JP2000022187A - CdS/CdTe太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

CdS/CdTe太陽電池およびその製造方法

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JP2000022187A JP10188791A JP18879198A JP2000022187A JP 2000022187 A JP2000022187 A JP 2000022187A JP 10188791 A JP10188791 A JP 10188791A JP 18879198 A JP18879198 A JP 18879198A JP 2000022187 A JP2000022187 A JP 2000022187A
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cdte
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cds
transparent conductive
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Seiji Kumazawa
誠二 熊澤
Hideaki Oyama
秀明 大山
Akira Hanabusa
彰 花房
Mikio Murozono
幹夫 室園
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Matsushita Battery Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性絶縁基板上に、透明導電膜、CdS膜
およびCdTe膜順次形成し、レーザスクライブ法によ
りCdTe膜をパターニングする際、下地の透明導電膜
が熱的なダメージを受けることを抑止し、優れた出力特
性の太陽電池を提供することを目的とする。 【解決手段】 CdTeの吸収端以下の波長のレーザ光
10を透光性絶縁基板1側から照射することにより、C
dS膜およびCdTe膜7の内、少なくともCdTe膜
を所定のパターンで除去してパターニングを行う。ま
た、レーザ光照射により昇華したCdTeの逸散を容易
にするための空間12をCdTe膜面側に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CdS/CdTe
太陽電池とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽電池を家庭用電力用途等に用いる場
合、所望の動作電圧を得るために、基板内に形成した太
陽電池の構成膜を任意の数のセル単位に分割し、これら
を直列接続する手法がとられている。このようにして作
製されたものを太陽電池のサブモジュールと呼ぶ。Cd
S/CdTe太陽電池のサブモジュールの単セル群は、
ガラス基板などの透光性絶縁基板上に単セル毎に分割さ
れたパターンで形成された透明導電膜(マイナス側電
極)、硫化カドミウム(以下、CdSと記す)の膜、テ
ルル化カドミウム(以下、CdTeと記す)の膜、およ
び単セル毎にCdTe膜上に形成されたカーボン膜など
のプラス側電極から構成される。これらの各単セルのプ
ラス側電極と隣接セルのマイナス側電極とを銀あるいは
銀・インジウムなどの直列接続用電極で電気的に導通さ
せて直列に接続し、サブモジュールが構成される。この
際、CdTe膜とCdS膜を単セル単位に分割し、これ
らのセル間を電気的に接続するために、CdS膜とCd
Te膜を部分的に除去することをパターニングという。
但し、CdS膜が近接昇華法や有機化合物の熱分解法な
どで形成された薄い膜の場合は、膜抵抗が小さいため
に、前記の直列接続用電極をCdS膜に接続することに
よって、マイナス側電極と電気的に導通されるので、C
dS膜を部分的に除去して単セル毎に分割することは必
ずしも必要でなく、CdTe膜のみを分割する場合もあ
る。上記の膜が除去された部分は、発電に寄与しないた
め、この無発電部分の面積を可及的に小さくして、サブ
モジュールの発電効率を向上させる必要がある。
【0003】CdTe膜のパターニング法としては、レ
ーザスクライブ法、リフトオフ法、メカニカルスクライ
ブ法等がある。リフトオフ法は、CdS膜上にカーボン
膜などの耐熱性の膜を所定のパターンで形成した後に、
耐熱性の膜が形成されていない部分のみにCdTe膜を
形成し、その後、耐熱性の膜を除去する方法である。こ
の方法は、簡便ではあるが、耐熱性の膜を確実に除去す
ることが困難である。メカニカルスクライブ法は、Cd
Te膜よりも高硬度の金属等の治具により、所定のパタ
ーンにCdTe膜を削り取る方法である。しかし、Cd
Te膜の端面にバリが発生するため信頼性が乏しく、こ
れを向上させるためには無発電部の面積を大きく確保す
る必要がある。また、CdTe膜をスクライブする際
に、下地のCdS膜も部分的に除去されるので、下地の
透明導電膜と治具が頻繁に接触することになり、透明導
電膜の硬度が極めて高いため治具が摩耗しやすい。その
ため、長期間の安定した幅のスクライブを行うことが困
難である。レーザスクライブ法は、ドライプロセスであ
り、また20〜400μm幅の微細加工が精度良く簡便
に行なえるという特長を持っている。この方法は、A.
D.Compaan らによってThe Conference Record of the 2
5th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (199
6) P769-772などで技術開示されている。この研究では
YAGレーザやエキシマレーザを用いて、CdTe単独
の膜をスクライブする条件を検討している。その中で、
膜厚2μmのCdTe膜の場合に、波長532nm、パ
ルス幅10nsのレーザ光を1.7J/cm2のエネル
ギー密度で照射するのが最適だと記述している。しか
し、本発明で課題とする、下層に透明導電膜等がある場
合のCdTe膜の選択的スクライブについては検討され
ていない。
【0004】積層された複数の膜を選択的にレーザスク
ライブする方法に関しては、従来から、主として非晶質
シリコン太陽電池の分野で提案されている。まず、透明
導電膜上に形成された半導体膜の一部を除去するために
0.6μm以下の波長のレーザ光を照射し、半導体膜の
みを部分的に除去する方法(特開平4−363071号
公報)がある。その一実施例として、透明導電膜上の非
晶質シリコン膜を除去するために、波長0.51μm、
出力2×103W/cm2、連続発振(以下、CWとい
う)のアルゴンレーザを使用している。さらに、透光性
絶縁基板側からレーザ光をスポット状に照射して非晶質
シリコン膜にコンタクトホールを形成する方法(特開平
5−55612号公報)もある。
【0005】非晶質シリコンは、CdTeと比較して、
吸収端波長(700nm程度)以下の光の吸収係数が5
〜10倍程度と非常に大きい。さらに、その膜厚は単接
合太陽電池の場合に0.6μm程度であり、CdTe膜
の5〜10分の1と非常に薄いため、レーザ光を照射し
始めてから膜が完全に除去されるまでの時間が極端に短
い。従って、吸収端以下の波長のレーザ光を用いること
により、下地の透明導電膜に熱的ダメージを与えずにレ
ーザスクライブすることが容易である。さらに、吸収端
以上の波長のレーザ光として、例えば波長1064nm
のYAGレーザの基本波を用いても、スクライブ条件を
最適化すれば、太陽電池特性に悪影響を与えない程度に
透明導電膜のダメージを低減することができるといわれ
ている(例えば、特開昭57−12568号公報)。以
上のように非晶質シリコン膜の場合は、従来の技術によ
っても下地の透明導電膜にダメージを与えることなく、
レーザスクライブすることが可能であったが、CdTe
膜の場合は、光吸収係数、膜厚などが非晶質シリコン膜
と大きく異なるため、以下に述べるように、選択的なレ
ーザスクライブが極めて困難であった。
【0006】CdTe膜の場合は、例えば吸収端(87
0nm)以上の波長であるYAGレーザの基本波(波長
1064nm)を用いたレーザスクライブを行なうと、
CdTeのレーザ光の吸収率が非常に小さいために、レ
ーザ光が照射された部分の深さ方向に深く光が到達し、
さらには下地の透明導電膜にもレーザ光が照射される。
また、このような吸収率の小さいレーザ光で膜を除去す
るためには、大出力のレーザ光の照射が必要となり、し
かもレーザ光が照射を始めてCdTe膜を完全に除去す
るまで透明導電膜にレーザ光を照射し続けるために、下
地の透明導電膜が著しく過熱されて熱的ダメージを受け
る。さらに、レーザ光に対する吸収特性を考慮して、C
dTeの吸収端以下のレーザ光、例えばYAGレーザの
2次高調波(532nm)を用い、CdTe膜面側から
レーザ光を照射すると、レーザ光が照射され始めた段階
ではCdTe膜表面から1μm程度の膜厚部分ですべて
のレーザ光が吸収される。このとき、レーザ光を吸収し
た箇所からCdTe膜の深さ方向、更には下地のCdS
膜に伝熱し、透明導電膜にも伝熱して加熱される。Cd
TeとCdSの昇華が進むにつれて、透明導電膜への伝
熱量が増加し、CdTeが完全に除去されるまで透明導
電膜が加熱され続けるために、やはり透明導電膜が熱的
ダメージを受ける。また、エキシマレーザを用いた場
合、数100Hz程度の周波数しか得ることができず、
高周波数化が困難なためパルス間の距離が大きくなり、
スクライブライン上でのパワー強度のばらつきが大きく
なるので、一部で熱的ダメージの大きいところが生じ
る。
【0007】上記のように従来の技術では、CdTe膜
のレーザスクライブ時に透明導電膜が過熱されることに
より、透明導電膜が部分的に昇華して膜質を著しく悪化
することが避けられなかった。これが、CdS/CdT
e太陽電池の各セルのマイナス側電極としての集電性を
悪化させ、セル間の直列接続抵抗を増大させるために、
変換効率向上の大きな妨げになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点に鑑み、下地の透明導電性膜に熱的ダメー
ジを与えることなく、CdTe膜を高精度にパターニン
グができる新規なレーザスクライブ法を考案し、これに
より、高効率のCdS/CdTe太陽電池を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、透光性絶縁基
板上に透明導電膜とCdS膜およびCdTe膜を順次形
成する太陽電池の製造方法において、前記透光性絶縁基
板側からCdTeの吸収端以下の波長のレーザ光を照射
することにより、前記CdS膜およびCdTe膜の内、
少なくとも前記CdTe膜を所定のパターンで除去する
工程を有するものである。これにより、透明導電膜に与
える熱的なダメージが軽減された状態で、精度良くパタ
ーニングできる。さらに、前記レーザ光により加熱され
て昇華した膜成分を逸散させるための空間を前記CdT
e膜側に設けた状態で、前記透光性絶縁基板側からCd
Teの吸収端以下の波長のレーザ光を照射することによ
り、透明導電膜に与えるダメージが一層軽減された高精
度のパターニングができる。その結果、CdS/CdT
e太陽電池の直列抵抗が低減でき、変換効率を高めるこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、透光性絶縁基板上に透
明導電膜とCdS膜およびCdTe膜を順次形成し、C
dTe膜を除去する箇所に、透光性絶縁基板側からCd
Teの吸収端以下の波長のレーザ光を照射することによ
り、CdS膜およびCdTe膜の内、少なくともCdT
e膜を所定のパターンで除去する工程を経て、CdS/
CdTe太陽電池を構成するものである。CdTeの吸
収端以下の波長のレーザ光は、透明導電膜での吸収が非
常に少なく、しかもCdTe膜での吸収が大きい。Cd
Teの吸収端波長は、CdS/CdTe界面付近の状態
によって若干異なるが、870〜880nmの範囲内に
ある。
【0011】前記のCdTeの吸収端以下の波長のレー
ザ光を透光性絶縁基板側から照射することにより、レー
ザ光を照射し始めた直後にCdS膜との界面近傍のCd
Te膜が光を吸収し昇華する際に、CdS膜および透明
導電膜が一時的に加熱される。しかし、CdTeの昇華
が進むにつれて、光を吸収する箇所と透明導電膜との距
離が離れていき、かつその間に熱伝導するCdTe膜が
存在しなくなるので、透明導電膜への加熱が緩和され
る。これにより、各セルのマイナス側の電極となる透明
導電膜が熱的なダメージを受けることが抑止される。な
お、CdSはCdTeの膜厚(3〜10μm)に対し非
常に薄いため、CdTeのレーザ光吸収熱が伝熱して、
通常はCdTeと同時に昇華する。従って、この方法を
採れば、特にCdS膜が0.1μm以下の薄膜の場合
は、CdTe膜と同じパターンで同時にスクライブされ
る。
【0012】また、本発明は、前記のパターニング工程
において、CdTe膜側に空間を設けた状態で、透光性
絶縁基板側からCdTeの吸収端以下の波長のレーザ光
を照射するものである。前記の空間は、透光性絶縁基板
側から照射したレーザ光を吸収して加熱されたCdTe
およびその熱の伝導により加熱されたCdSが昇華し、
気化した成分を透明導電膜近傍にこもるらせずにCdT
e膜表面から迅速に逸散し易くするために設けるもの
で、これにより、迅速なパターニングが可能となり、透
明導電膜近傍に存在する熱源が減少するため、透明導電
膜がダメージを受けることがより効果的に抑止できる。
【0013】本発明の実施にあたって、レーザ光を照射
する場合、Qスイッチの繰り返し周波数レーザを用いる
ことが望ましい。このレーザを用いれば、CdTeを加
熱して昇華させるに必要な高出力のレーザ光のパルスを
断続的に照射できるので、平均的には低い出力でレーザ
加工が可能となり、通常は1W以下の平均出力で十分で
ある。これにより、透明導電膜が加熱される度合いが一
層軽減されるので、熱的ダメージをさらに効果的に抑止
でき、同時に消費電力が節減できるので、低コストな太
陽電池の製造が可能となる。なお、CWのレーザによ
り、一定出力で連続的に放出されるレーザ光によりスク
ライブすることも可能である。この場合には、Qスイッ
チの繰り返し周波数レーザを用いる場合に較べて、Cd
Te膜の高精度なスクライブと透明導電膜の過熱抑止を
両立させるための最適条件の設定幅が狭く、また、高出
力を必要とする。
【0014】本発明においては、照射するレーザ光の波
長が532nmとするのが好ましい。これは、CdTe
の吸収端以下の波長以下のレーザ光の中でもYAGレー
ザの2次高調波(532nm)が、Qスイッチによる繰
り返し周波数の高周波数化が容易なためである。高周波
数のレーザ光を照射することにより加工時間が短縮さ
れ、例えば、周波数が1kHz以上のレーザでは、レー
ザと基板との相対速度が300mm/秒以上の高速加工
が可能となるので、低コストな太陽電池の製造が可能と
なる。
【0015】さらに、本発明による太陽電池は、透光性
絶縁基板上に透明導電膜とCdS膜およびCdTe膜を
順次形成し、上記の本発明のいずれかの方法によって、
透光性絶縁基板側からCdTeの吸収端以下の波長のレ
ーザを照射し、CdS膜およびCdTe膜の一部を同一
のパターンで除去することにより、CdS膜およびCd
Te膜の両者をパターニングすると同時に下地の透明導
電膜を露出させてマイナス側電極とし、パターニングさ
れたCdTe膜上にプラス側電極としてカーボン電極を
形成し、前記カーボン電極と前記透明導電膜の露出部と
を、銀電極または銀インジウム電極で直列接続して構成
する。これにより、マイナス側電極である透明導電膜の
ダメージが少ないために集電効果が良好な上に、銀電極
またはインジウム電極により直接的にプラス側とマイナ
ス側の電極が接続できるために、セル間を低抵抗で直列
に接続できる。その結果、直列抵抗が低く、変換効率が
高い太陽電池が得られる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明を具体的な実施例を挙げて、
より詳細に説明する。図1は、本発明により製造した太
陽電池の構成例の断面図である。図1において、ガラス
基板1上に所定のパターンで形成された透明導電膜2上
に、CdS膜3およびCdTe膜4が形成されている。
CdTe膜4とCdS膜3の一部は、ガラス基板1側か
ら照射されたCdTeの吸収端波長以下のレーザ光によ
り同一のパターンで同時に除去され、この除去部分に露
出した透明導電膜2と、隣接セルのCdTe膜4の上に
形成されたカーボン電極5とが銀電極6で接続されて、
直列に接続された太陽電池モジュールが構成されてい
る。次に、本発明の太陽電池の製造方法の具体例を説明
する。
【0017】《実施例1》ガラス基板1として硼珪酸ガ
ラスを用い、その表面にスパッタ法により3000オン
グストロームの厚さの酸化インジウム錫からなる透明導
電膜2を形成した。次いで、この透明導電膜2に波長1
064nmのレーザ光をYAGレーザにより照射して、
2a、2b、2c・・・に分割した(図2(a))。次
に、ジエチルジチオカルバミン酸カドミウムを熱分解さ
せる方法により、透明導電膜2上に厚さ800オングス
トロームのCdS膜3を形成した。露出するガラス基板
にもCdS膜が形成される(図2(b))。次に、これ
をCdTe製膜用基板とし、その表面に約5μmのCd
Te膜4を近接昇華法により形成した(図2(c))。
製膜は、CdTe粉に溶剤を添加したペーストを耐熱性
のプレート上に印刷して乾燥したソース基板と、製膜用
基板とを近接して対向させ、製膜用基板温度を600
℃、ソース基板温度を680℃とし、1気圧の窒素ガス
雰囲気中で5分間行った。このCdTe膜4上に塩化カ
ドミウムのメタノール飽和溶液をコートし、メタノール
を蒸発させた後、400℃で30分間熱処理し、CdT
eのグレインを成長させた。
【0018】次いで、ガラス基板1側からQスイッチ繰
り返し周波数レーザにより、波長532nmのYAGの
2次高調波レーザ光を照射して、CdTe膜4とCdS
膜3を部分的に除去し、図2(d)に示すように、Cd
Te膜4およびCdS膜3をそれぞれ3a、3b、3c
・・・、および4a、4b、4c・・・に同じパターン
で分割した。また、同時に膜の除去部分に透明導電膜2
を露出させた。このときの加工条件は、平均パワー0.
8W、周波数2kHz、レーザと加工面との相対速度3
50mm/秒、スクライブ幅200μmに設定した。レ
ーザ光照射の方法は、図3(a)に示すように、スクラ
イブ膜7(CdTe膜およびCdS膜)の表面のCdT
e膜側にガラス平板8を接触させて移動台9に固定し、
ガラス基板1側からレーザ光10を照射した。スクライ
ブ後の状態を図3(b)に示す。なお、前記スクライブ
後のガラス平板8の表面には、昇華して除去された膜成
分が付着していた。
【0019】次に、CdTe膜4a、4b、4c・・・
上に、樹脂の有機溶媒溶液と炭素粉末とを練合したカー
ボンペーストをスクリーン印刷法により塗布し、乾燥、
焼き付けにより、図2(e)に示すカーボン電極5a、
5b、5c・・・を形成した。この後、樹脂の有機溶媒
溶液と銀粉末を練合して得られたペーストを、スクリー
ン印刷法により透明導電膜2と隣接セルのカーボン電極
5にまたがって塗布し、乾燥、焼付けを行った。これに
より、各セルを直列に接続する直列接続用銀電極6a、
6b、6c・・・を形成した。この様にして図2(e)
に示すような、同一基板上のセル群を直列接続したCd
S/CdTe太陽電池のサブモジュールを作製した。
【0020】《比較例1》ガラス基板側からCdTeの
吸収端よりも長い波長である1064nmのYAGレー
ザ光を照射した以外は、実施例1と同様にして太陽電池
のサブモジュールを作製した。
【0021】《比較例2》CdTe膜側からQスイッチ
繰り返し周波数レーザにより、波長532nmのYAG
の2次高調波レーザ光を照射した以外は、実施例1と同
様にして太陽電池のサブモジュールを作製した。
【0022】前記方法で作製した実施例1、比較例1お
よび2の各太陽電池について、AM1.5、100mW
/cm2の条件下で短絡電流密度、開放電圧、およびフ
ィルファクタを測定した。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1より、波長532nmのYAGの2次
高調波レーザ光を照射した実施例1は、波長1064n
mのYAGレーザ光を照射した比較例1と比較して、す
べての特性が向上し、特にフィルファクタの向上が著し
いことが分かる。これは、波長532nmのレーザ光
は、CdTeの吸収端波長よりも短いためにCdTeで
選択的に吸収されることに加え、透明導電膜のフリーキ
ャリア吸収による光吸収が、波長が短いほど小さいため
に、レーザ光照射による透明導電膜のへの熱的ダメージ
が少ないためと考えられる。また、CdTe膜側からレ
ーザ光を照射した比較例2の場合、CdTeの昇華が進
むにつれて光を吸収する箇所が透明導電膜に接近し、か
つその間に熱伝導の大きなCdTeが存在しているた
め、レーザ光が照射されてからCdTe膜が完全に除去
されるまで、長時間に亘り透明導電膜を加熱し続けてい
るため、満足な特性が得られなかったものと思われる。
【0025】《実施例2》レーザ光の照射条件以外は実
施例1と同様にして太陽電池を作製した。実施例1で
は、Qスイッチ繰り返し周波数レーザにより、波長53
2nmのYAGの2次高調波レーザ光を、加工面におけ
る平均パワー0.8W、周波数2kHz、レーザと加工
面との相対速度350mm/秒で照射したが、本実施例
では、周波数をQスイッチによって変化させ、それぞれ
の周波数でCdTe膜を除去できる最小な平均パワー、
およびレーザと加工面との最大相対速度を求め、その条
件でレーザスクライブを行なった。表2に各々のレーザ
スクライブの条件、およびそれらの条件で作製した各々
の太陽電池サブモジュールについて、実施例1と同様の
方法で測定した出力特性を示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2より、レーザにQスイッチの繰り返し
周波数レーザを用いることにより、CWレーザの場合と
比較して低パワーで、かつ高速スクライブが可能なこと
が分かる。これは、繰り返し周波数レーザの平均パワー
が低くても、パルス的にレーザ光を重ねて照射すること
により、小さなエネルギーでCdTeを除去できるため
と考えられる。また、周波数が低くなるに従って高い平
均パワーが必要となり、1パルス当たりのエネルギーが
大きいため、透明導電膜が部分的にダメージを受けるの
で、フィルファクタが低下したものと思われる。従っ
て、波長532nmのYAG2次高調波レーザを用いた
場合、Qスイッチの高周波数レーザを用いるのが好まし
く、平均パワー、処理速度および太陽電池特性の面よ
り、特に周波数1kHz以上が好ましい。
【0028】《実施例3》レーザとしてアルゴンレー
ザ、あるいはエキシマレーザを用い、表3に示すレーザ
光照射条件でスクライブした以外は、実施例1と同様に
して実施例3−1、3−2の太陽電池サブモジュールを
作製した。
【0029】
【表3】
【0030】上記の実施例3ー1、3−2の太陽電池サ
ブモジュールについて、実施例1の場合と同様にして出
力特性を測定した。その結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】表4から、実施例3−1および3−2は、
実施例1と殆ど差がない特性を示している。このことか
ら、本発明では、YAG、アルゴン、エキシマの何れの
レーザを用いても優れた出力特性の太陽電池が得られる
ことが分かる。これは、レーザの種類に拘らず、CdT
eの吸収端以下の波長のレーザをガラス基板側から照射
することにより、透明導電膜にダメージを与えずにCd
Te膜とCdS膜を容易に除去できることを示してい
る。なかでも、レーザの平均パワーの低減およびスクラ
イブ処理の迅速化の面より、波長532nmのYAG2
次高調波レーザを用いた実施例1の場合が最も優れてい
る。
【0033】《実施例4》図4(a)に示すように、ガ
ラス基板1上に形成したスクライブ膜7の表面のCdT
e膜側に空間12を設け、このガラス基板1を移動台9
に固定し、ガラス基板1側からレーザ光10を照射した
以外は実施例2と同様の方法で、太陽電池サブモジュー
ルを作製した。前記空間12は、ガラス基板1のCdT
e膜側の面とガラス平板8との間に、それらの周縁を支
える枠状のガラス製スペーサ11を介在させて形成し
た。スクライブ後の状態を図4(b)に示す。また、作
製した太陽電池の出力特性を実施例1と同様の方法で測
定した結果を表5に示す。
【0034】
【表5】
【0035】表5と、表2のCdTe膜面側に空間を設
けない場合の結果と対比して分かるように、いずれの周
波数の場合も、前記空間を設けてガラス基板側からレー
ザ光を照射することにより、フィルファクタが向上して
いる。これは前記空間を設けることにより、レーザ光を
吸収して昇華したCdTeとCdSが、スクライブ膜の
近傍に篭もらず空間へ放出され、透明導電膜近傍に存在
する熱源が減少したため、透明導電膜の熱的ダメージが
さらに減少したためであると考えられる。
【0036】《実施例5》実施例4と同様に、スクライ
ブ膜7のCdTe膜面側に前記空間12を設けてガラス
基板1を移動台9に固定し、ガラス基板側からレーザ光
10を照射した以外は実施例3と同様の方法で、実施例
5−1、5−2、5−3の太陽電池モジュールを作製し
た。レーザの種類と条件を表6に示す。
【0037】
【表6】
【0038】上記の実施例5ー1、5ー2、5−3の太
陽電池サブモジュールについて、実施例1の場合と同様
にして出力特性を測定した。その結果を表7に示す。
【0039】
【表7】
【0040】各実施例5ー1、5ー2、および5−3の
太陽電池サブモジュールの出力特性が殆ど差がないこと
から、YAG、アルゴン、エキシマの何れのレーザを用
いても優れた特性が得られ、本発明に適用して効果的で
あることが分かる。さらに、表4のCdTe膜側に空間
を設けなかった場合の結果と対比して、いずれのレーザ
を用いた場合にも、前記空間を設けた本実施例の場合に
はフィルファクタが向上している。また、この場合に
も、レーザの平均パワーの低減およびスクライブ処理時
間の短縮の面より、波長532nmのYAG2次高調波
レーザを用いるのが最も好ましい。
【0041】なお、上記の各実施例では、ガラス基板と
して硼珪酸ガラスを用いたが、ソーダライムガラス、白
板ガラス等他の透光性絶縁基板を用いた場合、また、透
明導電膜に酸化錫や酸化亜鉛(ZnO)などの他の膜を
用いた場合にも同様の効果が得られる。また、実施例で
は、有機金属化合物材料よりCdS膜を製膜したが、液
相成長法、近接昇華法、蒸着法、スパッタ法など他の手
法で製膜した場合にも、同様の効果が得られる。CdT
e製膜に関しても、蒸着法、スパッタ法などの他の手法
で製膜した場合にも、同様の効果が得られる。実施例で
は、スペーサとして枠状のガラス平板を用いたが、金属
や耐熱性の樹脂などを用いても同様の効果が得られる。
また、レーザのピントのずれを防止するためスペーサは
平面度の高いものが良い。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透明導電
膜にダメージを与えることなく、CdTe膜、あるいは
CdTe膜とCdS膜の双方、を高精度にレーザスクラ
イブすることができ、直列抵抗が小さな高効率の太陽電
池を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による太陽電池の一例の模式断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施例における太陽電池の作製過程
の模式断面図である。
【図3】本発明の一実施例におけるCdTe膜のレーザ
スクライブ工程の模式断面図である。
【図4】本発明の他の実施例におけるCdTe膜のレー
ザスクライブ工程の模式断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明導電膜 3 CdS膜 4 CdTe膜 5 カーボン電極 6 直列接続用銀電極 7 スクライブ膜 8 ガラス平板 9 移動台 10 レーザ光 11 スペーサ 12 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花房 彰 大阪府守口市松下町1番1号 松下電池工 業株式会社内 (72)発明者 室園 幹夫 大阪府守口市松下町1番1号 松下電池工 業株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA09 BA11 EA09 EA10 EA16 FA02 FA06 FA30 GA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性絶縁基板上に透明導電膜と硫化カ
    ドミウム膜およびテルル化カドミウム膜を順次形成する
    工程、前記透光性絶縁基板側からテルル化カドミウムの
    吸収端以下の波長のレーザ光を照射することにより、前
    記硫化カドミウム膜およびテルル化カドミウム膜のう
    ち、少なくともテルル化カドミウム膜を所定のパターン
    で除去する工程を有することを特徴とするCdS/Cd
    Te太陽電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくともテルル化カドミウム膜を所定
    のパターンで除去する前記の工程において、前記レーザ
    光により昇華した成分を逸散させるための空間を前記テ
    ルル化カドミウム膜側に設けることを特徴とする請求項
    1に記載のCdS/CdTe太陽電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 レーザがQスイッチの繰り返し周波数レ
    ーザであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    CdS/CdTe太陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 レーザ光の波長が532nmであること
    を特徴とする請求項1または2に記載のCdS/CdT
    e太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 透光性絶縁基板上に透明導電膜と硫化カ
    ドミウム膜およびテルル化カドミウム膜を順次形成する
    工程、前記透光性絶縁基板側からテルル化カドミウムの
    吸収端以下の波長のレーザ光を照射することにより、硫
    化カドミウム膜およびテルル化カドミウム膜を同一の所
    定のパターンで除去すると同時に下地の透明導電膜を露
    出させる工程、および前記テルル化カドミウム膜上にカ
    ーボン電極を形成し、このカーボン電極と隣接するセル
    の前記露出した透明導電膜とを銀電極または銀・インジ
    ウム電極で接続する工程を有するCdS/CdTe太陽
    電池の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010087041A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Ulvac Japan Ltd レーザービームによる薄膜の除去方法及び薄膜太陽電池パネルの製造方法
JP4629153B1 (ja) * 2009-03-30 2011-02-09 富士フイルム株式会社 太陽電池および太陽電池の製造方法
JP2012513119A (ja) * 2008-12-18 2012-06-07 ファースト ソーラー インコーポレイテッド 裏面金属コンタクトを含む光電変換装置

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