JP2000204225A - フェノ―ル系重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents

フェノ―ル系重合体組成物およびその製造方法

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JP2000204225A
JP2000204225A JP11003043A JP304399A JP2000204225A JP 2000204225 A JP2000204225 A JP 2000204225A JP 11003043 A JP11003043 A JP 11003043A JP 304399 A JP304399 A JP 304399A JP 2000204225 A JP2000204225 A JP 2000204225A
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phenolic polymer
dihydroxybenzene
phenolic
resin
aromatic aldehyde
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JP11003043A
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Masato Ohira
正人 大平
Yoshihisa Sone
嘉久 曽根
Seiki Murata
清貴 村田
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Air Water Inc
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Sumikin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低溶融粘度と高ガラス転移温度とを兼ね備
え、BGA等、最新の半導体封止方式に対応でき、エポ
キシ硬化剤として利用できるフェノール系重合体の提
供。 【解決手段】 ジヒドロキシベンゼンと芳香族アルデヒ
ドまたはケトンとの縮合反応させて得られるフェノール
系重合体Aと、モノヒドロキシベンゼンと芳香族アルデ
ヒドまたはケトンとの縮合反応させて得られるフェノー
ル系重合体Bとから成り、A/Bの重量比が20/80
〜60/40であるフェノール系重合体組成物。また、
上記フェノール系重合体Aの製造において、縮合反応の
後に未反応のジヒドロキシベンゼンを水と酢酸エチルの
混合溶媒で抽出除去することを特徴とするフェノール系
重合体組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種バインダー、
コーティング材、積層材、成形材料等に有用なフェノー
ル系重合体組成物およびその製造方法に関する。特に半
導体封止用、プリント基板絶縁用などのエポキシ硬化剤
に好適な、低溶融粘度、高ガラス転移温度、優れた硬化
特性を兼ね備えたフェノール系重合体組成物およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体パッケージは小型・薄型
化、多ピン化、高密度実装化に伴い、ピン挿入方式(D
IP)から表面実装方式(SOP,QFP)へと移行し
てきており、さらに最近はBGA(Ball Grid
Array)といった新しいパッケージ形態も登場し
てきている。BGAは同一ピン数のQFPに比べて、ピ
ッチ間隔が広い、パッケージサイズが小さい、実装不良
が少ないなどの特長を有し、今後QFPからの移行が急
速に進むと考えられている。
【0003】BGAは従来のQFPやSOPと異なり、
エポキシ樹脂やBTレジンといった有機基板の上にチッ
プを搭載し、片面のみを樹脂封止した構造をしている。
よって、基板と封止材の熱収縮の差により反りが発生し
やすい。またQFPやSOPに比べて、ボンディングワ
イヤーが長い、基板の表面がソルダーレジストで被覆さ
れているなど従来パッケージとの違いがある。
【0004】そのためBGA用の封止材には、反りが小
さいこと、流動性が高いこと(ワイヤー変形が小さいこ
と)、基板表面との密着性が良いことなどが求められて
いる。これら封止材への要求特性を満たすために、高ガ
ラス転移温度と低溶融粘度を兼ね備えたフェノール系樹
脂(硬化剤)の出現が強く望まれている。ガラス転移温
度が高いと反りが小さくなり、低溶融粘度であれば流動
性や密着性が向上し、フィラーも多く配合できるので半
田耐熱性や耐水性の面でも有利になる。
【0005】またビルドアップ基板の層間絶縁材にも、
耐水性に優れ、高ガラス転移温度で接着性のよいエポキ
シ樹脂組成物が望まれており、これを達成するために、
元々耐水性や保存安定性に優れたフェノール系硬化剤
で、高ガラス転移温度と低溶融粘度を両立するものが望
まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】BGA用封止材に使用
されるフェノール系硬化剤は、ガラス転移温度を上げる
ために水酸基濃度が高いもの、いわゆる多官能タイプが
用いられる。代表的な例としてトリフェノールメタン型
のフェノール樹脂が挙げられる(特公平7−12197
9、特開平2−173023など)。
【0007】これは、炭素原子に3個のフェノール類が
結合し、下記式(2)あるいは、式中のフェノールにア
ルキル基やハロゲンが置換した構造を有するフェノール
樹脂である(nは0または1以上の整数)。
【化2】
【0008】またトリフェノールメタン型のフェノール
樹脂にアリル基を付与したタイプの樹脂も提案されてい
る(特開平4−23824)。これらの樹脂はガラス転
移温度が高いため熱収縮が小さく、また樹脂骨格的に自
由体積が大きいため、硬化収縮率も小さく、これが低反
りに寄与しているとされている。しかしこのタイプの樹
脂は、その反面、水酸基濃度が高いため水酸基の水素結
合により溶融粘度が高いといった問題点があった。
【0009】一般にガラス転移温度を上げるために、水
酸基濃度を上げると、水酸基同士の水素結合のため溶融
粘度が上昇する。すなわち、高ガラス転移温度と低溶融
粘度の両立は原理的に難しいのが実状であった。
【0010】この問題を解決するフェノール系硬化剤と
して、架橋密度に頼らず、分子の主鎖そのものをリジッ
ドにする方法(例えば「熱硬化性樹脂」Vol.15,No.3,P
20(1994)で提案されたナフトール系樹脂を用いるもの
等)、主鎖に嵩高い構造をペンダント状にぶら下げる方
法(特開平6−184258)などがあるが、いずれも
低溶融粘度で、しかもガラス転移温度を高くするという
点では不十分であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低溶融粘
度でガラス転移温度の高いフェノール系硬化剤を得るた
めに鋭意検討した結果、ジヒドロキシベンゼンと芳香族
アルデヒドまたはケトンとの縮合反応で得られるフェノ
ール系重合体Aと、モノヒドロキシベンゼンと芳香族ア
ルデヒドまたはケトンとの縮合反応で得られるフェノー
ル系重合体Bとを、特定の比率でブレンドすることによ
り低溶融粘度でかつ高ガラス転移温度を有するフェノー
ル系重合体組成物が得られることを見い出し本発明を完
成した。
【0012】また、このようなジヒドロキシベンゼンを
原料とするフェノール系重合体Aの製造においては、縮
合反応終了後、未反応のジヒドロキシベンゼンの除去が
困難であるが、これについても水と酢酸エチルの混合溶
媒により抽出除去できることを見い出した。
【0013】すなわち本発明は、ジヒドロキシベンゼン
と一般式(1)で表される芳香族アルデヒドまたはケト
ンを、酸触媒の存在下、縮合反応させて得られるフェノ
ール系重合体Aと、モノヒドロキシベンゼンと芳香族ア
ルデヒドまたはケトンを酸触媒の存在下、縮合反応させ
て得られるフェノール系重合体Bとから成り、A/Bの
重量比が20/80〜60/40であることを特徴とす
るフェノール系重合体組成物である。
【化3】 (ただしRは水素原子またはC 〜C のアルキ
ル基を示し、R、Rは水素原子、C 〜C
アルキル基、またはハロゲン原子を示す。)
【0014】また本発明は上記フェノール系重合体Aに
おいて、縮合反応の後に未反応のジヒドロキシベンゼン
を水と酢酸エチルの混合溶媒で抽出除去することを特徴
とするフェノール系重合体組成物の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のフェノール系重合体の第
一成分であるフェノール系重合体Aは、ジヒドロキシベ
ンゼンと芳香族アルデヒドまたはケトンを、酸触媒の存
在下、縮合反応させて製造することができる。
【0016】フェノール系重合体Aの製造に用いるジヒ
ドロキシベンゼンは2価フェノールであり、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノンが挙げられる。
【0017】また芳香族アルデヒド及びケトンは前記一
般式(1)に示されるアルデヒドまたはケトンである。
【0018】芳香族アルデヒドはアルデヒド基を1個有
する単環型の芳香族モノアルデヒドで、その具体例とし
ては、ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、ジ
メチルベンズアルデヒド、エチルベンズアルデヒド、イ
ソプロピルベンズアルデヒド、tert−ブチルベンズ
アルデヒドが挙げられる。好ましい芳香族アルデヒドは
ベンズアルデヒドである。
【0019】また芳香族ケトンとしては、アセトフェノ
ン、メチルアセトフェノン、ジメチルアセトフェノン、
プロピオフェノン、ブチロフェノンなどが挙げられる。
【0020】酸触媒としては、リン酸、硫酸、塩酸等の
無機酸、ならびにシュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸等の有機酸、さらには塩化亜鉛、ジエチル
硫酸等のルイス酸が挙げられる。
【0021】酸触媒の使用量は特に制限されないが、触
媒の種類に応じて、原料の合計量に対して0.003〜
5重量%の範囲内で適正量添加すればよい。
【0022】各原料の使用割合は、ジヒドロキシベンゼ
ンに対する芳香族アルデヒドあるいはケトンの量が、モ
ル比で0.05〜0.5、特に0.1〜0.3となるこ
とが好ましい。このモル比が0.05未満では、未反応
のジヒドロキシベンゼンが多くなり樹脂収率が低下す
る。一方、0.5を越えると生成樹脂の分子量が増大
し、溶融粘度が上昇して好ましくない。
【0023】ジヒドロキシベンゼンと芳香族アルデヒド
またはケトンとの縮合反応は、90〜150℃の範囲で
1〜10時間程度行われる。縮合反応終了後、未反応の
ジヒドロキシベンゼンを除去する。除去方法としては一
般的な減圧留去が考えられるが、ジヒドロキシベンゼン
は非常に沸点が高いため、これを減圧留去するには、2
00℃で10torr以下の高温・高真空が必要となる
ので、ジヒドロキシベンゼンを原料とするフェノール系
重合体Aの製造においては、これが大きな問題となる。
【0024】本発明者らは未反応のジヒドロキシベンゼ
ンを除去する方法について鋭意検討した結果、水と酢酸
エチルの混合溶媒により、縮合物中の未反応ジヒドロキ
シベンゼンが選択的に抽出除去できることを見い出し
た。水と酢酸エチルの混合溶媒の割合は重量比で、水/
酢酸エチル=95/5〜60/40が好ましい。特に好
ましくは水/酢酸エチル=90/10である。酢酸エチ
ルが5重量%以下の混合溶媒では樹脂が溶けにくくなり
分液性が悪くなる。また酢酸エチルの割合が40重量%
を越えるとジヒドロキシベンゼンの除去率が低下する。
また樹脂と混合溶媒の割合は樹脂/混合溶媒=50/5
0〜5/95で、10/90〜30/70が特に好まし
い。本抽出操作は、2〜5回程度行うのが好ましく、2
回目以降は水単独でも使用できる。
【0025】本発明のフェノール系重合体の第二成分で
あるフェノール系重合体Bは、モノヒドロキシベンゼン
と一般式(1)で表される芳香族アルデヒドまたはケト
ンを、酸触媒の存在下、縮合反応させて製造することが
できる。
【0026】フェノール系重合体Bの原料であるモノヒ
ドロキシベンゼンとしては、フェノール、(o−,m
−,p−)クレゾール、キシレノール、(o−,m−,
p−)エチルフェノール、ブチルフェノール、ハロゲン
化フェノールなどが挙げられる。
【0027】芳香族アルデヒド、芳香族ケトンの具体例
としては、前記フェノール系重合体Aの製造に用いたと
同様のものが挙げられる。また縮合反応に使用できる酸
触媒の種類と好ましい添加量も、フェノール系重合体A
について述べたと同様である。
【0028】フェノール系重合体Bの製造における各原
料の使用割合は、モノヒドロキシベンゼンに対する芳香
族アルデヒドまたはケトンの量が、モル比で0.05〜
0.5、特に0.1〜0.3となることが好ましい。こ
のモル比が0.05未満では、未反応のモノヒドロキシ
ベンゼンが多くなり樹脂収率が低下する。一方、0.5
を越えると生成樹脂の分子量が増大し、溶融粘度が上昇
して好ましくない。
【0029】モノヒドロキシベンゼンと芳香族アルデヒ
ドまたはケトンとの縮合反応は、90〜150℃の範囲
で1〜10時間程度行われる。縮合反応終了後、未反応
のモノヒドロキシベンゼンを除去する。除去方法として
は一般的な減圧留去が適用できる。
【0030】本発明のフェノール系重合体組成物は、フ
ェノール系重合体AとBとを、A/B=20/80〜6
0/40の重量比でブレンドしたものである。フェノー
ル系重合体Aの比率が20重量%未満では硬化物のガラ
ス転移温度が低下する。またフェノール系重合体Aの比
率が60重量%を越えると、溶融粘度が高くなってしま
う。
【0031】上記フェノール系重合体AとBとの混合方
法は、フェノール系重合体Aを混合溶媒で抽出後、フェ
ノール系重合体Bを所定割合で溶融混合した後、ブレン
ド樹脂から水と酢酸エチルを減圧留去する方法で得るの
が好ましい。フェノール系重合体A単独の状態で、水と
酢酸エチルを除去してしまうと粘度が高すぎて反応容器
からの取り出しが困難となるからである。
【0032】本発明のフェノール重合体組成物は、上記
ジヒドロキシベンゼンから得られるフェノール系重合体
Aとモノヒドロキシベンゼンから得られるフェノール系
重合体Bとを混合したことにより、炭素原子に3個のフ
ェニル基が結合し、該フェニル基に対し、平均的には1
個前後のヒドロキシ基で置換された多価フェノールであ
るが、前記式(2)に示したトリフェノールメタン型樹
脂のように、中央の炭素原子にすべて1価フェノールが
結合した縮合物ではなく、2価フェノール、1価フェノ
ール、あるいはヒドロキシ基を有しないベンゼンと結合
したものとが混在した構造になっている。このような混
合物にしたことにより、本発明のフェノール系重合体組
成物は、フェニル基に対する平均のヒドロキシ基の割合
が、トリフェノールメタン型樹脂と同程度であっても、
低溶融粘度でかつ高ガラス転移温度を有する樹脂が得ら
れる。
【0033】また2種類のフェノール系重合体の混合物
であるため、混合比率を変更することにより、用途に応
じて、所望の物性を有する、フェノール系重合体組成物
を得ることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中、部および%は特に指定しない限り重量部
および重量%である。また実施例および比較例で得られ
たフェノール系重合体の物性評価方法は、下記の通りで
ある。
【0035】(1)未反応モノマー量 GPCにより定量。
【0036】(2)溶融粘度 ICI粘度計を用いて、150℃での溶融粘度を測定し
た。
【0037】(3)水酸基当量 アセチル化法により求めた。
【0038】(4)ゲルタイム 得られたフェノール系重合体を加熱溶融させ、硬化促進
剤としてトリフェニルホスフィンを所定量添加し溶融ブ
レンドし、一旦冷却し粉砕する。この硬化促進剤入り樹
脂とo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を当量比
1:1になるように配合し、コーヒーミルでドライブレ
ンドし樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のゲルタ
イムを175℃でストロークキュア法で測定した。なお
硬化促進剤のトリフェニルホスフィンの配合割合は、フ
ェノール系重合体(硬化剤)とエポキシ樹脂の合計量に
対して1phrになるようにした。
【0039】(5)ガラス転移温度 上記樹脂組成物を用いて硬化物を作製し、180℃×6
hrポストキュアを実施した後、ガラス転移温度をTM
A法で測定した。
【0040】[製造例1](フェノール系重合体Aの製
造) 撹拌機、温度計、コンデンサー、および窒素ガス導入管
を備えた四つ口フラスコに、原料としてレゾルシン10
00部、ベンズアルデヒド144部(ベンズアルデヒド
/レゾルシンのモル比0.15)を仕込み、さらに触媒
としてトリフルオロメタンスルホン酸の1%水溶液を
5.7部添加し、窒素気流下で撹拌しながら昇温して内
温を120℃に上げ、1時間保持した。その後温度を1
40℃に上げさらに1時間保持した。その後、トリフル
オロメタンスルホン酸と等モル量の1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7を添加し、中和処理
を行った。得られた縮合物は、未反応のフリーレゾルシ
ンが60.3%、樹脂成分が39.7%含まれていた。
【0041】この縮合物1154部に、酢酸エチル11
54部、水11445部を加え、撹拌した後、分液ロー
トに入れ15分静置して相分離させた後、樹脂層を取り
出した。さらにこの樹脂層に11445部の水を加え、
液分離を行い、この抽出操作を2回繰り返した。得られ
た抽出処理後の樹脂は、フェノール系重合体A成分(A
)を45%含有し、他に酢酸エチル41%、水14%
を含むが、樹脂分中の未反応のフリーレゾルシンは1.
3%と極めて少なかった。
【0042】[製造例2](フェノール系重合体Bの製
造) 製造例1と同様の装置を用いて、原料としてフェノール
1454部、ベンズアルデヒド247部を仕込み、さら
に触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸の1%水溶
液を18.7部添加し、窒素気流下で撹拌しながら昇温
して内温を135℃に上げ、3時間保持した。その後、
トリフルオロメタンスルホン酸と等モル量の1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7を添加し、
中和処理を行った。さらに内温を150℃に上げ、減圧
下で未反応フェノールを留去し、フェノール系重合体B
(B)が得られた。
【0043】[実施例1]製造例1で用いた装置に、製
造例1で得られたフェノール系重合体Aを含む樹脂1
00部(フェノール系重合体A成分として45部)、製
造例2で得られたフェノール系重合体Bを45部仕込
み(A/B重量比=50/50)、撹拌しながら1
30℃に上げ、減圧下1時間保持して酢酸エチルと水を
留去し、フェノール系重合体組成物を得た。この組成物
について粘度、ゲルタイム、ガラス転移温度及びOH基当
量を測定した。結果を表1に示す。
【0044】[実施例2]実施例1において仕込み量
を、フェノール系重合体Aを含む樹脂100部(フェ
ノール系重合体A成分として45部)、フェノール系重
合体B105部(A/B重量比=30/70)と
した以外は実施例1と同様にしてフェノール系重合体組
成物を得た。結果を表1に示す。
【0045】[比較例1]実施例1と同様の装置に、フ
ェノール系重合体Aを含む樹脂100部(樹脂分とし
て45部)のみを仕込み、撹拌しながら130℃に上
げ、減圧下1時間保持して酢酸エチルと水を留去しよう
としたが、途中で樹脂の粘度が上昇し、撹拌が困難とな
った。
【0046】得られたフェノール系重合体は粘度が14
ポイズと高く、反応容器からの取り出しが困難であっ
た。結果を表1に示す。
【0047】[比較例2]製造例2で得られたフェノー
ル系重合体B単独の物性を評価した。結果を表1に示
す。
【0048】[比較例3]トリフェノールメタン型樹脂
(明和化成(株)製、”MEH-7500”について粘度、ゲル
タイム及びガラス転移温度を測定した。結果を表1に示
す。ガラス転移温度は高いが、粘度が本発明のフェノー
ル系重合体組成物より高く、流動性が悪い。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ジヒドロキシベンゼン
と芳香族アルデヒドまたはケトンとの縮合反応で得られ
るフェノール系重合体Aと、モノヒドロキシベンゼンと
芳香族アルデヒドまたはケトンとの縮合反応で得られる
フェノール系重合体Bとを、特定の比率で配合したこと
により、従来困難とされていた、低溶融粘度と高ガラス
転移温度とを兼ね備え、また優れた硬化特性を有するフ
ェノール系重合体組成物が得られるので、半導体封止
用、プリント基板絶縁用などのエポキシ硬化剤、特に最
近のBGA用封止材にも対応できるフェノール系硬化剤
として有用である。また本発明組成物の一成分であるフ
ェノール系重合体Aの製造において、縮合反応終了後の
未反応のジヒドロキシベンゼンが、水と酢酸エチルの混
合溶媒により容易に抽出除去できるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 清貴 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住金ケミカル 株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4J002 CC04W CC05W CC06X CC10W CC10X GF00 GH00 GJ02 GQ00 GQ01 4J033 CA05 CA11 CA12 CA14 CC03 CC08 CC09 CD03 HB01 HB03 HB06 HB08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジヒドロキシベンゼンと一般式(1)で
    表される芳香族アルデヒドまたはケトンを、酸触媒の存
    在下、縮合反応させて得られるフェノール系重合体A
    と、モノヒドロキシベンゼンと芳香族アルデヒドまたは
    ケトンを酸触媒の存在下、縮合反応させて得られるフェ
    ノール系重合体Bとから成り、A/Bの重量比が20/
    80〜60/40であることを特徴とするフェノール系
    重合体組成物。 【化1】 (ただしR は水素原子またはC1 〜C4 のアルキル
    基を示し、R、 Rは水素原子、C1 〜C4 のアル
    キル基、またはハロゲン原子を示す。)
  2. 【請求項2】 フェノール系重合体Aの製造方法におい
    て、縮合反応の後に未反応のジヒドロキシベンゼンを水
    と酢酸エチルの混合溶媒で抽出除去することを特徴とす
    る請求項1記載のフェノール系重合体組成物の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015110695A (ja) * 2013-12-06 2015-06-18 昭和電工株式会社 フェノール樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、及び硬化物
JP2018199749A (ja) * 2017-05-25 2018-12-20 住友ベークライト株式会社 ゴム配合用フェノール樹脂組成物、ゴム組成物およびタイヤ

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