JP2954754B2 - ガスタービンシステムの運転制御装置及び加圧流動床ボイラ発電プラント - Google Patents

ガスタービンシステムの運転制御装置及び加圧流動床ボイラ発電プラント

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JP2954754B2 JP20461091A JP20461091A JP2954754B2 JP 2954754 B2 JP2954754 B2 JP 2954754B2 JP 20461091 A JP20461091 A JP 20461091A JP 20461091 A JP20461091 A JP 20461091A JP 2954754 B2 JP2954754 B2 JP 2954754B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一軸型ガスタービンを
用いた発電用ガスタービンシステムに係り、特に加圧流
動床ボイラ発電プラントに組合せて使用するのに好適な
ガスタービンシステムの運転制御装置及び加圧流動床ボ
イラ発電プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、発電用のガスタービンは、図2
に示すように、圧縮機1と燃焼器2及び膨張タービン
3、それに発電機4により構成されている。なお、図2
の(a)は圧縮機1と膨張タービン3が一軸の場合で、同
図(b)は二軸の例を示しだものであり、これらのガスタ
ービンでは、圧縮器1からの燃焼用空気で、燃焼器2内
に供給した燃料を燃焼させ、その高温燃焼ガスから膨張
タービン3でエネルギーを回収し、圧縮機1の動力を賄
うと共に発電機4により発電する。
【0003】ところで、近年、この発電用ガスタービン
をPFBC(加圧流動床)ボイラ発電プラントに組合せて
使用する複合発電プラントが注目されているが、このプ
ラントでは、図3に示すように、図2のガスタービンに
おける燃焼器2が、PFBC発電プラントのボイラと置
換わった構成になる。すなわち、この図3において、8
がPFBCボイラであるが、これが図2のガスタービン
における燃焼器2に担当することになり、従って、これ
は、燃焼器を外部系として設置した形のガスタービンと
いえる。なお、18はガスタービンを表わす。
【0004】図3において、圧縮機1で加圧された空気
はPFBCボイラ8の圧力容器10内に供給され、燃料
供給装置9から供給された燃料を火炉2で流動燃焼さ
せ、この流動床に配置されたボイラチューブからなる蒸
気発生器13で水と熱交換されて蒸気を発生させ、この
蒸気を蒸気タービン14に供給して発電機15を駆動さ
せ、電力を得る。そして蒸気タービン14で仕事をした
蒸気は復水器16に送られて復水され、再びPFBCボ
イラ8に循環する。一方、PFBCボイラ8の燃焼ガス
はガスタービン18の膨張タービン3にもどされ、ここ
でエネルギーを回収し、圧縮機1の動力を賄うと共に発
電機4を回し、ここからも電力を得る。
【0005】ところで、このような複合発電プラントに
おけるガスタービン18は、このプラントの負荷に対応
して、PFBCボイラ8が要求する、所定の条件を持っ
た空気を送気する役割を有し、従って、その条件に合致
するように、このプラントの負荷に応じて制御される必
要がある。通常、このようなPGBCボイラ8の運用
は、例えば、概略、次の表1及び図4に示すような運転
パターンに従って行なわれており、従って、ガスタービ
ン18は、この運転パターンに対応して、PFBCボイ
ラ18に対し、連続的に適切な圧縮空気の送気が行なわ
れ、且つ、燃焼ガスの適切な回収が行なわれるように制
御されなければならない。
【0006】
【表1】
【0007】一方、通常のガスタービンの場合、前述の
ようにボイラ等の要求に応じて圧縮機の流量を制御し変
化させる必要はない。つまり、起動時には自らが動力的
にバランスし、且つ定格回転数に昇速してゆくに足りる
動力が得られるように、燃焼器へ供給すべき燃料の流量
を調整するだけであり、従って、従来のガスタービンの
運転制御装置では、このような複合複合発電プラントに
適用した場合、ボイラの要求、つまり風量調整に応じよ
うとすると、ガスタービンは動力の自立という条件を自
ら作れなくなり、ついには要求される空気流量の調整も
回転数の変動により不可能になってしまう。
【0008】また、従来の発電用ガスタービンでは、定
格回転数のもとで電力系統に併入後は、通常、目標とす
る出力に応じて燃料流量を増減させ、燃空比を制御する
ことで燃焼温度を変化させ、ガスタービンの出力を調整
する。しかして、この際には圧縮機の風量は一定であ
り、従って、ボイラの要求に応じて空気流量を調整する
ことはできない。
【0009】さらに、従来のコンバインドサイクル等に
使用されているIGV(インレットガイドベーン)可変方
式のガスタービンでも、その空気流量の調整は、定格の
70%程度までであり、前述したボイラの起動から定格
にかけて必要とする送風量を連続的に調整するという機
能は持っていない。
【0010】他方、PFBCボイラは、送風される燃焼
用空気の流量のみならず、燃焼部圧力の調整も必要とな
る。すなわち、ボイラの起動過程においては、ボイラの
燃焼部である流動床が安定に流動化するよう、流動床に
おけるガスの流速を制御する必要があり、従って、必要
とするガス流速を得る為に要求されている流量の調整他
に、ボイラ圧力容器内の圧力をも調整する必要がある。
【0011】また、ボイラの負荷運転中には、高い燃焼
効率を得る為に、石炭等の燃料がボイラの燃焼部に対流
する時間をある一定以上に保つことが必要となる。つま
り、この期間中にも、図5に示すように、ガスの流速が
適切な範囲に保たれるよう、流量のみならず圧力の調整
が必要となる。しかるに、通常のガスタービンでは、流
量の調整機構が無いのは勿論、圧力の調整機構も持って
はいないのである。
【0012】なお、この種の装置として関連する技術と
しては、特開昭63−272923号、特開昭64−6
3623号特開平1−285608号、それに特開平
2−259298号の各公報の開示を挙げることができ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、従
来のガスタービンが流量の調整機構や圧力の調整機構が
ない点について配慮がされておらず、PFBC発電プラ
ントとの複合化が困難であるという問題があった。本発
の目的は、通常発電用に使用されている一軸型ガスタ
ービンを、PFBC発電プラントのボイラ燃焼用空気源
として、ボイラの運転条件に合わせ、ボイラ起動時から
定格運転状態まで連続的に適切な風量と風圧のもとでの
送風が可能で、常に効率的なシステムの運転が得られる
ようにしたガスタービンシステムの運転制御装置と、こ
のガスタービンシステムの運転制御装置を用いたPFB
C発電プラントを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
に、本発明では、PFBCボイラ発電プラントに使用す
る可変IGVを備えた一軸型ガスタービンの圧縮機部入
口吸気系に絞り弁を、圧縮機部の中間段若しくは吐出部
に少なくとも1個の圧縮機抽気弁を夫々設けたものであ
り、また、ガスタービンに連結したモータ発電機により
回転数を変化させ、各項目を組み合わせて動作させPF
BCボイラに送風する空気量が可変できるようにしたも
のであり、さらには、別個に設置したた制御装置によ
り、目標に追従させる制御動作が与えられるようにした
ものである。
【0015】さらに、本発明では、ガスターンビンのガ
ス流入系に絞り調整機構を設置し、PFBCボイラの圧
力が可変できるようにしたものであり、加えて、別個に
設けた制御装置により、目標に追従させる制御動作が与
えられるようにしたものである。
【0016】
【作用】上記手段は、ガスタービンの圧縮機部での空気
流量と空気圧力の調整が可能になるように働く。従っ
て、PFBCボイラが要求する諸条件を容易に満すこと
ができ、起動過程から定格運転状態までのPFBCプラ
ントを、常に的確な状態で運転することが可能になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明によるガスタービンシステムの
運転制御装置及び加圧流動床ボイラ発電プラントについ
て、図示のの実施例により詳細に説明する。図1は本発
明の1実施例で、この実施例におけるPFBCプラント
の主たる構成要素は、ガスタービン18とPFBC(加
圧流動床)ボイラ8と、蒸気タービン14である。ま
ず、この実施例では、ガスタービン18の圧縮機1から
PFBCボイラ8の燃焼器2に到る通気系に第1の遮断
弁5が、また、この燃焼器2からガスタービン18のタ
ービン3に到る通気系には第2の遮断弁6が夫々設けら
れていると共に、ガスタービン18の圧縮機1の吐出部
とタービン3の入力部とを直接結合させるバイパス弁7
が設けられている。さらに、ガスタービン18の圧縮機
1の吸気系には絞り弁17が設けられ、且つ、この圧縮
機1には可変機構を備えたIGV(インレットガイドベ
ーン)19が設けられており、タービン3のタービン初
段ノズル21には可変機構が備えられている。
【0018】次に、この図1の実施例の動作について説
明する。インレットサイレンサのダクト系11から吸い
込まれた空気は絞り弁17及び圧縮機1及び遮断弁5を
経て圧力容器10に導入される。そして、PFBCボイ
ラ8の燃焼部2で燃焼ガスとなり、蒸気発生器13にて
蒸気を発生させた後、遮断弁6を経てタービン3に流入
して動力を発生した後、煙突12から大気中に放出され
る。一方、蒸気発生器13で発生した蒸気は蒸気タービ
ン14に供給され、これにより発電機15が駆動され、
電力が発生される。そして、蒸気タービン14から排出
された蒸気は復水器16に流入し、復水となって再び蒸
気発生器13に戻される。
【0019】PFBCプラントの出力は、プラント統括
制御装置30により基本的な制御指令として石炭給量流
量指令、燃焼用流量指令、火炉圧力指令が出力され、こ
れらの信号により調整される。燃料となる石炭は、プラ
ント統括制御装置30から与えられる石炭給量流量指令
に基づいて石炭供給装置9によって供給されるが、燃焼
用空気流量は、燃焼用空気流量制御装置36により調整
される。このため、燃焼用空気流量制御装置36は、プ
ラント統括制御装置30からの空気流量指令と、オリフ
ィス等の流量測定装置33、38により測定された信号
に基づいて変換装置30’から与えられる出力信号とを
比較器32で比較し、この比較結果として与えられる偏
差信号に基づき、絞り弁17の開度、圧縮機IGV19
の開度、検出器34により検出されたモータ発電機4の
回転数を夫々制御し、これによりPFBCボイラ8に送
風すべき燃焼用空気量を調整するのである。
【0020】燃焼器2内の火炉圧力は、圧力調整装置3
1が制御する。このため、この圧力調整装置31は、プ
ラント統括制御装置30から与えられる火炉圧力指令
と、検出器39により測定されたPFBCボイラ8の圧
力を表わす信号に基づいて変換装置35から出力される
信号とを比較器37で比較し、この比較結果として与え
られる偏差信号に基づいてタービ初段ノズル21の開度
を制御するのであり、これにより燃焼器2内の火炉圧力
が調整される。
【0021】また、この実施例では、圧縮機1の中間段
及び吐出部の少なくとも一方から抽気を行なう抽気弁2
0が設けてあり、この抽気弁20は、圧縮機1が部分回
転数運転時で抽気圧力が低い場合に、絞り弁17と圧縮
機1間に抽気を行なう働きをする。なお、この図1では
図示してないが、この抽気弁20も燃焼用空気流量制御
装置36により制御されるようになっている。
【0022】ここで、この実施例におけるガスタービン
18によるPFBCボイラ8への送風制御について説明
する。
【0023】ガスタービン18の圧縮機1の流量特性
は、そのパラメータ表示として、次の(1)式として示さ
れる。
【0024】
【数1】
【0025】図6に、圧縮機1の一般的な例としての特
性線図を示す。図中、n1〜n5は回転数の違いを表わ
し、n1−a、n1−b、n1−cは、回転数は同一だ
がIGV開度が異る場合を示す。また、ラインDは、圧
縮機の固有の性質であるサージラインを示したもので、
圧縮機はこのラインよりも圧力比が上昇した場合、サー
ジングを起こして運転は不可能となる。そして、この図
で特徴的なのは、P点又はQ点のように、圧力比が大幅
に異なる場合においても、修正流量はほとんど一定であ
るということである。つまり運転する修正回転数とIG
Vを固定すれば、圧縮機の流量は入口圧力に比例した関
係になることが判る(なお、この場合吸込温度は一定と
する)。
【0026】なお、このパラメータに関する詳しい説明
は、例えば、コロナ社発行、浜島操著 “ガスタービ
ン” の37頁に示されている。
【0027】次に、図7に、圧縮機1のIGV19の開
度が変化したときの修正流量の変化を示すが、ここで特
徴的なのは、開度が100%に近づくにつれ修正流量の
変化量が緩やかになることである。なお、IGVが全閉
したとき、つまり流路が完全に閉そくされた場合には、
流量はゼロになるが、ここで、IGVは流体的に流れの
方向を変えることにより圧縮機の流量を変化させる機構
であり、従ってIGVを適正な範囲を越えて大きく閉じ
たような場合には流体的な損失が増加し、圧縮機の効率
が著しく低下して好ましくない為、通常は70%程度の
流量まで、このIGVの開度可変機構により調整する
が、それ以下の領域では使用しない。
【0028】また、図8は、圧縮機の修正回転数が変化
したときの修正流量の変化を示したもので、ここで特徴
的なのは、回転数のほぼ2乗に比例した形で修正流量が
変化することである。修正回転数が0のとき、つまり圧
縮機が停止したとき修正流量は0であり、従って、この
停止した状態から100%修正回転数に到るラインま
で、修正流量は0から100%まで連続的に変化し、結
局、空気量も0から100%まで変化することになる
が、しかし圧縮機には、その機械固有の危険速度や部分
回転数における旋回失速があり、従って、一般的には、
運転可能な回転数範囲は必ずしも連続的ではない。
【0029】ところで、図1の実施例では、絞り弁17
が設けてあり、これにより空気流量を調整するようにな
っている。しかしながら、このような絞り弁による流量
調整方法では、圧縮機の修正流量一定のもとで絞り弁の
圧損分圧縮機の前圧が低下した分、吸い込み重量流量が
比例して変化する。そして、この実施例では、本来圧縮
すべき空気を一旦減圧してから再度圧縮することにな
り、過度に絞ることによる流量調整は圧縮動力の増加に
つながり好ましくない。
【0030】これを図9により説明すると、この図は、
圧縮機の段数と圧力比について示したものであるが、入
口での圧力が絞りにより低下して抽気段での圧力が大気
圧等の必要圧に満たない場合、つまり抽気段位置Bにお
いては、入口でのラインaからラインbにまで圧力比は
上昇しているが、ここでの絶対圧が大気圧等より低くな
る。そこで、この場合には、抽気を圧縮機入口の減圧さ
れた部分に連通させてやる必要がある。
【0031】そこで、図1の実施例では、圧縮機抽気弁
20が設けてあり、これにより圧縮機1の中間段若しく
は吐出部から、圧縮機1に吸い込んだ空気を全て送風す
るのではなく、別の経路に分岐することによりPFBC
ボイラ8に送風される空気を調整するようになってい
る。しかして、この場合、すでに動力を使用して圧縮し
た空気を系外に捨てることになり、損失が大きくなる。
【0032】一方、この圧縮機抽気弁20を使用する方
法に比較して、上記入口での絞り弁17を使用する方法
では、減圧を伴う為、圧縮機1の圧力比は高くなり、圧
縮機1のサージラインに、より近に使用方法である。し
かしながら、一般に、このような圧縮機では、その使用
に伴い、圧縮機の翼に塵埃などの付着がおこり、これに
よりサージラインの低下が起こる。そこで、この実施例
では、このような場合での機械の安全確保の為、圧縮機
損失の増加を伴うにしても、両方の方法を併用するよう
になっている。
【0033】次に、図10に示すように、PFBCボイ
ラ8の流量目標値がGAからGBに減少方向に変化し、
これに応じてマッチング圧力比がA点からB点に変化し
た場合について考えてみる。まず、このとき、流量目標
値が比較的ゆっくりとした変化の場合には、マッチング
圧力比はラインEに示すように、正確に追従変化する。
しかして、変化が急速に生じた場合には、ラインFに示
すように、火炉の圧力は遅れを伴い、低下する。これ
は、ボイラの圧力容器は、相対的に大きな容積を持って
いる為、供給する空気量が急変しても容器内の圧力は急
には変化せず、遅れて変化するのである。従って、IG
Vを閉止する、もしくは入口絞り弁を閉じる方向では、
ラインFに示すように、サージラインDに近づき、危険
となる。
【0034】そこで、IGVを閉塞する方向での制御
や、圧縮機の回転数を低下させる方向での制御、或いは
絞り弁を使用する方向での制御などを使用するのではな
く、圧縮機抽気弁20を使用することにより送風量を減
少させ、IGV、絞り弁開度を一定としたまま、つまり
動作のパラメータを一定とし、サージラインDとの距離
を保ったまま送風空気量を変化させるのが圧縮機の安全
の為好適であることが判る。
【0035】ところで、以上に述べた全ての方法は、0
%から100%の流量調整範囲を満たす性質を有してい
るが、前述の如く、単一の制御方法にては制御範囲が狭
いという欠点があり、各々組み合わせて使用し、流量調
整を行うことが有効であり、ぜひ必要となる。
【0036】次に、加圧流動床ボイラの圧力を決定づけ
る機構について説明する。まず、図11(a)に示す様
に、圧縮機1からPFBCボイラ8に送風された空気
は、炉内で燃焼したガスになり、遮断弁6を通りタービ
ン3に流入するが、この遮断弁6及びタービン3がPF
BCボイラ8の圧力を決定づける絞りとなっている。そ
して、前述の様に、ボイラ8よりも上流の要素について
は、送風する空気量を決める要因ではあるが、圧力に関
しては決定する要因とはなっていない。つまり、前記の
遮断弁6及びタービン3からなる絞りを調整すること
で、始めてPFBCボイラ8の燃焼器内圧力を変化し得
るのである。なお、図中、22はタービン初段固定翼で
ある。
【0037】一般に、タービンの入口における流量特性
は、次の(2)式で表わされる。
【0038】
【数2】
【0039】なお、このタービン修正流量に関する詳し
い説明も、上記したコロナ社発行の文献に示されてい
る。
【0040】次に、この(2)式は、温度T及びスロート
面積Aが一定の場合、次の(3)式のようになり、圧力P
と流量Gとは単純に比例関係になる。
【0041】
【数3】
【0042】ここで、図11(b)に示す様に、タービン
初段ノズル(静翼)21の角度を調整する場合、図示の
(+)方向に動かしたときにはスロート面積Aは広がり、
(−)方向に動かしたときには、その逆にスロート面積A
は狭まる。そこで、(3)式において、スロート面積Aを
変化させた場合、スロート面積の大小に応じて同一流量
となる圧力は、各々圧力低、圧力高となることは明白で
ある。つまり図11(c)に示す様に、スロート面積Aを
広げたときはPFBCボイラ8の圧力は低下し、逆では
上昇する。
【0043】従って、図12において、ラインbを基準
とすれば、ラインaはスロート面積Aを狭めた場合、ラ
インcは広げたときのマッチング圧力を示すことにな
り、この結果、絞り要素であるタービン初段ノズル21
の角度、すなわち、スロート面積Aを可変とすることで
ボイラ圧力を調整することができる。
【0044】次に、図1の実施例におけるガスタービン
18の制御状態を、図13により説明する。この図13
は、回転数Nをパラメータとして、上の図は絞り弁17
の変化に対する空気流量の変化を示し、下の図はガスタ
ービン18の出力の変化を示したものであり、図の中
で、N1、N2、N3、N4、N5は夫々異なったター
ビンの回転数を表わす。そして、ここで、N1が100
%回転数で、N2からN5は、順に低い回転数を表わし
ており、この場合には、下の図において、a、b、c、
d、eを結ぶラインAを通る。但し、ここで、a〜b間
は、入口絞り弁17は全開状態で、IGV21を開閉し
て流量を調整している範囲であり、また、G1点は、最
小流量である火炉のパージ風量を示す。
【0045】そして、このラインA上で動作するよう
に、圧縮機1の風量を調整するのが最も効率がよく、ガ
スタービン18の出力が大きく得られ、ラインBの下側
になるので、モータ発電機26がモータとして動作して
いるときの範囲は狭く、又、入力が少なくて済む。そし
て、前述の様に、連続して回転数を変化させる制御には
制限がある為、実際には、入口絞り弁を使用したライン
を使うのである。ここで、領域CはIGV19の制御だ
けで流量を可変させた範囲、領域Dは回転数制御と絞り
弁17の制御とを組合せて使用した方が好適な範囲を示
す。そして、N1、つまり100%回転数を使用した場
合には、上図において絞りが最大で開度が最も小さくな
り、従って、モータ入力が大きくなる。
【0046】例えば、図において、a、b、g、h、i
を結ぶラインを使用した場合、回転数はN1及びN2の
2種を定常的に一定として使用する。このとき、絞りは
点gより点l(エル)に到る部分になり、従って、絞りの
度合いは少なく、その分、モータ入力は少なくて済むこ
とになる。
【0047】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。まず、図14は、圧縮機1の吐出部にも抽気弁20
を設け、これもPFBCボイラ8への送風空気量調整に
使用した場合の一実施例である。また、図15は、PF
BCボイラ8の圧力調整用の絞り調整機構として、ガス
放風弁23と絞り弁24を設けた場合の一実施例である
【0048】さらに、図16には、ガス流入系の遮断弁
6を省略し、これの機能を絞り弁24にて共通化した一
実施例を示したものである。
【0049】図17は、PFBCボイラ8の圧力調整用
の絞り調整機構として、ガス放風弁23を採用した一実
施例を示してある。図18には、PFBCボイラ8の圧
力調整用の絞り調整機構として、絞り弁24を採用した
一実施例を示してある。図19は、複数基、例えば2基
のPFBCボイラ8に対して、各々1台のガスタービン
18を組合せ、各々燃焼用空気を供給するようにし、各
ボイラ8からの蒸気をへッダ29によりまとめ、1台の
蒸気タービン14により動力を発生させるように構成し
た本発明の一実施例を示したものである。
【0050】そして、図20は、1基のPFBCボイラ
8に対して複数台、例えば2台のガスタービン18を組
合せ、各ガスタービン18の圧縮機1から吐出される送
風空気を空気ヘッダ27によってまとめてPFBCボイ
ラ8に導入すると共に、PFBCボイラ8で発生した燃
焼ガスをヘッダ28に導き、ここから各々のガスタービ
ン18へ分配するように構成した本発明の一実施例を示
したものである。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、加圧型流動床ボイラに
一軸型ガスタービンを構成要素としたPFBCプラント
において、ボイラの起動から定格運転状態に至るすべて
の領域で、ボイラが要求する全ての条件を満足させるの
に必要な空気流量及び必要とされる圧力を連続的に、且
つ安定して供給することができる。また、上記の状態を
維持し、且つ起動時に必要となるガスタービンへのモー
タ動力の入力を常に最小にすることができ、高い運転効
率を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガスタービンシステムの運転制御
装置及び加圧流動床ボイラ発電プラントの第1の実施例
を示す構成図である。
【図2】一般的なガスタービンシステムの例を示す構成
図である。
【図3】一軸型ガスタービンを使用したPFBCプラン
トの従来例を示す構成図である。
【図4】一軸型ガスタービンを使用したPFBCプラン
トにおけるボイラの空気流量要求の時間変化を示す特性
図である。
【図5】一軸型ガスタービンを使用したPFBCプラン
トにおけるボイラのガス平均流速を示す特性図である。
【図6】ガスタービンの圧縮機の第1の動作状態を示す
特性図である。
【図7】ガスタービンの圧縮機の第2の動作状態を示す
特性図である。
【図8】ガスタービンの圧縮機の第3の動作状態を示す
特性図である。
【図9】ガスタービンの圧縮機の第4の動作状態を示す
特性図である。
【図10】ガスタービンの圧縮機の第5の動作状態を示
す特性図である。
【図11】ガスタービンのガス系での絞り要素の動作例
を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施例におけるボイラの動作を説
明する特性図である。
【図13】本発明の一実施例におけるガスタービンの動
作を説明する特性図である。
【図14】本発明の第2の実施例を示す構成図である。
【図15】本発明の第3の実施例を示す構成図である。
【図16】本発明の第4の実施例を示す構成図である。
【図17】本発明の第5の実施例を示す構成図である。
【図18】本発明の第6の実施例を示す構成図である。
【図19】本発明の第7の実施例を示す構成図である。
【図20】本発明の第8の実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ガスタービン圧縮機 2 燃焼器 3 タービン 4 発電機 5、6 遮断弁 7 バイパス弁 8 加圧流動床ボイラ 9 石炭供給装置 10 圧力容器 17 絞り弁 19 圧縮機インレットガイドベーン 20 圧縮機抽気弁 21 タービン初段ノズル 23 放風弁 26 モータ発電機 30 プラント統括制御装置 31 PFBCボイラ圧力制御装置 36 燃焼用空気流量制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川池 和彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−179337(JP,A) 特開 平1−219371(JP,A) 特開 昭61−34322(JP,A) 実開 平3−49340(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02C 9/00 F02C 3/28 F02C 7/042 F02C 7/057

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機部に可変インレットガイドベーン
    機構を有する一軸型ガスタービンと、このガスタービン
    に直接又は変速手段を介して連結したモータ発電機を備
    たガスタービンシステムにおいて、 上記圧縮機部の吸気系に設置した絞り弁と、 上記圧縮機部の中間段吐出部の少なくとも一方に設置
    した抽気弁と、 上記モータ発電機のトルクを制御することにより上記圧
    縮機部の回転速度を制御する回転速度制御手段 とを設
    け、 これら絞り弁と抽気弁及び上記可変インレットガイドベ
    ーン機構連携制御に上記ガスタービンの回転速度制御
    を併用して上記圧縮機部の送風空気量と送風圧力の双方
    を制御するように構成したことを特徴とするガスタービ
    ンシステムの運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 上記ガスタービンのガスタービン部のガス流入系に絞り
    調整機構を設け、この絞り調整機構により上記ガスタービンの圧縮機部の
    送風圧力を制御するように構成したことを特徴とするガ
    スタービンシステムの運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の発明において、 上記絞り調整機構が、可変角度型タービン部の初段静翼
    可変機構、又はタービン部とは別個に設置された絞り弁
    機構、或いはタービン部に流入するガスを大気中に放出
    する放風弁機構の何れかで構成されていることを特徴と
    するガスタービンシステムの運転制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項の発明において、 上記ガスタービンの燃焼部の送気通路と燃焼ガス通路の
    夫々に設置した遮断弁と、 上記燃焼部を通らずに直接、上記ガスタービンの圧縮部
    の出口とタービン部の入口とを連通するバイパス弁とを
    設け、 上記遮断弁は緊急時に急閉遮断し、上記バイパス弁は緊
    急時に急開するように構成され ていることを特徴とする
    ガスタービンシステムの運転制御装置。
  5. 【請求項5】 燃焼部が加圧流動床ボイラの燃焼部で構
    成され、圧縮機部に可変インレットガイドベーン機構を
    有する一軸型ガスタービンと、このガスタービンにより
    駆動されるモータ発電機を備えた加圧流動床ボイラ発電
    プラントにおいて、上記圧縮機部の吸気系に設置した絞り弁と、 上記圧縮機部の中間段と吐出部の少なくとも一方に設置
    した抽気弁と、 上記モータ発電機のトルクを制御することにより上記圧
    縮機部の回転速度を制御する回転速度制御手段とを設
    け、 これら絞り弁と抽気弁及び上記可変インレットガイドベ
    ーン機構の連携制御に上記ガスタービンの回転速度制御
    を併用して上記圧縮機部の送風空気量と送風圧力を制御
    するように構成した ことを特徴とする加圧流動床ボイラ
    発電プラント。
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