JP2000192464A - 擁壁構造 - Google Patents

擁壁構造

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JP2000192464A
JP2000192464A JP10368368A JP36836898A JP2000192464A JP 2000192464 A JP2000192464 A JP 2000192464A JP 10368368 A JP10368368 A JP 10368368A JP 36836898 A JP36836898 A JP 36836898A JP 2000192464 A JP2000192464 A JP 2000192464A
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plastic block
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健夫 安野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟弱地盤上への構築に適し、安定性の高い且
つ低コストの擁壁構造を実現する。 【解決手段】 擁壁1背面の基礎板4上方に発泡プラス
チックブロック4が裏込めされ、基礎板3上よりも背面
側の土塊6中に、ジオグリッド7が水平層状に複層配設
されている擁壁構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擁壁の背面に発泡
プラスチックブロックが裏込めされた構造を有する擁壁
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自然状態の地盤を掘削したり、切取り・
盛土を行うことなどによって生ずる垂直面や斜面は、そ
の高さ・断面形状、土質の状態などによって差はある
が、滑りを生じて崩壊するおそれがある。この滑りや崩
壊を防ぐために設ける構造の一つに擁壁構造がある。
【0003】かかる擁壁構造においては、擁壁の自重
(重力式もしくは半重力式擁壁等の場合)や基礎板の上
にある土塊の重量(片持ちばり式擁壁等の場合)などを
利用して土圧に抵抗し、安定を保つように計画され、主
に以下の事項が検討される。 (1)擁壁全体の転倒に対する安全性 (2)擁壁全体の滑り(水平移動)に対する安全性 (3)基礎地盤の耐力(支持力と沈下)に関する安全性
【0004】従来は擁壁の断面設計のみによって上記の
安全性を確保するのが一般的であったが、近年、背面土
圧自体を低減させた擁壁構造が採用されるようになって
きた。かかる背面土圧を低減する方法としては、大別し
て、擁壁背面の裏込め材として超軽量の発泡プラスチ
ックブロックを用いる方法、背面地盤内にジオテキス
タイルを敷設する方法、がある。
【0005】図12は、上記の方法を片持ちばり式擁
壁に採用した場合の従来例であり、縦壁102と基礎板
103からなる片持ちばり式擁壁101の背面に、超軽
量の発泡プラスチックブロック104が裏込めされてい
る。
【0006】片持ちばり式擁壁では、基礎板103上の
土塊も転倒に対抗する抵抗モーメントに寄与するが、図
12のように基礎板103上全体に超軽量の発泡プラス
チックブロック104を裏込めした場合には、基礎地盤
の耐力(支持力と沈下)に関する安全性に対しては有効
であるものの、上記の抵抗モーメントが期待できないた
め、擁壁全体の転倒に対する安全性に対しては不利であ
る。
【0007】このため、図12のような従来の擁壁構造
においては、擁壁全体の転倒に対する安全性を確保する
ために、土圧が想定される滑り面114の前方の殆ど全
ての領域に超軽量の発泡プラスチックブロック104が
裏込めされる。
【0008】図13は、上記の方法を重力式擁壁に採
用した場合の従来例であり、重力式擁壁111の背面地
盤内に、ジオテキスタイル112が水平層状に複層配設
されている。ジオテキスタイル112は、主に土との摩
擦特性によって、滑り土塊113の安定性を高め土圧低
減効果を得るものであり、滑り面114よりも背面側ま
で十分な定着長Lを確保して敷設される。
【0009】上記ジオテキスタイル112としては、不
織布や織布のように透水性のある繊維を材料としたシー
ト、ジオグリッドやジオネットのように縦糸と横糸を交
点で結合または一体化した網状構造、格子状構造のシー
ト類が知られている。また、擁壁背面の裏込め材として
は、ジオテキスタイルとの摩擦抵抗を大きく期待できる
材料、例えば粒度の良い礫質土や砂質土などが用いられ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図12のような擁壁構
造は、土圧を大幅に低減することができると共に、基礎
板上の荷重を小さくできるため、特に基礎地盤の耐力が
小さい軟弱地盤上への擁壁構造としては極めて優れた構
造と言える。
【0011】しかしながら、上記擁壁構造で裏込め材と
して用いられている発泡プラスチックブロックは非常に
高価であり、特に土圧要因となる部分(すなわち滑り面
114の前方部分)の全体にわたって発泡プラスチック
ブロックが多量に裏込めされるため、施工コストに占め
る発泡プラスチックブロックの割合が高く、施工コスト
の削減を図るのが難しい。
【0012】一方、図13のような擁壁構造は、主に裏
込め材とジオテキスタイルとの摩擦抵抗を利用するもの
であるため、このような摩擦抵抗を期待できない発泡プ
ラスチックブロックのような超軽量の裏込め材と直接組
み合わせることができない。また、ジオテキスタイルに
よる土圧低減は、設計上、ジオテキスタイルの無い場合
の主働土圧合力の水平成分の1/3が限界とされてお
り、背面地盤上に大きな積載荷重(建造物や車両等)が
かかる場合に適用するには限界がある。
【0013】本発明は、上記従来の擁壁構造における問
題を解消し得る新規な擁壁構造を提供するものであり、
特にトータルコストの削減を図ると共に、構造的により
安定性の高い擁壁構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明の構成は以下の通りである。
【0015】すなわち、本発明の第1は、縦壁と基礎板
を有する擁壁の背面に、発泡プラスチックブロックが裏
込めされた構造を有する擁壁構造であって、擁壁背面の
基礎板上方に土塊が裏込めされ、基礎板上よりも背面側
に発泡プラスチックブロックが裏込めされていることを
特徴とする擁壁構造にある。
【0016】本発明の第1の擁壁構造は、基礎地盤の耐
力が比較的大きな場合に好適な構造であり、擁壁背面の
基礎板上方に土塊を裏込めすることにより、転倒モーメ
ントに対抗する荷重を確保すると共に、基礎板上よりも
背面側には発泡プラスチックブロックを裏込めすること
により土圧を低減することで、転倒および滑りに対する
安全性の確保が図られているものである。
【0017】本発明の第1の擁壁構造においては、擁壁
の転倒及び滑りに対する安全性を確保できる範囲内で、
擁壁背面の基礎板上方に部分的に発泡プラスチックブロ
ックを裏込めすることができ、また、擁壁に対して土圧
要因となる土塊が残存する場合には、この土塊による土
圧を低減するために、当該土塊中に、ジオグリッドを水
平層状に複層配設することが好ましい。
【0018】また、本発明の第2は、縦壁と基礎板を有
する擁壁の背面に、発泡プラスチックブロックが裏込め
された構造を有する擁壁構造であって、擁壁背面の基礎
板上方に発泡プラスチックブロックが裏込めされ、基礎
板上よりも背面側に土塊が裏込めされ、擁壁に対して土
圧要因となる当該土塊中に、ジオグリッドが水平層状に
複層配設されていることを特徴とする擁壁構造にある。
【0019】本発明の第2の擁壁構造は、基礎地盤の耐
力が小さな軟弱地盤に対して好適な構造であり、擁壁背
面の基礎板上方に発泡プラスチックブロックを裏込めす
ることにより、基礎板上の荷重を低減すると共に、基礎
板上よりも背面側の土圧要因となる土塊中にはジオグリ
ッドを配設することにより土圧を低減することで、基礎
地盤の耐力(支持力と沈下)に関する安全性、並びに転
倒および滑りに対する安全性の確保が図られているもの
である。
【0020】本発明の第2の擁壁構造においては、擁壁
背面の基礎板上方に、擁壁の沈下に関する安全性を確保
できる範囲内で部分的に土塊を裏込めすることができ、
また、トータルコストを考慮しつつ基礎板上の背面側に
も発泡プラスチックブロックを延長して裏込めすること
もできる。
【0021】また、本発明の第3は、重力式もしくは半
重力式の擁壁を用いた擁壁構造において、擁壁背面の滑
り土塊の一部を発泡プラスチックブロックとし、擁壁に
対して土圧要因となる土塊中に、ジオグリッドが水平層
状に複層配設されていることを特徴とする擁壁構造にあ
る。
【0022】本発明の第3の擁壁構造は、基礎地盤の耐
力が比較的大きく、擁壁高さが比較的低い(4m以下程
度)場合に好適な構造であり、擁壁背面の滑り土塊の一
部に発泡プラスチックブロックを用いることにより土圧
を低減すると共に、擁壁に対して土圧要因となる土塊中
にジオグリッドを配設することにより土圧の更なる低減
が図られているものである。
【0023】また、上記本発明の第1〜第3の擁壁構造
はいずれも、擁壁の背面に高価な発泡プラスチックブロ
ックが裏込めされた構造を有する擁壁構造における発泡
プラスチックブロックの使用量を効果的に削減し、トー
タルコストの削減が図られているものである。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の擁壁構造は、擁壁の背面
に発泡プラスチックブロックが裏込めされた構造を基本
とするものであるが、基礎地盤の耐力および擁壁の型式
に応じて、発泡プラスチックブロックを裏込めする領域
を限定し、また、適宜にジオグリッドを併用することに
よって、トータルコストの削減及び構造的な安定化を図
っている。以下、具体例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。
【0025】図1〜図5は、本発明の第1の擁壁構造の
例を示す立断面図である。これらの図において、1は縦
壁2と基礎板3からなる擁壁(いわゆる片持ちばり式擁
壁)、4は発泡プラスチックブロック、5は基礎板3の
上方に裏込めされた土塊、6は発泡プラスチックブロッ
ク4の背面の土塊、7はジオグリッド、8はコンクリー
ト床版、14は滑り面である。
【0026】図1〜図5に示すように、本発明の第1の
擁壁構造では、擁壁背面の基礎板3の上方に土塊5が裏
込めされ、基礎板3上よりも背面側には発泡プラスチッ
クブロック4が裏込めされる。
【0027】基礎板3の上方に裏込めされた土塊5は、
主に転倒モーメントに対抗する荷重として作用し、基礎
板3上よりも背面側に裏込めされた超軽量の発泡プラス
チックブロック4は、土圧の低減に寄与して更なる転倒
防止が図られている。このように本発明の第1の擁壁構
造は、転倒防止に重点を置いた構造であり、基礎板上の
荷重の低減は特に考慮していないため、特に、耐力が比
較的大きな基礎地盤上への構築に適した構造と言える。
【0028】発泡プラスチックブロック4としては、強
度的に優れ、耐水性にも優れたものが好ましく、例えば
ポリスチレン発泡体,ポリエチレン発泡体,ポリウレタ
ン発泡体等を用いることができ、特にポリスチレン発泡
体(商品名「ライトフィルブロック」:ダウ化工(株)
製)が好適である。
【0029】また、発泡プラスチックブロック4として
は、予備発泡させたビーズを金型内に入れ、加熱及び冷
却することにより所定密度に成形する型内発泡法による
もの、高圧下で溶融プラスチックに発泡剤を注入混合し
て流動性のゲルを作り、これを大気中に押出して急速に
膨張させる押出発泡法によるものとがあるが、これらは
単独で若しくは組み合わせて盛土材料として用いること
ができる。
【0030】本発明の第1の擁壁構造は、図1に示すよ
うに基礎板3上の全ての領域に土塊5が裏込めされた構
造に限定されるものではなく、図2〜図4に示すよう
に、基礎板3上に部分的に発泡プラスチックブロック4
を裏込めしてもよい。
【0031】擁壁1の転倒に対する安全性を考慮する
と、基礎板3上の荷重の重心がなるべく低くなるのが好
ましい。このため、基礎板3上に部分的に発泡プラスチ
ックブロックを裏込めする場合には、なるべく基礎板3
上の上部領域に発泡プラスチックブロックを用いるのが
好ましい。すなわち、図4の形態よりも図3の形態、図
3の形態よりも図2の形態の方が好ましい。
【0032】基礎板3上に裏込めする発泡プラスチック
ブロック4の量は、基礎板3の幅Wや背面土圧の大きさ
等に応じて適宜設計され、通常、基礎板3上の全領域の
2/3以下、好ましくは1/2以下、特に好ましくは1
/3以下である。基礎板3上の全領域の2/3を超える
領域に発泡プラスチックブロック4が裏込めされると、
発泡プラスチックブロックの使用量の十分な削減につな
がらず、また転倒モーメントに対抗する荷重の確保が難
しくなり、これを確保するために基礎板3の幅Wを増す
必要があるなど、トータルコストの削減を図ることが困
難となる。
【0033】また、本発明の第1の擁壁構造において
は、通常は土圧要因となる部分(すなわち滑り面14の
前方部分)のほぼ全体にわたって基礎板3上よりも内側
に発泡プラスチックブロックを裏込めするが、発泡プラ
スチックブロックの使用量の更なる削減を図るために、
土圧要因となる部分の一部にのみ発泡プラスチックブロ
ックを使用することもできる。この場合には、擁壁に対
して土圧要因となる土塊が残存するため、この土塊によ
る土圧を低減するために、図5に示すように当該土塊6
中に、ジオグリッド7を水平層状に複層配設することが
好ましい。なお、ジオグリッド7は、滑り面14よりも
背面側まで十分な定着長Lを確保して敷設される。
【0034】ジオグリッド7は樹脂の延伸成形品からな
るもので、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の厚手
シートに孔をあけ、一軸または二軸方向に加熱延伸して
シートの高分子を配向させたものであり、残留伸度が1
0〜15%程度と小さく、引張り強度は未延伸ネットの
数倍以上の大きさを持ち、同一ストランドでは軟鋼に近
い強度を持たせることができる。かかるジオグリッドに
よる土圧低減効果は、ジオグリッドの目合に詰まって拘
束された土がグリッドと一体化して発揮する剪断抵抗力
(インターロッキング効果)によってもたらされるもの
である。
【0035】次に、本発明の第2の擁壁構造を説明す
る。図6〜図9は、本発明の第2の擁壁構造の例を示す
立断面図である。これらの図において、図1〜図5中の
符号と同一の符号は同様のものを示している。
【0036】図6〜図9に示すように、本発明の第2の
擁壁構造では、擁壁背面の基礎板3の上方には発泡プラ
スチックブロック4が裏込めされ、基礎板3上よりも背
面側には土塊6が裏込めされ、擁壁1に対して土圧要因
となるこの土塊6中にはジオグリッド7が水平層状に複
層配設される。なお、ジオグリッド7は、前記と同様、
滑り面14よりも背面側まで十分な定着長Lを確保して
敷設される。
【0037】基礎板3の上方に裏込めされた発泡プラス
チックブロック4は、基礎板3上の荷重の低減を図るも
のであり、土塊6中に配設されたジオグリッド7は、前
記と同様に土圧の低減に寄与するものである。このよう
に本発明の第2の擁壁構造は、基礎板3上の荷重を低減
して擁壁1の沈下防止に重点を置いた構造であり、特
に、基礎地盤の耐力が小さな軟弱地盤上への構築に適し
た構造と言える。
【0038】本発明の第2の擁壁構造は、図6に示すよ
うに基礎板3上の殆ど全ての領域に発泡プラスチックブ
ロック4が裏込めされた構造に限定されるものではな
く、沈下に関する安全性を確保できる範囲内で、図7に
示すように、基礎板3上に部分的に土塊5を裏込めして
もよい。
【0039】本発明の第2の擁壁構造においても、前記
本発明の第1の擁壁構造と同様、転倒に対する安全性を
考慮すると、基礎板3上の荷重の重心がなるべく低くな
るのが好ましい。このため、基礎板3上に部分的に土塊
5を裏込めする場合には、図7に示すようになるべく基
礎板3上の下部領域に土塊5を裏込めするのが好まし
い。この土塊5の量は、基礎地盤の耐力を考慮して適宜
設計される。
【0040】また、本発明の第2の擁壁構造において
は、トータルコストの削減効果が期待できる範囲内で発
泡プラスチックブロックの使用量を増すことができる。
具体的には、図8及び図9に示すように、発泡プラスチ
ックブロック4を適宜基礎板3の背面側にも延長して裏
込めすることができる。
【0041】本発明の第2の擁壁構造は極めて小さな応
力バランスによって安定性を確保する非常に効率的な構
造である反面、土圧に抵抗する荷重が小さいことから、
土圧の変動による転倒や滑りの発生が危惧される。特に
基礎板3上の全領域に発泡プラスチックブロック4を裏
込めするような場合には、土圧に抵抗する荷重は擁壁1
の自重のみとなるため、基礎板3の幅Wを大きくした
り、例えば図10に示すように、前面地盤を高くして根
入れ深さを深くしたり、基礎板3の底面に突起部9を設
けるなどして、転倒や滑りに関する対策を施すのが好ま
しい。
【0042】以上例示した本発明第1及び第2の擁壁構
造においてはL形の擁壁を用いているが、縦壁と基礎板
を有する擁壁であれば特に限定されず、例えば反T形
や、縦壁と基礎板とを結ぶ壁または斜材を、縦壁の背面
に適当な間隔で配置した控壁式の擁壁等も用いることが
できる。
【0043】次に、重力式もしくは半重力式の擁壁を用
いた本発明の第3の擁壁構造を説明する。ここで重力式
擁壁とは壁体の自重のみによって土圧に抵抗し、自立す
る形式のものであり、半重力式擁壁とは重力式擁壁に準
ずるものであるが、壁体の曲げによって背面に生ずる引
張応力に対して少量の配筋を行ったものである。
【0044】図11は、本発明の第3の擁壁構造の一例
を示す立断面図であり、重力式の擁壁11を用いた例で
ある。図11においても、図1〜図5中の符号と同一の
符号は同様のものを示している。
【0045】図11に示すように、本発明の第3の擁壁
構造においては、擁壁11の背面の滑り土塊の一部を発
泡プラスチックブロック4とし、擁壁11に対して土圧
要因となる土塊6中に、ジオグリッド7が水平層状に複
層配設される。なお、ジオグリッド7は、前記と同様、
滑り面14よりも背面側まで十分な定着長Lを確保して
敷設される。
【0046】擁壁11の背面に裏込めされた発泡プラス
チックブロック4は、擁壁11の背面土圧の低減を図る
ものであり、土塊6中に配設されたジオグリッド7は、
前記と同様に土圧の更なる低減に寄与するものである。
【0047】擁壁11の背面に裏込めする発泡プラスチ
ックブロック4の量は、背面土圧の低減効果とトータル
コスト等を考慮して適宜設計され、一般的には土圧要因
となる部分(すなわち滑り面14の前方部分)の1/4
〜4/5、好ましくは1/3〜3/4、特に好ましくは
1/2〜2/3である。土圧要因となる全領域に対する
発泡プラスチックブロックの使用割合が1/4よりも少
ないと、発泡プラスチックブロック4を裏込めすること
による土圧低減効果を十分に得ることが難しく、土圧要
因となる全領域の4/5を超える領域に発泡プラスチッ
クブロック4が裏込めされると、トータルコストの削減
を図ることが困難であり、またジオグリッド7を使用す
るメリットが殆ど無くなる。
【0048】以上説明した本発明の擁壁構造において
は、先の図に示したように発泡プラスチック4の上にコ
ンクリート床版8を敷設するのが好ましい。かかるコン
クリート床版8は、発泡プラスチック層の不陸整正、発
泡プラスチックブロックの固定、荷重分散さらには浮力
対策等を目的として設けられるものであり、場所打ちコ
ンクリートに限らずプレキャストコンクリートを用いて
形成することもできる。また、油等から発泡プラスチッ
クブロックを保護するため、必要に応じてコンクリート
床版8の下面に予め遮水シート等を敷設することができ
る。
【0049】また、本発明の擁壁構造を例えば道路とす
る場合には、コンクリート床版8の上に路床材を敷き、
アスファルト舗装等が行われる。
【0050】
【発明の効果】(1)本発明の第1の擁壁構造によれ
ば、高価な発泡プラスチックブロックの使用量を効果的
に削減しつつ、擁壁背面の基礎板上方の土塊によって転
倒モーメントに対抗する荷重を確保できる共に、基礎板
上よりも背面側の発泡プラスチックブロックによって土
圧を低減できる。このため、特に、耐力が比較的大きな
基礎地盤上に、転倒および滑りに対する安全性の高い擁
壁構造がより低コストで実現される。 (2)本発明の第2の擁壁構造によれば、高価な発泡プ
ラスチックブロックの使用量を効果的に削減しつつ、擁
壁背面の基礎板上方の発泡プラスチックブロックによっ
て基礎板上の荷重を低減できると共に、基礎板上よりも
背面側の土圧要因となる土塊中に配設されたジオグリッ
ドによって土圧を低減できる。このため、特に、軟弱地
盤上に、沈下並びに転倒および滑りに対する安全性の高
い擁壁構造がより低コストで実現される。 (3)本発明の第3の擁壁構造によれば、高価な発泡プ
ラスチックブロックの使用量を効果的に削減しつつ、滑
り土塊の一部に用いる発泡プラスチックブロック及び土
圧要因となる土塊中に配設されたジオグリッドによっ
て、土圧を極めて効率良く低減できる。このため、特
に、耐力が比較的大きな基礎地盤上に、転倒および滑り
に対する安全性の高い重力式もしくは半重力式の擁壁構
造がより低コストで実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の擁壁構造の一例を示す立断面図
である。
【図2】本発明の第1の擁壁構造の別の例を示す立断面
図である。
【図3】本発明の第1の擁壁構造の別の例を示す立断面
図である。
【図4】本発明の第1の擁壁構造の別の例を示す立断面
図である。
【図5】ジオグリッドを併用した本発明の第1の擁壁構
造の一例を示す立断面図である。
【図6】本発明の第2の擁壁構造の一例を示す立断面図
である。
【図7】本発明の第2の擁壁構造の別の例を示す立断面
図である。
【図8】本発明の第2の擁壁構造の別の例を示す立断面
図である。
【図9】本発明の第2の擁壁構造の別の例を示す立断面
図である。
【図10】本発明の第2の擁壁構造の別の例を示す立断
面図である。
【図11】本発明の第3の擁壁構造の一例を示す立断面
図である。
【図12】発泡プラスチックブロックを裏込め材に用い
た従来の擁壁構造を示す立断面図である。
【図13】ジオテキスタイルによる擁壁土圧低減工法を
説明するための図である。
【符号の説明】
1,101 片持ちばり式擁壁 2,102 縦壁 3,103 基礎板 4,104 発泡プラスチック 5 基礎板上の土塊 6 発泡プラスチック背面の土塊 7 ジオグリッド 8 コンクリート床版 9 突起部 11,111 重力式擁壁 14,114 滑り面 112 ジオテキスタイル 113 滑り土塊
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D044 CA05 CA08 2D048 AA42 AA73 AA74 AA91

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦壁と基礎板を有する擁壁の背面に、発
    泡プラスチックブロックが裏込めされた構造を有する擁
    壁構造であって、 擁壁背面の基礎板上方に土塊が裏込めされ、基礎板上よ
    りも背面側に発泡プラスチックブロックが裏込めされて
    いることを特徴とする擁壁構造。
  2. 【請求項2】 擁壁背面の基礎板上方に、擁壁の転倒及
    び滑りに対する安全性を確保できる範囲内で部分的に発
    泡プラスチックブロックが裏込めされていることを特徴
    とする請求項1に記載の擁壁構造。
  3. 【請求項3】 擁壁に対して土圧要因となる土塊中に、
    ジオグリッドが水平層状に複層配設されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の擁壁構造。
  4. 【請求項4】 縦壁と基礎板を有する擁壁の背面に、発
    泡プラスチックブロックが裏込めされた構造を有する擁
    壁構造であって、 擁壁背面の基礎板上方に発泡プラスチックブロックが裏
    込めされ、基礎板上よりも背面側に土塊が裏込めされ、
    擁壁に対して土圧要因となる該土塊中に、ジオグリッド
    が水平層状に複層配設されていることを特徴とする擁壁
    構造。
  5. 【請求項5】 擁壁背面の基礎板上方に、擁壁の沈下に
    関する安全性を確保できる範囲内で部分的に土塊が裏込
    めされていることを特徴とする請求項4に記載の擁壁構
    造。
  6. 【請求項6】 発泡プラスチックブロックが基礎板上の
    背面側に延長して裏込めされていることを特徴とする請
    求項4または5に記載の擁壁構造。
  7. 【請求項7】 重力式もしくは半重力式の擁壁を用いた
    擁壁構造において、擁壁背面の滑り土塊の一部を発泡プ
    ラスチックブロックとし、擁壁に対して土圧要因となる
    土塊中に、ジオグリッドが水平層状に複層配設されてい
    ることを特徴とする擁壁構造。
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