JP2000204286A - 下塗り被覆組成物及び凹凸無機質化粧板 - Google Patents

下塗り被覆組成物及び凹凸無機質化粧板

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JP2000204286A
JP2000204286A JP11043644A JP4364499A JP2000204286A JP 2000204286 A JP2000204286 A JP 2000204286A JP 11043644 A JP11043644 A JP 11043644A JP 4364499 A JP4364499 A JP 4364499A JP 2000204286 A JP2000204286 A JP 2000204286A
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paint
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undercoat
resin
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Yoshihiro Koike
喜寛 小池
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凹凸を有する無機質建材等の塗布にあたり、凹
部に塗料の溜りを、塗装面にシワ・クラック等を発生さ
せず、また無機質建材における素穴に起因するピンホー
ル等の塗膜不良を発生させず、防水性良好な下塗り被覆
組成物及び該下塗り被覆組成物を提供する。 【解決手段】 樹脂/顔料=1/10〜6/10(固
形分重量比)であり、塗装時における不揮発分が50%
以上、#4フォードカップによる粘度が10〜50秒/
25℃で、ラメラ長が3mm以下である下塗り被覆組成
物。凹凸無機質化粧板にシャワーコーター、フローコー
ター、又はスプレー塗装にて過剰に塗付した後、塗装面
に空気を吹付け、過剰な塗料を塗装面から除去して塗装
面を均一にする塗装方法に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気泡コンクリート
パネル、コンクリート、モルタル等の凹凸を有する無機
質建材等の被塗基材に好適に用いられる下塗り被覆組成
物及び該下塗り被覆組成物により下塗り塗膜が形成され
た凹凸無機質化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】凹凸部を有する被塗物に対して凹部の過
剰な塗料を除去する方法として、シャワー・アンド・エ
アーカット方式が知られている。この方式による塗装で
は、シャワー塗装後に被塗基材の上面部に空気を吹付け
るが、板の側面に塗料溜りが生じたり、溝部に相当する
凹部の塗料除去が弱く、均一な塗膜が得難い。
【0003】この点を改善した塗装装置として特開平1
0−34052号公報には、被塗装体を搬送する搬送手
段と、この搬送手段により搬送される被塗装体を塗装す
る塗装手段と、この塗装手段により塗装された被塗装体
に気体を吹き付けて前記被塗装体に塗装された塗料を伸
ばす塗料伸ばし手段と、が備えられた塗装装置が開示さ
れ、前記気体を前記被塗装体の搬出側から搬入側に向け
て吹き出させる気体吹付手段とを備え、更に気体吹付手
段には、前記気体の一部の吹出方向を前記塗装面に向か
う方向に変更する吹出変更手段を備え、凹部に溜まった
塗料を排除することができる装置となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】凹凸を有する無機質建
材等を均一に塗布するには、(1)凸部、(2)凹部及
び(3)凸部と凹部の境界部すなわち凸部の側面部と塗
装機に対する対峙角度の異なる面を均一に塗布するこ
と、具体的には凹部に塗料の溜りを発生させない、塗装
面にシワ・クラック等を発生させない必要がある。また
無機質建材においては、基材に素穴が形成されるが、塗
膜を形成した際に素穴に起因する塗膜不良、例えばピン
ホールを発生させずに、防水性を向上させる必要があ
る。上記従来技術は、これら改良のための装置・方法で
あるが、これらの装置・方法に適用し、良好な塗膜を形
成するには、塗料(被覆組成物)面からの配慮が必要で
ある。
【0005】本発明者は上述の課題に鑑み鋭意研究した
結果、(1)樹脂/顔料=1/10〜6/10(固形分
重量比)であり、塗装時における不揮発分が50%以
上、#4フォードカップによる粘度が10〜50秒/2
5℃で、ラメラ長が3mm以下であることを特徴とする
下塗り被覆組成物を提供するものである。さらに(2)
凹凸無機質化粧板にシャワーコーター、フローコータ
ー、又はスプレー塗装にて過剰に塗付した後、塗装面に
空気を吹付け、過剰な塗料を塗装面から除去して塗装面
を均一にする塗装方法に用いる水性塗料において、樹脂
/顔料=1/10〜6/10(固形分重量比)であり、
塗装時における不揮発分が50%以上、#4フォードカ
ップによる粘度が10〜50秒/25℃であることを特
徴とする下塗り被覆組成物を提供するものである。
【0006】この下塗り被覆組成物により、塗装機に対
する対峙角度の異なる(1)凸部、(2)凹部及び
(3)凸部と凹部の境界部すなわち凸部の側面部と面を
均一に塗布することができるようになり、凹部には塗料
の溜りが発生せず、塗装面全般にはシワ・クラック等を
発生することがなくなった。また素穴が形成された基材
に対して、塗膜を形成した際に素穴に起因する塗膜不
良、例えばピンホールの発生を抑え、更に防水性を向上
させることができる。
【0007】本発明は、被塗基材の表面に存在する気
泡、特に凹凸部の凸部側面にできた素穴に対してピンホ
ールの出難い、良好な塗膜を発現する塗膜が得られる下
塗り被覆組成物及び該下塗り被覆組成物により下塗り塗
膜が形成された凹凸無機質化粧板、特に気泡コンクリー
トパネルの工場塗装に好適に用いる塗装物を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、樹
脂/顔料=1/10〜6/10(固形分重量比)であ
り、塗装時における不揮発分が50%以上、#4フォー
ドカップによる粘度が10〜50秒/25℃で、ラメラ
長が3mm以下である下塗り被覆組成物を提供するもの
である。
【0009】さらに凹凸無機質化粧板にシャワーコータ
ー、フローコーター、又はスプレー塗装にて過剰に塗付
した後、塗装面に空気を吹付け、過剰な塗料を塗装面か
ら除去して塗装面を均一にする塗装方法に用いる水性塗
料において、樹脂/顔料=1/10〜6/10(固形分
重量比)であり、塗装時における不揮発分が50%以
上、#4フォードカップによる粘度が10〜50秒/2
5℃である下塗り被覆組成物を提供するものである。
【0010】また、本発明は、前記の水性塗料のラメラ
長が3mm以下である下塗り被覆組成物を提供するもの
である。
【0011】また、本発明は、前記の水性塗料が、アク
リルエマルション又はシリコン変性アクリルエマルショ
ン樹脂からなる下塗り被覆組成物を提供するものであ
る。
【0012】また、本発明は前記の下塗り被覆組成物が
下塗りとして塗膜形成された凹凸無機質化粧板を提供す
るものである。
【0013】また、本発明は前記の無機質化粧板が、気
泡コンクリートパネルである凹凸無機質化粧板を提供す
るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0015】「(1)水性塗料」本発明に用いる下塗り
被覆組成物である水性塗料は、樹脂/顔料=1/10〜
6/10(固形分重量比)であり、塗装時における不揮
発分が50%以上、#4フォードカップによる粘度が1
0〜50秒/25℃で、ラメラ長が3mm以下である下
塗り被覆組成物である。そのためには(A)樹脂、
(B)顔料及び(C)溶媒に分散するものであり、樹脂
としてアクリルエマルション又はシリコン変性アクリル
エマルション樹脂が好ましいものとして構成される。
【0016】(A)樹脂 塗膜を形成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、
シリコン変性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ッド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の水溶性、水分
散(エマルション)型の水性樹脂が挙げられ、特に、ア
クリル樹脂又はシリコン変性アクリル樹脂のエマルショ
ン樹脂が好ましく用いられる。またアミノ樹脂や(ブロ
ック)ポリイソシアネート化合物、アミン等の架橋剤と
混合して使用することもできる。また、これらの樹脂
は、1種に限らず2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0017】本発明は、アクリル樹脂又はシリコン変性
アクリル樹脂のエマルション樹脂を好ましく用いること
により、水性塗料の下塗り被覆組成物を提供する。本発
明は、(a)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和
モノマーとの共重合体よりなるアクリルエマルション又
は(b)オルガノポリシロキサンをグラフトもしくは内
包させたアクリルモノマーと他のエチレン性不飽和モノ
マーとの共重合体よりなるシリコン変性アクリルエマル
ションを用いる。
【0018】共重合に使用し得るアクリル系モノマーと
しては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、
2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、
2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルエステ
ル、プラクセルFM−1(メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチルとポリカプロラクトンとの付加物、ダイセル化学
工業(株)製)、アクリルアミド、およびN−メチロー
ルアクリルアミドのようなその誘導体、アクリロニトリ
ルなどがあり、これらと共重合可能な他のエチレン性不
飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなどがある。
少割合の多官能モノマー、例えばジビニルベンゼン、多
価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどを含ん
でもよい。
【0019】オルガノポリシロキサン(シリコン成分)
をグラフトもしくは内包させたシリコン変性アクリルエ
マルションは、オルガノポリシロキサン(シリコン成
分)とアクリルモノマーと他のエチレン性不飽和モノマ
ーを、乳化したアルコキシシランモノマー又はその加水
分解縮合物であるオルガノポリシロキサンオリゴマーの
存在下水中で乳化重合することによって製造することが
できる。
【0020】乳化重合法により、シリコン成分をグラフ
トもしくは内包したアクリル共重合体のエマルションの
製造は、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン又
はその混合物の乳化加水分解と、アクリルモノマーの乳
化共重合とを同一系内において同時に、又は逐次行って
製造することができる。
【0021】この目的に使用し得るジアルコキシ又はト
リアルコキシシランモノマーの例は、メチルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメト
キシシランなどがある。これらシランモノマーは単独で
も又は2種以上を混合して用いることができる。
【0022】アクリル共重合体へシリコン成分のグラフ
トを望む場合は、シリコーンモノマーの一部に3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシブチルトリ
メトキシシランのようなラジカル重合可能なエチレン性
不飽和基を有するアルコキシシランモノマーを使用す
る。
【0023】これらアルコキシシランモノマーは酸性条
件下加水分解により式、 RnSiO(4−n)/2 (式中、Rはケイ素原子へ結合した炭化水素基、nは2
又は3である)の繰り返し単位を有するオルガノポリシ
ロキサンへ重縮合する。
【0024】該エマルションの乳化重合には、界面活性
剤水溶液へ、別々に用意した、アクリルモーマーとこれ
らと共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマーをシラ
ンモーマーと、同時に平行して滴下するか、一方のモノ
マーの滴下終了後又は滴下途中で他方のモノマーの滴下
を開始することによって行うことができる。逐次滴下を
何回かに分けて行ってもよい。ラジカル重合開始剤は、
アクリルモノマーの滴下前、又は滴下と同時に滴下す
る。
【0025】乳化共重合に使用する界面活性剤は慣用の
ノニオン系又はアニオン系界面活性剤を使用することが
できる。ノニオン系活性剤の例は、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどであ
る。
【0026】アニオン系活性剤が好ましい。その例は、
アニオン成分がアルキルベンスルホン酸、アルキル硫酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルサルフェート、スチレンスルホン酸、α−オレフィン
スルホン酸、酸性リン酸アルキルエステル、アルカンス
ルホン酸などであり、カチオン成分がアルカリ金属、ア
ンモニア、トリエチルアミンのようなアミンなどである
塩である。
【0027】乳化重合の場合は、開始剤として水溶性開
始剤を使用するのが普通である。その例は過酸化水素、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの無機過酸化
物開始剤、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミル
ヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、テト
ラリンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルヒドロペル
オキシドなどの有機過酸化物開始剤、及び4,4’−ア
ゾビス(4−シアノ吉草酸)のようなアゾ系開始剤があ
る。
【0028】(B)顔料 本発明の下塗り被覆組成物は、着色顔料として、二酸化
チタン、酸化鉄、水酸化鉄、カーボンブラック、黄鉛等
の無機顔料及びアゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔
料、インジコ系顔料、ベリレン系顔料、キノフタロン系
顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソ
インドリノン系顔料等の各種有機着色顔料、体質顔料と
して、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、ケイ
酸、炭酸マグネシウム等及びこれらの組み合わせたもの
が用いられる。
【0029】(C)溶媒 本発明の下塗り被覆組成物は、上記構成成分を、溶媒に
溶解、分散した態様で提供される。溶媒としては、水が
好ましい。更に適量の有機溶剤を含有させてもよい。
【0030】<配合割合>本発明に用いる下塗り被覆組
成物の樹脂と顔料の固形分重量比は、1/10〜6/1
0であり、1/10未満では、防水性の良好な塗膜を得
ることができない不具合があり、また6/10を超える
と、溝部等の凹部に塗料溜りが多くなり、クラックが発
生したり、凸部にシワが発生したり、また素穴内部の塗
り残し等の不具合がある。好ましくは、2/10〜4/
10である。
【0031】<不揮発分>塗装時において、不揮発分
は、50%以上にする。塗装時の不揮発分が、50%未
満の場合には、乾燥時にクラックを発生する等の不具合
がある。好ましくは、50〜70%である。溶媒によ
り、塗装時の不揮発分を、50%以上となるように制御
する。
【0032】<粘度>塗装時における粘度は、#4フォ
ードカップによる25℃の測定値で10〜50秒にす
る。#4フォードカップによる25℃の粘度が、10秒
未満の場合には、塗装装置における塗料循環系で塗料中
の顔料の沈殿が発生し、連続運転塗装が困難となり、5
0秒を超えると、溝部等の凹部に塗料溜りが多くなり、
クラックが発生したり、凸部にシワが発生したり、また
素穴内部の塗り残し等の不具合がある。好ましくは、1
0〜50秒である。より好ましくは、20〜40秒であ
る。粘度を本範囲にするためには、溶媒の添加により制
御する。粘度を所定の範囲に設定した粘度調節器と連動
することにより、溶媒の添加量の自動制御が可能とな
る。
【0033】<ラメラ長>本発明の下塗り被覆組成物
は、ラメラ長が3mm以下であることが好ましい。ラメ
ラ長とは、塗料等の液状膜における液切れの程度を示す
もので、測定値が小さいほど塗料の液膜が切れやすく、
空気吹付けによる過剰塗料の除去がしやすい。ラメラ長
が3mmを超えると、塗料の液膜の液切れが良くなく、
空気吹付けによる過剰塗料の除去が困難となる傾向があ
る。より好ましくは、0.1〜2mmである。
【0034】「(2)塗装方法」本発明の下塗り被覆組
成物を、凹凸無機質化粧板にシャワーコーター、フロー
コーター、又はスプレー塗装にて過剰に塗付した後、塗
装面に空気を吹付け、過剰な塗料を塗装面から除去して
塗装面を均一にする塗装方法を用いる。シャワーコータ
ー、フローコーター、又はスプレー塗装は、塗装におけ
る常用の塗装方法を用いることができる。本発明での過
剰な塗布とは、塗着量が乾燥塗布量の5〜10倍が好ま
しい。除去後の塗着量は、過剰塗着量の0.1〜0.5
倍が好ましい。
【0035】塗装面に空気を吹付け、過剰な塗料を塗装
面から除去して塗装面を均一にする塗装方法としては、
被塗基材をコンベアー等の搬送手段に載せ、本発明の下
塗り被覆組成物をシャワーコーター、フローコーター、
又はスプレー塗装の塗料塗布手段で過剰塗着量で塗装し
た直後、搬送手段上方に設置した、塗料塗布手段の直後
に減圧空気吸引口を備え、減圧空気吸引口→減圧ブース
→空気吸引手段→空気循環用ブロアー→空気吹付け手段
→加圧ブース→加圧空気吹付け口により構成され、塗装
面上で被塗基材の搬出側から搬入側に向けて、好ましく
は塗装面に沿って空気が循環可能で、減圧空気吸引口と
加圧空気吹付け口の間に、平面状(被塗基材上)に所定
の吹き出し変更角度を有した「吹き出し方向変更部材」
を設置し、加圧空気により、過剰に塗着した塗料を所定
の塗着量まで除去することにより得られる(エアーナイ
フ方式ともいう)。
【0036】このような手段として、特開平10−34
052号公報に記載の、被塗装体を搬送する搬送手段
と、この搬送手段により搬送される被塗装体を塗装する
塗装手段と、この塗装手段により塗装された被塗装体に
気体を吹付けて前記被塗装体に塗装された塗料を伸ばす
塗料伸ばし手段と、が備えられた塗装装置、更に該装置
に前記気体を前記被塗装体の搬出側から搬入側に向けて
吹き出させる気体吹付手段とを備え、更に気体吹付手段
には、前記気体の一部の吹出方向を前記塗装面に向かう
方向に変更する吹出変更手段を備え、凹部に溜まった塗
料を排除することができる塗装装置等を用いることもで
きる。
【0037】「(3)被塗基材」本発明の下塗り被覆組
成物により塗布する凹凸無機質化粧板の被塗基材として
は、気泡コンクリート(ALC)パネル、コンクリー
ト、モルタル等の凹凸を有する無機質建材等に好適に用
いられる。特に気泡コンクリートパネルに塗布する際
に、効果的に用いることができる。凹凸無機質化粧板の
被塗基材に対して、必要によりパテ補修実施した後、本
発明の下塗り被覆組成物を少なくとも1層形成する。そ
の後、数分間の放置によるセッティング後、50〜15
0℃で、1〜60分乾燥させる。2層以上形成する場合
には、間で数分間の放置によるセッティング後、50〜
150℃で、1〜30分乾燥させる。下塗り塗膜形成
後、意匠目的で、少なくとも1層の上塗塗膜を適宜形成
する。上塗塗膜は、第1層を連続塗膜とし、その上に不
連続な部分的な塗膜を形成することにより、意匠性のバ
リエーションを増すことができる。本発明の下塗り被覆
組成物の乾燥塗布量は、1回につき0.1〜1kg/m
が好ましい。より好ましくは、1回につき0.1〜
0.5kg/mである。
【0038】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例を挙げて更
に具体的に説明するが本発明はこれらの実施例にのみ限
定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない
かぎり重量部を表す。
【0039】「実施例1〜5,比較例1〜3」 <被塗基材の調製>厚さ;100mm、幅;460m
m、長さ;900mmのALCパネル表面に、表面部
幅;20mm、底部幅;10mm、深さ;8mmの溝
を、幅方向(搬入方向と直角の方向)で100mm毎、
長さ方向で(搬入方向と同じ方向)で300mm毎に彫
った基材を、含水率40〜30%(Kett水分計で測
定)になるように自然乾燥したものを被塗基材とした。
【0040】<下塗り被覆組成物の調製>顔料、水道
水、添加剤を混合した顔料ペースト(B)とエマルショ
ン樹脂(A)を表1に記載の比率で混合し、水道水を添
加して不揮発分及び粘度を所定の数値となるよう調整
し、下塗り被覆組成物を得た。ラメラ長を測定し、結果
を表1に示した。
【0041】測定方法 ラメラ長…塗料を20℃の恒温室にてダイノメーター
(ビッグケミー(株)製)にて測定した。測定値が小さ
いほど良好である。
【0042】
【表1】
【0043】<下塗り被覆組成物塗膜の形成>上記被塗
基材をコンベアー(コンベアー速度5m/分)に載せ、
表2に示す下塗り被覆組成物をシャワーコーターで2k
g/mの過剰塗着量で塗装した直後、コンベアー上方
に設置した、シャワーコーター直後に垂直方向に減圧空
気吸引口(空気の流れ;上向き)を備え、減圧空気吸引
口→減圧ブース(減圧;50Hz)→空気吸引手段→空
気循環用ブロアー→空気吹付け手段→加圧ブース(ポン
プエアー圧;3kg/cm)→垂直方向に加圧空気吹
付け口(空気の流れ;下向き)により構成され、塗装面
上で被塗基材の搬出側から搬入側に向けて塗装面に沿っ
て空気が循環可能で、減圧空気吸引口と加圧空気吹付け
口の間(吸引口と吹付け口の間隔;0.5m)に、平面
状(被塗基材上)に吹き出し変更角度を90度(加圧空
気循環方向に左右各45度に開いた)とした被塗基材の
幅の約1.3倍をカバーする「吹き出し方向変更部材」
を設置し、加圧空気により、過剰に塗着した塗料を表2
に示す「測定塗着量」まで除去し、遠赤炉にて100
℃、10分間乾燥し1コート目の塗膜を得た。その後、
再度同条件で塗装し、過剰に塗着した塗料を表2に示す
「測定塗着量」まで除去し、遠赤炉にて100℃、10
分間乾燥し2コート目の塗膜を得て下塗塗膜を形成し
た。本来は、この下塗り塗膜形成後、上塗塗膜を形成す
るが、下塗り被覆物の性能を確認するため、下塗塗膜ま
でで、塗料要溜り、素穴部の外観、透水量を評価し、結
果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】評価方法 塗料溜り…試験板を、目視により溝部等の凹部、凸部及
び側面部の塗料溜りの程度を評価した。 5…塗料溜り全くなし 4…横溝(幅方向に形成された溝)のみ、塗料溜りが溝
の長さの1/5以下で認められる 3…横溝及び縦溝(搬入方向に形成された溝)に、塗料
溜りが溝の長さの1/5以下で認められる 2…横溝全体及び縦溝の長さ1/2以上で塗料溜りが認
められる 1…横溝及び縦溝の全体、更に凸部及び被塗基材側面部
に塗料溜りが認められる
【0046】素穴部の外観…試験板を、目視により素穴
部外観の程度を評価した。 5…すべての素穴内部まで塗料が入っている 4…板全体で表面の素穴の1〜10個に塗料が素穴の内
部まで入っていない 3…板全体で表面の素穴の11〜30個に塗料が素穴の
内部まで入っていない 2…板全体で表面の素穴の31〜100個に塗料が素穴
の内部まで入っていない 1…板全体で表面の素穴の101個以上に塗料が素穴の
内部まで入っていない
【0047】透水量…JIS−K−5400 8.16
に準拠し、漏斗の直径が75mmで、24時間後の透水
量を凸部、横溝部、縦溝部及び十字溝部(横溝と縦溝の
交差部)の各2個所で測定した。測定値が小さいほど良
好である。
【0048】塗膜外観…目視にて、塗膜のシワ、クラッ
クの発生状況を評価した。
【0049】
【発明の効果】表1〜表2の結果から明らかなように、
本発明によれば凹凸を有する無機質建材等の塗布にあた
り、凹部に塗料の溜りを、塗装面にシワ・クラック等を
発生させず、また無機質建材における素穴に起因するピ
ンホール等の塗膜不良を発生させず、防水性を向上させ
た無機質化粧板に好適に用いることが可能な下塗り被覆
組成物及び該下塗り被覆組成物を提供する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂/顔料=1/10〜6/10(固形
    分重量比)であり、塗装時における不揮発分が50%以
    上、#4フォードカップによる粘度が10〜50秒/2
    5℃で、ラメラ長が3mm以下であることを特徴とする
    下塗り被覆組成物。
  2. 【請求項2】 凹凸無機質化粧板にシャワーコーター、
    フローコーター、又はスプレー塗装にて過剰に塗付した
    後、塗装面に空気を吹付け、過剰な塗料を塗装面から除
    去して塗装面を均一にする塗装方法に用いる水性塗料に
    おいて、樹脂/顔料=1/10〜6/10(固形分重量
    比)であり、塗装時における不揮発分が50%以上、#
    4フォードカップによる粘度が10〜50秒/25℃で
    あることを特徴とする下塗り被覆組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の水性塗料のラメラ長が3
    mm以下であることを特徴とする下塗り被覆組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれか記載の水性塗料
    が、アクリルエマルション又はシリコン変性アクリルエ
    マルション樹脂からなることを特徴とする下塗り被覆組
    成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれか記載の下塗り被
    覆組成物が下塗りとして塗膜形成されたことを特徴とす
    る凹凸無機質化粧板。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の凹凸無機質化粧板が、気
    泡コンクリートパネルであることを特徴とする凹凸無機
    質化粧板。
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