JP2000205906A - フルイディック型流量計 - Google Patents

フルイディック型流量計

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JP2000205906A
JP2000205906A JP11007477A JP747799A JP2000205906A JP 2000205906 A JP2000205906 A JP 2000205906A JP 11007477 A JP11007477 A JP 11007477A JP 747799 A JP747799 A JP 747799A JP 2000205906 A JP2000205906 A JP 2000205906A
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fluid
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Hiroyuki Iechi
洋之 家地
Toshiyuki Takamiya
敏行 高宮
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Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流量0から高流量域まで流量測定可能にす
る。 【解決手段】 フルイディック型流量計11では、ノズ
ル15の噴出口から噴出流体が噴出され、噴出流体の流
れである噴流の一部は、フルイディック振動素子16内
で帰還流路Rに沿って反転して帰還流となり、帰還流
は、ノズル15から新たに噴出された噴流に、エネルギ
ーを付与し、これにより発生する流体振動の振動数に基
づいて流量が算出される。ここで、帰還流路Rの形状に
は、動径関数の軌跡の形状が用いられている。このよう
な帰還流路Rでは流体が滑らかに流れて境界層の剥離が
起こらず、不要な渦が発生しない。これにより、フルイ
ディック流体振動による圧力波の雑音発生やエネルギー
ロスによる測定精度低下を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス等の流体の流
量検出に用いられるフルイディック型流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】フルイディック型流量計は、従来、都市
ガス或いはLPG用の流量計として広く利用されている
膜式流量計に代わるものとして、近年、提案されてきて
いる。
【0003】膜式流量計は、機械的可動部分が多く構造
が複雑であるために製造コストが高く、また、耐久性に
ついても課題を抱えており、さらに、例えば、バケツで
何杯、と計量・積算するような原理であることから、前
述のバケツにあたるそれなりの容積を必要とするため大
型で、各家庭の戸外に設置するに際して美観を損なうと
いった不都合があり、またさらに、可動部分の設置方向
に制約がある。
【0004】膜式流量計に対してフルイディック型流量
計は、機械的可動部分がなく、安価で、小型化可能であ
り、取り付けに際して方向性を問わない。
【0005】ここで、フルイディック型流量計1の発振
原理を図5を参照して説明する。流体流入口2と流体流
出口3とを結ぶ経路上に、上流側より順に、セットリン
グスペース4、ノズル5、フルイディック振動素子6が
形成されている。さらに、フルイディック振動素子6内
には、ノズル5の中心線の延長線上に位置させて誘振子
7が設けられ、誘振子7と流体流出口3との間に、誘振
子7を囲むような形状のエンドブロック8が設けられて
いる。
【0006】これにより、流体流入口2から流入する流
体は、セットリングスペース4で二次元的な流れに整流
され、ノズル5を通って、フルイディック振動素子6内
へ噴出される。
【0007】ノズル5から噴出される整流された流体の
流れである噴流は、誘振子7に当たることにより、誘振
子7を挟む二方向に分かれるが、ある流量を超えると、
誘振子7の背後にできる渦の不安定性によって、前述の
誘振子7を挟む二方向のどちらかへ偏って流れる。その
ため、エンドブロック8にぶつかった流れは、エンドブ
ロック8の前面形状及びフルイディック振動素子6の側
壁6aの形状に沿って形成される帰還流路を流れる帰還
流としてノズル5の噴出口に達し、噴流に略直行する方
向からぶつかる。帰還流は、噴流にぶつかることによっ
て、噴流の方向を最初の偏り方向の逆の方向へ偏らせ
る。
【0008】このような噴流の偏り方向の変化は、規則
的に繰り返され、単位時間あたりに噴流の偏り方向が変
化する回数すなわち振動数は、流量の増加に対して直線
的に増加する。すなわち、流量と振動数との間には直線
的な関係(線形性)がある。
【0009】そして、ノズル5の噴出口の近傍に設けら
れた一対の圧力検出孔9に生じる圧力変化を圧力検出機
構により検出し、その変化の周期から、噴流の偏り方向
の変化の振動数が求められ、この振動数に基づいて流量
を算出する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これまでに提案されて
きたフルイディック型流量計は、低流量域では測定精度
を高く保つことができず、低流量域での測定はフローセ
ンサで補う等の対応が取られている。
【0011】しかし、近年、流量測定可能域が広いフル
イディック型流量計が望まれており、流量0から高流量
域までの測定をフルイディック型流量計のみで実現しよ
うとする動きが活発になってきている。
【0012】特開平8−145745号公報記載の提案
では、誘振子のノズルに対向する面を曲率半径が小さな
円弧で構成することにより圧力損失を小さくし、帰還流
による流体エネルギーのフィードバック効果を高めてお
り、これにより、流体振動現象により生じた交番圧力波
の振幅を大きくすることができるので、これまでの提案
でできなかった低流量域での測定が可能であるとしてい
る。
【0013】また、特開平7−229772号公報記載
の提案では、エンドブロックを用いず、その代わりとな
る曲面を、誘振子の背後のフルイディック振動素子の側
壁に形成することにより、フルイディック振動素子内の
流速を速く保ち、噴流の動圧と静圧との差圧が従来のフ
ルイディック型流量計と比べて大きくなるので、圧力検
出孔に生じる圧力差に起因する圧力検出機構の信号が大
きくなり、精度のよい測定ができ、これにより、これま
での提案でできなかった低流量域での測定が可能である
としている。
【0014】しかしながら、これらの提案は、ノズルか
ら噴出した噴流の帰還エネルギーがフルイディック振動
素子内での渦発生などによってロスされる程度を抑えて
いるに過ぎず、したがって、噴流の流速が低くなればな
るほど、流体振動現象により生じる交番圧力波の振幅は
小さくなり、測定精度が低下していく。
【0015】つまり、これらの提案でも、低流量域にお
ける噴流の流速を高めるために用いられる手段は、連続
した流れにおいて流管の断面積が大きいところは流速が
低く逆に流管の断面積が小さいところでは流速が高いと
いう流体の連続の式から容易に想像できる手段、すなわ
ち、ノズル断面積を小さくすることによって同じ流量で
あっても流速を高くするという従来行われている手段に
他ならない。
【0016】そして、ノズル断面積を小さくするという
手段では、流体の高速化は可能であるが、外部摩擦が大
きくなり、また、エネルギー損失を圧力損失に書き直し
たΔPは、流速の二乗に比例するので、流速を高くする
ことによって運動エネルギーを大きくしても、エネルギ
ー損失も大きくなるので相殺され、必ずしも噴流の帰還
エネルギーを高めることにはならない。
【0017】このことは、帰還流の初速のエネルギーを
大きくすることによって測定流量範囲を広くする、或い
は、測定精度を向上させようとする技術概念では、流量
測定可能域が流量0から高流量域までを満たすようなフ
ルイディック型流量計の実現が困難であることを示して
いる。
【0018】エネルギーロスには、流体の粘性が大きく
かかわっている。流れの中に物体が置かれているとき、
流体の粘性の作用が強く現れるのは、物体の表面を覆う
極めて薄い層状の境界層に限られる。
【0019】薄い境界層内では、流速が物体の表面での
値0から境界層の外側の値まで急激に変わるので、大き
な速度勾配ができる。
【0020】境界層は、物体の前端での厚さは0か極め
て小さいのが一般的であり、流れが物体の表面に沿って
進むに従って、厚さを増していく。これを境界層の発達
という。境界層が発達するのは、物体の表面と流体との
間の摩擦の影響が流体の内部に深く及んでいくからであ
る。
【0021】境界層内の流れが層流であるときには、層
流境界層といい、乱流であるときには乱流境界層とい
う。乱流境界層であっても、物体の表面に極めて近い部
分では層流が保たれ、層流低層をなすことが知られてい
る。層流から乱流へのこの移り変わりを遷移という。遷
移は、流れの方向に空間的な広がりを持ち、その領域を
遷移領域という。また、条件によっては遷移が起こらず
に、境界層が全面的に層流に保たれることが知られてい
る。
【0022】一般的には、境界層の流れが物体の表面に
沿って物体の後端まで進むことはなく、途中で物体の表
面から剥がれ、それより下流側では渦を伴い大きく混乱
した流れになる。これを境界層の剥がれ或いは境界層の
剥離という。境界層が剥離すると、その位置では物体の
表面の流速の速度ベクトルは流体の流れの逆になる。つ
まり、境界層の剥離は、部分的な流体の逆流を起こし、
その結果、渦を生じ、物体の抗力を増大させる。そし
て、流量計などに応用した場合には、性能・機能の低下
を招くことになる。逆に言えば、流体の剥離を防ぐこと
により、流体のエネルギーロスを防止・低減できること
になる。
【0023】本発明は、流量測定可能域を流量0から高
流量域までに拡大することを目的とする。
【0024】また本発明は、低流量域での測定精度を向
上させることを目的とする。
【0025】さらに本発明は、低流量域で測定精度を低
下させる要因の一つである帰還流のエネルギー不足の原
因となるエネルギーロスを抑えることを目的とする。
【0026】また本発明は、低流量域で測定精度を低下
させる要因の一つである帰還流のエネルギー不足を解消
するために、積極的に帰還流を加速させてエネルギーを
増幅させることによって、コアンダ効果を促進し、噴流
への帰還流のエネルギーの付与を効率的にすることを目
的とする。
【0027】また本発明は、エネルギーロスの原因とな
る不要な渦の発生を抑制することを目的とする。
【0028】さらに本発明は、不要な渦の発生による雑
音発生及び圧力損失を低減することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のフ
ルイディック型流量計は、流体流入口を備えるセットリ
ングスペースと、流体流出口を備えるフルイディック振
動素子と、前記セットリングスペースと前記フルイディ
ック振動素子とを連通するノズルとを有し、前記セット
リングスペースから前記ノズルを通って流体が噴出され
る前記フルイディック振動素子内でコアンダ効果により
発生する流体振動の振動数に基づいて流量を算出するフ
ルイディック型流量計において、前記ノズルから噴出さ
れた流体の一部が前記フルイディック振動素子内で反転
した帰還流体が流れる経路である帰還流路の形状に、動
径関数の軌跡の形状が用いられている。
【0030】したがって、帰還流路が動径関数に基づい
て形成されていることにより、この帰還流路を流れる流
体は帰還流路を流体力学的に滑らかに流れ、摩擦損失に
よるエネルギーロスが小さくなる。
【0031】請求項2記載の発明は、請求項1記載のフ
ルイディック型流量計であって、前記動径関数は、角速
度一定の正弦的な変化をする。
【0032】したがって、動径関数としては比較的単純
な式となり、帰還流路の形状を容易に定義できるため、
帰還流路を形成し易い。
【0033】請求項3記載の発明は、請求項2記載のフ
ルイディック型流量計であって、前記動径関数は、開始
点をr0、拡大率を任意の定数m、変数を変域が−2π
<θ<2πである角度θとしたとき、r=r0+mθで
表される。
【0034】したがって、r0及びmを決定して動径関
数rをθの変化する範囲である変域で展開することによ
り、請求項2に記載の軌跡を実現することができる。
【0035】請求項4記載の発明のフルイディック型流
量計は、流体流入口を備えるセットリングスペースと、
流体流出口を備えるフルイディック振動素子と、前記セ
ットリングスペースと前記フルイディック振動素子とを
連通するノズルとを有し、前記セットリングスペースか
ら前記ノズルを通って流体が噴出される前記フルイディ
ック振動素子内でコアンダ効果により発生する流体振動
の振動数に基づいて流量を算出するフルイディック型流
量計において、前記ノズルから噴出された流体の一部が
前記フルイディック振動素子内で反転した帰還流体が流
れる経路である帰還流路が、一定の角速度で回転する半
直線上をこの半直線上の開始点から一定の速度で移動す
る点の軌跡に沿って形成されている。
【0036】したがって、帰還流路は、角速度一定で展
開伸張された加速度的な広がりを有する形状に形成され
ているため、帰還流路を流れる帰還流は、境界層の剥離
を起こさずに円滑に速度境界層が発達し、しかも流速が
加速されていくことになるので、摩擦損失によるエネル
ギーロスが小さくなり、噴流の帰還エネルギーが高めら
れる。
【0037】請求項5記載の発明は、請求項1,2,3
又は4記載のフルイディック型流量計であって、前記帰
還流路は、前記ノズルを幅方向に二等分する中心線上に
前記中心線に対して線対称である凹面を対向させた誘振
子が設けられ、前記中心線と前記凹面との交点を開始点
として前記中心線に対して線対称に展開された前記軌跡
上に、前記ノズルの噴出口と前記誘振子の背後に配置さ
れるエンドブロックと前記フルイディック振動素子の側
壁とが設けられることによって形成されている。
【0038】したがって、誘振子を開始点とし、エンド
ブロックとフルイディック振動素子の側壁とに沿って、
帰還流路が形成される。
【0039】請求項6記載の発明は、請求項1,2,3
又は4記載のフルイディック型流量計であって、前記帰
還流路は、前記ノズルを幅方向に二等分する中心線上に
前記中心線に対して線対称である凹面を対向させた誘振
子が設けられ、前記中心線と前記凹面との交点を開始点
として前記中心線に対して線対称に展開された前記軌跡
上に、前記ノズルの噴出口と前記フルイディック振動素
子の側壁とが設けられることによって形成されている。
【0040】したがって、誘振子を開始点とし、フルイ
ディック振動素子の側壁に沿って帰還流路が形成され
る。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明のフルイディック型流量計
の第一の実施の形態について、図1〜図3に基づいて説
明する。
【0042】図1は、本実施の形態で流路の形状として
用いる曲線であり、この曲線は時間について角速度ωの
正弦的な変化をする形状になっている。正弦波の演算子
的な表現法にオイラーの公式があるが、正弦波cosωt
は、普通、ei ω tと表す。ei ω t=cosωt+sinωtで
ある。物理的には、実数部が物理的な量を表すことにな
るが、本実施の形態では、時間について角速度ωの正弦
的な変化をする形状のヒントにした。すなわち、平面上
に直交座標系をとり、一つの複素数z=x+iy(x,
yは実数)に対して平面上の点(x,y)を対応させれ
ば、すべての複素数を平面上の点として一対一に表され
ることが知られているが、複素平面上の単位円の軌跡を
時間について角速度ωの正弦的な変化をさせながら拡大
させることができれば、流体の流れに対して滑らかにな
ると考えた。言い換えれば、境界層が物体表面から剥が
れるのを防ぐことができると考えた。
【0043】図1は、r0を開始点、拡大率を任意の定
数m、変数を角度θとした動径関数(極関数)r=r0
+mθを、x=rcosθ、y=rsinθとして、xy平面
上に表した図である。図1に示した動径関数rでは、r
0=0、m=3、θを変化させる範囲すなわち変域は0
≦θ≦2π(ラジアン)である。
【0044】動径関数rは、現象的には、開始点r0
中心に一定の角速度で回転している開始点r0を含む直
線上を一定の速度で運動する物体の軌跡をトレースした
線としてイメージされる。つまり、角速度一定で展開伸
張された螺旋形状であるので、動径関数rが表す軌跡上
に流路を形成した場合、その流路を流れる流体は、加速
度的な広がりを感じることになる。
【0045】したがって、動径関数rが表す軌跡に沿っ
て形成された流路では、この流路を形成する壁部材の表
面を覆う境界層が剥離を伴わずに壁部材の表面に沿って
円滑に発達するため、この流路を流れる流体の摩擦損失
によるエネルギーロスが小さくなり、しかも、流速が加
速されていくため、流体エネルギーが高められる。
【0046】ここで、図2は、図1で示した動径関数r
を、θを変域−2π≦θ≦2πで展開した図形であり、
x軸に対して線対称である。本実施の形態では、この動
径関数rが表す軌跡を、誘振子の背後に配置されるエン
ドブロックやフルイディック振動素子の側壁で形成され
る帰還流路の形状に取り入れている。
【0047】図3は、本実施の形態のフルイディック型
流量計11の内部構造を示す平面図である。本実施の形
態では、流体流入口12と流体流出口13とを結ぶ経路
上に、上流側より順に、セットリングスペース14、ノ
ズル15、フルイディック振動素子16が形成されてい
る。さらに、フルイディック振動素子16内には、ノズ
ル15の中心線の延長線上に位置させて誘振子17が設
けられ、誘振子17と流体流出口13との間にエンドブ
ロック18が設けられている。
【0048】ここで、流体流出口12、ノズル15、フ
ルイディック振動素子16、誘振子17、エンドブロッ
ク18、流体流出口13の各部の形状は、同じ中心線x
に対して線対称である。
【0049】流体流入口12から流体流出口13までの
流路幅は、流体流入口12からセットリングスペース1
4までで拡大され、セットリングスペース14からノズ
ル15までで縮小され、ノズル15からフルイディック
振動素子16までで拡大され、フルイディック振動素子
16から流体流出口13までで縮小される。流体流入口
12から流体流出口13までの流路において、流体流入
口12の幅と流体流出口13の幅とは、略同じであり、
ノズル15で最も幅が狭くなる。セットリングスペース
14とノズル15との間には、セットリングスペース1
4とノズル15とを滑らかに連続させる曲面で形成され
た一対の側壁19aで形成された流路縮小部19が設け
られている。
【0050】誘振子17は、ノズル15に対向する側
に、凹面17aを有している。この凹面17aと中心線
xとの交点を動径関数rの開始点r0として展開される
動径関数rが表す軌跡上に、エンドブロック18の前面
18aと、フルイディック振動素子16の側壁16aが
配設されており、これにより、動径関数rに沿った帰還
流路Rが形成されている。動径関数rの終点は、ノズル
15内の中心線x上に位置している。
【0051】ノズル5の噴出口15aの近傍には、一対
の圧力検出孔20が設けられている。圧力検出孔20
は、一般に、ノズル5から噴出されるの噴流の流速が最
も速く、フルイディック振動による圧力変動が最も大き
い噴出口15aの近傍に設けられることが多い。圧力検
出孔20に生じる圧力変化は、図示しない圧力検出機構
が備える圧力センサにより検出される。
【0052】このような構成において、流体は、流体流
入口12からセットリングスペース14内へ流入し、二
次元的な流れに整流され、流路縮小部19でさらに整流
された後、ノズル15を通って、フルイディック振動素
子16内へ噴出される。
【0053】ノズル15から噴出される整流された噴出
流体の流れである噴流は、誘振子17の前面に形成され
た凹部17aに衝突し、誘振子17の外側に沿って流れ
て誘振子17を挟む二方向に振り分けられ、コアンダ効
果により、前述の誘振子17を挟む二方向のどちらかへ
偏って流れる。
【0054】ここで、例えば、噴流が、まず、図3にお
ける誘振子17の右側へ偏って流れたとすると、この右
側に流れた噴出流体は、エンドブロック18の前面18
aの右側に沿って流れ、その大部分は流体流出口13か
ら排出されるが、一部は右側の側壁16aに沿って流れ
て、右側の帰還流路Rを流れる反時計回り方向の帰還流
を形成する帰還流体となる。
【0055】反時計回り方向の帰還流は、ノズル15か
ら噴出される噴流に右側からぶつかる。これにより、ノ
ズル15から新たに噴出される噴出流体に帰還流体の流
体エネルギーが付与されて、右側へ偏っていた噴流の偏
り方向が変わり、噴流は左側へ偏って流れるようにな
る。
【0056】同様に、左側へ流れた噴出流体は、エンド
ブロック18の前面18aの左側に沿って流れ、その大
部分は流体流出口13から排出されるが、一部は左側の
側壁16aに沿って流れて、左側の帰還流路Rを流れる
時計回り方向の帰還流を形成する帰還流体となる。
【0057】時計回り方向の帰還流は、ノズル15から
噴出される噴流に左側からぶつかり、これにより、ノズ
ル15から新たに噴出される噴出流体に帰還流体の流体
エネルギーが付与されて、左側へ偏っていた噴流の偏り
方向が変わり、噴流は再び右側へ偏って流れるようにな
る。
【0058】このように、ノズル15から噴出される噴
流の偏り方向が規則的に変わる振動現象により、圧力交
番波が生じる。この圧力交番波が圧力検出孔20に及ぼ
す圧力変化が圧力センサで検出されると、圧力検出機構
が電気信号を出力し、その周期から、圧力交番波の振動
数が求められ、この振動数に基づいて流量が算出され
る。
【0059】本実施の形態によれば、誘振子17を動径
関数rの開始点r0とし、動径関数rが表す軌跡上にエ
ンドブロック18の前面18aとフルイディック振動素
子16の側壁16aを配設したので、動径関数rに沿っ
て帰還流路Rが形成され、この帰還流路Rを流れる帰還
流は、加速度的な広がりを感じることになり、エンドブ
ロック18の前面18a及びフルイディック振動素子1
6の側壁16aの表面を覆う境界層は、剥離を起こさず
に円滑に発達するため、帰還流路Rを流れる帰還流を形
成する帰還流体の摩擦損失によるエネルギーロスは小さ
く、しかも、本実施の形態によれば、帰還流の流速は、
帰還流路Rの下流側へ流れるに従って加速されていくた
め、帰還流体の流体エネルギーは高められる。
【0060】したがって、高流量域ではもちろん、低流
量域であっても、帰還流体は、噴出流体に従来の構成の
フルイディック型流量計よりも高い流体エネルギーを付
与することができるため、低流量域での流量測定が可能
となり、さらに、噴流から分岐した帰還流の流体エネル
ギーを高めることが可能であるので、流量が0に近い場
合でも流量測定が可能となる。
【0061】次に、本発明のフルイディック型流量計の
第二の実施の形態について、図4に基づいて説明する。
なお、本実施の形態の説明にあたっては、前実施の形態
で説明した部分と同じ部分については詳細な説明を省略
し、同じ符号を用いる。
【0062】まず、本実施の形態では、エンドブロック
を用いず、フルイディック振動素子16の側壁16bを
動径関数rが表す軌跡に沿って配設する。
【0063】本実施の形態によっても、前実施の形態と
同様に、動径関数rに沿って帰還流路Rが形成され、こ
の帰還流路Rを流れる帰還流は、加速度的な広がりを感
じることになり、フルイディック振動素子16の側壁1
6bの表面を覆う境界層は、剥離を起こさずに円滑に発
達するため、帰還流路Rを流れる帰還流を形成する帰還
流体の摩擦損失によるエネルギーロスは小さく、しか
も、本実施の形態によれば、帰還流の流速は、帰還流路
Rの下流側へ流れるに従って加速されていくため、帰還
流体の流体エネルギーは高められ、したがって、本実施
の形態でも前実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0064】なお、第一及び第二の実施の形態では、r
=r0+mθで示される動径関数を帰還流路の形状に用
いたが、実施にあたっては、他の動径関数が用いられて
いてもよい。
【0065】また、第一及び第二の実施の形態では、動
径関数rをr0=0、m=3として展開したが、実施に
あたっては、r0=0でなくてもよく、また、mは0以
外の整数であればよい。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、帰還流体が流
れる経路である帰還流路の形状に、動径関数の軌跡の形
状が用いられているので、流体は帰還流路を流体力学的
に滑らかに流れるため、摩擦損失によるエネルギーロス
を小さくすることができ、測定精度を向上させることが
できる。
【0067】請求項2記載の発明では、動径関数は、角
速度一定の正弦的な変化をするので、動径関数としては
比較的単純な式となり、帰還流路の形状を容易に定義で
きるため、帰還流路を形成し易くすることができる。
【0068】請求項3記載の発明では、動径関数は、開
始点をr0、拡大率を任意の定数m、変数を変域が−2
π<θ<2πである角度θとしたとき、r=r0+mθ
で表されるので、r0及びmを決定してrを変域におい
て展開することにより、請求項2に記載の軌跡を実現す
ることができる。
【0069】請求項4記載の発明では、帰還流の経路で
ある帰還流路は、一定の角速度で回転する半直線上をこ
の半直線上の開始点から一定の速度で移動する点の軌跡
に沿って形成されているので、角速度一定で展開伸張さ
れた加速度的な広がりを有する螺旋形状に形成されてい
るため、帰還流路を流れる帰還流では、境界層の剥離が
起こらず、円滑に速度境界層が発達し、しかも流速が加
速されていくことになるので、摩擦損失によるエネルギ
ーロスが小さくなり、噴流の帰還エネルギーが高められ
る。よって、流量が0に近くなっても、流量測定を可能
とすることができる。
【0070】請求項5記載の発明では、ノズルを幅方向
に二等分する中心線と誘振子の凹面との交点を開始点と
して中心線に対して線対称に展開された軌跡上に、ノズ
ルの噴出口とエンドブロックとフルイディック振動素子
の側壁とが設けられているので、誘振子を開始点とし、
エンドブロックとフルイディック振動素子の側壁とに沿
って、軌跡に沿った帰還流路を形成することができる。
【0071】請求項6記載の発明では、ノズルを幅方向
に二等分する中心線上と誘振子の凹面との交点を開始点
として中心線に対して線対称に展開された軌跡上に、ノ
ズルの噴出口とフルイディック振動素子の側壁とが設け
られているので、誘振子を開始点とし、フルイディック
振動素子の側壁に沿って、軌跡に沿った帰還流路を形成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動径関数r=r0+mθを変域0≦θ≦2πで
展開した曲線である。
【図2】動径関数r=r0+mθを変域−2π≦θ≦2
πで展開した曲線である。
【図3】本発明の第一の実施の形態のフルイディック型
流量計の内部構造を示す平面図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態のフルイディック型
流量計の内部構造を示す平面図である。
【図5】従来のフルイディック型流量計の一例を示す平
面図である。
【符号の説明】
11 フルイディック型流量計 12 流体流入口 13 流体流出口 14 セットリングスペース 15 ノズル 16 フルイディック振動素子 16a 側壁 16b 側壁 17 誘振子 17a 凹面 18 エンドブロック 21 フルイディック型流量計
フロントページの続き (72)発明者 高宮 敏行 愛知県名古屋市中区錦2丁目2番13号 リ コーエレメックス株式会社内 Fターム(参考) 2F030 CA04 CD02 CE04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体流入口を備えるセットリングスペー
    スと、流体流出口を備えるフルイディック振動素子と、
    前記セットリングスペースと前記フルイディック振動素
    子とを連通するノズルとを有し、前記セットリングスペ
    ースから前記ノズルを通って流体が噴出される前記フル
    イディック振動素子内でコアンダ効果により発生する流
    体振動の振動数に基づいて流量を算出するフルイディッ
    ク型流量計において、 前記ノズルから噴出された流体の一部が前記フルイディ
    ック振動素子内で反転した帰還流体が流れる経路である
    帰還流路の形状に、動径関数の軌跡の形状が用いられて
    いることを特徴とするフルイディック型流量計。
  2. 【請求項2】 前記動径関数は、角速度一定の正弦的な
    変化をすることを特徴とする請求項1記載のフルイディ
    ック型流量計。
  3. 【請求項3】 前記動径関数は、開始点をr0、拡大率
    を任意の定数m、変数を変域が−2π<θ<2πである
    角度θとしたとき、r=r0+mθで表されることを特
    徴とする請求項2記載のフルイディック型流量計。
  4. 【請求項4】 流体流入口を備えるセットリングスペー
    スと、流体流出口を備えるフルイディック振動素子と、
    前記セットリングスペースと前記フルイディック振動素
    子とを連通するノズルとを有し、前記セットリングスペ
    ースから前記ノズルを通って流体が噴出される前記フル
    イディック振動素子内でコアンダ効果により発生する流
    体振動の振動数に基づいて流量を算出するフルイディッ
    ク型流量計において、 前記ノズルから噴出された流体の一部が前記フルイディ
    ック振動素子内で反転した帰還流体が流れる経路である
    帰還流路が、略一定の角速度で回転する半直線上をこの
    半直線上の開始点から略一定の速度で移動する点の軌跡
    に沿って形成されていることを特徴とするフルイディッ
    ク型流量計。
  5. 【請求項5】 前記帰還流路は、前記ノズルを幅方向に
    二等分する中心線上に前記中心線に対して線対称である
    凹面を対向させた誘振子が設けられ、前記中心線と前記
    凹面との交点を開始点として前記中心線に対して線対称
    に展開された前記軌跡上に、前記ノズルの噴出口と前記
    誘振子の背後に配置されるエンドブロックと前記フルイ
    ディック振動素子の側壁とが設けられることによって形
    成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4
    記載のフルイディック型流量計。
  6. 【請求項6】 前記帰還流路は、前記ノズルを幅方向に
    二等分する中心線上に前記中心線に対して線対称である
    凹面を対向させた誘振子が設けられ、前記中心線と前記
    凹面との交点を開始点として前記中心線に対して線対称
    に展開された前記軌跡上に、前記ノズルの噴出口と前記
    フルイディック振動素子の側壁とが設けられることによ
    って形成されていることを特徴とする請求項1,2,3
    又は4記載のフルイディック型流量計。
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