JP2000196200A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2000196200A
JP2000196200A JP36970398A JP36970398A JP2000196200A JP 2000196200 A JP2000196200 A JP 2000196200A JP 36970398 A JP36970398 A JP 36970398A JP 36970398 A JP36970398 A JP 36970398A JP 2000196200 A JP2000196200 A JP 2000196200A
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cladding
clad
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JP36970398A
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Inventor
Nobuhiko Hayashi
伸彦 林
Takashi Kano
隆司 狩野
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッド層にクラックが発生するのを抑え、
しかも活性層への光閉じ込め、或いは/及びキャリア閉
じ込めを良くして、しきい値電流を小さくした発光素子
を提供する。 【解決手段】 窒化物系よりなるn−クラッド層6とp
ー−クラッド層8との間に活性層7を有する発光素子に
おいて、前記n−クラッド層6及びp−クラッド層がB
を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザ、発光
ダイオード等の発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度・大容量の光ディスクシス
テムに用いられる記録或いは再生用の光源として、窒化
物系半導体レーザ素子の研究開発が行われている。
【0003】従来、この種の窒化物系の半導体レーザで
は、クラッド層にAlGaNを用いているが、活性層へ
の光の閉じ込め及びキャリアの閉じ込めを良好にするた
めに、クラッド層のAlの組成比を高くすると、クラッ
ド層にクラックが発生し易くなるという問題がある。こ
のクラックが発生する原因は、クラッド層内のAlが多
くなると、クラッド層自体が脆くなり、クラッド層と、
その外側に位置する基板或いはGaN等からなる層との
格子定数の差による影響が大きくなるためである。
【0004】また、活性層への光の閉じ込め及びキャリ
アの閉じ込めを良好にするために、AlGaNからなる
クラッド層の厚みを大きくしても、クラッド層にクラッ
クが発生し易くなるという問題がある。このクラックが
発生する原因も、クラッド層の厚みを大きくすると、ク
ラック層自体が脆くなるためである。
【0005】このため、AlGaNからなるクラッド層
を用いた従来の窒化物系半導体レーザでは、クラッド層
のAlの組成比を高くしたり、クラッド層の厚みを大き
くすることは出来ず、活性層への光閉じ込め、キャリア
の閉じ込めが悪くなり、しきい値電流小さくすることが
困難であるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来例の
欠点に鑑み為されたものであり、クラッド層にクラック
が発生するのを抑え、しかも活性層への光閉じ込め、或
いは/及びキャリア閉じ込めを良くした発光素子を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の発光素子は、窒
化物系の半導体材料よりなるn型クラッド層とp型クラ
ッド層との間に活性層を有する発光素子において、前記
n型クラッド層及びp型クラッド層の少なくとも一方の
クラッド層がB(ホウ素)を含有することを特徴とす
る。
【0008】このような構成の発光素子では、Bを含有
するクラッド層は、屈折率が大きくなり、活性層への光
閉じ込め係数が大きくなるため、クラッド層よりも外側
に光が漏れることが防止され、発振効率の低下が抑えら
れる。また、Bを含有するクラッド層は、エネルギーバ
ンドが大きくなり、活性層とのバンドギャップが大きく
なるため、活性層に注入されたキャリアは活性層内に十
分に閉じ込められる。
【0009】特に、活性層からp側のクラッド層への電
子の漏れがしきい値電流の増大になることが多いため、
p側のクラッド層にBを加えることが特に有効である。
【0010】しかも、Bを含有するクラッド層はAlを
含まない、或いはAlの組成比が小さくてよく、クラッ
ド層にクラックが発生にし難い。
【0011】更に、本発明では、前記Bを含有するクラ
ッド層が、Bを含有する第1クラッド層と、該第1クラ
ッド層よりも前記活性層側に位置し、前記第1クラッド
に比べBの組成比が小さい若しくはBを含有しない第2
クラッド層とを有することを特徴とする。
【0012】この場合、Bを含有するクラッド層が、活
性層側に位置する第2クラッド層ではエネルギーバンド
が小さく、活性層と反対側に位置する第1クラッド層で
はエネルギーバンドが大きい複数段の構造となるため、
活性層への光の閉じ込め、及びキャリアの閉じ込めは一
層向上する。
【0013】また、本発明では、前記Bを含有するクラ
ッド層と前記活性層との間に光ガイド層が形成されてい
ることを特徴とする。尚、光ガイド層のエネルギーバン
ドは、活性層のエネルギーバンドとクラッド層のエネル
ギーバンドとの間の大きさである。
【0014】この場合、光ガイド層の組成や膜厚を調整
することにより、活性層から出射される光の垂直広がり
角を自由に設定できる。
【0015】また、本発明では、前記Bを含有するクラ
ッド層中に光ガイド層が形成されていることを特徴とす
る。尚、光ガイド層のエネルギーバンドは、活性層のエ
ネルギーバンドとクラッド層のエネルギーバンドとの間
の大きさである。
【0016】この場合においても、光ガイド層の組成や
膜厚を調整することにより、活性層から出射される光の
垂直広がり角を自由に設定できる。
【0017】特に、前記光ガイド層が層中に形成される
クラッド層がp型クラッド層である場合、活性層からの
光が漏れ易いp型クラッド側での前記光の垂直広がり角
を自由に設定できる。
【0018】また、本発明では、前記Bを含有するクラ
ッド層が、Bの組成比が異なる複数の層の超格子構造で
あることを特徴とする。
【0019】この場合、クラッド層内におけるBの組成
比或いはAl等のその他の元素の組成比を大きくした
り、またはクラッド層の厚みを大きくすることが出来
る。
【0020】また、前記Bを含有するクラッド層が、B
を含有する層とBを含有しない層との超格子構造である
ことを特徴とする。
【0021】この場合においても、クラッド層内におけ
るBの組成比或いはAl等のその他の元素の組成比を大
きくしたり、またはクラッド層の厚みを大きくすること
が出来る。
【0022】また、本発明では、前記Bを含有するクラ
ッド層が、前記活性層から離れるに従い連続的若しくは
段階的にBの組成比が大きくなるように構成されている
ことを特徴とする。
【0023】この場合、クラッド層内における屈折率及
びエネルギーバンドが連続的若しくは段階的に変化する
ため、活性層への光の閉じ込め、及びキャリアの閉じ込
めは一層向上する。また、クラッド層の厚みを大きくす
ることが可能となる。
【0024】また、本発明では、前記Bを含有するクラ
ッド層の前記活性層とは反対側に形成されている層がB
を含有することを特徴とする。
【0025】この場合、クラッド層と、活性層と反対側
に形成されている層とは共にBを含有するため、両層の
格子定数の差は小さくなり、クラッド層はよりクラック
が発生し難くなる。
【0026】具体的に、前記活性層とは反対側に形成さ
れている層とは、基板と前記Bを含有するクラッド層と
の間に形成されている層若しくは/及び前記Bを含有す
るクラッド層の上側の層である。
【0027】また、本発明では、前記Bを含有するクラ
ッド層若しくは前記クラッド層中のBを含有する層が、
Alを含有することを特徴とする。
【0028】この場合、Alによりクラッド層の屈折率
が小さくなり、バンドギャップが大きくなる。
【0029】具体的には、前記Bを含有するクラッド層
若しくは前記クラッド層中のBを含有する層としては、
BAlGaNが適している。
【0030】また、本発明では、前記Bを含有するクラ
ッド層若しくは前記クラッド層中のBを含有する層が、
前記活性層から離れるに従い連続的若しくは段階的にA
lの組成比が大きくなるように構成されていることを特
徴とする。
【0031】この場合、Bを含有するクラッド層はAl
の組成変化により、屈折率が連続的若しくは段階的に変
化し、活性層への光の閉じ込めが一層向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0033】図1は本発明の実施の形態である第1実施
例の半導体レーザ装置の構成を示す断面図である。
【0034】この第1実施例の半導体レーザ装置は、リ
ッジ導波型の半導体レーザ装置であり、サファイア基板
1のc面上に、MOCVD法により、アンドープのi−
0.01Al0.49Ga0.5Nからなる厚さ300Åのバッ
ファ層2、アンドープのi−B0.02Ga0.98Nからなる
厚さ2μmのi−BGaN層3、Siドープのn−B
0.01Ga0.99Nからなる厚さ3μmのn−BGaN層
4、Siドープのn−B0.01Al0.14Ga0.85Nからな
る厚さ0.1μmのn−クラック防止層5、Bを含有す
るn−クラッド層6、Siドープのn−BInGaNか
らなる多重量子井戸構造の活性層7、Bを含有するp−
クラッド層8、Mgドープのp−B0.01Ga0.99Nから
なる厚さ0.2μmのp−コンタクト層9が順に積層さ
れた半導体ウエハにより構成されている。尚、Bはジボ
ランガス又は有機金属であるトリエチルボロンを原料と
して反応管に供給することにより各層に含まれる。
【0035】上記半導体ウエハには、反応性イオンエッ
チング又は反応性イオンビームエッチングによりp−ク
ラッド層8の所定の深さまで除去されてストライプ状の
リッジ部10が形成され、同様のエッチングによりn−
BGaN層4の所定の深さまで除去されて電極形成面1
1が形成されている。尚、p−クラッド層9のリッジ部
10以外の厚みは横モード制御を行うために、0.05
〜0.4μmであるのが好ましい。
【0036】また、リッジ部10の両側面、pクラッド
層8の平坦面、pクラッド層8の側面からnクラッド層
4の側面、及びn−クラッド層4の電極形成面のうち実
際に電極が形成される部分を除いた部分にはSiO2
よりなる絶縁膜12が形成され、p−コンタクト層9の
上面にはp−電極131が形成され、n−クラッド層4
の電極形成面11にはn−電極132が形成されてい
る。
【0037】図2は第1実施例の半導体レーザ装置にお
いて導波路であるリッジ部10の下方領域におけるn−
クラッド層、活性層及びp−クラッド層の詳細な構造を
示す断面図、図3はそれらの層のエネルギーバンドを示
す図である。
【0038】n−クラッド層6は、クラック防止層5上
に形成されたSiドープのn−B0.02Al0.10Ga0.88
Nからなる厚さ0.35μmの第1n−クラッド層61
と、第1n−クラッド層61上に形成されたSiドープ
のn−Al0.10Ga0. 90Nからなる厚さ0.35μmの
第2n−クラッド層62とにより構成されている。第2
n−クラッド層62上には、活性層7が形成されてい
る。
【0039】活性層7は、Siドープのn−InGaN
からなる厚さ60Åのバリア層71とSiドープのn−
InGaNからなる厚さ30Åの井戸層72とが交互に
形成された多重量子井戸構造の活性層である。活性層7
上には、p−クラッド層8が形成されている。
【0040】p−クラッド層8は、活性層7上に形成さ
れたMgドープのp−Al0.10Ga0.90Nからなる厚さ
0.35μmの第2p−クラッド層82と、第1p−ク
ラッド層81上に形成されたMgドープのp−B0.02
0.10Ga0.88Nからなる厚さ0.35μmの第1p−
クラッド層81とにより構成されている。第1p−クラ
ッド層82上にはp−コンタクト層9が形成されてい
る。
【0041】このような第1実施例の半導体レーザ装置
では、n−クラッド層6、p−クラッド層8は夫々、B
を含有しない第2n−クラッド層62、82の外側に、
Bを含有する第1n−クラッド層61、第1p−クラッ
ド層81を夫々有しているので、図3に示すように、n
−クラッド層6、p−クラッド層8におけるエネルギー
バンドは、活性層7から離れるに従い段階的大きくな
り、活性層7内へのキャリアの閉じ込めは良好になる。
【0042】また、n−クラッド層6、p−クラッド層
8におけるは、屈折率分布は活性層7から離れるに従い
段階的小さくなり、活性層7内への光の閉じ込めは良好
になる。
【0043】また、n−クラッド層6、p−クラッド層
8において活性層7側の第2n−クラッド層62、第2
p−クラッド層82は、活性層7と同様にBを含んでい
ないので、n−クラッド層6、p−クラッド層8と活性
層7との接合部での格子定数の差は小さくなり、活性層
7の結晶性の劣化は抑えられる。
【0044】尚、上述の第1実施例では、第2n−クラ
ッド層62、第2p−クラッド層82はBを含有してい
ないが、第2n−クラッド層62、第2p−クラッド層
82は第1n−クラッド層61、第2p−クラッド層8
1よりもBの組成比が少なければBを含んでも良い。
【0045】次に、本発明の第2実施例の半導体レーザ
装置について説明する。この第2実施例の半導体レーザ
装置は、n−クラッド層6、活性層7、pクラッド層8
及びそれらの層間構造以外は、上記第1実施例と同様の
構造である。
【0046】図4は第2実施例の半導体レーザ装置にお
いて導波路であるリッジ部10の下方領域におけるn−
クラッド層、活性層及びp−クラッド層の詳細な構造を
示す断面図、図5はそれらの層のエネルギーバンドを示
す図である。
【0047】n−クラッド層6は、クラック防止層5上
に形成されたSiドープのn−B0.02Al0.10Ga0.88
Nからなる厚さ0.35μmの単層構造である。
【0048】n−クラッド層6上には、Siドープのn
−GaNからなる厚さ0.1μmのn−光ガイド層1
5、上記第1実施例と同一構造の活性層7、Mgドープ
のp−GaNからなる厚さ0.1μmのp−光ガイド層
16が形成されている。
【0049】p−光ガイド層16上には、Mgドープの
p−B0.02Al0.10Ga0.88Nからなる厚さ0.35μ
mの単層構造であるp−クラッド層8が形成されてい
る。p−クラッド層8上にはp−コンタクト層9が形成
されている。
【0050】このような第2実施例の半導体レーザ装置
は、活性層とクラッド層との間に光ガイド層を設けた場
合であり、n−クラッド層6、p−クラッド層8がBを
含有するBAlGaN層により構成されているので、第
1実施例と同様に活性層内へのキャリアの閉じ込め、及
び光の閉じ込めが向上する。
【0051】また、この構造では、光ガイド層15、1
6のAl組成及び膜厚を調整することにより、活性層7
から発せられるビームの垂直ビーム広がり角を自由に設
定出来る。
【0052】次に、本発明の第3実施例の半導体レーザ
装置について説明する。この第3実施例の半導体レーザ
装置は、n−クラッド層6、活性層7、p−クラッド層
8及びそれらの層の間の構造以外は、上記第1実施例と
同様の構造である。
【0053】図6は第3実施例の半導体レーザ装置にお
いて導波路であるリッジ部10の下方領域におけるn−
クラッド層、活性層及びp−クラッド層の詳細な構造を
示す断面図、図7はそれらの層のエネルギーバンドを示
す図である。
【0054】n−クラッド層6は、クラック防止層5上
に形成されたSiドープのn−B0.02Al0.10Ga0.88
Nからなる厚さ0.35μmの単層構造である。n−ク
ラッド層6上には上記第1実施例と同一構造の活性層7
が形成されている。
【0055】活性層7上には、Mgドープのp−B0.02
Al0.10Ga0.88Nからなる厚さ0.01μmのp−ク
ラッド層8aが形成されている。p−クラッド層8a上
には、Mgドープのp−GaNからなる厚さ0.03m
のp−光ガイド層16が形成されており、その上にはM
gドープのp−B0.02Al0.10Ga0.88Nからなる厚さ
0.6μmのp−クラッド層8bが形成されている。p
−クラッド層8b上にはp−コンタクト層9が形成され
ている。
【0056】このような第3実施例の半導体レーザ装置
は、活性層近傍のp型クラッド層の層中に光ガイド層を
設けた場合であり、n−クラッド層6、p−クラッド層
8がBを含有するBAlGaN層により構成されている
ので、第1実施例と同様に活性層内へのキャリアの閉じ
込め、及び光の閉じ込めが向上する。特に、p−クラッ
ド層8中に光ガイド層16が設けられており、光が漏れ
易いp型クラッド層より光が漏れるのを抑えた構造であ
る。
【0057】また、この構造では、光ガイド層16のA
l組成及び膜厚を調整することにより、活性層7から発
せられるビームの垂直ビーム広がり角を自由に設定出来
る。
【0058】尚、この第3実施例では、n−クラッド層
6中にも光ガイド層を形成しても良い。
【0059】次に、本発明の第4実施例の半導体レーザ
装置について説明する。この第4実施例の半導体レーザ
装置は、n−クラッド層6及びp−クラッド層8の構造
以外は、上記第1実施例と同様の構造である。
【0060】図8は第4実施例の半導体レーザ装置にお
いて導波路であるリッジ部10の下方領域におけるn−
クラッド層、活性層及びp−クラッド層の詳細な構造を
示す断面図、図9はそれらの層のエネルギーバンドを示
す図である。
【0061】n−クラッド層6は、Siドープのn−B
0.02Al0.20Ga0.78Nからなる厚さ50Åのn−BA
lGaN層と、Siドープのn−B0.02Ga0.98Nから
なる厚さ50Åのn−BGaN層とが交互に100層づ
つ形成された厚さ1.0μmの超格子構造である。ま
た、p−クラッド層8は、Mgドープのp−B0.02Al
0.20Ga0.78Nからなる厚さ50Åのp−BAlGaN
層と、Mgドープのp−B0.02Ga0.98Nからなる厚さ
50Åのp−BGaN層とが交互に100層づつ形成さ
れた厚さ1.0μmの超格子構造である。
【0062】この第4実施例の半導体レーザ装置では、
n−クラッド層6及びp−クラッド層8が超格子構造で
あるため、クラッド層の厚みを大きくすることが出来、
活性層7への光の閉じ込め及びキャリアの閉じ込めが一
層良くなる。
【0063】また、超格子構造のクラッド層としては、
超格子構造の一方の層のみがBを含有する層でもよく、
例えば、n−クラッド層が、Siドープのn−B0.05
0.10Ga0.85Nからなる厚さ50Åのn−BAlGa
N層と、Siドープのn−Al0.10Ga0.90Nからなる
厚さ50Åのn−AlGaN層と交互に100層づつ形
成された厚さ1.0μmの超格子構造であり、p−クラ
ッド層8が、Mgドープのp−B0.05Al0.10Ga0.85
Nからなる厚さ50Åのp−BAlGaN層と、Mgド
ープのp−Al0.10Ga0.90Nからなる厚さ50Åのp
−AlGaN層とが交互に100層づつ形成された厚さ
1.0μmの超格子構造であってもよい。
【0064】この場合、前述の場合と同様に、n−クラ
ッド層6及びp−クラッド層8が超格子構造であるた
め、クラッド層の厚みを大きくすることが出来、しか
も、n−クラッド層6及びp−クラッド層8全体におけ
るBの組成比が大きくなるため、活性層7への光の閉じ
込め及びキャリアの閉じ込めが、より一層良くなる。
【0065】また、上述の実施例以外にも、n−クラッ
ド層6を最下層ではn−B0.05Al0.10Ga0.85Nから
なり、上層に行くに従いBの組成比が連続的に減少し、
Gaの組成比が連続的に増加し、最上層ではn−Al
0.10Ga0.90Nからなるように構成し、p−クラッド層
8を最下層ではp−Al0.10Ga0.90Nからなり、上層
に行くに従いBの組成比が連続的に増加し、Gaの組成
比が連続的に減少し、最上層ではn−B0.05Al0.10
0.85Nからなるように構成してもよい。図10はこの
場合のエネルギーバンドを示す図である。尚、n−クラ
ッド層6及びp−クラッド層8のエネルギーバンドの変
化は、図10に示すように直線的な変化でも良く、また
それ以外にも、例えば活性層7から離れる程、急激に大
きくなるような曲線的な変化でも良い。
【0066】この場合、n−クラッド層6及びp−クラ
ッド層8は、活性層7から離れるに従い、Bの組成比が
連続的に大きくなるため、クラッド層の屈折率分布は活
性層から離れるに従い、連続的に小さくなる。このた
め、活性層への光閉じ込めが一層良くなる。また、この
ような組成比が連続的に変化するn−クラッド層6及び
p−クラッド層8の構成では、クラッド層内における格
子定数及び熱膨張係数の不連続性を小さく出来、クラッ
ド層でのクラックの発生を防止することが出来、Bの組
成比が大きく、しかも厚みが大きいクラッド層を成長さ
せることが出来る。このため、活性層への光閉じ込め係
数を一層大きくすることが出来、クラッド層よりも外側
に光が漏れることが防止され、発振効率が低下すること
が抑えられる。また、このような構成のクラッド層で
は、クラッド層内における格子欠陥の発生を抑えること
が出来る。
【0067】尚、上記実施例では、クラッド層内におけ
るBの組成を連続的に変化させたが、段階的に変化させ
ても良い。例えば、n−クラッド層6を下層側から順
に、n−B0.03Al0.10Ga0.87N層、n−B0.02Al
0.10Ga0.88N層、n−B0.01Al0.10Ga0.89N層、
n−Al0.10Ga0.90N層を厚さ0.25μmづつ形成
し、p−クラッド層8を下層側から順に、n−Al0.10
Ga0.90N層、n−B0.01Al0.10Ga0.89N層、n−
0.02Al0.10Ga0.88N層、n−B0.03Al0.10Ga
0.87N層を厚さ0.25μmづつ形成してもよい。図1
1はこの場合のエネルギーバンドを示す図である。
【0068】また、n−クラッド層6を最下層ではn−
0.02Al0.15Ga0.83Nからなり、上層に行くに従い
Alの組成比が連続的に減少し、Gaの組成比が連続的
に増加し、最上層ではn−B0.02Al0.05Ga0.93Nか
らなるように構成し、p−クラッド層8を最下層ではp
−B0.02Al0.05Ga0.93Nからなり、上層に行くに従
いAlの組成比が連続的に増加し、Gaの組成比が連続
的に減少し、最上層ではn−B0.02Al0.15Ga0.83
からなるように構成してもよい。
【0069】この場合、n−クラッド層6及びp−クラ
ッド層8は、Bが含有されているため、クラッド全体に
おける屈折率は小さく、エネルギーバンドは高くなって
いる。しかも、n−クラッド層6及びp−クラッド層8
は、活性層7から離れるに従い、Alの組成比が連続的
に大きくなるため、クラッド層の屈折率分布は活性層か
ら離れるに従い、連続的に小さくなる。このため、活性
層への光閉じ込めが一層良くなる。また、このような組
成比が連続的に変化するn−クラッド層6及びp−クラ
ッド層8の構成では、クラッド層内における格子定数及
び熱膨張係数の不連続性を小さく出来、クラッド層での
クラックの発生を防止することが出来、Bの組成比が大
きく、しかも厚みが大きいクラッド層を成長させること
が出来る。このため、活性層への光閉じ込め係数を一層
大きくすることが出来、クラッド層よりも外側に光が漏
れることが防止され、発振効率が低下することが抑えら
れる。また、このような構成のクラッド層では、クラッ
ド層内における格子欠陥の発生を抑えることが出来る。
【0070】また、上述の第1〜第4実施例では、本発
明をリッジ導波型の半導体レーザに用いた場合について
説明したが、本発明はそれ以外の構造、例えば、図12
に示すようなセルフアライン構造の半導体レーザに用い
てもよい。
【0071】図12において、21はサファイア基板で
あり、サファイア基板21のc面上には、MOCVD法
により、アンドープの厚さ300Åのバッファ層22、
厚さ2μmのアンドープのi−BGaN層23、厚さ3
μmのSiドープのn−GaN層24、Siドープの厚
さ0.1μmのn−クラック防止層25、n−クラッド
層26、活性層27、第1p−クラッド層28、Siド
ープのn−B0.02Al0.15Ga0.83Nからなる厚さ0.
5μmのn−電流ブロック層29、Mgドープのp−A
0.15Ga0.85Nからなる厚さ0.5μmの第2p−ク
ラッド層30、Mgドープのp−GaNからなる厚さ
0.2μmのp−コンタクト層31が順に積層された半
導体ウエハが構成されている。尚、電流ブロック層29
は電流通路となる部分がエッチングにより除去されてい
る。また、この半導体ウエハには、反応性イオンエッチ
ング又は反応性イオンビームエッチングによりn−Ga
N層24の所定の深さまで除去されて電極形成面32が
形成されている。p−コンタクト層31の上面にはp−
電極33が形成され、n−クラッド層24の電極形成面
32にはn−電極34が形成されている。
【0072】そして、この構造においても。n−クラッ
ド層26、活性層27、及び第1p−クラッド層28と
第2p−クラッド層20とからなるp−クラッド層は、
上述の第1〜第4実施例と同様に構成することにより、
活性層27への光の閉じ込め及びキャリアの閉じ込めが
向上する。
【0073】尚、バッファ層22、i−BGaN層2
3、n−GaN層24、n−クラック防止層25及びp
−コンタクト層31の組成は、上述のリッジ導波型の半
導体レーザ素子と同じでよい。
【0074】また、活性層7、27が少量のBを含んで
も良い。
【0075】尚、上述の実施例では、基板材料としてサ
ファイア基板を用いたが、SiCやスピネル等の他の材
料で構成してもよい。
【0076】尚、基板材料がサファイア基板の場合は、
Bを入れ過ぎると結晶性が低下するので、Bは2〜3%
以下が良い。また、SiC基板の場合は、Bは15%程
度まで含有させることが出来る。
【0077】また、半導体材料としても、上述の実施例
以外に、III族元素としてIn等を有すもの、V族元素
としてPやAsを有するものでもよい。また、本発明
は、半導体レーザ以外にも発光ダイオード等の他の発光
素子にも適用可能である。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、クラッド層にクラック
が発生するのを抑え、しかも活性層への光閉じ込め、或
いは/及びキャリア閉じ込めを良くして、しきい値電流
を小さくした発光素子を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリッジ導波型の半導体レーザ装置の全
体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の半導体レーザ装置におけ
る要部構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施例の半導体レーザ装置におけ
る要部のエネルギーバンドの構成を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例の半導体レーザ装置におけ
る要部構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例の半導体レーザ装置におけ
る要部のエネルギーバンドの構成を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例の半導体レーザ装置におけ
る要部構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施例の半導体レーザ装置におけ
る要部のエネルギーバンドの構成を示す図である。
【図8】本発明の第4実施例の半導体レーザ装置におけ
る要部構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施例の半導体レーザ装置におけ
る要部のエネルギーバンドの構成を示す図である。
【図10】本発明の他の第4実施例の半導体レーザ装置
における要部のエネルギーバンドの構成を示す図であ
る。
【図11】本発明の他の第4実施例の半導体レーザ装置
における要部のエネルギーバンドの構成を示す図であ
る。
【図12】本発明のセルフアライン構造の半導体レーザ
装置の全体構成を示す断面図である。
【符号の説明】
6 n−クラッド層 61 第1n−クラッド層 62 第2n−クラッド層 7 活性層 8 p−クラッド層 81 第1p−クラッド層 82 第2p−クラッド層 15、16 光ガイド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA03 CA04 CA05 CA14 CA33 CA34 CA40 CA46 CB04 FF16 5F073 AA13 AA45 AA51 AA74 AA77 BA06 BA07 CB04 CB05 CB07 EA23

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物系の半導体材料よりなるn型クラ
    ッド層とp型クラッド層との間に活性層を有する発光素
    子において、前記n型クラッド層及びp型クラッド層の
    少なくとも一方のクラッド層がBを含有することを特徴
    とする発光素子。
  2. 【請求項2】 前記Bを含有するクラッド層が、Bを含
    有する第1クラッド層と、該第1クラッド層よりも前記
    活性層側に位置し、前記第1クラッドに比べBの組成比
    が小さい若しくはBを含有しない第2クラッド層とを有
    することを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】 前記Bを含有するクラッド層と前記活性
    層との間に光ガイド層が形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の発光素子。
  4. 【請求項4】 前記Bを含有するクラッド層中に光ガイ
    ド層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    発光素子。
  5. 【請求項5】 前記光ガイド層が層中に形成されるクラ
    ッド層がp型クラッド層であることを特徴とする請求項
    4記載の発光素子。
  6. 【請求項6】 前記Bを含有するクラッド層が、Bの組
    成比が異なる複数の層の超格子構造であることを特徴と
    する請求項1記載の発光素子。
  7. 【請求項7】 前記Bを含有するクラッド層が、Bを含
    有する層とBを含有しない層との超格子構造であること
    を特徴とする請求項1記載の発光素子。
  8. 【請求項8】 前記Bを含有するクラッド層が、前記活
    性層から離れるに従い連続的若しくは段階的にBの組成
    比が大きくなるように構成されていることを特徴とする
    請求項1記載の発光素子。
  9. 【請求項9】 前記Bを含有するクラッド層の前記活性
    層とは反対側に形成されている層がBを含有することを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記
    載の発光素子。
  10. 【請求項10】 前記活性層とは反対側に形成されてい
    る層が、基板と前記Bを含有するクラッド層との間に形
    成されている層若しくは/及び前記Bを含有するクラッ
    ド層の上側の層であることを特徴とする請求項9記載の
    発光素子。
  11. 【請求項11】 前記Bを含有するクラッド層若しくは
    前記クラッド層中のBを含有する層が、Alを含有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8,9又は10記載の発光素子。
  12. 【請求項12】 前記Bを含有するクラッド層若しくは
    前記クラッド層中のBを含有する層が、BAlGaNよ
    りなることを特徴とする請求項11記載の発光素子。
  13. 【請求項13】 前記Bを含有するクラッド層若しくは
    前記クラッド層中のBを含有する層が、前記活性層から
    離れるに従い連続的若しくは段階的にAlの組成比が大
    きくなるように構成されていることを特徴とする請求項
    11又は12記載の発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006270028A (ja) * 2005-02-25 2006-10-05 Mitsubishi Electric Corp 半導体発光素子

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