JP2000192824A - ガスタ―ビン及びガスタ―ビン制御装置 - Google Patents

ガスタ―ビン及びガスタ―ビン制御装置

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JP2000192824A
JP2000192824A JP10376562A JP37656298A JP2000192824A JP 2000192824 A JP2000192824 A JP 2000192824A JP 10376562 A JP10376562 A JP 10376562A JP 37656298 A JP37656298 A JP 37656298A JP 2000192824 A JP2000192824 A JP 2000192824A
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compressor
gas
stage
stationary blade
combustor
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JP10376562A
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English (en)
Inventor
Eitaro Murata
英太郎 村田
Isao Takehara
竹原  勲
Nobuyuki Horii
信之 堀井
Motoaki Utamura
元昭 宇多村
孝明 ▼桑原▲
Takaaki Kuwabara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機の静翼を可変とし、水をはじめとする
流体が供給された状態でも圧縮機内の流体の流れを設計
条件に保ち、性能向上と高信頼性を実現するガスタービ
ン及びガスタービン制御装置を提供することにある。 【解決手段】 供給された気体を圧縮して吐出する圧縮
機1と、圧縮機から吐出した気体と燃料とが燃焼される
燃焼器2と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービ
ン3から構成されるガスタービンにおいて、圧縮機途中
から変化する作動気体の流れの状態に対応して圧縮機の
後段側の静翼13のみを可変とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン及び
ガスタービン制御装置、特に、圧縮機内に水を供給する
ガスタービン及びガスタービン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンに用いられる軸流圧縮機
は、通常、入口案内翼、動翼と静翼、出口案内翼とから
構成される。このうち入口案内翼(以下、IGV)は翼
中心付近を軸に回転する可変構造となっており、圧縮機
へ流入する流体の流量を調整する機能を持っている。起
動時の旋回失速現象を回避するため、IGV以降の静翼
についても可変としている場合もある。例えば、特開昭
48−45912号公報には、旋回失速の防止のため、
前段側静翼ほど閉で後段側ほど開として起動することが
記載されており、特開昭49−112214号公報に
は、静翼角度を各段連続にかつ異なる角度に変化させる
ことが記載されている。また、従来、ガスタービンは夏
期に気温が上昇すると、ガスタービンの出力が低下する
ため、出力回復の方法として様々な構成が提案されてい
る。特開昭61−283723号公報には、ガス化炉と
ガスタービンとの複合システムにおいて、圧縮機入口及
び圧縮機中間段から水を供給することが記載されてい
る。さらに、実開昭56−43433号公報には、圧縮
機内に水滴の供給孔を設けることが記載されており、特
開平2−211331号公報には、ガスタービンが高圧
及び低圧の2つの圧縮機を備え、前記圧縮機間に中間冷
却器を備えることが記載されている。また、特開平6−
10702号公報には、複数の圧縮機段を備えるコンプ
レッサーグループについて、電力消費を低減するため
に、上流の圧縮機段と下流の圧縮機段との間の中間部に
水を噴霧する技術が記載されている。特開平9−236
024号公報には、圧縮機入口よりも上流に位置する圧
縮機への導入流路中に水滴を噴霧する技術が記載されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの技
術に共通することは圧縮機内に水を供給する点にある
が、圧縮機内に導入された水滴は、圧縮機内を流下中に
気化することにより、周囲空気から熱を吸収し、圧縮機
内の温度が低下する。温度が低下すると、空気の密度が
増加するため、圧縮機内の軸流速度が低下し、圧縮機の
後段側では速度三角形が設計点から外れる。このような
設計点から外れた運転状態は、圧縮機内のミスマッチン
グと呼ぶが、サージングに対する裕度を低下させてしま
う。この圧縮機内のミスマッチングは、水滴が圧縮機内
で気化することにより生じるため、吸気ダクト内で気化
しきれずに圧縮機内に持ち越された水滴量が問題とな
る。圧縮機翼が固定されている場合には、以上の観点か
ら、この圧縮機内に持ち込まれる水量を制限する必要が
あった。また、従来提案されているような圧縮機静翼の
角度変更方法は、圧縮機途中から作動気体の流れの状態
が変化することを考慮しているものではない。一方、圧
縮機の途中段落に気体を供給するような場合は、単に流
量が増加することから、圧縮機内の軸流速度が増加し、
圧縮機の後段側では速度三角形が設計点から逆に外れ
る。このため圧縮機静翼が固定されている場合には、供
給流量に対して同様な制限が必要となる。従来提案され
ているような圧縮機静翼の角度変更方法は、やはり圧縮
機途中から作動気体の流量が変化することを考慮してい
るものではない。
【0004】そこで、本発明の課題は、圧縮機の静翼を
可変とし、水をはじめとする流体が供給された状態でも
圧縮機内の流体の流れを設計条件に保ち、性能向上と高
信頼性を実現するガスタービン及びガスタービン制御装
置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、供給された気体を圧縮して吐出する圧縮機と、圧縮
機から吐出した気体と燃料とが燃焼される燃焼器と、燃
焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンから構成され
るガスタービンにおいて、圧縮機途中から変化する作動
気体の流れの状態に対応して圧縮機の静翼を可変とす
る。また、圧縮機途中から変化する作動気体の流れの状
態に対応して圧縮機の後段側の静翼のみを可変とする。
また、圧縮機の途中段落に流体を供給し、途中段落から
後の作動気体の流れの状態に対応して前記途中段落より
後段側の静翼を可変とする。また、圧縮機の静翼の開度
を回転制御するガスタービン制御装置において、供給さ
れる水の量または圧縮機途中段に供給される流体の流
量、圧縮機へ流入する気体の温度・圧力・湿度、圧縮機
の入口と出口の空気温度・圧力および圧縮機各段の空気
温度・圧力に基づいて圧縮機各段の周速、軸流速度およ
び動翼入射角を求め、圧縮機動翼入口出口速度三角形を
成立させるために決まる各段静翼の最適開度を用いて圧
縮機の各段静翼を回転制御する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるガ
スタービン及びガスタービン制御装置を示す。図1にお
いて、ガスタービンは、気体を圧縮して吐出する圧縮機
1、圧縮機1により圧縮機された気体が供給される燃焼
器2、燃焼器2の燃焼ガスにより駆動されるタービン
3、タービン3軸に連結されている発電機4を備える。
ガスタービンの排気ガスは、排熱回収ボイラ31に導入
され、蒸気タービン32の作動媒体となる蒸気または水
と熱交換を行った後、大気へ排出される。ガスタービン
の排気ガスと熱交換し、加熱された蒸気により駆動され
る蒸気タービン32は発電機4と直結される。蒸気ター
ビン32より排出された蒸気は、復水器33で冷却さ
れ、液体の水に凝縮される。圧縮機1は、圧縮機1に供
給する空気を取り込む吸気室5が連結されている。吸気
室5の下流に吸気ダクト6が接続され、吸気ダクト6内
には、噴霧水配管8と噴霧ノズル9が設置されている。
吸気ダクト6は、圧縮機吸気部7と接続され、空気を圧
縮機1へ導入する。圧縮機1の静翼13は、その角度を
制御し、静翼開度を調整する回転制御機構15を備え
る。大気状態(温度、圧力、湿度)を検出する大気条件
検出器17、噴霧水量を検出する噴霧水流量計11、圧
縮機各段の条件を検出する圧縮機各段条件検出器16か
らの情報は制御装置18に送られる。制御装置18で
は、これらの情報をもとに最適な制御値を算出し、流量
制御弁12に信号を送って補給水タンク10からの水の
流量を制御し、また、圧縮機静翼の回転制御機構15に
信号を送って圧縮機静翼の角度を制御する。
【0007】水噴霧による増出力として、圧縮機1の上
流で水噴霧ノズル9より噴霧された水滴は、吸気ダクト
6内で圧縮機入口に到達するまでに一部の水滴を気化さ
せながら、周囲空気より熱を吸収し、周囲空気温度を低
下させながら圧縮機1へと導入される。このとき、吸気
ダクト6内で気化する水滴量は、大気温度と湿度によっ
て一義的に決まる。気化しきれなかった水滴は圧縮機1
内へ流入し、圧縮機1内を流下中に気化することによ
り、圧縮機1内の気体の温度を下げる。図2に、以上の
関係を縦軸に絶対温度、横軸に温度をとって示す。図中
A点は大気条件を示し、吸気ダクト6内での気化により
温度低下し、圧縮機1入口に相当するB点に至る。B点
で水滴として存在した水は圧縮機1内で完全に気化し、
C点に到達する。ここで、Gw3は圧縮機吸い込み空気
流量Gcwに対する水噴霧量Qw3の比率を示す。すな
わち、Gw3=Qw3/Gcwである。また、Gw2は
そのうち大気中で蒸発する量であるQw2とGcwの比
率であり、Gw2=Qw2/Gcwである。さらに、G
w1は圧縮機1内に導入されて圧縮機1内で蒸発する水
の量Qw1とGcwの比率であり、Gw1=Qw1/G
cwである。圧縮機入口温度低下に伴う圧縮機入口空気
量の増加と、圧縮機内温度を低下させることによる圧縮
機動力の低減、気化した水滴によるタービン作動媒体の
増加により、ガスタービン出力を増加させる。この場
合、水噴霧による出力増加方法としては最大の効果を得
ることができる。この出力増加方法は図1に示すガスタ
ービンと蒸気タービンのコンバインドサイクルだけでな
く、ガスタービン単体のプラントにおいても適用され
る。このような作動媒体の増加は、出力増加に寄与する
一方、圧縮機内の流れの状態を変えることにもなる。
【0008】図3は、軸流圧縮機内の空気の流れを示
す。これはある半径での断面を展開した表現となってい
る。静止体側に設けられた静翼の出口における空気の流
れは記号Vで示されたベクトルで表される。ベクトルV
を静翼出口絶対流速ベクトルと呼ぶ。ベクトルの大きさ
は流速であり、方向は流れの角度に対応する。このベク
トルの角度は静翼の設定流出角となる。したがって、流
れる空気の量が変わっても方向は変わることはなく、ベ
クトルの大きさのみが変化する。静翼の後流には動翼1
4が位置するが、動翼は回転体に設けられており、静止
体に対して相対速度を持つ。この場合、周速Uが相対速
度であり、ベクトルの合成から動翼の座標系における静
翼出口の流速ベクトルはVRとなる。ベクトルVRを静
翼出口相対流速と呼ぶ。これら流速ベクトルの軸方向成
分は軸流速度CAで示され、この大きさは流れの体積流
量に比例する。水噴霧無しの場合、ほぼ設計入射角通り
の入射角で圧縮機動翼に流れが入射する(I)。水噴霧
を行うと、前述のように空気の密度が増加し、圧縮機1
内の軸流速度が低下する(CA→CA’)ため、静翼出
口絶対流速ベクトルVがV’のように変化する。周速U
は変化しないので、静翼出口相対流速ベクトルVRもV
R’のように変化し、動翼への入射角が増加することに
なる(II)。この入射角は、図4に示すように、通常の
運転においても大気温度により若干変化するものである
が、水噴霧による入射角変化はこの大気温度による変化
幅に比較してはるかに大きい。したがって、圧縮機1の
翼が固定であれば、水噴霧の上限をこの大気温度による
変化幅に収まるように、つまり、図4の圧縮機内水滴導
入量制限値内に収まるように設定し、制御せざるを得な
い。この制限のために、水噴霧量の増加に比例して増加
するはずの出力はそれ以上増加させることができない。
一般に、翼への入射角度が設計角度から外れたミスマッ
チング状態では失速が発生し、この失速が損失となって
翼の性能を低下させる。したがって、図5に示すよう
に、翼を固定したまま水噴霧量を増加させても、ミスマ
ッチングの拡大に伴う損失により、圧縮機の性能が低下
するために、ガスタービン出力が低下し、水噴霧の効果
が小さくなっていく。
【0009】そこで、本実施形態では、水を噴霧した場
合に圧縮機静翼を閉方向に回転させることにより、動翼
への入射角が設計角度通りになるように流れを修正す
る。静翼を閉方向に回転させると、軸流速度は変わらな
いので、動翼への入射角が減少する(III)。すなわ
ち、静翼を回転させることにより流出角が変わるが、流
量一定条件のため軸流速度が変わらないので、静翼出口
絶対流速ベクトルV’は図3のようにV”に変化する。
これに伴い、静翼出口相対流速ベクトルVR’がVR”
に変化する。VR”は大きさこそ違うものの、もとのV
Rと同じ方向を持ったベクトルとなっている。さらに、
水噴霧に伴う軸流速度の低下によって増加した静翼自身
への入射角についても、静翼を回転することにより設計
角度に保つことができる。また、常に静翼が設計角度に
保たれることによって、従来発生していたミスマッチン
グに伴う損失に起因する圧縮機性能低下が生じないの
で、水噴霧量を増加させても水噴霧の効果が低下するこ
とはない。このように、本実施形態では、水の水噴霧量
に拘らず圧縮機内の流れ状態を最適な状態に保つことが
でき、サージングに対する水噴霧量の制限を無くするの
みならず、水噴霧の効果を最大限に発揮することができ
る。
【0010】ここで、静翼13の最適開度は、基本的に
は圧縮機1内に供給される水滴の量により決定される。
圧縮機1内に供給される水滴の量Qw1は、吸気ダクト
6で噴霧された全ての水の量Qw3から吸気ダクト内で
気化する分Qw2を差し引いた量として計算される。吸
気ダクト6で噴霧された全ての水の量Qw3は、噴霧ノ
ズル9から噴霧された水の量からドレン分を差し引いた
ものになる。なお、Qw3を求めるに当っては、噴霧ノ
ズル9への供給流量からドレン分の量を差し引く方法で
も、あるいは、圧縮機出口の絶対湿度から求める方法で
もかまわない。静翼13の最適開度を決定するには、概
略前述の圧縮機1内に導入される水滴の量でよいが、よ
り詳細な評価のためには、実際の圧縮機1内の流れ状態
を反映する必要がある。すなわち、圧縮機1内に導入さ
れた水滴の量で決定される最適開度は、圧縮機1の運転
状態が設計条件であることを前提にしているため、設計
条件からのズレを補正する必要がある。圧縮機吸込み流
量、圧縮機入口の圧力・温度、圧縮機出口の圧力・温度
といったデータから設計条件からのズレを補正すること
になる。
【0011】静翼13の最適開度の計算は、図3の速度
三角形を計算することにより求める。この計算アルゴリ
ズムを図6を用いて説明する。制御装置18内におい
て、まず、大気状態を検出する大気条件検出器17から
得られた情報(大気温度Tamb、大気圧力Pamb、
大気湿度Xs1)を元に吸気ダクト6内における蒸発水
量比Gw2を計算する。これは図2の状態AとBを求め
ることにより計算できるが、この状態の計算は文献等で
一般的に知られており、ここでは省略する。圧縮機吸込
み空気流量Gcwは、大気条件検出器17と同様な計器
により測定できる。噴霧水流量計11によって測定され
た水噴霧量Qw3とGcwとから水噴霧量比Gw3を求
める。圧縮機1内に導入される水の量は、水噴霧量Qw
3から吸気ダクト6内の蒸発量Qw2を差し引いたもの
であり、したがって圧縮機吸込み空気流量との比である
圧縮機持込み水滴分水噴霧量比Gw1もGw1=Gw3
−Gw2として求められる。次に、各段の軸流速度を求
める。速度は流量と面積と密度で求められる(速度=流
量/面積/密度)が、それぞれ以下のようにして求め
る。各段の空気密度ρ(n)は、各段の温度T(n)・
圧力P(n)より求める。(n)は第n段の値であるこ
とを示す。各段の温度T(n)・圧力P(n)を測定す
る手段を有する場合は実測値を、無い場合は圧縮機入口
と出口の温度・圧力測定値から推測した値を用いる。圧
縮機入口と出口の温度Tci、Tcd・圧力Pci、P
cdは、通常のガスタービンプラントでは測定してお
り、もしそうでない場合は測定する必要がある。各段の
流量G(n)は、圧縮機1の吸込み空気流量Gcwと、
水滴が蒸発して水蒸気になった量を加算した量として求
められる。水滴は空気の流れに乗って圧縮機1内を流れ
るために、水滴が完全に蒸発する場所は、平衡状態とし
て求められる場所よりも実際には後段側となり、より厳
密にはこうしたメカニズムを考慮して補正する必要があ
るが、簡便には平衡状態になるような蒸発量を用いる。
面積A(n)は、圧縮機1の外周と内周に囲まれた円環
部分の面積を用いる。最後に、軸流速度CA(n)と動
翼の入射角φ(n)より最適静翼開度θ(n)を求め
る。すなわち、図3中周速U(n)と軸流速度CA
(n)及び動翼の入射角φ(n)が既知であることか
ら、この速度三角形を成立させるために静翼の流出(回
転)角θ(n)が一義的に決まる。このθ(n)が各段
静翼の最適開度である。
【0012】図7は、本発明の他の実施形態を示す。本
実施形態は、圧縮機1の途中段落より水を噴霧する場合
を示す。圧縮機1の途中段落内に設置された水噴霧ノズ
ル9より噴霧された水は蒸発し、その気化熱により作動
流体の温度が低下する。このままでは水噴霧ノズル9よ
り後流の流れは設計状態から外れることになる。本実施
形態では、制御装置18において、前述のように水噴霧
量・大気条件・圧縮機の運転状態の情報を元に演算し、
最適な回転角度を計算し、この角度になるように各静翼
に備え付けられた制御機構15に信号を送り、水噴霧ノ
ズル9より後段側の静翼を所定開度に回転制御する。こ
のように、水噴霧ノズル9より後段側の静翼を所定の開
度回転させることにより、圧縮機の作動流体の流れを設
計状態に戻すことができる。
【0013】図8は、本発明の他の実施形態を示す。本
実施形態は、圧縮機1の途中段落より気体を噴霧する場
合を示す。図8において、気体の噴霧は、気体タンク2
1から供給気体流量計19、供給気体流量調節弁を介し
て供給する。供給する気体の温度が圧縮機1内の流体の
温度と同等である場合、図1、図7のような水噴霧で温
度低下が生じる場合と逆に単なる流量増加によって各段
の軸流速度が増加する。したがって、圧縮機静翼の回転
方向も逆となる。演算結果としては逆になるものの、最
適な回転角度の演算方法自体は、水噴霧の場合と同様
(図6)となる。
【0014】図9は、本発明の他の実施形態を示す。本
実施形態は、圧縮機1の上流側で水噴霧を行い、制御す
る静翼13が途中段落から最終段落とした場合である。
水噴霧により温度低下する全ての段について静翼を制御
するのが理想的であるのは言うまでもないことである。
しかしながら、翼への入射角の増大による影響は後段側
でより大きいことから、後段側だけ静翼を制御しても、
図1の実施形態と同等の効果が得られる。製作費用と性
能のバランス次第では、本実施形態がより現実的選択で
あることも有り得る。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧縮機途中から変化する作動気体の流れの状態に対応し
て圧縮機静翼または静翼の後段側のみを可変とするの
で、水の水噴霧量に拘らず圧縮機内の流れ状態を最適な
状態に保つことができ、サージングに対する水噴霧量の
制限を無くするのみならず、水噴霧の効果を最大限に発
揮することができる。また、圧縮機入口に水滴を噴霧す
ることによって、圧縮機の流れ状態が設計条件から外れ
るシステムにおいて、常に設計入射角で圧縮機を運転す
ることができるので、その結果、システムの性能向上と
高信頼性を実現することができる。また、圧縮機の途中
段落へ流体を供給し、後段側の静翼を所定の開度回転さ
せることにより、圧縮機内の流体の流れを設計条件に保
つことができ、性能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるガスタービン及びガ
スタービン制御装置
【図2】絶対温度と温度の関係を説明する図
【図3】本発明の軸流圧縮機内の空気の流れを示す
【図4】圧縮機動翼入射角と圧縮機内水滴導入量の関係
を説明する図
【図5】ガスタービン出力増加圧縮機内水滴導入量の関
係を説明する図
【図6】本発明の演算フロー
【図7】本発明の他の実施形態
【図8】本発明の他の実施形態
【図9】本発明の他の実施形態
【符号の説明】
1…圧縮機、2…燃焼器、3…タービン、4…発電機、
5…吸気室、6…吸気ダクト、7…圧縮機吸気部、8…
噴霧水配管、9…噴霧ノズル、10…補給水タンク、1
1…噴霧水流量計11、12…給水流量調節弁、13…
圧縮機静翼、14…圧縮機動翼、15…制御機構、16
…圧縮機各段条件検出器、17…大気条件検出器、18
…制御装置、19…供給気体流量計、20…供給気体流
量調節弁、21…気体タンク、31…排熱回収ボイラ、
32…蒸気タービン、33…復水器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 信之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 宇多村 元昭 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 ▼桑原▲ 孝明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給された気体を圧縮して吐出する圧縮
    機と、前記圧縮機から吐出した気体と燃料とが燃焼され
    る燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタ
    ービンから構成されるガスタービンにおいて、前記圧縮
    機途中から変化する作動気体の流れの状態に対応して前
    記圧縮機の静翼を可変とすることを特徴とするガスター
    ビン。
  2. 【請求項2】 供給された気体を圧縮して吐出する圧縮
    機と、前記圧縮機から吐出した気体と燃料とが燃焼され
    る燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタ
    ービンから構成されるガスタービンにおいて、前記圧縮
    機途中から変化する作動気体の流れの状態に対応して前
    記圧縮機の後段側の静翼のみを可変とすることを特徴と
    するガスタービン。
  3. 【請求項3】 供給された気体を圧縮して吐出する圧縮
    機と、前記圧縮機から吐出した気体と燃料とが燃焼され
    る燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタ
    ービンから構成されるガスタービンにおいて、前記圧縮
    機の途中段落に流体を供給し、前記途中段落から後の作
    動気体の流れの状態に対応して前記途中段落より後段側
    の静翼を可変とすることを特徴とするガスタービン。
  4. 【請求項4】 供給された気体を圧縮して吐出する圧縮
    機と、前記圧縮機から吐出した気体と燃料とが燃焼され
    る燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタ
    ービンから構成されるガスタービンであって、前記圧縮
    機の静翼の開度を回転制御するガスタービン制御装置に
    おいて、供給される水の量、前記圧縮機へ流入する気体
    の温度・圧力・湿度、前記圧縮機の入口と出口の空気温
    度・圧力および前記圧縮機各段の空気温度・圧力に基づ
    いて前記圧縮機各段の周速、軸流速度および動翼入射角
    を求め、圧縮機動翼入口出口速度三角形を成立させるた
    めに決まる各段静翼の最適開度を用いて前記圧縮機の各
    段静翼を回転制御することを特徴とするガスタービン制
    御装置。
  5. 【請求項5】 供給された気体を圧縮して吐出する圧縮
    機と、前記圧縮機から吐出した気体と燃料とが燃焼され
    る燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタ
    ービンから構成されるガスタービンであって、前記圧縮
    機の静翼の開度を回転制御するガスタービン制御装置に
    おいて、圧縮機途中段に供給される流体の流量、前記圧
    縮機へ流入する気体の温度・圧力・湿度、前記圧縮機の
    入口と出口の空気温度・圧力および前記圧縮機各段の空
    気温度・圧力に基づいて前記圧縮機各段の周速、軸流速
    度および動翼入射角を求め、圧縮機動翼入口出口速度三
    角形を成立させるために決まる各段静翼の最適開度を用
    いて前記圧縮機の各段静翼を回転制御することを特徴と
    するガスタービン制御装置。
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