JP2000192070A - 低発塵性転がり軸受 - Google Patents

低発塵性転がり軸受

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JP2000192070A
JP2000192070A JP36892298A JP36892298A JP2000192070A JP 2000192070 A JP2000192070 A JP 2000192070A JP 36892298 A JP36892298 A JP 36892298A JP 36892298 A JP36892298 A JP 36892298A JP 2000192070 A JP2000192070 A JP 2000192070A
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low
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lithium
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Takayuki Kawamura
隆之 川村
Masami Minami
政美 南
Masakazu Hirata
正和 平田
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低発塵性転がり軸受を提供するに当たり、耐
熱性に優れ、長時間連続して使用しても基油などのグリ
ースの飛沫が発生し難い低発塵性転がり軸受、またはク
リーンルーム用低発塵性転がり軸受を提供する。 【解決手段】 総ボール転がり軸受において、この転が
り軸受内に、混和ちょう度(JIS K2220)18
0〜260の潤滑グリースからなり、鉱油、合成炭化水
素油およびエーテル油から選ばれる一種以上の基油に、
化学構造式中に水酸基を含まない炭素数12〜24の脂
肪酸リチウム塩からなるリチウム石けん系増稠剤を15
重量%以上配合した潤滑グリースを保持したボールねじ
支持用またはクリーンルーム用などの低発塵性転がり軸
受とする。ボールに摺動接触する保持器を有しないの
で、グリースの飛散する機会が減り、ちょう度が小さい
のでグリースが飛散し難い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば半導体製
造装置や液晶製造装置などのように、クリーンルーム内
で使用される装置内の軸受などに適用され、潤滑グリー
スの微細な飛沫が発生し難い低発塵性転がり軸受に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体製造設備や液晶製造設備
などでは、製造工程において製品や部品に触れる空気中
の浮遊粒状物質量が一定の規定されたレベル以下となる
ように空調管理がなされている。これは、微細な塵埃が
製品や材料に付着すると、製品の歩留りを低下させ、ま
た製造効率を低下させるためであり、清浄な雰囲気に管
理された空間はクリーンルームと呼ばれている。
【0003】このようなクリーンルーム内で使用される
軸受には、潤滑グリースの飛沫が発生しないように、低
飛散性のグリースが封入された低発塵性転がり軸受から
なるクリーンルーム用転がり軸受が使用されている。
【0004】また、電子計算機のハードディスク等の情
報記録装置においても、記録媒体の表面に微細な塵埃が
付着しただけでも誤作動が起きる可能性があるので、情
報記録装置またはその付近で使用する軸受には、潤滑グ
リースの飛沫(ミスト状の微細な飛沫)が発生しないよ
うなグリースを採用した低発塵性転がり軸受を採用して
いる。
【0005】従来、クリーンルーム用転がり軸受に充填
された低発塵性グリースとしては、比重が大きなフッ素
系グリースがあり、代表例としてパーフルオロポリエー
テル(PFPE)を基油とし、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)を増ちょう剤とするものがある。
【0006】しかし、フッ素系グリースは、耐熱性は優
れているが潤滑性が不足し、充填した軸受のトルクを大
きくする場合があった。
【0007】また、鉱油を基油としナトリウムコンプレ
ックス石けんを増ちょう剤とするアンドックC(商品
名)などのナトリウム石けん系グリースが電子計算機用
グリースとして知られている。しかし、このグリース
は、吸水性が高いのでグリースの性状が経時的に変化し
て潤滑不良を起こしやすく、また音響や振動が起きるこ
とがあった。
【0008】さらに、特開平5−9489号公報には、
電子計算機軸受用のグリース組成物として、鉱油、合成
炭化水素油およびポリフェニルエーテル油の群の中から
選ばれた少なくとも1種の基油と水酸基を含まない炭素
数12〜24の高級脂肪酸のリチウム塩を20〜30重
量%含有する組成物が記載されている。
【0009】また、特開平6−330070号公報に
は、電子計算機軸受用グリース組成物として、鉱油およ
び合成炭化水素油から選ばれた少なくとも1種の基油
と、炭素数12〜24の高級脂肪酸のリチウム塩と高級
ヒドロキシ脂肪酸のリチウム塩からなる増ちょう剤を2
0〜30重量%含有するグリース組成物が記載され、特
開平8−270747号公報には、ボールねじ装置やリ
ニアガイド装置に上記グリース組成物を封入した低発塵
性の直動装置が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の低発塵性転がり軸受は、通常、転動体の間隔を規制す
る保持器を備えた転がり軸受を特に避けることなく採用
しており、転動体と保持器が摺動接触することによって
グリースが飛散する機会が多いという問題点がある。
【0011】また、従来の低発塵性転がり軸受のグリー
スの混和稠度は、特に限定されておらず、軟質のものは
剪断力を受けた時に過度に軟化して微粒子が形成され飛
散し易いという問題点がある。
【0012】また、炭素数12〜24の高級脂肪酸のリ
チウム塩と高級ヒドロキシ脂肪酸のリチウム塩からなる
金属石けんは、耐熱性は優れているが転がり軸受からグ
リースの飛沫が飛散しやすいという問題点がある。
【0013】そこで、本願の各請求項に係る発明の課題
は、上記した問題点を解決して、低発塵性転がり軸受を
提供するに当たり、耐熱性に優れ、長時間連続して使用
した場合も基油などのグリースの飛沫が発生し難いとい
う特性を有する低発塵性転がり軸受、またはクリーンル
ーム用低発塵性転がり軸受を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願の低発塵性転がり軸受に係る発明は、内輪およ
び外輪からなる対の軌道輪の間に複数のボールを軌道の
周方向の間隔を規制せずに組み込んだ総ボール転がり軸
受において、この転がり軸受内に、混和ちょう度(JI
S K2220)180〜260の潤滑グリースを保持
してなる低発塵性転がり軸受としたのである。
【0015】また、上記の課題を解決するため、上記低
発塵性転がり軸受において、潤滑グリースが、鉱油、合
成炭化水素油およびエーテル油から選ばれる一種以上の
基油に、化学構造式中に水酸基を含まない炭素数12〜
24の脂肪酸リチウム塩からなるリチウム石けん系増稠
剤を15重量%以上配合した潤滑グリースである低発塵
性転がり軸受としたのである。また、上記の低発塵性転
がり軸受は、ボールねじ支持用の転がり軸受に採用して
もよく、クリーンルーム用低発塵性転がり軸受、または
クリーンルーム内で使用される半導体製造装置用の転が
り軸受であってもよい。
【0016】本願の低発塵性転がり軸受に係る発明、ま
たはクリーンルーム用低発塵性転がり軸受に係る発明
は、総ボール軸受の構造を採用し、ボールに摺動接触す
る保持器を有しないので、保持器を組み込んだ転がり軸
受に比べてグリースがボール表面から飛散する機会が減
り、低発塵性に優れた転がり軸受となる。
【0017】混和ちょう度を所定範囲に調整したこの発
明のグリースは、転がり軸受内で攪拌されてせん断を受
けた際にも所定のちょう度を維持するため、軸受外に飛
散し難い。
【0018】また、本願の低発塵性転がり軸受は、炭素
数12〜24の脂肪酸リチウム塩を15重量%以上含有
する増ちょう剤を配合したので、高温でのちょう度が安
定する。化学構造式中に水酸基を含まない炭素数12〜
24の脂肪酸リチウム塩からなるリチウム石けん系増稠
剤は、ミセルを形成する繊維構造が紡錘型の短い棒状で
あるため、化学構造式中に水酸基を含む高級ヒドロキシ
脂肪酸のリチウム塩などの長繊維型の増ちょう剤に比べ
て細かく分散する。
【0019】このようにして形成される緻密なグリース
組成物は、長時間回転した時にも離油度が低く安定し
て、基油が過剰に分離して飛散せず、これを充填し高温
で長時間回転させた転がり軸受からの発塵量が少なくな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】各請求項に記載の発明に用いるグ
リースの基油は、その種類を限定なく採油したものであ
るが、好ましくは鉱油、合成炭化水素油およびエーテル
油から選ばれる一種以上の潤滑油または任意配合比率の
混合油を使用すれば、充填された転がり軸受に騒音が発
生せずに音響性能がよくなり、耐熱性も良くなる。
【0021】上記した鉱油としては、石油からの高度精
製油が好ましい。
【0022】上記した合成炭化水素油としては、ポリα
オレフィン油、ポリα−オレフィンとエチレンのコオリ
ゴマー合成油、液状ポリブテンなどのオレフィン重合油
またはアルキル芳香族油などが挙げられる。このうち、
1−デセン(CH3 (CH27 CH=CH2 )のオリ
ゴマーやポリα−オレフィンとエチレンの共重合体から
なる合成油などを用いることが好ましい。
【0023】上記したエーテル油としては、市販されて
いる芳香環数が2〜5環のものがいずれも使用できる
が、環数が増えるとそれだけ低温域での性能が低下し高
価になる。そのため、芳香環数が2〜4環であってアル
キル置換基によって低温性能を向上させたジフェニル、
トリフェニル、テトラフェニルのC12〜C20の(ジ)ア
ルキル基が導入されたフェニルエーテル油が好ましく、
より好ましくはアルキルジフェニルエーテル油である。
【0024】この発明に用いる増ちょう剤は、混和ちょ
う度が180〜260の範囲を満足するものであり、耐
熱性の良いリチウム石鹸、特に化学構造式中に水酸基を
含まないものが適当なものとして例示できる。
【0025】リチウム石鹸の具体例としては、ラウリン
酸(C12)リチウム、ミリスチン酸(C14)リチウム、
パルミチン酸(C16)リチウム、マルガリン酸(C17
リチウム、ステアリン酸(C18)リチウム、アラキジン
酸(C20)リチウム、ベヘン酸(C22)リチウム、リグ
ノセリン酸(C24)リチウム、牛脂脂肪酸リチウム、リ
シノール酸リチウム、リシノエライジン酸リチウムなど
が挙げられる。このうち、特に好ましいリチウム石鹸
は、ステアリン酸リチウム(CH3 (CH2 16COO
Li)であり、ミセルを形成する繊維構造が紡錘型の短
い棒状である。
【0026】一方、9−ヒドロキシステアリン酸リチウ
ム、10−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒ
ドロキシステアリン酸リチウム、9,10−ヒドロキシ
ステアリン酸リチウムなどの水酸基を含有するリチウム
石けんは、捩れて長く延びた長繊維状構造であり、所期
した均一分散性がないのでこの発明には使用できないも
のである。
【0027】上記したような所定のリチウム石けん系増
稠剤のグリース中の配合割合は、15重量%以上であ
る。なぜなら、15重量%未満の少量では、ちょう度が
不充分でありグリースが軟質で飛散し易くなる。グリー
ス中の所定のリチウム石けん系増稠剤の配合割合の上限
は、実用的な限界に合わせて調製すればよいので、通
常、限定する必要性は少ないが、30重量%を越えて配
合すると、ちょう度が小さくなりすぎて軸受への封入
(充填)が困難になるので好ましくない。
【0028】このように、この発明に用いる潤滑グリー
スの混和ちょう度(JIS K2220)は、飛散によ
る発塵を抑制するために180〜260である。混和ち
ょう度が180未満では、転がり軸受の軸受トルクが大
きくなり、小径の軸受への封入が困難になる。また、前
記混和ちょう度が260を越えると、飛散による発塵量
が多くなり、高速回転すると転がり軸受に潤滑不足が起
こり、転がり軸受に騒音が発生する場合もある。
【0029】本願の各発明の転がり軸受は、内輪および
外輪からなる対の軌道輪の間に複数のボールを軌道の周
方向の間隔を規制せずに組み込んだ総ボール転がり軸受
である。転がり軸受のボール列は、単列または複列のい
ずれであってもよく、深溝型の転がり軸受やアンギュラ
型のラジアル玉軸受に適用できる。また、スラスト玉軸
受にも適用でき、円筒ころ軸受や円錐ころ軸受であって
もよい。
【0030】なお、この発明に用いるグリースには、所
期の目的を阻害しないように周知の防錆剤や酸化防止
剤、極圧添加剤、摩耗抑制剤、油性剤、腐食防止剤、流
動点降下剤、粘度指数向上剤、構造安定剤、増粘剤、帯
電防止剤、乳化剤、着色剤などを添加してもよい。
【0031】防錆剤としては有機系スルホン酸金属塩や
エステル類などがあり、このうち有機スルホン酸塩とし
ては、ジノニルナフタレンスルホン酸および重質アルキ
ルベンゼンスルホン酸などがあり、その金属塩としてカ
ルシウムスルホネート、バリウムスルホネート、ナトリ
ウムスルホネートなどが挙げられる。
【0032】前記エステル類としては、ソルビタン誘導
体の多塩基カルボン酸および多価アルコールの部分エス
テルであるソルビタンモノラウレート、ソルビタントリ
ラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタン
モノオレートなどが挙げられる。アルキル・エステル型
ではポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレン
ステアレートなどがある。
【0033】酸化防止剤としては、含窒素化合物系酸化
防止剤とフェノール系酸化防止剤のそれぞれ単独または
両者混合してもよい。窒素化合物系の酸化防止剤として
は、フェニルαナフチルアミン、ジフェニルアミン、フ
ェニレンジアミン、オレイルアミドアミン、フェノチア
ジンなどが挙げられる。フェノール系酸化防止剤として
は、p−tert−ブチル−フェニルサリシレート、
2,6−ジ−tert−ブチル−p−フェニルフェノー
ルなどが挙げられる。
【0034】
【実施例】〔実施例1〜13、比較例1〜9〕表1〜3
に示す配合割合で基油、増ちょう剤および添加剤を配合
してグリース組成物を調製した。なお、表中の各配合成
分は、組成物全体を100重量%とした場合の含有率
(重量%)である。
【0035】得られたグリース組成物を、試験軸受a
〔内径8mm、外径22mm、幅7mmのアンギュラ型
総ボール軸受(保持器なし、ボール個数10個)〕、ま
たは試験軸受b〔内径8mm、外径22mm、幅7mm
の深溝型玉軸受(保持器付き、ボール個数7個)〕に
0.1g充填し、以下に示す発塵量測定試験を行ない、
この結果を表1〜3中に併記した。
【0036】発塵量測定試験: 図1に試験装置の概略
説明図を示すように、試験台1を貫通する回転軸2の上
部に2つの試験用軸受3をそれぞれ軸方向に並べて取付
け、クランプ型治具4にコイルばね5を介して2つの試
験用軸受にスラスト荷重を負荷し、クランプ型治具4を
試験台1上に固定された係止具6で回転不能の状態に固
定した。
【0037】また、試験台1の上面には、クランプ型治
具4を覆う大きさの箱型の気密性カバー7を設け、この
気密性カバー7には、クリーンエア(塵埃を含まない清
浄空気)の導入ダクト8および排気ダクト9を接続し、
排気ダクト9は吸気ポンプを内蔵するダストカウンタ1
0(パーティクルカウンタとも呼ばれる。)に接続し
た。なお、回転軸2は試験台1の下方に設置した電動モ
ータ11で回転駆動し、試験台1の下面と回転軸2は磁
性流体シール12で密封した。
【0038】試験条件は、2つの軸受に対するスラスト
荷重を10Nとし、回転軸の回転速度は1500回転/
分、試験は500時間連続して行ない、試験終了時にダ
ストカウンタ10で粒子径(直径)0.1μm以上の浮
遊粒子の採集個数(個/cf)を測定した。この結果
は、表1〜3中に併記した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】表3の結果からも明らかなように、転がり
軸受の種類として保持器を有するものを使用した比較例
1〜4は、発塵量が570〜930(個/cf)という
多量の測定値であった。また、潤滑グリースの混和ちょ
う度が180未満(173)の比較例5または混和ちょ
う度が260を越える(271)の比較例6は、発塵量
が4260(個/cf)または1140(個/cf)と
いう多量の測定値であった。また、増稠剤として水酸基
を有しないステアリン酸リチウムを使用したがその配合
割合が15重量%未満(13重量%)の比較例7は、発
塵量が880(個/cf)という多量の測定値であっ
た。また、基油としてポリオールエステルを使用した比
較例8は、発塵量が1050(個/cf)であり、増稠
剤として水酸基を含有するものを使用した比較例9は、
発塵量が2960(個/cf)という多量であった。
【0043】これに対して、総ボール軸受を使用し、基
油と増稠剤の種類および配合量、または混和ちょう度が
所定の条件を満足する実施例1〜13は、発塵量が70
〜190(個/cf)という少量であり、発塵量の極め
て少ない低発塵性転がり軸受であることが確認できた。
【0044】
【発明の効果】本願の各発明の総ボール軸受の構造を採
用し、かつ混和ちょう度を所定範囲に調整した低発塵性
転がり軸受は、ボールに摺動接触する保持器を有しない
ので、保持器を組み込んだ転がり軸受に比べてグリース
の飛散する機会が減り、かつグリースが所定のちょう度
を維持して軸受外に飛散し難いので、低発塵性に優れた
転がり軸受となる利点がある。
【0045】また、本願の低発塵性転がり軸受は、化学
構造式中に水酸基を含まない炭素数12〜24の脂肪酸
リチウム塩からなるリチウム石けん系増稠剤を採用した
ので、高温でのちょう度が安定すると共に、繊維構造が
紡錘型の短い棒状であるため、従来の増ちょう剤に比べ
て基油中に細かく分散し、高温で長時間回転した時に離
油度が低く安定し、転がり軸受は高温で長時間回転した
時にも発塵量が少ないものになるという利点がある。
【0046】低発塵性転がり軸受を、ボールねじ支持用
の転がり軸受に適用すれば、上記した利点に加えてボー
ルねじ装置の発塵量を極力低く抑えることができる。
【0047】また、上記低発塵性転がり軸受を、クリー
ンルーム用低発塵性転がり軸受に採用すると、上記した
利点に加えてクリーンルーム内にグリース飛沫からなる
浮遊粒子を飛散させることがない。
【0048】また、上記した低発塵性転がり軸受が、ク
リーンルーム内で使用される半導体製造装置用の転がり
軸受である場合には、上記した利点に加えて集積度の高
い半導体の製造効率を向上させることができる低発塵性
転がり軸受となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発塵試験装置の概略説明図
【符号の説明】
1 試験台 2 回転軸 3 試験用軸受 4 クランプ型治具 5 コイルばね 6 係止具 7 気密性カバー 8 導入ダクト 9 排気ダクト 10 ダクトカウンタ 11 電動モータ 12 磁性流体シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 117:02) C10N 20:02 30:00 40:02 50:10 (72)発明者 平田 正和 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA02 AA34 AA42 AA52 AA62 CA31 EA63 FA60 GA53 GA55 GA60 4H104 BA03A BA07A BB08A BB17B DA02A EA30Z EB02 FA01 LA15 LA20 PA01 PA04 QA18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪および外輪からなる対の軌道輪の間
    に複数のボールを軌道の周方向の間隔を規制せずに組み
    込んだ総ボール転がり軸受において、 この転がり軸受内に、混和ちょう度(JIS K222
    0)180〜260の潤滑グリースを保持してなる低発
    塵性転がり軸受。
  2. 【請求項2】 潤滑グリースが、鉱油、合成炭化水素油
    およびエーテル油から選ばれる一種以上の基油に、化学
    構造式中に水酸基を含まない炭素数12〜24の脂肪酸
    リチウム塩からなるリチウム石けん系増稠剤を15重量
    %以上配合した潤滑グリースである請求項1記載の低発
    塵性転がり軸受。
  3. 【請求項3】 低発塵性転がり軸受が、ボールねじ支持
    用の転がり軸受である請求項1または2に記載の低発塵
    性転がり軸受。
  4. 【請求項4】 低発塵性転がり軸受が、クリーンルーム
    用低発塵性転がり軸受である請求項1〜3のいずれかに
    記載の低発塵性転がり軸受。
  5. 【請求項5】 低発塵性転がり軸受が、クリーンルーム
    内で使用される半導体製造装置用の転がり軸受である請
    求項1〜3のいずれかに記載の低発塵性転がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010013398A1 (ja) * 2008-08-01 2010-02-04 パナソニック株式会社 実装機用グリース組成物、ならびにこれを含有する案内装置および実装機
CN115867631A (zh) * 2020-08-28 2023-03-28 Ntn株式会社 润滑脂组合物及滚动轴承

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