JP2000198193A - インクジェット式記録ヘッドの動作方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッドの動作方法

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JP2000198193A JP198499A JP198499A JP2000198193A JP 2000198193 A JP2000198193 A JP 2000198193A JP 198499 A JP198499 A JP 198499A JP 198499 A JP198499 A JP 198499A JP 2000198193 A JP2000198193 A JP 2000198193A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結露等による圧電振動子の誤作動を確実に防止
することができるインクジェット式記録ヘッドの動作方
法を提供する。 【解決手段】圧力室と、上記圧力室に圧力を発生させる
圧電振動子とを備えたインクジェット式記録ヘッドを動
作させる方法であって、印刷開始前に、上記圧電振動子
を少なくとも周辺の温度より高い温度に加熱するように
したことにより、結露等による圧電振動子の誤作動を防
止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たわみ振動モード
の圧電振動子が取り付けられたインクジェット式記録ヘ
ッドの動作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、たわみ振動モードの圧電振動子
が取り付けられたインクジェット式記録ヘッド(以下
「記録ヘッド」という)は、図11および図12に示す
ように、複数の圧力発生室2が形成されたアクチュエー
タユニット1と、ノズル開口3およびインク貯留室4が
形成され上記アクチュエータユニット1の下面に貼着さ
れた流路ユニット5と、上記アクチュエータユニット1
の上面に貼着された圧電振動子6とを備え、上記圧電振
動子6の振動により圧力発生室2に圧力を発生させ、ノ
ズル開口3からインク滴を吐出させるようになってい
る。
【0003】上記アクチュエータユニット1は、圧力発
生室2を形成する空間が形成された圧力室形成基板10
と、この圧力室形成基板10の上面に位置して上記空間
の上面開口を塞ぐ振動板11と、上記圧力室形成基板1
0の下面に位置する蓋部材14とから構成されている。
この蓋部材14には、インク貯留室4と圧力発生室2を
連通させる第1インク流路12と、圧力発生室2とノズ
ル開口3を連通させる第2インク流路13とが形成され
ている。
【0004】上記流路ユニット5は、インク貯留室4を
形成する空間が形成された貯留室形成基板16と、ノズ
ル開口3が穿設され、上記貯留室形成基板16の下面に
位置するノズルプレート17と、上記貯留室形成基板1
6の上面に位置する供給口形成板18とから構成されて
いる。上記貯留室形成基板16には、ノズル開口3に連
通するノズル連通口9が形成されている。また、上記供
給口形成板18には、インク貯留室4から第1インク流
路12を介して圧力発生室2にインクを供給するインク
供給口15が穿設されるとともに、圧力発生室2および
第2インク流路13とノズル連通口9ならびにノズル開
口3とを連通させる連通口8が形成されている。図11
において、24はインクカートリッジ(図示せず)から
インク貯留室4にインクを補給するインク補給口であ
る。
【0005】上記アクチュエータユニット1の振動板1
1の上面には、図13に示すように、櫛歯状の下部電極
19が形成されている(図11には下部電極19は示し
ていない)。この下部電極19の各櫛歯部19aは、そ
れぞれ圧力発生室2の上部を覆う部分に形成されてい
る。そして、上記下部電極19の各櫛歯部19a上面
に、それぞれ平板状の圧電振動子6が形成され、上記圧
電振動子6の上面には、上部電極20が形成されている
(図11および図12参照)。
【0006】また、上記アクチュエータユニット1の上
面両端部には、各圧電振動子6の上部電極20に導通す
る端子21が形成されている。上記端子21上面は、圧
電振動子6上面よりも高く形成されている。そして、上
記端子21の上面には、フレキシブル回路板22が張設
され、端子21および上部電極20を介して圧電振動子
6に駆動信号を印加するようになっている。
【0007】上記記録ヘッドにおいて、圧電振動子6に
駆動信号が印加されると、図14に示すように、圧電振
動子6が横方向に収縮する。このとき、圧電振動子6の
振動板11に固定された下面側は収縮せず、上面側だけ
が収縮するため、あたかもバイメタルのように圧電振動
子6および振動板11が下方にたわみ、圧力発生室2を
圧縮する。そして、圧力発生室2内の圧力上昇により、
圧力発生室2内のインクがノズル開口3からインク滴2
3として吐出され、記録紙等にドットが形成されて印刷
が行われる。ついで、圧電振動子6が放電されて元の状
態に戻ると、圧力発生室2内が減圧され、インク貯留室
4からインク供給口15を通して圧力発生室2へ新しい
インクが供給される。
【0008】上記圧電振動子6は、一種のコンデンサで
あるため、圧電振動子や回路中の漏れ電流の影響によ
り、図15(a)に示すように、駆動信号S1と駆動信
号S2との間で、中間電圧Vmが徐々に降下する現象が
生じる。このため、降下した中間電圧を元に戻すため、
図15(b)に示すように、一定のタイミング(図示の
t)で電位を強制的に戻す信号を与えることが行われて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記記
録ヘッドでは、その構造上、平板状で薄い圧電振動子6
が上部電極20と下部電極19に挟まれていることか
ら、圧電振動子6が高い湿気にさらされて結露等が起こ
ると、圧電振動子6の上部電極20と下部電極19間の
抵抗値が低下して中間電圧Vmの降下が激しくなる。こ
の状態で、電圧を戻す信号を与えると、図15(c)に
示すように、電位が戻る時の電圧上昇が大きくなり、印
刷時の駆動信号S1,S2とは無関係に圧電振動子6が
大きく振動し、インク滴23が吐出してしまう誤作動が
生じるおそれがある。このような誤作動が生じると、イ
ンク滴23が、本来吐出してはならないときに吐出して
しまい、記録紙のまったく不必要な場所にドットが形成
され、印刷品質を著しく劣化させてしまうという、イン
クジェット式記録装置として致命的なトラブルになる。
【0010】さらに、最近では、インクジェット式記録
装置の高機能化,低価格化により、低電圧で振動板11
に有効な振動を与えるため、圧電振動子6自体の厚みを
一層薄くする傾向にある。このような装置では、湿気等
による結露等が生じたときの圧電振動子6の特性変動が
大きく、極めて湿気等の影響を受けやすくなる。このよ
うな状況のなか、結露等による圧電振動子の誤作動を確
実に防止するインクジェット式記録ヘッドの動作方法の
開発が強く望まれていた。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、結露等による圧電振動子の誤作動を確実に防止
することができるインクジェット式記録ヘッドの動作方
法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェット式記録ヘッドの動作方法
は、圧力室と、上記圧力室に圧力を発生させる圧電振動
子とを備えたインクジェット式記録ヘッドを動作させる
方法であって、印刷開始前に、上記圧電振動子を少なく
とも周辺の温度より高い温度に加熱するようにしたこと
を要旨とする。
【0013】すなわち、本発明のインクジェット式記録
ヘッドの動作方法は、印刷開始前に、圧電振動子を少な
くとも周辺の温度より高い温度に加熱するようにしてい
る。このため、圧電振動子が高い湿気にさらされたとし
ても、圧電振動子が周辺の温度より高い温度に加熱され
ることにより、結露等が生じることがほとんどなくな
る。したがって、圧電振動子の上部電極と下部電極間の
抵抗値が極端に低下することもなくなるため、中間電圧
Vmの降下も微小になり、電圧を戻す信号を与えたとし
ても、電位が戻る時の電圧上昇が小さい。このため、印
刷の駆動信号と無関係にインク滴が吐出してしまう誤作
動を確実に防止することができ、高い印刷品質を確保す
ることができる。
【0014】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、周辺の湿度が設定値以上になったとき
に圧電振動子を加熱するようにした場合や、周辺の温度
が設定値以上になったときに圧電振動子を加熱するよう
にした場合には、結露の危険性が高い環境になったとき
に、圧電振動子を加熱して結露等を確実に防止すること
により、記録ヘッドの誤作動を確実に防止できるように
なる。
【0015】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、周辺の温度が設定値以上になったとき
に圧電振動子を加熱するようにした場合には、圧電振動
子近傍の温度環境が結露の危険性が高くなったときに、
圧電振動子を加熱して結露等を防止することにより、記
録ヘッドの誤作動を確実に防止できるようになる。
【0016】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、記録ヘッドを備えた装置に電源が投入
されるときに圧電振動子を加熱するようにした場合に
は、電源が投入された使用開始直前に圧電振動子を加熱
して結露等を防止することにより、記録ヘッドの誤作動
を確実に防止できるようになる。
【0017】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、記録ヘッドに印刷信号が入力されたと
きに圧電振動子を加熱するようにした場合には、印刷信
号が入力された印刷直前に圧電振動子を加熱して結露等
を防止することにより、記録ヘッドの誤作動を確実に防
止できるようになる。
【0018】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、記録ヘッドが、圧電振動子のいずれか
一面に形成された電極板の一部が分断され、加熱手段が
上記分断箇所を接続する高抵抗部材からなるものである
場合には、電極板に電気を導通させるだけで高抵抗部材
が発熱し、圧電振動子を至近距離から容易に加熱するこ
とができるため、装置が複雑化しないうえ、短時間で圧
電振動子を加熱することができる。しかも、電極板の一
部に加熱手段が設けられることになり、わざわざ加熱手
段を取り付けるスペースを設ける必要がなく、装置が大
型化しない。
【0019】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、印刷時には分断された電極板の間を同
電位に保ち、圧電振動子を加熱する際に分断された電極
板に電位差を設けて高抵抗部材を発熱させるようにした
場合には、印刷時には、分断された電極板の間で電位差
が生じないことから、印刷の制御操作が複雑化しない。
【0020】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0021】図1は、本発明が適用されるインクジェッ
ト式記録装置の構成説明図であり、図2は、上記装置に
使用されるインクジェット式記録ヘッド31の要部を示
す図である。
【0022】上記記録ヘッド31は、基本的には図11
〜図13に示すものと同様であり、同様の部分には同じ
符号を付している。この記録ヘッド31は、下部電極1
9の櫛歯状の連続部19bの長手方向略中央が分断さ
れ、この分断部分に高抵抗部材(ヒータ)30が設けら
れている。そして、図3に示すように、上記下部電極1
9の両端19c同士は、印刷時等の通常時は同電位(こ
の例ではGND)に保持され、必要な時にヒータ制御手
段33により電位差が設けられて電気が導通される。こ
れにより、上記下部電極19の両端19cに電気を導通
させたとき、上記ヒータ30が発熱して圧電振動子6が
加熱されるようになっている。
【0023】上記装置において、39は上記記録ヘッド
31が搭載されたキャリッジであり、印刷時に記録ヘッ
ド31を記録紙幅方向に走査させる。34はキャリッジ
制御手段であり、モータ35を制御してキャリッジ39
を動作させる。36は印刷制御手段であり、ホスト(図
示せず)からの印刷信号に基づいてビットマップデータ
を作成し、キャリッジ制御手段34を制御するととも
に、ヘッド駆動手段32により印刷データに対応するよ
う記録ヘッド31からインク滴を吐出させる。
【0024】37は周辺の温度を検知する第1温度検知
手段、38は周辺の湿度を検知する湿度検知手段38で
ある。そして、33はヒータ制御手段であり、第1温度
検知手段37および湿度検知手段38で検知した温度お
よび湿度が設定値以上であった場合に、ヒータ30に電
気を導通させてヒータ30を発熱させるものである。
【0025】本発明では、上記構成のインクジェット式
記録ヘッドにおいて、つぎのようにして記録ヘッド31
を動作させる。すなわち、図4のフローチャトに示すよ
うに、まず、第1温度検知手段37で記録ヘッド31周
辺の温度を検知する(ステップ1:図において「S1」
と略記、以下同じ)。ついで、検知した温度が設定値以
上であれば、続いて湿度検知手段38により記録ヘッド
31周辺の湿度を検知する(S2〜S3)。そして、検
知した湿度が設定値以上であればヒータ30に電気を導
通させ、ヒータ30を発熱させる(S4〜S5)。この
ヒータ30の発熱により、圧電振動子6が周辺の温度よ
りも高い温度に加熱されて結露等が防止される。そのの
ち、印刷が開始される(S6)。
【0026】ここで、上記ヒータ30に印可する電圧と
しては、抗電界(圧電振動子が消極する限界の電界)よ
りも低い電圧に設定するのが望ましい。すなわち、一般
に、圧電振動子は、ある方向に電界をかける分極という
処理を行うことにより圧電効果を発揮するようになる
が、分極した方向と反対の方向に一定以上の電界をかけ
ると、分極した圧電振動子が消極してしまい、圧電振動
子として機能しなくなってしまう。そして、上記記録ヘ
ッド31において、分断された下部電極19の両端19
c同士に電位差を設けてヒータ30を発熱させる際に、
あまりに高電圧を印加すると、圧電振動子6が分極を起
こすおそれが生じる。そこで、ヒータ30に印可する電
圧を、抗電界よりも低い電圧に設定することにより、圧
電振動子6の分極を防止することができる。
【0027】上記抗電界は、材料特性や製造条件によっ
て異なり、一定の値をとるものではないが、例えば、印
刷信号が20〜30V/t12μm(圧電振動子の厚
み、以下同じ)のとき、抗電界は約10V/t12μm
程度となる。したがって、ヒータ30に印加する電圧と
しては、例えば、抗電界の半分程度の約5V程度に設定
することが好適である。
【0028】また、圧電振動子6の消極を防止する他の
手法として、下部電極19の両端19cに電圧を印加し
てヒータ30を発熱させる際、上部電極20に、下部電
極19の両端19cに印加した電圧と略等しい電圧を印
加することを行うこともできる。このようにすることに
より、圧電振動子6の分極方向と反対方向にかかる電界
が極めて小さくてすみ、圧電振動子の消極を防止でき
る。
【0029】このように、上記記録ヘッド31の動作方
法では、結露が生じる危険性が高い温湿度環境になった
ときにヒータ30を加熱することにより、圧電振動子6
を加熱して結露等を有効に防止する。したがって、圧電
振動子6の上部電極20と下部電極19間の抵抗値が極
端に低下することがなくなるため、中間電圧Vmの降下
も微小になり、電圧を戻す信号を与えたとしても、電位
が戻る時の電圧上昇が小さい。このため、印刷信号と無
関係にインク滴23が吐出してしまう記録ヘッド31の
誤作動を確実に防止することができる。
【0030】なお、上記実施の形態において、ヒータ3
0を発熱させる際、周辺の温度ならびに湿度の設定値
は、結露等が生じやすくなる温度もしくは湿度に設定す
ればよい。例えば、温度の設定値を30℃に湿度の設定
値を80%RHに設定することができるが、これに限定
する趣旨ではない。また、上記実施の形態では、温度お
よび湿度がいずれも設定値を以上になった場合にヒータ
30を発熱させて圧電振動子6を加熱するようにした
が、これに限定するものではなく、温度もしくは湿度の
いずれか一方が設定値以上になった場合にヒータ30を
発熱させて圧電振動子6を加熱するようにしてもよい。
これらの場合にも同様の作用効果を奏する。
【0031】また、ヒータ30および圧電振動子6の加
熱温度は、少なくとも周辺の温度より高い温度で結露等
が生じなければ特に限定するものではない。さらに、加
熱時間も、結露等が生じなくなる時間であれば、特に限
定するものではない。
【0032】図5は、本発明の第2の実施の形態が適用
されるインクジェット式記録装置の構成説明図である。
この装置では、圧電振動子6近傍の温度を検知する第1
温度検知手段37以外に、第2温度検知手段41を有し
ている。この第2温度検知手段41は、例えば、アクチ
ュエータユニット1上にサーミスター素子や熱電対を設
けることにより形成することができる。それ以外は、図
1に示すものと同様であり、同様の部分には同じ符号を
付している。
【0033】本発明では、上記構成の装置において、つ
ぎのようにして記録ヘッド31を動作させる。すなわ
ち、図6のフローチャトに示すように、まず、第1温度
検知手段37で記録ヘッド31周辺の温度を検知し(S
1)、検知した温度が設定値以上であれば、湿度検知手
段38により記録ヘッド31周辺の湿度を検知する(S
2〜S3)。そして、検知した湿度が設定値以上であれ
ば、さらに第2温度検知手段41で圧電振動子6近傍の
温度を検知し(S5)、検知した温度T2が第1温度検
知手段37で検知した温度T1よりも低ければ、ヒータ
30に電気を導通させ、ヒータ30を発熱させる(S6
〜S7)。このヒータ30の発熱により、圧電振動子6
が周辺の温度よりも高い温度に加熱されて結露等が防止
される。そののち、印刷が開始される(S8)。
【0034】上記記録ヘッド31の動作方法では、圧電
振動子6近傍の温度環境が結露の危険性が高くなったと
きに、圧電振動子6を加熱して結露等を防止することに
より、記録ヘッド31の誤作動を確実に防止できるよう
になる。それ以外は、上記図1に示すものと同様の作用
効果を奏する。
【0035】図7は、本発明の第3の実施の形態が適用
されるインクジェット式記録装置の構成説明図である。
上記装置では、第1温度検知手段37や湿度検知手段3
8を備えておらず、電源部40からの電源投入信号を印
刷制御手段36で検知し、この検知信号に基づいて、装
置に電源が投入されたときにヒータ制御手段33により
ヒータ30を発熱させて圧電振動子6を加熱するように
なっている。また、印刷制御手段36からの印刷信号が
ヘッド駆動手段32に入力されるときにヒータ制御手段
33によりヒータ30を発熱させて圧電振動子6を加熱
するようになっている。それ以外は、図1に示すものと
同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0036】本発明では、上記構成のインクジェット式
記録ヘッドにおいて、つぎのようにして記録ヘッド31
を動作させる。すなわち、図8のフローチャトに示すよ
うに、まず、電源スイッチが操作され、電源部40に電
源が投入されると、ヒータ30に電気を導通させ、ヒー
タ30を発熱させる(S1〜S2)。このヒータ30の
発熱により、圧電振動子6が周辺の温度よりも高い温度
に加熱されて結露等が防止される。また、印刷制御手段
36に印刷信号が入力されると、ヒータ30に電気を導
通させ、ヒータ30を発熱させる(S3〜S4)。その
のち、印刷が開始される(S5)。このように、電源投
入時だけでなく、印刷信号の入力時にもヒータ30を発
熱させることにより、電源投入から長時間が経過してか
ら印刷をする際にも結露等を防止し、記録ヘッド31の
誤作動を確実に防止できる。それ以外は、第1の実施の
形態と同様であり、同様の作用効果を奏する。
【0037】図9は、本発明が適用されるインクジェッ
ト式記録ヘッドの他の形態を示す図である。このもの
は、櫛歯状の下部電極19の連続部19bの2箇所が分
断され、それぞれの分断部分にヒータ30が設けられて
いる。このように、ヒータ30の数を増やすことによ
り、加熱時間が短縮され、印刷実行までの時間が短縮さ
れる。それ以外は、図2に示すものと同様であり、同様
の作用効果を奏する。
【0038】図10は、本発明が適用される記録ヘッド
の他の形態を示す断面図である。
【0039】上記記録ヘッド31aでは、圧電振動子6
aとして縦振動横効果のPZTが用いられている。上記
記録ヘッド31aは、合成樹脂製の基台51と、この基
台51の前面(図の左側)に貼着された流路ユニット5
2とを備えている。そして、この流路ユニット52は、
ノズル開口58が穿設されたノズルプレート55と、振
動板56と、流路形成板57とから構成されている。
【0040】上記基台51は、前面と背面に開放された
収容空間54が設けられたブロック状部材である。上記
収容空間54には、固定基板50に固定された圧電振動
子6aが収容されている。
【0041】上記ノズルプレート55は、多数のノズル
開口58が穿設された薄い板状部材である。振動板56
は、圧電振動子6aが当接する厚肉のアイランド部59
と、このアイランド部29の周囲を囲うように設けられ
弾性を有する薄肉部60とを備えた板状部材である。上
記アイランド部59は、一のノズル開口58に一のアイ
ランド部59が対応するように、所定ピッチで設けられ
ている。流路形成板57は、圧力発生室61、インク室
62、およびこれらの圧力発生室61とインク室62と
を連通するインク供給路63を形成するための空間が設
けられている。そして、ノズルプレート55を流路形成
板57の前面に配設するとともに、振動板56を背面側
に配設し、ノズルプレート55と振動板56とにより流
路形成板57を挟んだ状態で、接着等により一体化され
て流路ユニット52が形成されている。
【0042】上記圧電振動子6aの先端は、アイランド
部59に背面側から当接され、この当接状態で圧電振動
子6aが基台51に固定されている。また、この圧電振
動子6aには、フレキシブルケーブル53を介して駆動
信号や印字データ等が供給されるようになっている。
【0043】そして、上記圧電振動子6aは、充電され
ると収縮し、放電すると伸長するようになっている。し
たがって、上記構成の記録ヘッド31aでは、充電され
ることにより圧電振動子6aは収縮し、この収縮に伴っ
てアイランド部59が後方に引き戻され、収縮した圧力
発生室61が膨張する。この膨張に伴ってインク室62
のインクがインク供給路63を通って圧力発生室61内
に流入する。一方、放電することにより圧電振動子6a
は前方に向けて伸長し、弾性板のアイランド部59が前
方に押されて圧力発生室61が収縮する。この収縮に伴
って圧力発生室61におけるインク圧力が高くなる。
【0044】このように、上記記録ヘッド31aでは、
圧電振動子6aの充放電による電圧レベルと、圧力発生
室61が膨張収縮する方向との関係が、上記各実施の形
態が適用された記録ヘッド31とはまったく逆になって
いる。この記録ヘッド31aでは、上記第1〜第4の実
施の形態が適用された記録ヘッド31とはまったく逆の
駆動信号および駆動波形が用いられる。すなわち、上記
第1〜第4の実施の形態では、圧力発生室2へのインク
の充填は電圧を下降させ、インク滴の吐出は電圧を上昇
させる波形を用いたが、この記録ヘッド31aでは、圧
力発生室61へのインクの充填は電圧を上昇させ、イン
ク滴の吐出は電圧を下降させる波形を用いる。
【0045】ここで、上記圧電振動子6aは、薄板状の
圧電部材42と電極板43とが複数層積層されて構成さ
れている。この圧電振動子6aでも、高温高湿の環境下
で電極板43間の抵抗値が低下することによる記録ヘッ
ド31aの誤作動が生じるおそれがあることは、上記各
実施の形態と同様である。したがって、この記録ヘッド
31aの場合でも、印刷開始前に圧電振動子6aを周囲
の温度よりも高い温度に加熱することにより、記録ヘッ
ド31aの誤作動を防止できることは、上記第1〜第4
の実施の形態と同様であり、同様の作用効果を奏する。
【0046】なお、上記各実施の形態において、ヒータ
30に用いられる高抵抗部材の材質としては、特に限定
するものではなく、ニッケルクロム,銀−クロム合金,
白金,モリブデン,タングステン,炭化珪素,酸化タン
タル,コンスタンタン,マンガニン,チタン酸バリウム
等各種の材料が用いられる。これらのなかでも、チタン
酸バリウムは、温度の上昇に伴い抵抗値が上昇し、材料
によって決定されるある一定の臨海温度に達すると急激
に抵抗値が上昇する性質を有している。したがって、臨
界温度でヒータ30に流れる電流が極小になり、それ以
上発熱しなくなるため、アクチュエータユニット1や圧
電振動子6等の精密部の熱による劣化や損傷を未然に防
ぐという効果を奏する。
【0047】また、電源投入時や印刷信号入力時にヒー
タ30を発熱させて圧電振動子6を加熱する方法と、検
知した温湿度によりヒータ30を発熱させて圧電振動子
6を加熱する方法とを併用することも可能である。これ
らの場合でも、同様の作用効果を奏する。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明のインクジェット
式記録ヘッドの動作方法によれば、圧電振動子が高い湿
気にさらされたとしても、圧電振動子が周辺の温度より
高い温度に加熱されることにより、結露等が生じること
がほとんどなくなる。したがって、圧電振動子の上部電
極と下部電極間の抵抗値が極端に低下することもなくな
るため、中間電圧Vmの降下も微小になり、電圧を戻す
信号を与えたとしても、電位が戻る時の電圧上昇が小さ
い。このため、印刷の駆動信号と無関係にインク滴が吐
出してしまう誤作動を確実に防止することができ、高い
印刷品質を確保することができる。
【0049】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、周辺の湿度が設定値以上になったとき
に圧電振動子を加熱するようにした場合や、周辺の温度
が設定値以上になったときに圧電振動子を加熱するよう
にした場合には、結露の危険性が高い環境になったとき
に、圧電振動子を加熱して結露等を確実に防止すること
により、記録ヘッドの誤作動を確実に防止できるように
なる。
【0050】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、周辺の温度が設定値以上になったとき
に圧電振動子を加熱するようにした場合には、圧電振動
子近傍の温度環境が結露の危険性が高くなったときに、
圧電振動子を加熱して結露等を防止することにより、記
録ヘッドの誤作動を確実に防止できるようになる。
【0051】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、記録ヘッドを備えた装置に電源が投入
されるときに圧電振動子を加熱するようにした場合に
は、電源が投入された使用開始直前に圧電振動子を加熱
して結露等を防止することにより、記録ヘッドの誤作動
を確実に防止できるようになる。
【0052】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、記録ヘッドに印刷信号が入力されたと
きに圧電振動子を加熱するようにした場合には、印刷信
号が入力された印刷直前に圧電振動子を加熱して結露等
を防止することにより、記録ヘッドの誤作動を確実に防
止できるようになる。
【0053】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、記録ヘッドが、圧電振動子のいずれか
一面に形成された電極板の一部が分断され、加熱手段が
上記分断箇所を接続する高抵抗部材からなるものである
場合には、電極板に電気を導通させるだけで高抵抗部材
が発熱し、圧電振動子を至近距離から容易に加熱するこ
とができるため、装置が複雑化しないうえ、短時間で圧
電振動子を加熱することができる。しかも、電極板の一
部に加熱手段が設けられることになり、わざわざ加熱手
段を取り付けるスペースを設ける必要がなく、装置が大
型化しない。
【0054】本発明のインクジェット式記録ヘッドの動
作方法において、印刷時には分断された電極板の間を同
電位に保ち、圧電振動子を加熱する際に分断された電極
板に電位差を設けて高抵抗部材を発熱させるようにした
場合には、印刷時には、分断された電極板の間で電位差
が生じないことから、印刷の制御操作が複雑化しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態が適用されるインクジェ
ット式記録装置の構成説明図である。
【図2】上記装置に用いられるインクジェット式記録ヘ
ッドの要部を示す説明図である。
【図3】上記インクジェット式記録ヘッドの回路を説明
する図である。
【図4】上記インクジェット式記録ヘッドの動作を示す
フローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態が適用されるインク
ジェット式記録装置の構成説明図である。
【図6】上記装置に用いられるインクジェット式記録ヘ
ッドの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態が適用されるインク
ジェット式記録装置の構成説明図である。
【図8】上記装置に用いられるインクジェット式記録ヘ
ッドの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明が適用されるインクジェット式記録ヘッ
ドの他の形態の要部を示す説明図である。
【図10】本発明が適用されるインクジェット式記録ヘ
ッドの他の形態を示す断面図である。
【図11】従来のインクジェット式記録ヘッドを示す分
解斜視図である。
【図12】上記インクジェット式記録ヘッドを示す断面
図である。
【図13】上記インクジェット式記録ヘッドの下部電極
を示す説明図である。
【図14】上記インクジェット式記録ヘッドの作用を示
す断面図である。
【図15】上記インクジェット式記録ヘッドの作用を説
明する線図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力室と、上記圧力室に圧力を発生させ
    る圧電振動子とを備えたインクジェット式記録ヘッドを
    動作させる方法であって、印刷開始前に、上記圧電振動
    子を少なくとも周辺の温度より高い温度に加熱するよう
    にしたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの
    動作方法。
  2. 【請求項2】 周辺の湿度が設定値以上になったときに
    圧電振動子を加熱するようにした請求項1記載のインク
    ジェット式記録ヘッドの動作方法。
  3. 【請求項3】 周辺の温度が設定値以上になったときに
    圧電振動子を加熱するようにした請求項1または2記載
    のインクジェット式記録ヘッドの動作方法。
  4. 【請求項4】 圧電振動子近傍の温度が設定値以上であ
    るときに圧電振動子を加熱するようにした請求項1〜3
    のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドの
    動作方法。
  5. 【請求項5】 記録ヘッドを備えた装置に電源が投入さ
    れるときに圧電振動子を加熱するようにした請求項1〜
    4のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘッド
    の動作方法。
  6. 【請求項6】 記録ヘッドに印刷信号が入力されたとき
    に圧電振動子を加熱するようにした請求項1〜5のいず
    れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドの動作方
    法。
  7. 【請求項7】 記録ヘッドが、圧電振動子のいずれか一
    面に形成された電極板の一部が分断され、加熱手段が上
    記分断箇所を接続する高抵抗部材からなるものである請
    求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット式記
    録ヘッドの動作方法。
  8. 【請求項8】 圧電振動子のいずれか一面に形成された
    電極板の一部が分断され、加熱手段が上記分断箇所を接
    続する高抵抗部材からなり、印刷時には分断された電極
    板の間を同電位に保ち、圧電振動子を加熱する際に分断
    された電極板に電位差を設けて高抵抗部材を発熱させる
    ようにした請求項7記載のインクジェット式記録ヘッド
    の動作方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205612A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Mimaki Engineering Co Ltd 揮発性物質付着防止機構付きのインクジェットプリンタ
JP2012051347A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Fujifilm Corp 液体供給装置及び液体吐出装置並びに結露防止処理方法

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