ媒体にエネルギーを蓄えて、
Qスイッチを用いて充分貯まった時点で光を発生するジ
ャイアントパルスレーザ方式が用いられている。また、
エキシマレーザの様に短時間にしかレーザ発振媒体が存
在せず本質的にパルス発振しかできないレーザが存在
し、この分野の加工のレーザではパルスレーザが用いら
れると考えるのが通常である。一方、走査はレーザ光学
系と基板を相対的に移動することによって行われる。近
年の機械工学の進歩により、その速度は100cm/秒
程度にまで高速化することが可能である。ところが、レ
ーザのQスイッチ周波数の有限であり、単発的なレーザ
の集光点(スポット)を続けて線を描く為には、スポッ
トサイズの周波数倍より少し遅い速度で走査しなければ
ならず、これが加工速度の限界となっていた。たとえ
ば、一般的に販売されているネオジウムYAGレーザ発
振器でガラス上の酸化錫膜を加工する場合、2Wで10
kHzのものを用いて、ビームスポット50μmで加工
する条件があるが、この場合、加工速度の限界は50μ
m×10000で50cm/秒、実際はスポットの重な
りの関係から40cm/秒が限界である。この様な速度
は、1μm以下の厚みの膜にて実現されるものである
が、これに比べて厚い膜、たとえば、CdTeや最近注
目を浴びている薄膜多結晶シリコンの様に2μm以上の
膜を加工するためには、最初に膜の厚みの前半部分、さ
らに後半部分というように2回レーザを通す加工が必要
になり、ますます、加工時間が必要となり産業上大きな
問題となっていた。この様な、問題に対して、同時に複
数のレーザビーム加工機を使って加工深さや近接する加
工部分を別々に加工する方法が提案されたが、薄膜太陽
電池に要求される薄膜構成体の面的な位置精度は10μ
mのオーダーであり、レーザ加工の位置再現性ならびに
装置間の相対精度確保の問題から、困難な課題であり。
【0017】こうした複数の加工を精度良くかつ速度を
確保しながら実現できるレーザ加工装置の開発が急務と
なっていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような課題は本発明
によれば、波長やフォーカス位置の異なるレーザ発振器
を複数発振させ、そのレーザ発振器からのレーザ光線を
略同一の加工点に集光する光学系を用いて集光するとと
もに前記複数のレーザ発振器のQスイッチを同期させて
パルス発生のタイミングを相互に調整できるようにする
ことで解決する。
【0019】
【発明の実施の形態】ここで用いるレーザ発振器は、Q
スイッチのタイミング機構を有している他は本質的には
市販されている従来のものと変わるものでない。また、
一部の商品には外部トリガーによりQスイッチよりレー
ザ光線の発生タイミングを調整できるものも存在する。
【0020】レーザ光線を略同一の加工点に集光する光
学系としては、ハーフミラーを用いたもの、可動式ミラ
ーを用いるものが用いられる。
【0021】また、Qスイッチの同期には外部トリガー
端子付きQスイッチにおいては、外部のパルス発生器を
利用してコントロールするなどの方法が採られる。
【0022】この装置の概略構成のブロックダイアグラ
ム例を図1に示す。複数の異なる形式のレーザ発振器1
a〜1cからの光線はコリメーターにより幅のある平行
光線に変換されて集光光学系2に入射し、この光学系の
出射系からは3つの光が同一の光軸に束ねられて出射す
る。この光はアッティネータ、出射光学系4で所望の強
度に調整され、加工光学系5に入射する、加工光学系で
はレーザ光線は所望の大きさに集光され材料の表面の加
工点7に到達する。基板と加工点は加工走査系6により
相対的な位置が移動してレーザ加工がなされる。この図
では3つのレーザビームがあたかも同時に一つの光線に
束ねられる様に見られるが、実際はタイミングをトリガ
ー装置3ずらしてレーザ光線が発生しているので現実に
はどれか一つのレーザが時間間隔をおいて光線を出射し
ている状態となる。図2にその光線の発生のタイミング
を示す。1a’、1b’、1c’はレーザのパルスを示
す。たとえば1kHzのQスイッチでの動作を想定する
と1aのレーザのパルスの間隔は1msecである。こ
れに同期遅延をかけて333μsecだけずらして1b
のレーザの発振をするようにする。さらに1aから66
7μsecだけずらして1cのレーザを発振するように
する。すると加工点7で得られるレーザの発振は333
μsecおきとなる。図3には、同様の装置を用いて、
中心部に深い溝をその周辺に浅い溝を加工する場合の加
工例を示す。図の上部にはそのタイミングを示す。ま
ず、波長の長く、焦点を絞ったレーザパルス1aを用い
て溝の中心部に下の層の一部まで至る穴を掘る。1aよ
りわずかに遅れて波長が短いレーザパルス1bを照射す
ると上の層の一部が除去される浅い穴が加工される。さ
らに、同じ波長にて1bより焦点位置が加工点側に寄っ
たレーザパルス1cを少し遅らせて照射すると、図3下
図のごとく順番に加工が進む。この3つのパルスが照射
された時点では、穴であるが、レーザと基板との相対位
置を移動することによりこの様に複雑な形状の溝が、一
度に形成される。
【0023】複数のレーザを一つの光速に収束する方法
としては、ハーフミラーを用いる方法もあるが、ミラー
がその周波数で動かすことが可能であれば通常のミラー
を用いるのが好ましい。一例として図4の様に回転する
90度のミラーで同期をかける方法を示した。この方法
では個別のレーザとミラーが正規の場所にある時に発信
する様に同期すればよい。また、この様な、構成の他に
収束後のレーザを分割して複数の加工点にレーザが照射
される構成にしても、本発明の効果はいかんなく発揮さ
れる。レーザの波長や焦点位置について一つの例につい
て今まで説明してきたが、言うまでもなく、レーザの波
長、焦点距離、台数、発振のタイミングを加工の内容に
応じて適宜選択して、本発明を適用することができる。
【0024】また、例えば複数台の出力が異なるレーザ
を用いるときは、出力の高い方のレーザの周波数を上げ
て同期をとることでレーザの能力を無駄なく生かすこと
も可能である。また、それぞれのレーザでの加工後の時
間を確保したいときには加工点をレーザ加工の進行方向
に少しずらすことで、時間調整をすることが可能であ
る。一般的にはレーザの周波数が1〜20kHz程度で
あるのに対して、レーザのパルスは200nsと短く、
20kHzの場合でも1パルスあたりの時間は50μs
ecと長い、この場合デューティー比は250倍であ
り、この発明で複数のレーザの種類または加工工数は実
質上このデューティー比まで増やすことが可能である。
また、多くの場合、加工点の大きさは小さい方がよく、
加工の形状の問題からTEM00で行うのが好ましい。こ
れらの制限事項は、本発明の要部ではなく、従来からの
技術で述べられてきた要部であると言える。従って、本
発明の方法ではそれらの技術要件を採用することで更に
好ましい結果が得られることは言うまでもない。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例を同一の形式のレーザ
発振器を複数用いてガラス上に構成された薄膜太陽電池
という特定の応用について詳細に述べる。
【0026】(実施例1)図5は本発明により薄膜太陽
電池のパターニングを行う際の工程の概略断面図を示
す。
【0027】図5(a)においては、2mmの厚さのガ
ラス基板9上に熱CVD法などの公知の方法で薄い導電
性酸化物からなる透明電極、例えば酸化亜鉛またはフッ
素をドーピングした酸化錫からなる1μmの厚さの膜が
析出されている。全面に設けられた電極膜はNd:YA
Gレーザの直接照射によりストライプ上の個別電極10
に分割される。酸化錫の蒸発温度は非常に高いためレー
ザパルスの強度が要求されることとからビームスポット
を50μmに絞ってエネルギー強度を増加させ、Qスイ
ッチ周波数10kHz、レーザパワー4Wのレーザを用
いて加工することで、100cm/secの速度で加工
することができた。図5(b)においてはストライプ状
電極10上に光電変換半導体膜11、例えば約10μm
のCdTeが析出される。ストライプ状電極10により
規定された個別の薄膜太陽電池素子を後で直列接続する
ために、光電変換膜はストライプ状電極を加工した線に
隣接した位置で除去される。このときは、半導体膜11
の吸収が大きい領域の波長を有するグリーンのNd:Y
AGレーザの第2高調波が好適に用いられる。この加工
の場合、アモルファスシリコンの様に薄い膜であると一
回のレーザパルスで除去することが可能であるが、本実
施例の様に厚い膜では不可能である。そこで、まず、半
導体表面に、このレーザをビームスポット100μmに
収束して照射した。この時点で加工点の半導体は4μm
程度除去される。さらに、パルスのタイミングを10μ
s遅らせて、ビームスポットを80μmと焦点を変更し
て照射した。これにより加工点において半導体は完全に
除去された。
【0028】発明者らの解析により、この半導体の加工
方法の要点として離散した点状の加工でも充分である
が、後に付ける金属の応力により加工点の周辺の膜が剥
がれる事故が起こらないために、加工点の周辺の半導体
が強固に透明電極に付着している必要があることが判っ
た。そのためには、ビームのエネルギー形状が急峻に立
ち上がったものである必要があり、TEM00を用いて1
00μmに集光することがほぼ適当であることが判明し
た。
【0029】ここで用いた装置では、レーザの光学系を
固定した状態にしておき、XYの方向に基板を移動する
加工テーブルを用いた。加工テーブルは精度を持たせる
ために、ボールネジを用い、位置の検出にはガラススケ
ールを用いて測定し、位置とボールネジのモーターには
クローズドループの帰還制御をかけている。
【0030】図5(c)はこの方法を用いて加工した状
態を示している。
【0031】図5(d)では、この状態に裏面電極を構
成し、最初の透明電極の加工線から、半導体を除去した
点線、さらにそれと離して裏面電極を除去して完成した
薄膜太陽電池を示す。裏面電極としては約0.1μmの
ZnOと0.2μmのAlを積層して反射率を増大させ
て半導体内部での光閉じこめ効果を得る構成とした。こ
のときの加工は、加工点のビームスポットを100μm
とし、Qスイッチ周波数10kHz、レーザパワー2W
のレーザを2台用いて100cm/secの速度で加工
することができた。
【0032】このようにして厚い半導体層のパターニン
グを従来の技術では実現不可能な1回の加工で実現し
た。
【0033】また、半導体の厚みが厚い場合に加工のト
レンチが急峻になると、金属層のステップカバレージが
悪くなることがあるが、本実施例の様に穴の深い部分で
若干細くすることで、穴がテーパ状になり良好なステッ
プカバレージが得られる。
【0034】
【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、従来の方
法で不可能であった厚い薄膜積層体のレーザ加工の速度
を一回の加工で実現することが出来るようになった。ま
た、レーザの選択によりテーパ状などの複雑な形状の加
工線が一度に形成できる。これにより、装置の台数を減
らすことが可能になりコストを著しく低減することがで
きるばかりでなく、運転の際のメンテナンスの手間、工
場の面積の低減が実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により薄膜積層体をレーザ加工するため
の装置のブロックダイアグラム
【図2】本発明により薄膜積層体をレーザ加工するため
の装置の複数の異なる形式のレーザ発振器の同期のタイ
ミングの説明図
【図3】本発明により別の実施形態である薄膜積層体を
レーザ加工するための装置の複数の異なる形式のレーザ
発振器の同期のタイミングの説明図
【図4】本発明により薄膜積層体をレーザ加工するため
の装置の複数の異なる形式のレーザ発振器からのレーザ
光線を一つに収束する装置要部の模式図
【図5】本発明により薄膜太陽電池を加工する場合の加
工工程図
【符号の説明】
1a、1b、1c 複数のレーザ発振器 2 コリメータ、収束光学系 3 Qスイッチトリガー系 4 アッティネーター、出射光学系 5 加工光学系 6 加工走査機構 7 集光加工点 8 回転ミラー 9 ガラス基板 10 透明電極ストライプ状電極 11 光電変換半導体膜 12 半導体膜加工部分 13 裏面電極ストライプ状電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月27日(1999.12.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】レーザ発振器は、通常の場合、連続発振が
可能であるが、材料加工をする為の高エネルギーの集光
点を得るためには、レーザ媒体にエネルギーを蓄えて、
Qスイッチを用いて充分貯まった時点で光を発生するジ
ャイアントパルスレーザ方式が用いられている。また、
エキシマレーザの様に短時間にしかレーザ発振媒体が存
在せず本質的にパルス発振しかできないレーザが存在
し、この分野の加工のレーザではパルスレーザが用いら
れると考えるのが通常である。一方、走査はレーザ光学
系と基板を相対的に移動することによって行われる。近
年の機械工学の進歩により、その速度は100cm/秒
程度にまで高速化することが可能である。ところが、レ
ーザのQスイッチ周波数の有限であり、単発的なレーザ
の集光点(スポット)を続けて線を描く為には、スポッ
トサイズの周波数倍より少し遅い速度で走査しなければ
ならず、これが加工速度の限界となっていた。たとえ
ば、一般的に販売されているネオジウムYAGレーザ発
振器でガラス上の酸化錫膜を加工する場合、2Wで10
kHzのものを用いて、ビームスポット50μmで加工
する条件があるが、この場合、加工速度の限界は50μ
m×10000で50cm/秒、実際はスポットの重な
りの関係から40cm/秒が限界である。この様な速度
は、1μm以下の厚みの膜にて実現されるものである
が、これに比べて厚い膜、たとえば、CdTeや最近注
目を浴びている薄膜多結晶シリコンの様に2μm以上の
膜を加工するためには、最初に膜の厚みの前半部分、さ
らに後半部分というように2回レーザを通す加工が必要
になり、ますます、加工時間が必要となり産業上大きな
問題となっていた。この様な、問題に対して、同時に複
数のレーザビーム加工機を使って加工深さや近接する加
工部分を別々に加工する方法が提案されたが、薄膜太陽
電池に要求される薄膜構成体の面的な位置精度は10μ
mのオーダーであり、レーザ加工の位置再現性ならびに
装置間の相対精度確保の問題から、困難な課題である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】複数のレーザを一つの光束に収束する方法
としては、ハーフミラーを用いる方法もあるが、ミラー
がその周波数で動かすことが可能であれば通常のミラー
を用いるのが好ましい。一例として図4の様に回転する
90度のミラーで同期をかける方法を示した。この方法
では個別のレーザとミラーが正規の場所にある時に発信
する様に同期すればよい。また、この様な、構成の他に
収束後のレーザを分割して複数の加工点にレーザが照射
される構成にしても、本発明の効果はいかんなく発揮さ
れる。レーザの波長や焦点位置について一つの例につい
て今まで説明してきたが、言うまでもなく、レーザの波
長、焦点距離、台数、発振のタイミングを加工の内容に
応じて適宜選択して、本発明を適用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】図5(a)においては、2mmの厚さのガ
ラス基板9上に熱CVD法などの公知の方法で薄い導電
性酸化物からなる透明電極、例えば酸化亜鉛またはフッ
素をドーピングした酸化錫からなる1μmの厚さの膜が
析出されている。全面に設けられた電極膜はNd:YA
Gレーザの直接照射によりストライプ状の個別電極10
に分割される。酸化錫の蒸発温度は非常に高いためレー
ザパルスの強度が要求されることとからビームスポット
を50μmに絞ってエネルギー強度を増加させ、Qスイ
ッチ周波数10kHz、レーザパワー4Wのレーザを用
いて加工することで、100cm/secの速度で加工
することができた。図5(b)においてはストライプ状
電極10上に光電変換半導体膜11、例えば約10μm
のCdTeが析出される。ストライプ状電極10により
規定された個別の薄膜太陽電池素子を後で直列接続する
ために、光電変換膜はストライプ状電極を加工した線に
隣接した位置で除去される。このときは、半導体膜11
の吸収が大きい領域の波長を有するグリーンのNd:Y
AGレーザの第2高調波が好適に用いられる。この加工
の場合、アモルファスシリコンの様に薄い膜であると一
回のレーザパルスで除去することが可能であるが、本実
施例の様に厚い膜では不可能である。そこで、まず、半
導体表面に、このレーザをビームスポット100μmに
収束して照射した。この時点で加工点の半導体は4μm
程度除去される。さらに、パルスのタイミングを10μ
s遅らせて、ビームスポットを80μmと焦点を変更し
て照射した。これにより加工点において半導体は完全に
除去された。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された薄膜構成体を、レー
    ザパルスを照射して、一部または全部の薄膜層を他の薄
    膜層からあるいは基板から切り離す薄膜構成体の加工方
    法において、前記レーザパルスの照射元が異なる形式の
    複数のレーザ発振器と該レーザ発振器からのレーザ光線
    を略同一の加工点に集光する光学系で構成され、前記複
    数のレーザ発振器のQスイッチの動作が同期して動作
    し、パルス発生のタイミングを相互に調整できることを
    特徴とする薄膜構成体のレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の異なる形式のレーザ発振器の
    Qスイッチの周波数が同一であることを特徴とする請求
    項1記載の薄膜構成体のレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の異なる形式のレーザ発振器の
    Qスイッチの周波数が整数倍で異なることを特徴とする
    請求項1記載の薄膜構成体のレーザ加工方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の異なる形式のレーザ発振器の
    パルス発生タイミングが同時であることを特徴とする請
    求項1、2記載の薄膜構成体のレーザ加工方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の異なる形式のレーザ発振器の
    パルス発生タイミングがレーザパルス周波数で規定され
    る発生間隔をレーザ発振器の台数で等分割したタイミン
    グで発生する様に調整されていることを特徴とする請求
    項1、2記載の薄膜構成体のレーザ加工方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の異なる形式のレーザ発振器の
    レーザ波長が異なることを特徴とする請求項1〜5記載
    の薄膜構成体のレーザ加工方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の異なる形式のレーザ発振器の
    加工点近傍の焦点位置が異なることを特徴とする請求項
    1〜6記載の薄膜構成体のレーザ加工方法。
  8. 【請求項8】 前記略同一の加工点が加工の進行方向に
    ずれていることを特徴とする請求項1、2記載の薄膜構
    成体のレーザ加工方法。
  9. 【請求項9】 レーザは200ns以下のパルス長を有
    することを特徴とする請求項1〜6記載の薄膜構成体の
    レーザ加工方法。
  10. 【請求項10】 レーザパルス周波数が1〜100kH
    zであることを特徴とする請求項1〜7記載の薄膜構成
    体のレーザ加工方法。
  11. 【請求項11】 レーザのTEM00が使用されることを
    特徴とする請求項1〜8記載の薄膜構成体のレーザ加工
    方法。
  12. 【請求項12】 透明基板を有する薄膜太陽電池のパタ
    ーニングに使用されることを特徴とする請求項1〜9記
    載の薄膜構成体のレーザ加工方法。
  13. 【請求項13】 不透明基板を有する薄膜太陽電池のパ
    ターニングに使用されることを特徴とする請求項1〜9
    記載の薄膜構成体のレーザ加工方法。
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