JP2000195835A - 半導体装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents
半導体装置の製造方法及び製造装置Info
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Abstract
成、熱酸化等を低温かつプラズマダメージ無しに行う。 【解決手段】 300nm 以下の波長の光照射、触媒との接
触、110 ℃以上の加熱、電気化学反応、微小液滴の加熱
等により、過酸化水素を含む液体や気体からOH等のラジ
カルを多量に含む液体やガスを生成し、ウエハに供給す
る。
Description
ロセスに係わり、特に、熱酸化やCVD(Chemical Vapor D
eposition) による酸化膜形成工程、レジスト除去工
程、ウエハ表面或いは酸化膜中の汚染有機物の除去工程
等に関する。
役割を終えたレジスト、すなわち感光性の高分子樹脂
や、ウエハ表面の汚染有機物は、これまで過酸化水素水
を含む洗浄液によって除去されてきた。これは、過酸化
水素が分解するとOHラジカル等が生成し、酸化力が高い
OHラジカル等がレジストや有機物をCO,CO2 , H2 O な
どに分解するためである。但し常温かつ単体の過酸化水
素水では過酸化水素の分解速度は小さい。そこで通常
は、過酸化水素水に硫酸、塩酸、アンモニア水などを混
合して過酸化水素の分解を促進させる。しかし複数の薬
液を使用すると、それぞれの薬液に応じた廃液処理が必
要なため、混合薬液の分離処理や各薬液の廃液処理に多
くのエネルギーや原材料を消費しなければならない。
オゾン水が洗浄に用いられるようになってきた。OHラジ
カルやO ラジカルと同様にオゾンの酸化力は高く、有機
物を分解する。またオゾンは常温でも徐々に酸素に分解
するため、オゾン水は、他の薬液に比べて簡略に廃液を
処分できるという特長を持つ。
には上限があり( 常温での最大溶存オゾン濃度は5ppm程
度) 、これによって酸化力が限られることにある。この
ため、ウエハ表面の汚染有機物程度であればオゾン水で
除去できるが、レジスト等多量の有機物を除去する際に
は、より酸化力の高い処理液を使用する必要がある。
アッシャーによっても除去することができる。例えば代
表的なアッシャーであるバレルタイプのプラズマエッチ
ング装置では、外部に電極を有する石英円筒の中にウエ
ハを収納した後に、酸素ガスを流して筒内部を約10〜10
0Pa の圧力に保持し、電極に13.56MHzのRF(Radio Frequ
ency) を印加して円筒内部に酸素ガスのプラズマを発生
させる。このプラズマ中で生じた酸素イオンや酸素原子
などはレジストと反応し、揮発性のCO,CO2 ,H2 O な
どに変化させてレジストを除去する。
は、安全な酸素ガスを使用しながらレジストを比較的速
く除去できるという特長を持つ。ここでレジストが高い
速度で除去されるのは、プラズマによって生成する酸素
イオンがレジストに照射され、これによってレジストの
エッチング反応が促進されるためである。しかしこのイ
オン照射が問題を引起こすこともある。例えば薄いゲー
ト絶縁膜が形成された素子に酸素プラズマを照射する
と、絶縁膜が静電破壊を起こすことがある。その機構の
詳細は明らかではないが、ウエハをプラズマ中に置く
と、ウエハに電子や正イオンの一方が過剰に照射され、
表面が帯電して大きな電場が絶縁膜に印加されるためで
はないかと考えられている。
て、現在Siの熱酸化膜が用いられている。従来この熱酸
化膜は、ウエハを乾燥酸素や水蒸気中で高温に加熱して
形成されてきた。乾燥酸素を用いて作製した酸化膜と水
蒸気中で形成した酸化膜を比較すると、絶縁破壊耐圧な
どの電気的特性は一般に後者の方が優れている。その機
構として、水蒸気を用いた酸化では、〓Si−O −Si〓 +
H2 O → 2Si−OH〓のようなSi O2 結合の切断反応と、
この反応の逆反応によるSiO 2 結合の再形成反応が生
じ、歪みや欠陥の少ない酸化膜が形成するためと考えら
れている。
を酸化し、これによって形成されるSi酸化膜をゲート絶
縁膜として用いることが検討されている。これは、この
ような酸素の活性種を用いてシリコンを酸化すると、乾
燥酸素や水蒸気を用いた従来の酸化方法に比べて低い温
度で大きな酸化速度が得られること、またオゾンや酸素
ラジカルなどで形成した酸化膜は、乾燥酸素中で作製し
た酸化膜に比べて、電気的な特性が一般に優れていると
いった利点があるためである。
スの弱電離プラズマやUV光照射による酸素ガスの光分解
などによって生成してきた。しかしプラズマや光照射で
はオゾンや酸素ラジカルは多量には生成しないため、十
分な量のオゾンや酸素ラジカルを大口径のウエハに均一
に供給することは難しい。オゾンや酸素ラジカルの濃度
を高めるために放電部をウエハに近づけすぎると、プラ
ズマで生成した荷電粒子がウエハに到達して熱酸化膜の
膜質が低下するという問題が生じる。他方オゾンや酸素
ラジカルを用いた酸化では、水蒸気を用いた酸化のよう
に〓Si−OHを介した酸化膜の構造緩和が起きず、そのた
め生成する膜は、水蒸気で生成した酸化膜に比べてスト
レスが高くなったり微小孔が残留しやすい傾向があっ
た。
ンや酸素ラジカルによって、ウエハ表面の汚染有機物を
除去する処理も行われている。しかし上述したように、
高濃度のオゾンガスや酸素ラジカルを生成することは困
難であり、表面汚染の程度が大きい場合には長時間の処
理が必要になるという問題がある。
化膜に代わって、現在ではTa2 O 5、SrTiO 3 、BaSrTiO
3 などの高誘電体からなる薄膜が用いられている。こ
れは、素子を微細化して集積度を上げるためには絶縁膜
を薄膜化しなければならないが、そのような微細な素子
であっても絶縁膜は十分大きな静電容量(=εS /d ;ε
は膜の誘電率、S は面積、d は膜厚) を有している必要
があるためである。また同様に、スケーリング則に沿っ
て薄膜化を進めるとSiO 2 のゲート絶縁膜では直接トン
ネリングによるリーク電流が増大してくるため、将来的
にはSiO 2 ではなく、Ta2 O 5 やTiO 2 などがゲート絶
縁膜として用いられるようになると考えられている。
スを使用したCVD によって形成される。但し有機ソース
ガスを使用して形成したCVD 膜には有機物が混入してい
ることが多い。膜中の有機不純物はリーク電流を増加さ
せるため、現在では、酸素プラズマやオゾンガス、酸素
ラジカル等を用いた低減処理が検討されている。しかし
上述したように酸素プラズマではイオン照射等に伴う損
傷が発生したり、オゾンガスや酸素ラジカルを用いた処
理では十分な量の酸化剤を供給できず、処理に時間がか
かるなどの問題がある。
慮してなされたもので、その目的は、混合薬液を用いる
ことなく酸化力の高いウエット処理を行い、レジスト等
の有機薄膜剥離、ウエハ表面に付着した汚染有機物など
を、短時間で除去する方法と装置を提供するものであ
る。
な酸化剤を多量に生成させ、レジスト等の有機薄膜の剥
離や、ウエハ表面に付着した汚染有機物及び薄膜中に含
有される有機物の除去、膜ストレスが緩和され電気的特
性の優れたSi酸化膜やCVD 酸化物薄膜形成などを、高速
かつ下地にダメージを与えることなく行う方法と装置を
提供するものである。
化水素を含むガスもしくは液体に曝露させた被処理基板
表面に、300nm 以下の波長の光を照射することを特徴と
する半導体装置の製造方法である。
を照射すると2 個のOHラジカルに分解する。従って被処
理基板の表面を過酸化水素を含むガス又は液体に曝露さ
せながら、その表面に300nm 以下の波長の光を照射する
と、被処理基板表面でOHラジカルが生成し、表面の汚染
有機物等を有効に除去できる。なお過酸化水素の分解に
光のエネルギーを用いているため、この処理の際に被処
理基板を高温に上げる必要はない。
を、表面の少なくとも一部に過酸化水素の分解触媒が形
成された部材と接触させた後に、被処理基板表面に供給
することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
に過酸化水素分解触媒が形成された部材と、過酸化水素
を含む液体を前記部材と接触させる手段と、前記部材と
接触した前記液体を被処理基板表面に供給する手段を備
えたことを特徴とする半導体装置の製造装置である。
材に過酸化水素を含む溶液を接触させると、過酸化水素
が分解してOHラジカル等が生成する。このOHラジカルは
酸化力が高いため、分解触媒と接触させた過酸化水素液
を被処理基板に供給すると、表面の有機物やレジスト等
を短時間に除去することができる。ここで表面に過酸化
水素の分解触媒が形成された部材として、メッシュ、多
孔質体、粒の集合体、管の集合体などを用いると、部材
の表面積が大きいため、液を部材と接触させた時の過酸
化水素の分解効率が高く、ウエハからのレジストや有機
物などの除去速度を増加させることが可能となる。また
ウエハを過酸化水素を含む液に浸漬しながら、過酸化水
素の分解触媒が表面に形成されたメッシュ状の部材をウ
エハ近傍に配置しても良い。部材がメッシュ状である
と、未反応液の部材への供給や、反応後の液の部材から
の脱離が起こりやすく、過酸化水素の分解反応が効率良
く生じるため、部材近傍に設置したウエハ表面に多量の
OHラジカル等を供給でき、レジストや有機物を高速に除
去することが可能である。
せるため、分解触媒を有する部材と接触させた過酸化水
素含有液体をウエハに供給する場合は、供給口をスキャ
ンさせたり、複数の供給口を設けたり、ウエハを回転も
しくはスキャンさせることが望ましく、また過酸化水素
液中で、分解触媒が形成されたメッシュ状の部材をウエ
ハ近傍に配置する場合も、部材かウエハの少なくとも一
方を回転或いはスキャンすることが好ましい。
ンガンや酸化コバルト、カタラーゼ、白金、パラジウ
ム、金、銀などが挙げられる。またこの他にも、液体を
TiO 2等の光触媒と接触させながら、バンドギャップ以
上のエネルギーを持つ光を光触媒に照射しても良い。光
触媒に光照射すると触媒表面に電子やホールが生成する
が、これらは過酸化水素の分解反応を促進させる。
ッシュ状の陽極を過酸化水素を含む液体内に浸漬させる
と共に、前記メッシュ状の電極を前記被処理基板の近傍
に配置し、前記メッシュ状の陽極と前記陰極との間に通
電することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
メッシュ状の陽極と、被処理基板、前記陰極、前記メッ
シュ状の陽極を前記メッシュ状の陽極が前記被処理基板
の近傍に位置するように前記反応容器内に収納する手段
と、前記反応容器に過酸化水素を含む液体を供給する手
段と、前記メッシュ状の陽極と前記陰極との間に通電す
る手段を備えたことを特徴とする半導体装置の製造装置
である。
ル等の活性な酸化剤が生成するため、触媒分解を用いた
場合と同様にウエハ表面の汚染有機物を効率良く除去で
きる。なお電気分解を用いた方法は、触媒を用いる方法
に比べて分解速度を制御しやすく、例えばレジストのよ
うな大量の有機物を除去する場合は電極間に通電する電
流量を上げ、ウエハ表面の少量の汚染有機物を除去する
場合は少ない電流で電気分解を生じさせることなどが可
能である。
しくは過酸化水素と水との混合液を主成分とする液体を
被処理基板表面に接触させながら、少なくとも前記被処
理基板表面近傍の前記液体を110 ℃以上に加熱すること
を特徴とする半導体装置の製造方法である。
過酸化水素水が通常使用されている。このような、過酸
化水素よりも水の方が多い過酸化水素水を加熱しても、
液の温度は100 ℃( 水の沸点) 程度にしか上がらない。
この温度では過酸化水素の分解速度はそれ程高くないた
め、この濃度の過酸化水素水にウエハを浸漬して加熱し
ても、レジストなどの多量の有機物を短時間で除去する
ことは困難である。しかし高濃度の過酸化水素水や純粋
な過酸化水素溶液であれば、過酸化水素の沸点である15
0.2 ℃の近くまで液の温度を上げることが可能である。
被処理基板を高濃度の過酸化水素水や純粋な過酸化水素
液中に浸漬し、液を110 ℃以上、好ましくは120 ℃以上
に加熱すると、過酸化水素は大きな速度で分解し、OHラ
ジカル等が多量に生成するため、被処理基板表面のレジ
ストや汚染有機物などを短時間で除去することができ
る。
から微小液滴を生成し、前記微小液滴を加熱してガス化
させた後に、前記ガスを被処理基板に供給することを特
徴とする半導体装置の製造方法である。
と、前記液体から微小液滴を生成する手段と、前記微小
液滴を加熱してガス化する手段と、前記ガスを被処理基
板に供給する手段を備えたことを特徴とする半導体装置
の製造装置である。
温度を上げると、過酸化水素が分解してOHラジカル等の
活性な酸化剤が生成する。しかし例えば、反応容器内に
入れた過酸化水素液にウエハを浸漬して液全体の温度を
高温に上げるためには、ウエハ表面のレジストや有機物
除去処理への寄与が小さい、ウエハ表面から離れた部分
の液体も加熱しなければならないため、加熱に大きな消
費電力が必要であったり、長い昇温時間を要するといっ
た問題がある。反応容器内に入れた過酸化水素液にウエ
ハを浸漬するのではなく、ウエハを水平に載置し、ウエ
ハ表面に過酸化水素液の薄い層を形成して加熱すれば、
不要な液の加熱は少なくなる。しかしこのような方法を
用いると、枚葉処理となるためスループットの低下が避
けられない。またウエハが液体と接しているため、熱酸
化や熱CVD といった高温プロセスに適用することはでき
ない。
音波を印加したり、圧力を印加しながら液体を多孔質体
などから噴出させる等の方法によって微小な液滴を生成
し、この液滴を加熱してOHラジカル等を含むガスを生成
してウエハに供給すると、反応容器内の液体全体を加熱
する方法に比べて、被加熱物の容量が小さいため加熱に
要するエネルギーが少なくて済む。またこの方法はドラ
イ処理であるため、ウエハを高温に加熱する工程に適用
可能であり、さらにバッチ処理とすることで処理を短時
間で行うことができる。またプラズマ処理と異なり、こ
の処理では荷電粒子の衝撃等による基板へのダメージも
生じない。
には、ヒーターやランプ等の他に、高周波( 約1MHz〜30
0MHz) 或いはマイクロ波( 約300MHz〜300GHz) を照射を
用いることができる。過酸化水素分子は−OH部分に永久
双極子モーメントを有する有極性分子であるため、過酸
化水素分子に高周波やマイクロ波を照射すると、電界の
変化に対応して配向を変化させる。過酸化水素の液体に
高周波やマイクロ波を照射すると、液体中では過酸化水
素の分子同士は水素結合等によってゆるやかに結合して
いるため、過酸化水素分子は周囲の分子との結合を切り
ながら配向を変化させることになり、過酸化水素分子同
士の一種の摩擦が生じて過酸化水素分子は加熱される。
液体として、純粋な過酸化水素液だけでなく、過酸化水
素と水の混合液などを用いてもよい。マイクロ波や高周
波を照射すると過酸化水素と同様に水も加熱される。ま
た水は、約220 ℃までは、加熱するとH+ とOH- との解
離が進み、多量のOH- を生成する。OH- は過酸化水素の
分解反応を促進させるため、過酸化水素に適度な量の水
を混合させると、加熱した時の過酸化水素の分解速度を
増加させることができる。
小液滴を加熱してOHラジカルを含むガスを生成している
が、過酸化水素を含む液体からガスを生成し、このガス
を加熱してOHラジカル等を生成させてウエハに供給させ
ることも可能である。しかし加熱によるOHラジカルの生
成は、液体状の過酸化水素の方が過酸化水素ガスよりも
生じやすい。この原因は明らかでないが、液体中では過
酸化水素の一部は電離してイオンとなっており、このイ
オンが過酸化水素の分解反応を促進しているものと推測
される。
成し、被処理基板をこの過酸化水素ガスに晒しながら被
処理基板を高温に加熱すると、被処理基板表面で過酸化
水素が熱分解してOHラジカルが生成し、酸化や有機物除
去などの処理を被処理基板に施すことができる。しかし
一般に、ガスの被処理基板表面での滞在時間はそれ程長
くないため、被処理基板表面で十分な分解反応を生じさ
せるためには、被処理基板を高温に上げる必要がある。
しかし半導体素子を形成する際には、被処理基板の高温
加熱は好ましくないことが多い。例えば微細化が進むに
つれてMOSFETの拡散層を浅くする必要があるが、拡散層
を形成した後にウエハを高温に加熱すると、不純物が再
拡散して拡散層が伸びてしまう。またAl配線やCu配線を
形成した後にウエハを高温に上げると、Alが溶解した
り、Cu原子が拡散して素子の特性を劣化させる等の問題
を生じる。このような理由から、半導体素子製造工程の
温度は、今後一層低温化する必要があり、被処理基板表
面で過酸化水素を分解する方法よりも、被処理基板が設
置された場所とは別の領域で過酸化水素を加熱分解し、
被処理基板に供給する方法の方が優れている。
施形態を説明する。まず、本発明の第1の実施形態とし
て、シリコン基板表面の汚染有機物の除去について説明
する。
装置の概略構成図である。101 は処理容器であり、ウエ
ハ102 は試料台103 上に載置される。また処理容器101
には窓104 が設けてあり、この窓104 を介してウエハ10
2 に光を照射することができる。またガス導入口105 か
ら処理容器101 内に導入されたガスは、ガス排気口106
から排気される。
去したシリコンウエハを、一週間クリールーム内に放置
した後、図1 に示した処理容器101 内の試料台103 上に
置いた。次に、80℃に加熱した過酸化水素水をアルゴン
ガスでバブリングし、そのガスをガス導入口105 から処
理容器101 内に導入しつつ、104 から水銀ランプの光(
波長253.7nm)を1 分間照射した。
し、約5nm の熱酸化膜を形成した。この熱酸化膜の電気
特性を評価したところ、10MV/cm 以上の絶縁破壊耐圧を
示したものは全体の95% であった。これに対し、図1 の
装置で処理を施すことなく熱酸化した酸化膜は、10% し
か10MV/cm 以上の絶縁耐圧を示さなかった。
るため熱酸化膜をSIMS(Secondary Ion Mass Spectromet
ry) 分析したところ、図1の装置で処理を行った後に形
成した熱酸化膜では、膜中の炭素濃度はSIMS分析の検出
限界(1×1017cm-3) 以下であったのに対し、処理を行わ
ずに形成した熱酸化膜からは約5 ×1018cm-3の炭素が検
出された。このように熱酸化膜中の炭素濃度が異なるの
は、図1の装置で処理すると、過酸化水素ガスが紫外線
で分解してOHラジカル等が生成し、このラジカルがウエ
ハ表面の汚染有機物をCOx (x=1,2) やH 2 O などとして
除去したためと考えられる。
素ガスを導入して水銀ランプ光を照射し、ウエハ表面の
汚染有機物の除去を行った。しかしこの処理による有機
物の除去速度は、図1に示した装置よりも遅く、図1の
装置と同程度に有機物を除去するためには15分の処理が
必要であった。
の処理でシリコン基板表面の汚染有機物を除去し、絶縁
破壊耐圧が高い熱酸化膜を形成することができた。なお
この実施例では、ウエハを過酸化水素ガスに曝露しなが
ら紫外線を照射したが、過酸化水素は液体の状態でも波
長が約300nm 以下の光を照射するとその光を吸収して分
解するため、ウエハを過酸化水素を含む溶液に浸漬した
状態でUV光を照射しても、表面の汚染有機物等を除去す
ることができる。次に本発明の第2 の実施形態として、
シリコンウエハのウエット洗浄について説明する。
置の概略構成図である。本装置では、処理液は液導入口
201 から容器202 内に一旦導入された後、表面が二酸化
マンガンで被覆されたメッシュ203 を通って穴204 から
排出され、ウエハ保持具205 に保持されたウエハ206 上
に供給される。ウエハ保持具には、処理の均一性を上げ
るために、ウエハを回転させる機構が備えられており、
またウエハ保持具の中心には、ウエハの裏面に処理液を
供給するためのノズル207 が設けられている。
汚染有機物の除去について述べる。まず未処理のシリコ
ンウエハの表面をXPS(X-ray Photoelectron Spectrosco
py)で分析し、汚染有機物の量を評価した。その結果ウ
エハ表面は、厚さ0.2nm(約1分子層) の有機物で汚染さ
れていることがわかった。次にこのウエハをウエハ保持
具205 に保持し、回転させながら液導入口201 に30% の
過酸化水素水を導入し、穴204 からウエハに供給して30
秒間保持した。その後、ウエハをXPS で再度測定したと
ころ、表面の有機物は約0.01nm(XPSの検出限界値) 前後
であった。
が低下したのは、容器202 内に導入された過酸化水素水
がメッシュ203 を通過する間に過酸化水素の一部が酸化
力が高いOHラジカル等に分解し、このOHラジカルを含む
液がウエハと接触することで、ウエハ表面の汚染有機物
がOHラジカルによって分解されたためと考えられる。
表面の有機物汚染を短時間に除去することができた。な
お本発明は図2に示した装置に限定されるものではな
く、例えば、図3に示すような、表面が二酸化マンガン
で覆われたメッシュ301 が収納されたノズル302 や、内
壁が二酸化マンガンで被覆された管303 が多数収納され
たノズル304 、二酸化マンガンの粒子の焼結体305 や二
酸化マンガンの多孔質体( 図示せず) が収納されたノズ
ル306 などに過酸化水素を含む溶液を通し、その液をウ
エハに供給しても、ノズル内で過酸化水素の分解が生じ
て活性な酸化剤が生成するため、ウエハ表面の有機物等
を除去することができる。次に本発明の第3 の実施形態
として、レジストのエッチングについて説明する。
の概略構成図である。401 は処理容器であり、液導入口
402 から処理液403 が導入されると共に、導入された液
403 内に、ウエハ404 が浸漬されてウエット処理が施さ
れる。またウエハ404 の近傍には、二酸化マンガンが表
面に形成されたメッシュ405 がウエハ404 面と平行に設
置される。なお図示していないが、メッシュ405 はウエ
ハの中心から伸びる法線を中心軸として回転させること
ができる。処理後の処理液は液排出口406 から排出され
る。なお、メッシュに限らず、表面積が広く、液が透過
するような形状であればよい。
スト除去について述べる。濃度35%の過酸化水素水溶液
を液導入口402 から処理容器401 内に導入した後、厚さ
約1μm のレジストが表面に形成されたウエハを処理液4
03 内に浸漬した。この状態で、二酸化マンガンが表面
に形成されたメッシュ405 を、ウエハ404 に接近させる
と共に回転させた。
ジストは次第に除去され、約10分後には全てのレジスト
がエッチングされた。本処理によりレジストが除去され
たのは、メッシュ405 表面で過酸化水素が分解して多量
のOHラジカル等が生じ、このOHラジカル等がレジストと
反応したためと考えられる。
水素水のみを用いて、比較的短時間でレジストを除去す
ることができた。次に本発明の第4の実施形態として、
レジストのエッチングについて説明する。
の概略構成図である。501 は処理容器であり、液導入口
502 から処理液503 が導入される共に、導入された液50
3 内に、ウエハ504 が浸漬されてウエット処理が施され
る。またウエハ504 の近傍には、白金製のメッシュ505
と白金板506 がウエハ504 面と平行に設置される。なお
図示していないが、白金メッシュ505 と白金板506 は直
流電源に接続されており、白金メッシュ505 と白金板と
の間に電流を流して過酸化水素を電気分解することがで
きる。またこれも図示していないが、ウエハ504 は、ウ
エハの中心から伸びる法線を中心軸として回転させるこ
とができる。処理後の処理液は液排出口507 から排出さ
れる。
スト除去について述べる。濃度35%の過酸化水素水溶液5
03 を液導入口502 から処理容器501 内に導入した後、
厚さ約1 μm のレジストが表面に形成されたウエハ505
を処理液503 内に浸漬した。この状態で、白金メッシュ
506 に+50V 、白金板507 に−50V の電圧を印加し、過
酸化水素液503 を電気分解すると共にウエハを回転させ
た。
ジストは次第に除去され、約5 分後には全てのレジスト
がエッチングされた。このように本処理でレジストが短
時間で除去されるのは、陽極である過酸化水素水に含有
されているHO2 −やOH−などが白金メッシュ505 表面で
還元され、HO2 、OHなどの酸化剤が多量に生じてレジス
トと反応するためである。
水素水のみを用いて、比較的短時間でレジストを除去す
ることができた。次に本発明の第5 の実施形態として、
レジストのエッチングについて説明する。
置の概略構成図である。本装置では、処理容器601 の底
部にウエハ602 を保持した後に、液導入口603から容器6
01 内部に処理液604 が導入される。また処理容器601
の底部から容器内部に向かって赤外光を照射する機構が
備えられており、容器602 底部に保持したウエハ602 を
加熱することができる。処理後の処理液604 は液排出口
605 から排出される。
ト除去について述べる。まず厚さ約1μm のレジストが
形成されたウエハ602 を処理容器601 底部に保持すると
共に、80% の過酸化水素水604 を、液導入口603 から処
理容器601 内に導入した。
外光を照射し、ウエハ605 を加熱した。この加熱によ
り、過酸化水素水604 と接したウエハ605 表面温度は約
135 ℃になった。この状態で約1.5 分間保持したとこ
ろ、レジストは全て除去された。
5 ℃近くにまで加熱され、過酸化水素の分解反応が極め
て速く生じてOHラジカル等が多量に生成し、レジストが
高速にエッチングされたものと考えられる。このように
本発明を用いることで、他の薬品と混合することなく、
過酸化水素液だけでレジストを短時間に除去することが
できた。
なく、例えば同様の処理により汚染有機物などレジスト
以外の炭素化合物や炭素単体を除去してもよい。また上
述した例ではレジストが形成された面に過酸化水素水が
接するようにしてウエハを加熱し、これによってレジス
ト近傍の過酸化水素水の温度を上げて分解反応を促進さ
せたが、ウエハを過酸化水素液の中に浸漬し、ヒーター
等で過酸化水素液全体を加熱しても良い。
限らず、より低濃度の過酸化水素水や100%の過酸化水素
液を用いてもよい。但し使用する水溶液の過酸化水素濃
度が低すぎると、水の沸点が100 ℃であるため、過酸化
水素水をそれ以上の温度に加熱することが困難になり、
過酸化水素の分解反応が抑制される。図7はレジスト付
きウエハを過酸化水素水の中に浸漬し、ヒーターで過酸
化水素水を加熱した時の、過酸化水素水の温度に対する
レジストのエッチング速度を示したものである。レジス
トのエッチング速度は110 ℃以上で急激に増加してい
る。このことから、レジストを短時間で除去するために
は、ある程度高い濃度の過酸化水素水を用い、液の温度
を十分高くすることが望ましい。但しこれは常圧下での
場合であり、加圧可能な処理容器を用いれば、低濃度の
過酸化水素水であっても液の温度を110 ℃以上に上げる
ことができ、従ってレジストを高速にエッチングするこ
とが可能である。
添加した液を用いると、レジストだけでなく、汚染金属
も除去することができる。さらにまた、上記実施例では
ウエハを赤外光で加熱しているが、他の波長の光や高周
波、マイクロ波、ヒーター等でウでウエハや過酸化水素
を加熱しても良い。その他、種々変形して適用可能であ
る。次に本発明の第6 の実施形態として、ドライプロセ
スによるレジスト除去について説明する。
装置の概略構成図である。801 は処理容器であり、ウエ
ハ802 はこの処理容器801 内に収納される。液保持部80
4 は過酸化水素を含む液803 を保持する容器であるが、
この液保持部804 内を加圧することで、液803 の一部
を、微小液滴807 として多孔質膜805 から加熱部806 内
に噴出させることができる。また加熱部806 には導波管
808 を介して2.45GHz のマイクロ波が印加される。マイ
クロ波が照射された微小液滴807 は誘電加熱され、微小
液滴はガス化すると共に、液滴中の過酸化水素の一部は
OH等のラジカルに分解する。このようにして生成したOH
ラジカル等を含むガスは、処理容器801 内に導入された
後にガス排気口809 から排気される。
ラズマアッシャー装置( 図示せず)を用いたレジスト除
去処理と、その処理によって下地のシリコン酸化膜に与
えられる損傷の評価結果について述べる。
て厚さ約5nm のシリコン酸化膜を形成した。このシリコ
ン酸化膜の絶縁特性を評価したところ、約90% が10MV/c
m 以上の絶縁破壊耐圧を示した。
ジストを形成した後、図8 に示した処理容器801 内に収
納した。次に液保持部804 内に100%の過酸化水素液803
を収納し、アルゴンガスによって液保持部804 内を約2a
tmに加圧することでこの液803 を多孔質膜805 から噴出
させ、加熱部806 内に微小液滴807 を導入した。この微
小液滴807 は、加熱部806 に印加されたマイクロ波によ
って加熱され、ガス化すると共に、含有していた過酸化
水素からOH等のラジカルを生成した。このガスは、処理
容器801 に導入された後にガス排気口809 から排出され
た。
膜上のレジストは全て除去された。これはガス中に含ま
れていたOHラジカル等の活性な酸化剤が、レジストをCO
x (x=1,2) やH 2 O 等の揮発性物質に変化させたためで
ある。この後、シリコン酸化膜の絶縁特性を再評価した
ところ、10MV/cm 以上の絶縁破壊耐圧を示したものは全
体の89% であった。このように本発明によるレジスト除
去処理を施しても酸化膜はほとんど劣化しないが、これ
は、この処理では電気的に中性なガスのみがウエハに供
給され、酸化膜が電気的、物理的なダメージを受けない
ためと推測される。
常の石英円筒型のO2プラズマアッシャー装置で2 分間処
理し、レジストを除去した後にシリコン酸化膜の絶縁破
壊耐圧を測定したところ、10MV/cm 以上の耐圧を示した
ものは50% しかなかった。これは、O 2 プラズマ処理時
にウエハ表面に電子やイオンが照射し、酸化膜が損傷を
受けたためと考えられる。
同程度の速度で、下地のシリコン酸化膜にほとんどダメ
ージを与えることなくレジストを除去することができ
た。なお本発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、例えば、ウエハ表面の汚染有機物やアモルファスカ
ーボン膜なども、本発明による処理を施すことで、下地
に損傷を与えることなく短時間で除去することができ
る。また過酸化水素含有液滴の熱分解ガスに加えて、処
理容器内に有機ソースガス等を導入し、両者を混合して
反応させると、酸化物薄膜を高速に形成することができ
る。これはOHラジカルなどの活性な酸化剤を多量に供給
できるためである。さらに、図8 に示した装置の処理容
器内801 にウエハを加熱する手段を付加すると、膜中の
不純物除去や熱酸化などをウエハに施すことが可能とな
る。例えば有機ソースを使って形成したCVD 膜を図8 の
処理容器に入れ、適度な温度に保持してして過酸化水素
含有液滴の熱分解ガスに曝露すると、OH等の活性な酸化
剤を多量に供給できるため、短時間で、またウエハ温度
をそれほど上げることなく膜中の有機物を除去すること
ができる。またシリコン基板や多結晶シリコンを処理容
器801 内で熱酸化させると、低温でも高速に酸化が進行
すると共に、酸化時にSi−OHを介したネットワークの緩
和が起こるため、ストレスが小さく電気的特性の優れた
酸化膜が形成される。
る微小液滴を加熱した後にウエハに供給しているが、過
酸化水素を含む液体や気体を加圧してノズルから噴出さ
せ、高速のビームとしてウエハに照射してもよい。この
ような処理によってもウエハ表面から有機物等を除去で
きるが、これは、衝突エネルギーの一部が過酸化水素の
振動エネルギーに変化し、これによって過酸化水素分子
の分解が促進されるためである。この他本発明は、種々
変形して適用できる。
する溶液でレジストや汚染有機物等を除去でき、薬液の
使用量や廃液量を低減させることができる。また本発明
によれば、低温で、またダメージを与えることなく、レ
ジスト等の有機物除去や酸化物薄膜形成、熱酸化等の処
理を短時間でウエハに施すことができ、これにより素子
の特性やスループットが向上する。
イ洗浄装置の概略構成図。
理装置の概略構成図。
略構成図。
理装置の概略構成図。
理装置の概略構成図。
理装置の概略構成図。
ッチング特性図。
チング装置の概略構成図。
窓 105 …ガス導入口 106…ガス排気口 201…液導入口 202 …容器 203 …メッシュ 204 …
穴 205 …ウエハ保持具 206…ウエハ 207 …ノズル 301…メッシュ 302 …ノズル 303 …管 304 …ノズ
ル 305 …焼結体 306…ノズル 401…処理容器 402 …液導入口 403 …液 404 …ウ
エハ 405 …メッシュ 406…液排出口 501…処理容器 502 …液導入口 503 …液 504 …ウ
エハ 505…白金メッシュ 506…白金板 507 …液排出口 601…処理容器 602 …ウエハ 603 …液導入口 604
…液 605 …液排出口 801…処理容器 802 …ウエハ 803 …液 804 …液保
持部 805 …多孔質膜 806…加熱部 807 …微小液滴 808 …導波管 809 …
ガス排気口
Claims (8)
- 【請求項1】 過酸化水素を含むガスもしくは液体に曝
露させた被処理基板表面に、300nm 以下の波長の光を照
射することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】 過酸化水素を含む液体を、表面の少なく
とも一部に過酸化水素の分解触媒が形成された部材と接
触させた後に、被処理基板表面に供給することを特徴と
する半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】 表面の少なくとも一部に過酸化水素分解
触媒が形成された部材と、過酸化水素を含む液体を前記
部材と接触させる手段と、前記部材と接触した前記液体
を被処理基板表面に供給する手段を備えたことを特徴と
する半導体装置の製造装置。 - 【請求項4】 被処理基板、陰極、メッシュ状の陽極を
過酸化水素を含む液体内に浸漬させると共に、前記メッ
シュ状の電極を前記被処理基板の近傍に配置し、前記メ
ッシュ状の陽極と前記陰極との間に通電することを特徴
とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】 反応容器と、陰極と、メッシュ状の陽極
と、被処理基板、前記陰極、前記メッシュ状の陽極を前
記メッシュ状の陽極が前記被処理基板の近傍に位置する
ように前記反応容器内に収納する手段と、前記反応容器
に過酸化水素を含む液体を供給する手段と、前記メッシ
ュ状の陽極と前記陰極との間に通電する手段を備えたこ
とを特徴とする半導体装置の製造装置。 - 【請求項6】 過酸化水素液を主成分とする液体を被処
理基板表面に接触させながら、少なくとも前記被処理基
板表面近傍の前記液体を110 ℃以上に加熱することを特
徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項7】 過酸化水素を含む液体から微小液滴を生
成し、前記微小液滴を加熱してガス化させた後に、前記
ガスを被処理基板に供給することを特徴とする半導体装
置の製造方法。 - 【請求項8】 過酸化水素を含む液体と、前記液体から
微小液滴を生成する手段と、前記微小液滴を加熱してガ
ス化する手段と、前記ガスを被処理基板に供給する手段
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造装置。
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