JP2000196162A - 電子部品封止体の製造方法 - Google Patents
電子部品封止体の製造方法Info
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Abstract
た容器内のガスを抜いて、高度の真空状態を確保する電
子部品封止体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 容器3に水晶、ICチップ等を収納する
と共に、その開口縁にろう材を介して蓋5を載置し、蓋
5の周縁に沿って電子ビームを付与することにより、ろ
う材を溶融して蓋5を容器3に固着する電子部品封止体
1の製造方法であって、治具に容器3を複数配置し、蓋
5の周縁の一部に電子ビーム非付与部分23を設けて順
次隣接する容器3に対して電子ビームを付与し、その
後、最初の容器3に戻って電子ビーム非付与部分23に
電子ビームを付与して、容器3を蓋5で密封する。
Description
等の気密封止を要するものを密封した水晶振動子、SA
Wフィルター等の電子部品封止体の製造方法に関する。
部品は、セラミックを素材とする容器と、これを閉鎖す
る金属製の蓋とで構成するパッケージの内部に気密状態
で収納するのが一般的である。ところで、水晶等の特性
は熱ストレス等によって変化してしまうので、蓋を容器
に封着する方法としては、比較的溶接時間の短いシーム
溶接等を用いていた。
容器の開口縁に銀ろう材を介して高価なコバールリング
をろう付けしてから、コバールリングの上に蓋を載せ、
その後、蓋の周縁に沿ってシーム溶接を施すので、工程
数及び部品点数が多く、コストが高くつくばかりか、容
器にクラックが入らないようにコバールリングを厚くす
るので、パッケージを十分に小型・低背化できないとい
う欠点がある。
して載置した蓋の周縁に沿って真空雰囲気内で電子ビー
ム溶接を施すことにより、蓋を容器に封着することが考
えられる。この方法によれば、高価なコバールリングが
不要となるので、コストが低くて済み、部品点数が少な
くなると共に、これをろう付けする手間を省くことがで
きる。また、溶接位置の正確な位置決めが可能であり、
パッケージがさらに小型・低背化でき、気密封止に要す
る時間も圧倒的に短縮される。しかし、蓋の周縁に沿っ
て一気に電子ビーム溶接すると、発生したガスが容器内
に残ってしまう。上記のような電子部品では、容器内を
高度の真空状態(10-2Torr以下)に保たないと、その
作動に問題が生ずるため、容器内へのガスの残留は非常
に不都合である。
内のガスを抜いて高度の真空状態を確保できる、水晶振
動子,SAWフィルター等の気密封止を要する密封した
電子部品封止体の製造方法を提供することにある。
ICチップ等を収納すると共に、その開口縁にろう材を
介して蓋を載置し、該蓋の周縁に沿って真空雰囲気内で
電子ビームを付与することにより、ろう材を溶融して蓋
を容器に固着する電子部品封止体の製造方法であって、
治具に前記容器を複数配置し、蓋の周縁の一部に電子ビ
ーム非付与部分を設けて順次隣接する容器に対して電子
ビームを付与し、その後、最初の容器に戻って電子ビー
ム非付与部分に電子ビームを付与して、容器を蓋で密封
する。容器に対して電子ビームを付与している間に、そ
れ以前に蓋の周縁に沿って電子ビームを付与した容器内
のガスが電子ビーム非付与部分から抜ける。治具が、下
治具とこれを被覆する上治具とから成り、下治具の上に
複数の容器を載置すると共に、上治具の容器と対応する
位置に貫通孔を形成し、該貫通孔を通して電子ビームを
付与することも可能である。
部品封止体1は、容器3の内部にそれぞれ水晶,ICチ
ップ等の部品4を収納すると共に、容器3の開口部を蓋
5で密封して構成される。容器3はセラミック、金属、
樹脂等を素材とし、図2に示すように、その上面が開口
している。また、容器3の開口縁の上面には、図3に示
すように、タングステン、モリブデン等の金属を同時焼
成してなるメタライズ層6が形成され、メタライズ層6
の表面にニッケル鍍金層7が形成され、さらにその表面
に金鍍金層8が形成されている。
金属を素材とし、容器3の上面とほぼ同形に形成してあ
る。また、蓋5の下面全面には、銀合金等の金属材料よ
り成るろう材9を圧延被覆してある。そして、蓋5を容
器3の開口部に被せた後、蓋5の上からその周縁に沿っ
て真空雰囲気内で電子ビームを照射し、ろう材9を溶融
して蓋5を容器3に固着する。
ム加工機10を示す。電子ビーム加工機10は、電子ビ
ーム溶接を行う装置として一般的な構成を有し、電子銃
室11と、その下方に設けた加工室12と、加工室12
の両側に水平に配置されると共に、加工室12内に挿入
されるカセットチューブ13,13’と、カセットチュ
ーブ13の両端部に設けられたカセット昇降装置14,
14’とを備える。電子銃室11と加工室12とは、そ
の中央が連通してあり、電子銃室11の内部には電子銃
16が筒先を加工室12に向けて設置されている。ま
た、電子銃16の直下において加工室2の中央部に、昇
降装置15が設置されている。
の連通部分を囲むように収束レンズ17が配置され、収
束レンズ17の下方に偏向器18が配置されている。ま
た、電子銃室11及び加工室12はそれぞれ強制排気さ
れて、電子銃室11は3×10-5Torr以下、加工室12
は5×10-3Torr以下の真空状態に保たれている。そし
て、一方のカセット昇降装置14、一方のカセットチュ
ーブ13、加工室12、他方のカセットチューブ13’
及び他方のカセット昇降装置14’を通り、再度一方の
カセット昇降装置14に至る循環路を、複数のカセット
19が間欠的に循環するようになっている。これらのカ
セット19の上面には、水晶振動子装着体1を嵌合載置
するための凹部20が形成され、凹部20の中央に昇降
装置15を挿通するための透孔21が穿設される。な
お、一方のカセットチューブ13においても予備排気が
行われ、加工室12及び電子銃室11内の高真空を確保
できるようになっている。
る。電子ビーム加工機10に搬入される前の工程におい
て、専用の治具2に容器3が複数配置され、容器3内に
それぞれ電子部品4が収納されると共に、容器3の上面
に蓋5が載置される。この治具2は、図5に示すよう
に、下治具24とこれを被覆する上治具25とから成
る。下治具24の上面には、それぞれ容器3を嵌合する
ための係合凹部26が縦横複数列状に並べて形成されて
いる。上治具25は下治具24とほぼ同じ平面形状を有
し、下治具24の係合凹部26の各列と対応する長孔状
の貫通孔27が穿設されている。従って、図6のよう
に、下治具24の係合凹部26にそれぞれ容器3を嵌合
してから、下治具24の上に上治具25を被せると、全
ての容器3が貫通孔28を通して露出するようになって
いる。
に容器3の上に蓋5を載置した状態まで加工された半製
品22が1個の治具2に複数配置されて、コンベア等に
より電子ビーム加工機10に搬入される。一方のカセッ
ト昇降装置14によってリフトアップされた空のカセッ
ト19の凹部20に、複数の半製品22を配置した治具
2を載置し、これを一方のカセットチューブ13によっ
て加工室12の中央部まで送り込む。すると、昇降装置
15が上昇してカセット19の透孔21を通り、この治
具2を持ち上げる。
の一隅寄りに配置された容器3を照射対象とし、図1
(a)及び図6に示すように、その上面に載置された蓋
5の四隅に、上治具25の貫通孔27を通して電子ビー
ムを付与して、蓋5を容器3に仮止めする。次いで、図
1(b)及び図6に示すように、同じく上治具25の貫
通孔27を介して蓋5の周縁に沿って電子ビームを付与
し、その周縁のいずれか1辺に電子ビーム非付与部分2
3を残して、蓋5を容器3に固着する。すなわち、電子
ビーム非付与部分23においては、蓋5の周縁が容器5
に溶着されずに、隙間が形成されている。なお、周縁の
1辺全長に亘って電子ビーム非付与部分23を形成せず
に、その一部のみを電子ビーム非付与部分23とするこ
ともできる。
3に移し、その蓋5の四隅を仮止めした後、蓋5の周縁
を、一部に電子ビーム非付与部分23を残して容器5に
ろう付けする。この作業を順次隣接する容器5に対して
繰り返し、1個の治具2に配置した全ての容器3の開口
縁に蓋5の周縁を、一部に電子ビーム非付与部分23を
残して固着する。その後、最初の容器3に戻って、図1
(c)及び図6に示すように、貫通孔27を通して電子
ビーム非付与部分23に電子ビームを付与し、蓋5の周
縁を容器3に完全に固着して、容器3を密封する。次い
で、この電子ビーム非付与部分23を塞ぐ作業を、前工
程と同じ順序で全ての容器5に対して施し、治具2に配
置した全ての容器3に蓋5を完全に固着する。
子ビームを付与している間の数秒の時間を介して、これ
より先に蓋5の周縁に沿って電子ビームを付与した容器
3内のガスが、電子ビーム非付与部分23から抜けるの
で、蓋5を完全に固着して密封した容器3内が高真空状
態に保たれる。なお、この間、昇降装置15を動かして
治具2を移動させる必要はなく、偏光器18によって電
子ビームの軌跡を偏向させれば良い。また、電子ビーム
の照射を開始してから蓋5を固着する作業が完了するま
で、電子銃16を停止させずに、傍らのコレクタに向け
て電子ビームを偏向させるだけで済む。
降装置15を降下させて治具2をカセット19の凹部2
0に戻した後、このカセット19を他方のカセットチュ
ーブ13’によって他方のカセット昇降装置14’の上
方まで搬出する。そして、カセット19の凹部20から
複数の電子部品封止体1を配置した治具2を取り出し、
次いで、空になったカセット19を他方のカセットチュ
ーブ14’によって降下させてから、一方のカセット昇
降装置14の下端部まで移送する。そして、電子ビーム
加工機10から搬出された治具2の上治具25を外し
て、下治具24の係合凹部26から完成した電子部品封
止体1を取り出す。
隅を容器3に仮止めしてから、最初の容器3に戻って、
蓋5の周縁に沿って電子ビームを照射しても良い。ま
た、必ずしも蓋5を仮止めする必要はない。さらに、電
子ビーム加工機は、一定条件下で電子ビームによる溶接
を行うことができる加工室と電子銃とを備えるものであ
れば、上記の形態に限定されるものではない。例えば、
偏光器18の下方に2次電子検出板を配置すると共に、
この2次電子検出板を画像処理装置に連絡し、2次電子
検出板によって電子ビームの照射点から反射される2次
電子を測定することにより、電子部品封止体1の形状、
位置等に関する情報を得てテレビ画像に表示し、電子ビ
ーム照射位置を補正することも可能である。
ず、1直線上を同方向に水平移動する1対のコンベアの
間に昇降パレット15を配置し、一方のコンベアによっ
て搬入された治具2をロボットアーム等によって昇降装
置15上に移動させ、電子ビームによる溶接が終了した
後、昇降装置15上の治具2を同じロボットアーム等に
よって他方のコンベア上に移送し、電子ビーム加工機の
外部に搬出することもできる。
対して電子ビームを付与している間に、これより先に、
蓋の周縁に沿って電子ビームを付与した容器内のガス
が、電子ビーム非付与部分を通して容器外に脱出するの
で、気密封止を要する水晶、ICチップ等を収納した容
器内を高度の真空状態に保つことができ、このため、電
子部品を誤差無く確実に作動させることが可能である。
請求項2に記載の構成によれば、容器の位置がずれず、
正確な位置に電子ビームを付与できるので、高精度の電
子部品封止体が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 容器に水晶、ICチップ等を収納すると
共に、その開口縁にろう材を介して蓋を載置し、該蓋の
周縁に沿って真空雰囲気内で電子ビームを付与すること
により、前記ろう材を溶融して前記蓋を前記容器に固着
する電子部品封止体の製造方法において、治具に前記容
器を複数配置し、蓋の周縁の一部に電子ビーム非付与部
分を設けて順次隣接する容器に対して電子ビームを付与
し、その後、最初の容器に戻って前記電子ビーム非付与
部分に電子ビームを付与して、前記容器を蓋で密封する
ことを特徴とする電子部品封止体の製造方法。 - 【請求項2】 前記治具が、下治具とこれを被覆する上
治具とから成り、前記下治具の上に前記複数の容器を載
置すると共に、前記上治具の容器と対応する位置に貫通
孔を形成し、該貫通孔を通して電子ビームを付与する請
求項1に記載の電子部品封止体の製造方法。
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JP37625598A JP3699847B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 電子部品封止体の製造方法 |
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JP2000196162A true JP2000196162A (ja) | 2000-07-14 |
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ID=18506833
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JP37625598A Expired - Lifetime JP3699847B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 電子部品封止体の製造方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
US7902481B2 (en) | 2004-03-31 | 2011-03-08 | Citizen Holdings Co., Ltd | Method of manufacturing sealed electronic component and sealed electronic component |
JP5853702B2 (ja) * | 2010-01-29 | 2016-02-09 | 株式会社大真空 | 圧電振動デバイス |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP37625598A patent/JP3699847B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7902481B2 (en) | 2004-03-31 | 2011-03-08 | Citizen Holdings Co., Ltd | Method of manufacturing sealed electronic component and sealed electronic component |
JP5853702B2 (ja) * | 2010-01-29 | 2016-02-09 | 株式会社大真空 | 圧電振動デバイス |
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