JP2000203836A - 酸化物超電導導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導導体の製造方法

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JP2000203836A
JP2000203836A JP11004696A JP469699A JP2000203836A JP 2000203836 A JP2000203836 A JP 2000203836A JP 11004696 A JP11004696 A JP 11004696A JP 469699 A JP469699 A JP 469699A JP 2000203836 A JP2000203836 A JP 2000203836A
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thin film
polycrystalline thin
film
oxide superconducting
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Yasuhiro Iijima
康裕 飯島
Mariko Hosaka
真理子 保坂
Nobuo Tanabe
信夫 田辺
Nobuyuki Sadakata
伸行 定方
Takashi Saito
隆 斉藤
Tsukasa Kono
宰 河野
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、1mを超える長尺の基材上に製造
でき、結晶配向性に優れた臨界電流密度の高い酸化物超
電導層を備え、超電導コイル等への応用も加味した曲げ
歪に強い酸化物超電導導体を効率良く製造する方法の提
供を目的とする。 【解決手段】 本発明は、安定化ジルコニアのターゲッ
ト36から発生させた粒子を基材A上に堆積させ、基材
上にターゲットの構成元素からなる多結晶薄膜を形成し
更に酸化物超電導層を形成する方法において、ターゲッ
ト36の構成粒子を基材A上に堆積させる際に、イオン
ソース39が発生させたイオンビームを基材Aの成膜面
の法線Hに対して50〜60度の範囲の入射角度で斜め
方向から照射しながら前記粒子を基材A上に堆積させて
成膜するとともに、成膜時の温度を60〜150℃の範
囲とし、多結晶薄膜上に酸化物超電導層を形成すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は結晶方位の整った多
結晶薄膜を備えた酸化物超電導導体を効率良く製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年になって発見された酸化物超電導体
は、液体窒素温度を超える臨界温度を示す優れた超電導
体であるが、現在、この種の酸化物超電導体を実用的な
超電導体として使用するためには、種々の解決するべき
問題点が存在している。その問題点の1つが、酸化物超
電導体の臨界電流密度が低いという問題である。
【0003】前記酸化物超電導体の臨界電流密度が低い
という問題は、酸化物超電導体の結晶自体に電気的な異
方性が存在することが大きな原因となっており、特に酸
化物超電導体はその結晶軸のa軸方向とb軸方向には電
気を流し易いが、c軸方向には電気を流しにくいことが
知られている。このような観点から酸化物超電導体を基
材上に形成してこれを超電導導体として使用するために
は、基材上に結晶配向性の良好な状態の酸化物超電導層
を形成し、しかも、電気を流そうとする方向に酸化物超
電導層の結晶のa軸あるいはb軸を配向させ、その他の
方向に酸化物超電導体のc軸を配向させる必要がある。
【0004】従来、基板や金属テープ等の基材上に結晶
配向性の良好な酸化物超電導層を形成するために種々の
手段が試みられてきた。その1つの方法として、酸化物
超電導体と結晶構造の類似したMgOあるいはSrTi
3などの単結晶基材を用い、これらの単結晶基材上に
スパッタリングなどの成膜法により酸化物超電導層を形
成する方法が実施されている。前記MgOやSrTiO
3の単結晶基板を用いてスパッタリングなどの成膜法を
行なえば、酸化物超電導層の結晶が単結晶基板の結晶を
基に結晶成長するために、その結晶配向性を良好にする
ことが可能であり、これらの単結晶基板上に形成された
酸化物超電導層は、数10万A/cm2程度の十分に高
い臨界電流密度を発揮することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、酸化物超電
導体を導電体として使用するためには、テープ状などの
長尺の基材上に結晶配向性の良好な酸化物超電導層を形
成する必要がある。ところが、金属テープなどの基材上
に酸化物超電導層を直接形成すると、金属テープ自体が
多結晶体でその結晶構造も酸化物超電導体と大きく異な
るために、結晶配向性の良好な酸化物超電導層は到底形
成できないものである。しかも、酸化物超電導層を形成
する際に行なう熱処理によって金属テープと酸化物超電
導層との間で拡散反応が生じて酸化物超電導層の結晶構
造が崩れ、超電導特性が劣化する問題がある。
【0006】そこで従来、金属テープなどの基材上に、
スパッタ装置を用いてMgOやSrTiO3などの中間
層を被覆し、この中間層上に酸化物超電導層を形成する
ことが行なわれている。ところがこの種の中間層上にス
パッタ装置により形成した酸化物超電導層は、単結晶基
材上に形成された酸化物超電導層よりもかなり低い臨界
電流密度(例えば数1000〜10000A/cm2
度)しか示さないという問題があった。これは、以下に
説明する理由によるものと考えられる。
【0007】図14は、金属テープなどの基材1の上に
スパッタ装置により中間層2を形成し、この中間層2上
にスパッタ装置により酸化物超電導層3を形成した酸化
物超電導導体の断面構造を示すものである。図14に示
す構造において、酸化物超電導層3は多結晶状態であ
り、多数の結晶粒4が無秩序に結合した状態となってい
る。これらの結晶粒4の1つ1つを個々に見ると各結晶
粒4の結晶のc軸は基材表面に対して垂直に配向してい
るものの、a軸とb軸は無秩序な方向を向いているもの
と考えられる。
【0008】このように酸化物超電導層の結晶粒毎にa
軸とb軸の向きが無秩序になると、結晶配向性の乱れた
結晶粒界において超電導状態の量子的結合性が失なわれ
る結果、超電導特性、特に臨界電流密度の低下を引き起
こすものと思われる。
【0009】また、前記酸化物超電導体がa軸およびb
軸配向していない多結晶状態となるのは、その下に形成
された中間層2がa軸およびb軸配向していない多結晶
状態であるために、酸化物超電導層3を成膜する場合
に、中間層2の結晶に整合するように酸化物超電導層3
が成長するためであると思われる。
【0010】そこで本発明者らは、金属テープの基材上
にイットリウム安定化ジルコニア(以下、YSZと略称
する)の多結晶薄膜を形成し、この多結晶薄膜上に酸化
物超電導層を形成することで、超電導特性の優れた酸化
物超電導導体を製造する試みを種々行っている。そし
て、このような試みの中から本発明者らは先に、特開平
4−329865号(特願平3−126836号)、特
開平4−331795号(特願平3−126837
号)、特開平4−90025号(特願平2−20555
1号)、特開平6−39368号(特願平4−1344
3号)、特開平6−145977号(特願平4−293
464号)などにおいて、結晶配向性に優れた多結晶薄
膜、およびそれを利用した酸化物超電導導体の特許出願
を行っている。
【0011】これらの特許出願に記載された技術によれ
ば、基材上にYSZの粒子を堆積させる際に、基材の斜
め方向からイオンビームを照射すると、結晶配向性に優
れた多結晶薄膜を形成することができるものである。ま
た、前記の特許出願に並行して本発明者らは、長尺また
は大面積の多結晶薄膜および酸化物超電導導体を製造す
るための研究を行なっているが、結晶配向性において優
れた多結晶薄膜を効率良く製造する方法、および、多結
晶薄膜上に超電導層を形成した場合に優れた超電導特性
を示す酸化物超電導導体を効率良く製造することを課題
として研究を進めた結果本願発明に到達した。
【0012】本発明は前記の背景に基づき、前記特許出
願の技術を発展させるとともに、前記課題を有効に解決
するためになされたもので、基材の成膜面に対して直角
向きに結晶軸のc軸を配向させることができると同時
に、成膜面と平行な面に沿って結晶粒の結晶軸のa軸お
よびb軸をも揃えることができ、1mを超える長尺の基
材上に結晶配向性に優れた多結晶薄膜を効率良く製造す
ることができる方法、および、結晶配向性に優れた臨界
電流密度の高い酸化物超電導層を備え、超電導コイル等
への応用も加味した曲げ歪に強い酸化物超電導導体を効
率良く製造する方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、安定化ジルコニアのターゲットから発生さ
せた粒子を基材上に堆積させ、基材上にターゲットの構
成元素からなる多結晶薄膜を形成し、次いでこの多結晶
薄膜上に酸化物超電導層を形成する酸化物超電導導体の
製造方法において、安定化ジルコニアのターゲット粒子
を基材上に堆積させる際に、イオンソースが発生させた
イオンビームを基材の成膜面の法線に対して50〜60
度の範囲の入射角度で斜め方向から照射しつつ前記粒子
を堆積させて多結晶薄膜を形成させるとともに、成膜時
の温度を60〜150℃の範囲に設定し、多結晶薄膜形
成後にその上に酸化物超電導層を形成することを特徴と
する。
【0014】更に本発明は、先に記載の製造方法を実施
する際に、1m以上の長さのテープ状の基材を移動させ
ながら基材成膜面に多結晶薄膜を連続成膜し、多結晶薄
膜の膜厚を200nm以上になるように成膜し、テープ
状の基材の長さ方向の先端部から後端部に至る複数の測
定点において結晶配向性の指標となる半値全幅の値を2
6以下にするとともに、0.4%以下の曲げ歪において
臨界電流密度の低下し難い酸化物超電導層を得ることを
特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明方法を実施し
てYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)の多結晶薄
膜を基材上に形成したものの一構造例を示すものであ
り、図1において、Aはテープ状の基材、Bは基材Aの
上面に形成された多結晶薄膜を示している。前記基材A
は、この例ではテープ状のものを用いているが、例え
ば、板材、線材、条体などの種々の形状のものを用いる
ことができ、基材Aは、銀、白金、ステンレス鋼、銅、
ハステロイ等のニッケル合金などの各種金属材料、もし
くは、各種ガラスまたは各種セラミックスなどからなる
ものである。
【0016】前記多結晶薄膜Bは、立方晶系の結晶構造
を有するYSZの微細な結晶粒20が、多数、相互に結
晶粒界を介して接合一体化されてなり、各結晶粒20の
結晶軸のc軸は基材Aの上面(成膜面)に対して直角に
向けられ、各結晶粒20の結晶軸のa軸どうしおよびb
軸どうしは、互いに同一方向に向けられて面内配向され
ている。そして、各結晶粒20のa軸(またはb軸)ど
うしは、それらのなす角度(図2に示す粒界傾角K)を
20度以内にして接合一体化されている。なお、この粒
界傾角Kの値は後述する多結晶薄膜Bの製造方法におい
て成膜時の温度を好適な範囲に制御することで調整する
ことが可能であり、成膜時の温度制御によって20度よ
りも更に小さな値まで調整することができる。
【0017】図3は、本発明の多結晶薄膜の製造方法の
実施に好適に用いられる多結晶薄膜の製造装置の一例を
示す図である。この例の多結晶薄膜の製造装置は、テー
プ状の基材Aを支持するとともに所望温度に加熱または
冷却することができるブロック状の基材ホルダ23と、
基材ホルダ23上にテープ状の基材Aを送り出すための
基材送出ボビン(送出装置)24と、多結晶薄膜が形成
されたテープ状の基材Aを巻き取るための基材巻取ボビ
ン(巻取装置)25と、前記基材ホルダ23の斜め上方
に所定間隔をもって対向配置された板状のターゲット3
6と、このターゲット36の斜め上方においてターゲッ
ト36の下面に向けて配置されたスパッタビーム照射装
置(スパッタ手段)38と、前記基材ホルダ23の側方
に所定間隔をもって対向され、かつ、前記ターゲット3
6と離間して配置されたイオンソース39と冷却装置R
とが、真空排気可能な真空チャンバ(成膜処理容器)4
0に設けられた構成とされている。
【0018】前記基材ホルダ23は、通電により抵抗発
熱する金属線等からなる加熱ヒータ23aを内蔵して構
成され、基材ホルダ23の上に送り出されたテープ状の
基材Aを必要に応じて所望の温度に加熱できるようにな
っている。このような基材ホルダ23は、成膜処理容器
40内のイオンソース39から照射されるイオンビーム
の最適照射領域に配設されている。また、この基材ホル
ダ23が側面三角型の基台60に装着されて設けられ、
この基台60が成膜処理容器40の外壁40aを貫通し
て設けられた冷媒導入管61により成膜処理容器40の
中央部に支持され、基台60と冷媒導入管61を主体と
して冷却装置Rが構成されている。
【0019】この形態の基台60は、図5に示すように
断面三角型の中空の金属ブロック製とされ、その上面6
0aは後述するイオンビームの基材に対する入射角度を
50〜60度の範囲にできるように傾斜面とされてい
る。また、基台60の背面60bに冷媒導入管61が接
続されるとともに、冷媒導入管61は、内部の往管62
とその外部を覆う戻管63とからなる2重構造とされて
いて、往管62と戻管63がいずれもチャンバ内部で基
台60の内部空間に連通されているとともに、これらが
いずれもほぼ水平に延出されて成膜処理容器40の外壁
40aを貫通して外部に導出され、外部において両管が
上方に湾曲されているとともに、往管62の先端部に戻
管63の先端部よりも若干上方に突出した注入部64が
形成されていて、更に注入部64に漏斗状の注入部材6
5が装着されて構成されている。
【0020】そして、往管62の基台60側の先端部と
戻管63の基台60側の先端部はいずれも基台60の背
面60bの接続孔に気密に接合されているので、成膜処
理容器40の内部を減圧した場合においても基台60の
内部を成膜処理容器外部の大気圧状態とすることがで
き、前述の注入部材65の内部に液体窒素などの液体冷
媒、あるいは冷却空気などの気体冷媒等を送り込み、基
台60の内部を冷媒で満たすことができるように構成さ
れている。
【0021】また、往管62と戻管63を設けたのは、
往管62のみで冷媒導入管61を構成すると注入部材6
5に冷媒を投入して往管62から基台60に冷媒を送入
しようとしても、先に送入している冷媒が基台60の内
部に滞留し、新たな冷媒を基台60に供給できなくなる
ことを防止するためである。この点において戻管63を
設けてあるならば、基台60内に滞留している古い冷媒
を戻管63を介して大気中に排出することが容易にでき
るので、基台60に常に新鮮な冷媒を供給して基台60
を十分に冷却することができ、冷却能力を高めることが
できる。更に、往管62の外部を戻管63で覆う2重構
造を採用するならば、戻管63を通過している冷媒で往
管62を覆うことができる構成であるので、戻管63の
内部の冷媒で往管62を冷却することができ、往管62
の内部において冷媒の温度を不要に高めてしまうことを
防止できる。
【0022】更に、冷媒供給管61はフランジ板66を
貫通して設けられ、このフランジ板66は成膜処理容器
40の外壁40aに形成された取付孔40bを塞いで外
壁40aにネジ止め等の固定手段により着脱自在に固定
されている。また、前記フランジ板66には、基台60
の温度計測用の温度計測装置67が冷媒供給管61に隣
接するように装着され、この温度計測装置67に接続さ
れた温度センサ68により基材ホルダ23の温度を計測
できるように構成されている。即ち、基台60の上面6
0a上に図5の2点鎖線の如く基材ホルダ23をセット
した場合にこの温度センサ68を基材ホルダ23に接触
させておくことで基材ホルダ23の温度を計測できるよ
うに構成されている。
【0023】以上のことから、前記加熱ヒータ23aに
より常温よりも高い温度に基材ホルダ23を加熱して基
材Aを加熱するか、基台60により基材Aを冷却するこ
とにより、基材Aを所望の温度、例えば+500℃〜−
196℃の範囲の温度に調節できるように構成されてい
る。即ち、ヒータ加熱により、常温〜500℃程度まで
は容易に加熱調整することができ、更に、ヒータを停止
して冷却用の媒体として液体窒素、空気、冷却空気、冷
却気体などの冷媒を用いて上述の冷却装置により77K
(約−196℃)程度まで容易に冷却することができ
る。
【0024】なお、ここで用いる冷却装置Rは図5に示
す構成のものに限らないので、クーラー等の通常の冷却
装置に用いられるフロン等のフッ素系ガスやアンモニア
を用いた冷却装置で−30℃程度に冷却できる装置を設
けても良いのは勿論である。また、成膜の際に基材には
ターゲットからの高熱粒子の飛来により自然加熱される
ので、例えば、常温で成膜して基材ホルダに一切加熱や
冷却を行わない場合に基材は100℃程度に加熱される
ことになる。また、冷媒で冷却しながら成膜する場合、
基材を供給する基材ホルダ23の材質や厚さを調節する
ことで、基台60から基材Aを冷却する能力を調整でき
る。例えば、薄く、熱伝導性に優れた基材ホルダ23を
用い、冷媒導入管61からの液体窒素の供給量を充分に
確保した場合は成膜時の発熱を差し引いても−150℃
程度まで容易に冷却することができ、逆に基材ホルダ2
3を厚い金属材料で形成することで基台60からの冷却
能力を低く抑えることができ、このようにした場合に液
体窒素冷媒を用いても基材Aの温度を−150〜−50
℃程度まで容易に調整することができる。ただし本願発
明では成膜時の温度を後述の如く60〜150℃の範囲
とすれば良いので、過剰な冷却は不要であり、60〜1
50℃の温度範囲に調整可能な冷媒(例えば、冷却空
気、冷却水等)を流量を調節して適宜用いれば良い。
【0025】この例の多結晶薄膜Bの製造装置において
は、前記基材送出ボビン24から基材ホルダ23上にテ
ープ状の基材Aを連続的に送り出し、前記最適照射領域
を通過させた後に基材Aを基材巻取ボビン25で巻き取
ることで基材A上に多結晶薄膜Bを連続成膜することが
できるようになっている。
【0026】前記ターゲット36は、目的とする多結晶
薄膜を形成するためのものであり、目的の組成の多結晶
薄膜と同一組成あるいは近似組成のものなどを用いるこ
とができる。ターゲット36として具体的には、MgO
あるいはY23で安定化したジルコニア(YSZ)を用
いるがこれらに限るものではなく、形成しようとする安
定化ジルコニアの多結晶薄膜に見合うターゲットを適宜
用いれば良い。このようなターゲット36は、ピン等に
よりターゲット支持体36aに回動自在に取り付けられ
ており、傾斜角度を調整できるようになっている。前記
スパッタビーム照射装置(スパッタ手段)38は、容器
の内部に、蒸発源を収納し、蒸発源の近傍に引き出し電
圧をかけるためのグリッドを備えて構成されているもの
であり、ターゲット36に対してイオンビームを照射し
てターゲット36の構成粒子を基材Aに向けて叩き出す
ことができるものである。
【0027】前記イオンソース39は、スパッタビーム
照射装置38と略同様の構成のものであり、容器の内部
に蒸発源を収納し、蒸発源の近傍に引き出し電圧をかけ
るためのグリッドを備えて構成されている。そして、前
記蒸発源から発生した原子または分子の一部をイオン化
し、そのイオン化した粒子をグリッドで発生させた電界
で制御してイオンビームとして照射する装置である。粒
子をイオン化するには直流放電方式、高周波励起方式、
フィラメント式、クラスタイオンビーム方式などの種々
のものがある。フィラメント式はタングステン製のフィ
ラメントに通電加熱して熱電子を発生させ、高真空中で
蒸発粒子と衝突させてイオン化する方法である。また、
クラスタイオンビーム方式は、原料を入れたるつぼの開
口部に設けられたノズルから真空中に出てくる集合分子
のクラスタを熱電子で衝撃してイオン化して放射するも
のである。
【0028】この形態の多結晶薄膜の製造装置において
は、図4に示す構成の内部構造のイオンソース39を用
いる。このイオンソース39は、筒状のイオン室45の
内部にグリッド46とフィラメント47とArガスなど
の導入管48とを備えて構成され、イオン室45の先端
のビーム口49からイオンをビーム状に略平行に放射で
きるものである。このイオンソース39の設置位置は、
変更できるようになっており、また、ビーム口49の口
径dも変更できるようになっている。
【0029】前記イオンソース39は、図3に示すよう
にその中心軸線Sを基材Aの成膜面に対して入射角度θ
(基材Aの垂線(法線)Hと中心線Sとのなす角度)で
もって傾斜させて対向されている。この入射角度θは5
0〜60度の範囲が好ましいが、より好ましくは55〜
60度の範囲、最も好ましくは55度である。従ってイ
オンソース39は基材Aの成膜面の法線Hに対してある
入射角度θでもってイオンビームを照射できるように配
置されている。
【0030】また、前記イオンソース39は、これから
放射されるイオンビームの広がり角度Δθが下記式
(I) Δθ≦2tan-1(d/2L) ・・・(I) (式中、Δθはイオンビームの広がり角度、dはイオン
ソース39のビーム口径(cm)、Lはイオンソース3
9のビーム口49と基材Aとの距離であるイオンビーム
の搬送距離(cm)を表す。)により計算できるため、
目的とする多結晶薄膜の結晶配向性に応じてイオンビー
ムの搬送距離Lとビーム口径dが設定されている。この
イオンビームの広がり角度Δθは5度以下が好ましく、
より好ましくは3度以下の範囲である。例えば、L=4
0cmの場合、d≦3.49cmとすればΔθ≦5゜に
制御することができ、d≦2.09cmとすればΔθ≦
3゜に制御することができる。
【0031】なお、前記のイオンソース39によって基
材Aに照射するイオンビームは、YSZの中間層を形成
する場合にHe+、Ne+、Ar+、Xe+、Kr+などの
希ガスのイオンビーム、あるいは、それらと酸素イオン
の混合イオンビームなどを用いる。
【0032】また、前記成膜処理容器40には、この成
膜処理容器40内を真空などの低圧状態にするためのロ
ータリーポンプ51およびクライオポンプ52と、ガス
ボンベなどの雰囲気ガス供給源がそれぞれ接続されてい
て、成膜処理容器40の内部を真空などの低圧状態で、
かつ、アルゴンガスあるいはその他の不活性ガス雰囲気
または酸素を含む不活性ガス雰囲気にすることができる
ようになっている。さらに、前記成膜処理容器40に
は、この成膜処理容器40内のイオンビームの電流密度
を測定するための電流密度計測装置54と、前記容器4
0内の圧力を測定するための圧力計55が取り付けられ
ている。なお、この形態の多結晶薄膜の製造装置におい
て、イオンソース39の支持部分に角度調整機構を取り
付けてイオンソース39の傾斜角度を調整し、イオンビ
ームの入射角度を調整するようにしても良く、角度調整
機構は種々の構成のものを採用することができるのは勿
論である。また、イオンソース39の設置位置を変更す
ることにより、イオンビームの搬送距離Lを変更できる
ようにしたが、基材ホルダ23の支持体23aの長さを
調整できるようにして、イオンビームの搬送距離Lを変
更できるようにしても良い。
【0033】次に前記構成の製造装置を用いてテープ状
の基材A上にYSZの多結晶薄膜を形成する場合につい
て説明する。テープ状の基材A上に多結晶薄膜を形成す
るには、YSZあるいはCeO2などからなるターゲッ
ト36を用い、基材Aを収納している成膜処理容器40
の内部を真空引きして減圧雰囲気とするとともに、基材
送出ボビン24から基材ホルダ23に基材Aを所定の速
度で送り出し、さらにイオンソース39とスパッタビー
ム照射装置38を作動させる。
【0034】また、基材ホルダ23に付設した加熱ヒー
タあるいは冷却装置を作動させて基材ホルダ23に接す
る基材Aの温度を60〜150℃の範囲の温度に調節す
る。基材Aの設定温度は、後述するYSZの結晶配向性
の結果と、後述する超電導層の臨界電流密度のデータ
と、成膜レートなどの種々の試験結果から、60〜15
0℃の範囲に設定することが好ましい。
【0035】ところで、冷媒を注入部材65に投入し、
ここから往管62を介して基台60の内部空間に冷媒を
満たす場合に、堆積する粒子による加熱状態あるいは成
膜処理容器40に設けた他の装置からの熱輻射等によ
り、基材Aを冷媒の温度よりも若干高い温度に容易に調
整でき、特に常温で冷媒を用いない場合は100℃前後
に容易に調整することができ、100〜150℃の温度
範囲に調整するには加熱ヒータ23に通電すれば良く、
60〜100℃の温度範囲に調整するには、冷却水、冷
却空気などの冷媒を流量を調整しながら少量使用すれば
良い。
【0036】スパッタビーム照射装置38からターゲッ
ト36に対してイオンビームを照射すると、ターゲット
36の構成粒子が叩き出されて基材A上に飛来する。そ
して、基材ホルダ23上に送り出された基材A上にター
ゲット36から叩き出した構成粒子を堆積させると同時
にイオンソース39から、例えば、Ar+イオンと酸素
イオンの混合イオンビームを照射して所望の厚みの多結
晶薄膜Bを成膜し、成膜後のテープ状の基材Aを基材巻
取ボビン25に巻き取る。
【0037】ここでイオンビームを照射する際の入射角
度θは、50〜60度の範囲が好ましく、より好ましく
は55〜60度の範囲、最も好ましくは55度である。
ここでθを90度とすると、多結晶薄膜のc軸は基材A
上の成膜面に対して直角に配向するものの、基材Aの成
膜面上に(111)面が立つので好ましくない。また、
θを30度とすると、多結晶薄膜はc軸配向すらしなく
なる。前記のような好ましい範囲の入射角度でイオンビ
ーム照射するならば多結晶薄膜の結晶の(100)面が
立つようになる。このような入射角度でイオンビーム照
射を行ないながらスパッタリングを行なうことで、基材
A上に形成されるYSZの多結晶薄膜の結晶軸のa軸ど
うしおよびb軸どうしは互いに同一方向に向けられて基
材Aの上面(成膜面)と平行な面に沿って面内配向す
る。
【0038】この実施形態の多結晶薄膜の製造方法にあ
っては、前述のように真空排気可能な成膜処理容器40
内に設けたターゲット36の構成粒子をスパッタリング
により叩き出して基材A上に堆積させる際に、イオンソ
ース39から発生させたイオンビームを基材Aの成膜面
の法線Hに対して入射角度50〜60度で照射しつつ堆
積させ、基材A上に多結晶薄膜を成膜する方法におい
て、基材Aの温度を所望の温度に制御することによっ
て、より結晶配向性の良好なものを得ることができる。
なお、イオンビームの入射角度の調整は、基台60の上
面60aの傾斜角度の異なるものを複数用意しておき、
適宜所望角度のものを交換してから成膜処理を行うこと
で実現できる。
【0039】ここで、後述する実施例で明らかにされる
如く、基材温度を60〜150℃の範囲に設定すること
で粒界傾角20度のYSZの多結晶薄膜を比較的短時間
(4時間程度)の成膜時間で得ることができる。
【0040】そして、前述のようにして形成された多結
晶薄膜上にスパッタリングやレーザ蒸着法などの成膜法
により酸化物超電導層Cを積層することで図6に示す構
造の酸化物超電導導体22を得ることができる。この酸
化物超電導層Cは、多結晶薄膜Bの上面に被覆されたも
のであり、その結晶粒23のc軸は多結晶薄膜Bの上面
に対して直角に配向され、その結晶粒23…のa軸とb
軸は先に説明した多結晶薄膜Bと同様に基材上面と平行
な面に沿って面内配向し、結晶粒23どうしが形成する
粒界傾角が1mを超える長尺の基材上、例えば2.5m
の基材上にあってはどの部分においても26度以下、部
分的には20度以下(例えば、12〜20度)の小さな
値に形成されている。
【0041】この酸化物超電導層を構成する酸化物超電
導体は、Y1Ba2Cu37-x、Y2Ba4Cu8y、Y3Ba
3Cu6yなる組成などに代表される臨界温度の高いY
系の酸化物超電導体である。
【0042】ここで前述のようにして粒界傾角が20度
以下に精度良く揃えられた多結晶薄膜上にスパッタリン
グやレーザ蒸着法などの成膜法により酸化物超電導層C
を形成するならば、この多結晶薄膜上に積層される酸化
物超電導層Cも多結晶薄膜の配向性に整合するようにエ
ピタキシャル成長して結晶化する。よって前記多結晶薄
膜B上に形成された酸化物超電導層Cは、結晶配向性に
乱れが殆どなく、この酸化物超電導層Cを構成する結晶
粒の1つ1つにおいては、基材Aの厚さ方向に電気を流
しにくいc軸が配向し、基材Aの長さ方向にa軸どうし
あるいはb軸どうしが配向している。従って得られた酸
化物超電導層Cは、結晶粒界における量子的結合性に優
れ、結晶粒界における超電導特性の劣化が殆どないの
で、基材Aの長さ方向に電気を流し易くなり、MgOや
SrTO3の単結晶基板上に形成して得られる酸化物超
電導層と同じ程度の十分に高い臨界電流密度が得られ
る。
【0043】なお、基材温度を100℃、粒界傾角18
度のYSZの多結晶薄膜を得たものは酸化物超電導層の
臨界電流密度として550000A/cm2を得ること
ができる。また、基材温度を60℃に、粒界傾角13度
のYSZの多結晶薄膜を得たものにおいては酸化物超電
導層の臨界電流密度として800000A/cm2を得
ることができる。なお、更に低温度で多結晶薄膜を形成
したものについては、短時間(4時間程度)の成膜で良
好な結晶配向性のものを得ることが難しく、配向性を良
好にするためには、数10時間の成膜処理を必要とす
る。特に前述の如くイオンビームを斜め50〜60度の
入射角度で照射しながら成膜する方法においては、成膜
温度が低くなるにつれ、短時間の成膜処理では十分に配
向性の良好な厚い膜が得られ難くなるので、低温度で短
時間で生成した薄い膜にあっては、結晶配向性が不十分
となる傾向にある。
【0044】以上説明の如く基材温度を300℃以下の
適宜の温度に維持しつつイオンビーム照射を行って成膜
することにより、YSZ多結晶薄膜Bの結晶配向性に優
れ、臨界電流特性に優れた酸化物超電導導体22を得る
ことができる。また、この例で得られる酸化物超電導導
体は1mを超える長さのフレキシブル性に優れた長尺の
テープ状とすることが容易であり、超電導マグネットの
巻線等への応用が期待できる。しかも、本発明による超
電導導体は曲げに強く、曲げ歪0.4%程度まで臨界電
流が低下しない特徴を有する。従って巻胴に巻き付けて
超電導コイルを製造しようとする場合においても、超電
導特性の劣化を生じない状態で超電導コイルを得ること
ができる。
【0045】なお、前述の多結晶薄膜Bの結晶配向性が
整う要因と成膜レートに関して本発明らは、以下のこと
を想定している。YSZの多結晶薄膜Bの結晶の単位格
子は、立方晶であり、この結晶格子においては、基板法
線方向が<100>軸であり、他の<010>軸と<0
01>軸はいずれも他の方向となる。これらの方向に対
し、基板法線に対して斜め方向から入射するイオンビー
ムを考慮すると、単位格子の原点に対して単位格子の対
角線方向、即ち、<111>軸に沿って入射する場合
に、基板法線に対する入射角度は54.7度となる。
【0046】先に本願発明者らが特許出願している技術
によれば、図13に示すようにイオンビームの入射角度
に応じて得られるYSZの多結晶薄膜の結晶配向性を示
す半値全幅の値はイオンビーム入射角度が55〜60度
の範囲で極小値を示す。ここで前記のように入射角度5
0〜60度の範囲で良好な結晶配向性を示すことは、イ
オンビームの入射角度が前記54.7度と一致するかそ
の前後になった場合、イオンチャンネリングが最も効果
的に起こり、基材A上に堆積している結晶において、基
材Aの上面で前記角度に一致する配置関係になった原子
のみが選択的に残り易くなり、その他の乱れた原子配列
のものはイオンビームのスパッタ効果によりスパッタさ
れて除去される結果、配向性の良好な原子の集合した結
晶のみが選択的に残って堆積してゆくものと推定してい
る。
【0047】なおこの際に、イオンビーム のYSZに
対する照射効果として、基材に垂直にYSZの(10
0)面を立てる効果と面内方位を整える効果の2つを奏
するが、本発明者としては、基材に垂直に正確に(10
0)面を立てる効果が主要であるものと推定している。
それは、基材に垂直にYSZの(100)を立てる効果
が不十分であると、必然的に面内配向性も乱れるためで
ある。
【0048】次に、イオンビームを成膜面の法線に対し
て50〜60度の入射角度で照射しながら成膜する場合
に好適な範囲に温度制御を行うと多結晶薄膜Bの粒界傾
角Kの値が良好になる理由、換言すると、多結晶薄膜B
の結晶配向性が良好になる理由について本願発明者は以
下のように推定している。通常のスパッタ、レーザ蒸着
等の成膜法において結晶性の良好な薄膜を得るために
は、成膜雰囲気を高温度、例えば400〜600℃程
度、あるいはそれ以上の温度に加熱しながら成膜するこ
とが常識的な知見である。このような高温度に加熱しつ
つ成膜することで一般的に結晶性の高い膜を得ているこ
とは、成膜温度と結晶化との間に密接な関係が存在する
ことを意味し、薄膜の製造分野において成膜温度が低い
場合はアモルファス性に富む膜が生成し易いものと理解
されている。
【0049】しかしながら、本願発明に係る技術である
イオンビーム照射に伴う成膜技術を用いる場合は、イオ
ンビームにより結晶を整える効果が極めて大きいため
に、成膜温度は逆にできるだけ低い温度が好ましい。こ
れは、低い温度の方が結晶を構成する原子の運動や振動
がそれだけ少なくなり、イオンビーム照射に伴う結晶を
揃える効果がより効果的に発揮される結果として、結晶
配向性に優れた多結晶薄膜Bが生成し易くなるものと推
定している。
【0050】即ち、本発明の技術によれば、低温になる
ほど[100]軸が安定した多結晶薄膜を得ることがで
き、それに伴って[111]軸の角度が一意的に決まるこ
と、および、結晶を構成する原子の熱振動によりディチ
ャネリング(dechanneeling)が起こらなくなり、[11
1]軸に沿ったイオンの衝突断面積が減少して効果的な
配向制御が可能になることによって結晶配向性が良くな
るものと思われる。なお、成膜温度が低温になるほど結
晶配向性の高い多結晶薄膜Bを得ることができ、150
℃以下の温度で多結晶薄膜Bを成膜した場合により優れ
た結晶配向性の多結晶薄膜Bが得られるという事実は、
一般の成膜技術において高温度に加熱しながら成膜しな
くては結晶性の高い膜を得ることが難しいという知見と
は相反するものであり、この点においてイオンビームを
斜めから照射しながら成膜する技術の特異性を知ること
ができる。
【0051】しかしながら、成膜温度を低くし過ぎる
と、成膜時間が短い薄い膜で結晶配向性が低下する傾向
にあり、これは、薄い膜では結晶が整合性をもって配向
性良好に並ぶ状態の前の状態、即ち、結晶が十分に並ぶ
以前の原子が多少乱れた状態の膜となり易いので、結晶
配向性が不十分となり易いと考えられる。ただし、低温
成膜であっても、数10時間の長いをかけて十分な膜厚
に成膜することで必要な膜厚を確保し、結晶配向性に優
れた膜を得ることができるが、製造効率の面からは好ま
しくない。以上のことから、ある程度の必要な膜厚(堆
積される原子がイオンビームの効果によって十分に配向
しながら堆積し始めるために必要な膜厚として200n
m程度以上)の多結晶中間層を基材上に効率良く形成す
るには、60〜150℃の温度範囲で成膜処理すること
が好ましいと思われる。
【0052】
【実施例】(実施例1)図3〜図5に示す構成の装置を
使用し、イオンビーム照射を伴うスパッタリングを行っ
てYSZの多結晶薄膜を金属テープ上に成膜した。図3
に示す装置を収納した真空容器内を真空ポンプで真空引
きして3.0×10-4Torrに減圧するとともに、真空容
器内にAr+O2のガスをArにおいては16.0scc
m、O2ガスにおいては8.0sccmの割合で供給し
た。基材として、表面を鏡面加工した幅10mm、厚さ
0.5mm、長さ2.5mのハステロイC276合金(N
i:58%、Mo:17%、W5%、Cr14%、Fe
6%)のテープを使用した。ターゲットはYSZ(Y2
3:8モル%)製のものを用い、Ar+イオンをイオン
ガンからターゲットに照射してスパッタするとともに、
イオンガンからのイオンビームの入射角度を基材ホルダ
上の基材テープの成膜面の法線に対して入射角55度に
設定し、Kr+のイオンビームのエネルギーを200e
V、イオン電流密度を100μA/cm2に設定して基
材上にレーザ蒸着と同時にイオンビーム照射を行ない、
基材テープを基材ホルダに沿って一定速度で移動させな
がら種々の厚さの基材テープ上に厚さ500〜3500
nmのYSZ層を形成した。
【0053】なお、前記の成膜の際に、基材ホルダの加
熱ヒータを作動させ、成膜時の基材および多結晶薄膜の
温度を300℃、250℃、200℃、150℃にそれ
ぞれ制御した。また、加熱ヒータを作動させないで常温
で成膜した場合、基材および多結晶薄膜の温度はイオン
ビーム照射効果および装置内部の他の部分からの発熱等
により90℃の温度に維持された。更に比較のために、
図5に示す冷却装置を用いて常温空気と冷却空気(0
℃、−30℃)で冷却し、用いる基材ホルダの厚さを変
えて冷却することにより、基材および多結晶薄膜の温度
を20℃、−30℃にそれぞれ制御して多結晶薄膜をテ
ープ状の基材上に形成した。
【0054】得られた各試料の先端部分中心におけるX
線による(111)極点図と(100)極点図から半値
全幅(FWMH)を求めた結果を図7に示す。図7から
明らかなように、60〜150℃の温度範囲で成膜した
試料にあっては、結晶配向性を示す指標の半値全幅の値
が12〜20度の小さい範囲となっていることが明らか
である。また、60℃よりも低い温度で成膜すると、短
時間の成膜では十分な膜厚が得られにくく、膜厚が小さ
いものでは半値全幅の値も大きくなる、即ち結晶配向性
が低下する傾向にあることが判明した。ただし、60℃
を下回る低温側でも長時間成膜するならば、結晶配向性
が良好となり得るが、製造効率の面では良好ではない。
【0055】次に図8は、基材テープ上に形成した多結
晶薄膜の半値全幅に対する膜厚依存性を示すものであ
る。図8は90℃に基材テープを保持して前記と同じ条
件で成膜した場合の結果である。この結果から[100]
軸の配向は、200nmを超える膜厚から安定し始めて
いる。このことから、イオンビームを50〜60度の入
射角度で斜め方向から照射しながら成膜する場合に、膜
が堆積する初期の段階では結晶配向性が整っていない結
晶が多少生じても、厚さが増加するにつれて結晶配向性
が良好となり、[100]軸の配向状態から見て200n
m以上の膜厚であれば結晶配向性に優れたものを得るこ
とができることが明らかである。
【0056】更にこれらの多結晶薄膜上にイオンビーム
スパッタ装置を用いて酸化物超電導層を形成した。ター
ゲットとして、Y0.7Ba1.7Cu3.07-xなる組成の酸
化物超電導体からなるターゲットを用いた。また、蒸着
処理室の内部を1×10-6トールに減圧し、スパッタリ
ングを行なった。その後、400゜Cで60分間、酸素
雰囲気中において熱処理した。得られた酸化物超電導テ
ープ導体は、幅10.0mm、長さ2.5mのものであ
る。この酸化物超電導テープ導体を液体窒素により冷却
し、中央部の幅10mm、長さ10mmの部分について
4端子法により臨界温度と臨界電流密度の測定を行なっ
た結果を求めた。以上の測定結果において、成膜温度と
面内配向性と臨界電流密度の関係を以下に示す。 成膜温度 半値全幅 臨界電流密度(0T、77K) 150℃ 19゜ 180000 90℃ 18゜ 550000 60℃ 13゜ 800000
【0057】図9は0.1mm厚の長さ2.5mのハステ
ロイテープの基材上に先に説明の方法を利用し、Ar+
イオンをイオンガンからターゲットに照射してスパッタ
するとともに、イオンガンからのイオンビームの入射角
度を基材ホルダ上の基材テープの成膜面の法線に対して
入射角55度に設定し、Kr+のイオンビームのエネル
ギーを200eV、イオン電流密度を100μA/cm
2に設定して基材上にレーザ蒸着と同時にイオンビーム
照射を行ない、90℃で0.4μm厚のYSZ層を形成
し、基材テープ上の長さ方向に50cm間隔の幅方向中
心部の各位置において測定した半値全幅の値を示す。半
値全幅の値は各測定点における(111)極点図から求
めた値である。本発明方法で得られた長さ2.5mの多
結晶薄膜は、いずれの測定箇所においても半値全幅で2
1〜25度の範囲の優れた結晶配向性を示した。なお、
更に長さ5mの基材を用いて同様な実験を行ってみた
が、半値全幅の値は基材長さ2.5mのものと同等の範
囲に収まった。以上のことから、本発明方法を実施し、
1mを超える長さの基材を用いて酸化物超電導導体を製
造した場合、21〜25度の範囲、あるいはそれ以下の
低い半値全幅の多結晶中間層を備えたものを製造できる
ことが明らかになった。
【0058】図10は先の試料において、基材として
0.1mm厚あるいは0.2mm厚のハステロイテープを
用いてそれらハステロイテープ上の先端部から0.6〜
1.0mの部分にYSZの多結晶薄膜を形成し、その上
にY1Ba2Cu37-xなる組成の酸化物超電導層を形成
した酸化物超電導導体における2cm毎の臨界電流密度
を測定した結果を示す。このように得られた酸化物超電
導層のa軸とb軸の面内結晶配向性は、(103)極点
図による計測から粒界傾角12〜18度であることが判
明した。これらの試料において基材が0.1mm厚の酸
化物超電導導体の臨界電流(Ic)は30.7A、臨界電
流密度(Jc)は測定点の全てにおいて約3.0×105
A/cm2であった。また、基材が0.2mm厚の酸化物
超電導導体の臨界電流(Ic)は44.3A、臨界電流密
度(Jc)は0.6〜0.75mの部分の測定点の全てに
おいて約4.5×105A/cm2であり、他の測定点に
おいては基材厚さ0.1mmの試料と同等であった。
【0059】図11は厚さ0.1mmの基材と厚さ0.2
mmの基材を用いた各酸化物超電導導体の曲げ歪を示
す。いずれの厚さの基材に形成した酸化物超電導導体に
おいても、曲げ歪0.4%程度までは臨界電流値が低下
しなかった。この場合の曲げ半径は、基材厚さ0.1m
mのもので12.5mmであるので、本実施例の酸化物
超電導導体は曲げ半径12.5mmまでの曲げに耐える
ことが明らかである。よって、本実施例の酸化物超電導
導体は半径12.5mm以上の大きさの巻胴に巻回して
超電導コイルとしても超電導特性が劣化しないことが明
らかである。
【0060】図12は前記酸化物超電導導体の自己フィ
ールドACロスの周波数依存性を示す。測定条件は、磁
場0T(テスラ)、絶対温度77Kにおいて、臨界電流
値Icは32Aであるので、印加電流は、臨界電流の1
/2(16A)と1/5(0.2A)の場合としたが、
これらの測定値から力価(N)は20〜200Hzの周
波数でほとんど劣化しなかった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、安定化ジルコニアのターゲットから発生させた粒子
を基材に堆積させる際に、基材成膜面の法線に対して5
0度〜60度の入射角度でイオンビームを照射し、成膜
温度を60〜150℃の範囲にするので、基材の成膜面
に対してc軸配向性に加えてa軸配向性とb軸配向性を
も向上させた粒界傾角が小さい安定化ジルコニアの多結
晶薄膜を長尺の基材上に良好な成膜レートで効率良く確
実に得ることができる効果がある。これは、基材上に堆
積する構成原子において、規定の向きから外れた向きに
配置された不安定な原子をイオンビームのイオンがスパ
ッタ効果を発揮させて除去するので、規定の位置に配置
された安定性の高い原子のみが選択的に残り易くなり、
この結果として配向性の良好な粒子の堆積が主体的にな
されて配向性の良好な多結晶薄膜が得られたものと思わ
れる。
【0062】また、成膜時の温度を60〜150℃の範
囲に制御することで、結晶を構成する原子の振動や運動
を少なくすることができ、これらの影響力よりもイオン
ビームによる結晶配向性制御効果を大きくすることがで
きる結果として配向性の良好な多結晶薄膜を効率良く製
造することができる。また、イオンビームによる配向制
御効果は、多結晶薄膜の特定の面を基材成膜面に垂直に
正確に立てる作用を促進するものでもあるので、特定の
面を基材成膜面に対して正確に位置決めできる結果とし
て他の面の方向制御効果も向上させることができ、結果
として膜全体としての結晶配向性に優れた結晶粒の集合
体としての多結晶薄膜を得ることができる。
【0063】よってこの配向性の良好な安定化ジルコニ
アの多結晶薄膜を有する基材を用いてこの多結晶薄膜上
に酸化物超電導層膜の成膜を行なうならば、膜質の良好
なものが得られる。即ち、前述の温度で形成した配向性
の良好な多結晶薄膜上に酸化物超電導層を形成するなら
ば、長尺の基材上であっても結晶配向性の良好な酸化物
超電導層を生成させることができ、これにより臨界電流
密度の高い超電導特性の良好な酸化物超電導導体を得る
ことができる。また、本発明方法で酸化物超電導導体を
得る場合に、1m以上の長さのテープ状の基材を移動さ
せながら基材成膜面に多結晶薄膜を連続成膜し、多結晶
薄膜の膜厚を200nm以上になるように成膜し、テー
プ状の基材の長さ方向の先端部から後端部に至る複数の
測定点において結晶配向性の指標となる多結晶薄膜の半
値全幅の値を26以下にすることができるとともに、曲
げ歪0.4%以下において臨界電流密度の低下しない曲
げに強い酸化物超電導層を備えた酸化物超電導導体を得
ることができる。このような曲げに強い酸化物超電導導
体であるならば、巻胴に巻回して超電導コイルを製造す
る場合に超電導特性の劣化し難い酸化物超電導導体を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明方法により形成されたYSZ
の多結晶薄膜を示す断面図である。
【図2】 図2は、図1に示すYSZ多結晶薄膜の結晶
粒とその結晶軸方向および粒界傾角を示す拡大平面図で
ある。
【図3】 図3は、本発明方法を実施して基材上に多結
晶薄膜を製造するための装置の一例を示す構成図であ
る。
【図4】 図4は、図3に示す装置に設けられるイオン
ガンの一例を示す断面図である。
【図5】 図5は、図3に示す装置に設けられる冷却装
置の一例を示す断面図である。
【図6】 図6は、図1に示すYSZ多結晶薄膜の上に
形成された酸化物超電導層を示す断面図である。
【図7】 図7は実施例において基材上に形成した多結
晶薄膜の厚さと半値全幅の関係を示す図である。
【図8】 実施例において基材上に形成したYSZ多結
晶薄膜の厚さと半値全幅の関係を示す図である。
【図9】 実施例において長さ2.5mの基材上に形成
したYSZ多結晶薄膜の位置毎の半値全幅を示す図であ
る。
【図10】 実施例において基材上のYSZ多結晶薄膜
上に形成した酸化物超電導層の臨界電流密度を示す図で
ある。
【図11】 実施例において得られた酸化物超電導導体
の曲げ歪を示す図である。
【図12】 実施例において得られた酸化物超電導導体
のサイクルロスを示す図である。
【図13】 イオンビームの入射角度と得られた多結晶
薄膜の半値全幅との関係を示すグラフである。
【図14】 従来方法で基材上に成膜された多結晶薄膜
と酸化物超電導層を示す構成図である。
【符号の説明】
A…基材、B…多結晶薄膜、C…酸化物超電導層、K…
粒界傾角、θ…入射角度、20、21…結晶粒、22…
酸化物超電導導体、23…基材ホルダ、24・・・基材送
出ボビン(送出装置)、25・・・基材巻取ボビン(巻取装
置)、36…ターゲット、38…イオンガン、39・・・イ
オンソース、40…成膜処理容器、R・・・冷却装置、6
0・・・基台、61・・・冷媒導入管、62・・・往管、63・・・
戻管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 信夫 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 定方 伸行 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 斉藤 隆 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 4G047 JA03 JB02 JC02 KE05 KG04 KG05 5G321 AA04 CA04 CA18 CA21 CA27 DB39

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定化ジルコニアのターゲットから発生
    させた粒子を基材上に堆積させ、基材上にターゲットの
    構成元素からなる多結晶薄膜を形成し、次いでこの多結
    晶薄膜上に酸化物超電導層を形成する酸化物超電導導体
    の製造方法において、 安定化ジルコニアのターゲット粒子を基材上に堆積させ
    る際に、イオンソースが発生させたイオンビームを基材
    の成膜面の法線に対して50〜60度の範囲の入射角度
    で斜め方向から照射しつつ前記粒子を堆積させて多結晶
    薄膜を形成させるとともに、成膜時の温度を60〜15
    0℃の範囲に設定し、多結晶薄膜形成後にその上に酸化
    物超電導層を形成することを特徴とする酸化物超電導導
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法を実施する際
    に、1m以上の長さのテープ状の基材を移動させながら
    基材成膜面に多結晶薄膜を連続成膜し、多結晶薄膜の膜
    厚を200nm以上になるように成膜し、テープ状の基
    材の長さ方向の先端部から後端部に至る複数の測定点に
    おいて多結晶薄膜の結晶配向性の指標となる半値全幅の
    値を26以下にするとともに、0.4%以下の曲げ歪に
    おいて臨界電流密度の低下しない酸化物超電導層を得る
    ことを特徴とする酸化物超電導導体の製造方法。
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