JP2000198922A - ポリアミド組成物 - Google Patents

ポリアミド組成物

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JP2000198922A
JP2000198922A JP11000299A JP29999A JP2000198922A JP 2000198922 A JP2000198922 A JP 2000198922A JP 11000299 A JP11000299 A JP 11000299A JP 29999 A JP29999 A JP 29999A JP 2000198922 A JP2000198922 A JP 2000198922A
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acid
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Kozo Tamura
興造 田村
Hideaki Oka
秀明 岡
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PA6−T系ポリアミド等からなる従来の組
成物に比較して、顕著に改善された耐熱性、力学特性、
低吸水性、寸法安定性、耐薬品性、溶融安定性を有する
とともに、靭性、軽量性にも優れ、特にワイヤーハーネ
スコネクターとして好適に使用されるポリアミド組成物
を提供すること。 【解決手段】 テレフタル酸を60〜100モル%含有
するジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンおよ
び/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンを6
0〜100モル%含有するジアミン成分とからなるポリ
アミド100重量部に対し、結晶核剤0.01〜10重
量部、銅化合物0.01〜1重量部およびハロゲン化ア
ルカリ金属化合物0.01〜5重量部を配合してなるポ
リアミド組成物;その組成物100重量部に対し、有機
系安定剤0.05〜5重量部および/または充填剤0.
1〜200重量部を配合してなる組成物;並びにそれら
の組成物からなるワイヤーハーネスコネクター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半芳香族ポリアミ
ドに結晶核剤、銅化合物およびハロゲン化アルカリ金属
化合物を配合し、さらに必要に応じて有機系安定剤およ
び/または充填剤を配合してなる組成物、並びにそのポ
リアミド組成物からなるワイヤーハーネスコネクターに
関する。本発明のポリアミド組成物は、極めて優れた耐
熱性、力学特性、低吸水性、寸法安定性、耐薬品性、溶
融安定性を有するとともに、靭性、軽量性にも優れ、特
にワイヤーハーネスコネクターとして好適に使用され
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ナイロン66はその優れた成形
性、耐熱性からワイヤーハーネスコネクタに主として採
用されてきたが、吸水による寸法変化、電気的特性の変
化という問題を有しており、その用途にPBTが使用さ
れるケースが増加してきた。しかしながら、PBTの比
重は1.31であり、ナイロン66の比重1.14に比
べて高く、昨今、検討されている自動車の軽量化による
燃費の向上にPBTの採用は逆行する。
【0003】一方、テレフタル酸を主成分とするジカル
ボン酸成分と1,6−ヘキサンジアミンを主成分とする
ジアミン成分からなる半芳香族ポリアミド(以下、PA
6−T系ポリアミドと略称する)が種々提案されてい
る。このPA6−T系ポリアミドは、ナイロン66など
の脂肪族ポリアミドに比較して低吸水性であり、吸水に
よる寸法変化、電気的特性の変化といった問題点をある
程度克服できる材料である。しかしながら、PA6−T
系ポリアミドは脂肪族ポリアミドに比べ靭性が低く、高
温に晒されて劣化するとさらに靭性が低下する。したが
って、自動車のエンジンルーム内のように加熱放冷が繰
返される条件下では、PA6−T系ポリアミドは使用す
ることはできない。
【0004】このような状況下において、PA6−T系
ポリアミドに種々の改良が試みられてきた。特開平5−
9382号公報には、PA6−T系ポリアミドの靭性改
良に弾性率の低いグラフト変性ポリオレフィン共重合体
を配合する方法が提案されている。かかる方法によれ
ば、PA6−T系ポリアミドの靭性は向上するが、その
反面、力学強度、耐熱性および加熱寸法安定性の低下を
引き起こす。
【0005】テレフタル酸と1,6−ヘキサンジアミン
からなるPA6−Tは、ポリマーの分解温度を超える3
70℃付近に融点があるため、溶融重合、溶融成形が困
難であり、実用に耐えるものではない。そのため、PA
6−Tは、実際にはアジピン酸、イソフタル酸などのジ
カルボン酸成分、あるいはナイロン6などの脂肪族ポリ
アミドを30〜50モル%共重合させることにより、実
使用可能温度領域、すなわち280〜320℃程度にま
で低融点化して用いられているのが現状である。このよ
うに多量の第3成分(場合によっては第4成分)を共重
合することは、ポリマーの低融点化には有効なものの、
その反面、結晶性、到達結晶化度、耐熱性および熱安定
性の低下などを伴い、その結果、高温下での剛性、耐薬
品性、寸法安定性、溶融安定性などの諸物性が低下す
る。
【0006】特公昭64−11073号公報には、テレ
フタル酸単位を60〜100モル%含有する芳香族ジカ
ルボン酸単位と、炭素数6〜18の直鎖脂肪族アルキレ
ンジアミン単位とからなる半芳香族ポリアミド100重
量部に対して、充填剤を0.5〜200重量部配合して
なるポリアミド組成物が、耐熱特性、機械的特性、化学
的物理的特性および成形特性のいずれにも優れた性能を
兼ね備えることが記載されているが、上記の組成物は成
形性、靭性、低吸水性、耐薬品性、耐熱性、溶融安定
性、軽量性などが充分なレベルには至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PA
6−T系ポリアミド等からなる従来の組成物に比較し
て、顕著に改善された耐熱性、力学特性、低吸水性、寸
法安定性、耐薬品性、溶融安定性を有するとともに、靭
性、軽量性にも優れ、特にワイヤーハーネスコネクター
に好適に使用されるポリアミド組成物を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、テレフタル酸を
主成分とするジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジア
ミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジア
ミンを主成分とするジアミン成分とからなるポリアミド
に結晶核剤、銅化合物およびハロゲン化アルカリ金属化
合物を配合し、さらに必要に応じて有機系安定剤および
/または充填剤を配合してなるポリアミド組成物が、耐
熱性、力学特性、低吸水性、寸法安定性、耐薬品性、溶
融安定性に優れ、さらに靭性、軽量性などにも優れるこ
と、かかる組成物からなるワイヤーハーネスコネクター
は上記の性能をそのまま有することを見出だして本発明
を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、テレフタル酸を60
〜100モル%含有するジカルボン酸成分と、1,9−
ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オ
クタンジアミンを60〜100モル%含有するジアミン
成分とからなるポリアミド100重量部に対し、結晶核
剤0.01〜10重量部、銅化合物0.01〜1重量部
およびハロゲン化アルカリ金属化合物0.01〜5重量
部を配合してなるポリアミド組成物に関する。また、本
発明は、上記のポリアミド組成物100重量部に対し、
有機系安定剤0.05〜5重量部および/または充填剤
0.1〜200重量部を配合してなるポリアミド組成物
に関する。さらに、本発明は、上記のポリアミド組成物
からなるワイヤーハーネスコネクターに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリアミド
は、ジカルボン酸成分の60モル%以上がテレフタル酸
であり、その割合は75モル%以上であるのが好まし
く、90モル%以上であるのがより好ましい。ジカルボ
ン酸成分中のテレフタル酸の量がこの範囲内にあると、
得られるポリアミドは耐熱性、力学特性、耐薬品性など
に優れる。本発明に用いられるポリアミドは、テレフタ
ル酸以外のジカルボン酸成分として、例えば、マロン
酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、
ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジ
エチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン
酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シ
クロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,
4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジ
オキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4’−オ
キシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカル
ボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン
酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸などを含有することができ、これらは1種ま
たは2種以上であってもよい。これらの中でも、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸が好ましく使用される。さらに、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カル
ボン酸を、得られるポリアミドが溶融成形が可能な範囲
内で用いることもできる。
【0011】本発明に用いられるポリアミドは、ジアミ
ン成分として1,9−ノナンジアミンおよび/または2
−メチル−1,8−オクタンジアミンを60〜100モ
ル%含有している必要があり、その割合は好ましくは7
5〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%
である。ジアミン成分中の上記ジアミンの合計量がこの
範囲にあると、得られるポリアミドは靭性、軽量性、低
吸水性、耐薬品性、耐熱性、溶融安定性などに優れる。
本発明に用いられるポリアミドは、1,9−ノナンジア
ミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミン以外
のジアミン成分として、例えば、1,6−ヘキサンジア
ミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジ
アミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデ
カンジアミン、1,12−ドデカンジアミンなどの直鎖
脂肪族ジアミン;2−メチル−1,5−ペンタンジアミ
ン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,
4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,
4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチ
ル−1,9−ノナンジアミンなどの分岐鎖状脂肪族ジア
ミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサン
ジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、ノルボルナンジメチルアミン、ト
リシクロデカンジメチルアミンなどの脂環式ジアミン;
p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キ
シレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香
族ジアミンなどを含有することができ、これらは1種ま
たは2種以上であってもよい。これらのうち、得られる
ポリアミドの各種特性が優れるという理由から、1,6
−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,
8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、
1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジ
アミンが好ましい。上記の1,9−ノナンジアミン(N
MDA)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン(M
ODA)の割合は、NMDA:MODA(モル比)が1
00:0〜10:90の範囲であるのが好ましく、9
5:5〜20:80の範囲であるのがより好ましい。
【0012】本発明に用いられるポリアミドは、分子量
調節および溶融安定性を向上させる目的で、その分子鎖
末端基の10%以上が末端封止剤により封止されている
のが好ましく、その末端基の封止率は40%以上である
のがより好ましく、60%以上であるのが更に好まし
く、70%以上であるのが特に好ましい。末端封止剤と
しては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル
基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限
はないが、反応性および封止末端の安定性などの点か
ら、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましく、取り
扱いの容易さなどの点から、モノカルボン酸がより好ま
しい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソ
シアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モ
ノアルコール類なども使用できる。
【0013】末端封止剤として使用できるモノカルボン
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボ
ン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカル
ボン酸;安息香酸、トルイン酸、α−ナフタレンカルボ
ン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカ
ルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、
あるいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。
これらのうち、反応性、封止末端の安定性、価格などの
点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン
酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が特に好
ましい。
【0014】末端封止剤として使用されるモノアミンと
しては、カルボキシル基との反応性を有するものであれ
ば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘ
キシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モ
ノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、
ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、あるいはこれ
らの任意の混合物を挙げることができる。これらのう
ち、反応性、高沸点、封止末端の安定性および価格など
の点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルア
ミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシ
ルアミン、アニリンが特に好ましい。
【0015】本発明に用いられるポリアミドは、結晶性
ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方
法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライ
ドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合
法;ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、
固相重合法、溶融押出機重合法などの方法により製造す
ることが可能である。ポリアミドを製造する際に、重縮
合速度の増加および重合時に生成したポリアミドが劣化
するのを防止する目的で、リン酸、亜リン酸、次亜リン
酸、またはそれらの塩、さらにはそれらのエステルなど
のリン系触媒を反応系に添加するのが好ましい。このう
ち、生成するポリアミドの品質の点から、次亜リン酸誘
導体が好ましく、特に、次亜リン酸ナトリウムが価格お
よび取り扱いの容易さから好ましい。これらのリン系触
媒の添加量は、ジカルボン酸およびジアミンの合計重量
に対して0.01〜5重量%であるのが好ましく、0.
05〜2重量%であるのがより好ましく、0.07〜1
重量%であるのが特に好ましい。また、上記の末端封止
剤の使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応
装置、反応条件などによって変化するが、通常、ジカル
ボン酸とジアミンの総合計モル数に対して0.1〜15
モル%の範囲内で用いることができる。
【0016】以下に、ポリアミドの製造法の一例を示
す。必要に応じて触媒および末端封止剤を、最初にジア
ミンおよびジカルボン酸に一括して添加し、ナイロン塩
を製造した後、一旦200〜250℃の温度において濃
硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.15〜0.
25dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合する
か、あるいは溶融押出機を用いて重合を行うことによ
り、容易にポリアミドを得ることができる。プレポリマ
ーの極限粘度[η]が0.15〜0.25dl/gの範囲
内であると、後重合の段階においてカルボキシル基とア
ミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少な
く、さらに分子量分布の小さな、各種性能や成形性に優
れたポリアミドが得られる。重合の最終段階を固相重合
により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行う
のが好ましく、重合温度が200〜250℃の範囲内で
あれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル
化を有効に抑えることができるので好ましい。重合の最
終段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が370
℃以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化
のないポリアミドが得られるので好ましい。
【0017】本発明に用いられるポリアミドは、濃硫酸
中30℃で測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0d
l/gの範囲であるのが好ましく、0.6〜2.0dl
/gの範囲であるのがより好ましく、0.8〜1.8d
l/gの範囲であるのが更に好ましい。極限粘度[η]が
上記の範囲内にあると、ポリアミドの力学特性、成形性
が良好である。
【0018】本発明に用いられる結晶核剤としては、ポ
リアミドの結晶核剤として一般的に使用されるものであ
れば特に制限はないが、例えば、タルク、シリカ、グラ
ファイト、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステ
アリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸エス
テルの部分けん化カルシウム塩などが挙げられる。これ
らは1種または2種以上で用いられる。これらの中で
も、得られるポリアミドの結晶化速度の増大効果が大き
いことから、タルクが好ましい。結晶核剤はポリアミド
との相溶性を向上させる目的で、シランカップラーやチ
タンカップラーで処理されていてもよい。結晶核剤は、
ポリアミドの重合から成形までの任意の段階で添加する
ことができる。結晶核剤の配合量は、ポリアミド100
重量部に対して0.01〜10重量部であり、0.1〜
1重量部であるのが好ましい。結晶核剤の配合量が上記
範囲より少ない場合には、結晶核剤としての効果が弱く
なる。また、結晶核剤の配合量が上記範囲より多い場合
には、結晶化速度向上などの効果の更なる改善が見られ
ない。結晶核剤を上記の範囲内でポリアミドに配合する
場合には、ポリアミドの結晶化速度向上、結晶化度向
上、球晶サイズの微小化に繋がり、その結果、成形サイ
クルの短縮、金型温度の低減、加熱寸法変化の低減、耐
衝撃性の向上など諸性質の改善がみられる。
【0019】本発明に用いられる銅化合物としては、例
えば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、塩化第
二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、燐酸第二銅、ピロリ
ン酸第二銅、硫化銅、硝酸銅、酢酸銅などの有機カルボ
ン酸の銅塩などが挙げられる。これらの銅化合物は1種
または2種以上で使用される。銅化合物の配合量は、ポ
リアミド100重量部に対して、0.01〜1重量部で
あり、好ましくは0.02〜0.5重量部である。銅化
合物の配合量が上記範囲より多い場合には、得られるポ
リアミド組成物の結晶化速度の低下などを引き起こす。
銅化合物を上記の範囲内で配合することにより、ポリア
ミドの熱劣化を抑制することができる。
【0020】本発明で用いられるハロゲン化アルカリ金
属化合物としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウ
ム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウ
ム、塩化カリウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられ、特
にヨウ化カリウムが好ましい。これらのハロゲン化アル
カリ金属化合物は1種または2種以上で使用される。ハ
ロゲン化アルカリ金属化合物の配合量は、ポリアミド1
00重量部に対して0.01〜5重量部であり、好まし
くは0.02〜2重量部である。また、ハロゲン化アル
カリ金属化合物の配合量は、銅化合物100重量部に対
して100〜1000重量部の範囲であるのが好まし
い。ハロゲン化アルカリ金属化合物の配合量が上記範囲
より多い場合には、得られるポリアミド組成物の結晶化
速度の低下などを引き起こす。ハロゲン化アルカリ金属
化合物を上記の範囲内で、銅化合物と併用することによ
り、ポリアミドの熱劣化防止に対して相乗効果を示す。
【0021】本発明の組成物は、有機系安定剤を含有し
ている場合が好ましい。有機系安定剤としては、従来公
知のフェノール系安定剤、アミン系安定剤、チオエーテ
ル系安定剤、リン系安定剤などを挙げることができる。
有機系安定剤は1種単独で、または2種以上を混合して
使用することが可能であるが、特にフェノール系安定剤
とチオエーテル系安定剤またはリン系安定剤の組合わ
せ、アミン系安定剤とチオエーテル系安定剤またはリン
系安定剤の組合わせで使用した場合に効果が大きい。有
機系安定剤の配合量は、前記のポリアミド組成物100
重量部に対して、0.05〜5重量部の範囲が好まし
く、0.1〜3重量部の範囲がより好ましい。
【0022】本発明の組成物は、充填剤を含有している
場合が好ましい。充填剤としては、従来より知られてい
る粉末状、繊維状、クロス状などの各種形態を有する充
填剤を用いることができる。粉末状充填剤としては、例
えば、タルク、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、酸
化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、チタン酸カリウム、
ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ホウ酸アルミニ
ウム、アスベスト、ワラストナイト、チタン酸カリウム
ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、ホウ酸アルミニウ
ムウィスカ、ガラスビーズ、カーボンブラック、グラフ
ァイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレ
ンなどを挙げることができる。粉末状充填剤を使用する
場合には、ポリアミド組成物から得られる成形品は寸法
安定性、耐熱特性、化学的物理的特性、摺動特性などに
優れる。
【0023】繊維状充填剤としては、例えば、ポリパラ
フェニレンテレフアルアミド繊維、ポリメタフェニレン
テレフタルアミド繊維、ポリパラフェニレンイソフタル
アミド繊維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊
維、ジアミノジフェニルエーテルとテレフタル酸または
イソフタル酸からの縮合物から得られる繊維などの全芳
香族ポリアミド繊維、全芳香族液晶ポリエステル繊維、
ビニロン繊維などの有機系の繊維状充填剤;あるいはガ
ラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、ホウ素
繊維などの無機系の繊維状充填剤が挙げられる。このよ
うな繊維状充填剤を使用すると、ポリアミド組成物から
得られる成形品の摺動特性が向上するだけでなく、機械
特性、耐熱特性、化学的物理的特性などが向上するので
好ましい。繊維状充填剤は、平均長が0.05〜50m
mの範囲にあるものが好ましい。特に、平均長が1〜1
0mmの範囲にあるものを用いる場合には、成形性が良
好であり、得られる成形品の摺動特性、耐熱特性、機械
特性が更に向上するので好ましい。繊維状充填剤は、ク
ロス状などに2次加工されていてもよい。
【0024】上記の充填剤は、1種または2種以上の組
合わせで用いることができる。充填剤の配合量は、上記
のポリアミド組成物100重量部に対して0.1〜20
0重量部の範囲であるのが好ましく、0.1〜150重
量部の範囲であるのがより好ましい。充填剤の配合量が
上記の範囲内であれば、得られるポリアミド組成物はポ
リアミドの諸性能を保持したままで、耐熱特性、摺動特
性などに優れる。充填剤はシランカップラーやチタンカ
ップラーなどで処理されていてもよい。
【0025】本発明の組成物には、それが難燃性の要求
される分野で使用される場合、ポリトリブロモスチレ
ン、ポリジブロモスチレン、臭素化ポリフェニレンエー
テルなどの臭素化ポリマー、酸化アンチモン、金属水酸
化物などの難燃剤が配合されているのが好ましい。ま
た、必要に応じて着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯
電防止剤、可塑剤、滑剤などが添加剤として配合されて
いてもよい。
【0026】また、本発明の組成物には、その特性を損
なわない範囲内で、他種ポリマーが配合されていてもよ
い。他種ポリマーとしては、例えば、α−オレフィン重
合体、α−オレフィン共重合体、芳香族ビニル系炭化水
素・共役ジエン共重合体もしくはその水素化物、カルボ
キシル基およびカルボン酸金属塩基を側鎖に有するエチ
レン系重合体、またはこれら重合体のグラフト変性体、
ならびにポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミ
ド、液晶ポリマーなどを挙げることができる。
【0027】上記の銅化合物、ハロゲン化アルカリ金属
化合物、有機系安定剤、充填剤、その他の添加剤、他種
ポリマーをポリアミドに配合する方法としては、重縮合
反応時に添加する方法、ドライブレンドする方法、押出
機を用いた溶融混練による方法などが採用される。
【0028】本発明のポリアミド組成物は、充分な溶融
安定性、結晶加速度、溶融流動性などの良好な成形性を
有しており、射出成形などの方法によりワイヤーハーネ
スコネクターに成形される。
【0029】本発明のワイヤーハーネスコネクターは、
優れた耐熱性、力学特性を有しており、自動車のエンジ
ンルーム内のような過酷な温度条件下でも高い力学強度
を有している。また、加熱や吸水による寸法変化が小さ
いため、反りの発生によるコネクター組込み作業性の悪
化といった問題が著しく改善される。また、靭性が高
く、加熱による靭性の低下も少ないため、コネクターの
耐久性の向上も達成できる。また、本発明に使用される
ポリアミドはPA6−T系ポリアミドに比較して比重が
小さいため、軽量化にも有利である。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものでは
ない。なお、実施例中の極限粘度[η]、比重、吸水率、
吸水寸法変化率、160℃での線膨張係数、引張強度、
200℃での曲げ弾性率、スチーム処理後の強度保持
率、アルコール処理後の強度保持率、IZOD衝撃強度
の測定方法、並びに溶融時アウトガスによる銅箔の着色
評価についての試験方法を以下に示す。
【0031】極限粘度[η]:濃硫酸中にポリアミドを
溶解して、濃度が0.05、0.1、0.2および0.
4dl/gの試料溶液を調製し、30℃における固有粘
度ηinhを測定し、これを濃度0に外挿した値を極限粘
度[η]とした。
【0032】溶融時アウトガスによる銅箔の着色の有
無:ポリアミドのペレット10gを100cc容のフラ
スコに入れ、フラスコの空間部に1cm四方の銅箔を上
部より吊り下げた。次いで、フラスコに50cc/分の
流量で窒素を流しながら、340℃のバスに120分間
漬浸した後、銅箔の着色の有無を目視により評価した
(以下、これを溶融時アウトガス試験という)。着色が
見られない場合を○、一部が着色している場合を△、全
体的に着色している場合を×と評価した。
【0033】比重:ポリアミドを用いてJIS 1号ダ
ンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その試験片を
用いて、水中置換法により比重を測定した。
【0034】引張強度:ポリアミドを用いてJIS 1
号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その試験
片を用いて、JIS K−7113に従って引張強度を
測定した。
【0035】吸水率:ポリアミドを用いて、JIS 1
号ダンベル型試験片を作製し、その試験片を用いて、2
3℃の水中に1日間浸漬したときの重量増加分の、浸漬
前重量に対する割合(%)を測定した。
【0036】吸水寸法変化率:ポリアミドを用いて、4
0mm×100mm×1mmの射出成形片を作製し、M
D方向(金型寸法100mm)について、23℃、50
%RHの条件下、飽和吸水後の寸法の、吸水前の寸法に
対する増加割合(%)を測定した。
【0037】線膨張係数:ポリアミドを用いて、40m
m×100mm×1mmの射出成形片を作製し、その中
心部から一片1mmの立方体状の試験片を切出し、MD
方向の160℃での線膨張係数を、メトラー社製TMA
40を用いて5℃/分の昇温速度で測定した。
【0038】引張強度:ポリアミドを用いてJIS 1
号ダンベル型試験片(厚み3mm)を作製し、その試験
片を用いて、JIS K−7113に従って引張強度を
測定した。
【0039】200℃での曲げ弾性率:ポリアミドを用
いて、127mm×14mm×3mmの試験片を作製
し、その試験片を用いて、ASTM D790に従って
200℃での曲げ弾性率を測定した。
【0040】スチーム処理後の強度保持率:ポリアミド
を用いて、JIS 1号ダンベル型試験片を作製し、そ
の試験片を用いて、耐圧オートクレーブ中で120℃、
2気圧、60時間スチーム処理を行い、処理後の試験片
の引張り強度の、処理前の引張り強度に対する割合
(%)を測定した。
【0041】アルコール処理後の強度保持率:ポリアミ
ドを用いて、JIS 1号ダンベル型試験片を作製し、
その試験片をメタノール中に23℃で1週間浸漬した後
の引張強度の、処理前の引張強度に対する割合(%)を
測定した。
【0042】IZOD衝撃強度:ポリアミドを用いて、
63.5mm×13m×3mmの試験片を作製し、その
試験片を用いて、ASTM D256に従ってIZOD
衝撃強度を測定した。また、この測定を150℃で24
時間、熱風乾燥機で処理した試験片についても行った。
【0043】実施例1 テレフタル酸3272.76g(19.70モル)、
1,9−ノナンジアミン2690.93g(17.00
モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン47
4.87g(3.00モル)、安息香酸73.27g
(0.60モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物6.5
g(原料に対して0.1重量%)および蒸留水2.2リ
ットルを内容積20リットルのオートクレーブに入れ、
窒素置換した。2時間かけて内部温度を210℃に昇温
した。この時、オートクレーブは22kg/cm2まで
昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に
昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気
を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2に保ちながら反
応させた。次に、30分かけて圧力を10kg/cm2
まで下げ、更に1時間反応させて、極限粘度[η]が
0.25dl/gのプレポリマーを得た。これを100
℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで
粉砕した。これを230℃、0.1mmHg下、10時
間固相重合し、極限粘度[η]が1.22dl/gのポ
リアミドを得た。このポリアミド5kgにタルク(PK
P−80 アミノシラン処理品、富士タルク工業株式会
社製)10g、ヨウ化銅2.5g、ヨウ化カリウム20
gをシリンダー温度330℃の2軸押出機を用いて配合
し、ペレットを得た。このペレットを用い、溶融時アウ
トガス試験を行った。得られた結果を表1に示す。上記
方法で得られたペレットを、シリンダー温度330℃、
金型温度140℃で射出成形し、得られた成形品を用い
て、比重、吸水率、吸水寸法変化率、160℃での線膨
張係数、引張強度、200℃での曲げ弾性率、スチーム
処理後の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率、
IZOD衝撃強度を測定した。得られた結果を表1に示
す。
【0044】実施例2 ジアミン成分として1,9−ノナンジアミン3165.
80g(20.00モル)を用いた以外は実施例1と同
様の方法に従って、極限粘度[η]が1.21dl/g
のポリアミドを得た。このポリアミド5kgにタルク
(PKP−80アミノシラン処理品、富士タルク工業株
式会社製)10g、ヨウ化銅2.5g、ヨウ化カリウム
20gをシリンダー温度330℃の2軸押出機を用いて
配合し、ペレットを得た。このペレットを用いて溶融時
アウトガス試験を行った。得られた結果を表1に示す。
上記方法で得られたペレットを、シリンダー温度330
℃、金型温度140℃で射出成形し、得られた成形品を
用いて、得られた成形品を用いて、比重、吸水率、吸水
寸法変化率、160℃での線膨張係数、引張強度、20
0℃での曲げ弾性率、スチーム処理後の強度保持率、ア
ルコール処理後の強度保持率、IZOD衝撃強度を測定
した。得られた結果を表1に示す。
【0045】実施例3 実施例1の方法に従ってポリアミドを製造し、極限粘度
[η]が1.22dl/gのポリアミドを得た。このポ
リアミド5kgにタルク(PKP−80 アミノシラン
処理品、富士タルク工業株式会社製)10g、ヨウ化銅
2.5g、ヨウ化カリウム20g、N,N’−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシ−
ヒドロシンナマミド(Irganox1098、チバ・
ガイギー社製)25gをシリンダー温度330℃の2軸
押出機を用いて配合し、ペレットを得た。このペレット
を用いて溶融時アウトガス試験を行った。得られた結果
を表1に示す。上記方法で得られたペレットを、シリン
ダー温度330℃、金型温度140℃で射出成形し、得
られた成形品を用いて、得られた成形品を用いて、比
重、吸水率、吸水寸法変化率、160℃での線膨張係
数、引張強度、200℃での曲げ弾性率、スチーム処理
後の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率、IZ
OD衝撃強度を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0046】実施例4 実施例1の方法に従ってポリアミドを製造し、極限粘度
[η]が1.22dl/gのポリアミドを得た。このポ
リアミド5kgにタルク(PKP−80 アミノシラン
処理品、富士タルク工業株式会社製)10g、ヨウ化銅
2.5g、ヨウ化カリウム20g、N,N’−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシ−
ヒドロシンナマミド(Irganox1098、チバ・
ガイギー社製)12.5g、テトラキス(2,4−ジt
−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンフォスフ
ォナイト(P−EPQ、サンド社)12.5gをシリン
ダー温度330℃の2軸押出機を用いて配合し、ペレッ
トを得た。このペレットを用いて溶融時アウトガス試験
を行った。得られた結果を表1に示す。上記方法で得ら
れたペレットを、シリンダー温度330℃、金型温度1
40℃で射出成形し、得られた成形品を用いて、得られ
た成形品を用いて、比重、吸水率、吸水寸法変化率、1
60℃での線膨張係数、引張強度、200℃での曲げ弾
性率、スチーム処理後の強度保持率、アルコール処理後
の強度保持率、IZOD衝撃強度を測定した。得られた
結果を表1に示す。
【0047】実施例5 実施例1の方法に従ってポリアミドを製造し、極限粘度
[η]が1.22dl/gのポリアミドを得た。このポ
リアミド5kgにタルク(PKP−80 アミノシラン
処理品、富士タルク工業株式会社製)10g、ヨウ化銅
2.5g、ヨウ化カリウム20g、ガラス繊維(354
0、PPG社製)2.5kgをシリンダー温度330℃
の2軸押出機を用いて配合し、ペレットを得た。このペ
レットを用いて溶融時アウトガス試験を行った。得られ
た結果を表1に示す。上記方法で得られたペレットを、
シリンダー温度330℃、金型温度140℃で射出成形
し、得られた成形品を用いて、得られた成形品を用い
て、比重、吸水率、吸水寸法変化率、160℃での線膨
張係数、引張強度、200℃での曲げ弾性率、スチーム
処理後の強度保持率、アルコール処理後の強度保持率、
IZOD衝撃強度を測定した。得られた結果を表1に示
す。
【0048】
【表1】
【0049】表1中の各記号を以下に説明する。 1)TA:テレフタル酸 NMDA:1,9−ノナンジアミン MODA:2−メチル−1,8−オクタンジアミン 2)Irganox1098:N,N’−ヘキサメチレ
ンビス(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒド
ロシンナマミド)(チバ・ガイギー社製) P−EPQ:テトラキス(2,4−ジt−ブチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンフォスフォナイト(サン
ド社)
【0050】比較例1 実施例1の方法に従ってポリアミドを製造し、極限粘度
[η]が1.22dl/gのポリアミドを得た。このポ
リアミド5kgにヨウ化銅2.5g、ヨウ化カリウム2
0gをシリンダー温度330℃の2軸押出機を用いて配
合し、ペレットを得た。このペレットを用い、溶融時ア
ウトガス試験を行った。得られた結果を表2に示す。上
記方法で得られたペレットを、シリンダー温度330
℃、金型温度140℃で射出成形し、得られた成形品を
用いて、得られた成形品を用いて、比重、吸水率、吸水
寸法変化率、160℃での線膨張係数、引張強度、20
0℃での曲げ弾性率、スチーム処理後の強度保持率、ア
ルコール処理後の強度保持率、IZOD衝撃強度を測定
した。得られた結果を表2に示す。
【0051】比較例2 実施例1の方法に従ってポリアミドを製造し、極限粘度
[η]が1.21dl/gのポリアミドを得た。このポ
リアミド5kgにタルク(PKP−80 アミノシラン
処理品、富士タルク工業株式会社製)10gをシリンダ
ー温度330℃の2軸押出機を用いて配合し、ペレット
を得た。このペレットを用い、溶融時アウトガス試験を
行った。得られた結果を表2に示す。上記方法で得られ
たペレットを、シリンダー温度330℃、金型温度14
0℃で射出成形し、得られた成形品を用いて、得られた
成形品を用いて、比重、吸水率、吸水寸法変化率、16
0℃での線膨張係数、引張強度、200℃での曲げ弾性
率、スチーム処理後の強度保持率、アルコール処理後の
強度保持率、IZOD衝撃強度を測定した。得られた結
果を表2に示す。
【0052】比較例3 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を2290.9g
(13.79モル)、イソフタル酸を981.8g
(5.91モル)、ジアミン成分として1,6−ヘキサ
ンジアミンを2324.2g(20.00モル)、また
次亜リン酸ナトリウム一水和物を5.7g用いた以外は
実施例1と同様の方法に従って、極限粘度[η]が1.
00dl/gのポリアミドを得た。このポリアミド5k
gにタルク(PKP−80 アミノシラン処理品、富士
タルク工業株式会社製)10g、ヨウ化銅2.5g、ヨ
ウ化カリウム20gをシリンダー温度330℃の2軸押
出機を用いて配合し、ペレットを得た。このペレットを
用いて溶融時アウトガス試験を行った。得られた結果を
表2に示す。上記方法で得られたペレットを、シリンダ
ー温度330℃、金型温度140℃で射出成形し、得ら
れた成形品を用いて、得られた成形品を用いて、比重、
吸水率、吸水寸法変化率、160℃での線膨張係数、引
張強度、200℃での曲げ弾性率、スチーム処理後の強
度保持率、アルコール処理後の強度保持率、IZOD衝
撃強度を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0053】比較例4 比較例3の方法に従って、極限粘度[η]が1.00dl
/gのポリアミドを得た。また、エチレン含量が30モ
ル%であり、ASTM−D−1238により測定したメ
ルトフローレートが0.5g/10分であるエチレン・
プロピレンブロック共重合体に、このブロック共重合体
100重量部に対して無水マレイン酸1重量部を配合し
て溶融状態でグラフト変性反応を行うことによりグラフ
ト変性エチレン・プロピレンブロック共重合体を得た。
上記のポリアミド5kgに、上記のグラフト変性エチレ
ン・プロピレンブロック共重合体2.5kg、タルク
(PKP−80 アミノシラン処理品、富士タルク工業
株式会社製)10g、ヨウ化銅2.5g、ヨウ化カリウ
ム20gをシリンダー温度330℃の2軸押出機を用い
て配合し、ペレットを得た。得られたペレットを用いて
溶融時アウトガス試験を行った。得られた結果を表2に
示す。上記方法で得られたペレットを、シリンダー温度
330℃、金型温度140℃で射出成形し、得られた成
形品を用いて、得られた成形品を用いて、比重、吸水
率、吸水寸法変化率、160℃での線膨張係数、引張強
度、200℃での曲げ弾性率、スチーム処理後の強度保
持率、アルコール処理後の強度保持率、IZOD衝撃強
度を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2中の各記号を以下に説明する。 1)TA、NMDAおよびMODAは上記説明のとおり IA:イソフタル酸 HMDA:1,6−ヘキサンジアミン 2)PO:グラフト変性エチレン・プロピレンブロック
共重合体
【0056】
【発明の効果】本発明のポリアミド組成物は、優れた耐
熱性、力学特性、低吸水性、寸法安定性、耐薬品性、溶
融安定性を有するとともに、靭性、軽量性にも優れ、特
にワイヤーハーネスコネクターに好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/098 C08K 5/098 H01R 13/46 301 H01R 13/46 301B Fターム(参考) 4J002 CL031 DA026 DD058 DD077 DD088 DE076 DE146 DF037 DG057 DH037 DJ016 DJ046 EG036 EG046 EG047 FD030 FD206 GN00 5E087 EE11 KK04 KK06 RR01 RR06 RR07 RR47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸を60〜100モル%含有
    するジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンおよ
    び/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンを6
    0〜100モル%含有するジアミン成分とからなるポリ
    アミド100重量部に対し、結晶核剤0.01〜10重
    量部、銅化合物0.01〜1重量部およびハロゲン化ア
    ルカリ金属化合物0.01〜5重量部を配合してなるポ
    リアミド組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリアミド組成物100
    重量部に対し、有機系安定剤0.05〜5重量部を配合
    してなるポリアミド組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリアミド組
    成物100重量部に対し、充填剤を0.1〜200重量
    部配合してなるポリアミド組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
    リアミド組成物からなるワイヤーハーネスコネクター。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004091778A (ja) * 2002-08-12 2004-03-25 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法
WO2017110323A1 (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 宇部興産株式会社 ポリアミド樹脂組成物、及びそれからなる成形品

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