JP2005105907A - ガスタービン設備とその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
圧縮機の吐出や燃焼器などへ水分を注入する水分利用型ガスタービンにおいて、タービンを通過する燃焼ガスに含まれる蒸気の量の増減に関わらず、圧縮機とタービンの効率を高く維持し、しかも熱供給時の熱量を増大させる。
【解決手段】
空気を圧縮する圧縮機10と、圧縮機で圧縮して得た圧縮空気と燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼器12と、燃焼器で生成された燃焼ガスにより駆動されるタービン14と、前記圧縮空気もしくは燃焼ガスに水分を供給する手段42と、前記供給された水分の量を直接または間接に計測する計測装置とを備え、水分量の減少に応じて燃焼器出口ガス温度を上げる制御手段を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮空気もしくは燃焼ガスに水分を加えるガスタービン設備とその制御方法に関するものである。
従来から、ガスタービンの排ガスから排熱回収ボイラーにより発生させた蒸気を、ガスタービンの燃焼器に噴射し、ガスタービンの出力と熱効率の向上を図った発電システムが導入されている。この種のガスタービンでは、電力需要が高いときには、より多くの蒸気を燃焼器へ注入してガスタービンの電気出力を増大させ、逆に、熱需要が高いときには、燃焼器へ注入する蒸気量を減らしてボイラーで発生した蒸気を熱源として利用する。このように電気と熱の需要状況に応じて、両者の発生比率を変えられるガスタービンのことを熱電比可変型ガスタービンと呼ぶ。
そのような熱電比可変型ガスタービンにおいて、例えば特開平9−125984号公報では、翼の取り付け角が変化する可変静翼をガスタービンの圧縮機に設け、燃焼器へ注入される蒸気量の増減に応じて圧縮機吸気量を調節し、熱電比に関わらず一定流量の燃焼ガスでタービンを駆動することを特徴としたガスタービンが開示されている。
また、特開平11−229894号公報には、圧縮機の代わりにタービンの静翼の取り付け角を可変とし、燃焼器に注入される蒸気量に応じて変わる燃焼ガスの量に合わせてタービンの取り付け角(すなわちスロート面積)を変化させ、排熱ボイラーで発生した蒸気の全量を燃焼器に注入可能としたガスタービンが開示されている。
特開平9−125984号公報 特開平11−229894号公報
しかし、特開平9−125984号公報では、注入蒸気量に関わらずタービンを通過する燃焼ガスの量は変わらないため、熱電比が変わってもタービン部分の効率は変わらないが、圧縮機を通過する空気流量は熱電比に応じて変化することになるため、熱電比によっては圧縮機の作動点が最適設計点からずれてしまう。このため、ガスタービン設備全体で見た場合、熱電比によっては発電効率を十分に引き出せないという問題点があった。
また、電力主体の顧客にとっては、燃焼器へ注入される蒸気の分だけ、圧縮機は常に小流量側で運転することになる。このため、発電に必要な圧縮空気量に比べ見かけ上大容量の圧縮機が設置されていることになり、同出力の発電専用のガスタービンに比べ、製造コストの増大と設置面積の拡大につながっていた。
また、特開平11−229894号公報では、熱電比に応じて圧縮機を通過する空気流量は変化しないが、タービンを通過する燃焼ガスの流量は熱電比によって変化するため、熱電比によってはタービンの作動点が最適設計点からずれるため、ガスタービン設備全体としては発電効率が十分に引き出せないという問題点があった。
また、タービンを通過する燃焼ガスの量を調節するには、タービンの初段静翼を可動静翼にするのが最も効果的だが、初段のような高温部分で翼の可動機構を設けることは、可動部の熱膨張や潤滑などの点で信頼性と耐久性が損なわれるため、ガスタービンの燃焼温度を上げられず熱サイクルとしての効率が低下する、あるいは燃焼温度を高くした場合は長期的な性能維持費が高くなるといった問題点があった。
本発明の目的は、タービンを通過する燃焼ガスに含まれる蒸気の量の増減に関わらず、圧縮機とタービンの効率を高く維持し、しかも熱供給時の熱量を増大させることができるガスタービン設備を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のガスタービン設備は、空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼器と、該燃焼器で生成された前記燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記圧縮空気もしくは前記燃焼ガスに水分を供給する手段とを備えたガスタービン設備において、前記圧縮空気もしくは燃焼ガスに供給する水分量の減少に応じて燃焼器出口ガス温度を上げる制御手段を設けている。
本発明によれば、タービンを通過する燃焼ガスに含まれる蒸気の量の増減に関わらず、圧縮機とタービンの効率を高く維持し、熱供給時の熱量を増大させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施例を示すガスタービンサイクルの系統図である。ガスタービン発電設備は、図1に示すように、空気を圧縮して吐出する圧縮機10,圧縮機10で圧縮して得た圧縮空気と燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼器12と、燃焼器12で生成された前記燃焼ガスにより駆動されるタービン14と、タービン14から排出された排気ガスの熱を利用して圧縮機10から燃焼器12へ供給される前記圧縮空気の全部または一部を加熱する再生熱交換器38を備えている。圧縮機10の吐出または途中段で抽気された圧縮空気は、タービン冷却空気の調節器72を通してタービン部へ送られ、タービン翼やタービンケーシングを冷やしてタービン主流ガスと合流する。ガスタービンの出力軸から動力を得て電気に変換する発電機16は、図示していない送電系統に接続される。また、再生熱交換器38の排ガス側下流には温水または水蒸気発生器40が設けられ、ガスタービンの排ガスを熱源として外部から供給された水を加熱し、温水または蒸気の形で熱を外部へ供給する。なお、ポンプ等は図示を省略した。
圧縮機10から吐出された圧縮空気が燃焼器12に至る経路には加水装置42が設置され、圧縮空気に水を噴霧する。この噴霧された水は、圧縮機10から導かれる圧縮空気の熱量により蒸発してタービンの作動媒体の量を増加させると共に、その蒸発潜熱により圧縮空気の温度を低下させる。加水装置42に水を供給する補給水供給装置48は、例えば本ガスタービン設備及び関連機器の系外から水を導く形態になっていてもよい。或いは、本ガスタービン設備及び関連機器の系内から水を回収する形態でもよい。空気への加水方法としては、圧縮空気流に対して水滴を噴霧する方式や、圧縮空気の流れる流路に面する構造物に水を供給して圧縮気流と接触させる方式等を使用してもよい。
再生熱交換器38は、圧縮空気上流側の加水装置42で加えられた水分を含む圧縮空気を利用して、ガスタービン排ガスから排熱回収を行う。加水装置42による加水によって再生熱交換器38に導かれる空気温度が低下するため、再生熱交換器38での回収熱量を増やすことができ、熱効率を向上させることが可能となる。再生熱交換器38により加熱された圧縮空気は燃焼器12に供給され、燃料50を加えられて燃焼し、高温ガスとなった後タービン14を駆動し、再生熱交換器38で圧縮機10から供給された圧縮空気により排熱回収された後、熱出力のための熱源として利用されたあと大気へ放出される。
ガスタービンの排ガスの温度は温度計測器76によって計測され、圧力計測器77の圧力値と、流量計測器70の水量値と共に制御装置80に送られる。制御装置80は、必要熱電量と前記排ガス温度,前記圧縮機吐出圧力値から加水量設定値を算出して流量調節器78を調節し、それと同時にタービン翼冷却空気の流量調節器72と燃料の流量調節器
74を調節して所定のタービン冷却能力と燃焼温度を得る。加水装置42における加水量の制御する手段として、加水量を計測するための計測器70と水量を調節する調節器78とが別々の構成となっているが、計測器70を外して調節器78の調節量から間接的に水量を推し量る方法を採っても良い。また逆に、タービンの冷却空気量や燃料流量を計測するための計測器をタービン冷却空気配管や燃料配管の途中に設けて、その流量計測値を元に調節器72や74をコントロールしても良い。
加水装置42で加水されるべき水分の量は、必要となる電力量や熱量に応じて増減する。電力需要が大きいときには加水量を増やして、タービン14を通過する作動流体の質量流量を増してガスタービンの電気出力を増大させ、逆に熱需要が大きいときには加水量を抑えて発電出力を減らして、その分高温となったガスタービンの排ガスにより多くの熱量を生み出す。
加水量の増減により、タービンを通過する質量流量が代わり、タービンの空力的な性能が変化する。同時に、加水された水分の蒸発により再生熱交換器38の圧縮空気側入口温度も変わるため、システム全体の熱サイクル的なバランスも変化する。全体性能を上げるためには、タービンの空力的な変化とシステムの熱サイクル的な変化の両方を鑑みて燃焼温度を決める必要がある。
タービンの修正流量と圧力比の関係を図2に示す。ガスタービンの基本的な運転条件として回転数Nと燃焼温度Tが一定の場合を考え、加水量を設計条件にしたときの運転点をAとする。このとき、十分加水されたAの状態から燃焼温度一定のまま加水量を減らしていくと、タービンの質量流量mが減少して修正流量と圧力比が減少して運転点Bの方へ近づいていく。すなわち、燃焼温度一定のまま加水量を減らすことによりタービンの断熱効率ηは低下し、さらにシステムの熱サイクル的な変化も関係してガスタービンの発電効率は低下する。
仮に、加水量の減少と同時に燃焼温度Tを上昇させた場合、燃焼温度一定の状態に比べ修正流量m√T/Pの減少は抑制され、かつ修正回転数N/√Tは小さくなる。よって、燃焼温度をどれだけ上げるかによるが、加水量の減少分に応じて燃焼温度を上げることによりタービンの効率の低下を抑制できる。また、このときの燃焼温度と圧力比の上昇は、熱サイクル的な面からも高効率化の方向に働くため、タービンの空力性能の向上以上の効率向上を燃焼温度の上昇により得ることができる。さらに、加水量の少ないときに燃焼温度を上げることは、熱需要の高いときに排ガス温度を高くすることを意味し、熱が必要なときにより多くの熱量を排出できるというメリットもある。
加水量の変化に対する発電効率およびタービン圧力比の関係を図3に示す。この図は、加水したときの運転点をシステム設計点とした場合の一例である。このとき、ガスタービンの排気側コンポーネント(排気ディフューザ,再生器など)の耐熱制限からタービン排ガス温度の設定可能最大値を決定し、それに対する燃焼温度の設定可能限界線も図中に示した。
ガスタービンは、通常、タービン翼とタービン排気側コンポーネントの耐熱温度を考慮して、燃焼温度とタービン出口温度が、ある限界値以下になるように運転制御される。ガスタービンは吸気条件(大気の温度,圧力,湿度など)によって質量流量が変化し、出力および発電効率が変化する。すなわち、圧縮機の吐出空気に水分を加えない、シンプルサイクルのガスタービンであっても、吸気温度が高くなると、圧縮機吸気の質量流量が減少して圧力比が低下する。このときの変化は、水分利用型ガスタービンにおける加水量の減量に似た変化をするが、水分利用型ガスタービンの場合、水分量の増減に応じてタービンの作動流体の物性値(比熱比など)が変化する点が、シンプルサイクルのガスタービンと大きく異なっている。
このことを理解するため、仮想的にタービン作動流体の物性値の変化を無視した場合の燃焼温度限界線の変化を図3中の破線Cで示す。タービンの作動流体の物性値を一定として扱った場合、設計点から加水量が減少するにつれ、排気温度=一定としたときの燃焼温度は燃焼温度一定線Bよりも左下がりの曲線となる。これは、タービンの質量流量の減少に伴い圧力比が減少し、燃焼温度と出口温度の温度比が低下するためである。これに対し、加水量の減少によるタービン作動流体の物性値の変化を考慮すると、質量流量の減少による圧力比の低下を打ち消す方向に作動流体の物性値の変化が寄与する。このため水分利用型ガスタービンでは、排ガス温度を設計値以下に維持したまま燃焼温度を設計値以上に上げ得る余地が生まれる。
水分を利用しないガスタービンでは、タービン流量の減少に応じてタービン排ガス温度を一定(曲線B)になるように制御すれば、図3の破線Cから分かるように燃焼温度は結果的に設計温度以下となり、タービン翼に関し耐熱上の問題を生ずることが無い。これに対して水分利用型ガスタービンの場合は、燃焼温度とタービン出口のガス温度をそれぞれある設定値以下になるように運転するためには、燃焼温度を一定とするような運転制御をする必要がある。しかし、図3から分かるように、燃焼温度=一定(曲線B)で制御するよりも、タービン排ガス温度=一定(曲線A)で制御した方が、水分量を減らした状態での発電効率を高めることができる。また、タービン排気側の配管や再生器などは廉価な材料で製造し、かつ冷却機構も持たないため、設計想定値以上に温度を高めることはできないが、タービン翼の場合は比較的耐熱温度の高い材料を用い、かつ翼を冷却するための冷却空気流路を有するため、ある程度の耐熱裕度を確保することが可能である。このことを利用し、本特許では、水分減量時における燃焼温度を設計点よりも上昇させ、必要に応じてタービン翼の冷却空気量を増大させて翼の健全性を確保し、ガスタービンシステムの発電効率の向上と熱供給量の増大を図ることができる。
本実施例の制御方法の一例を、図4を用いて説明する。燃焼温度と得られる熱出力および電力出力の関係を模式的に表したのが図4(A)である。図中のチェックで示された領域は水分の加える量Qwに応じて電気または熱として利用できる出力であり、Qcを各燃焼温度における最大値に設定すれば電気出力となり、最小値にすれば熱出力となる。今仮に熱電需要に応じて必要な電力と熱量を設定すると、図4(A)からそれを満たす最小の燃焼温度が求まることになる。また同時に、そのときの熱電比から必要な加水量Qwが従属的に決まる。燃焼温度と必要な冷却空気量Qcとの関係は図4(B)のような関係として模式的に表すことができ、この関係から燃焼温度の設定値に対する冷却空気量Qcを決める。図1の制御装置80は、これらの燃焼温度、Qw,Qcが目標値になるように調節器72,74,78をコントロールする。
ここでは便宜上、燃焼温度を用いて説明したが、一般に燃焼温度は高温で計測は難しいため、タービン排ガス温度とタービン圧力およびタービンの作動流体の比熱比などから、算術的に燃焼温度を求めて利用しても良い。そのための計測値として、図1にはタービン排ガス温度計測器76と圧縮機吐出圧力(タービン入口圧力にほぼ等しい)の計測器77を設けている。
以上のような計測器と制御方法によって、熱電比に関わらず常に高効率で信頼性の高いガスタービン設備を提供することができる。
本発明の別の実施例を図5に示す。システム構成上の要素は図1とほぼ同じであるので説明は割愛する。システム上、図1と特に異なるのは、翼の冷却空気中に加水装置44により水を加える点にある。図1では、燃焼温度の上昇時における翼冷却強化策として、冷却空気流量を調節するための調節機構が設けられていた。図5では、冷却空気流量を積極的に調節することは行わず、代わりに冷却空気の温度を冷却空気への加水量の調節によって変化させる。この場合、燃焼温度が上昇して翼を積極的に冷却する必要がある場合には、流量調節器72を調節して加水装置44を介して冷却空気内により多くの水分を加え、その蒸発潜熱で冷却空気の温度を低下させて冷却空気の冷却能力を高める。逆に燃焼温度が低い場合には冷却空気への加水を抑制し、必要以上に翼を冷却するのを防ぐ。このようにすることにより、燃焼温度の高温時において冷却空気量を増大させることが不要となり、冷却空気の増加によるシステム発電効率の低下を防ぎ、より高効率なガスタービンシステムを構築することができる。
また、別の実施例を図6に示す。前記の実施例では、圧縮機の吐出空気に加水装置で水を加えて水蒸気を作り、排熱回収は再生熱交換器で行っていた。これに対し図6の実施例では、蒸気発生器90により水蒸気の発生と排熱の回収を行っている。
蒸気発生器90で発生した水蒸気は、一部は加熱器92を通過して必要に応じて加熱された後に流量調節器98を通って燃焼器へ注入され、残りは流量調節器94を通過した後、タービン翼の冷却媒体として用いられる。図6では、再加熱器92を通らない蒸気が流量調節器96を通じてプロセス蒸気などとして用いられるように図示されているが、より高温の水蒸気が必要な場合は加熱器92通過後の蒸気を外部利用熱源として用いても良い。燃焼器へ注入する蒸気の量は、計測器70によって直接または間接的に計測され、ガスタービンの運転を制御するための指標として用いられる。また、タービンを冷却するための蒸気の流量は、流量調節器94により制御され、燃焼温度が高い場合は相対的に多く、低い場合は相対的に少なくなるように調節される。
このように本特許は、再生熱交換器を用いる水分利用型ガスタービンだけでなく、水蒸気発生器を用いる水分利用型ガスタービンにも適用でき、電力需要よりも熱需要が高いときには流量調節器98により燃焼器へ注入する蒸気の量を減量し、かつ修正流量の低下を抑えるために燃焼温度を上昇させることで、低蒸気量運転における効率の向上と外部供給熱量の増大を同時に満たすことができる。再生熱交換器を用いた図1や図5のようなシステムに比べて蒸気発生器を用いた図6のようなシステムは、システムとして達成し得る最大効率は低くなるが、構成する要素の構造が簡単なため安価なシステムを構築し得る。
本発明の一実施例であるガスタービン設備の系統図。 タービンの修正流量と圧力比の関係図。 燃焼温度限界線の変化を示す図。 燃焼温度と得られる熱出力,電力出力の関係図。 他の実施例であるガスタービン設備の系統図。 他の実施例であるガスタービン設備の系統図。
符号の説明
10…圧縮機、12…燃焼器、14…タービン、16…発電機、38…再生熱交換器、40…温水もしくは蒸気発生器、42,44…加水装置、48…補給水供給装置、50…燃料、70…流量計測器、72,74,78…流量調節器、76…温度計測器、77…圧力計測器、80…制御装置、m…質量流量、N…回転数、P…圧力、T…温度、η…効率、π…タービン圧力比。

Claims (10)

  1. 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼器と、該燃焼器で生成された前記燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記圧縮空気もしくは前記燃焼ガスに水分を供給する手段とを備えたガスタービン設備において、前記圧縮空気もしくは燃焼ガスに供給する水分量の変化に応じて、タービンにおける質量流量,温度,圧力から求まる修正流量の変化を緩和する方向に制御する制御手段を備えたことを特徴とするガスタービン設備。
  2. 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼器と、該燃焼器で生成された前記燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記圧縮空気もしくは前記燃焼ガスに水分を供給する手段とを備えたガスタービン設備において、前記圧縮空気もしくは燃焼ガスに供給する水分量の変化に応じて、燃焼器出口ガス温度を変化させる制御手段を備えたことを特徴とするガスタービン設備。
  3. 請求項2に記載のガスタービン設備において、前記水分量の減少に応じて燃焼器出口ガス温度を上げる制御手段と、前記水分量の増加に応じて燃焼器出口ガス温度を下げる制御手段を備えたことを特徴とするガスタービン設備。
  4. 請求項1から請求項3に記載のガスタービン設備において、さらに前記タービンから排出された排ガスの熱を利用して、前記圧縮機から前記燃焼器へ供給される前記圧縮空気の全部または一部を加熱する再生熱交換器を備えていることを特徴とするガスタービン設備。
  5. 請求項1から請求項4に記載のガスタービン設備において、さらに、前記タービン翼の全部または一部は、翼を冷却するための冷却用流体が流れる冷却パスを翼内部に有し、前記燃焼器出口ガス温度の上昇に伴って前記冷却用流体の流量を増加させるための機構と、前記燃焼器出口ガス温度の低下に伴って前記冷却用流体の流量を減少させるための機構とを有するガスタービン設備。
  6. 請求項1から請求項4に記載のガスタービン設備において、さらに、前記タービン翼の全部または一部は、翼を冷却するための冷却用流体が流れる冷却パスを翼内部に有し、前記燃焼器出口ガス温度の上昇に伴って前記冷却用流体の温度を低下させるための機構と、前記燃焼器出口ガス温度の低下に伴って前記冷却用流体の温度を上昇させるための機構とを有するガスタービン設備。
  7. 請求項1から請求項4に記載のガスタービン設備において、さらに、前記タービン翼の全部または一部は、翼を冷却するための冷却用流体が冷却パスを翼内部に有し、前記燃焼器出口ガス温度の上昇に伴って前記冷却用流体へ噴霧する水滴の量を増大させるための機構と、前記燃焼器出口ガス温度の低下に伴って前記冷却用流体へ噴霧する水滴の量を減少させるための機構とを有するガスタービン設備。
  8. 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼器と、該燃焼器で生成された前記燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記圧縮空気もしくは前記燃焼ガスに水分を供給する手段とを備えたガスタービン設備の制御方法において、前記圧縮空気もしくは燃焼ガスに供給する水分量の変化に応じて、タービンにおける質量流量,温度,圧力から求まる修正流量の変化を緩和する方向に制御することを特徴とするガスタービン設備の制御方法。
  9. 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼器と、該燃焼器で生成された前記燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記圧縮空気もしくは前記燃焼ガスに水分を供給する手段とを備えたガスタービン設備の制御方法において、前記圧縮空気もしくは燃焼ガスに供給する水分量の変化に応じて燃焼器出口ガス温度を変化させることを特徴とするガスタービン設備の制御方法。
  10. 請求項9に記載のガスタービン設備の制御方法において、前記水分量の減少に応じて燃焼器出口ガス温度を上げ、かつ前記水分量の増加に応じて燃焼器出口ガス温度を下げることを特徴とするガスタービン設備の制御方法。
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