JP2000200556A - マグネトロン管用貫通型emiフィルタ - Google Patents
マグネトロン管用貫通型emiフィルタInfo
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- JP2000200556A JP2000200556A JP11002454A JP245499A JP2000200556A JP 2000200556 A JP2000200556 A JP 2000200556A JP 11002454 A JP11002454 A JP 11002454A JP 245499 A JP245499 A JP 245499A JP 2000200556 A JP2000200556 A JP 2000200556A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マグネトロン管の基本波、サイドバンド、高
調波の電磁妨害雑音がフィラメント電流供給用ラインを
介し伝導するのを効果的に抑圧する。 【解決手段】 マグネトロン管のフィラメント電流供給
用ラインとなるそれぞれの内部導体41と各内部導体4
1を個別に囲む接地用中空導体42との間の中空部に、
偏平状の金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性体44
をそれぞれ設けている。前記接地用中空導体42の周囲
には、前記マグネトロン管の金属シールドケースに電気
接続されるシャーシ43が一体に設けられている。
調波の電磁妨害雑音がフィラメント電流供給用ラインを
介し伝導するのを効果的に抑圧する。 【解決手段】 マグネトロン管のフィラメント電流供給
用ラインとなるそれぞれの内部導体41と各内部導体4
1を個別に囲む接地用中空導体42との間の中空部に、
偏平状の金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性体44
をそれぞれ設けている。前記接地用中空導体42の周囲
には、前記マグネトロン管の金属シールドケースに電気
接続されるシャーシ43が一体に設けられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Fe−Si系等の
偏平状金属磁性体粉末と結合材から成る複合磁性材料を
フィルタ用素材とした貫通型構造のEMIフィルタに係
り、特に電子レンジのマグネトロン管のフィラメント電
流供給用ラインを介して外部に伝導するマグネトロン管
の基本発振周波数成分及びその高調波成分を含む伝導性
の電磁妨害雑音(以降、伝導性EMIと略記)を抑圧す
るのに適した性能を持つ簡易な構造のマグネトロン管用
貫通型EMIフィルタに関するものである。
偏平状金属磁性体粉末と結合材から成る複合磁性材料を
フィルタ用素材とした貫通型構造のEMIフィルタに係
り、特に電子レンジのマグネトロン管のフィラメント電
流供給用ラインを介して外部に伝導するマグネトロン管
の基本発振周波数成分及びその高調波成分を含む伝導性
の電磁妨害雑音(以降、伝導性EMIと略記)を抑圧す
るのに適した性能を持つ簡易な構造のマグネトロン管用
貫通型EMIフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のマグネトロン管のフィラメント電
流供給用ラインに用いられているEMIフィルタは、チ
ョークコイルと貫通型磁器コンデンサとを前記ラインの
2線にそれぞれL型接続とした低域通過形の構成として
いた[電子通信学会マイクロ波研究会資料MW72−1
25(1973−02)]。
流供給用ラインに用いられているEMIフィルタは、チ
ョークコイルと貫通型磁器コンデンサとを前記ラインの
2線にそれぞれL型接続とした低域通過形の構成として
いた[電子通信学会マイクロ波研究会資料MW72−1
25(1973−02)]。
【0003】図17はこの種のEMIフィルタのマグネ
トロン管への組み込み状態を示す構造図、図18は同回
路図である。これらの図において、1はマグネトロン管
の本体部であり、陽極ベイン2、これと作用空間3を介
して対向する陰極(フィラメント)4、磁界印加用のフ
ェライト磁石5が収納され、上部に出力アンテナ6が設
置されている。本体部1の下部のステムセラミック7よ
りマグネトロン管のフィラメントに接続する引出線が引
き出され、さらにチョークコイル8、貫通型磁器コンデ
ンサ9を通して陰極端子10として導出されている。ス
テムセラミック7及びチョークコイル8は本体部1の下
部に一体化された金属シールドケース11内に収納さ
れ、貫通型磁器コンデンサ9はシールドケース11を貫
通するように固着されている。
トロン管への組み込み状態を示す構造図、図18は同回
路図である。これらの図において、1はマグネトロン管
の本体部であり、陽極ベイン2、これと作用空間3を介
して対向する陰極(フィラメント)4、磁界印加用のフ
ェライト磁石5が収納され、上部に出力アンテナ6が設
置されている。本体部1の下部のステムセラミック7よ
りマグネトロン管のフィラメントに接続する引出線が引
き出され、さらにチョークコイル8、貫通型磁器コンデ
ンサ9を通して陰極端子10として導出されている。ス
テムセラミック7及びチョークコイル8は本体部1の下
部に一体化された金属シールドケース11内に収納さ
れ、貫通型磁器コンデンサ9はシールドケース11を貫
通するように固着されている。
【0004】図17及び図18の従来構成で使用してい
るチョークコイルの構造は、例えば図19及び図20に
示すように、直径6mm、長さ30mm程のNi−Zn系フ
ェライト磁心20上に直径1.5mmのポリエステル銅線
21を10回程巻いたものであり、インダクタンス値は
3μH程である。
るチョークコイルの構造は、例えば図19及び図20に
示すように、直径6mm、長さ30mm程のNi−Zn系フ
ェライト磁心20上に直径1.5mmのポリエステル銅線
21を10回程巻いたものであり、インダクタンス値は
3μH程である。
【0005】貫通型磁器コンデンサの基本構造は、図2
1の如く直径10mm、長さ20mm程の円筒状BaTiO
3系セラミックの内部電極を直径3mm程の貫通した内導
体に、外部電極をシャーシ電極にそれぞれ半田付けした
ものであり、その容量値は500pF前後である。図2
2乃至図24は実際にマグネトロン管に組み込まれてい
る貫通型磁器コンデンサの外観例で、シャーシ電極32
を一体に持つ絶縁ケース30、絶縁カバー31内に図2
1に示した基本構造の磁器コンデンサを2個一体とし組
み込んでいる。
1の如く直径10mm、長さ20mm程の円筒状BaTiO
3系セラミックの内部電極を直径3mm程の貫通した内導
体に、外部電極をシャーシ電極にそれぞれ半田付けした
ものであり、その容量値は500pF前後である。図2
2乃至図24は実際にマグネトロン管に組み込まれてい
る貫通型磁器コンデンサの外観例で、シャーシ電極32
を一体に持つ絶縁ケース30、絶縁カバー31内に図2
1に示した基本構造の磁器コンデンサを2個一体とし組
み込んでいる。
【0006】従来技術の問題又は不具合な点を以下に列
記する。
記する。
【0007】(1) チョークコイルにフィラメント電流
(If:約10A程度)が流れることにより、チョーク
コイルの巻線抵抗(RDC)に基因するIf 2×RDC
の電力消費が生じ、マグネトロン管近傍の温度上昇をも
たらす。更にはIf 2×RDCの電力消費は昨今の省電
力の流れに逆行する。
(If:約10A程度)が流れることにより、チョーク
コイルの巻線抵抗(RDC)に基因するIf 2×RDC
の電力消費が生じ、マグネトロン管近傍の温度上昇をも
たらす。更にはIf 2×RDCの電力消費は昨今の省電
力の流れに逆行する。
【0008】(2) チョークコイルは図19、図20の
ような巻線構造としているため、巻線の分布容量と自己
共振を生じ共振周波数を超えると、コイルのインピーダ
ンスは容量性に変わり、電磁妨害雑音を抑圧する機能が
劣化する。この種の巻線構造のチョークコイルの自己共
振周波数は図25にみるとおり、100MHz以下であ
る。
ような巻線構造としているため、巻線の分布容量と自己
共振を生じ共振周波数を超えると、コイルのインピーダ
ンスは容量性に変わり、電磁妨害雑音を抑圧する機能が
劣化する。この種の巻線構造のチョークコイルの自己共
振周波数は図25にみるとおり、100MHz以下であ
る。
【0009】コイルのインピーダンスを低減させるもう
一つの要因として、図26[(A)はフェライトの複素
比透磁率特性例、(B)は複素比誘電率特性例]に示す
とおり、周波数が高くなるとフェライトの複素比透磁率
の実数部(μr′)が周波数分散現像をもたらすことが
挙げられる。
一つの要因として、図26[(A)はフェライトの複素
比透磁率特性例、(B)は複素比誘電率特性例]に示す
とおり、周波数が高くなるとフェライトの複素比透磁率
の実数部(μr′)が周波数分散現像をもたらすことが
挙げられる。
【0010】(3) 貫通コンデンサはリード線を持たな
い為、寄生インダクタンスによる自己共振周波数はない
が、図27の各種磁器コンデンサのインピーダンス特性
に示すとおり、周波数が高くなると形状面での共振現象
が現れる(図中、インピーダンスの最小値を示す周波数
が共振周波数である)。一方、図28のマグネトロン管
(例えば2450MHz帯マグネトロン管等)が発生す
る電磁妨害雑音の周波数スペクトラム例に示すように、
抑圧対象とする電磁妨害雑音の周波数が10GHz迄及
ぶ場合、図21に示した貫通型磁器コンデンサを用いて
も、形状面での共振により、インピーダンスが高くな
り、電磁妨害雑音を抑圧する機能が劣化する。
い為、寄生インダクタンスによる自己共振周波数はない
が、図27の各種磁器コンデンサのインピーダンス特性
に示すとおり、周波数が高くなると形状面での共振現象
が現れる(図中、インピーダンスの最小値を示す周波数
が共振周波数である)。一方、図28のマグネトロン管
(例えば2450MHz帯マグネトロン管等)が発生す
る電磁妨害雑音の周波数スペクトラム例に示すように、
抑圧対象とする電磁妨害雑音の周波数が10GHz迄及
ぶ場合、図21に示した貫通型磁器コンデンサを用いて
も、形状面での共振により、インピーダンスが高くな
り、電磁妨害雑音を抑圧する機能が劣化する。
【0011】(4) EMIフィルタ構成素子としてチョ
ークコイル2個、貫通型コンデンサ2個(または一対品
1個)と多く、費用が高くつく。
ークコイル2個、貫通型コンデンサ2個(または一対品
1個)と多く、費用が高くつく。
【0012】(5) EMIフィルタ構成素子が多いた
め、マグネトロン管への組み込み、素子間接続の手間が
かかり、費用がかさむ。
め、マグネトロン管への組み込み、素子間接続の手間が
かかり、費用がかさむ。
【0013】(6) フィラメント電流のように大きな電
流が流れる回路において、チョークコイルと貫通型磁器
コンデンサの接続のような箇所が増えると信頼性の低下
につながりやすい。
流が流れる回路において、チョークコイルと貫通型磁器
コンデンサの接続のような箇所が増えると信頼性の低下
につながりやすい。
【0014】(7) EMIフィルタ構成素子が多くなる
ことによって、組み込みに要する空間スペースが大きく
なり、小型化志向にそぐわない。
ことによって、組み込みに要する空間スペースが大きく
なり、小型化志向にそぐわない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記列記し
た従来技術の問題又は不具合な点を改善することを目的
とし、特にマグネトロン管の基本波(例えば2.45G
Hz付近)、サイドバンド(例えば2.2GHz、2.6
GHz付近),高調波(例えば2.9GHz、7.35G
Hz、9.8GHz付近)の電磁妨害雑音がフィラメン
ト電流供給用ラインを介し伝導するのを効果的に抑圧可
能なマグネトロン管用貫通型EMIフィルタを提供しよ
うとするものである。
た従来技術の問題又は不具合な点を改善することを目的
とし、特にマグネトロン管の基本波(例えば2.45G
Hz付近)、サイドバンド(例えば2.2GHz、2.6
GHz付近),高調波(例えば2.9GHz、7.35G
Hz、9.8GHz付近)の電磁妨害雑音がフィラメン
ト電流供給用ラインを介し伝導するのを効果的に抑圧可
能なマグネトロン管用貫通型EMIフィルタを提供しよ
うとするものである。
【0016】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
の実施の形態において明らかにする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係るマグネトロン管用貫通型
EMIフィルタは、マグネトロン管のフィラメント電流
供給用ラインとなるそれぞれの導体と各導体を個別に囲
む接地用中空導体との間の中空部に、偏平状の金属磁性
体粉末を主成分とする複合磁性体をそれぞれ設けた構成
としている。
に、本願請求項1の発明に係るマグネトロン管用貫通型
EMIフィルタは、マグネトロン管のフィラメント電流
供給用ラインとなるそれぞれの導体と各導体を個別に囲
む接地用中空導体との間の中空部に、偏平状の金属磁性
体粉末を主成分とする複合磁性体をそれぞれ設けた構成
としている。
【0018】本願請求項2の発明に係るマグネトロン管
用貫通型EMIフィルタは、マグネトロン管のフィラメ
ント電流供給用ラインとなるそれぞれの導体と各導体を
共通に囲む接地用中空導体との間の中空部に、偏平状の
金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性体を設けた構成
としている。
用貫通型EMIフィルタは、マグネトロン管のフィラメ
ント電流供給用ラインとなるそれぞれの導体と各導体を
共通に囲む接地用中空導体との間の中空部に、偏平状の
金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性体を設けた構成
としている。
【0019】本願請求項3の発明は、請求項2の発明に
おいて、前記フィラメント電流供給用ラインとなる導体
間に、前記複合磁性体の全長又は部分的な長さにわたっ
て当該複合磁性体が入り込まないように、絶縁体を設け
る構成としている。
おいて、前記フィラメント電流供給用ラインとなる導体
間に、前記複合磁性体の全長又は部分的な長さにわたっ
て当該複合磁性体が入り込まないように、絶縁体を設け
る構成としている。
【0020】本願請求項4の発明は、請求項1,2又は
3の発明において、前記接地用中空導体の周囲に、前記
マグネトロン管の金属シールドケースに電気接続される
シャーシを一体に設けた構成としている。
3の発明において、前記接地用中空導体の周囲に、前記
マグネトロン管の金属シールドケースに電気接続される
シャーシを一体に設けた構成としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るマグネトロン
管用貫通型EMIフィルタの実施の形態を図面に従って
説明する。
管用貫通型EMIフィルタの実施の形態を図面に従って
説明する。
【0022】図1及び図2はマグネトロン管用貫通型E
MIフィルタの第1の実施の形態を、図3はマグネトロ
ン管への実装例をそれぞれ示す。図中、40はEMIフ
ィルタ全体を示し、41は内部導体(フィラメント電流
供給用ライン)、42は円筒状の接地用中空導体(外部
導体)、43は接地用中空導体と一体で垂直に突出した
シャーシ(マグネトロン管金属シールドケースに装着す
る鍔状金具)、44は複合磁性体(後述する複合磁性材
料の加熱成型物)、45−1,45−2は樹脂等の成型
体で形成された絶縁蓋、46,47は内部導体両端にそ
れぞれ形成された外部接続端子である。外部接続端子4
6はマグネトロン管外部に導出された陰極端子となる。
MIフィルタの第1の実施の形態を、図3はマグネトロ
ン管への実装例をそれぞれ示す。図中、40はEMIフ
ィルタ全体を示し、41は内部導体(フィラメント電流
供給用ライン)、42は円筒状の接地用中空導体(外部
導体)、43は接地用中空導体と一体で垂直に突出した
シャーシ(マグネトロン管金属シールドケースに装着す
る鍔状金具)、44は複合磁性体(後述する複合磁性材
料の加熱成型物)、45−1,45−2は樹脂等の成型
体で形成された絶縁蓋、46,47は内部導体両端にそ
れぞれ形成された外部接続端子である。外部接続端子4
6はマグネトロン管外部に導出された陰極端子となる。
【0023】前記内部導体41は円筒状の接地用中空導
体42の中心に同軸状に配置されて同軸管を構成し、こ
の同軸管の一端に一方の絶縁蓋45−1が配置固定さ
れ、もう一方の端から、内部導体41とこれを個別に囲
む接地用中空導体との間の中空部に、前記複合磁性体4
4を挿入後、他方の絶縁蓋45−2で封止する。同軸管
両側の絶縁蓋45−1,45−2は複合磁性体44を脱
落しないように接地用中空導体42の両端開口を閉塞し
て保持するとともに前記内部導体41を貫通状態で同軸
状に支持する。
体42の中心に同軸状に配置されて同軸管を構成し、こ
の同軸管の一端に一方の絶縁蓋45−1が配置固定さ
れ、もう一方の端から、内部導体41とこれを個別に囲
む接地用中空導体との間の中空部に、前記複合磁性体4
4を挿入後、他方の絶縁蓋45−2で封止する。同軸管
両側の絶縁蓋45−1,45−2は複合磁性体44を脱
落しないように接地用中空導体42の両端開口を閉塞し
て保持するとともに前記内部導体41を貫通状態で同軸
状に支持する。
【0024】この場合、複合磁性体44は予め成型した
ものを使用する代わりに、磁性体粉末及び結合材として
の樹脂粉末を配合、混練した複合磁性材料を前記同軸管
内に加圧、充填した後、加熱硬化させても良い。
ものを使用する代わりに、磁性体粉末及び結合材として
の樹脂粉末を配合、混練した複合磁性材料を前記同軸管
内に加圧、充填した後、加熱硬化させても良い。
【0025】図3はマグネトロン管の金属シールドケー
ス11に図1及び図2に示した貫通型EMIフィルタ4
0を装着した構造図を示す。図3のとおり、フィラメン
ト電流を供給する2本のラインに各々独立した貫通型E
MIフィルタ40が装着された形態となる。具体的に
は、各貫通型EMIフィルタ40は金属シールドケース
11を貫通するように配置され、かつ接地用中空導体4
2に垂直な面を持つシャーシ43を金属シールドケース
11に電磁波漏洩の生じないように密着させてビス等に
より固着する。なお、図3において、図17及び図18
と同一又は相当部分に同一符号を付した。
ス11に図1及び図2に示した貫通型EMIフィルタ4
0を装着した構造図を示す。図3のとおり、フィラメン
ト電流を供給する2本のラインに各々独立した貫通型E
MIフィルタ40が装着された形態となる。具体的に
は、各貫通型EMIフィルタ40は金属シールドケース
11を貫通するように配置され、かつ接地用中空導体4
2に垂直な面を持つシャーシ43を金属シールドケース
11に電磁波漏洩の生じないように密着させてビス等に
より固着する。なお、図3において、図17及び図18
と同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0026】前記複合磁性体44には高周波(MHz帯
からGHz帯)において、複素比透磁率(μr′,jμ
r″)及び複素比誘電率(εr′,jεr″)の大きく取
れる長さ40〜50μm、幅10μm、厚さ10μm程
度の鱗片状(扁平状)のFe−Si系合金の磁性体粉末
と成型性、熱安定性を持ち、安価なポリエステル系樹脂
を結合材として用いた複合磁性材料を所定形状(本実施
の形態では円筒状)に加熱、硬化させて用いる。但し、
複合磁性体44を予め加熱成型する場合、金属磁性体粉
末及び樹脂粉末の重量配合比率は成型性の点から上限が
約80:20である。また、前記内部導体41とこれを
囲む円筒状の接地用中空導体42との間の中空部内に金
属磁性体粉末及び樹脂粉末を加圧、充填後、加熱、硬化
させる構成では、金属磁性体粉末及び樹脂粉末の重量配
合比率を95:5程度まで上げることができる。なお、
金属磁性体粉末の配合比率の下限は十分な減衰量を確保
するために50重量%以上必要である。50重量%未満
では磁性体としての特性が大きく低下する。
からGHz帯)において、複素比透磁率(μr′,jμ
r″)及び複素比誘電率(εr′,jεr″)の大きく取
れる長さ40〜50μm、幅10μm、厚さ10μm程
度の鱗片状(扁平状)のFe−Si系合金の磁性体粉末
と成型性、熱安定性を持ち、安価なポリエステル系樹脂
を結合材として用いた複合磁性材料を所定形状(本実施
の形態では円筒状)に加熱、硬化させて用いる。但し、
複合磁性体44を予め加熱成型する場合、金属磁性体粉
末及び樹脂粉末の重量配合比率は成型性の点から上限が
約80:20である。また、前記内部導体41とこれを
囲む円筒状の接地用中空導体42との間の中空部内に金
属磁性体粉末及び樹脂粉末を加圧、充填後、加熱、硬化
させる構成では、金属磁性体粉末及び樹脂粉末の重量配
合比率を95:5程度まで上げることができる。なお、
金属磁性体粉末の配合比率の下限は十分な減衰量を確保
するために50重量%以上必要である。50重量%未満
では磁性体としての特性が大きく低下する。
【0027】この複合磁性体44(金属磁性体粉末80
重量%、結合材粉末20重量%)の持つ複素比透磁率及
び複素比誘電率の周波数特性は図4(A),(B)に示
したとおりである。
重量%、結合材粉末20重量%)の持つ複素比透磁率及
び複素比誘電率の周波数特性は図4(A),(B)に示
したとおりである。
【0028】図5は、図4に示した特性を持つ複合磁性
材料の内径3.04mm、外径7mm、長さ20mmの成型体
を、第1の実施の形態の図1、図2に示す同軸管構造体
に封入した場合に得られた減衰特性の例である。但し、
入出力50Ωの測定系での挿入減衰量を示す。マグネト
ロン管の基本波、サイドバンド、高調波を含む周波数帯
(2.2GHz〜9.8GHz)において、30dB以上
の減衰特性を示している。このような特性を持つ貫通型
EMIフィルタをマグネトロン管のフィラメント電流を
供給する2本のラインに挿入することによりマグネトロ
ン管から発生する電磁妨害雑音(とくにノーマルモード
の伝導性EMI)を効果的に抑圧できることがわかる。
材料の内径3.04mm、外径7mm、長さ20mmの成型体
を、第1の実施の形態の図1、図2に示す同軸管構造体
に封入した場合に得られた減衰特性の例である。但し、
入出力50Ωの測定系での挿入減衰量を示す。マグネト
ロン管の基本波、サイドバンド、高調波を含む周波数帯
(2.2GHz〜9.8GHz)において、30dB以上
の減衰特性を示している。このような特性を持つ貫通型
EMIフィルタをマグネトロン管のフィラメント電流を
供給する2本のラインに挿入することによりマグネトロ
ン管から発生する電磁妨害雑音(とくにノーマルモード
の伝導性EMI)を効果的に抑圧できることがわかる。
【0029】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
の効果を得ることができる。
【0030】(1) チョークコイルを使用しないEMI
フィルタであるため、温度上昇、電力消費が実質的にな
い。
フィルタであるため、温度上昇、電力消費が実質的にな
い。
【0031】(2) チョークコイルを使用しないので、
自己共振がなく、GHz帯で高い減衰特性を示し、図2
8に示したマグネトロン管のフィラメント電流供給ライ
ンを伝導する基本波乃至高調波にわたる伝導性EMIの
抑圧に有効である。
自己共振がなく、GHz帯で高い減衰特性を示し、図2
8に示したマグネトロン管のフィラメント電流供給ライ
ンを伝導する基本波乃至高調波にわたる伝導性EMIの
抑圧に有効である。
【0032】(3) 高透磁率の誘電体を用いた貫通コン
デンサで生じる形状的な共振が、抑圧対象となる周波数
範囲(2.2GHz〜9.8GHz)で起こらず、電磁妨
害雑音の抑圧に有効である。
デンサで生じる形状的な共振が、抑圧対象となる周波数
範囲(2.2GHz〜9.8GHz)で起こらず、電磁妨
害雑音の抑圧に有効である。
【0033】(4) EMIフィルタの構成素子を1個の
みで済ませられ、これをマグネトロン管のフィラメント
電流供給用ラインにそれぞれ挿入すればよく、貫通型コ
ンデンサとチョークコイルによる低域通過形フィルタを
各ラインにそれぞれ挿入するのに比して部品点数が大き
く削減され、費用も安くなる。
みで済ませられ、これをマグネトロン管のフィラメント
電流供給用ラインにそれぞれ挿入すればよく、貫通型コ
ンデンサとチョークコイルによる低域通過形フィルタを
各ラインにそれぞれ挿入するのに比して部品点数が大き
く削減され、費用も安くなる。
【0034】(5) 構成素子が各ラインにつき1個のみ
とできるため、マグネトロン管への組み込み費用が安く
なる。
とできるため、マグネトロン管への組み込み費用が安く
なる。
【0035】(6) 構成素子が少なく接続箇所が少ない
ため、信頼性が高くなる。
ため、信頼性が高くなる。
【0036】(7) 構成素子が各ラインにつき1個のみ
のためマグネトロン管側の所要空間スペース(金属シー
ルドケース11内の空間)は狭くてよい。
のためマグネトロン管側の所要空間スペース(金属シー
ルドケース11内の空間)は狭くてよい。
【0037】図6及び図7はマグネトロン管用貫通型E
MIフィルタの第2の実施の形態を、図8はマグネトロ
ン管への実装例をそれぞれ示す。図中、50はEMIフ
ィルタ全体を示し、51−1,51−2は一対の内部導
体(一対のフィラメント電流供給用ライン)、52は扁
平筒状の接地用中空導体(外部導体)、53は接地用中
空導体と一体で垂直に突出したシャーシ(マグネトロン
管金属シールドケースに装着する鍔状金具)、54は複
合磁性体、55−1,55−2は樹脂等の成型体で形成
された絶縁蓋、56−1,57−1は内部導体51−1
両端にそれぞれ形成された外部接続端子、56−2,5
7−2は内部導体51−2両端にそれぞれ形成された外
部接続端子である。外部接続端子56−1,56−2は
マグネトロン管外部に導出された陰極端子となる。
MIフィルタの第2の実施の形態を、図8はマグネトロ
ン管への実装例をそれぞれ示す。図中、50はEMIフ
ィルタ全体を示し、51−1,51−2は一対の内部導
体(一対のフィラメント電流供給用ライン)、52は扁
平筒状の接地用中空導体(外部導体)、53は接地用中
空導体と一体で垂直に突出したシャーシ(マグネトロン
管金属シールドケースに装着する鍔状金具)、54は複
合磁性体、55−1,55−2は樹脂等の成型体で形成
された絶縁蓋、56−1,57−1は内部導体51−1
両端にそれぞれ形成された外部接続端子、56−2,5
7−2は内部導体51−2両端にそれぞれ形成された外
部接続端子である。外部接続端子56−1,56−2は
マグネトロン管外部に導出された陰極端子となる。
【0038】前記扁平筒状(例えば断面が長円形状)の
接地用中空導体52は一対の内部導体51−1,51−
2を共通に取り囲んでおり、その一端に一方の絶縁蓋5
5−1を配置固定し、もう一方の端から、内部導体51
−1,51−2とこれらを共通に囲む接地用中空導体5
2との間の中空部に、前記複合磁性体54を挿入後、他
方の絶縁蓋55−2で封止する。両側の絶縁蓋55−
1,55−2は複合磁性体54を脱落しないように接地
用中空導体52の両端開口を閉塞して保持するとともに
前記内部導体51−1,51−2を貫通状態で支持す
る。
接地用中空導体52は一対の内部導体51−1,51−
2を共通に取り囲んでおり、その一端に一方の絶縁蓋5
5−1を配置固定し、もう一方の端から、内部導体51
−1,51−2とこれらを共通に囲む接地用中空導体5
2との間の中空部に、前記複合磁性体54を挿入後、他
方の絶縁蓋55−2で封止する。両側の絶縁蓋55−
1,55−2は複合磁性体54を脱落しないように接地
用中空導体52の両端開口を閉塞して保持するとともに
前記内部導体51−1,51−2を貫通状態で支持す
る。
【0039】なお、複合磁性体54は第1の実施の形態
で述べた複合磁性体44と同材質、つまり鱗片状(扁平
状)のFe−Si系合金の磁性体粉末と樹脂を結合材と
して用いた複合磁性材料を所定形状に加熱、硬化させた
ものである。あるいは、複合磁性体54として予め成型
したものを使用する代わりに、磁性体粉末及び結合材と
しての樹脂粉末を配合、混練した複合磁性材料を前記中
空部に加圧、充填した後、加熱硬化させたものを使用で
きる。
で述べた複合磁性体44と同材質、つまり鱗片状(扁平
状)のFe−Si系合金の磁性体粉末と樹脂を結合材と
して用いた複合磁性材料を所定形状に加熱、硬化させた
ものである。あるいは、複合磁性体54として予め成型
したものを使用する代わりに、磁性体粉末及び結合材と
しての樹脂粉末を配合、混練した複合磁性材料を前記中
空部に加圧、充填した後、加熱硬化させたものを使用で
きる。
【0040】図8はマグネトロン管の金属シールドケー
ス11に図6及び図7に示した貫通型EMIフィルタ5
0を装着した構造図を示す。貫通型EMIフィルタ50
は2本の内部導体51−1,51−2を1個の接地用中
空導体52内に有しており、フィラメント電流を供給す
る2本のラインに共通に1個の貫通型EMIフィルタ5
0が装着された形態となり、マグネトロン管から発生す
る電磁妨害雑音(とくにノーマルモード雑音)を効果的
に抑圧できる。具体的には、貫通型EMIフィルタ50
は金属シールドケース11を貫通するように配置され、
かつ接地用中空導体52に垂直な面を持つシャーシ53
を金属シールドケース11に電磁波漏洩の生じないよう
に密着させてビス等により固着する。なお、図8におい
て、図3と同一又は相当部分に同一符号を付した。
ス11に図6及び図7に示した貫通型EMIフィルタ5
0を装着した構造図を示す。貫通型EMIフィルタ50
は2本の内部導体51−1,51−2を1個の接地用中
空導体52内に有しており、フィラメント電流を供給す
る2本のラインに共通に1個の貫通型EMIフィルタ5
0が装着された形態となり、マグネトロン管から発生す
る電磁妨害雑音(とくにノーマルモード雑音)を効果的
に抑圧できる。具体的には、貫通型EMIフィルタ50
は金属シールドケース11を貫通するように配置され、
かつ接地用中空導体52に垂直な面を持つシャーシ53
を金属シールドケース11に電磁波漏洩の生じないよう
に密着させてビス等により固着する。なお、図8におい
て、図3と同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0041】この第2の実施の形態によれば、マグネト
ロン管のフィラメント電流を供給する2本のラインに対
してEMIフィルタの構成素子を1個のみ(従来は3〜
4個使用)で済ますことができ、構成の簡素化、取付ス
ペースの削減、取付作業性の改善、原価低減、並びに取
付費用の低減が可能である。その他の作用効果は、前述
した第1の実施の形態と同様である。
ロン管のフィラメント電流を供給する2本のラインに対
してEMIフィルタの構成素子を1個のみ(従来は3〜
4個使用)で済ますことができ、構成の簡素化、取付ス
ペースの削減、取付作業性の改善、原価低減、並びに取
付費用の低減が可能である。その他の作用効果は、前述
した第1の実施の形態と同様である。
【0042】図9乃至図11はマグネトロン管用貫通型
EMIフィルタの第3の実施の形態を、図12はマグネ
トロン管への実装例をそれぞれ示す。図中、50AはE
MIフィルタ全体を示し、51−1,51−2は一対の
内部導体(一対のフィラメント電流供給用ライン)、5
2は扁平筒状の接地用中空導体(外部導体)、53は接
地用中空導体と一体で垂直に突出したシャーシ(マグネ
トロン管金属シールドケースに装着する鍔状金具)、5
4Aは複合磁性体、55−1,55−2は樹脂等の成型
体で形成された絶縁蓋、56−1,57−1は内部導体
51−1両端にそれぞれ形成された外部接続端子、56
−2,57−2は内部導体51−2両端にそれぞれ形成
された外部接続端子、58は非磁性の絶縁体である。
EMIフィルタの第3の実施の形態を、図12はマグネ
トロン管への実装例をそれぞれ示す。図中、50AはE
MIフィルタ全体を示し、51−1,51−2は一対の
内部導体(一対のフィラメント電流供給用ライン)、5
2は扁平筒状の接地用中空導体(外部導体)、53は接
地用中空導体と一体で垂直に突出したシャーシ(マグネ
トロン管金属シールドケースに装着する鍔状金具)、5
4Aは複合磁性体、55−1,55−2は樹脂等の成型
体で形成された絶縁蓋、56−1,57−1は内部導体
51−1両端にそれぞれ形成された外部接続端子、56
−2,57−2は内部導体51−2両端にそれぞれ形成
された外部接続端子、58は非磁性の絶縁体である。
【0043】前記非磁性の絶縁体58は、フィラメント
電流供給用ラインとなる平行な2本の内部導体51−
1,51−2の導体径(あるいは導体厚)程度の肉厚を
有する樹脂等の成型体等であり、それらの内部導体51
−1,51−2間に配置、一体化されている。この絶縁
体58によって、複合磁性体54Aの全長にわたって当
該複合磁性体が2本の内部導体51−1,51−2間に
入り込まないようにしている。従って、内部導体51−
1,51−2とこれらを共通に囲む接地用中空導体52
との間の中空部に配置された複合磁性体54Aは2本の
内部導体51−1,51−2を大きく共通に取り囲む断
面長円状の筒体となる。なお、複合磁性体54Aは第2
の実施の形態で述べた複合磁性体54と同材質である。
電流供給用ラインとなる平行な2本の内部導体51−
1,51−2の導体径(あるいは導体厚)程度の肉厚を
有する樹脂等の成型体等であり、それらの内部導体51
−1,51−2間に配置、一体化されている。この絶縁
体58によって、複合磁性体54Aの全長にわたって当
該複合磁性体が2本の内部導体51−1,51−2間に
入り込まないようにしている。従って、内部導体51−
1,51−2とこれらを共通に囲む接地用中空導体52
との間の中空部に配置された複合磁性体54Aは2本の
内部導体51−1,51−2を大きく共通に取り囲む断
面長円状の筒体となる。なお、複合磁性体54Aは第2
の実施の形態で述べた複合磁性体54と同材質である。
【0044】図12はマグネトロン管の金属シールドケ
ース11に図9乃至図11に示した貫通型EMIフィル
タ50Aを装着した構造図を示す。貫通型EMIフィル
タ50Aは2本の内部導体51−1,51−2を1個の
接地用中空導体52内に有しており、フィラメント電流
を供給する2本のラインに共通に1個の貫通型EMIフ
ィルタ50Aが装着された形態となり、マグネトロン管
から発生する電磁妨害雑音(とくにコモンモードの伝導
性EMI)を効果的に抑圧できる。
ース11に図9乃至図11に示した貫通型EMIフィル
タ50Aを装着した構造図を示す。貫通型EMIフィル
タ50Aは2本の内部導体51−1,51−2を1個の
接地用中空導体52内に有しており、フィラメント電流
を供給する2本のラインに共通に1個の貫通型EMIフ
ィルタ50Aが装着された形態となり、マグネトロン管
から発生する電磁妨害雑音(とくにコモンモードの伝導
性EMI)を効果的に抑圧できる。
【0045】なお、その他の構成、作用効果は前述の第
2の実施の形態と同様であり、同一又は相当部分に同一
符号を付して説明を省略する。
2の実施の形態と同様であり、同一又は相当部分に同一
符号を付して説明を省略する。
【0046】図13乃至図15はマグネトロン管用貫通
型EMIフィルタの第4の実施の形態を、図16はマグ
ネトロン管への実装例をそれぞれ示す。図中、50Bは
EMIフィルタ全体を示し、51−1,51−2は一対
の内部導体(一対のフィラメント電流供給用ライン)、
52は扁平筒状の接地用中空導体(外部導体)、53は
接地用中空導体と一体で垂直に突出したシャーシ(マグ
ネトロン管金属シールドケースに装着する鍔状金具)、
54Bは複合磁性体、55−1,55−2は樹脂等の成
型体で形成された絶縁蓋、56−1,57−1は内部導
体51−1両端にそれぞれ形成された外部接続端子、5
6−2,57−2は内部導体51−2両端にそれぞれ形
成された外部接続端子、59は非磁性の絶縁体である。
型EMIフィルタの第4の実施の形態を、図16はマグ
ネトロン管への実装例をそれぞれ示す。図中、50Bは
EMIフィルタ全体を示し、51−1,51−2は一対
の内部導体(一対のフィラメント電流供給用ライン)、
52は扁平筒状の接地用中空導体(外部導体)、53は
接地用中空導体と一体で垂直に突出したシャーシ(マグ
ネトロン管金属シールドケースに装着する鍔状金具)、
54Bは複合磁性体、55−1,55−2は樹脂等の成
型体で形成された絶縁蓋、56−1,57−1は内部導
体51−1両端にそれぞれ形成された外部接続端子、5
6−2,57−2は内部導体51−2両端にそれぞれ形
成された外部接続端子、59は非磁性の絶縁体である。
【0047】前記非磁性の絶縁体59は、フィラメント
電流供給用ラインとなる平行な2本の内部導体51−
1,51−2の導体径(あるいは導体厚)程度の肉厚を
有する樹脂等の成型体等であり、それらの内部導体51
−1,51−2間に配置、一体化されている。但し、こ
の絶縁体59は、複合磁性体54Bの長さの一部におい
て当該複合磁性体が2本の内部導体51−1,51−2
間に入り込まないようにしている。従って、内部導体5
1−1,51−2とこれらを共通に囲む接地用中空導体
52との間の中空部に配置された複合磁性体54Bは、
絶縁体配置部分においては2本の内部導体51−1,5
1−2を大きく共通に取り囲む断面長円状の筒体とな
り、その他の部分は内部導体51−1,51−2間にも
入り込んで各内部導体51−1,51−2をそれぞれ取
り囲む断面メガネ形となる。なお、複合磁性体54Bは
第2の実施の形態で述べた複合磁性体54と同材質であ
る。
電流供給用ラインとなる平行な2本の内部導体51−
1,51−2の導体径(あるいは導体厚)程度の肉厚を
有する樹脂等の成型体等であり、それらの内部導体51
−1,51−2間に配置、一体化されている。但し、こ
の絶縁体59は、複合磁性体54Bの長さの一部におい
て当該複合磁性体が2本の内部導体51−1,51−2
間に入り込まないようにしている。従って、内部導体5
1−1,51−2とこれらを共通に囲む接地用中空導体
52との間の中空部に配置された複合磁性体54Bは、
絶縁体配置部分においては2本の内部導体51−1,5
1−2を大きく共通に取り囲む断面長円状の筒体とな
り、その他の部分は内部導体51−1,51−2間にも
入り込んで各内部導体51−1,51−2をそれぞれ取
り囲む断面メガネ形となる。なお、複合磁性体54Bは
第2の実施の形態で述べた複合磁性体54と同材質であ
る。
【0048】図16はマグネトロン管の金属シールドケ
ース11に図13乃至図15に示した貫通型EMIフィ
ルタ50Bを装着した構造図を示す。貫通型EMIフィ
ルタ50Bは2本の内部導体51−1,51−2を1個
の接地用中空導体52内に有しており、フィラメント電
流を供給する2本のラインに共通に1個の貫通型EMI
フィルタ50Bが装着された形態となる。また、複合磁
性体54Bは、2本の内部導体51−1,51−2を共
通に大きく囲む部分と、内部導体51−1,51−2を
それぞれ囲む部分とを有しているため、マグネトロン管
から発生する電磁妨害雑音(ノーマルモード、コモンモ
ードの両方の伝導性EMI)を効果的に抑圧できる。
ース11に図13乃至図15に示した貫通型EMIフィ
ルタ50Bを装着した構造図を示す。貫通型EMIフィ
ルタ50Bは2本の内部導体51−1,51−2を1個
の接地用中空導体52内に有しており、フィラメント電
流を供給する2本のラインに共通に1個の貫通型EMI
フィルタ50Bが装着された形態となる。また、複合磁
性体54Bは、2本の内部導体51−1,51−2を共
通に大きく囲む部分と、内部導体51−1,51−2を
それぞれ囲む部分とを有しているため、マグネトロン管
から発生する電磁妨害雑音(ノーマルモード、コモンモ
ードの両方の伝導性EMI)を効果的に抑圧できる。
【0049】なお、その他の構成、作用効果は前述の第
2の実施の形態と同様であり、同一又は相当部分に同一
符号を付して説明を省略する。
2の実施の形態と同様であり、同一又は相当部分に同一
符号を付して説明を省略する。
【0050】上記各実施の形態では、使用する金属磁性
体粉末としてFe−Si系の扁平状金属磁性体粉末を示
したが、フェライトに比してGHz帯での複素比透磁率
が大きいFe−Ni系、Fe−Al−Si系等の扁平状
金属磁性体粉末を用いることもできる。
体粉末としてFe−Si系の扁平状金属磁性体粉末を示
したが、フェライトに比してGHz帯での複素比透磁率
が大きいFe−Ni系、Fe−Al−Si系等の扁平状
金属磁性体粉末を用いることもできる。
【0051】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るマグ
ネトロン管用貫通型EMIフィルタによれば、以下の効
果を奏することができる。
ネトロン管用貫通型EMIフィルタによれば、以下の効
果を奏することができる。
【0053】(1) チョークコイルを使用しないEMI
フィルタであるため、温度上昇、電力消費を実質的にな
くすことが可能である。
フィルタであるため、温度上昇、電力消費を実質的にな
くすことが可能である。
【0054】(2) チョークコイルを使用しないので、
自己共振がなく、GHz帯で高い減衰特性を示し、図2
8に示したマグネトロン管の基本波乃至高調波に至る電
磁妨害雑音の抑圧に有効である。
自己共振がなく、GHz帯で高い減衰特性を示し、図2
8に示したマグネトロン管の基本波乃至高調波に至る電
磁妨害雑音の抑圧に有効である。
【0055】(3) 高誘電率の誘電体を用いた貫通コン
デンサで生じる形状的な共振が、抑圧対象となる周波数
(2.2GHz〜9.8GHz)範囲で起こらず、とくに
マグネトロン管の電磁妨害雑音の抑圧に有効である。
デンサで生じる形状的な共振が、抑圧対象となる周波数
(2.2GHz〜9.8GHz)範囲で起こらず、とくに
マグネトロン管の電磁妨害雑音の抑圧に有効である。
【0056】(4) EMIフィルタの構成素子を各フィ
ラメント電流供給用ラインに1個又は全ラインに1個の
み(従来は3〜4個使用)で済ませられるため、費用が
安くなる。
ラメント電流供給用ラインに1個又は全ラインに1個の
み(従来は3〜4個使用)で済ませられるため、費用が
安くなる。
【0057】(5) 構成素子を1個のみとできるため、
マグネトロン管への組み込み作業が簡単になり、取付費
用も安くなる。
マグネトロン管への組み込み作業が簡単になり、取付費
用も安くなる。
【0058】(6) 構成素子が少なく接続箇所が少ない
ため、信頼性が高くなる。
ため、信頼性が高くなる。
【0059】(7) 構成素子が1個のみのため所要空間
スペースを狭くできる。
スペースを狭くできる。
【図1】本発明に係るマグネトロン管用貫通型EMIフ
ィルタの第1の実施の形態を示す正断面図である。
ィルタの第1の実施の形態を示す正断面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】第1の実施の形態の場合のマグネトロン管への
実装例を示す構成図である。
実装例を示す構成図である。
【図4】第1の実施の形態で用いる複合磁性体の複素比
透磁率及び複素比誘電率の周波数特性を示すグラフであ
る。
透磁率及び複素比誘電率の周波数特性を示すグラフであ
る。
【図5】第1の実施の形態に示したマグネトロン管用貫
通型EMIフィルタの挿入減衰特性を入出力50Ωの測
定系で測定したグラフである。
通型EMIフィルタの挿入減衰特性を入出力50Ωの測
定系で測定したグラフである。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す平断面図であ
る。
る。
【図7】同正面図である。
【図8】第2の実施の形態の場合のマグネトロン管への
実装例を示す構成図である。
実装例を示す構成図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示す平断面図であ
る。
る。
【図10】同正面図である。
【図11】同側面図である。
【図12】第3の実施の形態の場合のマグネトロン管へ
の実装例を示す構成図である。
の実装例を示す構成図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態を示す平断面図で
ある。
ある。
【図14】同正面図である。
【図15】同側面図である。
【図16】第4の実施の形態の場合のマグネトロン管へ
の実装例を示す構成図である。
の実装例を示す構成図である。
【図17】マグネトロン管への従来のEMIフィルタの
組み込み状態を示す構成図である。
組み込み状態を示す構成図である。
【図18】マグネトロン管用のEMIフィルタの従来例
を示す回路図である。
を示す回路図である。
【図19】従来のマグネトロン管用のEMIフィルタに
おけるチョークコイルの巻線構造を示す正面図である。
おけるチョークコイルの巻線構造を示す正面図である。
【図20】同側面図である。
【図21】貫通型磁器コンデンサの基本構造を示す正断
面図である。
面図である。
【図22】従来のマグネトロン管用のEMIフィルタに
おける貫通型磁器コンデンサの外観を示す平面図であ
る。
おける貫通型磁器コンデンサの外観を示す平面図であ
る。
【図23】同正面図である。
【図24】同側面図である。
【図25】チョークコイルのインピーダンス特性図であ
る。
る。
【図26】フェライトの複素比透磁率及び複素比誘電率
の周波数特性を示すグラフである。
の周波数特性を示すグラフである。
【図27】各種磁器コンデンサが形状による共振周波数
を持つことを示すインピーダンス特性図である。
を持つことを示すインピーダンス特性図である。
【図28】マグネトロン管が発生する電磁妨害雑音の周
波数スペクトラム図である。
波数スペクトラム図である。
1 マグネトロン管の本体部 10 陰極端子 11 金属シールドケース 40,50,50A,50B 貫通型EMIフィルタ 41,51−1,51−2 内部導体 42,52 接地用中空導体 43,53 シャーシ 44,54,54A,54B 複合磁性体 45−1,45−2,55−1,55−2 絶縁蓋 46,47,56−1,56−2,57−1,57−2
外部接続端子 58,59 絶縁体
外部接続端子 58,59 絶縁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤地 義昭 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 今野 忠重 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5C029 NN05 5E321 AA01 AA32 BB32 BB53 GG05 GG07 GG09
Claims (4)
- 【請求項1】 マグネトロン管のフィラメント電流供給
用ラインとなるそれぞれの導体と各導体を個別に囲む接
地用中空導体との間の中空部に、偏平状の金属磁性体粉
末を主成分とする複合磁性体をそれぞれ設けたことを特
徴とするマグネトロン管用貫通型EMIフィルタ。 - 【請求項2】 マグネトロン管のフィラメント電流供給
用ラインとなるそれぞれの導体と各導体を共通に囲む接
地用中空導体との間の中空部に、偏平状の金属磁性体粉
末を主成分とする複合磁性体を設けたことを特徴とする
マグネトロン管用貫通型EMIフィルタ。 - 【請求項3】 前記フィラメント電流供給用ラインとな
る導体間に、前記複合磁性体の全長又は部分的な長さに
わたって当該複合磁性体が入り込まないように、絶縁体
を設けた請求項2記載のマグネトロン管用貫通型EMI
フィルタ。 - 【請求項4】 前記接地用中空導体の周囲には、前記マ
グネトロン管の金属シールドケースに電気接続されるシ
ャーシが一体に設けられている請求項1,2又は3記載
のマグネトロン管用貫通型EMIフィルタ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11002454A JP2000200556A (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | マグネトロン管用貫通型emiフィルタ |
US09/267,620 US6225876B1 (en) | 1998-03-20 | 1999-03-15 | Feed-through EMI filter with a metal flake composite magnetic material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11002454A JP2000200556A (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | マグネトロン管用貫通型emiフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000200556A true JP2000200556A (ja) | 2000-07-18 |
Family
ID=11529749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11002454A Withdrawn JP2000200556A (ja) | 1998-03-20 | 1999-01-08 | マグネトロン管用貫通型emiフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000200556A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014511134A (ja) * | 2011-01-18 | 2014-05-08 | フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー | 容量結合型ケーブル遮蔽フィードスルー |
-
1999
- 1999-01-08 JP JP11002454A patent/JP2000200556A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014511134A (ja) * | 2011-01-18 | 2014-05-08 | フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー | 容量結合型ケーブル遮蔽フィードスルー |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060404 |