JP2000192172A - フレキシブルプリント回路基板用圧延銅箔およびその製造方法 - Google Patents
フレキシブルプリント回路基板用圧延銅箔およびその製造方法Info
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Abstract
管中の軟化に伴うトラブルを解消することにより,優れ
た屈曲性と適度な軟化特性を併せ持つFPC用圧延銅箔を
提供すること。 【解決手段】 S濃度が0.0005〜0.0020重量%,Ag,As,S
b,Bi,Se,Te,PbおよびSnの各成分の内一種以上の合
計量が0.0040重量%以下,酸素濃度が0.0100〜0.0500重
量%,厚さが5〜50μm,200℃で30分間の焼鈍後の圧延面
のX線回折で求めた(200)面の強度(I)が微粉末銅のX
線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対しI/I0>2
0.0であり,120〜150℃の半軟化温度を有し,30℃にお
いて継続して300 N/mm2以上の引張り強さを保持し優
れた屈曲性と適度な軟化特性を有する,フレキシブルプ
リント回路基板用圧延銅箔。
Description
回路基板(Flexible printed circuit)等の可撓性配線
部材の用途として好適な軟化特性を有する圧延銅箔に関
するものである。
は,ガラスエポキシおよび紙フェノール基板を構成材料
とする硬質銅張積層板(リジット)と,ポリイミドおよ
びポリエステル基板を構成材料とする可撓性銅張積層基
板(フレキシブル)とに大別され,プリント配線基板の
導電材としては主として銅箔が使用されている。銅箔は
その製造方法の違いにより電解銅箔と圧延銅箔に分類さ
れる。
ルプリント回路基板(FPC)は,樹脂基板に銅箔をラミ
ネートし,接着剤あるいは加熱加圧により一体化して形
成される。近年では高密度実装の有効な手段として,ビ
ルドアップ基板と呼ばれる多層配線基板が多く用いられ
ている。このFPCの構成部材となる銅箔には,主に圧延
銅箔が用いられている。
ィスク内の駆動部等の可動部分への配線が必要とされる
場所に広く使用され,100万回以上の屈曲が繰り返され
る。近年の装置の小型化や高水準化に伴い,この屈曲性
への要求はより高度化している。
フピッチ銅(酸素含有量100〜500 ppm)が用いられる。
このタフピッチ銅箔は,インゴットを熱間圧延した後,
所定の厚さまで冷間圧延と焼鈍とを繰り返して製造され
る。その後,樹脂基板との接着性を向上させるため,銅
箔には表面に粗化めっきが施される。粗化めっき後の銅
箔は,裁断された後,樹脂基板と貼り合わせられる。銅
箔と樹脂との貼りあわせには,例えばエポキシ等の熱硬
化性樹脂からなる接着剤が用いられ,張り合わせ後130
〜170℃の温度で1〜2時間加熱して硬化させる。つぎ
に,銅箔をエッチングして種々の配線パターンを形成す
る。
り圧延上がりよりも著しく向上する。そこで銅箔は焼鈍
状態でFPCの構成部材として使用されるが,この焼鈍は
粗化めっきして裁断した後に加熱処理を行うか,銅箔を
樹脂基板と接着する際の加熱で兼ねる。このように,焼
鈍状態の銅箔を最初から用いず製造工程の中間で焼鈍を
行う理由は,焼鈍後の軟質状態では裁断や樹脂基盤との
貼りあわせの際に銅箔が変形したり,銅箔にしわが生じ
たりするためであり,圧延上がりの硬質の状態の方がFP
Cの製造性の点からは有利なためである。
となる圧延銅箔の屈曲性を高めることが有効である。焼
鈍後の銅箔の屈曲性は,立方体集合組織が発達するほど
向上する。また,この立方体集合組織を発達させるため
には,銅箔の製造プロセスにおいて,最終圧延での加工
度を高くすること,および最終圧延直前の焼鈍での結晶
粒径を小さくすることが効果的である(特願平10-10185
8)。
銅箔は,圧延で蓄積される塑性歪みが増大するため軟化
温度が著しく低下し,場合によっては,室温で保管して
いても保管期間が長期に及ぶと軟化することがある。上
述したように,すでに軟化した銅箔を用いてFPCを製造
すると,銅箔が変形する等の問題が生じ,FPCの製造性
が著しく低下する。 したがって,上記の製造プロセス
を選択して銅箔の屈曲性を向上させる場合,同時に銅箔
の軟化温度を適度に高くする必要がある。
する問題は特開平10-230303でも指摘されていが,この
発明では室温軟化の問題を回避する手段として50〜90%
と低い圧延加工度で銅箔を製造することを提唱してい
る。しかし,このような低い圧延加工度で銅箔を製造す
ると銅箔の屈曲性は著しく低下するため,屈曲性が優れ
た銅箔を製造する場合に,この手段を用いることはでき
ない。
曲性圧延銅箔の軟化温度を適度に高めて保管中の軟化に
伴うトラブルを解消することにより,優れた屈曲性と適
度な軟化特性を併せ持つFPC用圧延銅箔を提供すること
である。
の問題点を解決したものであり,(1)S濃度が0.0005
〜0.0020重量%,Ag,As,Sb,Bi,Se,Te,PbおよびSn
の各成分の内一種以上の合計量が0.004 0重量%以下,酸
素濃度が0.0100〜0.0500重量%,厚さが5〜50μm,200℃
で30分間の焼鈍後の圧延面のX線回折で求めた200面の強
度(I)が微粉末銅のX線回折で求めた200面の強度
(I0)に対しI/I0>20.0であり,120〜150℃の半軟化
温度を有し,室温において継続して300 N/mm2以上の
引張り強さを保持し優れた屈曲性と適度な軟化特性を有
することを特徴とする,フレキシブルプリント回路基板
用圧延銅箔。
抗比が10〜140であることを特徴とする上記(1)の圧
延銅箔。 (3)インゴットを熱間圧延した後,冷間圧延と焼鈍と
を繰り返し,最後に冷間圧延で箔に仕上げる工程で製造
し,最後の冷間圧延前の焼鈍を,加熱炉の温度が500℃
以上で,この焼鈍で得られる再結晶粒の平均粒径が5〜2
0μmになる条件下で行ない,焼鈍後5℃/秒以上の冷却
速度で材料を100℃以下の温度まで冷却し,最後の冷間
圧延の加工度を90.0%を超える値とし,優れた屈曲性と
適度な軟化特性を有する上記(1)及び又は(2)の圧
延銅箔を得ることを特徴とするフレキシブル回路基板用
圧延銅箔の製造方法に関するものである。
スで製造して立方体集合組織を発達させれば,屈曲性は
向上するが,軟化温度が低くなり過ぎる。しかし,素材
の微量成分をコントロールすることにより軟化温度を高
めると,適度な軟化温度を有する銅箔を得ることが可能
となる。
であるが,30℃で1年間放置した場合であっても300 N
/mm2以上の引張り強さを保つこと, (2) 粗化めっきして裁断した後の熱処理または樹脂基板
と接着する際の熱処理で,銅箔が軟化すること, の2つの条件によって規定され,30分間焼鈍の際の半軟
化温度(引張強さが焼鈍前と完全に軟化したときの中間
の値になるときの焼鈍温度)でいえば,120〜150℃の範
囲に相当する。
める手段としては, タフピッチ銅を溶製する際に,合金元素を微量に添加
する方法 インゴットを箔に加工する過程で,不純物元素を固溶
状態にする方法(不純物は析出状態よりも固溶状態の方
が軟化抑制効果が著しく大きい)の2通りがあげられ
る。本発明は,タフピッチ銅に新たに合金元素を添加す
ることなく,従来のタフピッチ銅中に含有されている不
純物を利用し,の手段により圧延銅箔の軟化温度を高
めることを主旨とする。
に極めて大きな影響を及ぼす不純物元素として硫黄があ
げられる。Cu2S粒子として存在する場合の硫黄の軟化抑
制効果は小さいが,銅中に溶解した状態の硫黄は軟化を
著しく抑制する。本発明者らは,この硫黄を適度に固溶
させれば,FPC用圧延銅箔として好適な軟化温度が得ら
れることを見出した。
最終圧延前の焼鈍(最終焼鈍)における硫黄の固溶/析
出挙動を制御すればよいことを知見した。すなわち,固
体銅中の硫黄の平衡溶解度は温度が高くなるほど増大す
るため,最終焼鈍での加熱温度を高くすると銅中の硫黄
の固溶濃度が増加し,その後圧延加工を加えた後の材料
の軟化温度が上昇する。
して固溶する反応の進行の程度を左右する重要な因子で
あった。さらに,加熱中にSを固溶させても,その後の
冷却速度が遅いと冷却の過程でSがCu2Sとして析出する
ため,所定の速度以上で加熱後の冷却を行う必要があ
る。なお,不純物硫黄の固溶/析出で半軟化温度をコン
トロールする場合,タフピッチ銅に含有されている硫黄
以外の不純物を所定のレベル以下に規制した方が,より
正確に軟化温度を調整できる。
に説明する。本発明では,圧延銅箔を室温において継続
して300N/mm2以上の引張り強さを保持することを目
標とした。より望ましくは30℃において1年間保管した
場合であっても300N/mm2以上の引張り強さを保持でき
ることである。
を超える温度に相当し,銅箔がFPCに加工されるまでの
保管期間は長くても1年間である。また,引張り強さが
300 N/mm2以上であれば,銅箔を加工中にしわが生じ
る等のトラブルは発生しない。したがって,30℃で1年
間放置しても300 N/mm2以上の引張り強さを保持でき
れば実用上問題はない。このような軟化特性は,30分間
焼鈍したときの半軟化温度に換算すると,120℃以上の
温度に相当する。
150℃を超えると, 粗化めっきして裁断した後の熱処理
または樹脂基板と接着する際の熱処理で銅箔が軟化しな
いことがある。そこで,30分間焼鈍したときの半軟化温
度を120〜150℃に規定した。
曲性を高める必要がある。銅箔は再結晶状態でFPC中に
組み込まれるが,純Cuの再結晶集合組織である立方体集
合組織を発達させれば,銅箔の屈曲性は向上する。満足
できる屈曲性が得られるときの立方体集合組織の発達度
は,X線回折で求めた(200)面の強度が微粉末銅のX線
回折で求めた(200)面の強度(I0)に対し I/I0>20.
0の関係であることで規定される。ここで,200℃で30分
間の焼鈍は,X線強度の測定に際し,銅箔を再結晶させ
るために行うものである。
が,固溶したSだけの濃度を分析することは不可能であ
る。この固溶S濃度は,間接的に残留抵抗比(RRR値)を
測定することで知ることができる。RRR値は,293 Kと4.
2 Kでの比抵抗値の比(ρ(293K)/ρ(4.2 K))で定義さ
れる。純銅の比抵抗ρは,ρ0+ρtで表される。
に依存せず,不純物の固溶量が増えると増加する。ま
た,ρtは格子振動による散乱の項であり,温度が高く
なると増加する。室温でのρはρt支配で金属固有の値
となり,極低温でのρはρ0支配となる。したがって,S
の固溶濃度が高くなると,ρtすなわちρ(293K)は変化
しないが,ρ0すなわちρ(4.2 K)が大きくなるため,RR
R値が小さくなる。なお,固溶不純物以外に圧延で生じ
た塑性歪みもρ0の値に影響を及ぼすため,この歪みを
熱処理で除去してからRRR値を測定する必要がある。
歪みを除去した後のRRR値を10〜140の範囲に調整すれ
ば,このときの固溶S濃度に応じて好適な軟化特性が得
られることを知見した。一方,RRR値が140を超える場合
には半軟化温度が120℃を下回り,10未満の場合には半
軟化温度が150℃を超える。120℃以上の半軟化温度すな
わち140以下のRRR値に相当する固溶S濃度を得るために
は,全硫黄濃度を0.0005重量%以上とする必要がある。
と,硫黄の固溶濃度が高くなり過ぎ,RRR値が10未満と
なって半軟化温度が150℃を超える。また,平衡固溶度
を超える過剰の硫黄はCu2Sとして析出するため,全硫黄
濃度が0.0020重量%を超えると,このCu2S介在物による
屈曲性の低下が著しくなる。そこで,硫黄濃度を0.0005
〜0.0020重量%に規定した。
通常のタフピッチ銅中に極微量含有されている不純物の
うち,半軟化温度への影響が大きい元素である。したが
って,硫黄の固溶濃度で半軟化温度をコントロールする
場合,これら不純物の濃度を低レベルに抑えた方が,半
軟化温度のコントロールが容易になる。
の各成分の内一種以上の合計で0.0040重量%以下にする
ことが望ましく,0.0040重量%を超えると,硫黄の固溶
濃度が同じでも半軟化温度に大きなばらつきが生じた
り,硫黄の固溶濃度によっては半軟化温度が150℃を超
えたりする。
響として,タフピッチ銅よりも軟化温度が著しく高いこ
とが知られている。また,タフピッチ銅中に過剰に含有
された酸素は,Cu2Oの介在物を形成する。酸素濃度を0.
0100〜0.0500重量%に規定した理由は,酸素濃度が0.010
0重量%未満の状態で硫黄を固溶状態にすると半軟化温度
が150℃を超え,酸素濃度が0.0500重量%を超えるとCu2O
介在物が増大し屈曲性が低下するためである。
外周に生じる歪みが減少するため,屈曲性が向上する。
銅箔の厚さが50μmを超えると,立方体集合組織を発達
させても所望の屈曲性は得られない。一方,銅箔の厚さ
を5μm未満にすると,箔の強度が低くなり過ぎ,破断な
どにより箔の取り扱いが困難となる。そこで銅箔の厚み
を5〜50μmとした。
化特性を得るための製造プロセスを規定した理由につい
て説明する。本発明に関わる圧延銅箔は,インゴットを
熱間圧延した後,冷間圧延と焼鈍とを繰り返し,最後に
加工度90 .0%以上の冷間圧延で仕上げられるが,90 .0%
を超える値と高い圧延加工度が採用される理由は,優れ
た屈曲性を得るための指標となる20.0を超えるI/I0値
を得るためには90.0 %を超える値の加工度が必要なため
である。
するのは最終冷間圧延の直前の焼鈍(最終焼鈍)であ
る。最終焼鈍は一般的に連続焼鈍ラインを用いて行われ
るが,この焼鈍において,目標とする硫黄の固溶濃度
(RRR値)を得るためには,炉の温度を500℃以上とする
ことが必要条件となる。温度が500℃より低いと,加熱
時間をいくら長くしても,十分な硫黄の固溶濃度が得ら
れず,RRR値が140を超え,半軟化温度が120℃より低く
なる。
加熱時間の影響をも受ける。目標の硫黄固溶濃度を得る
ための加熱温度と時間には種々の組み合わせがあるが,
最終焼鈍後の再結晶粒径を指標とし,その平均粒径が5
μm以上になるように温度と時間を設定する。
超え,半軟化温度が120℃より低くなる。また,平均粒
径が20μmを超えると,加工度を90.0 %を超える値とし
てもI/I0値が20.0以下となり満足できる屈曲性が得ら
れない。そこで,最終焼鈍を,加熱炉の温度が500℃以
上で,結晶粒径が5〜20μmになる条件に規定した。
u2Sとして析出するが,5℃/秒以上の冷却速度で100℃
以下の温度まで冷却すると,このような固溶Sの析出を
防止できる。
の場合,固溶S濃度が低下し,RRR値が140を超え,半軟
化温度が120℃より低くなる。なお,上記最終焼鈍を熱
間圧延で兼ねることもできるが,この場合も圧延終了温
度を500℃以上とすること,圧延後の結晶粒径を5〜20μ
mとすること,および5℃/秒以上で100℃以下まで冷却
することが必要である。
る。表1のNo.1〜No.16に示す成分の材料から厚
さ200 mm,幅600 mmの銅インゴットを製造し,熱間圧延
により10 mmまで圧延した。
tommの圧延上がりの板を得た。この板を焼鈍して再結晶
させ,酸化スケールを除去した後,所定の厚みt mmまで
冷間圧延した。ここで,最後の冷間圧延での加工度はR
は,
後の結晶粒径を圧延方向に直角な断面において切断法で
測定した。
圧延加工度で製造した銅箔試料について以下の特性を評
価した。 (1)立方体集合組織 試料を200℃で30分間加熱した後,圧延面のX線回折で求
めた(200)面強度の積分値(I)求めた。この値をあらか
じめ測定しておいた微粉末銅の(200)面強度の積分値(I
0)で割り,I/I0の値を計算した。
示す装置により,屈曲疲労寿命の測定を行った。この装
置は,発振駆動体4に振動伝達部材3を結合した構造に
なっており,被試験銅箔は1は,矢印で示したねじ2の
部分と3の先端部の計4点で装置に固定される。振動部
3が上下に駆動すると,銅箔1の中間部は,所定の曲率
半径rでヘアピン状に屈曲される。本試験では,以下の
条件下で屈曲を繰り返した時の破断までの回数を求め
た。
試験片採取方向:試験片の長さ方向が圧延方向と平行に
なるように採取,曲率半径r:2.5 mm,振動ストロー
ク:25 mm,振動速度:1500回/分なお,屈曲疲労寿命
が3万回以上の場合に,優れた屈曲性を有していると判
断した。また,この試験は加速試験であり,実際にFPC
が使用させる条件よりも厳しい条件下で行っている。
測定した。そして,焼鈍後の引張り強さが,圧延上がり
の引張り強さと300℃で30分間焼鈍し完全に軟化させた
後の引張り強さとの中間の値になるときの焼鈍温度を求
めた。半軟化温度が120〜150℃の範囲であれば,適正な
軟化特性を有していると判断した。
保管開始から1ヶ月毎に引張り強さを測定し,引張り強
さが300 N/mm2以下の値になるまでの期間を求めた。
この評価は12ヶ月間まで継続した。
(4.2 K)および室温(293K)で比抵抗ρを測定し,両
者の比(ρ(293K)/ρ(4.2 K))を求めた。
す。
を行うと立方体集合組織が発達して(200)面のI/I0が
20.0を超え,その結果として3万回以上の優れた屈曲寿
命を示している。また,RRR値が10〜140で,半軟化温度
が目標の120〜150℃の範囲であり,室温(30℃)で1年
間保管しても引張強さが300 N/mm2以上の値を保って
いる。
005重量 %より低いため,RRR値が140を超え,半軟化温
度が120℃よりも低く,30℃の保管で1年以内に引張強さ
が300N/mm2以下に低下している。No.3はS濃度が0.00
20重量%を超えるため,RRR値が10未満であり,半軟化温
度が150℃を超えている。また,過剰のSがCu2S介在物と
して析出したため,(200)面のI/I0が20.0を超えてい
るにもかかわらず,屈曲回数は目標の3万回に満たな
い。
Te,PbおよびSnの合計量が0.004重量%を超えているた
め,RRR値が10未満であり,半軟化温度が150℃を超えて
いる。No.5は酸素濃度が0.0100重量%より低いため,RRR
値が20以上であるにもかかわらず,半軟化温度が150℃
を超えている。No.6は酸素濃度が500 ppmを超えている
ため,Cu2O介在物が増大し,200面のI/I0が20.0を超え
ているにもかかわらず,屈曲回数が3万回未満の低い値
を示している。
0℃より低いため,No.8はこの焼鈍で得られる結晶粒径
が5μmより小さいため,RRR値が140を超え,半軟化温度
が120℃よりも低く,30℃の保管で1年以内に引張強さが
300 N/mm2以下に低下している。
20μmより大きいため,(200)面のI/I0が20.0より小
さく,屈曲回数が3万回より少ない。No.10は厚さが50μ
mを超えているため,立方体集合組織が発達しているに
もかかわらず,屈曲回数が3万回未満である。No.11は圧
延前の焼鈍における冷却速度が5℃/秒より遅いため,RR
R値が140を超え,半軟化温度が120℃よりも低い。
延銅箔は優れた屈曲性を有する。また,適度な軟化温度
を有し,かつ保管中に軟化したりあるいは焼鈍を行って
も軟化しないといったトラブルが生じないため,フレキ
シブルプリント回路基板としての好ましい特性を有す
る。
試験装置の説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 S濃度が0.0005〜0.0020重量%,Ag,As,S
b,Bi,Se,Te,PbおよびSnの各成分の内一種以上の合
計量が0.0040重量%以下,酸素濃度が0.0100〜0.0500重
量%,厚さが5〜50μm,200℃で30分間の焼鈍後の圧延
面のX線回折で求めた(200)面の強度(I)が微粉末銅
のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対しI/I0
>20.0であり,120〜150℃の半軟化温度を有し,30℃に
おいて継続して300 N/mm2以上の引張り強さを保持し
優れた屈曲性と適度な軟化特性を有することを特徴とす
る,フレキシブルプリント回路基板用圧延銅箔。 - 【請求項2】 200℃で30分間加熱した後の残留抵抗比が
10〜140であることを特徴とする請求項1の圧延銅箔。 - 【請求項3】 インゴットを熱間圧延した後,冷間圧延
と焼鈍とを繰り返し,最後に冷間圧延で箔に仕上げる工
程で製造し,最後の冷間圧延前の焼鈍を,加熱炉の温度
が500℃以上で,この焼鈍で得られる再結晶粒の平均粒
径が5〜20μmになる条件下で行ない,焼鈍後5℃/秒以
上の冷却速度で材料を100℃以下の温度まで冷却し,最
後の冷間圧延の加工度を90.0%を超える値とし,優れた
屈曲性と適度な軟化特性を有する請求項1及び又は請求
項2の圧延銅箔得ることを特徴とするフレキシブル回路
基板用圧延銅箔の製造方法。
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JP37189298A JP3830680B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | フレキシブルプリント回路基板用圧延銅箔およびその製造方法 |
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