JP2000204401A - 粉末冶金用混合粉、粉末冶金焼結体及びその製造方法 - Google Patents

粉末冶金用混合粉、粉末冶金焼結体及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刷子等の焼結部品の製造に使用する銅粉を含
有する粉末冶金用混合粉、同混合粉を用いた粉末冶金焼
結体及びその製造方法であり、特に防錆に優れた上記材
料及び製造方法を提供する。 【解決手段】 銅粉を含有する粉末冶金用混合粉であっ
て、該混合粉にBi粉でBiが20〜400ppm(w
t)含有されている粉末冶金用混合粉、該混合粉を用い
て焼結した焼結体及びこれらの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刷子等の焼結部品
の製造に使用する銅粉を含有する粉末冶金用混合粉、同
混合粉を用いた粉末冶金焼結体および粉末冶金焼結体の
製造方法に関し、特に防錆性に優れた粉末冶金用混合
粉、粉末冶金焼結体およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】銅粉又はこれに黒鉛等を添加した混合銅
粉は焼結含油軸受等の機械部品や刷子(ブラシ)等に広
く使用されている。例えば電気ブラシにおいては、粉末
冶金で作られた金属黒鉛ブラシがある。金属成分は銅が
主体で、これに低融点金属を焼結性や耐摩耗性を上げる
ために加えられている。また、銅めっきを施した黒鉛粉
末は銅が連続した組織となり、焼結性、導電性、強度に
優れたブラシが得られる。黒鉛を5〜10%添加した銅
系材料は制動摩擦材料にも使用されている。一般に、こ
れらに使用されている銅粉又は銅を含有する混合銅粉は
このままでは錆びる(酸化する)ので、ベンゾトリアゾ
ールなどの有機防錆剤を施して保存したり出荷してい
る。しかし、これらの有機防錆剤は300〜400°C
以上の温度で分解又は気化するため、上記防錆処理を施
した銅粉又は混合粉を用いて焼結すると、焼結後に防錆
効果がなくなり、その後は上記製造したばかりの銅粉と
同様に、大気に触れて錆びる(酸化する)という問題が
ある。
【0003】従来、このような銅粉又は銅を含有する混
合銅粉は上記のような焼結前の防錆剤による処理がなさ
れているだけで、それ以外の特別な処理がなされている
訳ではない。例えば、特開平5−190240号公報に
示すように、電解銅粉と平均粒径15μm以下である極
微細銅粉及び黒鉛を原料とする電刷子の焼結による製造
方法があるが、同公報の中で、電刷子は「耐酸化性が殆
ど害なわれない」と記載され、消極的な防錆効果がある
と述べられているだけであり、その防錆効果の根拠もは
っきりしていない。この場合の焼結体(電刷子)は前記
原料からなる銅材がむき出しになっているので、当然な
がら錆(酸化)の問題は避けられない。電刷子は工場内
や場合によっては屋外に配置される電気機器や機械部品
の一部を構成するものであるから、腐食環境が厳しく錆
の問題は深刻である。
【0004】粉末冶金技術と全く異なる分野であるが、
銅にPbを添加して溶解鋳造し、導電性、耐軟化性(耐
熱性)、耐蝕性を高めたという技術がある(特開昭59
−64731号公報)。しかし、この技術は上記の通り
溶解法によるもので、Pbを全体に均一合金化して上記
の性質を高めたものであり、粉末冶金焼結体すなわち銅
粉又は銅を含有する混合銅粉の処理や取扱いあるいは焼
結後の焼結体にPbがどのような作用や影響を与えるか
については全く不明であった。以上のように、銅粉又は
銅を含有する混合銅粉の錆(酸化)の問題から、これを
用いた焼結体の錆の問題まで一貫して考慮された解決策
というものがなかった。そして従来は、銅粉に有機防錆
剤を塗るなどの手法によりそれぞれ個別に防錆処理が行
なわれていたので、効率が悪くまた防錆効果も十分でな
いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
鑑み、銅粉又は銅を含有する混合銅粉の処理や操作の工
程及び焼結による電気機器や機械部品等の焼結体の製造
工程を基本的に見直し、一貫して有効な防錆効果を保有
させ、上記の焼結によってもなお防錆効果を維持できる
粉末冶金用混合粉、粉末冶金焼結体およびその製造方法
を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者は鋭意研究を行なった結果、従来の有機
防錆剤に替えて、銅粉又は銅を含有する混合銅粉である
原料粉と比較的合金を形成し難い低揮発性の金属を混合
若しくは含有又は被覆することにより、安定した防錆効
果と製造条件を維持し、再現性よく銅粉又は銅を含有す
る混合銅粉又は焼結体を得ることができるとの知見を得
た。本発明はこの知見に基づき、 1 銅粉を含有する粉末冶金用混合粉であって、該混合
粉にBi粉でBiが20〜400ppm (wt) 含有さ
れていることを特徴とする粉末冶金用混合粉 2 銅粉又は銅を含む混合粉の粉末冶金焼結体であっ
て、該焼結体にBiが20〜400ppm (wt) 含有
されていることを特徴とする粉末冶金焼結体 3 Biが30〜300ppm (wt) 含有されている
ことを特徴とする前記1又は2記載の粉末冶金用混合粉
又は粉末冶金焼結体 4 粉末冶金焼結体における最表面から1μmの範囲の
表層部のBi含有率が粉末冶金焼結体全体のBi含有率
を超えていることを特徴とする粉末冶金焼結体 5 粉末冶金焼結体における最表面から1μmの範囲の
表層部のBi含有率が残部のBi含有率に対して10倍
以上高いことを特徴とする粉末冶金焼結体 6 銅粉を含有する粉末冶金用原料粉にBi粉でBiを
20〜400ppm (wt) 混合した原料粉を用いて焼
結することを特徴とする粉末冶金焼結体の製造方法 7 Biを30〜300ppm (wt) 混合した原料粉
を用いて焼結することを特徴とする前記5に記載の粉末
冶金焼結体の製造方法 8 粉末冶金焼結体の製造方法において、銅粉を含有す
る粉末冶金用原料粉をBi蒸気圧下で焼結することを特
徴とする粉末冶金焼結体の製造方法、を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の粉末冶金用混合粉は銅粉
を主成分をするものであり、この混合粉には黒鉛などの
原料を添加してもよい。これらの粉末にBi粉でBiを
20〜400ppm (wt) 含有させて混合し、粉末冶
金用原料とする。本発明での銅粉とは、Cuを50wt
%以上含有する粉末をいう。また、Bi粉はBiを1w
t%以上含有する粉末をいう。Biが20ppm (w
t) 未満では防錆効果が少なくなるので下限を20pp
m (wt) とした。Biが多くなると防錆効果はより向
上するが、多すぎると銅の特性、すなわち導電性や熱伝
導性等の機能や特性が低下し、さらに焼結体が脆化する
ので好ましくない。したがって、400ppm (wt)
以下とするのが望ましい。Biは人体に対して無害であ
り、Bi粉の取扱い上で作業員がこれにより害されるこ
ともない。また粉末冶金用混合粉または焼結体中のBi
が環境を汚染するという問題がなく、粉末冶金用原料と
して好適である。
【0008】銅粉にBi粉をいれて混合撹拌するとメカ
ニカルアロイングにより、銅粉の表面合金膜が形成さ
れ、この状態でも混合粉の耐蝕性(耐酸化性)は大きく
向上する。このように混合した粉末は上記のように耐蝕
性があるので、ベンゾトリアゾールのような防錆剤で処
理しなくてもよく、取扱い上で錆の問題が生ずることは
ない。但し、上記のような有機防錆剤の使用は妨げるも
のではない、すなわち併用しても問題はない。上記メカ
ニカルアロイング(表面合金化)の程度は混合撹拌の時
間に依存するが、錆防止目的のためにはさほど長時間は
必要としない。
【0009】次に、以上で得られた銅粉又は銅粉を含有
する粉末冶金用原料粉とBiとの混合原料を用いて所定
形状の圧粉体とし、さらに700〜800°C近傍の温
度で焼結する。例えば、Biを300ppm混合した銅
粉を成形後、焼結体した表面をXPS分析したところ、
最表面ではCuとBiとの重量相対比率でBiが40%
以上も存在した。この表面を約20nm(ナノメータ
ー)エッチングすると、CuとBiの重量相対比率でB
iが2%以下まで低下し、さらに1mmの深さのところ
ではBiは0.n%以下となり、検出できなかった。こ
のことから焼結体の表面が薄いBi層で覆われることが
分かった。これは多孔質である粉末冶金の焼結体の内部
からガス化したBiが表面に凝縮したと考えられる。防
錆効果は内部拡散が特に必要ということではないので、
このように表面に濃縮することにより、微量のBiの存
在でより効果的な防錆効果が得られる。特に、粉末冶金
焼結体における最表面から1μmの範囲の表層部のBi
含有率が粉末冶金焼結体全体のBi含有率を超えている
粉末冶金焼結体、また粉末冶金焼結体における最表面か
ら1μmの範囲の表層部のBi含有率が残部のBi含有
率に対して10倍以上高い粉末冶金焼結体についても有
効である。Bi蒸気圧下で焼結することにより焼結体の
表面にBiの金属被膜又はBiとの合金化膜を形成する
こともできる。このようにして防錆効果は一段と向上す
る。この場合はBiとの混合銅粉を使用しなくても、焼
結体に防錆効果を付与できる。以上の通り、本発明の防
錆効果は粉末の状態すなわち混合原料粉の段階から防錆
効果があるので、粉末の保存、移送、処理の工程で特別
な防錆処理は必要とせず、またその混合原料粉をそのま
ま焼結することにより、より防錆効果が向上した焼結体
が得られる。このように、本発明は混合原料粉さらには
焼結体の防錆効果の著しく高めるだけでなく、処理操作
を容易とし製造コストを下げることができるという大き
な特徴を有している。
【0010】
【実施例および比較例】以下、実施例および比較例に基
づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であ
り、この例によって何ら制限されるものではない。すな
わち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限される
ものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形
を包含するものである。
【0011】(実施例1及び比較例1)Biを含まない
(1ppm以下である)銅粉(Cu99.5wt%以
上、日鉱グールドフォイル製♯52−H)にBi粉(B
i99.5wt%以上、東洋金属粉製−325メッシュ
品)を下記表1に示すように、0〜500ppm添加混
合した。このBi添加銅粉を単味で潤滑剤を使用せずに
成形圧3T/cm2 で圧粉体(約8×10×60mm)
を成形した後、焼結温度700°C、焼結時間120m
in、アンモニア分解ガス雰囲気(N2:H2=1:3)
で焼結した。この焼結体を恒温恒湿槽内にセットし、温
度80°C、湿度80%雰囲気で24時間放置する耐湿
酸化試験を実施した。この結果を表1に示す。この表1
から明らかなように、Bi無添加のもの(比較例1)は
激しく変色しているが、Biの添加量が増えるに従い耐
湿酸化性は向上している。Bi20ppm(wt)の僅
かな添加でも少し変色する程度で耐湿酸化性があり、通
常の使用で特に問題となることはない。特に耐湿酸化性
が要求されるところではBi30ppm(wt)以上添
加するのがよい。以上から耐湿酸化性には、銅粉へのB
i添加量20ppm(wt)以上、好ましくは20pp
m(wt)以上とする。
【0012】
【表1】
【0013】(実施例2及び比較例2)Biを含まない
(1ppm以下である)銅粉(Cu99.5wt%以
上、日鉱グールドフォイル製♯52−H)にBi粉(B
i99.5wt%以上、東洋金属粉製−325メッシュ
品)を下記表2に示すように、0〜500ppm添加混
合した。このBi添加銅粉70%に黒鉛(日本黒鉛製C
B−150)を30%混合し、成形圧3T/cm2 で圧
粉体(10×10×60mm)を成形した後、焼結温度
700°C、焼結時間150min、アンモニア分解ガ
ス雰囲気(N2:H2=1:3)で焼結した。この焼結体
のブラシ特性を測定した。この結果を表2に示す。表2
から明らかなように、焼結密度及び抵抗率はBi添加と
無添加で殆ど変化がなく、これらに関してはBi添加の
影響は小さい。しかし、Biが増加するに従って抗折力
が低下する傾向を示し、Bi500ppm(wt)添加
の抗折力は無添加のものに比べ、約14%の強度劣化を
起こした。一般に、BiはPbに比べ少量で熱間脆性を
示すことが知られている。表には示していないが、抗折
力の低下を無添加のものに比べて10%以内に抑えるた
めにはBi400ppm(wt)以下とすることが必要
であるという結果が得られた。以上から、銅粉へのBi
添加量を400ppm(wt)以下とする。
【0014】
【表2】
【0015】(比較例3)Bi粉を添加する代わりにS
n粉、Zn粉、In粉をそれぞれ単独で500ppmに
なるように添加し、実施例1と同様にして成形圧粉体と
し、さらにこれらを焼結した焼結品の耐湿酸化試験を実
施した(耐湿酸化試験条件は実施例1と同じである)。
この結果、焼結品の表面が茶色等に変色した。明らかに
耐酸化性に劣り、Sn粉、Zn粉及びIn粉の添加は効
果がないことが分かった。
【0016】(実施例3)Biを含まない(10ppm
以下である)銅粉(日鉱グールドフォイル製♯52−
H)にBi粉(日本アトマイズ製−200メッシュ品)
を300ppm添加し、これを混合した。この混合銅粉
を約150×100×25mmの金属トレーに充填し、
表面をエメリー紙で研磨した長さ約50mmの純銅線
(2.5mmφ)を3〜4本突き刺す。そして、このま
ま焼結温度700°C、焼結時間120min、アンモ
ニア分解ガス雰囲気中(N2:H2=1:3)で焼結し
た。このようにして得た焼結品を恒温恒湿槽内にセット
し、温度80°C,湿度80%の雰囲気で24時間放置
し、耐湿酸化試験を実施した。この結果、焼結体の表面
に酸化膜が見られなかった。このことは実施例1の結果
から当然予測できたが、Biを含まない純銅線の表面の
酸化も全く認められなかった。この原因を探るため、純
銅線の表面のXPS表面分析を行なった。その結果、こ
の純銅線の最表面からは銅との相対比率で%オーダーの
Biが検出された。これは前記金属トレーに充填した混
合銅粉中のBi粉からのBi蒸気が純銅線に転じて、表
面に被覆又は合金化されたものと考えられる。このよう
に微量のBi存在は耐酸化性を著しく向上させることが
確認できた。
【0017】(比較例4)銅粉(日鉱グールドフォイル
製♯52−H)にBi粉を添加せず、そのまま約150
×100×25mmの金属トレーに充填し、表面をエメ
リー紙で研磨した長さ約50mmの純銅線(2.5mm
φ)を3〜4本突き刺す。そして、このまま焼結温度7
00°C、焼結時間120min、アンモニア分解ガス
雰囲気中(N2:H2=1:3)で焼結した。このように
して得た焼結品を恒温恒湿槽内にセットし、温度80°
C,湿度80%の雰囲気で24時間放置し、耐湿酸化試
験を実施した。この結果、焼結体の表面及び純銅線の表
面は茶色に酸化変色した。実施例3とこの結果の比較か
ら、Bi存在が耐酸化性を著しく向上させるものであ
り、Biが存在しない場合には耐酸化性が劣ることが分
かる。
【0018】(実施例4)上記実施例1と同一の方法に
より作製したBi粉を含有する圧粉体と、比較例1と同
一の方法により作製したBi粉を含有しない圧粉体と
を、双方同時に、焼結温度700°C、焼結時間120
min、アンモニア分解ガス雰囲気中(N2:H2=1:
3)で焼結した。但し、この場合Bi粉を含有する圧粉
体からの影響を極力少なくするために、Bi粉を含有し
ない圧粉体を炉内ガス流の風上において焼結した。この
ようにして得た双方の焼結品を恒温恒湿槽内にセット
し、温度80°C、湿度80%雰囲気で24時間放置
し、耐湿酸化試験を実施した。この耐湿酸化試験によっ
てBi粉を含有する圧粉体の焼結品の表面に変化はな
く、酸化は全く見られなかった。また、Bi粉を含有し
ない圧粉体の焼結品の表面にやや酸化変色が起こった
が、しかしそれは極わずかであった。この結果に鑑み
て、焼結の条件下でBi粉を含有する圧粉体からわずか
蒸発するBiがBi粉を含有しない圧粉体の焼結品の表
面に飛来し、それが該焼結品の表面を薄く覆い、これに
よって防錆効果を生じたものと考えられる。
【0019】(比較例5)比較例3と同一の方法により
作製したZn粉を含有する圧粉体と、比較例1と同一の
方法により作製したBi粉を含有しない圧粉体とを、双
方同時に、上記実施例4と同一の条件で焼結し、さらに
実施例4と同一の条件で耐湿酸化試験を実施した。この
結果、Zn粉を含有する圧粉体及びBi粉を含有しない
圧粉体のいずれもかなりの酸化変色が生じた。この比較
例5との対比からも実施例4のわずかなBiの存在が有
効であることが分かる。
【0020】
【発明の効果】粉末冶金用混合粉は銅粉を主成分をする
ものであり、この粉末にBi粉でBiを20〜400p
pm(wt)、より好ましくは30〜300ppm(w
t)を混合し粉末冶金用原料とすることにより、混合粉
末の耐蝕性は大きく向上する。したがって、処理、運
搬、保存などの工程での腐食環境においても、酸化する
ことなく粉末冶金用混合粉の良好な品質を維持すること
ができる。Biは人体に対して無害であり、Bi粉の取
扱い上で作業員がこれにより害されることもない。また
粉末冶金用混合粉または焼結体中のBiが環境を汚染す
るという問題がない。さらに、このような銅粉又は銅粉
を含有する粉末冶金用原料粉とBiとの混合原料を用い
て所定形状の圧粉体とし、さらに700〜800°C近
傍の温度で焼結することにより、特別な処理を必要とす
ることなく、すなはち上記原料粉をそのまま用いて容易
に焼結体を製造することができ、またこのようにして得
られた焼結体の耐酸化性が著しく向上し、導電性等の特
性を損なうことなく、刷子等の電気部品や各種機械部品
に好適な焼結体材料を得ることができる。このように、
本発明は混合原料粉さらには焼結体の防錆効果を著しく
高めるだけでなく、処理操作を容易とし製造コストを下
げることができ、さらに添加するBiは環境及び人体に
無害であるという大きな特徴を有している。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅粉を含有する粉末冶金用混合粉であっ
    て、該混合粉にBi粉でBiが20〜400ppm (w
    t) 含有されていることを特徴とする粉末冶金用混合
    粉。
  2. 【請求項2】 銅粉又は銅を含む混合粉の粉末冶金焼結
    体であって、該焼結体にBiが20〜400ppm (w
    t) 含有されていることを特徴とする粉末冶金焼結体。
  3. 【請求項3】 Biが30〜300ppm (wt) 含有
    されていることを特徴とする請求項1又は2記載の粉末
    冶金用混合粉又は粉末冶金焼結体。
  4. 【請求項4】 粉末冶金焼結体における最表面から1μ
    mの範囲の表層部のBi含有率が粉末冶金焼結体全体の
    Bi含有率を超えていることを特徴とする粉末冶金焼結
    体。
  5. 【請求項5】 粉末冶金焼結体における最表面から1μ
    mの範囲の表層部のBi含有率が残部のBi含有率に対
    して10倍以上高いことを特徴とする粉末冶金焼結体。
  6. 【請求項6】 銅粉を含有する粉末冶金用原料粉にBi
    粉でBiを20〜400ppm (wt) 混合した原料粉
    を用いて焼結することを特徴とする粉末冶金焼結体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 Biを30〜300ppm (wt) 混合
    した原料粉を用いて焼結することを特徴とする請求項5
    に記載の粉末冶金焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 粉末冶金焼結体の製造方法において、銅
    粉を含有する粉末冶金用原料粉をBi蒸気圧下で焼結す
    ることを特徴とする粉末冶金焼結体の製造方法。
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