JP2000201042A - 貫通型emiフィルタ - Google Patents

貫通型emiフィルタ

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JP2000201042A
JP2000201042A JP11002424A JP242499A JP2000201042A JP 2000201042 A JP2000201042 A JP 2000201042A JP 11002424 A JP11002424 A JP 11002424A JP 242499 A JP242499 A JP 242499A JP 2000201042 A JP2000201042 A JP 2000201042A
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molded body
emi filter
cylindrical molded
magnetic powder
magnetic material
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English (en)
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Naoharu Akino
直治 秋野
Yoshiaki Akachi
義昭 赤地
Tadashige Konno
忠重 今野
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KANKYO DENJI GIJUTSU KENKYUSHO
TDK Corp
Electromagnetic Compatibility Research Laboratories Co., Ltd.
Original Assignee
KANKYO DENJI GIJUTSU KENKYUSHO
TDK Corp
Electromagnetic Compatibility Research Laboratories Co., Ltd.
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GHz帯のような高い周波数での高減衰特性
の実現、構造の簡素化、組立作業性の改善、ひいては部
品点数の削減等による製造原価の低減を図る。 【解決手段】 偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材
とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性
材料で円筒状成型体2を形成し、該円筒状成型体2の内
周面に内側電極3を、当該円筒状成型体2の外周面に外
側電極4を設けて貫通型EMIフィルタを構成してい
る。内側電極3の内周は中心導体を通すための中心導体
挿入部5となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Fe−Si系等の
偏平状金属磁性体粉末と結合材とを含み、扁平状金属磁
性体粉末を主成分とした複合磁性材料をフィルタ用素材
とした貫通型構造のEMIフィルタに係り、特に、MC
M(マルチチップモジュール)等の電源供給ライン、信
号授受ラインを介して伝播する伝導性電磁妨害雑音(以
降、伝導性EMIと略記)を抑圧し、結果として放射性
電磁妨害雑音を低減させるのに適した性能を持つ簡易な
構造の高周波対応の貫通型EMIフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の貫通型EMIフィルタと
しては、図16の従来例1の如く円筒形状の貫通型コン
デンサ51にフェライトビーズ52を組み合わせたもの
(実公昭57−40512号、実公昭57−40515
号等)、図17の従来例2の如く円板形状の貫通型コン
デンサ53にフェライトビーズ54を組み合わせたもの
(実公平3−748号)がある。
【0003】ところで、近年、デジタル回路を使用した
電子機器に例をみるように、クロック周波数が数百MH
zと高くなり、その高調波による電磁妨害雑音の周波数
成分はGHz帯にまで及ぶ。電源供給ライン、信号授受
ライン、コントロールラインに重畳される高周波の成分
は前述のラインを伝導した後、機器の外部へ伝導性EM
Iとして漏洩し、更にはラインから空間へ放射される。
【0004】このような高周波成分を抑圧するため、機
器の筐体部を遮蔽構造とし、前述の各ラインに貫通型構
造のEMIフィルタを装着する方法があるが、従来例
1,2に例示した貫通型フィルタでは、GHz帯での伝
導性EMIの除去効果が不十分となる問題等がある。
【0005】従来技術の問題又は不具合な点を以下に列
記する。
【0006】(1) GHz帯のような高い周波数での減
衰特性の劣化 フェライトビーズとして使用しているNi−Zn系
等のフェライトは、磁壁共鳴、自然共鳴の生じる過程で
μr′(複素比透磁率の実数部)は周波数分散現象を呈
し、図18のフェライトの複素比透磁率のグラフから判
るように急激に小くなりフェライトビーズとしての存在
価値がなくなる。 貫通型コンデンサに円筒型を使用すると、次式の共
振周波数f=3×1010/{2L(ε)1/2} [Hz] (但し、L:電極の長さ(cm)、ε:セラミックの誘
電率)で決まる形状共鳴が生じ、この周波数以上のリア
クタンスは誘導性になり、周波数の上昇に伴い、電磁妨
害雑音成分の側流機能がなくなる。 貫通型コンデンサに円板型を使用すると次式の共振
周波数f=3×1010/{0.82D(ε)1/2} [Hz] {但し、D:電極の直径(cm)}で決まる共鳴現象が起
こり、この周波数を境にリアクタンスは誘導性に変わ
り、周波数の上昇に伴い電磁妨害雑音成分の側流機能が
劣化する。
【0007】(2) 素子数が多いことによる減衰特性の
バラツキの増大 2素子(L型接続回路)、3素子(π型接続回路)での
遮断周波数(3dB減衰時の周波数)はフェライトビー
ズのインダクタンス値をL、貫通型コンデンサの容量値
をCとすると fc=1/{π(LC)1/2} [Hz] で決まる。高周波用途においてはフェライトビーズのも
つ浮遊容量、貫通型コンデンサの寄生インダクタンスの
影響度合いが大きくなり、遮断周波数及び阻止域での減
衰量のバラツキを引き起こす。ちなみに、フェライトビ
ーズ単体のインダクタンス値のバラツキは±20%〜3
0%である。
【0008】(3) 組み立て作業の繁雑さによる加工コ
ストの増大 貫通型コンデンサの2つの電極を中心導体及び外部導体
にそれぞれ半田付けする必要があるが、この作業が繁雑
であり、結果として加工コストの増大につながる。
【0009】(4) 温度変化による減衰特性の変動の増
大 フェライトビーズに使用されるNi−Zn系等のフ
ェライトは正の温度特性をもち、図19の温度特性図に
示したように温度20℃を基準にした場合、温度±20
℃の変化に対し、インダクタンスの変化率は±10%以
上となる。この変化は貫通型EMIフィルタの遮断周波
数、阻止域における減衰量のバラツキをもたらす。 貫通型コンデンサは山なりの温度特性をもち、図2
0の温度特性図(但し、等級Y,Zの2種の場合を例
示)に示したように温度20℃を基準にした場合、温度
±20℃の変化に対し、容量値の変化率は−30%を超
える。この変化は貫通型EMIフィルタの遮断周波数及
び阻止域の減衰量のバラツキをもたらす。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に列記
した従来技術の問題又は不具合な点を改善することを目
的とし、GHz帯のような高い周波数での高減衰特性の
実現、構造の簡素化、組立作業性の改善、ひいては部品
点数の削減等による製造原価の低減を図った貫通型EM
Iフィルタを提供しようとするものである。
【0011】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係る貫通型EMIフィルタ
は、偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材とを含み、
前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料で円筒
状成型体を形成し、該円筒状成型体の内周面に内側電極
を、当該円筒状成型体の外周面に外側電極を設けたこと
を特徴としている。
【0013】本願請求項2の発明に係る貫通型EMIフ
ィルタは、偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材とを
含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料
で円筒状成型体を形成して中心導体の周囲に設け、該円
筒状成型体の外周面に外側電極を設けたことを特徴とし
ている。
【0014】本願請求項3の発明に係る貫通型EMIフ
ィルタアレイは、偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合
材とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁
性材料で円筒状成型体を形成し、該円筒状成型体の内周
面に内側電極を、当該円筒状成型体の外周面に外側電極
を設けてなる貫通型EMIフィルタを複数個、導電性ブ
ラケット又はハウジングに設けたことを特徴としてい
る。
【0015】本願請求項4の発明に係る貫通型EMIフ
ィルタアレイは、偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合
材とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁
性材料で円筒状成型体を形成して中心導体の周囲に設
け、該円筒状成型体の外周面に外側電極を設けてなる貫
通型EMIフィルタを複数個、導電性ブラケット又はハ
ウジングに設けたことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る貫通型EMI
フィルタ及びフィルタアレイの実施の形態を図面に従っ
て説明する。
【0017】図1及び図2は本発明の第1の実施の形態
で貫通型EMIフィルタの基本構成を示す。これらの図
の如く、貫通型EMIフィルタ1は、偏平状の金属磁性
体粉末と樹脂の結合材とを含み、前記金属磁性体粉末を
主成分とする複合磁性材料で円筒状成型体2を形成し、
該円筒状成型体2の内周面に内側電極3を、当該円筒状
成型体の外周面に外側電極4を形成したものである。円
筒状成型体2の内外周面は同心であり、内側電極3の内
側は貫通孔の中心導体挿入部5となっている。前記内側
電極3、外側電極4の形成はメッキ技術、導電性塗料の
塗布等で行うことができる。
【0018】前記成型体2には、高周波(MHz帯から
GHz帯)において、複素比透磁率(μr′,jμr″)
及び複素比誘電率(εr′,jεr″)の大きく取れる長
さ40〜50μm、幅20μm、厚さ10μm程度の鱗
片状(扁平状)のFe−Si系合金の金属磁性体粉末と
成型性、熱安定性を持ち、安価なポリエステル系樹脂、
PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等を結合材
として用いた複合磁性材料を所定形状(本実施の形態で
は円筒状)に加熱、硬化させることにより成型したもの
を用いる。但し、金属磁性体粉末及び樹脂粉末の重量配
合比率は成型性の点から上限が約80:20である。な
お、金属磁性体粉末の配合比率の下限は十分な減衰量を
確保するために50重量%以上必要である。50重量%
未満では磁性体としての特性が大きく低下する。
【0019】この成型体(磁性体粉末80重量%、結合
材粉末20重量%の複合磁性材料)の持つ複素比透磁率
の周波数特性は図3に示したとおりである。図3に示す
複素比透磁率(μr′,jμr″)は、GHz帯での減衰
量の点からすると高い周波数領域までなるべく大きな値
を示すことが要求されるが、十分その要求を満たす特性
であることが判る。
【0020】前記図3の特性を持つ複合磁性材料の成型
体の内外周面に電極を形成した図1及び図2の第1の実
施の形態の構造の貫通型EMIフィルタの挿入減衰量の
周波数特性を、ネットワークアナライザを用いた2ポー
ト法により測定した結果は、図4に示したとおりであ
る。但し、内径3mm、外径7mmの前記複合磁性材料の成
型体の長さを5mm、10mm、20mm、40mmと変えて挿
入減衰量をそれぞれ測定した。この図4から高速信号を
取り扱うデジタル機能素子から発生するGHz帯の電磁
妨害雑音を抑圧する機能を備えていることが判る。
【0021】図5は第1の実施の形態で示した貫通型E
MIフィルタのコネクタへの応用例である。この図に示
すように、貫通型EMIフィルタ1の中心導体挿入部5
にコネクタの端子ピン11を挿入、接続後、導体シール
ドケース12を外装した絶縁ハウジング13内に収納す
るのみで、貫通型EMIフィルタを装備したコネクタ1
0を実現することができる。なお、貫通型EMIフィル
タ1の外側電極4はシールドケース12に接続した接地
用金具で兼ねることができる。
【0022】第1の実施の形態に示した貫通型EMIフ
ィルタによれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0023】(1) 特性向上 GHz帯での減衰特性が良好である。 Fe−Si系金属磁性体粉末と樹脂の結合材から成る複
合磁性材料の成型体をフィルタ素子として使用すること
により、複素比透磁率(μr′,μr″)をGHz帯迄延
ばすことにより実現している。従来のフェライトビー
ズ、貫通型磁器コンデンサの組み合わせによるフィルタ
では周波数帯域を延ばし切れない。 特性のバラツキが少ない。 Fe−Si系金属磁性体粉末と樹脂の結合材から成る複
合磁性材料における金属磁性体の粉末の重量配合比率の
みで、複素比透磁率の特性、ひいては減衰特性が決まる
ためである。 特性の温度依存性が小さい。 Fe−Si系金属磁性体粉末の複素比透磁率、樹脂の複
素比誘電率の温度特性は、フェライトビーズの複素比透
磁率、貫通型磁器コンデンサの複素比誘電率の温度特性
に比べて良好であり、減衰特性の温度依存性が小さい。
【0024】(2) 作業性の改善 Fe−Si系金属磁性体粉末と樹脂の結合材から成る複
合磁性材料の成型体のみという最少のフィルタ素子で貫
通型構造のEMIフィルタを構成できることによる。
【0025】(3) コストダウン 上記項目(2)の結果として実現し得るものである。
【0026】図6及び図7は本発明の第2の実施の形態
を示す。この場合、貫通型EMIフィルタ1Aは、偏平
状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材とを含み、前記金属
磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料で円筒状成型体
2を形成して中心導体6の周囲に設け、該円筒状成型体
2の外周面に外側電極4を形成したものである。但し、
図示の例では円筒状成型体2の外周面と同心の内周面に
内側電極3を形成し、その内側の貫通孔である中心導体
挿入部5に中心導体6を挿通し、内側電極3と中心導体
6とを図7の如く半田付け又は導電性接着剤8で固着し
ている。
【0027】なお、円筒状成型体2は中心導体6を隙間
なく挿入できるよう複合磁性材料を予め成型しておくこ
とで、内側電極3を省略してもよい。また、中心導体6
上に成型工程にて複合磁性材料を一体成型することで円
筒状成型体2を作製してもよく、この場合にも内側電極
3は省略できる。
【0028】図8及び図9は第2の実施の形態で示した
貫通型EMIフィルタのコネクタへの応用例である。こ
れらの図に示すように、貫通型EMIフィルタ1Aの中
心導体6としてコネクタ20の端子ピンを貫通させたも
のを、グランドプレート21に貫通させて配置し、グラ
ンドプレート21の前後にシェル22、前部絶縁体2
3、後部絶縁体24を一体化することで、貫通型EMI
フィルタを装備したコネクタ20を実現することができ
る。なお、貫通型EMIフィルタ1Aの外側電極4は金
属スプリング25等の手段でグランドプレート21に電
気接続される。
【0029】このように、第2の実施の形態に示した如
き貫通型EMIフィルタは、中心導体6の形状、成型体
2の外径寸法の設定次第で、任意のコネクタ端子挿入穴
に嵌合させ、貫通型EMIフィルタを装備したコネクタ
20を実現する手段として活用し得るものである。
【0030】図10及び図11は本発明の第3の実施の
形態を示す。この場合、貫通型EMIフィルタ1Bは、
偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材とを含み、前記
金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料で円筒状成
型体2を形成して中心導体6の周囲に設け、該円筒状成
型体2の外周面に外側電極4を形成し、さらにシャーシ
取付用の鍔状導体部(鍔状金具)7を外側電極4に接続
一体化している。
【0031】但し、図示の例では円筒状成型体2の外周
面と同心の内周面に内側電極3を形成し、その内側の貫
通孔である中心導体挿入部5に中心導体6を挿通し、内
側電極3と中心導体6とを図11の如く半田付け又は導
電性接着剤で固着している。
【0032】なお、円筒状成型体2は中心導体6を隙間
なく挿入できるよう複合磁性材料を予め成型しておくこ
とで、内側電極3を省略してもよい。また、中心導体6
上に成型工程にて複合磁性材料を一体成型することで円
筒状成型体2を作製してもよく、この場合にも内側電極
3は省略できる。
【0033】この第3の実施の形態の場合、第1、第2
の実施の形態の作用効果に加えて、鍔状導体部7を利用
することで、相手側の金属シャーシ、ブラケット等に容
易に取り付けでき、同時に外側電極4の接地が可能な利
点がある。
【0034】図12は第3の実施の形態で示した貫通型
EMIフィルタのデジタル機能回路(この例ではデジタ
ル画像処理回路を示す)への応用例である。多数個の貫
通型EMIフィルタ1Bをデジタル機能回路における電
源供給ライン、信号授受ラインの経路に用い、デジタル
機能回路で発生する高周波の電磁妨害雑音の伝導を抑圧
し、ひいては放射電磁妨害雑音を低減せしめている。
【0035】図13及び図14は本発明の第4の実施の
形態であって、貫通型構造のEMIフィルタ・ブロック
としての貫通型EMIフィルタアレイを構成している。
この場合、貫通型EMIフィルタアレイ30は、上述の
第3の実施の形態の貫通型EMIフィルタ1Bを多数の
取付穴32を形成した導電性金属ブラケット31(又は
金属シャーシ)に装着し、各貫通型EMIフィルタ1B
の鍔状導体部7を当該ブラケット31に半田付け等で接
続固着したものである。なお、図中、第3の実施の形態
と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0036】この第4の実施の形態のように、貫通型E
MIフィルタをアレイ構造とすることで、多数の信号授
受ライン等を持つデジタル機能回路の伝導性EMIの抑
圧等の用途に役立つ。
【0037】なお、第1又は第2の実施の形態に示した
貫通型EMIフィルタ1,1Aを用いて貫通型EMIフ
ィルタアレイを構成してもよく、この場合外側電極4を
半田付け、導電性接着剤等でブラケット31に接続固定
する構造等を採用できる。
【0038】図15は各実施の形態に示した貫通型EM
Iフィルタを用いたゾーンの分離によるEMI対策を説
明するものである。電子機器の筐体部を遮蔽構造、すな
わちシールド1とし、電子機器外のゾーン1から電子機
器内のゾーン2を遮蔽し、交流及び直流の電源ライン、
信号ライン、コントロールライン等に貫通型EMIフィ
ルタを装着する。また、ゾーン2内の特定のユニットの
ゾーン3をシールド2で遮蔽し、前述の各ラインに貫通
型EMIフィルタを装着する方法が取られる。
【0039】なお、各実施の形態では、使用する金属磁
性体粉末としてFe−Si系の扁平状金属磁性体粉末を
示したが、フェライトに比してGHz帯での複素比透磁
率が大きいFe−Ni系、Fe−Al−Si系等の扁平
状金属磁性体粉末を用いることもできる。
【0040】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下に列記するような効果を奏することができる。
【0042】(1) 特性向上 GHz帯での減衰特性が良好である。 Fe−Si系等の扁平状金属磁性体粉末と樹脂の結合材
とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性
材料の成型体をフィルタ素子として使用することによ
り、複素比透磁率(μr′,μr″)をGHz帯迄延ばす
ことにより実現している。従来のフェライトビーズ、貫
通型磁器コンデンサの組み合わせによるフィルタでは周
波数帯域を延ばし切れない。 特性のバラツキが少ない。 Fe−Si系等の扁平状金属磁性体粉末と樹脂の結合材
とを含む複合磁性材料における金属磁性体粉末の重量配
合比率のみで、複素比透磁率の特性、ひいては減衰特性
が決まるためである。 特性の温度依存性が小さい。 Fe−Si系等の扁平状金属磁性体粉末の複素比透磁
率、樹脂の複素比誘電率の温度特性は、フェライトビー
ズの複素比透磁率、貫通型磁器コンデンサの複素比誘電
率の温度特性に比べて良好であり、減衰特性の温度依存
性が小さい。
【0043】(2) 作業性の改善 Fe−Si系等の扁平状金属磁性体粉末と樹脂の結合材
とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性
材料の成型体のみという最少のフィルタ素子で貫通型構
造のEMIフィルタを構成できることによる。
【0044】(3) コストダウン 上記項目(2)の結果として、つまり部品点数の削減、組
立作業の簡易化等により実現し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貫通型EMIフィルタの第1の実
施の形態を示す斜視図である。
【図2】同側断面図である。
【図3】第1の実施の形態で用いる複合磁性材料の複素
比透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図4】第1の実施の形態の貫通型EMIフィルタの挿
入減衰特性を示すグラフである。
【図5】第1の実施の形態に係る貫通型EMIフィルタ
のコネクタへの応用例を示す側断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図7】同側断面図である。
【図8】第2の実施の形態に係る貫通型EMIフィルタ
のコネクタへの応用例を示す一部を断面とした側面図で
ある。
【図9】同正面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図11】同側断面図である。
【図12】第3の実施の形態に係る貫通型EMIフィル
タのデジタル機能回路への応用例を示すブロック図であ
る。
【図13】本発明の第4の実施の形態であって貫通型E
MIフィルタアレイを示す断面図である。
【図14】第4の実施の形態で用いるブラケット及び取
付穴配置を示す正面図である。
【図15】ゾーン分離によるEMI対策を示す説明図で
ある。
【図16】貫通型EMIフィルタの従来例1を示す側断
面図である。
【図17】貫通型EMIフィルタの従来例2を示す側断
面図である。
【図18】フェライトの複素比透磁率の周波数特性を示
すグラフである。
【図19】Ni−Zn系フェライトの温度特性図であ
る。
【図20】BaTiO磁器コンデンサの温度特性図で
ある。
【符号の説明】
1,1A,1B 貫通型EMIフィルタ 2 円筒状成型体 3 内側電極 4 外側電極 5 中心導体挿入部 6 中心導体 7 鍔状導体部 10,20 コネクタ 21 グランドプレート 30 貫通型EMIフィルタアレイ 31 ブラケット 32 取付穴
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月19日(1999.3.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 貫通型EMIフィルタ
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係る貫通型EMIフィルタ
は、偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材とを含み、
前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料で筒状
成型体を形成し、該筒状成型体の内周面に内側電極を、
当該筒状成型体の外周面に外側電極を設けたことを特徴
としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本願請求項2の発明に係る貫通型EMIフ
ィルタは、偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材とを
含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料
筒状成型体を形成して中心導体の周囲に設け、該筒状
成型体の外周面に外側電極を設けたことを特徴としてい
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本願請求項3の発明に係る貫通型EMI
ィルタは、偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材とを
含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料
筒状成型体を形成し、該筒状成型体の内周面に内側電
極を、当該筒状成型体の外周面に外側電極を設けてなる
貫通型EMIフィルタ要素を複数個、導電性ブラケット
又はハウジングに設けたことを特徴としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本願請求項4の発明に係る貫通型EMI
ィルタは、偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材とを
含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料
筒状成型体を形成して中心導体の周囲に設け、該筒状
成型体の外周面に外側電極を設けてなる貫通型EMIフ
ィルタ要素を複数個、導電性ブラケット又はハウジング
に設けたことを特徴としている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る貫通型EMI
フィルタの実施の形態を図面に従って説明する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】図13及び図14は本発明の第4の実施の
形態であって、貫通型構造のEMIフィルタ・ブロック
としてのアレイ状貫通型EMIフィルタを構成してい
る。この場合、アレイ状貫通型EMIフィルタ30は、
各フィルタ要素として上述の第3の実施の形態の貫通型
EMIフィルタ1Bを多数の取付穴32を形成した導電
性金属ブラケット31(又は金属シャーシ)に装着し、
各貫通型EMIフィルタ1Bの鍔状導体部7を当該ブラ
ケット31に半田付け等で接続固着したものである。な
お、図中、第3の実施の形態と同一又は相当部分には同
一符号を付して説明を省略する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】なお、第1又は第2の実施の形態に示した
貫通型EMIフィルタ1,1Aを用いてアレイ状貫通型
EMIフィルタを構成してもよく、この場合外側電極4
を半田付け、導電性接着剤等でブラケット31に接続固
定する構造等を採用できる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】本発明の第4の実施の形態であってアレイ状
貫通型EMIフィルタを示す断面図である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1,1A,1B 貫通型EMIフィルタ 2 円筒状成型体 3 内側電極 4 外側電極 5 中心導体挿入部 6 中心導体 7 鍔状導体部 10,20 コネクタ 21 グランドプレート 30 アレイ状貫通型EMIフィルタ 31 ブラケット 32 取付穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤地 義昭 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 今野 忠重 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E070 AA01 AB01 BA16 BB03 DA15 5J024 AA01 DA21 DA34 EA08 KA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材
    とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性
    材料で円筒状成型体を形成し、該円筒状成型体の内周面
    に内側電極を、当該円筒状成型体の外周面に外側電極を
    設けたことを特徴とする貫通型EMIフィルタ。
  2. 【請求項2】 偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材
    とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性
    材料で円筒状成型体を形成して中心導体の周囲に設け、
    該円筒状成型体の外周面に外側電極を設けたことを特徴
    とする貫通型EMIフィルタ。
  3. 【請求項3】 偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材
    とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性
    材料で円筒状成型体を形成し、該円筒状成型体の内周面
    に内側電極を、当該円筒状成型体の外周面に外側電極を
    設けてなる貫通型EMIフィルタを複数個、導電性ブラ
    ケット又はハウジングに設けたことを特徴とする貫通型
    EMIフィルタアレイ。
  4. 【請求項4】 偏平状の金属磁性体粉末と樹脂の結合材
    とを含み、前記金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性
    材料で円筒状成型体を形成して中心導体の周囲に設け、
    該円筒状成型体の外周面に外側電極を設けてなる貫通型
    EMIフィルタを複数個、導電性ブラケット又はハウジ
    ングに設けたことを特徴とする貫通型EMIフィルタア
    レイ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006005236A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Murata Mfg Co Ltd ノイズ対策用部品およびその取付構造

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JPH03120805A (ja) * 1989-10-04 1991-05-23 Tdk Corp Lcフィルタ
JPH1079302A (ja) * 1996-09-05 1998-03-24 Tokin Corp 複合磁性体およびそれを用いた電磁干渉抑制体
JPH1092621A (ja) * 1996-09-12 1998-04-10 Tokin Corp 複合磁性体

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