JP2000191816A - 合成樹脂用発泡剤 - Google Patents

合成樹脂用発泡剤

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JP2000191816A
JP2000191816A JP10368992A JP36899298A JP2000191816A JP 2000191816 A JP2000191816 A JP 2000191816A JP 10368992 A JP10368992 A JP 10368992A JP 36899298 A JP36899298 A JP 36899298A JP 2000191816 A JP2000191816 A JP 2000191816A
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foam
boiling point
foaming agent
low
weight
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JP10368992A
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English (en)
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Satoru Ide
哲 井手
Takashi Shibanuma
俊 柴沼
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オゾン層を破壊する危険性がなく、地球温暖化
への影響が小さく、難燃性で適度な沸点を持ち、発泡体
原料との相溶性に優れ、しかも得られる合成樹脂発泡体
に、優れた断熱性、寸法安定性などを長期間付与し得る
合成樹脂体用の発泡剤を提供する。 【解決手段】炭素数1〜2のヨードカーボン5〜95重
量%と沸点70℃以下の低沸点脂肪族炭化水素95〜5
重量%からなる合成樹脂用発泡剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂用発泡
剤、及び該発泡剤を用いる合成樹脂発泡体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン樹脂等のポリオレフィン系溶融
樹脂中に蒸発型発泡剤を添加して低圧域へ押出すことに
よって溶融ポリオレフィン系樹脂の発泡体を製造する方
法が広く実施されている。また、触媒と発泡剤の存在下
にポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させ
て、ポリウレタンやポリイソシアヌレートなどの合成樹
脂発泡体を製造する方法も広くおこなわれている。
【0003】これらの発泡体の製造方法では、例えば、
ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する際には、蒸発型
発泡剤としてジクロロジフルオロメタン(CFC−1
2)やジクロロテトラフルオロエタン(CFC−11
4)などが主に使用され、また、ポリウレタン発泡体な
どを製造する際には、低沸点有機化合物系発泡剤とし
て、トリクロロフルオロメタン(CFC−11)が主に
使用されてきた。
【0004】しかしながら、近年、大気中に放出された
場合に、ある種のフロンが成層圏のオゾン層を破壊し、
また、温室効果により地球の温暖化をもたらし、その結
果、人類を含む地球上の生態系に重大な悪影響を及ぼす
ことが指摘されており、オゾン層破壊の危険性の高いフ
ロンについては、国際的な取り決めにより、使用が制限
されている。
【0005】最近、オゾン層に対する影響が小さいフロ
ンとして、クロロジフルオロメタンや1−クロロ−1,
1−ジフルオロエタンが使用されているが、これらは分
子中に塩素原子を含むので、依然としてオゾン層を破壊
する危険性がある。
【0006】また、塩素を含まずオゾン層破壊の危険性
のないフッ素化炭化水素を用いる方法として、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロプロパンを、ウレタン発泡
体製造用発泡剤として使用することが提案されている
が、これは、大気中に放出された場合に温室効果により
地球の温暖化をもたらす危険性がある。
【0007】ヨードカーボンもオゾン層破壊の危険性の
少ない化合物であるが、発泡剤としての用途は知られて
おらず、しかも、比較的高価で入手しにくいものであ
り、これを単独で使用しても、樹脂との相溶性が乏しい
ために、安定な発泡体を得ることはできない。
【0008】その他に、ポリオレフィン系樹脂の発泡剤
として、プロパン、ブタンなどの低沸点脂肪族炭化水素
を用いることも検討されているが、プロパンを用いた場
合には十分に低い熱伝導率を有する発泡体は得られず、
また、ブタンを用いた場合には、細かく安定した気泡が
得られず、経時変化とともに断熱性能も大きく低下する
という問題点がある。
【0009】また、ポリウレタン系樹脂の発泡剤とし
て、シクロペンタン等の低沸点脂肪族炭化水素を用いる
ことも検討されているが、この低沸点炭化水素について
も、上記炭化水素と同様の問題点がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の主な目的は、オ
ゾン層を破壊する危険性がなく、地球温暖化への影響が
小さく、難燃性で適度な沸点を持ち、発泡体原料との相
溶性に優れ、しかも得られる合成樹脂発泡体に、優れた
断熱性、寸法安定性などを長期間付与し得る合成樹脂体
用の発泡剤を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
における上記の如き問題点に鑑みて研究を重ねた結果、
炭素数1〜2のヨードカーボンと沸点70℃以下の低沸
点脂肪族炭化水素とを組み合わせて用いることによっ
て、上記目的を達成できることを見出し、ここに本発明
を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、下記の合成樹脂用発泡
剤、及び合成樹脂発泡体の製造方法を提供するものであ
る。
【0013】(1)炭素数1〜2のヨードカーボン5〜
95重量%と沸点70℃以下の低沸点脂肪族炭化水素9
5〜5重量%からなる合成樹脂用発泡剤。
【0014】(2)炭素数1〜2のヨードカーボンがヨ
ードメタン、フルオロヨードメタン、ジフルオロヨード
メタン、トリフルオロヨードメタン、テトラフルオロヨ
ードエタン及びペンタフルオロヨードエタンから選ばれ
た少なくとも一種である上記項1に記載の合成樹脂用発
泡剤。
【0015】(3)炭素数1〜2のヨードカーボン5〜
95重量%と沸点15℃以下の低沸点脂肪族炭化水素9
5〜5重量%からなるポリオレフィン系樹脂用発泡剤。
【0016】(4)沸点15℃以下の低沸点脂肪族炭化
水素が、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピ
レン、ブタン、ブテン及びイソブタンから選ばれた少な
くとも一種である上記項3に記載のポリオレフィン系樹
脂用発泡剤。
【0017】(5)炭素数1〜2のヨードカーボン5〜
95重量%と沸点−20〜70℃の低沸点脂肪族炭化水
素95〜5重量%からなるポリウレタン又はポリイソシ
アヌレート用発泡剤。
【0018】(6)沸点−20〜70℃の低沸点脂肪族
炭化水素が、ブタン、ブテン、イソブタン、2−メチル
ブタン、n−ペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,
3−ジメチルブタン、シクロペンタン及び2−メチルペ
ンタンから選ばれた少なくとも一種である上記項5に記
載のポリウレタン又はポリイソシアヌレート用発泡剤。
【0019】(7)蒸発型発泡剤を均一に分散したポリ
オレフィン系溶融樹脂を低圧域へ押出すことによってポ
リオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法において、蒸
発型発泡剤として、上記項3又は4に記載の発泡剤を用
いることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体の製
造方法。
【0020】(8)ポリオレフィン系樹脂がポリスチレ
ン、ポリエチレン又はポリプロピレンである上記項7に
記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
【0021】(9)低沸点有機化合物系発泡剤の存在下
に、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応さ
せてポリウレタン発泡体又はポリイソシアヌレート発泡
体を製造する方法において、低沸点有機化合物系発泡剤
として、上記項5又は6に記載の発泡剤を用いることを
特徴とする合成樹脂発泡体の製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂用発泡剤は、炭
素数1〜2のヨードカーボンと沸点70℃以下の低沸点
脂肪族炭化水素とからなる混合物である。
【0023】炭素数1〜2のヨードカーボンとしては、
ヨードメタン(沸点43℃)、フルオロヨードメタン
(沸点50℃)、ジフルオロヨードメタン(沸点21
℃)、トリフルオロヨードメタン(沸点−23℃)、テ
トラフルオロヨードエタン(沸点41℃)、ペンタフル
オロヨードエタン(沸点13℃)等を例示することがで
きる。これらのヨードカーボンは、一種単独又は二種以
上混合して用いることができる。
【0024】沸点70℃以下の低沸点脂肪族炭化水素と
しては、メタン(沸点−160℃)、エタン(沸点−8
8℃)、エチレン(沸点−104℃)、プロパン(沸点
−42℃)、プロピレン(沸点−48℃)、ブタン(沸
点−0.5℃)、ブテン(沸点−6℃)、イソブタン
(沸点−12℃)、2−メチルブタン(沸点30℃)、
n−ペンタン(沸点35℃)、2,2−ジメチルブタン
(沸点50℃)、2,3−ジメチルブタン(沸点58
℃)、シクロペンタン(沸点50℃)、2−メチルペン
タン(沸点62℃)等を例示できる。これらは、一種単
独又は二種以上混合して用いることができる。
【0025】この様なヨードカーボンと低沸点脂肪族炭
化水素の混合物によれば、ヨードカーボンは熱伝導率が
小さいために、断熱性の優れた発泡体を製造することが
可能となる。さらに、不燃性のヨードカーボンが可燃性
成分の炭化水素の燃焼性を抑制して、難燃性となる混合
組成範囲を広くすることができる。
【0026】ヨードカーボンと低沸点脂肪族炭化水素と
の混合割合は、両者の合計量を基準として、前者5〜9
5重量%、後者95〜5重量%程度とすれば良く、この
範囲の中から、用途、処方などに応じて、適宜具体的な
混合割合を決定すればよい。
【0027】本発明の発泡剤を使用できる合成樹脂とし
ては、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン、ポリイソ
シアヌレート、フェノール樹脂等を例示できる。
【0028】これらの内で、特に、ポリオレフィン系樹
脂発泡体を製造するためには、上記した発泡剤の内で、
炭素数1〜2のヨードカーボンと、沸点15℃以下の低
沸点脂肪族炭化水素とを組み合わせて用いることが好ま
しい。
【0029】沸点15℃以下の低沸点脂肪族炭化水素と
しては、メタン(沸点−160℃)、エタン(沸点−8
8℃)、エチレン(沸点−104℃)、プロパン(沸点
−42℃)、プロピレン(沸点−48℃)、ブタン(沸
点−0.5℃)、ブテン(沸点−6℃)、イソブタン
(沸点−12℃)等を例示でき、これらを一種単独又は
二種以上混合して用いることができる。これらの炭化水
素は、ヨードカーボンよりもスチレン樹脂等のポリオレ
フィン樹脂に対する溶解性が高く、所望する発泡体の発
泡倍率を得るために十分な量を添加することが可能とな
る。その結果、外観、物性ともに良好な押出し発泡体の
製造が容易になる。また、これら炭化水素は、ポリオレ
フィン系樹脂に対するガス透過性が大きいが、ヨードカ
ーボンとの混合により透過が抑制されるために長時間に
わたって寸法安定性、断熱性に優れた発泡体が得られ
る。
【0030】ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する際
のヨードカーボンと沸点15℃以下の低沸点脂肪族炭化
水素との混合割合は、上記した場合と同様に、ヨードカ
ーボン5〜95重量%程度と、低沸点脂肪族炭化水素9
5〜5重量%程度とすればよい。
【0031】また、ポリウレタン発泡体又はポリイソシ
アヌレート発泡体を製造するためには、上記した発泡剤
の内で、炭素数1〜2のヨードカーボンと、沸点−20
〜70℃の低沸点脂肪族炭化水素とを組み合わせた混合
物を用いることが好ましい。
【0032】沸点−20〜70℃の低沸点脂肪族炭化水
素としては、ブタン(沸点−0.5℃)、ブテン(沸点
−6℃)、イソブタン(沸点−12℃)、2−メチルブ
タン(沸点30℃)、n−ペンタン(沸点35℃)、
2,2−ジメチルブタン(沸点50℃)、2,3−ジメ
チルブタン(沸点58℃)、シクロペンタン(沸点50
℃)、2−メチルペンタン(沸点62℃)等を例示で
き、これらを、一種単独又は二種以上混合して用いるこ
とができる。
【0033】ポリウレタン発泡体又はポリイソシアヌレ
ート発泡体を製造する際のヨードカーボンと沸点−20
〜70℃の低沸点脂肪族炭化水素との混合割合も、上記
した場合と同様に、ヨードカーボン5〜95重量%程度
と、低沸点脂肪族炭化水素95〜5重量%程度とすれば
よく、用途、処方などに応じて、適宜具体的な混合割合
を決定すればよい。特に、混合物の沸点が0〜50℃程
度になる混合割合がより好ましい。その割合は、それぞ
れの炭化水素についての、ヨードカーボンとの混合割合
として示すと、ブタン(10〜50重量%)、ブテン
(10〜70重量%)、イソブタン(10〜90重量
%)、2−メチルブタン(10〜90重量%)、n−ペ
ンタン(10〜90重量%)、2,2−ジメチルブタン
(10〜90重量%)、2,3−ジメチルブタン(10
〜90重量%)、シクロペンタン(10〜90重量
%)、2−メチルペンタン(10〜90重量%)であ
る。また、炭化水素が可燃性であることから、その割合
はできるだけ少ない方がより好ましい。
【0034】本発明の合成樹脂用発泡剤は、単独で使用
できることは勿論、他の発泡剤と併用することができ
る。他の発泡剤としては、塩化エチル、塩化メチレン、
ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン、1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、
1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,3,3−ペン
タフルオロプロパンなどの低沸点ハロゲン化炭化水素、
空気、窒素、炭酸ガスなどの不活性ガス、水などがあ
る。特に、ポリウレタン発泡体又はポリイソシアヌレー
ト発泡体を製造する際には、多くの場合に、水が前記合
成樹脂用発泡剤と併用される。
【0035】これらの他の発泡剤を使用する場合には、
全発泡剤に対する本発明発泡剤の割合は、20重量%以
上、特に40重量%以上が好ましい。
【0036】また本発明発泡剤には、必要に応じて、分
解抑制剤を配合することができる。このような分解抑制
剤としては、ニトロベンゼン、ニトロメタンなどのニト
ロ化合物、α−メチルスチレン、p−イソプロペニルト
ルエンなどの芳香族炭化水素、イソプレン、2,3−ジ
メチルブタジエンなどの脂肪族不飽和炭化水素、1,2
−ブチレンオキシド、エピクロルヒドリンなどのエポキ
シ化合物、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール化合物など
が好ましい。
【0037】これら分解抑制剤の配合割合は、本発明発
泡剤100重量部に対して0.05〜5重量部程度とす
るのがよい。
【0038】以下に、本発明の発泡剤を用いて、合成樹
脂発泡体を製造する方法の例を記載する。
【0039】ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する場
合には、ポリオレフィン系樹脂としては、芳香族系ポリ
オレフィン樹脂と脂肪族系ポリオレフィン樹脂のいずれ
も用いることができる。これらの内で、芳香族系ポリオ
レフィン樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂を用い
ることができる。スチレン系樹脂は、ポリスチレンを初
めとして、スチレンとα-メチルスチレン、無水マレイ
ン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸
やメタクリル酸エステルなどを共重合したものや、ポリ
スチレンにスチレン・ブタジエンゴム(SBR)などを
適宜添加して改質したもの等である。また、脂肪族系ポ
リオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレ
ン等を用いることができる。
【0040】本発明では、得られる発泡体の発泡倍率は
断熱性の保持能、寸法安定性等の点から、後述する適切
な範囲内とすることが好ましい。よって、発泡剤の添加
量は、その所望とする発泡体の密度となるように適宜調
整すればよい。通常、ヨードカーボンと低沸点脂肪族炭
化水素とからなる混合発泡剤と必要に応じて添加する他
の発泡剤を合計した全発泡剤量が、ポリオレフィン系樹
脂100重量部あたり3〜30重量部程度の範囲となる
ようにすればよい。
【0041】また、本発明では、その他に、必要に応じ
て、気泡径を調整するためのタルク等の造核剤;滑剤;
難燃剤;染料、顔料などの着色剤;ノニオン系界面活性
剤等を本発明の目的が阻害されない範囲内で添加しても
よい。
【0042】本発明によれば、押出発泡成型方法として
の常法に従って、上記発泡剤を均一に分散したポリオレ
フィン系樹脂を低圧域へ押し出すことによって、ポリオ
レフィン系樹脂発泡体を製造することができる。例え
ば、ポリオレフィン系樹脂に、必要に応じて、造核剤、
滑剤、難燃剤等の必要量を加えた原料を押出機中に供給
し、これに所定量の発泡剤を圧入し、加熱溶融し混練し
て、スリットダイ等の発泡装置を介して低圧域へ押出し
て発泡成形する方法等により、目的とするポリオレフィ
ン系樹脂発泡体を得ることができる。得られる発泡体
は、発泡体密度を0.02〜0.045g/cm3
度、発泡体の平均気泡径を0.1〜0.7mm程度とす
ることが好ましい。上記した方法によれば発泡体密度お
よび平均気泡径が上記範囲内にあり、厚さが例えば10
〜150mm程度の範囲にある、外観、物性とも良好な
ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
【0043】なお、発泡体密度が0.02g/cm3
満の場合には、断熱性能が著しく低下し、押出し直後に
発泡体が収縮する傾向があり、また、0.045g/c
3を超える場合には、軽量性に欠き、高価格となるこ
とから好ましくない。また、平均気泡径が0.1mm未
満の場合には、発泡体の密度を小さくすることが困難
で、厚みを大きくすることができなくなり、0.7mm
を超える場合には得られた発泡体の密度は小さいが、断
熱性が低下するので好ましくない。
【0044】ポリウレタン発泡体又はポリイソシアヌレ
ート発泡体を製造する場合には、本発明発泡剤以外の原
料としては、公知のものを使用することができる。これ
らの原料としては、以下のものを例示できる。
【0045】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ば「岩田敬治、ポリウレタン樹脂ハンドブック71〜9
8頁、日刊工業新聞社」に記載されている脂肪族系、脂
環族系、芳香族系等の有機イソシアネートをいずれも使
用することができる。最も一般的に使用されているポリ
イソシアネートとしては、主に2,4−トリレンジイソ
シアネート(2,4−TDI)および2,6−トリレン
ジイソシアネート(2,6−TDI)があり、主に2,
4−TDI/2,6−TDIの比が80/20の混合物
や65/35の混合物として使用されている。また、ア
ニリンとホルムアルデヒドとの縮合物をホスゲン化する
ことにより得られるポリフェニルポリメチレンポリイソ
シアネート(粗製−MDI)も使用されている。
【0046】ポリオールとしては、例えば、「岩田敬
治、ポリウレタン樹脂ハンドブック99〜117頁、日
刊工業新聞社」に記載されているポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール等を使用することができ
る。
【0047】ポリエーテルポリオールは、活性水素原子
を持つ開始剤とアルキレンオキサイドとの反応によって
得ることができる。本発明においては、例えば、開始剤
としてエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
グリセリン、トリエタノールアミン、エチレンジアミ
ン、メチルグルコジット、トリレンジアミン、ソルビト
ール、しょ糖などを使用し、アルキレンオキサイドとし
て、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどを
使用して、両者を反応させて得られる官能基数が2〜8
で水酸基価が300〜800mgKOH/gのものを使
用することができる。
【0048】ポリエステルポリオールとしては、アジピ
ン酸とグリコール若しくはトルオールとの脱水縮合によ
って得られる縮合系ポリエステルポリオール、カプロラ
クタムの開環重合によって得られるラクトン系ポリエス
テル、ポリカーボネートジオールなどのうち、官能基数
が2〜4で水酸基価が250〜500mgKOH/gの
ものを使用することができる。
【0049】触媒としては、3級アミン、有機金属化合
物等やその混合物を使用することができる。触媒の使用
量は、通常、ポリオールとポリイソシアネート化合物の
合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部程
度、好ましくは0.1〜5重量部程度とすればよい。
【0050】触媒として使用できる3級アミンとして
は、トリエチルアミンやジメチルシクロヘキシルアミン
などのモノアミン類、テトラメチルエチレンジアミンや
テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどのジアミン
類、トリエチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾ
ールなどの環状アミン類、ジメチルアミノエタノールな
どのアルコールアミン類などが挙げられる。また、有機
金属化合物としては、スターナスオクトエート、ジブチ
ルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、オク
テン酸などが挙げられる。
【0051】ポリウレタン発泡体を製造するためのその
他の添加剤としては、整泡剤としてシリコーン系、含フ
ッ素系等の界面活性剤を使用できる。具体的には、ポリ
シロキサン−ポリアルキレンブロックコポリマー、メチ
ルポリシロキサンをベースにした界面活性剤などを使用
することができる。整泡剤は、通常、ポリオール100
重量部に対して、0.1〜10重量部程度用いることが
できる。
【0052】ポリウレタン発泡体又はポリイソシアヌレ
ート発泡体を製造するには、本発明発泡剤の存在下に、
ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させれば
よい。
【0053】ポリオールとポリイソシアネート化合物と
の配合割合については、適宜決めればよいが、通常、ポ
リイソシアネート化合物中のイソシアネート基1当量に
対して、ポリオール中の活性水素が1〜3当量程度とな
るように配合することが適当である。
【0054】製造条件は、常法に従えば良く、製造装置
としては、原料を均一に混合できる装置であれば如何な
るものを用いても良く、例えば、ミキサー、発泡機等を
用いて、ポリオール、ポリイソシアネート化合物、発泡
剤、触媒、その他の添加剤などの各原料をよく混合し
て、成形することによって、目的とする発泡体とするこ
とができる。発泡剤及びその他の添加剤は、通常、ポリ
オール成分に予め溶解してプレミックスとすることによ
って、均一な発泡体を得やすくなるが、これに限定され
るものではなく、ポリイソシアネート化合物に予め溶解
することもできる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、オゾン層を破壊する危
険性がなく地球温暖化への影響が小さく、難燃性で、発
泡体原料との相溶性に優れ、しかも得られる合成樹脂発
泡体に優れた断熱性、機械的強度などを長期間に亘って
付与し得る合成樹脂用発泡剤を提供することができる。
この発泡剤を用いて得られる合成樹脂発泡体は、例え
ば、住宅家屋用の断熱材等として、好適に使用できる。
【0056】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0057】実施例1〜3及び比較例1〜3 図1に示す押出機(1)、押出機(2)、冷却機(3)
及びダイ(4)を並べた装置を用いて、下記の方法でス
チレン樹脂発泡体を製造した。
【0058】まず、押出機(1)において、スチレン樹
脂100重量部にタルク(平均粒径6μm)0.5重量
部を配合して混練し、溶融させ、これに下記表1又は表
2に示す量の発泡剤を発泡剤注入経路(5)より圧入し
た。次いで押出機(2)、冷却機(3)を経てダイ
(4)より目開きの間隔が1.8mmのスリットを介し
て、大気圧下に押出し発泡させて、厚さ50mmの板状
のポリスチレン発泡体を成形した。なお、各押出機、冷
却機出口での圧力、温度は表1また表2に示す条件にな
るように調整した。
【0059】得られた発泡体について、外観、密度、平
均気泡径、熱伝導率を調べた。結果を下記表1及び表2
に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】以上の結果から明らかなように、本発明の
発泡剤を用いることによって、良好な表面外観を有し、
断熱性を長期間維持できるスチレン系樹脂押出発泡体を
得ることができる。
【0063】実施例4〜6及び比較例4〜6 下記の方法でポリウレタン発泡体を製造した。原料とし
て使用したポリオールおよび発泡剤は次の通りである。
【0064】ポリオール:トリレンジアミンにプロピレ
ンオキシドを反応させた水酸基価440のポリエーテル
ポリオール 発泡剤(イ):ヨードメタン 発泡剤(ロ):ジフルオロヨードメタン 発泡剤(ハ):シクロペンタン 発泡剤(ニ):ヨードメタン/n−ペンタン(20/8
0重量%) 発泡剤(ホ):ヨードメタン/シクロペンタン(20/
80重量%) 発泡剤(ヘ):ジフルオロヨードメタン/シクロペンタ
ン(20/80重量%)発泡体の製造 ポリオール100重量部に対して、シリコーン系整泡剤
1.5重量部、水1重量部、触媒としてN,N,N’,
N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミンをライ
ズタイム70秒とするための必要量、および発泡体のコ
ア密度が25±1kg/m3となるためのに必要量の発
泡剤を混合し、激しく攪拌した。この攪拌混合物と粗製
ポリメチレンポリフェニルイソシアネート (日本ポリ
ウレタン工業製 MR−100)112部とを混合、激
しく攪拌して発泡させて、硬質ポリウレタン発泡体を得
た。
【0065】得られた発泡体の物理的性質を、発泡1日
後、−20℃又は室温で1週間エージングした後の結果
を表3及び表4に示す。なお、発泡体の評価方法は、J
ISA 9514に準じた。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】以上の結果から、本発明発泡剤を用いるこ
とによって、優れた特性を持つポリウレタン発泡体を得
ることができることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】スチレン樹脂発泡体製造装置の一例の概要を示
す図面。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA17 AA24 AA32 AA78 AA85 BA35 BA36 BA37 BA38 BA39 BA40 BA49 BA53 BA86 BA95 CA22 4J034 BA02 BA03 CA04 CB03 CC08 CC09 CD04 CD06 DA01 DB04 DC50 DF01 DF02 DF12 DF14 DF20 DG02 DG03 DG04 HA01 HA02 HA07 HC12 HC63 KA01 KD12 KE02 NA02 NA06 QC01 QD04 RA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数1〜2のヨードカーボン5〜95重
    量%と沸点70℃以下の低沸点脂肪族炭化水素95〜5
    重量%からなる合成樹脂用発泡剤。
  2. 【請求項2】炭素数1〜2のヨードカーボンがヨードメ
    タン、フルオロヨードメタン、ジフルオロヨードメタ
    ン、トリフルオロヨードメタン、テトラフルオロヨード
    エタン及びペンタフルオロヨードエタンから選ばれた少
    なくとも一種である請求項1に記載の合成樹脂用発泡
    剤。
  3. 【請求項3】炭素数1〜2のヨードカーボン5〜95重
    量%と沸点15℃以下の低沸点脂肪族炭化水素95〜5
    重量%からなるポリオレフィン系樹脂用発泡剤。
  4. 【請求項4】沸点15℃以下の低沸点脂肪族炭化水素
    が、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレ
    ン、ブタン、ブテン及びイソブタンから選ばれた少なく
    とも一種である請求項3に記載のポリオレフィン系樹脂
    用発泡剤。
  5. 【請求項5】炭素数1〜2のヨードカーボン5〜95重
    量%と沸点−20〜70℃の低沸点脂肪族炭化水素95
    〜5重量%からなるポリウレタン又はポリイソシアヌレ
    ート用発泡剤。
  6. 【請求項6】沸点−20〜70℃の低沸点脂肪族炭化水
    素が、ブタン、ブテン、イソブタン、2−メチルブタ
    ン、n−ペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−
    ジメチルブタン、シクロペンタン及び2−メチルペンタ
    ンから選ばれた少なくとも一種である請求項5に記載の
    ポリウレタン又はポリイソシアヌレート用発泡剤。
  7. 【請求項7】蒸発型発泡剤を均一に分散したポリオレフ
    ィン系溶融樹脂を低圧域へ押出すことによってポリオレ
    フィン系樹脂発泡体を製造する方法において、蒸発型発
    泡剤として、請求項3又は4に記載の発泡剤を用いるこ
    とを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】ポリオレフィン系樹脂がポリスチレン、ポ
    リエチレン又はポリプロピレンである請求項7に記載の
    ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  9. 【請求項9】低沸点有機化合物系発泡剤の存在下に、ポ
    リオールとポリイソシアネート化合物とを反応させてポ
    リウレタン発泡体又はポリイソシアヌレート発泡体を製
    造する方法において、低沸点有機化合物系発泡剤とし
    て、請求項5又は6に記載の発泡剤を用いることを特徴
    とする合成樹脂発泡体の製造方法。
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WO2014097163A1 (en) * 2012-12-18 2014-06-26 Tazzetti S.P.A. Low environmental impact gas mixtures comprising pentafluoroiodoethane
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