JP2000208754A - 高電荷移動度トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

高電荷移動度トランジスタおよびその製造方法

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JP2000208754A
JP2000208754A JP11006946A JP694699A JP2000208754A JP 2000208754 A JP2000208754 A JP 2000208754A JP 11006946 A JP11006946 A JP 11006946A JP 694699 A JP694699 A JP 694699A JP 2000208754 A JP2000208754 A JP 2000208754A
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semiconductor
semiconductor layers
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electron
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JP11006946A
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Yoshinori Ishiai
善徳 石合
Shinichi Wada
伸一 和田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】HEMTにおいて、占有面積の増大を極力抑制
しながらソース・ドレイン電極と高移動度電荷チャネル
との接続抵抗およびオン抵抗を低減する。 【解決手段】トランジスタのチャネルを形成するために
半導体基板1上に積層された複数の半導体層に、2つの
半導体層(電子走行層3および電子供給層4)を含む。
2つの半導体層3,4間のヘテロ接合近傍に高移動度電
荷チャネル(2DEG)が形成される。この複数の半導
体層3〜5の少なくとも一方の側面に、不純物がドーピ
ングされた半導体材料からなるコンタクト半導体層6が
形成されている。コンタクト半導体層6上に、ソースま
たはドレインのオーミック接続層11が形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の半導体層内
部に電荷を高速走行可能に閉じ込めた高電荷移動度トラ
ンジスタおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図11に、従来の高電子移動度トランジ
スタ(HEMT)の概略構成を断面図で示す。この従来
のHEMTでは、半絶縁性GaAs基板100上に、電
子走行層(アンドープのGaAs)101、電子供給層
(n−AlGaAs)102およびバリア層(アンドー
プのAlGaAsまたは低濃度のn−AlGaAs)1
03をエピタキシャル成長させ、バリア層103内の表
面領域に必要に応じてp型ゲート不純物領域104が形
成され、ゲート不純物領域104上にゲート電極105
が形成されている。また、ゲート電極105から離反す
る2方向に離れて、バリア層104上にキャップ層(n
+ GaAs)106a,106bをエピタキシャル成長
させ、対応するキャップ層上にそれぞれソースのオーミ
ック接続層107aと、ドレインのオーミック接続層1
07bとを形成している。このHEMTでは、主に、微
細化にともなって近くなるゲートとソースまたはドレイ
ンとの間の耐圧を確保する目的でバリア層103が設け
られ、また、バリア層103介在による接続抵抗を少し
でも低減するために、各オーミック接続層下にキャップ
層106a,106bが設けてある。
【0003】図11に示すように、動作電流はドレイン
側のオーミック接続層107bから、キャップ層106
b、バリア層103、電子供給層102を通って、電子
走行層101の表面に形成された2次元電子ガス(2D
EG)の層に注入され、また、2次元電子ガス(2DE
G)から出るときも、ドレイン側と同様な構造の積層構
造を通ってソースのオーミック接続層107aに抜け
る。したがって、この構造のHEMTでは、動作電流経
路が必ず高抵抗なバリア層103を2度通過し、このた
め、トランジスタのオン抵抗Ronを下げることが難し
い。
【0004】たとえば特開平7−142706号公報に
は、浅いオーミックコンタクトを形成するためにオーミ
ック接続層を、直接、2次元電子ガス(2DEG)が表
出するエピタキシャル成長層端面に接触させたHEMT
が開示されている。図12に、この公報に記載されたH
EMTを断面図で示す。
【0005】このHEMTでは、GaAs活性層(電子
走行層)110、AlGaAsスペーサ層111、n型
AlGaAsバリア層112およびGaAsキャップ層
113からなるヘテロ構造を有し、GaAsキャップ層
113上にゲート電極114が形成されている。ヘテロ
構造は、そのソースおよびドレイン端がメサエッチング
等で隣接トランジスタと分離され、ソース端面およびド
レイン端面が順テーパに形成されている。そして、この
順テーパのソース端面またはドレイン端面とメサエッチ
ング底面とを覆って、Pd層またはPdが過剰なGe層
を50nmほど形成し、約350℃のアニーリングを行
って、オーミック接続層115を形成している。このと
き、Geが点線の領域まで拡散し、2次元電子ガス(2
DEG)の層と良好なコンタクトが得られる。
【0006】この従来のHEMTでは、Pd等からなる
オーミック接続層115を2次元電子ガス(2DEG)
の層と直接、接続させることから、オン抵抗Ronは小
さいと予想される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、オーミック接
続層115を薄く形成する必要から、Pd等の蒸着材料
のカバレッジを良くするために、ヘテロ構造のパターン
ニングにメサエッチングを用いている。したがって、こ
の従来のHEMTでは、どうしてもメサエッチング箇所
の占有面積が大きくなり、高集積化に適さないという不
利益が生じていた。
【0008】本発明の目的は、占有面積の増大を極力抑
制しながらソース・ドレイン電極と高移動度電荷チャネ
ルとの接続抵抗を低減できる構造の高電荷移動度トラン
ジスタと、その製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体装置
の高電荷移動度トランジスタは、トランジスタのチャネ
ルを形成するために半導体基板上に積層された複数の半
導体層内で2つの半導体層間のヘテロ接合近傍に高移動
度電荷チャネルが形成され、上記複数の半導体層上にゲ
ート電極を有する高電荷移動度トランジスタであって、
不純物がドーピングされた半導体材料からなるコンタク
ト半導体層が、上記複数の半導体層の少なくとも一方の
側面に形成され、上記コンタクト半導体層上に、ソース
電極またはドレイン電極がオーミック接続層を介して形
成されている。
【0010】好適には、上記2つの半導体層は、不純物
がドーピングされていない電子走行層、および、当該電
子走行層より電子親和力が小さい材料からなり、n型不
純物がドーピングされた電子供給層であり、上記電子供
給層上に、上記電子供給層と同じ種類の材料からなり電
子供給層より不純物濃度が低いバリア層が形成され、上
記バリア層上に上記ゲート電極が形成されている。好適
には、上記2つの半導体層は、不純物がドーピングされ
ていない電子走行層、および、当該電子走行層より電子
親和力が小さい材料からなり、n型不純物がドーピング
された電子供給層であり、上記コンタクト半導体層は、
上記電子走行層と同じ種類の材料からなり電子供給層よ
り高濃度にn型不純物がドーピングされている。
【0011】この高電荷移動度トランジスタは、複数の
半導体層(ヘテロ構造)の側面にコンタクト半導体層が
形成され、その上面にオーミック接続層が設けられてい
る。したがって、動作電流経路に高抵抗なバリア層が介
在することがないことから、オン抵抗が小さい。コンタ
クト半導体層は導電性半導体材料からなりヘテロ構造の
上面まで延びていることから、この部分でオーミック接
触が可能であり、半導体材料を深くまでエッチングによ
り掘り下げる必要がない。したがって、コンタクト半導
体層を設けて動作電流をバリア層の外に迂回させても、
その占有面積の増大は殆どない。
【0012】一方、本発明の他の高電荷移動度トランジ
スタでは、上記コンタクト半導体層を、上記2つの半導
体層のうち上記高移動度電荷チャネルが形成される半導
体層を構成する半導体材料より禁制帯幅が大きい半導体
材料から構成させてもよい。
【0013】コンタクト半導体層と半導体層(電子走行
層)とを接触させると、両者の禁制帯幅の差によりヘテ
ロ界面における伝導帯に所定のポテンシャルでバンド不
連続が生じる。動作時の電圧印加により、コンタクト半
導体層側から注入された電子は、このヘテロ界面を通過
する間にバンド不連続量に応じた所定のエネルギーを得
る。このため、ヘテロ界面通過後の電子は、高い初速度
を得て高移動度電荷チャネル内に勢いよく注入され、チ
ャネル内の電子走行時間が短くなる。
【0014】本発明に係る高電荷移動度トランジスタの
製造方法は、内部の2つの半導体層間のヘテロ接合近傍
に高移動度電荷チャネルが形成される複数の半導体層
を、半導体基板上にエピタキシャル成長させる工程と、
不純物がドーピングされた半導体材料からなるコンタク
ト半導体層を、上記複数の半導体層の少なくとも一方の
側面にエピタキシャル成長させる工程と、上記複数の半
導体層上に、ゲート電極を形成する工程と、上記コンタ
クト半導体層上に、ソース電極またはドレイン電極をオ
ーミック接続層を介して形成する工程とを含む。
【0015】好適には、上記複数の半導体層を形成する
工程では、当該複数の半導体層を形成する箇所で開口す
るマスク層を半導体基板上に形成し、上記マスク層の開
口部より表出した半導体基板部分上に、上記複数の半導
体層の各構成層を順にエピタキシャル成長させ、上記コ
ンタクト半導体層を形成する工程では、上記複数の半導
体層の少なくとも上面を覆うマスク層を形成し、上記マ
スク層に覆われていない複数の半導体層の少なくとも一
方側面に、上記コンタクト半導体層をエピタキシャル成
長させる。
【0016】この高電荷移動度トランジスタの製造方法
では、選択エピタキシャル成長を用いてコンタクト半導
体層を形成するため、バリア層上にキャップ層を形成し
てパターンニングする従来の方法と比較しても、殆ど工
程数は変わらない。
【0017】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1は、本発明の実施形態に係る高電子移動度トランジ
スタ(HEMT)の断面図である。このHEMTにおい
て、GaAs等の半絶縁性半導体基板1上に、開口部2
aを有する酸化シリコン膜2が形成されている。開口部
2aにより表出した半導体基板部分上に、3つの半導体
層、すなわち電子走行層3、電子供給層4およびバリア
層5が、それぞれ選択エピタキシャル成長法により形成
されている。
【0018】3つの半導体層は、たとえば、電子走行層
3がアンドープのGaAs、電子供給層4がSiをドー
ピングしたn型のAlX Ga1-X As(x=0.2〜
0.3)、バリア層5がアンドープのAlX Ga1-X
sから、それぞれ構成されている。電子供給層4と電子
走行層3では材料に電子親和力差があり、かつ、電子供
給層4にn型不純物(ドナー)が導入されて電子走行層
3との間に仕事関数差があることから、熱平衡における
ヘテロ接合面でのエネルギー不連続箇所にバンドの曲が
りが生じる。電子供給層側のドナーから生じた電子が電
子走行層3内に移動し、電子供給層4内の端部でドナー
が空乏化するためである。電子走行層3内の電子は極め
て薄い範囲で2次元的に分布するため、“2次元電子ガ
ス(2DEG)”と称され、その発生母体であるドナー
と空間的に分離される結果、不純物散乱等の影響を免れ
て極めて高速に移動できる。この2次元電子ガス(2D
EG)の層を、本発明では“高移動度電荷チャネル”と
いう。
【0019】酸化シリコン膜2上に突出した3つの半導
体層3〜5の両側面に、たとえば、Si等のn型不純物
が導入されたGaAsからなるコンタクト半導体層6が
それぞれ形成されている。このコンタクト半導体層6
は、オン抵抗低減のために設けられたもので、バリア層
5上に形成される従来のキャップ層に相当するものであ
る。コンタクト半導体層6は、ヘテロ接合障壁を設けな
いで電子を流れやすくする意味では、電子走行層3と同
じ材料が望ましい。また、コンタクト半導体層6の不純
物濃度は、導電率を上げるために電子供給層4より高い
ことが望ましい。
【0020】たとえば窒化シリコンからなる絶縁膜7
が、バリア層5およびコンタクト半導体層6の表面を覆
って成膜されている。窒化シリコン膜7のバリア層5上
の箇所にゲート開口部7aが形成され、この開口部7a
により表出するバリア層5の表面領域に、p型のゲート
不純物領域8が形成されている。また、ゲート開口部7
a内から窒化シリコン膜7上にかけて、たとえばTi/
Pt/Au等からゲート電極9が形成されている。ゲー
ト電極9に印加する電圧により、ゲート不純物領域8を
介して2次元電子ガス(2DEG)濃度が変調される。
ゲート電極9上に、たとえば窒化シリコンからなる絶縁
膜10が成膜されている。
【0021】窒化シリコン膜7,10のコンタクト半導
体層6上の2箇所に、ソース開口部7bまたはドレイン
開口部7cが形成され、これらの開口部7b,7cによ
り表出するコンタクト半導体層6上それぞれに、たとえ
ばAuGe/Niからなるオーミック接続層11が形成
されている。少なくともオーミック接続層11とコンタ
クト半導体層6との界面に加熱により合金化領域6aが
形成され、これにより、オーミックコンタクトが達成さ
れている。
【0022】オーミック接続層10上には、図示しない
ソース電極またはドレイン電極が形成され、当該HEM
Tの基本構造が完成されている。なお、たとえばIC化
などの場合は、必要に応じて、HEMT上にさらに層間
絶縁膜を介して上層配線が形成される。
【0023】このような構造のHEMTでは、その動作
電流(ドレイン電流)がドレイン電極、オーミック接続
層11、コンタクト半導体層6を通って主に2次元電子
ガス(2DEG)の層に供給される。また、ソース側に
おいても、主に2次元電子ガス(2DEG)の層から流
れだすドレイン電流が、コンタクト半導体層6、オーミ
ック接続層11を通ってソース電極に流入される。当該
HEMTは、ドレイン電流の経路に高抵抗なバリア層5
が介在しないことからソース抵抗およびドレイン抵抗が
小さく、オン抵抗が低減されている。その結果、高駆動
能力(またはハイパワー)、高速動作、低ノイズ、また
低消費電力といった、HEMTの様々な高性能化が達成
できる。
【0024】つぎに、図1に示すHEMTの製造方法を
説明する。図2〜図9に、本発明の実施形態に係るHE
MTの製造途中の断面図を示す。
【0025】用意した半導体基板1上に、図2(A)に
示すように、たとえば、酸化シリコン膜2をプラズマC
VD法を用いて10〜50nmほど成膜する。酸化シリ
コン膜2上に、HEMT形成箇所で開口する図示しない
レジストパターンを形成し、このレジストパターンをマ
スクとして下地の酸化シリコン膜2をたとえばRIE(R
eactive Ion Etching)等でエッチングする。レジストパ
ターンを除去すると、図2(B)に示すように、酸化シ
リコン膜2に開口部2aが形成される。
【0026】この酸化シリコン膜2をマスク層として、
たとえばMOCVDまたはMBEを用いた選択エピタキ
シャル成長法により、図3に示すように、酸化シリコン
膜2の開口部2aから表出する半導体基板部分上に、電
子走行層3、電子供給層4およびバリア層5を、たとえ
ば、以下のようにして形成する。まず、表出した半導体
基板部分上に、アンドープのGaAsを500nmほど
堆積させて電子走行層3を形成する。続いて、電子走行
層3上に、Siをドーピングしながらn型のAlGaA
sを5nmほど堆積させて電子供給層4を形成する。こ
れにより、電子走行層3内の電子供給層4との対向領域
に、2次元電子ガス(2DEG)の層が形成される。続
いて、電子供給層4上に、アンドープのAlGaAsを
70nmほど堆積させてバリア層5を形成する。
【0027】図4に示すように、積層させた電子走行層
3、電子供給層4およびバリア層5の、酸化シリコン膜
2より上方の側壁に、選択エピタキシャル成長法によっ
て、たとえばSiをドーピングしたn+ GaAsを厚さ
にして50nmほど成長させ、コンタクト半導体層6を
形成する。この選択エピタキシャル成長は、たとえば、
バリア層5の上面のみを絶縁物質(マスク層)で覆うこ
とで達成できる。
【0028】コンタクト半導体層6、バリア層5および
酸化シリコン膜2の上面に、窒化シリコン膜7を、たと
えば、プラズマCVD法により300nmほど成膜す
る。窒化シリコン膜7上に、バリア層5の上方で開口す
る図示しないレジストパターンを形成し、このレジスト
パターンをマスクとして下地の窒化シリコン膜7をRI
E等でエッチングする。レジストパターンを除去する
と、図5に示すように、窒化シリコン膜7に開口部7a
が形成される。
【0029】窒化シリコン膜7を拡散マスクとしたZn
気相拡散を行う。たとえば、ジエチルジンク(Zn(C
2 5 2 )とアルシンAsH3 を含むガス雰囲気中で
600℃の加熱を行う。これにより、図6に示すよう
に、窒化シリコン膜7の開口部7aにより表出するバリ
ア層5の表面領域に、p型不純物Znが熱拡散し、ゲー
ト不純物領域8が形成される。
【0030】ゲート不純物領域8に接触し窒化シリコン
膜7の表面を覆うように、ゲート電極となる金属膜を成
膜する。この成膜では、たとえば、電子ビーム蒸着法を
用い、Ti/Pt/Auを30nm/50nm/120
nmほど堆積させる。金属膜上に、たとえば、少なくと
も開口部7a周囲を一回り大きく被覆するレジストパタ
ーンを形成し、このレジストパターンをマスク層として
下地の金属膜をArガスを用いたイオンミリング法によ
り加工する。このイオンミリングによりレジストパター
ン周囲の金属膜を除去した後、レジストパターンを除去
すると、図7に示すように、ゲート電極9が形成され
る。
【0031】ゲート電極9上および窒化シリコン膜7上
に、たとえば、プラズマCVD法を用いて窒化シリコン
膜10を100nmほど堆積させる。窒化シリコン膜1
0上に、図8に示すように、コンタクト半導体層6の上
方で開口するレジストパターンRを形成し、このレジス
トパターンRをマスクとして下地の窒化シリコン膜1
0,7をRIE等でエッチングする。これにより、窒化
シリコン膜10,7に開口部7b,7cが形成される。
【0032】レジストパターンRを残したままで、コン
タクト半導体層6上とレジストパターンR上に、オーミ
ック接続層となる金属膜を成膜する。この成膜では、た
とえば、電子ビーム蒸着法を用いてAuGe/Niを1
60nm/40nmほど堆積させる。その後、リフトオ
フ法を用いて、レジストパターンRとともに、その上の
金属膜の不要部分を除去する。これにより、図9に示す
ように、窒化シリコン膜7の開口部7b,7c内に埋め
込まれて、オーミック接続層11が形成される。
【0033】たとえば、フォーミングガス中で480℃
の熱処理を行うと、図1に示すように、オーミック接続
層11とコンタクト半導体層6との界面に合金化領域6
aが形成され、これにより低抵抗のオーミック接触が達
成される。その後は、図示しないソース電極およびドレ
イン電極を形成し、必要に応じて層間絶縁膜を介して上
層配線を形成し、当該HEMTを完成させる。
【0034】本発明の実施形態に係る半導体装置(HE
MT)の製造方法では、選択エピタキシャル成長法を用
いてコンタクト半導体層6を形成するため、バリア層5
上にキャップ層を形成してパターンニングする従来の方
法と比較しても、殆ど工程数は変わらない。また、良好
なオーミック特性を得るために厚さに限界があるオーミ
ック接続層11を直接2次元電子ガス層に接触させない
構成であることから、2次元電子ガス層の端部が表出す
るように、積層された複数の半導体層をメサエッチング
等で斜めに加工する必要がない。メサエッチングで深く
掘るには、ある程度広い面積が必要となるが、本実施形
態のHEMTでは、コンタクト半導体層6の上部端面に
オーミックコンタクトをとる構造であることから、面積
増大も必要最小限に抑えられている。
【0035】第2実施形態 第2実施形態は、コンタクト半導体層6の材料変更に関
する。したがって、図1に示すHEMT構造および図2
〜図9に示す製造工程自体は、第1実施形態と同様であ
る。第2実施形態に係るHEMTでは、図1のコンタク
ト半導体層6が、電子走行層3の半導体材料より禁制帯
ギャップ幅Egが大きな半導体材料、たとえば、AlG
aAs,InGaPなどから構成されている。このよう
にコンタクト半導体層6の半導体材料を禁制帯ギャップ
幅Egが大きなものに変更することは、少なくとも電荷
(電子)が注入されるソース側で達成すれば足りる。
【0036】図10に、禁制帯ギャップ幅Egが異なる
半導体材料同士のヘテロ接合におけるエネルギーバンド
図を模式的に示す。n型不純物がドーピングされたコン
タクト半導体層6と、真性の電子走行層3とを接触させ
ると、両者の禁制帯ギャップ幅Egの差により、ヘテロ
界面における伝導帯にポテンシャルΔEのバンド不連続
が生じる。ソース・ドレイン間の電圧印加により、ソー
ス端から注入された電子は、このヘテロ界面を通過する
間にバンド不連続量ΔEに応じた所定のエネルギーを得
る。このため、ヘテロ界面通過後の電子は、初速度vを
得て2次元電子チャネル層内に勢いよく注入される。高
い初速度の電子がチャネル電界により更に加速される結
果、チャネル内の電子走行時間が短く、第1実施形態よ
り動作速度が向上するなど、更なる高性能化が達成され
る。また、チャネル長が十分に短く、初速度が十分に高
い場合にあっては、電子がチャネル内で散乱等を受ける
確立が急激に低下し、電子が弾道的に走行する。その結
果、極めて高速なHEMTが実現可能となる。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る高電荷移動度トランジスタ
によれば、占有面積の増大を極力抑制しながらソース/
ドレイン電極と高移動度電荷チャネルとの接続抵抗を低
減でき、動作時のオン抵抗を小さくできる。また、本発
明の高電荷移動度トランジスタの製造方法によれば、従
来より工程数を増加させることなく、微細化に適し高性
能な高電荷移動度トランジスタを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る高電子移動度トランジ
スタ(HEMT)の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るHEMTの製造におい
て、酸化シリコン膜の開口後の断面図である。
【図3】図2に続く、ヘテロ構造におけるバリア層成長
後の断面図である。
【図4】図3に続く、コンタクト半導体層成長後の断面
図である。
【図5】図4に続く、窒化シリコン膜においてゲート開
口後の断面図である。
【図6】図5に続く、ゲート不純物領域形成後の断面図
である。
【図7】図6に続く、ゲート電極形成後の断面図であ
る。
【図8】図7に続く、ソースおよびドレイン開口後の断
面図である。
【図9】図8に続く、オーミック接続層の成膜後の断面
図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係り、禁制帯幅が異
なる半導体材料同士のヘテロ接合を中心としたエネルギ
ーバンド図である。
【図11】従来のHEMTの概略構成を断面図で示す。
【図12】本発明の先行技術として挙げた、特許公開公
報に記載されたHEMTの断面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…酸化シリコン膜、2a…開口部、
3…電子走行層、4…電子供給層、5…バリア層、6…
コンタクト半導体層、7,10…窒化シリコン膜、7a
…ゲート開口部、7b…ソース開口部、7c…ドレイン
開口部、8…ゲート不純物領域、9…ゲート電極、11
…オーミック接続層、2DEG…2次元電子ガス。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F102 FA03 GB01 GC01 GD01 GJ05 GL05 GM06 GQ01 GR07 GS02 GS04 GT03 GV08 HC01 HC02 HC05 HC11 HC16 HC21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランジスタのチャネルを形成するために
    半導体基板上に積層された複数の半導体層内で2つの半
    導体層間のヘテロ接合近傍に高移動度電荷チャネルが形
    成され、上記複数の半導体層上にゲート電極を有する高
    電荷移動度トランジスタであって、 不純物がドーピングされた半導体材料からなるコンタク
    ト半導体層が、上記複数の半導体層の少なくとも一方の
    側面に形成され、 上記コンタクト半導体層上に、ソース電極またはドレイ
    ン電極がオーミック接続層を介して形成されている高電
    荷移動度トランジスタ。
  2. 【請求項2】上記2つの半導体層は、不純物がドーピン
    グされていない電子走行層、および、当該電子走行層よ
    り電子親和力が小さい材料からなり、n型不純物がドー
    ピングされた電子供給層であり、 上記電子供給層上に、上記電子供給層と同じ種類の材料
    からなり電子供給層より不純物濃度が低いバリア層が形
    成され、 上記バリア層上に上記ゲート電極が形成されている請求
    項1に記載の高電荷移動度トランジスタ。
  3. 【請求項3】上記2つの半導体層は、不純物がドーピン
    グされていない電子走行層、および、当該電子走行層よ
    り電子親和力が小さい材料からなり、n型不純物がドー
    ピングされた電子供給層であり、 上記コンタクト半導体層は、上記電子走行層と同じ種類
    の材料からなり電子供給層より高濃度にn型不純物がド
    ーピングされている請求項1に記載の高電荷移動度トラ
    ンジスタ。
  4. 【請求項4】上記コンタクト半導体層は、上記2つの半
    導体層のうち上記高移動度電荷チャネルが形成される半
    導体層を構成する半導体材料より禁制帯幅が大きい半導
    体材料からなる請求項1に記載の高電荷移動度トランジ
    スタ。
  5. 【請求項5】上記複数の半導体層のうち最上層の半導体
    層は、その上記ゲート電極直下を含む表面領域に、上記
    高移動度電荷チャネルと逆導電型のゲート不純物領域を
    有する請求項1に記載の高電荷移動度トランジスタ。
  6. 【請求項6】上記半導体基板、複数の半導体層およびコ
    ンタクト半導体層は、周期律表で3族と5族の元素を含
    む化合物半導体材料からなる請求項1に記載の高電荷移
    動度トランジスタ。
  7. 【請求項7】内部の2つの半導体層間のヘテロ接合近傍
    に高移動度電荷チャネルが形成される複数の半導体層
    を、半導体基板上にエピタキシャル成長させる工程と、 不純物がドーピングされた半導体材料からなるコンタク
    ト半導体層を、上記複数の半導体層の少なくとも一方の
    側面にエピタキシャル成長させる工程と、 上記複数の半導体層上に、ゲート電極を形成する工程
    と、 上記コンタクト半導体層上に、ソース電極またはドレイ
    ン電極をオーミック接続層を介して形成する工程とを含
    む高電荷移動度トランジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】上記複数の半導体層を形成する工程では、
    当該複数の半導体層を形成する箇所で開口するマスク層
    を半導体基板上に形成し、 上記マスク層の開口部より表出した半導体基板部分上
    に、上記複数の半導体層の各構成層を順にエピタキシャ
    ル成長させ、 上記コンタクト半導体層を形成する工程では、上記複数
    の半導体層の少なくとも上面を覆うマスク層を形成し、 上記マスク層に覆われていない複数の半導体層の少なく
    とも一方側面に、上記コンタクト半導体層をエピタキシ
    ャル成長させる請求項7に記載の高電荷移動度トランジ
    スタの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7400863B2 (en) 2004-02-19 2008-07-15 Sony Ericsson Mobile Communications Japan, Inc. Switch apparatus, switchable power amplification apparatus, and mobile communication terminal apparatus using the same
JP2008219021A (ja) * 2001-11-27 2008-09-18 Furukawa Electric Co Ltd:The 電力変換装置用GaN系半導体装置
JP2012074689A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Sumitomo Chemical Co Ltd 半導体基板、絶縁ゲート型電界効果トランジスタおよび半導体基板の製造方法
WO2023109277A1 (zh) * 2021-12-13 2023-06-22 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 高电子迁移率晶体管结构及其制作方法与应用

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