JP2000195854A - 半導体装置の層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物並びに半導体装置 - Google Patents

半導体装置の層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物並びに半導体装置

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JP2000195854A
JP2000195854A JP10370184A JP37018498A JP2000195854A JP 2000195854 A JP2000195854 A JP 2000195854A JP 10370184 A JP10370184 A JP 10370184A JP 37018498 A JP37018498 A JP 37018498A JP 2000195854 A JP2000195854 A JP 2000195854A
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resin
film
semiconductor device
insulating film
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JP10370184A
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English (en)
Inventor
Koichi Abe
浩一 阿部
Koichi Uejima
浩一 上島
Reiko Takayasu
礼子 高安
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、低誘電率で、低吸湿性を示
し、膜状態の良好な被膜を形成できる、半導体装置の層
間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物並びにこの被膜
が層間絶縁膜及び/又は表面保護膜として形成された、
耐湿信頼性に優れた半導体装置を提供する。 【解決手段】 ポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン
樹脂と、下記の一般式(A) 【化1】 (式中、Rは、炭素数2以上のアルキル基、ビニル基、
シクロヘキシル基又はフェニル基を示す。)で示される
化合物を必須成分とする溶媒とを含有してなる半導体装
置の層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物。上記の
組成物を用いて形成されるポリキノリン樹脂又はポリキ
ノキサリン樹脂を含む被膜を、半導体基板上の配線層の
層間絶縁膜及び/又は表面保護膜として有する半導体装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の層間
絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物に関する。また、
本発明は、導体層間の層間絶縁膜及び/又は表面保護膜
として、ポリキノリン樹脂膜又はポリキノキサリン樹脂
膜を有する多層配線構造の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多層配線構造を有する半導体の層
間絶縁膜及び表面保護膜には、化学気相成長法等で形成
した二酸化シリコン等の無機絶縁膜と、ポリイミド系樹
脂膜等の有機絶縁膜が用いられており、特に、無機絶縁
膜と比べて高平坦性を有することから、ポリイミド系樹
脂膜が広く用いられている。
【0003】しかしながら、ポリイミド樹脂は耐熱性が
低いこと、誘電率が高いこと、吸湿性であることなどの
問題があり、その用途は信頼性の上でバイポーラICな
どの一部の素子に限られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、低誘電率で、低吸湿性を示し、膜状態の良好な被膜
を形成できる、半導体装置の層間絶縁膜及び/又は表面
保護膜用組成物を提供することを目的とする。
【0005】また、本発明は、耐熱性に優れ、低誘電率
で、低吸湿性を示し、膜状態の良好な被膜が層間絶縁膜
及び/又は表面保護膜として形成された、耐湿信頼性に
優れた半導体装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリキノリン
樹脂又はポリキノキサリン樹脂と、下記の一般式(A)
【0007】
【化2】 (式中、Rは、炭素数2以上のアルキル基、ビニル基、
シクロヘキシル基又はフェニル基を示す。)で示される
化合物を必須成分とする溶媒とを含有してなる半導体装
置の層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物に関す
る。
【0008】また、本発明は、前記組成物を用いて形成
されるポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン樹脂を含
む被膜を、半導体装置の層間絶縁膜及び/又は表面保護
膜として有する半導体装置に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリキノリン
樹脂又はポリキノキサリン樹脂とは、繰り返し単位中に
キノリン環又はキノキサリン環を有する重合体である。
【0010】ポリキノリン樹脂としては、例えば、米国
特許第4,000,187号明細書、米国特許第5,0
17,677号明細書、米国特許第5,247,050
号明細書、マクロモレキュールズ(Macromole
cules)14巻(1981年),870−880頁
(J. K. Stille)等に合成法と共に記載さ
れているものなどが好適に用いられる。
【0011】ポリキノキサリン樹脂としては、例えば、
J. Macromol. Sci.−Rev. Ma
cromol. Chem. 1971, C6,I
(P.M. Hergenrother)、Encyc
lopedia of Polymer Scienc
e and Technology; Intersc
ience: New York, 1969, vo
l. 11 p389(J. K. Stille)、
Polymer Eng. and Sci.197
6, 16, 303(P. M. Hergenro
ther)、特開平3−122124号公報、特開平5
−295114号公報等に合成法と共に記載されている
ものなどが好適に用いられる。
【0012】また、ポリキノリン樹脂は、上記文献の合
成法とは別に、キノリン環を有するジフルオロモノマ
ー、ジオールモノマー及び必要に応じて用いるモノフル
オロモノヒドロキシモノマー(通常、フルオロ基とヒド
ロキシ基とが、ほぼ当量となるような使用割合で、各モ
ノマーを使用する)と塩基とを、無水溶媒中で加熱し、
共沸的に水を除去することにより、製造することもでき
る。また、モノフルオロモノヒドロキシモノマーと塩基
とを、無水溶媒中で加熱し、共沸的に水を除去すること
により、製造することもできる。
【0013】このときの加熱条件は、使用する溶媒の共
沸温度/還流温度を考慮して、適宜決定されるが、通
常、100〜250℃で、1〜24時間とされる。
【0014】キノリン環を有するジフルオロモノマーと
しては、例えば、2−(2−フルオロフェニル)−5−
フルオロ−4−フェニルキノリン、2−(4−フルオロ
フェニル)−5−フルオロ−4−フェニルキノリン、4
−(2−フルオロフェニル)−5−フルオロ−2−フェ
ニルキノリン、2−(4−フルオロフェニル)−7−フ
ルオロ−4−フェニルキノリン、2,4−ジフルオロキ
ノリン、2,7−ジフルオロキノリン、2,5−ジフル
オロキノリン、2,7−ジフルオロ−6−フェニルキノ
リン、4−(4−フルオロフェニル)−7−フルオロキ
ノリン、6,6′−ビス[2−(4−フルオロフェニ
ル)−4−フェニルキノリン]、6,6′−ビス[2−
(2−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン]、
6,6′−ビス[2−(4−フルオロフェニル)−4−
tert−ブチルキノリン]、6,6′−ビス[4−
(4−フルオロフェニル)−2−フェニルキノリン]、
6,6′−ビス−4−フルオロキノリン、6,6′−ビ
ス[4−(4−フルオロフェニル)−2−(2−ピリジ
ル)キノリン]、6,6′−ビス−2−フルオロキノリ
ン、6,6′−ビス[4−(4−フルオロフェニル)−
2−メチルキノリン]、6,6′−ビス(2−フルオロ
−4−フェニルキノリン)、オキシ−6,6′−ビス
[2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリ
ン]、1,4−ベンゼン−ビス−2,2−[4−(4−
フルオロフェニル)キノリン]、1,4−ベンゼン−ビ
ス−2,2−(4−フルオロキノリン)、1,4−ベン
ゼン−ビス−4,4−[2−(4−フルオロフェニル)
キノリン]、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
イソプロピリデン−ビス−[(4−フェノキシ−4−フ
ェニル)−2−(4−フルオロキノリン)]等が挙げら
れる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0015】ジオールモノマーとしては、例えば、レゾ
ルシノール、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシビ
フェニル、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−
ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタ
レン、3,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′−
ジヒドロキシビフェニル、メチル−2,4−ジヒドロキ
シベンゾエート、イソプロピリデンジフェノール(ビス
フェノールA)、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフ
ェノール(ビスフェノールAF)、トリフルオロイソプ
ロピリデンジフェノール、フェノールフタレイン、フェ
ノールレッド、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられ
る。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0016】モノフルオロモノヒドロキシモノマーとし
ては、例えば、2−(4−フルオロフェニル)−6−ヒ
ドロキシ−4−フェニルキノリン、2−(2−フルオロ
フェニル)−6−ヒドロキシ−4−フェニルキノリン、
4−(2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−
フェニルキノリン、2,3−ジフェニル−4−(2−フ
ルオロフェニル)−6−ヒドロキシキノリン、2,3−
ジフェニル−4−(4−フルオロフェニル)−6−ヒド
ロキシキノリン、2,3−ジフェニル−6−(2−フル
オロフェニル)−4−ヒドロキシキノリン、2,3−ジ
フェニル−6−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロ
キシキノリン、7−フルオロ−2−ヒドロキシキノリ
ン、7−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルキノ
リン、7−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ
−4−フェニルキノリン、7−フルオロ−4−ヒドロキ
シ−4−フェニルキノリン、7−(4−フルオロフェニ
ル)−4−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン、2−
(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3−フェ
ニルキノリン、2−(4−フルオロフェニル)−6−ヒ
ドロキシ−3−フェニルキノリン、2−(4−フルオロ
フェニル)−8−ヒドロキシ−3−フェニルキノリン、
2−(4−フルオロフェニル)−8−ヒドロキシキノリ
ン、2−(2−フルオロフェニル)−4−(−ヒドロキ
シフェニル)キノリン等が挙げられる。これらは、単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0017】合成に用いられる溶媒としては、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチル
ウレア、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ジフェ
ニルスルホン、トルエン、ジクロロベンゼン等が挙げら
れる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて
使用される。
【0018】塩基としては、例えば、炭酸カリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、金
属ハイドライド、金属アマイド、ブチルリチウム等が挙
げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わ
せて使用される。
【0019】ポリキノリン樹脂としては、取扱性、電気
特性、低吸湿性等の点から、下記の一般式(I)又は
(II)
【0020】
【化3】 [式中、R1及びR2は、各々独立に、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ホルミル基
(−COH)、ケトン基(−COR3)、エステル基
(−CO24若しくは−OCOR5)、アミド基(−N
6COR7若しくは−CONR89)、ヘテロアリール
基又はシアノ基を示すか、或は隣り合う2つの基が結合
して不飽和結合を含んでいてもよい2価の有機基を形成
しており(但し、R3〜R9は、各々独立に、水素原子、
アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示
す)、m及びnは、各々独立に0〜5の整数であり、X
は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−
SO2−、−A−、−(O−A)q−O−又は−Q−を示
し(但し、qは1〜3の整数であり、Aは、−Ar1
(アリーレン基)、−Hr1−(ヘテロアリーレン
基)、−Ar1−O−Ar1−、−Ar1−CO−Ar
1−、−Ar1−S−Ar1−、−Ar1−SO−Ar
1−、−Ar1−SO2−Ar1−又は−Ar1−Q−Ar1
−を示し、Qは
【0021】
【化4】 (L1及びL2は、各々独立に、メチル基又はトリフルオ
ロメチル基を示すか、或は互いに結合して不飽和結合を
含んでいてもよい2価の有機基を形成している)を示
す)、Z1及びZ2は、各々独立に、単結合又はアリーレ
ン基を示し、Yは、−O−又は−O−A−O−を示す]
で表される繰り返し単位を有するポリキノリン樹脂が好
ましい。
【0022】上記一般式(I)及び一般式(II)の定
義中で、アルキル基としては、例えば、炭素数1〜22
のアルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シ
クロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、ドコシル基等が挙げら
れる。
【0023】アリール基としては、例えば、炭素数6〜
24のアリール基が挙げられ、具体例としては、フェニ
ル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル
基、ジフェニルフェニル基等が挙げられる。ヘテロアリ
ール基としては、例えば、ピリジル基、キノリル基、ピ
ラジニル基等が挙げられる。
【0024】アリーレン基としては、例えば、炭素数6
〜24のアリーレン基が挙げられ、具体例としては、フ
ェニレン基、ビフェニリレン基、ナフチレン基、アント
ラセニレン基、ジフェニルフェニレン基等が挙げられ
る。ヘテロアリーレン基としては、例えば、ピリジンジ
イル基、キノリンジイル基、ピラジンジイル基等が挙げ
られる。
【0025】R1が2つ、R2が2つ、又は、L1とL2
が結合して形成する不飽和結合を含んでいてもよい2価
の有機基としては、例えば、1,3−プロピレン基、
1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基等のアルキ
レン基、−CH=CH−CH=CH−、
【0026】
【化5】 などの2価の炭化水素基、その他の2価の有機基が挙げ
られる。
【0027】ポリキノキサリン樹脂としては、取扱性、
電気特性、低吸湿性等の点から、下記の一般式(II
I)又は一般式(IV)
【0028】
【化6】 (式中、R1〜R9、X、Z1、Z2、Y、m及びnは、上
記一般式(I)、一般式(II)において定義したと同
様の意味を有する)で表されるポリキノキサリン樹脂が
好ましい。
【0029】ポリキノリン樹脂及びポリキノキサリン樹
脂の分子量は、本発明の組成物を基体に均一な膜として
塗布することができる限り特に限定されないが、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標
準ポリスチレンの検量線を使用して測定したときの重量
平均分子量が10,000〜1,000,000である
ことが好ましく、20,000〜200,000である
ことがより好ましい。樹脂の分子量は、形成する硬化塗
膜の膜厚、塗布方法等の塗膜形成の目的や条件に応じて
適宜選択することができる。数平均分子量では、1,0
00〜400,000であることが好ましく、5,00
0〜200,000であることがより好ましい。
【0030】本発明において、前記ポリキノリン樹脂及
びポリキノキサリン樹脂は、溶媒に溶解して半導体基板
の層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物とされる
が、用いる溶媒は、下記の一般式(A)
【0031】
【化7】 (式中、Rは、炭素数2以上のアルキル基、ビニル基、
シクロヘキシル基又はフェニル基を示す。)で示される
化合物を必須成分とする。
【0032】一般式(A)中の定義において、炭素数2
以上のアルキル基としては、例えば、炭素数2〜10の
アルキル基が好ましい。具体的にはN−エチル−2−ピ
ロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−
ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0033】ポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン樹
脂の溶媒として、通常用いられるシクロペンタノンのみ
を用いた場合には、スピンコートにより薄膜を形成する
場合、ウエハ周辺部にヒゲ状の塗膜が形成され、クリー
ンルームの汚染や、後工程の障害になる恐れがあり、ま
た、塗膜表面にクレーター等が発生しやすい等の問題が
あり、良好な塗膜が得られない。
【0034】また、N−メチル−2−ピロリドンのみを
溶媒とした場合には、スピンコーティング中に溶液が吸
湿し、樹脂が沈殿し、その後加温しても良好で均一な塗
膜が得られない欠点があるため、これらの樹脂塗膜を用
いた半導体装置を製造する上で障害となる。
【0035】これらに対して、一般式(A)で示される
化合物を溶媒として用いると、上記記載の問題がなく、
均一で良好な塗膜を得ることができる。一般式(A)で
示される化合物は、全溶媒の10重量%以上含まれるこ
とが好ましく、30重量%以上含まれることがより好ま
しく、40〜100重量%含まれることが更に好まし
い。一般式(A)で示される化合物が10重量%未満で
あると、樹脂の溶解性が落ち、均一な溶液ができにくい
ため、スピンコートによる良好で均一な被膜ができにく
くなる傾向がある。
【0036】一般式(A)で示される化合物は、上記の
とおり、それら化合物各々単独で又は2種以上を組み合
わせて用いてもよいし、その他の溶媒と混合して使用し
てもよい。
【0037】本発明において使用しうる一般式(A)で
示される化合物以外の溶媒としては、フェノール、クレ
ゾール等の芳香族系溶媒、シクロペンタノン、シクロヘ
キサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、γ−ブチロ
ラクトン等のエステル系溶媒などが好ましいものとして
挙げられる。
【0038】ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドン等の吸湿性の高い溶媒は、
スピンコーティング中に樹脂が沈殿する傾向があるた
め、併用しない方が好ましい。
【0039】溶媒の配合量は、上記ポリキノリン樹脂又
はポリキノキサリン樹脂100重量部に対して100〜
3,500重量部であることが好ましく、200〜2,
500重量部であることがより好ましく、600〜2,
000重量部であることが特に好ましい。溶媒の配合量
がすくなすぎると固形分の比率が高くなるため、塗布性
が悪く、塗膜面の厚みを一定に保つことが困難となる傾
向がある。また、溶媒が多すぎると、粘度が低くなるた
め、安定した塗膜を得ることが困難となる傾向がある。
【0040】ポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン樹
脂と、一般式(A)で示される化合物を必須成分とする
溶媒の混合は、特に制限はなく、例えば室温で両者を混
合撹拌して本発明の組成物とすることができる。
【0041】なお、本発明の効果を損なわない範囲にお
いて、その他の樹脂、添加材等を混合することはなんら
制限されるものではない。
【0042】本発明の半導体装置は、本発明の組成物を
用いて形成されるポリキノリン樹脂又はポリキノキサリ
ン樹脂を含む被膜を、半導体基板上の配線層の層間絶縁
膜及び/又は表面保護膜として有する。本発明の半導体
装置において、配線層は、導体層を1層を有する単層配
線層であってもよいし、導体層を2層以上を有する多層
配線層であってもよい。
【0043】本発明の半導体装置の製造工程の一例を図
を用いて以下に説明する。
【0044】図1は、多層配線構造、即ち、配線層に導
体層を2層以上有する構造の半導体装置の製造工程図の
一例である。図1に示す製造工程において、まず、回路
素子を有するSi基板、ガラス板、金属板などの半導体
基板1を、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜
等の保護膜2で被覆し、露出した回路素子上に第1導体
層3を形成する。次いで、保護膜2及び第1導体層3の
露出面上に、前記した本発明の組成物をスピナー法など
で塗布し、熱処理により溶媒を除去し、ポリキノリン樹
脂を含有するポリキノリン樹脂膜又はポリキノキサリン
樹脂を含有するポリキノキサリン樹脂膜を形成し、層間
絶縁膜4とする(工程(a))。
【0045】次に、例えば塩化ゴム系又はフェノールノ
ボラック系の感光性樹脂層5を層間絶縁膜4上にスピナ
ー法等によって形成し、写真食刻技術によって所定部分
の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aを設ける(工程
(b))。
【0046】窓6Aによって露出した部分の層間絶縁膜
4を、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッ
チング手段によって選択的にエッチングし、第1導体層
3の所定部分を露出させる窓6Bを設ける(工程
(c))。
【0047】次いで、層間絶縁膜(4)及び窓6Bから
露出した第1導体層を腐食することなく感光性樹脂層5
のみを腐食するようなエッチング溶液、例えば、感光性
樹脂層5が前記のものの場合、酢酸n−ブチル等を用い
て感光性樹脂層5を完全に除去する(工程(d))。
【0048】更に、公知の金属膜形成法及び写真食刻技
術を用いて第2導体層7を形成する。第1導体層3と第
2導体層7とは、窓6B部分で電気的に接続されている
(工程(e))。
【0049】3層以上の多層配線構造を形成する場合
は、上記の各工程を繰り返して行い、各層を形成する。
すなわち、導体層の上に絶縁層となる層間絶縁膜を形成
する工程(a)、この被膜の所定の場所を選択的に除去
し窓を開口して、下部に存在する導体層を露出させる工
程(b)、(c)及び(d)、並びに上記層間絶縁膜上
に延在し、下部に存在する導体層の所定部分と接続され
た上部の導体層を形成する工程(e)を繰り返すことに
なる。
【0050】次にポリキノリン樹脂を含有するポリキノ
キサリン樹脂膜又はポリキノキサリン樹脂を含有するポ
リキノキサリン樹脂膜である表面保護膜8を形成する。
この表面保護膜8は、前述の本発明の組成物を、多層配
線構造の半導体装置の最上部の導体層上に同様に塗布
し、後に所定部分に窓6Cを形成して形成される(工程
(f))。このポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン
樹脂を含有する表面保護膜8によって導体層を外部から
の水分、異物などから保護することができる。このよう
にして、層間絶縁膜4によって所定部分が絶縁された2
層の導体層3、7を有し、表面を表面保護膜8で保護さ
れた多層構造の配線層9が形成される。
【0051】なお、本発明の半導体装置においては、前
述のポリキノリン樹脂膜又はポリキノキサリン樹脂膜
を、半導体装置の層間絶縁膜又は表面保護膜のいずれか
のみに用いても、半導体装置の層間絶縁膜及び表面保護
膜の両者に用いてもよい。また、上記ポリキノリン樹脂
膜又はポリキノキサリン樹脂膜は、半導体装置のバッフ
ァーコート膜として使用してもよく、これは例えば、上
記表面保護膜8の上に形成され、表面保護膜8の形成と
同様の方法により、膜が形成される。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0053】合成例1(ポリキノリンの合成) 6,6′−ビス[2−(4−フルオロフェニル)−4−
フェニルキノリン]74.3g(0.124モル、1.
03当量)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン40,6g(0.121モル、
1.00当量)、無水炭酸カリウム25g(0.181
モル、1.5当量)を1リットルのステンレスフラスコ
に加え、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン450
ml、トルエン90mlを更に加えた。このフラスコ
に、塩化カルシウム管及び水分除去のためのディーンス
ターク管をつけた水冷式の冷却管、乾燥窒素導入管、メ
カニカルスターラ、温度計を設置した。オイルバスを使
用し、24時間加熱還流し、更に24時間トルエンとと
もに系中の水分を留去した。溶液は最初は黄色であった
が、段々茶褐色に変わり、この段階で黒色になった。更
に反応温度を200℃まで上げ、6時間反応させた。反
応溶液は黒色から粘度の上昇とともに深青色に変わって
いった。N−メチル−2−ピロリドン650mlを加え
て希釈し、冷却することによって反応を停止した。得ら
れたポリマー溶液を精製するために、水中へ投入し、沈
殿させた。引き続いて、50℃の水中で2時間撹拌し洗
浄することを3度繰り返した後、ポリマーをろ別し、6
0℃の真空乾燥機で一昼夜乾燥させた。ポリマーの収量
は101.1g(収率:89.0%)であった。このも
のの重量平均分子量は、ポリスチレン換算で87,00
0であった。
【0054】得られたポリマーは、下記式(V)の繰り
返し単位を有する。
【0055】
【化8】 合成例2(ポリキノリンの合成) メカニカルスターラ、凝縮器と窒素導入管を付けたディ
ーンスターク管及び温度計を備え付けた2リットルの丸
底三ツ口フラスコに、6,6′−ビス[2−(4−フル
オロフェニル)−4−フェニルキノリン]114.75
g(0.9225モル、1.03当量)、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン66.0472
g(0.18848モル、1.00当量)、炭酸カリウ
ム39.1g(0.28モル、1.5当量)、N−メチ
ル−2−ピロリドン705ml、トルエン421mlを
仕込んだ。反応混合物を窒素雰囲気下で15時間加熱し
た。トルエンをディーンスターク管により除去し、反応
混合物を更に200℃で12時間加熱した。次いで反応
混合物をN−メチル−2−ピロリドンで希釈し、室温ま
で冷却した。得られたポリマー溶液を3倍容量のアセト
ンにゆっくり注ぐことにより、ポリマーを凝縮させた。
次いでポリマーをろ過により収集しN−メチル−2−ピ
ロリドンに溶解し、3倍容量の水で溶解させた。次い
で、真空下130℃で12時間乾燥した。ポリマーの終
了は170g(収率:99%)であった。このものの数
平均分子量は、ポリスチレン換算で46,900、ガラ
ス転移点は約306℃であった。
【0056】得られたポリマーは、下記式(VI)の繰
り返し単位を有する。
【0057】
【化9】 実施例1 合成例1で得られたポリキノリン樹脂100重量部に対
し、N−エチル−2−ピロリドン900重量部を加え
て、室温で均一に混合させ、ポリキノリン樹脂溶液を得
た。
【0058】実施例2 合成例2で得られたポリキノリン樹脂100重量部に対
し、N−エチル−2−ピロリドン900重量部を加え
て、室温で均一に混合させ、ポリキノリン樹脂溶液を得
た。
【0059】実施例3 実施例1において、N−エチル−2−ピロリドン900
重量部に代えてN−エチル−2−ピロリドン450重量
部及びシクロペンタノン450重量部を用いた以外は、
実施例1と同様にして、ポリキノリン樹脂溶液を得た。
【0060】実施例4 実施例1において、N−エチル−2−ピロリドン900
重量部に代えてN−シクロヘキシル−2−ピロリドン4
50重量部及びシクロペンタノン450重量部を用いた
以外は同様にして、ポリキノリン樹脂溶液を得た。
【0061】実施例5 実施例1においてN−エチル−2−ピロリドン900重
量部に代えてN−ビニル−2−ピロリドン900重量部
を用いた以外は同様にして、ポリキノリン樹脂溶液を得
た。
【0062】比較例1 実施例1において、N−エチル−2−ピロリドン900
重量部の代わりにシクロペンタノン900重量部を用い
た以外は同様にして、ポリキノリン樹脂溶液を得た。
【0063】比較例2 実施例2でN−エチル−2−ピロリドン900重量部の
代わりにN−メチル−2−ピロリドン900重量部を用
いた以外は同様にして、ポリキノリン樹脂溶液を得た。
【0064】評価法 実施例1〜5及び比較例1、2により得られたポリキノ
リン樹脂溶液をシリコンウエハ上にスピンコート法によ
り塗布し、熱風循環式オーブンにて130〜140℃で
30分間加熱処理を行い、塗膜を形成した。
【0065】これらの塗膜を塗布直後及び加熱処理後に
目視で状態を観察した。結果を表1に示す。
【0066】
【表1】 上記の結果より、溶剤として一般式(A)で示される化
合物を用いることにより、スピンコート法によりポリキ
ノリンの均一な塗膜が得られることがわかる。
【0067】
【発明の効果】本発明の半導体装置の層間絶縁膜及び/
又は表面保護膜用組成物は、シリコンウエハー上に均一
な被膜を形成でき、これを加工することにより、低吸湿
性、低誘電率及び高耐熱性を生かした半導体装置を製造
できる。
【0068】本発明の半導体装置は、シリコンウエハー
上に均一で、低吸湿性、低誘電率及び高耐熱性に優れた
層間絶縁膜及び/又は表面保護膜を有し、耐湿信頼性に
優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線構造の半導体装置の製造工程
図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 保護層 3 第1導体層 4 層間絶縁膜層 5 感光性樹脂層 6A 窓 6B 窓 6C 窓 7 第2導体層 8 表面保護層 9 多層構造の配線層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高安 礼子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 Fターム(参考) 4J002 CH061 EU026 FD206 GJ02 GQ01 GQ05 5F058 AA04 AA10 AC10 AF04 AG01 AH02 AH03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン
    樹脂と、下記の一般式(A) 【化1】 (式中、Rは、炭素数2以上のアルキル基、ビニル基、
    シクロヘキシル基又はフェニル基を示す。)で示される
    化合物を必須成分とする溶媒とを含有してなる半導体装
    置の層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物を用いて形成され
    るポリキノリン樹脂又はポリキノキサリン樹脂を含む被
    膜を、半導体基板上の配線層の層間絶縁膜及び/又は表
    面保護膜として有する半導体装置。
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