JP2000192108A - 金属繊維焼結体の製造方法 - Google Patents

金属繊維焼結体の製造方法

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JP2000192108A
JP2000192108A JP37301498A JP37301498A JP2000192108A JP 2000192108 A JP2000192108 A JP 2000192108A JP 37301498 A JP37301498 A JP 37301498A JP 37301498 A JP37301498 A JP 37301498A JP 2000192108 A JP2000192108 A JP 2000192108A
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sintered body
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sintering
heating
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Yukio Aoike
由紀夫 青池
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    • B22F3/00Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性およびコスト面で優れ、しかも金属繊
維焼結体として優れた諸性能を有する金属繊維焼結体の
製造方法を提供する。 【解決手段】 絡み合う金属繊維よりなる金属繊維不織
布中にて互いに接触する金属繊維同士を加熱焼結する加
熱焼結工程を含む金属繊維焼結体の製造方法において、
前記加熱焼結工程前に、金属繊維不織布を平滑な加圧面
間で圧縮して表面を平滑化する予備圧縮工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルターの濾
材、触媒担体、電池の電極等として使用される金属繊維
焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属繊維焼結体は、その多孔性、
通気性、大表面積等を利用し、フィルターの濾材、触媒
担体、電池の電極等として使用されており、その製造方
法は、次のようなものであった。 (1)数μmから数十μm径の極細金属繊維を、カーデ
ィング法、エアレイ法等により絡み合わせ、金属繊維不
織布を形成する。 (2)この金属繊維不織布の互いに接触した金属繊維同
士を加熱焼結し、金属繊維不織布焼結シートを得る。
【0003】加熱焼結は、例えば図3に模式的に示すよ
うに、極細金属繊維2を絡み合わせることにより形成さ
れた金属繊維不織布1を定盤7間に挟み、重り9等であ
る程度の圧力を付加した状態で、非酸化性雰囲気の加熱
炉10中で加熱することで行われる。この際、生産性を
向上させるべく、複数の金属繊維不織布1を一度に加熱
することが行われる。この場合は、間に耐火物板等の凝
着防止板8を介在させて積層した複数の金属繊維不織布
1を加熱炉10中に配置する。
【0004】また、加熱焼結を施す金属繊維不織布1は
単層とは限らず、図4のように、金属繊維2aおよび2
bの径や目付量の異なる複数の金属繊維不織布1aおよ
び1bを直接積層した金属繊維不織布積層体3を加熱焼
結し、複層の金属繊維焼結体11を得る場合がある。こ
の場合も、生産性を向上させるべく、間に凝着防止板8
を介在させて積層した複数の金属繊維不織布積層体3を
加熱炉10中に配置することが行われる。このようにし
て、金属繊維不織布1を加熱すると、互いに接触した金
属繊維同士が凝着する現象、いわゆる加熱焼結を生じて
強度が増加し、同時に密度も徐々に増加する。また、表
面の凹凸や金属繊維の飛び出しも定盤7または凝着防止
板8により矯正され、あたかも一枚の多孔質板のような
金属繊維焼結体11が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の製造方法
には次のような問題点がある。 (1)加熱焼結を施す前の金属繊維不織布1は、密度が
非常に低いかさ高なものであり、金属繊維2同士の絡み
合いのみで自己の形状を保持しているため強度が非常に
低い。また、表面も平滑ではなく、凹凸や金属繊維2の
飛び出しが存在する。その結果、積層や加熱炉への設置
等の作業における取り扱い性が悪い。
【0006】(2)加熱焼結を施す時点での金属繊維不
織布が低密度で金属繊維同士の接触点数が少ないため、
強度を増すためには加熱焼結に長時間を要する。
【0007】(3)加熱焼結時間の短縮や強度増加のた
めに、加熱時に付加する圧力を増加する方法があるが、
そのためには大がかりな設備を要する。また、過剰な圧
力を付加すると、多孔性あるいは通気性等の金属繊維焼
結体に特有の性質が損なわれる。
【0008】(4)複数の金属繊維不織布または金属繊
維不織布積層体を凝着防止板を介在して積層したものに
加熱焼結を施す場合、凝着防止板に金属繊維飛び出しの
矯正機能が求められるため、通気性が高く伸縮性を有す
る多孔質の凝着防止板を適用することができない。この
ため、吸着気体等のガスが金属繊維不織布から抜け難
く、製品の表面酸化や脆化等の問題が生じ易い。また、
熱膨張率の差により金属繊維焼結体に皺がより易い。
【0009】(5)複層の金属繊維焼結体を製造する場
合、金属繊維不織布表面の凹凸や金属繊維飛び出しのた
めに、隣接する層の間に両者が混合した領域を生じる。
また、両者の界面も平坦になりにくい。このため、複層
化による効果が十分に発揮され難い。
【0010】本発明の目的は、上記の従来技術の問題点
を解決し、作業性およびコスト面で優れ、しかも金属繊
維焼結体として優れた諸性能を有する金属繊維焼結体の
製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の金属繊維焼結体の製造方法は、絡み合う
金属繊維よりなる金属繊維不織布中にて互いに接触する
金属繊維同士を加熱焼結する加熱焼結工程を含む金属繊
維焼結体の製造方法において、前記加熱焼結工程前に、
金属繊維不織布を平滑な加圧面間で圧縮して表面を平滑
化する予備圧縮工程を含むことを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明の方法には、前記予備圧縮工程によ
り表面を平滑化した、異なる種類の金属繊維不織布の複
数を積層して金属繊維不織布積層体となす積層工程を、
前記加熱焼結工程前に含めることができる。この場合、
金属繊維径、空孔率、厚さ等が著しく異なる層を組み合
わせた複層金属繊維焼結体を、効果的かつ精度よく製造
することができる。
【0013】また、前記加熱焼結工程を、前記予備圧縮
工程またはその後の前記積層工程を経た金属繊維不織布
を単位不織布とし、複数の単位不織布を、細孔を有する
通気性凝着防止板を夫々の単位不織布の間に介在させて
積層して加熱し、これら単位不織布に同時に加熱焼結を
施す工程とすることにより、吸着気体等のガスが金属繊
維不織布から抜け易くなり、吸着ガス等に起因する製品
の表面酸化や脆化等の問題を解決することができる。
【0014】さらに、前記通気性凝着防止板を、伸縮性
を有する通気性凝着防止板とすることにより、金属繊維
焼結体に皺がよることを効果的に防止することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の金属繊維焼結体の製造方
法において、出発材となる金属繊維不織布としては、カ
ーディング法、エアレイ法、あるいはさらにニードルパ
ンチを施す等の公知の方法で製造され、数μmから数十
μm径の極細金属繊維の絡み合いにより形成されたもの
を用いることができる。極細金属繊維としては、単伸
線、集束伸線、あるいはコイル切削法等により製造され
たものを用いることができる。また、金属繊維の材質は
用途に応じて選択され、例えば、濾材用としてはステン
レス鋼、チタン合金等の耐食性材料が、電池電極用とし
てはニッケル等が適用される。
【0016】かかる金属繊維不織布は密度が低く、通
常、空孔率(見かけ体積中に空間が占める割合)が約9
5%を超える。また、絡み合う金属繊維同士の摩擦力に
よって自己の形状を保持しているため、外力によって容
易に変形、分離され得る。さらに、表面は平滑ではな
く、凹凸や金属繊維飛び出しが存在する。
【0017】本発明の金属繊維焼結体の製造方法は、上
記のような金属繊維不織布に加熱焼結を施すにあたり、
予め、金属繊維不織布を平滑な加圧面間で圧縮して表面
を平滑化する予備圧縮工程を含むことを特徴とする。す
なわち、図1に模式的に示すように、加熱焼結を施す前
に、金属繊維不織布1を予め圧縮することにより、密度
を高めて強度を増加させるとともに、表面の凹凸や金属
繊維飛び出しを矯正する。
【0018】金属繊維不織布1を平滑な加圧面6の間で
圧縮するための手段としては、平滑な加圧盤を有する加
圧プレス、表面が平滑なローラを有する圧延機等が用い
られる。特に、表面が平滑なローラを有する圧延機が好
ましく、長尺の金属繊維不織布を連続して処理できるた
めに生産性が高く、かつ金属繊維飛び出しの矯正能力も
高い。
【0019】この平滑化を伴う予備圧縮工程における圧
縮量は、その後の加熱焼結に伴う空孔率の減少と、目標
とする金属繊維焼結体の最終空孔率とを考慮し、予備圧
縮後の金属繊維不織布の空孔率が最終空孔率よりも小さ
くならないように設定する。
【0020】本発明の特徴である平滑化を伴う予備圧縮
工程による効果として以下のものが挙げられる。 (1)金属繊維不織布の強度が増加し、かつ見かけ体積
が減少するため、取り扱い性が向上する。例えば、空孔
率98%の金属繊維不織布を空孔率94%まで圧縮する
ことにより、見かけ体積を約3分の1とすることができ
る。また、金属繊維同士の接触点数が増すために強度が
増加し、積層や加熱炉への設置等の際にも容易に型くず
れしないようになる。
【0021】(2)加熱焼結を施す時点での金属繊維同
士の接触点数が増加するため、加熱焼結の進行速度が速
く、より短い加熱焼結時間で所要の強度の金属繊維焼結
体を得ることができる。
【0022】(3)上記(2)の効果は加熱時に付加す
る圧力を増加することなく得られるため、大がかりな加
熱設備を要しない。また、多孔性、通気性等の金属繊維
焼結体に特有の性質が損なわれることがない。
【0023】(4)複数の金属繊維不織布を凝着防止板
を介在して積層したものに加熱焼結を施す際に、図1に
示すように、細孔を有する通気性凝着防止板5を適用す
ることができる。これにより、吸着気体等のガスが金属
繊維不織布から抜け易くなり、吸着ガス等に起因する製
品の表面酸化や脆化等の問題を解決することができる。
【0024】(5)また、通気性凝着防止板5として、
セラミック布、セラミックペーパー、セラミックフォー
ム等の伸縮性を有するものを適用することにより、凝着
防止板と金属繊維不織布との熱膨張、収縮差による皺の
発生を効果的に防止することができる。この細孔を有す
る通気性および/または伸縮性の凝着防止板の適用は、
予備圧縮工程によって可能になるものである。すなわ
ち、平滑化を伴う予備圧縮を施さない金属繊維不織布
を、細孔を有する凝着防止板と積層すると、不織布表面
に飛び出した金属繊維が凝着防止板表面の細孔に侵入す
る。その結果、加熱焼結により形成される金属繊維焼結
体と凝着防止板との分離が困難となる。甚だしい場合
は、無理に分離しようとすると金属繊維焼結体を損傷し
てしまうことがある。これに対し、本発明においては、
表面の金属繊維飛び出しを予め矯正した金属繊維不織布
を凝着防止板を介在させて積層するため、細孔を有する
凝着防止板を適用しても容易に分離することができる。
【0025】(6)図2に示すように、予備圧縮工程に
おいて別々に形成された複数の金属繊維不織布1aおよ
び1bを積層して焼結し、複層の金属繊維焼結体11を
製造する場合、隣接する層の間の界面が平坦となり、両
者の金属繊維が混合した遷移領域を生じ難い。遷移領域
の影響は全体の厚さが薄いほど顕著になるが、本発明の
製造方法によれば、全体の厚さが1mm未満の複層金属
繊維焼結体でも、複層化による効果を十分に発揮させる
ことができる。
【0026】さらに、本発明の金属繊維焼結体の製造方
法を適用し、金属繊維径、空孔率、厚さ等が著しく異な
る層を組み合わせた複層金属繊維焼結体を、効果的かつ
精度よく製造することができる。例えば、金属繊維径が
2倍以上に異なるような、剛性が著しく異なる金属繊維
不織布同士を積層し、ある程度の圧力を付加して加熱焼
結した場合、より細い金属繊維からなる不織布が優先的
に密度増加を生じやすい。このため、太い金属繊維を高
密度に焼結した強度の高い層と、細い金属繊維を低密度
に焼結した高空孔率、狭間隙層とを組み合わせた複層金
属繊維焼結体は、従来の製造方法では精度よく製造する
ことは困難であった。これに対し、本発明の製造方法を
適用し、平滑化を伴う予備圧縮の際に、太い金属繊維か
らなる不織布の圧縮量を細い金属繊維からなる不織布の
圧縮量よりも大きくすることにより、容易かつ精度よく
製造することができる。
【0027】また、別な例として、同等の太さの金属繊
維からなり、例えば中実度(見かけ体積中に金属繊維の
体積が占める割合)にして2倍以上に異なるような、空
孔率が著しく異なる層を組み合わせた金属繊維焼結体
を、従来の製造方法で製造することも困難であった。こ
れは、加熱焼結の際に付加される圧力が各層において実
質的に等しいため、各層の密度上昇を個別に制御できな
いからである。これに対し、本発明の製造方法を適用
し、平滑化を伴う予備圧縮の際の圧縮量を各層について
個別に設定することにより、上記のような構成の金属繊
維焼結体を容易かつ精度よく製造することができる。
【0028】同様に、平滑化を伴う予備圧縮の際の圧縮
量を各層について個別に設定することにより、構成の異
なる単層または複層の金属繊維不織布を、間に凝着防止
板を介して積層して同時に加熱焼結し、多品種の金属繊
維焼結体を同時に製造することも可能である。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例、従来例および比較
例に基づき説明する。実施例1 集束伸線により製造された太さ約20μmのステンレス
鋼(SUS316)繊維からなり、目付量約900g/
、空孔率約99%、厚さ約10mmの、出発材料と
しての不織布を出発材とし、表面が平滑なローラを有す
る圧延機により厚さ約3mm、空孔率約96%に圧延
し、表面の凹凸および金属繊維飛び出しを矯正した。こ
の圧延を施した不織布複数枚を、凝着防止板として通気
性を有するセラミック布を介して順次積層して加熱炉中
の定盤の間に設置し、約20g/cmの圧力を付加し
た状態で加熱焼結を施し、厚さ1.3mm、空孔率約9
1%の金属繊維焼結体を製造した。加熱焼結は、約1t
orrに減圧した水素雰囲気中で、温度1100℃まで
昇温し、その温度で約2時間加熱保持して行った。
【0030】従来例1 実施例1の出発材として用いた不織布を、圧延による予
備圧縮工程を経ることなく、かつ凝着防止板として通気
性を有しないセラミック板を用いた以外は実施例1と同
じ条件にて加熱焼結を施し、同様の金属繊維焼結体を製
造した。
【0031】比較例1 実施例1の出発材として用いた不織布を、圧延による予
備圧縮工程を経ることなく、かつセラミックペーパーを
用いた以外は実施例1と同じ条件にて加熱焼結を施し、
同様の金属繊維焼結体を製造した。
【0032】上記実施例1、従来例1および比較例1の
方法によって製造された金属繊維焼結体の評価結果を下
記の表1に示す。表1における引張強度は、各金属繊維
焼結体から同じ寸法の短冊状の試験片を切り出し、引張
試験にて破断荷重を求め、従来例1による金属繊維焼結
体の破断荷重を100とした指数で表したものである。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、実施例1による金属繊
維焼結体は、従来例1および比較例1によるものに比べ
て強度が高く、表面の変色も認められず、凝着防止板と
したセラミックペーパーとの分離も容易であった。これ
に対し、従来例1による金属繊維焼結体は、実施例1に
よる金属繊維焼結体よりも強度が低く、かつ表面に変色
が認められた。変色は、端部から遠い中央部が特に顕著
であった。なお、従来例1について実施例1と同等の強
度とすべく加熱焼結時間を延長したところ、約2倍の加
熱保持時間を要した。また、比較例1による金属繊維焼
結体は、凝着防止板としたセラミックペーパーからの分
離が困難であった。無理に分離したところ、セラミック
ペーパーの表面細孔中に金属繊維が残留し、表面が損傷
した。
【0035】次に、下記の表2に示す仕様を目標仕様と
する複層金属繊維焼結体の製造例について説明する。表
2に示す仕様はフィルター用濾材として好適な仕様とし
て設定したものであり、3層を積層した構造を有し、第
1層は比較的粗い予備濾過層としての機能を、中間に位
置する第2層は濾過性能を確保するための狭間隙層とし
ての機能を、第3層は機械的強度を確保するための補強
層としての機能を各々分担することを意図したものであ
る。
【0036】
【表2】
【0037】実施例2 下記の表3に示す金属繊維不織布(第1〜3層)を出発
材とし、各々に表3に示す条件にて圧延を施し、表面の
凹凸および金属繊維飛び出しの矯正並びに空孔率の調整
を行った。これらの金属繊維不織布を不織布第1層、不
織布第2層、不織布第3層の順で単位不織布とし、これ
ら複数単位の単位不織布の夫々の間に凝着防止板として
セラミックペーパーを介在させて積層して加熱炉中の定
盤の間に設置し、約20g/cmの圧力を付加した状
態で加熱焼結を施して金属繊維焼結体を製造した。加熱
焼結は、約1torrに減圧した水素雰囲気中で、温度
1100℃まで昇温し、その温度で約2時間加熱保持し
て行った。
【0038】従来例2 表3に示す金属繊維不織布(第1〜3層)を、圧延によ
る予備圧縮工程を経ることなく、不織布第1層、不織布
第2層、不織布第3層の順で単位不織布とし、かつ凝着
防止板として通気性を有しないセラミック板を用いた以
外は実施例と同じ条件の加熱焼結を施し、金属繊維焼結
体を製造した。
【0039】
【表3】
【0040】実施例2および従来例2による金属繊維焼
結体の評価結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】表4に示すように、実施例2によって製造
された金属繊維焼結体は、ほぼ表2に示す仕様に合致し
ており、各層間の界面は平坦であり、隣接する層の金属
繊維が混合した遷移層はほとんど認められなかった。さ
らに、強度も従来例2によるものよりも高く、表面の変
色も認められなかった。
【0043】これに対し、従来例2によって製造された
金属繊維焼結体は、層間の界面に厚さ数十μm〜数百μ
mの遷移層が生じていた。また、比較的太い金属繊維に
よる第3層の密度は目標値に達しておらず、全体として
実施例2と同等の強度に至らなかった。また、第1層と
第2層の密度差が目標値対比小さくなっており、意図し
たような機能分担を発揮するには不十分であった。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の金属繊
維焼結体の製造方法によれば、加熱焼結を施す金属繊維
不織布の取り扱い性が向上するとともに、所要の強度を
得るための加熱焼結時間を短縮することができるため、
多孔性、通気性等の金属繊維焼結体に特有の性質を損な
うことなく生産性を向上することができる。
【0045】また、複層の金属繊維焼結体の製造におい
て、本発明の金属繊維焼結体の製造方法を適用すること
により層間の界面が平坦となり、両層の金属繊維が混合
した遷移領域の生成を抑制することができる。さらに、
本発明の金属繊維焼結体の製造方法を適用し、従来の方
法では製造が困難であった金属繊維径、空孔率、厚さ等
が著しく異なる層を組み合わせた複層金属繊維焼結体
を、効果的かつ精度よく製造することができる。
【0046】さらに、本発明の金属繊維焼結体の製造方
法においては、通気性を有する凝着防止板を支障なく用
いることができるため、吸着ガス等に起因する製品の表
面酸化や脆化等の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属繊維焼結体の製造方法を示す説明
図である。
【図2】本発明の金属繊維焼結体の製造方法による、複
層の金属繊維焼結体の製造方法を示す説明図である。
【図3】従来の金属繊維焼結体の製造方法を示す説明図
である。
【図4】従来の金属繊維焼結体の製造方法による、複層
の金属繊維焼結体の製造方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 金属繊維不織布 2 金属繊維 3 金属繊維不織布積層体 5 通気性凝着防止板 6 加圧面 7 定盤 8 凝着防止板 9 重り 10 加熱炉 11 金属繊維焼結体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AB04 BA02 BA03 BA04 BA05 BA13 DG15A DJ00 EH012 EJ171 EJ191 EJ423 EJ483 EJ593 EJ913 GB41 GB56 JB03 JD02 JK15A JL01 JL05 4K018 BB02 CA11 DA01 DA21 DA32 EA06 GA07 JA09 KA22 KA38 4L047 AA02 AB03 AB07 BA08 CA19 CB08 CC12 EA21 5H017 AA02 BB01 BB04 BB06 CC27 DD08 EE04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絡み合う金属繊維よりなる金属繊維不織
    布中にて互いに接触する金属繊維同士を加熱焼結する加
    熱焼結工程を含む金属繊維焼結体の製造方法において、 前記加熱焼結工程前に、金属繊維不織布を平滑な加圧面
    間で圧縮して表面を平滑化する予備圧縮工程を含むこと
    を特徴とする金属繊維焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記予備圧縮工程により表面を平滑化し
    た、異なる種類の金属繊維不織布の複数を積層して金属
    繊維不織布積層体となす積層工程を、前記加熱焼結工程
    前に含む請求項1記載の金属繊維焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱焼結工程が、前記予備圧縮工程
    またはその後の前記積層工程を経た金属繊維不織布を単
    位不織布とし、複数の単位不織布を、細孔を有する通気
    性凝着防止板を夫々の単位不織布の間に介在させて積層
    して加熱し、これら単位不織布に同時に加熱焼結を施す
    工程である請求項1または2記載の金属繊維焼結体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記通気性凝着防止板が、伸縮性を有す
    る請求項3記載の金属繊維焼結体の製造方法。
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