JP2000191777A - 架橋重合体の製造方法 - Google Patents

架橋重合体の製造方法

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JP2000191777A
JP2000191777A JP10370870A JP37087098A JP2000191777A JP 2000191777 A JP2000191777 A JP 2000191777A JP 10370870 A JP10370870 A JP 10370870A JP 37087098 A JP37087098 A JP 37087098A JP 2000191777 A JP2000191777 A JP 2000191777A
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acid
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JP10370870A
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Yoshihiro Irisato
義広 入里
Makoto Sukegawa
誠 助川
Toshio Kato
敏雄 加藤
Hiroaki Tamaya
玉谷  弘明
Katsuhiko Machida
勝彦 町田
Susumu Nunokawa
進 布川
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分解性を有し、ゲルの安定性を有し、優れた
吸水能を有する高吸水性樹脂を供給する。 【解決手段】 ポリコハク酸イミドに架橋剤として少な
くとも3個のアミノ基を有する化合物を反応させ、残り
のイミド環を加水分解することで、生分解性を有し、ゲ
ルの安定性に優れた吸水性樹脂及びその製造方法を見い
だした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】[吸水性樹脂の技術的背景]吸水性樹脂
は、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であ
り、生理用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等
の衛生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダ
ーパット、パップ剤等の医療用品、ペット用シート、携
帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使
い捨てカイロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェ
ル剤、保湿剤等のトイレタリー用品、農・園芸用の保水
材、切り花の延命剤、フローラルフォーム(切り花の固
定化材)、育苗用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テ
ープ、流体播種、結露防止用農業用シート等の農・園芸
用品、食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シー
ト等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シー
ト等の運搬用資材、結露防止用建築材料、土木・建築用
のシーリング材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリ
ート混和剤、ガスケット・パッキング等の土木建築資
材、光ファイバー等の電子機器のシール材、通信ケーブ
ル用止水材、インクジェット用記録紙等の電気機器関連
資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去
剤等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等
の幅広い分野に使用されている。また、その薬品徐放性
を利用して、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の
用途にも期待されている。さらに、その親水性を利用し
て湿度調整材、電荷保持性を利用して帯電防止剤等への
使用も期待される。
【0002】[吸水性樹脂に関する先行技術]このよう
な用途に使用されている吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号、米国特許4625001号)、澱粉−アクリロニ
トリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−439
95号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開昭
51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689
号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許00681
89号)、カチオン性モノマーの架橋体(米国特許49
06717号)、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体(米国特許4389513号)などが知られてい
る。
【0003】ところが、これらの吸水性樹脂組成物は分
解性を有しないため、使用後の廃棄が問題である。現状
では、これらの吸水性樹脂は、廃棄時には焼却処理する
方法と埋め立てする方法が行われているが、焼却炉で処
理する方法では、焼却時に発生する熱による炉材の損傷
のほかに、地球の温暖化や酸性雨の原因となることが指
摘されている。また、埋め立て処理する方法では、プラ
スチックは容積がかさばり、腐らないため、地盤が安定
しない等の問題があるうえ、埋め立てに適した場所がな
くなってきたことが大きな問題となっている。
【0004】すなわち、これらの樹脂は分解性に乏し
く、水中や土壌中では、半永久的に存在するので、廃棄
物処理における環境保全を考えると、非常に重大な問題
である。例えば、紙おむつ、生理用品等の衛生材料に代
表される使い捨て用途の樹脂の場合、それをリサイクル
すれば多大な費用がかかり、焼却するにも大量であるた
め、地球環境への負荷が大きい。また、農・園芸用保水
材として架橋ポリアクリル酸樹脂を使用した場合、土壌
中でCa2+等の多価イオンとコンプレックスを形成し、
不溶性の層を形成すると報告されている(松本ら、高分
子、42巻、8月号、1993年)。しかし、このよう
な層はそのもの自体の毒性は低いといわれてはいるが、
自然界には全くないものであり、長期に亘るそれら樹脂
の土中への蓄積による生態系への影響は不明であり、十
分に調べる必要があり、その使用には慎重な態度が望ま
れる。同様に非イオン性の樹脂の場合、コンプレックス
は形成しないが、非分解性のため土壌中へ蓄積する虞が
あり、その自然界への影響については精査する必要があ
る。さらに、これらの重合系の樹脂は、人間の肌等に対
して毒性の強いモノマーを使用しており、重合後の製品
からこれを除去するために、多くの検討がなされている
が、完全に除くことは困難である。特に工業的規模での
製造ではより困難となることが予想される。
【0005】[生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背
景]一方、近年、「地球にやさしい素材」として生分解
性ポリマーが注目されており、これを吸水性樹脂として
使用することも提案されている。このような用途に使用
されている生分解性を有する吸水性樹脂としては、例え
ばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−15779
5号等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメ
チルセルロース架橋体(米国特許4650716号)、
アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体な
どが知られている。この中で、ポリエチレンオキシド架
橋体、ポリビニルアルコール架橋体は、特殊な菌のみし
か、生分解することができないので、一般的な条件では
生分解性は遅かったり、もしくは、全く分解しなかった
りする。さらに分子量が大きくなると極端に分解性が低
下したり、非分解性となる。また、カルボキシメチルセ
ルロース架橋体、アルギン酸架橋体、デンプン架橋体等
の糖類架橋体は、その分子内に強固な水素結合を多く含
むために、分子間、ポリマー間の相互作用が強く、その
ため分子鎖が広く開くことができず、吸収能は高くな
い。
【0006】[ポリアミノ酸系吸水性樹脂の技術的背
景]一方、ポリアミノ酸を架橋して得られる樹脂は、生
分解性を有するために地球環境にやさしく、また生体内
に吸収されても酵素作用により消化吸収され、しかも生
体内での抗原性を示さず、分解生成物も毒性がないこと
が明らかにされているので、人に対してもやさしい素材
である。このような樹脂の先行技術としては、例えば、
ポリ−γ−グルタミン酸にγ線を照射して高吸水能を有
する樹脂を製造する方法(国岡ら、高分子論文集、50
巻10号、755頁(1993年))を挙げることがで
きる。しかし、工業的な観点からは、この技術に用いる
60Co照射設備は、放射能の遮断を行うためには大がか
りな設備が必要であり、その管理にも十分な配慮が必要
であるため現実的ではない。また、出発物質であるポリ
グルタミン酸が高価であることも問題点である。また、
架橋アミノ酸樹脂を吸水性ポリマーに応用する先行技術
もある(Sikesら、特表平6−506244号;米
国特許第5247068及び同第5284936号、鈴
木ら、特開平7−309943号)。しかし、いずれの
報告の場合も、これらの樹脂は吸水性が十分でなく、実
用的ではなかった。また、酸性アミノ酸を架橋させてハ
イドロゲルを得る方法も公知である(Akamatsu
ら、米国特許第3948863号;特公昭52−413
09号、岩月ら、特開平5−279416号)。しか
し、これらの樹脂は吸水性ポリマーとして使用できる程
度の吸水能は有しなかった。さらに、特開平8−598
20号には、酸性ポリアミノ酸を塩基性ポリアミノ酸に
より架橋させた吸水性樹脂が開示されている。しかし、
これらの方法では、記載された反応における、ポリマー
と架橋剤との反応性が低く、過酷な条件下にて反応しな
ければならず、反応の制御がほとんど不可能である。得
られた樹脂は、性能が十分とはいえなかった。
【0007】そのような背景から、本発明者らは、すで
に、特開平7−224163号において、ポリコハク酸
イミドとジアミン化合物とを反応させた後、または同時
に、加水分解することにより、塩水吸水能の高い吸水性
樹脂を開示している。この樹脂は分解性に優れ、吸水能
力も高い優れた樹脂である。しかし、その製造において
有機溶媒を用いるため、その回収等を行わなければなら
ず、場合により、コスト高となったり、環境対策が必要
となることがあった。すなわち、工業的生産のために
は、環境対策、容積効率の向上、コスト削減等のため
に、有機溶媒の使用量を削減する必要性があった。した
がって、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の前駆体である
架橋ポリコハク酸イミドの従来の技術による製造方法に
おいては、工程の簡略化、改良の点で改善の余地があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記のような従来の問題点を解決し、生分
解性を有し、優れた吸水能を有する架橋重合体及びその
前駆体の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明は、以下の[1]〜[21]に記載し
た事項により特定される。
【0010】[1] ポリコハク酸イミドに、少なくと
も2個のアミノ基を有する化合物を反応させて架橋ポリ
コハク酸イミドを製造する架橋重合体の製造方法におい
て、反応を、固相、及び/又は、スラリー状態で行なう
ことを特徴とする、架橋重合体の製造方法。
【0011】[2] ポリコハク酸イミドに、少なくと
も2個のアミノ基を有する化合物を反応する架橋重合体
の製造方法において、反応を、固相、及び/又は、スラ
リー状態で行ない、さらに架橋反応せずに残ったイミド
環の少なくとも一部を加水分解することを特徴とする、
架橋重合体の製造方法。
【0012】[3] 工程1として、ポリコハク酸イミ
ドに、少なくとも2個のアミノ基を有する化合物を、固
相、及び/又は、スラリー状態で、反応させて架橋ポリ
コハク酸イミドを製造する工程、工程2として、工程1
で製造された、架橋ポリコハク酸イミドの架橋反応せず
に残ったイミド環の少なくとも一部を加水分解する工
程、とを含んで構成されることを特徴とする、架橋重合
体の製造方法。
【0013】[4] 少なくとも2個のアミノ基を有す
る化合物が、リジン、アルキレンジアミン、及び、キシ
シレンジアミンからなる群から選択された少なくとも1
種である、[1]乃至[3]の何れかに記載した架橋重
合体の製造方法。
【0014】[5] 少なくとも2個のアミノ基を有す
る化合物の使用量が、ポリコハク酸イミドの繰り返し単
位の全モル数を基準として、0.1〜100モル%に相
当するものであることを特徴とする、[1]乃至[4]
の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
【0015】[6] ポリコハク酸イミドの重量平均分
子量が、1万〜100万である、[1]乃至[5]の何
れかに記載した架橋重合体の製造方法。
【0016】[7] ポリコハク酸イミドが、アスパラ
ギン酸から水2分子が脱水して生成した無水物である、
[1]乃至[6]の何れかに記載した架橋重合体の製造
方法。
【0017】[8] ポリコハク酸イミドが、アスパラ
ギン酸から水2分子が脱水して生成した無水物のみから
なるホモポリマーである、[1]乃至[7]の何れかに
記載した架橋重合体の製造方法。
【0018】[9] 固相、及び/又は、スラリー状態
が、ポリコハク酸イミドと架橋剤と液体の混合により発
現されるものである、[1]乃至[8]の何れかに記載
した架橋重合体の製造方法。
【0019】[10] 固相、及び/又は、スラリー状
態が、ポリコハク酸イミドと架橋剤を含む液の混合によ
り発現されるものである、[1]乃至[9]の何れかに
記載した架橋重合体の製造方法。
【0020】[11] 架橋剤を含む液が、架橋剤を溶
解した溶液である、[1]乃至[10]の何れかに記載
した架橋重合体の製造方法。
【0021】[12] 混合が機械的混合である、
[9]乃至[11]の何れかに記載した架橋重合体の製
造方法。
【0022】[13] 混合が連続ミキサーにより行わ
れることを特徴とする、[9]乃至[11]の何れかに
記載した架橋重合体の製造方法。
【0023】[14] 連続ミキサーが、二軸混練り機
により行われることを特徴とする、[13]に記載した
架橋重合体の製造方法。
【0024】[15] 混合が、均一化を促進する方法
によってを助長されることを特徴とする、[9]乃至
[14]の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
【0025】[16] 均一化を促進する方法が、ポリ
コハク酸イミドの良溶媒でポリコハク酸イミドを懸濁さ
せた液に架橋剤を添加する方法である、[17]に記載
した架橋重合体の製造方法。
【0026】[17] 均一化を促進する方法が、ポリ
コハク酸イミドの良溶媒を架橋反応前に、又は、架橋反
応時に添加する方法である、[15]又は[16]の何
れかに記載した架橋重合体の製造方法。
【0027】[18] ポリコハク酸イミドの良溶媒
が、N,N−ジメチルホルムアミドである、[16]又
は[17]に記載した架橋重合体の製造方法。
【0028】[19] 均一化を促進する方法が、架橋
反応前、又は、架橋反応時に、ポリコハク酸イミドに親
水性ペンダント基を導入する方法である、[15]乃至
[18]の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
【0029】[20] 均一化を促進する方法が、架橋
反応前、又は、架橋反応時に、ポリコハク酸イミドのイ
ミド環の一部を開環する方法である、[15]乃至[1
9]の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
【0030】[21] 固相、及び/又は、スラリー状
態が、水、及び/又は、有機溶媒の量が、ポリコハク酸
イミドの重量に対して0.1〜300重量%に相当する
ものであることにより発現されるものである、[1]乃
至[20]の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細について説
明する。
【0032】(1) 架橋重合体の製造方法 本発明の架橋重合体の製造方法は、ポリコハク酸イミド
に、少なくとも2個のアミノ基を有する化合物を反応さ
せて架橋ポリコハク酸イミドを製造する反応において、
固相、及び/又は、スラリー状態にて行うことを特徴と
する。及び、さらに残りのイミド環を加水分解して得ら
れる架橋重合体の製造方法でもある。
【0033】(2) ポリコハク酸イミドの製造方法 本発明の架橋重合体の製造方法は、ポリコハク酸イミド
を用いた製造方法である。本発明で用いられるポリコハ
ク酸イミドの製造方法は、特に限定されないが、ジャー
ナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(J.Amer.Chem.Soc.),80巻,33
61頁〜(1958年)等に記載の方法にて容易に製造
することができる。
【0034】本発明の架橋重合体の製造方法に用いるポ
リコハク酸イミドの製造に用いる原料は、特に限定され
ず、重合により高分子量の重合体となるものであれば何
れの方法も使用できる。原料の具体例としては、例え
ば、アスパラギン酸、アスパラギン、アスパラギン酸エ
ステル、アスパラギン酸ジエステル、マレアミド、マレ
イミド、マレイン酸アンモニウム塩、マレイン酸とアン
モニア又はアンモニウム塩、フマル酸アミド、フマル酸
アンモニウム塩、フマル酸とアンモニア又はアンモニウ
ム塩等が挙げられる。
【0035】使用するポリコハク酸イミドの重量平均分
子量は、特に限定されないが、重量平均分子量が高い方
が保水材としての能力が高くなる。一般的に、3万以
上、好ましくは6万以上、より好ましくは9万以上であ
る。本発明のポリコハク酸イミドの製造時に、アスパラ
ギン酸以外の他のアミノ酸を添加して共重合体を製造す
ることもできる。アスパラギン酸以外のアミノ酸成分の
具体例としては、例えば、20種類の必須アミノ酸、L
−オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ
−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミ
ノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸
のN置換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2
量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導
体、L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を挙げる
ことができる。α−アミノ酸は、光学活性体(L体、D
体)であっても、ラセミ体であってもよい。
【0036】また、重合体はアミノ酸以外の単量体成分
を添加して共重合体を製造することもできる。共重合体
製造時に添加する単量体成分の具体例としては、例え
ば、アミノカルボン酸、アミノスルホン酸、アミノホス
ホン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトカルボン
酸、メルカプトスルホン酸、メルカプトホスホン酸等が
挙げられる。また、多価アミン、多価アルコール、多価
チオール、多価カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホス
ホン酸、多価ヒドラジン化合物、多価カルバモイル化合
物、多価スルホンアミド化合物、多価ホスホンアミド化
合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合
物、多価イソチオシアナート化合物、多価アジリジン化
合物、多価カーバメイト化合物、多価カルバミン酸化合
物、多価オキサゾリン化合物、多価反応性不飽和結合化
合物、多価金属等が挙げられる。これらの中で、アスパ
ラギン酸単独で重合した場合が、高分子量の重合体とな
りやすく、誘導された吸水性樹脂の性能が高くなるので
好ましい。こうして得られたポリコハク酸イミドを用い
て、架橋重合体を製造する。
【0037】(3) 架橋重合体の製造方法 本発明の重合体の製造方法の特徴はポリコハク酸イミド
に、少なくとも2個のアミノ基を有する化合物を反応さ
せて架橋ポリコハク酸イミドを製造する反応において、
固相、及び/又はスラリー状態にて架橋反応を行い、必
要により、続いて残りのイミド環の加水分解反応を行な
うところにある。すなわち、本発明の架橋重合体の製造
方法は、架橋重合体を吸水性樹脂として使用する場合、
架橋反応の程度(以下、架橋度という。)により製造さ
れる樹脂の吸水特性が変わるので、目的の吸水特性を持
つ樹脂を得るためには、厳密に架橋反応を制御できる製
造法が好ましい。ここで、本出願明細書においては、
『架橋度』とは架橋間の距離もしくは構成単量体の数、
もしくはポリマー主鎖に対する架橋部分の割合の度合い
を表すものと定義する。本発明の架橋重合体の製造方法
の説明は(4)架橋反応(5)イミド環の加水分解反応
の2つに分けて行なう。
【0038】なお、架橋反応後は、架橋により不溶化す
るので、後の反応は不均一系になる場合が多い。不均一
系の反応の場合、均一系の反応より、反応速度が遅くな
る等の場合があるが、撹拌効率を上げるとか、相間移動
触媒等を用いる等の、既存の不均一系に用いる手法を用
いても構わない。また、加水分解反応時にゲルの状態で
反応を行うと、溶液状態の反応よりは反応は遅いが、通
常の液−固相系の二相系の反応に対しては、ゲル中の物
質の出入りが可能であるため、反応は速くなる。この場
合、反応初期が液−固相系の二相系であっても、反応途
中からゲルとなっても構わない。
【0039】(4) 架橋反応 本発明の架橋重合体の製造方法の特徴は架橋反応とし
て、ポリコハク酸イミドに、少なくとも2個のアミノ基
を有する化合物を反応させて架橋ポリコハク酸イミドを
製造する反応において、固相、及び/又はスラリー状態
にて行うことにある。本発明の架橋重合体の製造方法に
おける架橋反応とは、ポリマー鎖間を多官能性の化合物
を用いて共有結合により連結することをいい、架橋はポ
リマーの繰り返し単位の一部が反応した状態にある。本
発明の架橋重合体の架橋度は特に限定されず、目的とす
る吸水能に合わせて選択することができる。ここで、架
橋度が大きすぎると、樹脂の吸水量が低下し、反対に架
橋度が小さすぎると水溶性となり、吸水性を示さなくな
るので、適当な架橋度に調整する必要がある。本発明で
製造する架橋重合体の架橋度は、ポリコハク酸イミドの
繰り返し単位の全モル数を基準として、0.01〜50
モル%が好ましく、0.1〜10モル%がより好まし
く、特に0.5〜5モル%が好ましい。本発明の反応条
件により、適宜、調整できる。
【0040】本発明における反応は、ポリマー中に含ま
れるコハク酸イミド単位中のイミド環に対してアミンを
用いて開環付加を行うことを特徴とする。本発明におけ
る固相、及び/又は、スラリー状態とは、液体が全く含
まれない状態ではなく、固相/液相(/気相)の混合相
ではあるが、固相が主部分を占める状態のことをいい、
通常、固相/液相が分離していない状態である。本発明
の固相とスラリー状態は厳密な区別はつかないが、本出
願明細書においては、以下のように定義する。固相とは
固相/液相において、固相の占める割合が50重量%以
上の状態であり、スラリー状態とは液相が固相に対して
50〜200重量%程度の状態である。
【0041】本発明において、固相、及び/又は、スラ
リー状態は、水、及び/又は、有機溶媒の量が、ポリコ
ハク酸イミドの重量に対して、0.001〜1000重
量%に相当するものであることが好ましく、0.01〜
600重量%に相当するものであることがより好まし
く、0.1〜300重量%に相当するものであることが
より好ましく、0.1〜100重量%に相当するもので
あることがより好ましい。ここで、液相はポリマーに吸
着された状態にあるので固相と液相は分離していない。
しかし、本発明の製造法においては、分離した液相が存
在してはならないのではなく、架橋反応に影響ない場合
は過剰の液体が存在しても構わない。例えば、ポリコハ
ク酸イミド又は架橋剤を反応系外に抽出しない溶媒を用
いて減粘させることもできる。本発明の製造方法の固相
/スラリー状態は、ポリコハク酸イミドと架橋剤及び液
体の混合によって発現される。本発明の架橋反応は、反
応状態が固相及び/又はスラリー状態という高濃度状態
にて行うことにより、ポリコハク酸イミドと架橋剤の反
応速度が速くなる。
【0042】本発明の架橋重合体の製造方法において使
用するポリコハク酸イミドは、(2)にて説明したポリ
コハク酸イミドが使用できる。ポリコハク酸イミドは、
均一な分散状態にて反応することが好ましく、均一な分
散状態を保つことを目的とした操作等をとることができ
る。例えば、ポリコハク酸イミドを粉砕して用いる方
法、ポリコハク酸イミドを粉砕、メッシュパスして用い
る方法、ポリコハク酸イミドを溶解した溶液を貧溶媒に
排出して得られた一次粒子が小さいポリコハク酸イミド
を用いる方法、ポリコハク酸イミド及び/又は架橋され
たポリコハク酸イミドを湿式又は乾式にて粉砕しながら
架橋する方法、ポリコハク酸イミドの良溶媒を用いて一
部を溶解させながら架橋反応を行う方法等が挙げられ
る。なお、本発明において均一な分散状態とは、架橋反
応においてポリコハク酸イミドの塊状物を含まず、架橋
剤がポリコハク酸イミドとまんべんなく混合した状態を
いう。本発明の架橋反応のポリコハク酸イミドを含む固
相及び/又はスラリー状態における、ポリコハク酸イミ
ドの濃度は、特に限定されないが、一般的には、10〜
99重量%が好ましく、20〜90重量%がより好まし
く、特に30〜80重量%が好ましい。
【0043】本発明の製造法において使用する液は、一
般的には、使用する架橋剤を実質的に溶解できるような
良溶媒を用いることが好ましい。架橋剤を溶解できる溶
媒は架橋剤の種類によって変わる。例えば、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール、2−メトキシエタノール、2−エト
キシエタノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグ
リコール類、メチルグリコソルブ、エチルグリコソルブ
等のグリコソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等の環状エーテル、石油エーテル、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、
デカリン、ジフェニルエーテル、アニソール、クレゾー
ル等がある。
【0044】これらの中で、本発明の架橋剤は一般的に
極性が高いものが多いので、極性溶媒が好ましく、水、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグ
リコール類、メチルグリコソルブ、エチルグリコソルブ
等のグリコソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等の環状エーテル等がある。
【0045】これらの中で、工業的生産を考慮すると、
回収が容易であるか、回収の必要性が低いものが好まし
い。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコール、アセト
ン、メチルエチルケトン等が好ましく、水、メタノー
ル、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン等がよ
り好ましく、水、メタノールが好ましく、水が最も好ま
しい。これらの溶媒は、単独でも、2種以上を混合して
用いても構わない。
【0046】本発明の溶媒の使用量は、特に限定されな
いが、ポリコハク酸イミドに対して1〜300重量%が
好ましく、10〜200重量%がより好ましく、20〜
150重量%が特に好ましい。また、架橋反応時に以上
の使用量になればよく、上記の使用量より多量の溶媒使
用し、架橋反応時に溶媒を除去することにより調整する
こともできる。
【0047】本発明の製造法において、ポリコハク酸イ
ミドの均一分散を促進するために、ポリコハク酸イミド
の良溶媒を添加しても構わない。良溶媒の具体例として
は、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,
N’−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等を挙げることができる。これらの中で
は、ポリコハク酸イミドの溶解性が高い、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特
に好ましい。これらの溶媒は、単独でも、2種以上を混
合して用いても構わない。
【0048】本発明のポリコハク酸イミドの良溶媒の使
用量は、特に限定されないが、ポリコハク酸イミドに対
して1〜200重量%が好ましく、10〜100重量%
がより好ましく、20〜80重量%が特に好ましい。使
用量が多い場合は、回収等がコストがかかり、好ましく
ない。本発明においては、上記、溶媒を使用しなくても
何ら問題ない。
【0049】また、架橋反応を遅くする目的や、原料も
しくは生成物の粘度を減少させるを目的等で、必要によ
り、ポリコハク酸イミドを溶解しない、もしくはわずか
しか溶解しない貧溶媒等を加えても構わない。貧溶媒
は、特に限定されず、化学反応一般に使用される溶媒
は、いずれであっても使用できる。この場合、上記に記
載した反応に用いる有機溶媒と兼ねても構わない。
【0050】例えば、水、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2
−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のア
ルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール等のグリコール類、メチルグリ
コソルブ、エチルグリコソルブ等のグリコソルブ類、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環
状エーテル、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン、デカリン、ジフェニル
エーテル、アニソール、クレゾール等がある。
【0051】本発明の減粘又は反応遅延等を目的とした
溶媒の使用量は、特に限定されないが、ポリコハク酸イ
ミドに対して1〜100重量%が好ましく、1〜80重
量%がより好ましく、1〜50重量%が特に好ましい。
使用量が多い場合は、回収等がコストがかかり、好まし
くない。本発明においては、上記、溶媒を使用しなくて
も何ら問題ない。本発明における少なくとも2個のアミ
ノ基を有する化合物とは、2個以上のアミノ基を有する
有機化合物であれば特に限定されない。
【0052】本発明の架橋剤のアミノ基としては、一級
アミノ基、二級アミノ基が挙げられるが、ポリコハク酸
イミドとの反応性が高く、架橋度の調整が容易である、
一級アミノ基が好ましい。また、芳香環に結合したアミ
ノ基も同様な理由にて好ましくなく、脂肪族又はアラル
キル基と結合したアミノ基、芳香環にメチレンを介して
結合したアミノ基(ベンジル位のアミノ基)が好まし
い。その具体例としては、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジア
ミン、ヘキサデカメチレンジアミン、1−アミノ−2,
2−ビス(アミノメチル)ブタン、テトラアミノメタ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等
の脂肪族ポリアミン、ノルボルネンジアミン、1,4−
ジアミノシクロヘキサン、1,3,5−トリアミノシク
ロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミ
ン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレ
ンジアミン等の芳香族ポリアミン、塩基性アミノ酸もし
くはそれらのエステル類、シスタミン等のモノアミノ化
合物の分子1個又はそれ以上が1個又はそれ以上のジス
ルフィド結合により結合した化合物及びその誘導体等の
ポリアミンが挙げられる。また、リジン、シスチン、オ
ルニチンに代表されるタンパク質構成アミノ酸又はそれ
らの塩又はエステル類が挙げられる。
【0053】さらに、3官能以上の化合物の具体例とし
ては、例えば、1,1,1−トリス(2’−アミノメチ
ル)エタン、テトラキス(2’−アミノメチル)メタ
ン、1,1,1−トリス(2’−アミノエチル)エタ
ン、テトラキス(2’−アミノエチル)メタン、1,
1,1−トリス(2’−アミノプロピル)エタン、テト
ラキス(2’−アミノプロピル)メタン、1,1,1−
トリス(2’−アミノブチル)エタン、テトラキス
(2’−アミノブチル)メタン、1,2,3−トリス
(アミノメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(アミ
ノメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(アミノメチ
ル)ベンゼン等が挙げられる。
【0054】重合体である架橋剤の具体例としては、例
えば、グリシン−リジン、アラニン−リジン、グリシン
−オルニチン、アラニン−オルニチン等のC末端に塩基
性アミノ酸を有するジペプチド、リジン−グリシン、リ
ジン−アラニン、オルニチン−グリシン、オルニチン−
アラニン、リジン−リジン、オルニチン−リジン、リジ
ン−オルニチン、オルニチン−オルニチン等のN末端に
塩基性アミノ酸を有するジペプチド、グリシン−グリシ
ン−リジン、グリシン−リジン−グリシン、グリシン−
グリシン−オルニチン、グリシン−オルニチン−グリシ
ン、リジン−リジン−リジン、オルニチン−オルニチン
−オルニチン、グリシン−グリシン−グリシン−リジ
ン、グリシン−オルニチン−グリシン−グリシン等の塩
基性アミノ酸を少なくとも1つ以上含むポリペプチドが
挙げられる。また重合体がポリマーである架橋剤の例と
しては、ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギ
ニンの共重合体、リジンとアスパラギン酸との共重合
体、リジンとグルタミン酸との共重合体、塩基性アミノ
酸と他のアミノ酸との共重合体が挙げられ、ポリエチレ
ンイミン、ポリアリルアミン、キトサン、ペプチド等が
挙げられる。本発明ではこれらの重合体の重合度は特に
限定されず、反応に用いる有機溶媒への溶解性等を考慮
して選べばいい。これらの架橋剤中では、生分解性を有
するものが、廃棄等を考慮した場合、好ましく、また、
ポリコハク酸イミドとの反応性に優れたものが好まし
い。例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、
1,4−ブタンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、リジン、オルニチン、シスタミ
ンが好ましい。その使用量は、特に限定されないが、架
橋度が大きすぎると、樹脂の吸水量が低下し、反対に架
橋度が小さすぎると水溶性となり、吸水性を示さなくな
るので、適当な架橋度に調整する必要がある。
【0055】本発明の製造法に使用する架橋剤の量は、
架橋剤の官能数、重量平均分子量によって決まる架橋度
によるが、使用する用途の種類によっても変わってく
る。ポリコハク酸イミドの繰り返し単位に対して、架橋
剤としては0.01〜100モル%が好ましく、特に
0.5〜50モル%が好ましい。ポリコハク酸イミドの
単量体単位に対する架橋剤のアミノ基の比は、0.1〜
100モル%が好ましく、0.5〜50モル%が特に好
ましい。また、反応性の異なるアミノ基を有する架橋剤
を用いて、段階的に反応させて架橋しても構わない。ポ
リコハク酸イミドと架橋剤の反応において段階的に反応
させる場合の具体例として、例えば、リジン、オルニチ
ンのような化合物を挙げることができる。これらは、ア
ミノ基が結合した炭素にカルボキシル基を有するため、
α−アミノ基の反応性を落としたものである。その他、
立体障害の有無、脂肪族と芳香族アミンの違い等も利用
することができる。ここで、少なくとも2個のアミノ基
を有する化合物は、必ずしもその全てのアミノ基がポリ
コハク酸イミドと反応している必要はなく、実質的に高
い吸水量とゲル強度が発現でき、ゲルの安定性が保つこ
とができれば構わない。すなわち、本発明の架橋重合体
は、2個以上のアミンが反応した架橋した構造を含む
が、アミノ基が未反応であるペンダント構造も含んでも
構わない。
【0056】本発明の製造法において、固相及び/又は
スラリー状態を発現するのに、ポリマーの親水基が増加
することは望ましい。ポリマーの親水性を増加させるこ
とで、反応の均一性が増加する。ポリマーの親水基を増
加する方法は、特に限定されないが、架橋剤の1官能基
が反応し、親水性のペンダント基として存在させる方
法、親水性のペンダント基を導入する方法、一部のイミ
ド環の開環によりポリアスパラギン酸残基とする方法等
が挙げられる。これらを行うためには、上記反応にポリ
マーの親水性を増加させるための反応試剤を加える方法
が望ましい。
【0057】反応試剤の具体例としては、例えば、一部
のイミド環の開環によりポリアスパラギン酸残基とする
方法においては、アルカリ等を用いればいい。架橋剤の
1官能基が反応し、親水性のペンダント基として存在さ
せる方法においては、リジン、オルニチン等のような反
応性の異なるアミノ基を有する化合物を挙げることがで
き、これらを用いることで、一部をペンダント基として
導入し、一部を架橋剤として反応させることができる。
親水性のペンダント基を導入する方法としては、アミノ
基と水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基
等を有する化合物を挙げることができ、これらを架橋反
応時に添加し、反応させることにより、ポリマーの側鎖
として導入され、親水性の増加したポリマーが得られ
る。ただし、これらの側鎖基は、ポリマーの分解過程に
おいて元の反応試剤に近い形にて分解され易いので、生
分解性に優れたものが好ましい。また、反応試剤によっ
ては使用量が多い場合に吸水能の低下を招く場合があ
る。これらの反応試剤の使用量は特に限定されないが、
ポリコハク酸イミドの繰り返し単位に対して、0.1〜
100モル%が好ましく、1〜50モル%がより好まし
く、5〜50モル%が特に好ましい。本発明において
は、上記、反応試剤を使用しなくても何ら問題ない。
【0058】本発明の架橋反応においては、必要に応じ
触媒を使用してもよい。触媒としては、一般的には、塩
基触媒が用いられる。塩基触媒としては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のア
ルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸
塩、シュウ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、アンモニ
ア等の無機系塩基試剤;トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリ
ペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノール
アミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミ
ン、トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エ
チルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチ
ルアミン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミ
ン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシ
ルアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等のアミン等
の有機系塩基試剤が挙げられる。また、架橋反応を遅く
するために、酸触媒を添加しても構わない。酸触媒は、
特に限定されず一般的な酸触媒を使用することができ
る。
【0059】本発明の製造において、ポリコハク酸イミ
ドと架橋剤及び液体の混合方法、装入順序は特に限定さ
れないが、以下にその好ましい形態について挙げる。本
発明の製造方法におけるポリコハク酸イミドと架橋剤及
び液体の混合方法は、特に限定されないが、固体状態
(粉末状)のポリコハク酸イミドと固体又は液体の架橋
剤に溶媒を加えて混合する方法、固体状態(粉末状)の
ポリコハク酸イミドに架橋剤の溶液又は分散液を加えて
混合する方法、良溶媒で分散したポリコハク酸イミドに
架橋剤又は架橋剤溶液又は分散液で加えて混合する方法
等が挙げられる。これらの方法において、混合は被装入
物を混合しながら行っても、装入しながら混合してもよ
く、断片的に加えたり、混合したりを繰り返してもよ
い。
【0060】本発明の混合は機械的に行っても手動にて
行ってもよいが、工業的生産を考慮すると機械的撹拌を
行う方が好ましい。本発明の混合に用いる装置として
は、回分ミキサー及び連続ミキサーが使用できる。回分
ミキサーとしては、二重遊星形ミキサー、ダブルアーム
混練機、ゲートミキサー、シェアーバーミキサー、ヘリ
カルブレードミキサー等のステーショナリータンクミキ
サー、撹拌機ブレードによって粒子を機械的に流動させ
る、リボン配合機等のバルク配合機、コーン及びスクリ
ューミキサー、パンマラーミキサー、プラウミキサー等
を挙げることができる。
【0061】連続ミキサーとしては、一軸及び二軸スク
リュー押出機、トラフミキサー、パッグミル等が挙げら
れる。これらの中で、混合物の粘度が上昇する場合は、
一軸及び二軸スクリュー押出機が好ましい。本発明の製
造方法において必要に応じて、混合物の粘度を下げた
り、流動性を付与する目的で加工助剤を用いてもよい。
加工助剤の例としては、ゼオライト、硫酸塩、亜硫酸
塩、炭酸塩、塩化物塩、臭化物塩、珪酸塩、アルミクレ
ー、ガラスビーズ、顆粒ポリマー、架橋ポリコハク酸イ
ミド、架橋ポリアスパラギン酸等が挙げられる。
【0062】架橋反応における反応温度は、特に限定さ
れず、架橋剤の反応性や、ポリコハク酸イミドの分散状
態を考慮して、適宜決定すればよい。一般的には、0〜
200℃が好ましく、10〜80℃がより好ましく、1
5〜60℃がより好ましい。
【0063】架橋反応が完了した後は、架橋反応に用い
た溶媒を分離しないで、そのまま次の加水分解工程へ進
んでもよく、分離して架橋ポリコハク酸イミドとして取
り出して次の加水分解工程へ進んでもよい。架橋ポリコ
ハク酸イミドと有機溶媒の分離は、一般に用いられる方
法に従えばよい。例えば、濾過、デカンテーション、遠
心分離等が採用できる。また、架橋反応後の反応生成物
は、系外に取り出しても、必要により、そのまま連続的
に加水分解反応を行ってもよい。ここで、系外に反応生
成物を取り出す場合は、場合によっては反応生成物を乾
燥して用いても構わない。
【0064】(5) イミド環の加水分解反応 架橋反応後の反応生成物は、場合によっては、イミド環
の一部を加水分解しても構わない。反応は水中にて行う
が、加水分解が進行するにつれ、樹脂がゲル化し膨潤し
てくるので、ゲルの膨潤度を制御しつつ行うと効率的で
ある。架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環の加水
分解は、特願平9−68185号に記載の方法にて容易
に実施できる。すなわち、水と水混和性有機溶媒混合液
中、無機もしくは有機塩の水溶液中、或いは40乃至1
00℃の温水中にて加水分解を行う方法であり、これら
の複数を組み合わせて使用しても構わない。架橋ポリコ
ハク酸イミドのイミド環の加水分解において、水中では
ゲル化が著しくなり、撹拌が困難となったり、有機溶媒
中では沈殿物が凝集して撹拌困難となったり、また加水
分解が遅くなったり十分に進行しなくなり、生成した樹
脂の吸水量が低下するので、これらの方法を用いる。
【0065】水混和性有機溶媒を使用する場合、使用す
る有機溶剤は、特に限定されないが、一般にはメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタ
ノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等の環状エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリド
ン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン等がある。この中で、架橋ポリ
アスパラギン酸系樹脂として乾燥する際に、特に乾燥が
容易であり、かつ乾燥後に組成物内に溶剤が残留しにく
い点でメタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノールが好ましい。
【0066】使用する水の使用量は容積効率を高めるた
めに、生成する吸水性樹脂の1〜10重量倍が好まし
く、特に1〜5重量倍が好ましい。使用する水の割合
は、混合溶媒に対して5〜100重量%が好ましく、2
0〜80重量%が、特に好ましい。無機もしくは有機塩
を使用する場合、使用する無機もしくは有機塩は、特に
限定されず、一般的な塩は広く使用できる。中性塩、塩
基性塩、酸性塩が使用できる。ここで、多価金属塩の場
合、イミド環の加水分解で生成したカルボキシル基とイ
オン的に架橋するので架橋度は高くなるので、濃度を高
くできない。使用する塩の添加の方法としては、水に加
えて溶解させても、水中で中和により生成させても構わ
ない。また、架橋反応によって生じた塩をそのまま用い
ることもできる。
【0067】使用する塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化
水素酸、フッ化水素酸、硫酸、亜硫酸、二亜硫酸、アミ
ド硫酸、チオ硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸、
オルトリン酸、メタリン酸、次リン酸、ピロリン酸、ホ
スフィン酸、ホスホン酸、炭酸、過炭酸、ホウ酸、オル
トホウ酸、メタホウ酸、塩素酸、過塩素酸、次亜塩素
酸、臭素酸、過臭素酸、次亜臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ
素酸、次亜ヨウ素酸、ケイ酸、オルトケイ酸、メタケイ
酸、アルミン酸、テルル酸、イソシアン酸、チオシアン
酸、マンガン酸、過マンガン酸、過ヨウ素酸、クロム
酸、ニクロム酸、メタ亜アンチモン酸、メタバナジン
酸、モリブデン酸等の無機鉱酸、有機ホスホン酸、有機
スルホン酸、有機カルボン酸、シュウ酸、有機フェノー
ル等の金属塩もしくは有機塩基塩、酸化物等が挙げられ
る。この中で毒性が低く、酸化還元性が無く、低コスト
であり、水への溶解性が高い塩酸、臭化水素酸、ヨウ化
水素酸、フッ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、
リン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ホス
フィン酸、ホスホン酸、炭酸、ホウ酸、オルトホウ酸、
メタホウ酸、ケイ酸、オルトケイ酸、メタケイ酸、シュ
ウ酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸、有機カルボン
酸の金属塩もしくは有機塩基塩が好ましく、特に塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、ホウ酸、有機ホスホン酸、
有機スルホン酸、有機カルボン酸の金属塩もしくは有機
塩基塩が好ましい。
【0068】金属塩の金属はリチウム、ナトリウム、カ
リウム、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、カ
ルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガ
リウム、ゲリウム、ルビジウム、ストロンチウム、イッ
トリウム、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、イ
ンジウム、錫、テルリウム、セシウム、バリウム、セリ
ウム、金、水銀、タリウム、鉛等が挙げられる。この中
で毒性が低く、低コストであり、水への溶解性が高いリ
チウム、ナトリウム、カリウムが好ましい。
【0069】有機塩としては、アンモニウム、テトラメ
チルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ
プロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テ
トラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウ
ム、エチルトリメチルアンモニウム、トリメチルプロピ
ルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペン
チルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアン
モニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、ベ
ンジルトリメチルアンモニウム、トリエチルプロピルア
ンモニウム、トリエチルブチルアンモニウム、トリエチ
ルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキシルアンモニ
ウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニウム、ベンジ
ルトリエチルアンモニウム等のアンモニウム塩、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシル
アミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミ
ン、トリブタノールアミン、トリペンタノールアミン、
トリヘキサノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチル
アミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、
ジベンジルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピ
ルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミ
ン、メチルヘキシルアミン、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデ
シルアミン、ヘキサデシルアミン等のアミン塩等が挙げ
られる。この中で水への溶解性、臭気、安全性、コスト
を考慮すると、テトラメチルアンモニウム、テトラエチ
ルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ
ブチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、
ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチル
アンモニウム等のアンモニウム塩、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、トリエタノールアミン、のアミン塩等が特に好ま
しい。
【0070】具体的な塩の例としては、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化アンモニウム、
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ベリリウム、
塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化バナジウム、塩
化クロム、塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化
ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化ストロンチウム、塩
化イットリウム、塩化ジルコニウム、塩化モリブデン、
塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化パラジウム、塩化
銀、塩化カドミウム、塩化錫、塩化テルリウム、塩化セ
シウム、塩化バリウム、塩化セリウム、塩化鉛、テトラ
メチルアンモニウム・クロリド、テトラエチルアンモニ
ウム・クロリド、テトラブチルアンモニウム・クロリ
ド、トリエタノールアミン塩酸塩等の塩化物塩、臭化ナ
トリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニ
ウム、テトラメチルアンモニウム・ブロミド、テトラエ
チルアンモニウム・ブロミド、テトラブチルアンモニウ
ム・ブロミド、トリエタノールアミン・臭化水素酸塩、
ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、
ヨウ化アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・ヨー
ド、テトラエチルアンモニウム・ヨード、テトラブチル
アンモニウム・ヨード、トリエタノールアミン・ヨウ化
水素酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウ
ム、硫酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・硫
酸塩、テトラエチルアンモニウム・硫酸塩、テトラブチ
ルアンモニウム・硫酸塩、トリエタノールアミン・硫酸
塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝
酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・硝酸塩、
テトラエチルアンモニウム・硝酸塩、テトラブチルアン
モニウム・硝酸塩、トリエタノールアミン・硝酸塩、リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、リ
ン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸リチウム、炭酸アンモニウム、テトラメチルアンモニ
ウム・炭酸塩、テトラエチルアンモニウム・炭酸塩、テ
トラブチルアンモニウム・炭酸塩、トリエタノールアミ
ン・炭酸塩、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ
酸リチウム、ホウ酸アンモニウム、ベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンス
ルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸アンモニウム、
テトラメチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、テ
トラエチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、テト
ラブチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、トリエ
タノールアミン・ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエン
スルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸カリウ
ム、p−トルエンスルホン酸リチウム、p−トルエンス
ルホン酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・p
−トルエンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウム・
p−トルエンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム
・p−トルエンスルホン酸塩、トリエタノールアミン・
p−トルエンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、安息
香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム・安息香酸塩、テトラエ
チルアンモニウム・安息香酸塩、テトラブチルアンモニ
ウム・安息香酸塩、トリエタノールアミン・安息香酸
塩、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸
リチウム、シュウ酸アンモニウム、テトラメチルアンモ
ニウム・シュウ酸塩、テトラエチルアンモニウム・シュ
ウ酸塩、テトラブチルアンモニウム・シュウ酸塩、トリ
エタノールアミン、・シュウ酸塩、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸アンモニウム、テトラ
メチルアンモニウム・酢酸塩、テトラエチルアンモニウ
ム・酢酸塩、テトラブチルアンモニウム・酢酸塩、トリ
エタノールアミン・酢酸塩、プロピオン酸ナトリウム、
プロピオン酸カリウム、プロピオン酸リチウム、プロピ
オン酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・プロ
ピオン酸塩、テトラエチルアンモニウム・プロピオン酸
塩、テトラブチルアンモニウム・プロピオン酸塩、トリ
エタノールアミン、・プロピオン酸塩等が挙げられる。
【0071】これらの中で、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化リチウム、塩化アンモニウム、テトラメチル
アンモニウム・クロリド、テトラエチルアンモニウム・
クロリド、テトラブチルアンモニウム・クロリド、トリ
エタノールアミン塩酸塩、臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化リチウム、臭化アンモニウム、テトラメチルア
ンモニウム・ブロミド、テトラエチルアンモニウム・ブ
ロミド、テトラブチルアンモニウム・ブロミド、トリエ
タノールアミン・臭化水素酸塩、ヨウ化ナトリウム、ヨ
ウ化カリウム、ヨウ化アンモニウム、テトラメチルアン
モニウム・ヨード、テトラエチルアンモニウム・ヨー
ド、テトラブチルアンモニウム・ヨード、トリエタノー
ルアミン・ヨウ化水素酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリ
ウム、硫酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・
硫酸塩、テトラエチルアンモニウム・硫酸塩、テトラブ
チルアンモニウム・硫酸塩、トリエタノールアミン・硫
酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム・硝酸塩、テトラエチル
アンモニウム・硝酸塩、テトラブチルアンモニウム・硝
酸塩、トリエタノールアミン・硝酸塩、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム・炭酸塩、テトラエチル
アンモニウム・炭酸塩、テトラブチルアンモニウム・炭
酸塩、トリエタノールアミン・炭酸塩、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベ
ンゼンスルホン酸アンモニウム、テトラメチルアンモニ
ウム・ベンゼンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウ
ム・ベンゼンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム
・ベンゼンスルホン酸塩、トリエタノールアミン・ベン
ゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウ
ム、p−トルエンスルホン酸カリウム、p−トルエンス
ルホン酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・p
−トルエンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウム・
p−トルエンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム
・p−トルエンスルホン酸塩、トリエタノールアミン・
p−トルエンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、安息
香酸カリウム、安息香酸アンモニウム、テトラメチルア
ンモニウム・安息香酸塩、テトラエチルアンモニウム・
安息香酸塩、テトラブチルアンモニウム・安息香酸塩、
トリエタノールアミン・安息香酸塩、シュウ酸ナトリウ
ム、シュウ酸カリウム、シュウ酸アンモニウム、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、テトラメ
チルアンモニウム・酢酸塩、テトラエチルアンモニウム
・酢酸塩、テトラブチルアンモニウム・酢酸塩、トリエ
タノールアミン・酢酸塩、プロピオン酸ナトリウム、プ
ロピオン酸カリウム等が好ましく、特に、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、テトラメチルア
ンモニウム・クロリド、テトラエチルアンモニウム・ク
ロリド、テトラブチルアンモニウム・クロリド、トリエ
タノールアミン塩酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・硫
酸塩、テトラエチルアンモニウム・硫酸塩、テトラブチ
ルアンモニウム・硫酸塩、トリエタノールアミン・硫酸
塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アン
モニウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンス
ルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸アンモニウム、
テトラメチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、テ
トラエチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、テト
ラブチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、トリエ
タノールアミン・ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエン
スルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸カリウ
ム、p−トルエンスルホン酸アンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、テトラエ
チルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、テトラ
ブチルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、トリ
エタノールアミン・p−トルエンスルホン酸塩、安息香
酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸アンモニウ
ム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸
アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ア
ンモニウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カ
リウム等が好ましくい。
【0072】使用する塩の濃度は、0.01〜20重量
%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。濃度
が低すぎる場合は効果が小さく、濃度が高すぎると塩が
製品中に混入する場合がある。残りのイミド環の開環に
使用できる試剤は、特に限定されないが、一般的には、
アルカリ水が用いられる。
【0073】使用するアルカリ水は特に限定されない
が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸
水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金
属酢酸塩、シュウ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、ア
ンモニア水等が挙げられる。この中で、コスト的に安価
な水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。残り
のイミド環の開環アルカリ開環の反応液のpHはアルカ
リ水の濃度によって変わるが、pHが高すぎると主鎖の
アミド結合を切断し、生成する樹脂の吸水能を低下さ
せ、逆にpHが低すぎると、反応が遅くなり、実用的で
ない。一般的には7.5〜13が好ましく、9〜12が
より好ましい。
【0074】架橋ポリコハク酸イミドのイミド環の開環
反応は、水中、5〜100℃にて行われる。特に10〜
60℃が好ましい。架橋ポリコハク酸イミドのイミド環
をアルカリ加水分解反応させた結果生成する架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂の後処理については、特に限定され
ない。例えば、中和、塩交換、乾燥、精製、造粒、表面
架橋処理等の処理を、必要に応じて行えばよい。以下、
特に中和、塩交換、乾燥の処理について説明する。
【0075】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の中和処理
は、必要に応じて行えばよい。ただし、加水分解反応後
の架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を含む反応液は、通常
は、アルカリ性である。したがって、酸等を添加して、
中和することが好ましい。この中和処理により、架橋ポ
リアスパラギン酸系樹脂の分子内に存在するカルボキシ
ル基を塩にすることができる。この中和度は特に限定さ
れないが、一般的には架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の
分子内の全アスパラギン酸残基の総数を基準として、塩
を形成するカルボキシル基の割合は、0〜50%が好ま
しく、0〜30%がより好ましい。
【0076】中和処理の方法は特に限定されないが、加
水分解反応後に、酸を添加してpHを調整する方法が一
般的である。この酸の具体例としては、塩酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、炭
酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、安
息香酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸等のスルホン酸、ベンゼンホスホン酸等のホス
ホン酸等が挙げられる。
【0077】中和処理により、架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂の分子内に存在するカルボキシル基を塩とした場
合、必要に応じて、その塩を他の種類の塩に交換するこ
ともできる。
【0078】この塩交換に使用される試剤の具体例とし
ては、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩等を挙げることができる。より具体的には、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、テトラ
メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テト
ラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、
テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニ
ウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリメチルプロ
ピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペ
ンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルア
ンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、
ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチルプロピル
アンモニウム、トリエチルブチルアンモニウム、トリエ
チルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキシルアンモ
ニウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニウム、ベン
ジルトリエチルアンモニウム等のアンモニウム塩、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキ
シルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノール
アミン、トリブタノールアミン、トリペンタノールアミ
ン、トリヘキサノールアミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペン
チルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、ジベンジルアミン、エチルメチルアミン、メチルプ
ロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルア
ミン、メチルヘキシルアミン、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、
ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアミン塩等を
例示することができる。
【0079】これらの中では、その重量平均分子量が大
きくなると相対的に単量体単位あたりの重量平均分子量
が大きくなり、単位重量当たりの吸水量が小さくなるの
で、その重量平均分子量が小さいものの方が好ましい。
また、人の肌等に触れる可能性がある場合は、皮膚刺激
性が低い方が好ましい。これらの点から、ナトリウム、
カリウム、リチウム、アンモニウム、トリエタノールア
ミンを用いることが好ましく、さらに、ナトリウム、カ
リウムを用いることが、コストの面で特に好ましい。
【0080】架橋重合体の乾燥処理の方法は特に制限さ
れない。例えば熱風乾燥、特定蒸気での乾燥、マイクロ
波乾燥、減圧乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機
溶剤中での共沸脱水による乾燥等の公知の手法を挙げる
ことができる。乾燥温度は、一般的には、20〜200
℃が好ましく、50〜120℃がより好ましい。この乾
燥処理を施した架橋ポリアスパラギン酸系樹脂に対し
て、さらに精製処理、造粒処理、表面架橋処理等を施し
でもよい。
【0081】(6) 架橋重合体の形状、粒子径 本発明にて製造した架橋重合体の形状は、不定形破砕
状、球状、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パ
ール状、微粉末状、繊維状、棒状、フィルム状、シート
状等種々のものが使用でき、用途によって好ましい形状
を使用できる。また、繊維状基材や多孔質状や発泡体あ
るいは造粒物であってもよい。これらの架橋重合体の粒
子径は特に限定されないが、使用用途によって変わって
くる。例えば、紙オムツ用の場合は、速い吸収速度とゲ
ル・ブロッキングが起こらないことが望まれるので平均
粒子径100〜1000μmが好ましく、150〜60
0μmがより好ましい。止水材等の樹脂への練り混み等
に用いる場合は1〜10μmが好ましく、農園芸用の保
水材の場合は土との分散性を考慮すると100μm〜5
mmが好ましい。いずれも使用用途によって変わってく
る。
【0082】(7) 架橋重合体の使用の形態 本発明にて製造した架橋重合体の使用の形態は、特に限
定されるものではなく、単独でも、他の素材と組み合わ
せて使用してもよい。例えば、熱可塑性樹脂に混練りし
て射出成形等にて成形する方法、構成樹脂のモノマーと
架橋重合体及び必要により開始剤を混合後、光もしくは
熱等で重合する方法、樹脂と架橋重合体を溶剤に分散さ
せ、キャストし、溶剤を除去する方法、プレポリマーと
架橋重合体を混合後、架橋する方法、ポリマーと架橋重
合体を混合後、架橋する方法等がある。本発明にて製造
した架橋重合体を用いた成型品としては、特に制限され
るものではなく、固形物、シート、フィルム、繊維、不
織布、発泡体、ゴム等として使用できる。また、その成
型方法としても特に限定されるものではない。一方、本
発明で製造した架橋重合体は、単独でも、他の素材との
組み合わせによる複合体でも構わない。
【0083】複合体の構造は特に限定されないが、例え
ば、パルプ、不織布等にはさみ、サンドイッチ構造にす
る方法、樹脂シート、フィルムを支持体として多層構造
とする方法、樹脂シートにキャストし、二層構造とする
方法等がある。また、本発明にて製造した架橋重合体は
必要により、2種以上の他の吸水性樹脂と混合して用い
てもよい。また必要により食塩、コロイダルシリカ、ホ
ワイトカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末等
の無機化合物、キレート剤 等の有機化合物を添加して
も構わない。さらに酸化剤、酸化防止剤、還元剤、紫外
線吸収剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香料、消
臭剤、顔料等を混合しても構わない。本発明の架橋重合
体は、ゲル状でも固形物としても使用できる。例えば、
農園芸用保水材、切り花延命剤、ゲル芳香剤、ゲル消臭
剤等に使用する場合はゲルとして用い、紙おむつ用吸収
体等は固形状として用いる。
【0084】(9) 架橋重合体の使用用途 本発明にて製造した架橋重合体の使用用途は、特に限定
されないが、従来の吸水性樹脂が使用できる用途のいず
れにも使用できる。例えば、生理用品、紙おむつ、母乳
パット、使い捨て雑巾等の衛生用品、創傷保護用ドレッ
シング材、医療用アンダーパット、パップ剤等の医療用
品、ペット用シート、携帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル
消臭剤、吸汗性繊維、使い捨てカイロ等の生活用品、シ
ャンプー、セット用ジェル剤、保湿剤等のトイレタリー
用品、農・園芸用の保水材、切り花の延命剤、フローラ
ルフォーム(切り花の固定化材)、育苗用苗床、水耕栽
培、植生シート、種子テープ、流体播種、結露防止用農
業用シート等の農・園芸用品、食品用トレー用鮮度保持
材、ドリップ吸収性シート等の食品包装材、保冷材、生
鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用資材、結露防止用
建築材料、土木・建築用のシーリング材、シールド工法
の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、ガスケット・パッ
キング等の土木建築資材、光ファイバー等の電子機器の
シール材、通信ケーブル用止水材、インクジェット用記
録紙等の電気機器関連資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、
油類の脱水、水分除去剤等の水処理剤、捺染用のり、水
膨潤性玩具、人工雪、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性
薬剤、湿度調整材、帯電防止剤等が挙げられる。
【0085】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。以下の実施例及び比較例において「部」とは「重
量部」を意味する。実施例中の吸水量は、以下のティー
バッグ法にて測定し、反応効率は容積効率比と有機溶媒
使用量にて評価した。
【0086】(1)ティーバッグ法 吸水量の測定は蒸留水、生理食塩水を対象として行っ
た。すなわち、蒸留水の場合は吸水性樹脂約0.05
部、生理食塩水の場合は吸水性樹脂約0.1部を不織布
製のティーバッグ(80mm×50mm)に入れ、過剰
の対応する溶液中に浸して該樹脂を1時間膨潤させた
後、ティーバッグを引き上げて1分間水切りを行い、膨
潤した樹脂を含むティーバッグの重量を測定した。同様
な操作をティーバッグのみで行った場合をブランクとし
て、膨潤した樹脂を含むティーバッグの重量からブラン
クの重量と吸水性樹脂の重量を減じた値を、吸水性樹脂
の重量で除した値を吸水量(g/樹脂1g)とした。な
お、生理食塩水は0.9重量%塩化ナトリウム水溶液で
ある。
【0087】(2) 反応効率の評価 本発明の反応効率の評価は、架橋反応における容積効率
比と、有機溶媒使用量によって行った。すなわち、容積
効率は、使用するポリコハク酸イミドに対して、架橋反
応に用いる、ポリコハク酸イミド、架橋剤、溶媒等の全
部の和の重量比を算出し、評価した。有機溶媒使用量
は、ポリコハク酸イミドに対して、架橋反応に用いる有
機溶媒量の重量比を算出し、評価した。
【0088】[実施例1]リジン4.70部と水酸化ナ
トリウム2.13部を、水6.5部に溶解した溶液を、
重量平均分子量9.6万のポリコハク酸イミド5.0部
に少しずつ1時間かけて加え、室温で1時間混練後、さ
らに20時間反応させた。この混合物を蒸留水45部と
メタノール20部に分散し、さらに、この中に、25重
量%水酸化ナトリウム水溶液4.24部をpH11.0
〜12.0の範囲にて滴下した。滴下終了後、さらに2
時間撹拌し、その後7重量%塩酸水を加えてpH7とな
るように中和した。中和終了後、さらにメタノール部を
加え、沈殿物を60℃で乾燥し、吸水性ポリマーである
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂7.11部を得た。この
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で2
25倍、生理食塩水で43倍であった。一方、架橋反応
における容積効率比は、0.27と効率的であり、有機
溶媒使用は0であった。
【0089】[実施例2]リジン3.76部と水酸化ナ
トリウム1.70部を、水5.2部に溶解した溶液を用
いた以外は、実施例1と同様にして、架橋ポリアスパラ
ギン酸系樹脂5.7部を得た。この架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で270倍、生理食塩水
で46倍であった。一方、架橋反応における容積効率比
は、0.32と効率的であり、有機溶媒使用は0であっ
た。
【0090】[実施例3]リジン2.82部と水酸化ナ
トリウム1.28部を、水3.9部に溶解した溶液を用
いた以外は、実施例1と同様にして、架橋ポリアスパラ
ギン酸系樹脂4.3部を得た。この架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で340倍、生理食塩水
で49倍であった。一方、架橋反応における容積効率比
は、0.38と効率的であり、有機溶媒使用は0であっ
た。
【0091】[実施例4]実施例2において、ポリコハ
ク酸イミドにリジン水溶液を加える前に、N,N−ジメ
チルアミノヘキシルアミド3.0部を加え、スラリー化
したポリコハク酸イミドを用いた以外は、実施例1と同
様にして、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂5.9部を得
た。この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸
留水で340倍、生理食塩水で49倍であった。一方、
架橋反応における容積効率比は、0.27と効率的であ
り、有機溶媒使用は0.6と低かった。
【0092】[実施例5]実施例1において、リジン水
溶液の代わりに、ヘキサンジアミン0.60部と水酸化
ナトリウム0.21部を水3.0部に溶解した水溶液を
用い、残りのイミド環の加水分解時に25重量%水酸化
ナトリウム水6.60部を用いた以外は、実施例1と同
様にして、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂5.2部を得
た。この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸
留水で220倍、生理食塩水で42倍であった。一方、
架橋反応における容積効率比は、0.57と効率的であ
り、有機溶媒使用は0であった。
【0093】[実施例6]実施例5において、ヘキサン
ジアミンと水酸化ナトリウムの代わりに、まずエタノー
ルアミン0.79部を水3.5部に溶解した水溶液を加
え、1時間混練した後、m−キシリレンジアミン0.7
部を加えて混練した以外は、実施例1と同様にして、架
橋ポリアスパラギン酸系樹脂3.7部を得た。この架橋
ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で170
倍、生理食塩水で37倍であった。一方、架橋反応にお
ける容積効率比は、0.50と効率的であり、有機溶媒
使用は0であった。
【0094】[実施例7]実施例2において、全体のス
ケールを100倍とし、混練を二軸スクリュー押出機を
用いて行った以外は、実施例1と同様にして、架橋ポリ
アスパラギン酸系樹脂589部を得た。この架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で300倍、生
理食塩水で48倍であった。一方、架橋反応における容
積効率比は、0.32と効率的であり、有機溶媒使用は
0であった。
【0095】[比較例1]リジンメチルエステル・2塩
酸塩6部をDMF200部に懸濁し、トリエチルアミン
6部で中和した。この懸濁液に、重量平均分子量13万
のポリコハク酸イミド50部をDMF250部に溶解し
た溶液を装入し、1時間室温で攪拌後、トリエチルアミ
ン12部を適下し、室温で40時間反応させた。反応液
をエタノールに排出し、乾燥して、架橋ポリコハク酸イ
ミド50部を得た。この架橋ポリコハク酸イミド26部
を、蒸留水5000部に懸濁し、2NのNaOH水溶液
を適下してpHを9〜11に調整しながら、残りのイミ
ド環の加水分解を行った。得られた反応液をエタノール
に排出し、濾過、乾燥して、吸水性ポリマーである架橋
ポリアスパラギン酸系樹脂86部を得た。この架橋ポリ
アスパラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で110倍、
生理食塩水で30倍であった。一方、架橋反応における
容積効率比は、0.095と低く、有機溶媒使用は9.
0と多かった。
【0096】
【発明の効果】ゲルの安定性に優れ、使用後、もしくは
廃棄後に分解性することで地球環境に優しく、吸水能に
優れた吸水性樹脂が得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉谷 弘明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 町田 勝彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 布川 進 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4J043 PA02 QB01 QB06 RA34 SA05 SB01 TA12 TB01 YB02 ZB31 ZB34 ZB47

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリコハク酸イミドに、少なくとも2個
    のアミノ基を有する化合物を反応させて架橋ポリコハク
    酸イミドを製造する架橋重合体の製造方法において、反
    応を、固相、及び/又は、スラリー状態で行なうことを
    特徴とする、架橋重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリコハク酸イミドに、少なくとも2個
    のアミノ基を有する化合物を反応する架橋重合体の製造
    方法において、反応を、固相、及び/又は、スラリー状
    態で行ない、さらに架橋反応せずに残ったイミド環の少
    なくとも一部を加水分解することを特徴とする、架橋重
    合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程1として、ポリコハク酸イミドに、
    少なくとも2個のアミノ基を有する化合物を、固相、及
    び/又は、スラリー状態で、反応させて架橋ポリコハク
    酸イミドを製造する工程、工程2として、工程1で製造
    された、架橋ポリコハク酸イミドの架橋反応せずに残っ
    たイミド環の少なくとも一部を加水分解する工程、とを
    含んで構成されることを特徴とする、架橋重合体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも2個のアミノ基を有する化合
    物が、リジン、アルキレンジアミン、及び、キシシレン
    ジアミンからなる群から選択された少なくとも1種であ
    る、請求項1乃至3の何れかに記載した架橋重合体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも2個のアミノ基を有する化合
    物の使用量が、ポリコハク酸イミドの繰り返し単位の全
    モル数を基準として、0.1〜100モル%に相当する
    ものであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか
    に記載した架橋重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリコハク酸イミドの重量平均分子量
    が、1万〜100万である、請求項1乃至5の何れかに
    記載した架橋重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリコハク酸イミドが、アスパラギン酸
    から水2分子が脱水して生成した無水物である、請求項
    1乃至6の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリコハク酸イミドが、アスパラギン酸
    から水2分子が脱水して生成した無水物のみからなるホ
    モポリマーである、請求項1乃至7の何れかに記載した
    架橋重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 固相、及び/又は、スラリー状態が、ポ
    リコハク酸イミドと架橋剤と液体の混合により発現され
    るものである、請求項1乃至8の何れかに記載した架橋
    重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 固相、及び/又は、スラリー状態が、
    ポリコハク酸イミドと架橋剤を含む液の混合により発現
    されるものである、請求項1乃至9の何れかに記載した
    架橋重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 架橋剤を含む液が、架橋剤を溶解した
    溶液である、請求項1乃至10の何れかに記載した架橋
    重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 混合が機械的混合である、請求項9乃
    至11の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 混合が連続ミキサーにより行われるこ
    とを特徴とする、請求項9乃至11の何れかに記載した
    架橋重合体の製造方法。
  14. 【請求項14】 連続ミキサーが、二軸混練り機により
    行われることを特徴とする、請求項13に記載した架橋
    重合体の製造方法。
  15. 【請求項15】 混合が、均一化を促進する方法によっ
    てを助長されることを特徴とする、請求項9乃至14の
    何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
  16. 【請求項16】 均一化を促進する方法が、ポリコハク
    酸イミドの良溶媒でポリコハク酸イミドを懸濁させた液
    に架橋剤を添加する方法である、請求項17に記載した
    架橋重合体の製造方法。
  17. 【請求項17】 均一化を促進する方法が、ポリコハク
    酸イミドの良溶媒を架橋反応前に、又は、架橋反応時に
    添加する方法である、請求項15又は16の何れかに記
    載した架橋重合体の製造方法。
  18. 【請求項18】 ポリコハク酸イミドの良溶媒が、N,
    N−ジメチルホルムアミドである、請求項16又は17
    に記載した架橋重合体の製造方法。
  19. 【請求項19】 均一化を促進する方法が、架橋反応
    前、又は、架橋反応時に、ポリコハク酸イミドに親水性
    ペンダント基を導入する方法である、請求項15乃至1
    8の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
  20. 【請求項20】 均一化を促進する方法が、架橋反応
    前、又は、架橋反応時に、ポリコハク酸イミドのイミド
    環の一部を開環する方法である、請求項15乃至19の
    何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
  21. 【請求項21】 固相、及び/又は、スラリー状態が、
    水、及び/又は、有機溶媒の量が、ポリコハク酸イミド
    の重量に対して0.1〜300重量%に相当するもので
    あることにより発現されるものである、請求項1乃至2
    0の何れかに記載した架橋重合体の製造方法。
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