JP2000199199A - シリコ―ン共重合体エマルジョンを用いた離型シ―ト - Google Patents

シリコ―ン共重合体エマルジョンを用いた離型シ―ト

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JP2000199199A
JP2000199199A JP10371846A JP37184698A JP2000199199A JP 2000199199 A JP2000199199 A JP 2000199199A JP 10371846 A JP10371846 A JP 10371846A JP 37184698 A JP37184698 A JP 37184698A JP 2000199199 A JP2000199199 A JP 2000199199A
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silicone compound
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Shozo Yoshida
省三 吉田
Shinya Izumi
慎也 和泉
Akio Harada
昭夫 原田
Koichi Ishitani
幸一 石谷
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NIPPON JOHO YOUSHI KAKO KK
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
NIPPON JOHO YOUSHI KAKO KK
Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水系エマルジョン型とし、高速剥離抵抗値を改
善し、リサイクル可能な剥離シートを提供する。 【解決手段】(イ)一般式(1)で表されるシリコーン
化合物と、共重合性モノマー(シリコーン化合物の全体
と共重合性モノマーの合計に対する共重合性モノマーの
割合が90〜10重量%)とを含有するシリコーン共重
合体とを含むエマルジョン組成物であって:シリコーン
化合物として、一般式(1)で表されるシリコーン化合
物1が割合で5〜60重量%、一般式(2)で表される
シリコーン化合物2と、一般式(3)で表されるシリコ
ーン化合物3とが、これらの合計量割合で95〜40重
量%、含み、かつ、架橋用触媒として白金系化合物また
は有機錫化合物を含む、シリコーン共重合体エマルジョ
ン組成物を剥離剤として使用し、(ロ)基材側にはシリ
コーンと共重合しているアクリル酸エステルと親和性の
高い樹脂をベースにしたアンダーコート剤を塗工してな
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用、事務用、建築
用、塗装用、包装用など広範な分野で使用される粘着テ
ープ、粘着シート、粘着固定品等の粘着加工製品の離型
シート(以下単に「離型シート」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】紙やプラスチックフィルム等の基材表面
に、さまざまな離型剤を塗布することにより離型性を賦
与させた離型シートは、剥離紙またはセパレーターと呼
ばれ、粘着加工製品等に広く利用されている。この離型
処理は、その大部分が基材の表面に剥離用シリコーンの
有機溶剤溶液を塗布し、その後これを乾燥するか、ある
いは更にこれを熱硬化もしくは硬化剤添加してシリコー
ン樹脂を架橋することにより、基材表面に固定すること
により行われている。
【0003】近年、有機溶剤による大気汚染の問題、火
災の危険性、作業者の衛生面、省資源の観点から水性エ
マルジョン型あるいは無溶剤型の剥離用シリコーンが望
まれ、この種のシリコーンの使用量が年々増加してい
る。しかし、無溶剤型シリコーン剥離剤の場合、粘度を
極限に抑えるために塗布するシリコーンの分子量が圧倒
的に小さく、そのため架橋密度を高くすることが必要と
なる。また、装置的にもこれを薄く、均一に塗布するこ
とが難しく、塗工精度に問題がある。
【0004】一方、シリコーンエマルジョン型剥離剤は
特に欧米ではかなり多く使われているが、これらは成膜
性が劣り、紙内部へ浸透してしまう等不十分な点が多
く、性能とコストの面からさまざまな改良が必要とされ
ていた。
【0005】また、セパレーターは用途に応じて軽いも
のから重いものまで幅広い剥離力が求められるが、テー
プの重ね貼りが必要とされる用途においては、従来の剥
離剤の純シリコーンだけではごく少量塗布してもその剥
離抵抗値は非常に小さくなり過ぎる。この抵抗値を適正
にコントロールするために、SiO2単位と(CH3)S
iO1/2単位、あるいはCH2=CH(CH3)2SiO1
/2単位を有する重剥離コントロール剤を用いて調整して
いるが、剥離力の安定性に乏しく、粘着剤表面に移行
し、接着力やタックの低下等を惹起する問題がある。
【0006】さらに、これら水溶性の離型剤を使用した
場合には、有機溶剤系の純シリコーン樹脂を使用した場
合に比べて、高速での剥離抵抗値が大きくなってしま
い、機械的に剥離を行う用途例えばフォーム印刷加工機
などでカス上げ処理を施す場合に断紙が発生し易いなど
の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粘着加工製
品に使用する離型シートであって、離型シート製造の際
の作業環境を清浄に保ち、溶剤の大気中への揮散に基づ
く公害を解消することを第1の課題とする。
【0008】また本発明は、従来の純シリコーン樹脂離
型剤の問題点である剥離抵抗値のコントロールの困難性
の克服、剥離力コントロール剤による剥離力安定性低下
あるいは粘着剤層への移行による粘着力低下等のトラブ
ルを解消するとともに、離型シートの水系の剥離剤では
困難であった高速剥離抵抗値を溶剤系純シリコーン樹脂
離型剤を使用した場合と遜色ないレベルに改善すること
を第2の課題とする。
【0009】さらに、本発明は、従来の有機溶剤型シリ
コーン樹脂離型剤を使用しないため、ポリエチレンラミ
ネート加工などによる有機溶剤の目止めのためのバリヤ
ーコートが不要で、容易にリサイクル可能な剥離シート
を提供することも課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題課題を解決した
本発明は、(イ)一般式(1)で表されるシリコーン化
合物と、共重合性モノマー(シリコーン化合物の全体と
共重合性モノマーの合計に対する共重合性モノマーの割
合が90〜10重量%)とを含有するシリコーン共重合
体とを含むエマルジョン組成物であって:該エマルジョ
ン組成物中に; (I)シリコーン化合物として、一般式(1)で表され
るシリコーン化合物1が割合で5〜60重量%、一般式
(2)で表されるシリコーン化合物2と、一般式(3)
で表されるシリコーン化合物3[このシリコーン化合物
3は共重合性モノマーまたは共重合性モノマーと一般式
(1)で表される化合物との共重合体であってもよ
い。]とが、これらの合計量割合で95〜40重量%、
含み、(II)かつ、架橋用触媒として白金系化合物また
は有機錫化合物を含む、シリコーン共重合体エマルジョ
ン組成物を剥離剤として使用し、(ロ)基材側にはシリ
コーンと共重合しているアクリル酸エステルと親和性の
高い樹脂をベースにしたアンダーコート剤を塗工してな
る、(ハ)ことを特徴とするシリコーン共重合体エマル
ジョンを用いた離型シートである。
【0011】シリコーンマクロモノマーは一般式(1)
においてx+y+z=5〜150のものであり、一般的
にはx=z=0,y=13〜131、R1は−CH3、R
2およびR3はどちらか、あるいは両方とも−C36OC
OC(CH3)=CH2の置換基を有するものがもっとも
多く用いられる。
【0012】またシリコーン化合物2およびシリコーン
化合物3は、エマルジョン重合に際して、あるいは剥離
剤として基材に塗布後、白金系化合物または有機錫化合
物の触媒作用によりシリコーン共重合体同士をシロキサ
ン結合または炭素−ケイ素結合を形成して架橋する作用
を有するものであり、熱架橋、紫外線架橋あるいは電子
線架橋タイプのものであれば良い。架橋形式では付加反
応型でも、縮合反応型でも良い。その分子量は一般式
(2)および(3)においてp+q及びs+tは10〜
560のものである。
【0013】一般的には一般式(2)において、q=5
〜100、p+q=10〜560、R 4およびR6は−
H、R5はCH3である。
【0014】また一般式(3)においてt=0〜50、
s+t=10〜560、R7およびR9は−CH=CH2
で、白金系触媒の存在下で下式のように架橋させる型の
ものがもっとも多く用いられる。
【0015】
【化4】
【0016】シリコーンマクロモノマーと共重合しうる
共重合性モノマーとしては、アクリル酸エステルおよび
それと共重合しうる、スチレン、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステ
ル、エチレン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、
塩化ビニリデン等の中性のものばかりでなく、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸、ビニルスルホン酸、ヒドロキシエチルアクリレート
またはメタクリレートの燐酸エステルなどの酸性化合
物、さらにはビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ヒドロキシメチル
アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル、およびその4級
化物などが挙げられる。要するにシリコーンマクロモノ
マーと直接または間接に共重合する不飽和化合物はすべ
てその対象となる。
【0017】重合触媒はアゾビスイソブチルニトリルな
どのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸
化物などラジカル重合の開始剤として用いられるものは
何でも良く、油溶性および水溶性の何れも用いられる
が、前者の場合にはあらかじめシリコーン成分とそれと
共重合可能な共重合性モノマーとの混合液中で溶解して
おくのが便利である。
【0018】シリコーン同士の架橋の触媒として使用す
る白金系化合物としては、例えば白金、PtX2、Pt
4(X=ハロゲン)、PtO・nH2O、PtO2・n
2O、Pt(SO42、PtP27などが挙げられ
る。
【0019】また有機錫化合物としては、例えば錫、R
4Sn,R3SnX,R2SnX2,RSnX3,R3SnO
R,R3SnOH,R2SnO(R=アルキル基またはア
リール基)等が挙げられる。
【0020】これら触媒は、シリコーン化合物2の
4、R6は−H系、シリコーン化合物3のR7、R9が−
Cn-1H2(n-1)−CH=CH2系においては白金系化合物
を、またシリコーン化合物2のR5、R7が−OCH
3系、シリコーン化合物3のR7、R9が−OH系である
ときは有機錫化合物の触媒を使用する。
【0021】この場合シリコーンマクロモノマー、シリ
コーン化合物2およびシリコーン化合物3のシリコーン
成分の含有量が10重量%より少ないときは、剥離抵抗
性の低下が不十分でたびたび基材の破損が起こり、また
同含有量が90重量%より大きいときには剥離力の調整
が難しい。
【0022】シリコーンマクロモノマーは、共重合性モ
ノマーと共重合し、シリコーン化合物2、シリコーン化
合物3および他の共重合性モノマーとの相溶化剤として
の役割をしている。一方、シリコーン化合物2、シリコ
ーン化合物3は軽剥離性を得るのに必要である。全シリ
コーン成分中のシリコーンマクロモノマーの割合は5〜
60重量%の範囲内でなければならない。シリコーンマ
クロモノマーの割合が5重量%より低い場合、この共重
合体は相溶化剤としての効果が不十分で、エマルジョン
の安定性に問題があり、更にこれより得られた剥離剤は
塗布後上層のシリコーン化合物2、シリコーン化合物3
が剥れ易く、離型剤としての性能が得られない。他方、
シリコーンマクロモノマーの割合が60重量%を越えた
場合に、マクロモノマー成分の共重合が進み難く、かな
りの未反応成分が残り、それが原因でセパレーター中の
シリコーン成分の粘着剤層への移行が起こり、粘着テー
プ等の粘着性の低下を惹起する。また性能的なシリコー
ン成分のトータル含有量の制限のためシリコーン化合物
2、シリコーン化合物3の添加割合が低下することにな
り、このため必要な剥離性は充分に得られないことがあ
る。
【0023】シリコーン化合物2およびシリコーン化合
物3の配合割合および白金系化合物または有機錫系化合
物からなる触媒添加量は、シリコーン中の官能基の種
類、数および分子量により変わるので、通常の離型剤と
同様に白金系化合物または有機錫化合物からなる触媒に
より架橋ができるような配合であれば良い。通常は触媒
の添加量はシリコーン化合物2とシリコーン化合物3の
合計量に対して0.1〜5.0重量%である。
【0024】シリコーン化合物2およびシリコーン化合
物3中のシロキサン結合または炭素−ケイ素結合を形成
する官能基のモル比は1/2〜2/1が好ましい。ま
た、これらの使い方としてはシリコーンマクロモノマー
や共重合性モノマーと一緒に乳化して反応しても良い
し、シリコーンマクロモノマーと共重合性モノマーの2
種のみを乳化反応し、それにあらかじめ別々に乳化して
おいたシリコーン化合物2およびシリコーン化合物3を
添加しても良い。
【0025】重合反応前にシリコーン成分[シリコーン
マクロモノマー、またはそれとシリコーン化合物2およ
びシリコーン化合物3]と、共重合しうる共重合性モノ
マーを成分とするエマルジョンは、その粒子径が0.5
μm以下でなければならない。0.5μmより大きい場
合にはシリコーン成分を多く含む重合物が多く生成し、
それが粗大粒子、即ち、凝集塊となってしまうといった
傾向が強く好ましくない。
【0026】上記のシリコーン成分と共重合性モノマー
との混合物を成分とする粒子径0.5μm以下のエマル
ジョンの作製は、それら混合物と乳化剤水溶液とを強力
乳化装置により乳化することによって行う。
【0027】かくして得られた共重合体エマルジョン型
剥離剤は、紙基材例えば上質紙、コート紙、微塗工紙、
片艶紙、グラシン紙、キャストコート紙などを適時用い
ることができ、場合によっては布、不織布、あるいはフ
ィルム等の基材に塗布し、加熱乾燥することによって剥
離紙または剥離シートとしてのセパレーターが得られる
が、紙、布、不織布などはそれ自体が多孔質であるた
め、剥離剤エマルジョンが浸透してしまい、表面に均一
にシリコーン成分を効率よく配置させることができない
ため、高速剥離力が高くなる傾向があった。また、フィ
ルムやポリエチレンラミネートなどの上に塗布する場合
には、樹脂の浸透はないものの、剥離剤と基材の密着性
が低く、層間剥離が生じる問題があった。この表面の不
均一化を防ぐために鋭意研究した結果、剥離剤であるシ
リコーン共重合体エマルジョンを塗布する基材側に、シ
リコーンと共重合しているアクリル酸エステルと親和性
の高い樹脂をベースにしたアンダーコート層を設けた場
合に、剥離剤の性能を最も効率よく引き出し、剥離性能
の飛躍的向上が図れることを見出した。このアンダーコ
ートを施した基材への剥離剤の塗布厚みは基材の材質、
表面に来る粘着剤の性質やその塗布量、さらには共重合
体中のシリコーン含量によって異なるが、平均0.5g
/m2以上あれば充分である。
【0028】
【作用】本発明の共重合体エマルジョンは、紙、布、ま
たはフィルム等の基材に塗布乾燥されると、主として架
橋型シリコーン成分に由来するポリジメチルシロキサン
鎖が空気側局在した皮膜を形成し、基材を被覆すること
によって離型性を得たものと考えられる。またシリコー
ンマクロモノマーはエチレン性のアクリル成分とのラジ
カル重合反応により共重合体の一部として組み込まれ相
溶化剤としての役割を果たすものと推定している。本発
明のアンダーコート剤はこの共重合体の一部であるアク
リル成分との親和性の高い樹脂、例えばアクリル樹脂、
スチレン-ブタジエン樹脂、エチレン-酢ビ樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、アルキッド樹脂、ニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ
アミド樹脂、ブチラール樹脂などの中から適時選ぶこと
ができ、これらアクリルとの親和性の高い樹脂の上に剥
離剤を塗布することにより、共重合体のアクリル成分が
均一に密着し、結果として表面に形成されるシリコーン
成分の皮膜が均一になり、剥離適性に優れる離型層を形
成できるものと推測される。またアンダーコート層に
は、塗料の流動性をコントロールするため、通常塗工工
程で用いられる顔料系の粒子、例えばクレー、炭酸カル
シウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウムタルクなど
を配合することができる。この場合配合量としては樹脂
分100に対し、10〜300程度が適当である。
【0029】本発明のシリコーン共重合体エマルジョン
を含む剥離剤は、エマルジョン中のシリコーン成分の使
用量を変更することにより、容易に剥離抵抗を細かくコ
ントロールできる。これは従来のシリコーン剥離剤に比
べて、剥離抵抗が塗布量(即ちシリコーン塗布量)に対
して緩やかに変化するためである。また、エマルジョン
中のシリコーンマクロモノマーと共重合性モノマー、特
にアクリル系モノマーを共重合させ、この共重合物と親
和性の高い樹脂をベースにしたアンダーコート層との相
互作用で成膜性が均一になり、シリコーン成分の表面へ
の配列を均一にさせる効果があるため、剥離剤の塗布量
を最小限にとどめることができる。また、従来の基材に
対してポリエチレンラミネートなどの処理をする必要が
なくなる。
【0030】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を例示する。 (実施例1)シリコーン成分としてシリコーンマクロモ
ノマー(A)[x=z=0、y=131、R1および
3;−CH3、R2;−C36−OCO−C(CH3)=
CH2]0重量部、共重合性モノマーとしてメチルメタ
クリレート(MMA)4重量部、2−エチルへキシルア
クリレート(2EHA)30重量部、スチレン(St)
40重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2
HEMA)2重量部、メタクリル酸(MAA)2重量
部、N−メチロールメチルメタアクリルアミド(N−M
AM)2重量部の混合物に、重合触媒としてアゾビスイ
ソブチロニトリル0.2重量部を加えて溶解させ、これ
に水を加えて40重量%の液を調製した。乳化剤として
アニオン性で共重合性のある反応性乳化剤「アデカリア
ソープSE−10N」(10%水溶液、旭電化工業
(株)製)0.8重量%を上記混合液へ加え、高圧ホモ
ジナイザー(マントンゴーリン)によって高速乳化を行
い、平均粒子径0.26μmの乳化液とした。次いで全
量釜仕込方式で、窒素置換を30分した後、反応温度8
0±1℃、反応時間4時間、熟成時間2時間の条件で重
合反応を行った。得られた共重合体エマルジョンの性状
は次のとおりであった。 固形分濃度40.1重量% 平均粒子径0.15μm pH3.1 粘度(30℃)50 MFT30℃
【0031】上記、エマルジョン2重量部に、あらかじ
め別々に乳化(濃度40重量%)しておいたシリコーン
化合物2としてシリコーン(C)(q=10、p+q=
393、R4およびR6;−H、R5;CH3)エマルジョ
ン0.5重量部、シリコーン化合物3としてシリコーン
(D)(t=4、s+t=262、R7およびR9;−C
H=CH2、R8;CH3)エマルジョン0.5重量部を
添加した。なお、両者のシリコーンに対し、触媒として
固形分の0.2重量%の白金を含んでいる。得られたエ
マルジョンの性状は、 固形分濃度40.0重量% 平均粒子径0.12μm pH5.2 粘度(30℃)500 MFT30℃ であった。アクリル樹脂(アクリル酸エステル重合体)
を固形分で4g/m2塗布してある上質紙(64g/
2)に前記エマルジョンを固形分で1g/m2塗布し
て、150℃で1分間乾燥し離型シートを得た。次にエ
マルジョン型粘着剤SE−6100(昭和高分子(株)
製)を固形分で20g/m2塗布し110℃で1分間乾
燥後ただちに別の上質紙(64g/m2)を圧着しテス
ト試料とした。上記試料について低速剥離力(引張速度
300mm/分),高速剥離力(引張速度60m/分)
および残留接着率を測定した。また、基材と剥離剤の密
着性を評価すると共に、離型シートの離解性を評価し
た。その結果を表1に示す。
【0032】(実施例2)実施例1と同様にして製造さ
れた離型剤を、基材として上質紙(64g/m2)にS
BR樹脂(スチレン-ブタジエン共重合体)を固形分で
4g/m 2となるように塗布したものに、固形分で1g
/m2となるように塗工して離型シートを得た以外は、
実施例1と同様にしてテスト試料を得、同様の評価を行
った。
【0033】(実施例3)実施例1と同様にして製造さ
れた離型剤を、基材として上質紙(64g/m2)にE
VA樹脂(エチレン-酢酸ビニル共重合体)を固形分で
4g/m 2となるように塗布したものに、固形分で1g
/m2なるように塗工して離型シートを得た以外は、実
施例1と同様にしてテスト試料を得、同様の評価を行っ
た。
【0034】(実施例4)実施例1と同様にして製造さ
れた離型剤を、基材として上質紙(64g/m2)にP
VA樹脂を固形分で4g/m2となるように塗布したも
のに、固形分で1g/m2となるように塗工して離型シ
ートを得た以外は、実施例1と同様にしてテスト試料を
得、同様の評価を行った。
【0035】(実施例5)実施例1と同様にして製造さ
れた離型剤を、基材として上質紙(64g/m2)にア
クリル樹脂(アクリル酸エステル重合体)と炭酸カルシ
ウムを100:100で混合したものを固形分で4g/
2となるように塗布したものに、固形分で1g/m2
なるように塗工して離型シートを得た以外は、実施例1
と同様にしてテスト試料を得、同様の評価を行った。
【0036】(実施例6)実施例1と同様にして製造さ
れた離型剤を、基材として上質紙(64g/m2)にS
BR樹脂(スチレン-ブタジエン共重合体)とクレーを
100:100で混合したものを固形分で4g/m2
なるように塗布したものに、固形分で1g/m2となる
ように塗工して離型シートを得た以外は、実施例1と同
様にしてテスト試料を得、同様の評価を行った。
【0037】(比較例1)基材として上質紙(64g/
2)にポリエチレンを10ミクロンの厚みでラミネー
トしたものに、従来の有機溶剤型剥離剤(シリコーン樹
脂をトルエンに溶解したもの)を固形分で1g/m2
なるように塗布して離型シートを作成し、それ以外は実
施例1と同様にしてサンプル試料を作成し同様の評価を
行った。
【0038】(比較例2)剥離剤として市販のエマルジ
ョン型の純シリコーン剥離剤を使用した以外は比較例1
と同様にしてサンプル試料を作成し同様の評価を行っ
た。
【0039】(比較例3)実施例1と同様にして製造さ
れた離型剤を、基材として上質紙(64g/m2)に固
形分で1g/m2となるように基材に直接塗工して離型
シートを得た以外は、実施例1と同様にしてテスト試料
を得、同様の評価を行った。
【0040】(比較例4)剥離剤として市販のエマルジ
ョン型の純シリコーン剥離剤を、基材として上質紙(6
4g/m2)にSBR樹脂を固形分で4g/m2となるよ
うに塗布したものに、固形分で1g/m2となるように
塗工して離型シートを得た以外は、実施例1と同様にし
てテスト試料を得、同様の評価を行った。
【0041】(比較例5)実施例1と同様にして製造さ
れた離型剤を、基材として上質紙(64g/m2)にポ
リエチレンを10ミクロンの厚みでラミネートしたもの
に、固形分で1g/m2となるように塗布して離型シー
トを得た以外は、実施例1と同様にしてテスト試料を
得、同様の評価を行った。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明は、シリコーンマクロモノマー、
シリコーン化合物2、シリコーン化合物3、および共重
合性モノマーからなる共重合体であって、触媒として白
金系化合物、または有機錫系化合物を含むシリコーン共
重合体エマルジョン組成物を離型剤として使用し、基材
側にはシリコーンと共重合しているアクリル酸エステル
と親和性の高い樹脂をベースにしたアンダーコート剤を
塗工してなる離型シートであり、従来の有機溶剤タイプ
の離型剤と同等以上の離型効果を与えることが実証され
た。特に、中〜高剥離抵抗を求められる用途において
は、従来の有機溶剤タイプ剥離剤では技術的に対応する
ことができなかったが、本発明品は剥離能力のコントロ
ールが幅広く、かつ容易に行えるとともに、水系の離型
剤では困難であった高速剥離抵抗値を有機溶剤系の純シ
リコーン樹脂離型剤と遜色ないものに改善でき、従来技
術のなしえなかった領域までカバーできる利点を有す
る。
【0044】また本発明は、従来の有機溶剤型シリコー
ン樹脂離型剤を使用しないため、ポリエチレンラミネー
ト加工などによる有機溶剤の目止めのためのバリヤーコ
ートが不要で、容易にリサイクル可能な剥離シートを提
供できるようになった。
【0045】本発明では、シリコーンの種類、添加割
合、シリコーン成分の含有率、およびアンダーコートの
樹脂組成などの多くの因子を変更することにより、従来
の純シリコーン剥離剤でさえ得られない性能を生みだ
し、水系なるがゆえに安全に環境に優しく、省エネルギ
ー、省資源に応えられる形で提供することになり、その
効果は実に大きいものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和泉 慎也 岐阜県加茂郡川辺町下川辺166番地 日本 情報用紙化工株式会社内 (72)発明者 原田 昭夫 大阪府枚方市上野2−9−40−503 (72)発明者 石谷 幸一 兵庫県龍野市龍野町日山16番地 Fターム(参考) 4J004 DA04 DB02 FA06 FA09 GA01 4J040 DJ032 EK032 EK052 EK062 FA012 FA022 FA032 FA042 FA052 FA062 FA092 FA112 FA142 FA182 FA202 FA212 FA242 HD42 JA03 JA09 KA14 LA06 NA02 NA05 NA06 NA12 4L055 AG71 AG86 AG97 AH38 AJ02 BE09 EA32 FA20 GA43

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)一般式(1)で表されるシリコーン
    化合物と、共重合性モノマー(シリコーン化合物の全体
    と共重合性モノマーの合計に対する共重合性モノマーの
    割合が90〜10重量%)とを含有するシリコーン共重
    合体とを含むエマルジョン組成物であって:該エマルジ
    ョン組成物中に; (I)シリコーン化合物として、一般式(1)で表され
    るシリコーン化合物1が割合で5〜60重量%、一般式
    (2)で表されるシリコーン化合物2と、一般式(3)
    で表されるシリコーン化合物3[このシリコーン化合物
    3は共重合性モノマーまたは共重合性モノマーと一般式
    (1)で表される化合物との共重合体であってもよ
    い。]とが、これらの合計量割合で95〜40重量%、
    含み、(II)かつ、架橋用触媒として白金系化合物また
    は有機錫化合物を含む、シリコーン共重合体エマルジョ
    ン組成物を剥離剤として使用し、(ロ)基材側にはシリ
    コーンと共重合しているアクリル酸エステルと親和性の
    高い樹脂をベースにしたアンダーコート剤を塗工してな
    る、(ハ)ことを特徴とするシリコーン共重合体エマル
    ジョンを用いた離型シート。 【化1】 【化2】 【化3】
JP10371846A 1998-12-28 1998-12-28 シリコ―ン共重合体エマルジョンを用いた離型シ―ト Pending JP2000199199A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011021117A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Nitto Denko Corp 粘着シート

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JP2011021117A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Nitto Denko Corp 粘着シート

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