JP2000203911A - セメント用分散剤 - Google Patents

セメント用分散剤

Info

Publication number
JP2000203911A
JP2000203911A JP11104217A JP10421799A JP2000203911A JP 2000203911 A JP2000203911 A JP 2000203911A JP 11104217 A JP11104217 A JP 11104217A JP 10421799 A JP10421799 A JP 10421799A JP 2000203911 A JP2000203911 A JP 2000203911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispersant
cement
group
salt
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11104217A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Takeda
健 竹田
Masahiro Aoyama
政裕 青山
Minoru Atsuji
稔 阿津地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP11104217A priority Critical patent/JP2000203911A/ja
Publication of JP2000203911A publication Critical patent/JP2000203911A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B24/00Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
    • C04B24/24Macromolecular compounds
    • C04B24/26Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C04B24/2652Nitrogen containing polymers, e.g. polyacrylamides, polyacrylonitriles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/30Water reducers, plasticisers, air-entrainers, flow improvers
    • C04B2103/302Water reducers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/30Water reducers, plasticisers, air-entrainers, flow improvers
    • C04B2103/308Slump-loss preventing agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 減水性能およびスランプ保持性能に優れたセ
メント用分散剤を提供する。 【解決手段】 本発明のセメント用分散剤は、α,β−
エチレン性不飽和カルボン酸またはそのアルカリ塩およ
びエチレン性不飽和二重結合を有するイソシアネート化
合物とアルキレンオキサイド鎖を有するアルコール、ア
ミンまたはグリシジル化合物とを反応させて得られる重
合性化合物を必須構成単量体とする共重合体からなるこ
とを特徴とする。さらに不飽和スルホン酸またはその塩
をも必須構成単量体とするものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセメント用分散剤に
関するもので、詳しくは、スランプ保持性能および減水
性能に優れたセメント用分散剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から土木、建築などの分野におい
て、モルタルやコンクリートなどの硬化性のセメント配
合物が大量に使用されている。このようなセメント配合
物から得られる硬化体の強度を向上させる一つの方法
は、セメント配合物における水/セメント比の減少を可
能とする性能(一般的には減水剤に求められる性能であ
り、以下、「減水性能」という。)に優れた分散剤を添
加することである。一方、セメント配合物は、配合後の
時間の経過と共にコンシステンシーが低くなり作業性が
低下する。しかし一般には、生コンプラントにてセメン
ト配合物を調製した後、これをミキサー車で工事現場ま
で運搬して打設を行うことが多い。従ってセメント配合
物の調製から打設までの間、セメント配合物に充分な流
動性を保たせることが必要で、その一つの方法は、スラ
ンプフローの経時的な減少を抑える性能(以下、「スラ
ンプ保持性能」という。)に優れた分散剤を添加するこ
とである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記減水性能またはス
ランプ保持性能に優れた分散剤として、特公平2−16
260号公報には、不飽和アミドスルホン酸を必須構成
単量体とする共重合体からなる分散剤が開示されてい
る。また、特公平5−11057号公報および特公平6
−104585号公報には、アルキレンオキサイド付加
(メタ)アクリレートを必須構成単量体とする共重合体
からなる分散剤が開示されている。さらに、特開平7−
118044号公報には、アルキレンオキサイド付加
(メタ)アクリレートとプロペニルフェニルエーテルと
を必須構成単量体とする共重合体からなる分散剤が開示
されている。しかし、上記公報に開示された分散剤は、
減水性能またはスランプ保持性能の点で充分には満足で
きないものである。
【0004】本発明の目的は、減水性能およびスランプ
保持性能に格別に優れたセメント用分散剤を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α,β−
エチレン性不飽和カルボン酸またはそのアルカリ塩とア
ルキレンオキサイド鎖を有する特定構造の化合物とを共
重合して得られる共重合体を用いることにより上記課題
が解決されること、および、さらにそれらの単量体と不
飽和スルホン酸またはその塩とを共重合させることによ
り得られる共重合体を用いることにより減水性能がさら
に向上した分散剤が得られることを見いだして本発明を
完成した。
【0006】本発明における第1発明のセメント用分散
剤は、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその
アルカリ塩(以下まとめて(a)成分または「不飽和カ
ルボン酸(塩)」という。)およびエチレン性不飽和二
重結合を有するイソシアネート化合物とアルキレンオキ
サイド鎖を有するアルコール、アミンまたはグリシジル
化合物とを反応させて得られる重合性化合物(以下
(b)成分ともいう。)を必須構成単量体とする共重合
体からなることを特徴とする。
【0007】上記重合性化合物は、エチレン性不飽和二
重結合とアルキレンオキサイド鎖とが−NHCOO−基
または−NHCONR−基(ただし、Rは水素原子また
はアルキル基などの有機基)によって結合された構造を
有する。これらの基は、エステル基などに比べて極性が
高いため、水分子をより強く保持することができ、これ
によりセメント粒子の周囲に安定した水和層の形成を可
能とするものである。また、重合性化合物は、第2発明
のように、下記式(1)に示される化合物であることが
好ましい。
【0008】
【化2】 (ただし、式中R1はエチレン性不飽和二重結合を有す
る基であり、R2は炭素原子数2〜4のアルキレン基で
あり、R3は水素原子もしくは炭素原子数1〜50のア
ルキル基またはアルキルフェニル基であり、nは1〜2
00の整数である。)
【0009】さらに、第3発明のセメント用分散剤は、
さらに不飽和スルホン酸またはその塩(以下まとめて
(c)成分または「不飽和スルホン酸(塩)」とい
う。)をも必須構成単量体とする共重合体からなること
を特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】(1)不飽和カルボン酸(塩)について 本発明の分散剤を構成する共重合体の必須単量体成分と
しての「不飽和カルボン酸(塩)」としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸およびイタコン酸ならびにそのアルカ
リ塩等が挙げられる。アルカリ塩としては、Naおよび
K等のアルカリ金属塩、CaおよびMg等のアルカリ土
類金属塩、エチルアミン等のアミン塩等が挙げられ、本
発明にとり好ましいものはアルカリ金属塩である。これ
らの不飽和カルボン酸(塩)は、一種を単独で用いても
よいし、二種以上を併用してもよい。本発明においては
これらの不飽和カルボン酸(塩)のうちマレイン酸やイ
タコン酸などのようなジカルボン酸を用いると、共重合
体のカルボン酸密度が高くなるためこの共重合体とセメ
ントや砂との相互作用により増粘作用が生じやすいこと
から、アクリル酸(塩)、メタクリル酸(塩)から選択
される一種または二種以上を用いることが好ましく、ア
クリル酸(塩)を用いることが特に好ましい。
【0012】(2)重合性化合物について 本発明の分散剤を構成する共重合体の必須単量体成分と
しての重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を有
するイソシアネート化合物とアルキレンオキサイド鎖を
有するアルコール、アミン(一級アミンおよび二級アミ
ンのいずれでもよい。)またはグリシジル化合物とを反
応させて得られる化合物である。イソシアネート化合物
にアルキレンオキサイド鎖を有するアルコールまたはグ
リシジル化合物を反応させる場合には、エチレン性不飽
和二重結合とアルキレンオキサイド鎖とが−NHCOO
−基によって結合された構造の重合性化合物が得られ
る。また、イソシアネート化合物にアルキレンオキサイ
ド鎖を有するアミンを反応させる場合には、エチレン性
不飽和二重結合とアルキレンオキサイド鎖とが−NHC
ONR−基(ただし、Rは水素原子(一級アミンを用い
た場合)またはアルキル基などの有機基(二級アミンを
用いた場合))によって結合された構造の重合性化合物
が得られる。この反応は常法により行えばよい。
【0013】エチレン性不飽和二重結合を有するイソシ
アネート化合物の具体例としては、2−イソシアネート
エチルメタクリレート、イソプロペニルジメチルベンジ
ルイソシアネート、ビニルイソシアネート、アリールイ
ソシアネート、3−メチル−1−ブテニルイソシアネー
ト、3−ブテニルイソシアネート、2−メチレン−3−
ブテニルイソシアネートなどが挙げられる。このイソシ
アネート化合物は、一分子中に二つ以上のエチレン性不
飽和結合を有してもよいが、共重合体を製造する際にゲ
ル化し難いという点からは、分子中にただ一つのエチレ
ン性不飽和結合を有するものが好ましい。また、このイ
ソシアネート化合物は、一分子中に二つ以上のイソシア
ネート基を有してもよい。
【0014】アルキレンオキサイド鎖を有するアルコー
ルの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオ
キシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステ
アリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類およびポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル類、およびポリオキシエチ
レンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレ
ート、ポリオキシエチレンモノオレートなどのポリオキ
シエチレンモノカルボン酸エステル類などが挙げられ
る。また、アルキレンオキサイド鎖を有するアミンの具
体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルア
ミン、ポリオキシエチレンドデシルエーテルアミン、ポ
リオキシエチレンオレイルエーテルアミンなどの各種ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルの一級および二級ア
ミン誘導体、さらにはアミンでもありアルコールでもあ
る2−(2−アミノエトキシ)エタノールなどが挙げら
れる。アルキレンオキサイド鎖を有するグリシジル化合
物の具体例としては、各種アルコキシポリオキシエチレ
ングリコールアリルエーテルのグリシジル誘導体、アル
コキシポリオキシエチレンポリプロピレングリコールア
リルエーテルのグリシジル誘導体などが挙げられる。
【0015】本発明における重合性化合物としては、上
記式(1)に示す構造式で表される化合物を用いること
が、減水性能およびスランプ保持性能のいずれにも優れ
た分散剤を得やすく好ましい。この式(1)におけるR
1はエチレン性不飽和二重結合を有する基である。ここ
で、エチレン性不飽和二重結合を有する基とは、アクリ
ロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、およびイソプ
ロペニル基などの基のみならず、これらの基をその構造
の一部として有する基をも含む意味である。
【0016】また、式(1)におけるR2は炭素原子数
2〜4のアルキレン基であり、具体的にはエチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基などが挙げ
られる。また、式(1)におけるnが2以上である場
合、式(1)で示される化合物一分子中には複数のR2
が含まれるが、これらは全て同じ基であってもよいし二
種以上の異なる基であってもよい。本発明においては、
2が全てエチレン基またはプロピレン基であることが
好ましく、R2が全てエチレン基であることがさらに好
ましい。
【0017】式(1)におけるR3は、水素原子もしく
は炭素原子数1〜50のアルキル基またはアルキルフェ
ニル基であり、好ましくはアルキル基である。R3がア
ルキル基またはアルキルフェニル基である場合、その好
ましい炭素原子数は1〜40、さらに好ましくは1〜3
0である。このようなアルキル基の具体例としては、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシ
ル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノ
ニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、
ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシ
ル、テトラコシル、トリアコンチルなどが、また、アル
キルフェニル基の具体例としてはオクチルフェニル、ノ
ニルフェニル、ジノニルフェニルなどが挙げられる。本
発明においては、セメント粒子表面の濡れ性を増加させ
てセメント分散性を向上させる効果およびセメントモル
タルへの空気連行量を増加させてセメント強度を高める
効果に優れることから、R3がアルキルフェニル基また
は炭素数1〜16のアルキル基であることが好ましく、
3がノニルフェニル基、オクチルフェニル基、デシル
基、ウンデシル基、トリデシル基、ラウリル基またはス
テアリル基であることがさらに好ましい。
【0018】式(1)におけるnは1〜200の整数で
あり、2〜160の整数であることが好ましく、5〜1
30の整数であることがさらに好ましい。nがゼロであ
る場合には、得られた分散剤のスランプ保持性能が不十
分となる。一方、nが200を超えるものであると、式
(1)に示す化合物が高粘度となるため、製造時におけ
る作業性の低下、共重合反応性の低下などの不都合が生
じる。
【0019】(3)不飽和スルホン酸(塩)について 本発明の分散剤を構成する共重合体の単量体成分として
の不飽和スルホン酸(塩)の具体例としては、2−アク
リルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタク
リルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸、スチレン
スルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホアルキルアクリ
レート、スルホアルキルメタクリレート、アリールスル
ホン酸、メタリルスルホン酸、3−メタクリルアミド−
2−ヒドロキシプロピルスルホン酸、スルホン酸アクリ
レートならびにそのアルカリ塩が挙げられる。このアル
カリ塩の例としては(a)成分の説明において上述した
ものなどが挙げられ、本発明にとり好ましいものはアル
カリ金属塩である。これらの不飽和スルホン酸(塩)
は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用して
もよい。本発明における不飽和スルホン酸(塩)として
は、不飽和アミドスルホン酸またはその塩(以下、「不
飽和アミドスルホン酸(塩)」という。)を用いること
が好ましく、なかでも2−アクリルアミド2−メチルプ
ロパンスルホン酸(塩)を用いることが特に好ましい。
【0020】(4)共重合体について 第1発明または第2発明の共重合体において(a)成分
と(b)成分との共重合割合は、この共重合体全体に対
して(a)成分10〜95重量%(より好ましくは30
〜85重量%)、(b)成分5〜90重量%(より好ま
しくは15〜70重量%)とすることが好ましい。共重
合割合がこの範囲外であると、減水性能およびスランプ
保持性能の一方または両方が不足しやすく、また共重合
後において未反応の単量体が多く残存して保存安定性が
低下する恐れがあるため好ましくない。
【0021】また、第3発明の共重合体において(a)
成分〜(c)成分の共重合割合は、この共重合体全体に
対して(a)成分10〜85重量%(より好ましくは3
0〜70重量%)、(b)成分10〜85重量%(より
好ましくは10〜60重量%)、(c)成分5〜80重
量%(より好ましくは10〜60重量%)であることが
好ましい。(c)成分の共重合割合が5重量%未満では
これを共重合したことによる効果が充分に得られず、一
方(c)成分の共重合割合が80重量%を超えると、共
重合体全体に対する(a)成分および(b)成分の共重
合割合が少なくなるので減水性能およびスランプ保持性
能の一方または両方が不足しやすい。
【0022】本発明の共重合体を構成する必須単量体
は、(a)成分および(b)成分、あるいは(a)成
分、(b)成分および(c)成分であるが、必要に応じ
て他の重合性単量体、例えばアクリルアミド、酢酸ビニ
ル、スチレン、アクリル酸アルキルエステル、アクリル
酸ヒドロキシアルキルエステル、アクリル酸アルキレン
グリコールエステル、メタクリル酸アルキルエステル等
を、本発明の効果を損なわない範囲で共重合体の所望単
量体成分として使用することができる。
【0023】本発明の共重合体としては、その重量平均
分子量が1,000〜500,000の範囲にあるもの
が好ましく、5,000〜50,000の範囲にあるも
のがより好ましい。重量平均分子量が1,000未満で
は、減水性能およびスランプ保持性能の一方または両方
が低下する。一方、重量平均分子量が500,000を
超える場合には、共重合体の粘度が高くなりすぎるため
製造時および使用時における取扱い性が低下するので好
ましくない。尚、本明細書中における重量平均分子量
は、水系ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
るポリエチレンオキサイド換算の分子量である。
【0024】本発明の共重合体は、不飽和カルボン酸
(塩)および重合性化合物、またはさらに不飽和スルホ
ン酸(塩)から選択された単量体を常法により重合する
ことにより得られ、更に一般的には共重合体中に存在す
るカルボキシル基は、その一部又は全部をアルカリ塩、
すなわち、アルカリ塩型の共重合体としてセメントに配
合される。アルカリ塩型の共重合体を得る方法として
は、不飽和カルボン酸(塩)またはこれと不飽和スルホ
ン酸(塩)とについていずれも酸を選択し、これを重合
性化合物と共重合させたのち得られた共重合体の一部ま
たは全部をアルカリ金属水酸化物等により中和する方
法、各成分のアルカリ塩を共重合させる方法のいずれで
もよいが、共重合後に中和する方法が好ましい。
【0025】なお、この共重合に用いる重合溶媒として
は、水、低級アルコール類、ケトン類、炭化水素系溶
剤、酢酸エチルなどが使用可能であり、これらは混合溶
媒として用いてもよい。特に好ましい重合溶媒は水およ
び低級アルコール類である。また、重合開始剤として
は、従来公知の過硫酸塩系、アゾ系、ベンゾイルパーオ
キサイド系、レドックス系などが用いられる。さらに、
共重合体の分子量を調節するなどの目的で、チオール
系、次亜リン酸系、アミン系などの従来公知の連鎖移動
剤を用いることができる。
【0026】(5)分散剤の使用方法 本発明の分散剤は、各種ポルトランドセメント、フライ
アッシュセメント、各種混合セメント、特殊セメントな
どの水硬性セメントを使用するセメント配合物に添加し
て用いられる。この分散剤は、水溶液状でセメント配合
物に添加されることが好ましいが、粉末あるいは粒状と
して添加してもよく、またセメント配合物の練り混ぜ後
に添加することも可能である。また、粉末あるいは粒状
で添加する場合には、あらかじめセメントと、あるいは
骨材などのセメント配合物成分とプレミックスした後に
練り混ぜることもできる。
【0027】本発明の分散剤の添加量は、セメント配合
物中のセメントに対して、固形分換算として0.005
〜2.5重量%とすることが好ましく、0.05〜1.
5重量%とすることがより好ましい。添加量が上記範囲
未満では、減水性能またはスランプ保持性能が不十分と
なる場合がある。一方、上記範囲を超えて添加しても、
その効果が飽和する傾向にあるため経済的ではなく、ま
た凝結遅延や連行空気量過多などの問題が生じる恐れが
ある。なお、本発明の分散剤は単独で用いてもよいし、
従来公知の減水剤または流動化剤などのセメント用分散
剤と併用してもよい。
【0028】(6)作用および効果 本発明のセメント用分散剤は、特定の重合性化合物を必
須構成単量体とする共重合体からなる。この共重合体に
は、該重合性化合物の共重合によって、親水性のアルキ
レンオキサイドからなる側鎖が高極性のウレタン結合な
どを介して導入されており、このためと思われるが、本
発明の分散剤によると、セメント配合物中においてセメ
ント粒子の周囲に効率よく水和層が形成されて優れた効
果が奏されるものと思われる。
【0029】また、重合性化合物がエチレン性不飽和二
重結合とアルキレンオキサイド鎖との間にエステル結合
を介さない場合には、さらに下記の効果が得られる。す
なわち、アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレー
トなどのエステルを用いた従来の分散剤では、強アルカ
リ性のセメント配合物中においてエステル結合が加水分
解されてカルボキシル基が生成し、これがカルシウムイ
オンなどとキレート化してスランプフローを低下させる
恐れがあるが、本発明において用いられる重合性化合物
は、エステル結合に比べて加水分解されにくい−NHC
OO−基または−NHCONR−基によりエチレン性不
飽和二重結合とアルキレンオキサイド鎖とが結合されて
いるので、上記スランプフローの低下の恐れが少ない。
【0030】また、第3発明の分散剤は、不飽和スルホ
ン酸(塩)が共重合されていることにより減水性能およ
びスランプ保持性能がさらに良好である。また、不飽和
スルホン酸(塩)として不飽和アミドスルホン酸(塩)
を用いた場合には、この不飽和アミドスルホン酸(塩)
がアミド結合を有するために、水との相溶性および水へ
の溶解性がさらに高く、また疎水性物質を水に溶解また
は分散させる能力に優れるため、分散剤水溶液などの保
存安定性がより向上し、また減水性能およびスランプ保
持性能の良好な分散剤となる。特に、2−アクリルアミ
ド2−メチルプロパンスルホン酸(塩)などのようにベ
ンゼン環をもたない化合物は、本発明の不飽和アミドス
ルホン酸(塩)として特に有効である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。下記表1に示す単量体組成で、開始剤として
過硫酸ナトリウムを使用し、連鎖移動剤としてβ−メル
カプトプロピオン酸を使用して、通常のラジカル重合方
法により80℃で5時間の水溶液重合を行った後、水酸
化ナトリウムにより中和させて、実施例1〜4および比
較例1、2の分散剤の水溶液を得た。これらの分散剤水
溶液の固形分濃度は約40重量%、pHは約7.5であ
った。
【0032】なお、表1において用いた略号の意味は以
下の通りである。 AA;アクリル酸 EO9UA;2−イソシアネートエチルメタクリレート
と、ポリオキシエチレンメチルエーテル(エチレンオキ
サイド付加モル数n=9)との反応により得られた、下
記式(2)に示す構造式で表される化合物。 EO23U;イソプロペニルジメチルベンジルイソシア
ネートと、ポリオキシエチレンメチルエーテル(エチレ
ンオキサイド付加モル数n=23)との反応により得ら
れた、下記式(3)に示す構造式で表される化合物。 EO120UA;2−イソシアネートエチルメタクリレ
ートと、ポリオキシエチレンメチルエーテル(エチレン
オキサイド付加モル数n=120)との反応により得ら
れた、下記式(2)に示す構造式で表される化合物。 EO9A;ポリオキシエチレンメチルエーテル(エチレ
ンオキサイド付加モル数=9)付加メタクリレート ATBS;東亞合成株式会社製、2−アクリルアミド2
−メチルプロパンスルホン酸(ATBSは東亞合成株式
会社の登録商標である)
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】上記の各分散剤水溶液を用いて、水/セメ
ント比が0.45、砂/セメント比が2.0となるよう
にし、セメント500重量部に対する分散剤の添加量
(固形分換算の重量部)を変化させてセメントモルタル
を調製した。なお、セメントとしては住友大阪セメント
製普通ポルトランドセメントを、砂としてはセメント試
験用豊浦標準砂を用いた。具体的な操作方法としては、
セメントと砂とをまず予備混合し、これをカップに移し
て攪拌しながら、水で希釈した各分散剤水溶液を添加し
た。この添加終了直後に、JIS R 5201のフロ
ー試験に準じてスランプフロー値を測定した。その結果
を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】また、実施例1〜4および比較例2の分散
剤を用いて、分散剤添加量0.3重量部で調整したセメ
ントモルタルについては、さらに一時間後および二時間
後のスランプフロー値を同様に測定することにより、ス
ランプフロー値の経時変化を評価した。その結果を表2
に示す。なお、比較例1の分散剤は、分散剤添加量0.
3重量部ではスラリーを得ることができなかったので、
この試験には用いなかった。
【0038】
【表2】
【0039】表1、2から判るように、エチレンオキサ
イド鎖がウレタン結合を介して共重合体に導入された実
施例1〜4の分散剤は、実施例1と同じ長さのエチレン
オキサイド鎖がエステル結合を介して導入された比較例
1の分散剤に比べて、少量の添加で良好なスランプフロ
ー性を示した。また、実施例1と実施例3との比較か
ら、ATBSを共重合させることによりスランプフロー
性がさらに向上することが判る。一方、比較例1と同じ
単量体を用いた場合にも、比較例2のようにエチレンオ
キサイド鎖を有する単量体の共重合比を多くすることに
より、ウレタン結合を有する単量体を用いた場合と同等
のスランプフロー値を示す分散剤を得ることは可能であ
る。しかし、表2から判るように、この比較例2の分散
剤は、スランプフロー値の経時変化が大きいという問題
がある。
【0040】なお、本発明においては、前記具体的実施
例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の
範囲内で種々条件を変更して分散性能の優れた分散剤を
得ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明のセメント用分散剤は、必須構成
単量体として例えば上記式(1)に示す構造の重合性化
合物を有する共重合体からなる。この重合性化合物によ
り、共重合体には親水性のアルキレンオキサイドからな
る側鎖が高極性のウレタン結合などを介して導入されて
いる。このため、アルキレンオキサイド側鎖が例えばエ
ステル結合を介して導入されてた共重合体からなる従来
の分散剤に比べて、本発明の分散剤によれば、セメント
配合物中においてセメント粒子の周囲に効率よく水和層
が形成されるものと思われ、本発明の分散剤は、減水性
能およびスランプ保持性能に優れた特性を示す。必須構
成単量体としてさらに不飽和スルホン酸(塩)を有する
場合には、分散剤の減水性能およびスランプ保持性能が
さらに良好となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08F 290/06 // C04B 103:40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β−エチレン性不飽和カルボン酸ま
    たはそのアルカリ塩およびエチレン性不飽和二重結合を
    有するイソシアネート化合物とアルキレンオキサイド鎖
    を有するアルコール、アミンまたはグリシジル化合物と
    を反応させて得られる重合性化合物を必須構成単量体と
    する共重合体からなることを特徴とするセメント用分散
    剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の重合性化合物が下記式で
    示される化合物であることを特徴とするセメント用分散
    剤。 【化1】 (ただし、式中R1はエチレン性不飽和二重結合を有す
    る基であり、R2は炭素原子数2〜4のアルキレン基で
    あり、R3は水素原子もしくは炭素原子数1〜50のア
    ルキル基またはアルキルフェニル基であり、nは1〜2
    00の整数である。)
  3. 【請求項3】 請求項1記載の共重合体が、さらに不飽
    和スルホン酸またはその塩をも必須構成単量体とする共
    重合体であることを特徴とするセメント用分散剤。
JP11104217A 1998-10-26 1999-04-12 セメント用分散剤 Pending JP2000203911A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11104217A JP2000203911A (ja) 1998-10-26 1999-04-12 セメント用分散剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30415998 1998-10-26
JP10-304159 1998-10-26
JP11104217A JP2000203911A (ja) 1998-10-26 1999-04-12 セメント用分散剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000203911A true JP2000203911A (ja) 2000-07-25

Family

ID=26444735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11104217A Pending JP2000203911A (ja) 1998-10-26 1999-04-12 セメント用分散剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000203911A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014534152A (ja) * 2011-10-03 2014-12-18 ジーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト 固体懸濁物用分散剤
CN113307530A (zh) * 2021-06-17 2021-08-27 福建富润建材科技股份有限公司 包含链烷醇胺的粉煤灰提活剂及其应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014534152A (ja) * 2011-10-03 2014-12-18 ジーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト 固体懸濁物用分散剤
CN113307530A (zh) * 2021-06-17 2021-08-27 福建富润建材科技股份有限公司 包含链烷醇胺的粉煤灰提活剂及其应用
CN113307530B (zh) * 2021-06-17 2022-04-15 福建富润建材科技股份有限公司 包含链烷醇胺的粉煤灰提活剂及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5156642B2 (ja) 不飽和モノカルボン酸誘導体またはジカルボン酸誘導体およびオキシアルキレングリコール−アルケニルエーテルをベースとするコポリマー、その製造法およびその使用
US6869988B2 (en) Solid supported comb-branched copolymers as an additive for gypsum compositions
US20030144384A1 (en) Superplasticizer for concrete and self-leveling compounds
JP2001316152A (ja) スランプ寿命改良のためのセメント混和材
CA2745417C (en) Copolymer containing acid building blocks and various types of polyether building blocks
KR20140025083A (ko) 폴리카르본산계 공중합체를 포함하는 시멘트 조성물의 첨가제 및 이를 포함하는 시멘트 조성물
MX2011001889A (es) Composiciones de constriccion hidraulica con reducido contenido de agua, con capacidad de flujo temporalmente extendida.
JPH0812396A (ja) コンクリート混和剤
JP2008133176A (ja) セメント混和剤
KR100860470B1 (ko) 시멘트 혼화제 및 이를 포함하는 시멘트 조성물
EP2292567B1 (en) Dispersant for a hydraulic composite
JP2017214251A (ja) 水硬性組成物用分散剤組成物
JP3224408B2 (ja) セメント分散剤組成物
JP2002167257A (ja) セメント分散剤
JP2001019512A (ja) セメント用分散剤
JP3226125B2 (ja) セメント分散剤
JPH11322389A (ja) セメント用分散剤
JP2000203911A (ja) セメント用分散剤
JP4650972B2 (ja) コンクリートの流動性調整方法
JP4425775B2 (ja) 水硬性粉体分散用共重合体
JP2019085280A (ja) 高炉スラグ含有セメントスラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法
JP7148170B2 (ja) 水硬性組成物用添加剤及び水硬性組成物
JPH05213644A (ja) セメント配合物のスランプロス防止方法
JP2000247706A (ja) セメント用分散剤
JP2001316151A (ja) セメント分散剤用効力増強剤