JP2000201397A - 電磁型電気音響変換器および携帯端末装置 - Google Patents

電磁型電気音響変換器および携帯端末装置

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JP2000201397A JP31172299A JP31172299A JP2000201397A JP 2000201397 A JP2000201397 A JP 2000201397A JP 31172299 A JP31172299 A JP 31172299A JP 31172299 A JP31172299 A JP 31172299A JP 2000201397 A JP2000201397 A JP 2000201397A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁型電気音響変換器の再生音圧レベルを、
マグネット、振動板などのサイズを大きくすることなく
向上させる。 【解決手段】 本発明の電磁型電気音響変換器は、振動
可能に配置された第1の振動板と、第1の振動板の中央
部に設けられた磁性体である第2の振動板と、第1の振
動板に対向して設けられたヨークと、ヨークの第1の振
動板に対向する面に設けられたセンターポールと、セン
ターポールを囲むように配置されたコイルと、コイルを
囲むように配置されたマグネットと、マグネットと第1
の振動板との間に設けられ、内周縁部が第2の振動板の
外周縁部に重複する磁性体薄板とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば携帯電
話、ポケットベル等の携帯端末機に搭載され、着信時に
おけるアラーム音の再生に使用される電気音響変換器に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁型電気音響変換器の平面図を
図9(a)に、また、断面図を図9(b)に示す。従来
の電磁型電気音響変換器は、円筒形の筐体107と、こ
の筐体107の底面を覆うように配置された円板状のヨ
ーク106とを有しており、ヨーク106の中央部にヨ
ークと一体に構成されたセンターポール103が設けら
れている。センターポール103の周囲にはコイル10
4が巻かれている。コイル104の外周には環状のマグ
ネット105が設けられており、コイル104とマグネ
ット105の内周面とは全周に渡って適当な間隔が開け
られている。マグネット105の外周面は筐体107の
内周面に突き合わされている。筐体107の上端部には
円板状をした非磁性体の第1の振動板100が支持され
ており、第1の振動板100と、マグネット105、コ
イル104およびセンターポール103との間には適当
な間隔が設けられている。第1の振動板100の中央部
には円板状の磁性体である第2の振動板101が第1の
振動板100と同心状態で設けられている。
【0003】以上のように構成された電磁型電気音響変
換器について、その動作と効果を説明する。コイル10
4に電流が流れない初期状態では、マグネット105、
第2の振動板101、センターポール103、ヨーク1
06によって磁路が形成されており、第2の振動板10
1はマグネット105とセンターポール103側に吸引
され、第1の振動板100の弾性力と等しくなるところ
まで変位する。このような初期状態でコイル104に交
流電流が流れると上記磁路に交流磁界が発生し、第2の
振動板101上に交流駆動力が発生する。そのような交
流駆動力が第2の振動板101に発生すると、第2の振
動板101はマグネット105によって発生する静的吸
引力との相互作用によって、固定されている第1の振動
板100とともに初期状態から振動する。その振動は音
として放射される。しかしながら、上記構成では、マグ
ネット105と第2の振動板101との距離が大きく、
第2の振動板101に対して磁束を有効に作用させるこ
とができない。
【0004】図10は、図9に示す従来の電磁型電気音
響変換器の磁束ベクトル図である。この磁束ベクトル図
では、中心軸に対して片側半分のみを表示しており、第
1の振動板100および筐体107は非磁性体であるた
め表示されていない。従来の電磁型電気音響変換器で
は、マグネット105から大きな磁気ギャップを介して
第2の振動板101に磁路が形成されている。従って、
磁気抵抗として働く空気の層が大きいために、マグネッ
ト105中央部からの磁路から、第2の振動板101に
十分な磁束を供給することは困難である。
【0005】また、第1の振動板100の材料に磁性体
を用い、磁路として活用する手段もある。しかし、この
場合もアラーム音として再生する周波数に共振周波数を
合わすように設計すると、磁路として磁気飽和せずに使
用できる厚みを第1の振動板に持たせることは困難であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決することを課題とし、マグネットと第1の振動板と
の間に磁性体薄板を配置することで、マグネットと第2
の振動板の間の磁路を補強し、第2の振動板上に効率的
に静的吸引力と交流駆動力とを発生させることにより、
マグネットおよび第2の振動板のサイズを変更すること
なく高能率な電磁型電気音響変換器を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁型電気音響
変換は、振動可能に配置された第1の振動板と、第1の
振動板の中央部に設けられた磁性体である第2の振動板
と、第1の振動板に対向して設けられたヨークと、ヨー
クの第1の振動板に対向する面に設けられたセンターポ
ールと、センターポールを囲むように配置されたコイル
と、コイルを囲むように配置されたマグネットと、マグ
ネットと第1の振動板との間に設けられ、内周縁部が第
2の振動板の外周縁部に重複する磁性体薄板とを備え、
それにより上記目的が達成される。
【0008】第1の振動板とマグネットとヨークとが密
閉空間を形成してもよい。
【0009】第1の振動板とマグネットとヨークの少な
くとも一つには、密閉空間と密閉空間の外部とを連通す
る少なくとも一つの空気穴が設けられてもよい。
【0010】筐体をさらに備え、第1の振動板が筐体に
配置されてもよい。
【0011】第1の振動板と筐体とが密閉空間を形成し
てもよい。
【0012】第1の振動板と筐体の少なくとも一つに
は、密閉空間と密閉空間の外部とを連通する少なくとも
一つの空気穴が設けられてもよい。
【0013】第1の振動板と筐体とヨークとが密閉空間
を形成してもよい。
【0014】第1の振動板と筐体とヨークの少なくとも
一つには、密閉空間と密閉空間の外部とを連通する少な
くとも一つの空気穴が設けられてもよい。
【0015】少なくとも一つの空気穴が、ヨークの径が
マグネットの外周縁部以上であるヨークの位置に設けら
れていてもよい。
【0016】第2の振動板の外径と重複する磁性体薄板
の径方向の長さが第2の振動板の外径の4%〜15%で
あってもよい。
【0017】磁性体薄板の内径がマグネットの内径以下
であってもよい。
【0018】マグネットが第1の振動板と対向した面の
内周側部分に凹部を有し、磁性体薄板が凹部に嵌入され
ていてもよい。
【0019】磁性体薄板の外周縁と、マグネット表面に
発生する磁束ベクトルの向きが径方向上で中心方向と外
周方向とに切り替わる中立点とがほぼ一致してもよい。
【0020】第2の振動板には、径方向に突出する複数
の突出部が周方向に設けられてもよい。
【0021】第1の振動板を構成する材料の比重は、第
2の振動板を構成する材料の比重以下であってもよい。
【0022】本発明の電磁型電気音響変換器は、携帯端
末装置に内蔵されてもよい。
【0023】本発明によれば、電磁型電気音響変換器を
内蔵する携帯電話機の容量を変更することなく、高音圧
なアラーム音を再生できる携帯端末装置を実現すること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。
【0025】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
おける電磁型電気音響変換器について、図1および図2
を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態1におけ
る電磁型電気音響変換器の断面図である。本発明の実施
の形態1における電磁型電気音響変換器は、円筒形の筐
体7と、この筐体7の底面を覆うように配置された円板
状のヨーク6とを有しており、ヨーク6の中央部にヨー
クと一体に構成されたセンターポール3が設けられてい
る。センターポール3の周囲にはコイル4が巻かれてい
る。コイル4の外周には環状のマグネット5が設けられ
ており、コイル4とマグネット5の内周面とは全周に渡
って適当な間隔が開けられている。マグネット5の外周
面は筐体7の内周面に突き合わされている。マグネット
5の上面には、環状の磁性体薄板9がマグネット5の上
面全体を覆うように設けられており、この磁性体薄板9
の内周部内にセンターポール3の先端部が位置してい
る。磁性体薄板9の内径はマグネット5の内径以下とな
っており、磁性体薄板9の内周縁部がマグネット5の内
周面から内方に延出している。筐体7の上端部には、非
磁性体の円板状の第1の振動板1が振動可能に支持され
ており、第1の振動板1と、磁性体薄板9、コイル4お
よびセンターポール3との間には適当な間隔が設けられ
ている。第1の振動板1の中央部には円板状の例えばパ
ーマロイである磁性体の第2の振動板2が第1の振動板
1と同心状態で設けられている。磁性体薄板9の内径
は、第2の振動板2の外径よりも小さくなっており、従
って磁性体薄板9の内周縁部が第2の振動板2の外周縁
部と重複している。ヨーク6には、コイル4とマグネッ
ト5の内周面との間の空間と第1の振動板1とヨーク6
との間の空間の外部とを連通する複数の空気穴8が、周
方向に適当な間隔を開けて設けられている。各空気穴8
は、コイル4とマグネット5の内周面との間の空気を外
部に放出して、第1の振動板1に加わる音響負荷を小さ
くするようになっている。
【0026】以上のように構成された電磁型電気音響変
換器について、その動作と効果を説明する。コイル4に
電流が流れない初期状態では、マグネット5、磁性体薄
板9、第2の振動板2、センターポール3、ヨーク6に
よって磁路が形成されており、第2の振動板2はマグネ
ット5とセンターポール3側に吸引され、第1の振動板
1の弾性力と等しくなるところまで変位する。このよう
な初期状態でコイル4に交流電流が流れると上記磁路に
交流磁界が発生し、第2の振動板2上に交流駆動力が発
生する。そのような交流駆動力が第2の振動板2に発生
すると、第2の振動板2はマグネット5によって発生す
る静的吸引力との相互作用によって、固定されている第
1の振動板1とともに初期状態から振動する。その振動
は音として放射される。
【0027】本発明の実施の形態1においては、マグネ
ット5と第2の振動板2の間に磁性体薄板9が設けられ
ているために、磁気抵抗が抑制されており、磁路中の磁
束密度が大きくなっている。その結果、第2の振動板2
に加わる交流駆動力は大きくなり、第1の振動板1およ
び第2の振動板2はより大きな振幅で振動するために再
生音圧が大きくなる。磁性体薄板9が設けられている場
合は、磁性体薄板9が設けられていない場合に対して、
静的吸引力で71%程度、交流駆動力で43%程度大き
くなる。
【0028】図2は磁性体薄板9の内周縁部と第2の振
動板2の外周縁部との重複率と交流駆動力との関係を示
したグラフである。ここで、重複率とは、磁性体薄板9
の内径と第2の振動板2の外径とが重複する長さと、第
2の振動板2の外径の長さとの比率を指している。図2
のグラフにおいて、横軸は重複率を、縦軸は交流駆動力
を示しており、重複率が9%程度になると交流駆動力が
最大になっている。また、重複率が5%の場合、磁性体
薄板9の内径と第2の振動板2の外径とが一致して相互
に重複しない重複率0%の場合に対して、静的吸引力で
21%、交流駆動力で10%大きくなっている。図2の
グラフより、交流駆動力をより大きくするためには、重
複率を4%〜15%程度にすることが好ましい。
【0029】なお、図1に示す本発明の実施の形態1に
おける電磁型電気音響変換器では、磁性体薄板9の内径
はマグネット5の内径よりも小さくなっているが、磁性
体薄板9の内径が第2の振動板2の外径よりも小さい構
成であれば、磁性体薄板9の内径はマグネット5の内径
と同じかもしくは大きくてもよい。また、磁性体薄板9
は、マグネット5と第1の振動板1との間に配置されて
いるならば、マグネット5と接触している必要はない。
また、磁性体薄板9は、磁気抵抗を抑え磁路中の磁束密
度を上げるために、磁気飽和が生じない厚さであること
が好ましい。
【0030】(実施の形態2)図3は、本発明の実施の
形態2における電磁型電気音響変換器の断面図である。
図3に示される電磁型電気音響変換器では、マグネット
15上面の内周側部分に磁性体薄板19が嵌入される凹
部が設けられており、この凹部内に磁性体薄板19が嵌
入され、マグネット15と一体的に固定されている。磁
性体薄板19の内周縁部は、マグネット15の内周縁部
から突出している。その他の構成は、図1に示される本
発明の実施の形態1における電磁型電気音響変換器と同
様である。
【0031】このように構成された電磁型電気音響変換
器では、磁性体薄板19をマグネット15に嵌入するこ
とにより、マグネット15により発生する静的吸引力お
よび第2の振動板2に加わる交流駆動力をほとんど減少
させることなく電磁型電気音響変換器の全高を薄くする
ことができる。
【0032】図4は図3に示す電磁型電気音響変換器の
磁束ベクトル図である。この磁束ベクトル図では、中心
軸に対して片側半分の磁束ベクトルのみを表示し、第1
の振動板1および筐体7は非磁性体であるため図4では
表示されていない。また、磁路をより適切に表示するた
めに、穴8も図4では表示されていない。図4に示すよ
うに、マグネット15上に発生する磁束ベクトルの向き
はマグネット15の半径方向上の中立点にて中心方向と
外周方向とに切り替わっている。この場合、マグネット
15には磁性体薄板19が設けられているために、マグ
ネット15中央部から中心方向に向かう磁束も磁性体薄
板19によりマグネット15の内周縁部付近に集中させ
ることができる。また、マグネット15中央部と第2の
振動板2との間の磁路中の空気層が小さくなり磁気抵抗
が減少しているために、第2の振動板2に効率よく磁束
を供給することが可能となる。
【0033】マグネット15上に発生する磁束ベクトル
の向きは、径方向上の中立点をもって中心方向と外周方
向とに切り替わるので、磁性体薄板19の外径を中心方
向に向かう磁束ベクトルが発生する最大径に合わせるこ
とによって、すなわち、磁性体薄板19の外周縁部と中
立点とをほぼ一致させることによって、磁性体薄板19
はマグネット15の中心方向に向かう磁束を最も有効に
第2の振動板2に集中させることができる。
【0034】図5は磁性体薄板19の外径と第2の振動
板2に加わる静的吸引力および交流駆動力との関係を示
したグラフである。このグラフでは、横軸は磁性体薄板
19の外径を、縦軸は第2の振動板2に加わる静的吸引
力および交流駆動力を示しており、図4に示す中立点付
近において静的吸引力が最大になっていることが分か
る。
【0035】(実施の形態3)図6は、本発明の実施の
形態3における電磁型電気音響変換器の断面図である。
図6に示される電磁型電気音響変換器では、マグネット
15の外周面と筐体7の内周面との間に空間が形成され
るようにマグネット15が配置されており、その空間と
第1の振動板1とヨーク26との間の空間の外部とを連
通させる複数の空気穴28が、周方向に適当な間隔を開
けてヨーク26に設けられている。その他の構成は、図
3に示される本発明の実施の形態2の電磁型電気音響変
換器と同様である。
【0036】以上のように構成された電磁型電気音響変
換器では、マグネット15の外周面と筐体7の内周面と
の間の空気が、各空気穴28を通って、外部に放出され
る。空気穴28をヨーク26の外周側部分に設けること
により、マグネット15をヨーク26の中心側に設ける
ことができる。また、空気穴28がマグネット15の外
側にあり、第1の振動板1と空気穴28との間の空気の
通り道を磁性体薄板19が塞ぐことがないため、磁性体
薄板19の内周縁部がコイル4に重複するように磁性体
薄板19の内径を小さくすることができる。これにより
外周縁部が磁性体薄板19の内周縁部と重複される第2
の振動板2の外径も小さくすることができる。第2の振
動板2の外径が小さくなることによって、第1の振動板
1における第2の振動板2を支持する部分以外の弾性支
持部が広くなり、第2の振動板2の振動に際しての振幅
を大きく取ることができるようになるので、再生音圧を
高くすることができる。
【0037】(実施の形態4)図7(a)は、本発明の
実施の形態4における電磁型電気音響変換器の平面図、
図7(b)は図7(a)のI―I線における断面図であ
る。図7に示す電磁型電気音響変換器では、第1の振動
板1の中央部に固定される第2の振動板32が、その円
板形状における周縁部の複数の箇所を切り欠いて、径方
向に突出する複数の突出部が周方向に等しい間隔を開け
て設けられた形状に構成されている。各突出部は、半径
方向のいずれの位置においても断面積の総和が一定にな
るように、それぞれ2次曲線に沿った側縁を有してい
る。第2の振動板32の厚さは、第1の振動板1よりも
厚いことが好ましい。その他の構成は、図6に示す本発
明の実施の形態3の電磁型電気音響変換器と同様であ
る。
【0038】本発明の実施の形態1〜3における第2の
振動板2では、その形状が円板状であるので、半径方向
の所定の位置における周方向の全周にわたる断面積は外
周側になるほど大きくなり、その周方向の全周にわたる
断面積は径方向に不均一になっている。磁性体内の磁束
密度は磁束が通る断面積に反比例するので、第2の振動
板2内部の磁束密度は径方向に不均一となる。しかし、
本発明の実施の形態4における第2の振動板32は、第
2の振動板32の突出部が設けられた外周部分において
は、半径方向のいずれの位置においても各突出部の断面
積の総和が一定になるように各突出部が形成されてい
る。従って、第2の振動板32の突出部が設けられた外
周部分では、磁束密度が均一化されている。
【0039】また、第2の振動板32の周縁部を磁気飽
和が生じない程度に切り欠くことにより、第2の振動板
32を通る磁束の量は円板状の第2の振動板2を通る磁
束の量と大差なく、第2の振動板32に作用する交流駆
動力も第2の振動板2と同程度とすることができる。そ
の結果、磁束密度が均一な第2の振動板32の振動によ
り、特性劣化を招くことなく音が発せられる。
【0040】図7に示す電磁型電気音響変換器において
は、第1の振動板1よりも厚い第2の振動板32が周辺
部を切り欠いて形成されているため、第1の振動板1お
よび第2の振動板32の全体の質量は、第2の振動板2
のように切り欠きを設けないときに比べ軽量化され、そ
の結果、再生音圧レベルを高くすることができる。な
お、第2の振動板32の突出部は、第2の振動板32の
センターポール3と対向する部分よりも外周側に設ける
ことが好ましい。
【0041】図7に示す電磁型電気音響変換器において
は、第2の振動板32を、円板を切り欠いて形成するこ
とにより振動板全体の軽量化を図ったが、第1の振動板
の材料に比重の小さいものを使用することで軽量化を図
っても同様の効果が得られる。たとえば、第1の振動板
材料としても使われるパーマロイから比重の小さいチタ
ンに変更しても同様の効果が得られる。
【0042】なお、図3、図6および図7に示す本発明
の実施の形態2〜4における電磁型電気音響変換器で
は、磁性体薄板19の内径はマグネット15の内径より
も小さくなっているが、磁性体薄板19の内径が第2の
振動板2または第2の振動板32の外径よりも小さい構
成であれば、磁性体薄板19の内径はマグネット15の
内径と同じかもしくは大きくてもよい。また、磁性体薄
板19は、磁気抵抗を抑え磁路中の磁束密度を上げるた
めに、磁気飽和が生じない厚さであることが好ましい。
【0043】図8は、本発明の電磁型電気音響変換器を
備えた携帯端末機の一例である携帯電話機の一部破断斜
視図である。この携帯電話機で用いられる電磁型電気音
響変換器は、本発明の実施の形態1〜4で示したものと
同様である。
【0044】この携帯電話機61は筐体62を有してお
り、筐体62の一方の側部に音孔63が設けられてい
る。筐体62内部には、本発明の電磁型電気音響変換器
10が、第1の振動板1が音孔63に対向するように設
けられている。携帯電話機61には、信号を受信し電磁
型電気音響変換器10に入力するための、呼び出し信号
を変換する信号処理回路(図示せず)が内蔵されてい
る。携帯電話機61の信号処理回路が着信を知らせる信
号を受信すると、その信号が電磁型電気音響変換器10
に入力され、呼び出し音が再生される。その結果ユーザ
は着信を知ることができる。
【0045】本発明の電磁型電気音響変換器10が使用
された携帯電話機61では、第2の振動板およびマグネ
ットのサイズを大きくするなどの対応を行うことなく、
呼び出し音の再生音圧を大きくすることができる。従っ
て、電磁型電気音響変換器10を内蔵する携帯電話機6
1自体の容量を大きくすることなく、高音圧な呼び出し
音を提供することが可能となる。
【0046】なお、携帯電話機61では、電磁型電気音
響変換器10を直接筐体62に取り付けたが、携帯電話
機61に内蔵されている基板上に取り付けてもよい。ま
た、呼び出し音の音圧をさらに上げるために音響ポート
を付加してもよい。
【0047】また、図8では携帯端末機の一例として携
帯電話機が示されるが、これに限定されない。
【0048】本発明の実施の形態においては、磁性体薄
板の形状が環状である場合を開示したが、磁性体薄板の
形状は環状に限定されず、環状の磁性体薄板が切り欠き
部を有してもよく、また、磁性体薄板が複数の磁性体を
マグネット上面の周方向に断続的に配列することにより
構成されてもよい。
【0049】また、本発明の実施の形態においては、第
1の振動板を振動可能に支持または固定する構成要素は
筐体に限定されない。第1の振動板を振動可能に支持ま
たは固定することができるならば、如何なる構成要素が
用いられてもよい。
【0050】また、本発明の実施の形態においては、第
1の振動板と筐体とヨークとによって密閉空間が形成さ
れているが、上記密閉空間は、第1の振動板とマグネッ
トとヨークとによって形成されてもよく、この場合は、
第1の振動板はマグネットによって支持される。また、
上記密閉空間は、第1の振動板と筐体とによって形成さ
れてもよい。また、上記密閉空間と密閉空間の外部とを
連通する空気穴は、本発明の電磁型電気音響変換器を構
成する何れの構成要素に設けられていてもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明の電磁型電気音響変換器によれ
ば、マグネット上面に内径が第2の振動板の外径よりも
小さい磁性体薄板が配置されているので、マグネットお
よび第2の振動板のサイズを大きくすることなく磁気抵
抗を小さくすることができ、従って、静的吸引力と交流
駆動力を大きくすることができる。その結果、第2の振
動板を小さくすることができるため、振動板全体の質量
を軽くでき、再生音圧を高くすることができる。さらに
マグネット上面の内周側部に凹部を設け、そこに磁性体
薄板を嵌入することで電磁型電気音響変換器の全高を小
さくすることができる。さらに第2の振動板に切り欠き
部を設ける、または第1の振動板の材料に比重の小さい
ものを用いることで、振動板全体の軽量化を図り、再生
音圧レベルの向上を実現することができる。さらに第1
の振動板とヨークとの間の空気を抜く空気穴をヨークの
外周側部分に配置し、磁性体薄板の内径を小さくすると
ともに第2の振動板の外径も小さくすることで、第1の
振動板の弾性支持部を広くし、振幅を大きく取ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電磁型電気音響
変換器の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1における磁性体薄板の内
径と第2の振動板の外径との重複率と交流駆動力との関
係を示したグラフである。
【図3】本発明の実施の形態2における電磁型電気音響
変換器の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2における電磁型電気音響
変換器の磁束ベクトル図である。
【図5】本発明の実施の形態2における磁性体薄板の外
径と静的吸引力および交流駆動力の関係を示したグラフ
である。
【図6】本発明の実施の形態3における電磁型電気音響
変換器の断面図である。
【図7】(a)は本発明の実施の形態4における電磁型
電気音響変換器の平面図である。(b)は本発明の実施
の形態4における電磁型電気音響変換器の断面図であ
る。
【図8】本発明の電磁型電気音響変換器を取り付けた携
帯端末機の一部破断斜視図である。
【図9】(a)は従来の電磁型電気音響変換器の平面図
である。(b)は従来の電磁型電気音響変換器の断面図
である。
【図10】従来の電磁型電気音響変換器の磁束ベクトル
図である。
【符号の説明】
1、100 第1の振動板 2、32、101 第2の振動板 3、103 センターポール 4、104 コイル 5、15、105 マグネット 6、26、106 ヨーク 7 筐体 8、28 空気穴 9、19 磁性体薄板 10 電磁型電気音響変換器 61 携帯電話機

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動可能に配置された第1の振動板と、 該第1の振動板の中央部に設けられた、磁性体である第
    2の振動板と、 該第1の振動板に対向して設けられたヨークと、 該ヨークの該第1の振動板に対向する面に設けられたセ
    ンターポールと、 該センターポールを囲むように配置されたコイルと、 該コイルを囲むように配置されたマグネットと、 該マグネットと該第1の振動板との間に設けられ、内周
    縁部が該第2の振動板の外周縁部に重複する磁性体薄板
    と、を備える、電磁型電気音響変換器。
  2. 【請求項2】 前記第1の振動板と前記マグネットと前
    記ヨークとが密閉空間を形成する、請求項1に記載の電
    磁型電気音響変換器。
  3. 【請求項3】 前記第1の振動板と前記マグネットと前
    記ヨークの少なくとも一つには、前記密閉空間と該密閉
    空間の外部とを連通する少なくとも一つの空気穴が設け
    られている、請求項2に記載の電磁型電気音響変換器。
  4. 【請求項4】 前記第1の振動板を支持する筐体をさら
    に備える、請求項1に記載の電磁型電気音響変換器。
  5. 【請求項5】 前記第1の振動板と前記筐体とが密閉空
    間を形成する、請求項4に記載の電磁型電気音響変換
    器。
  6. 【請求項6】 前記第1の振動板と前記筐体の少なくと
    も一つには、前記密閉空間と該密閉空間の外部とを連通
    する少なくとも一つの空気穴が設けられている、請求項
    5に記載の電磁型電気音響変換器。
  7. 【請求項7】 前記第1の振動板と前記筐体と前記ヨー
    クとが密閉空間を形成する、請求項4に記載の電磁型電
    気音響変換器。
  8. 【請求項8】 前記第1の振動板と前記筐体と前記ヨー
    クの少なくとも一つには、前記密閉空間と該密閉空間の
    外部とを連通する少なくとも一つの空気穴が設けられて
    いる、請求項7に記載の電磁型電気音響変換器。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも一つの空気穴が、前記ヨ
    ークの径が前記マグネットの外周縁部以上である該ヨー
    クの位置に設けられている、請求項8に記載の電磁型電
    気音響変換器。
  10. 【請求項10】 前記第2の振動板の外径と重複する前
    記磁性体薄板の径方向の長さが該第2の振動板の外径の
    4%〜15%である、請求項1に記載の電磁型電気音響
    変換器。
  11. 【請求項11】 前記磁性体薄板の内径が前記マグネッ
    トの内径以下である、請求項1に記載の電磁型電気音響
    変換器。
  12. 【請求項12】 前記マグネットが前記第1の振動板と
    対向した面の内周側部分に凹部を有し、前記磁性体薄板
    が該凹部に嵌入されている、請求項1に記載の電磁型電
    気音響変換器。
  13. 【請求項13】 前記磁性体薄板の外周縁と、前記マグ
    ネット表面に発生する磁束ベクトルの向きが径方向上で
    中心方向と外周方向とに切り替わる中立点とがほぼ一致
    している、請求項1に記載の電磁型電気音響変換器。
  14. 【請求項14】 前記第2の振動板には、径方向に突出
    する複数の突出部が周方向に設けられている、請求項1
    に記載の電磁型電気音響変換器。
  15. 【請求項15】 前記第1の振動板を構成する材料の比
    重は、前記第2の振動板を構成する材料の比重以下であ
    る、請求項1に記載の電磁型電気音響変換器。
  16. 【請求項16】 請求項1から15のいずれかに記載の
    電磁型音響変換器を内蔵した携帯端末装置。
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