JP2000190992A - 包装袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気抜きの機能を常に発揮し、袋内部への水
や虫の侵入を防ぐことができる包装袋を提供する。 【手段】 ２枚のシート材１０を重ね合わせ、各シート
材の周縁部同士を接着させて袋形態に形成し、接着部１
４の一部を未接着にして空気抜きの小孔２６を形設した
包装袋において、小孔の形設部分における接合面に、エ
ンボス加工により微細凹凸を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、米などの内容物
を収容して封入する包装袋、特に空気抜きの機能を備え
た包装袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば米の包装袋は、クラフト紙、合成
樹脂フィルム、アルミニウム箔と合成樹脂フィルムとを
貼り合わせたものなどのシート材を使用し、２枚のシー
ト材を重ね合わせてそれぞれの周縁部同士を接着させる
ことにより、あるいは、１枚のシート材を折り重ねてそ
の各端縁部同士および各側縁部同士をそれぞれ接着させ
ることにより、袋形態に形成して製造される。そして、
米の包装袋には、輸送や貯蔵・保管時などに積み上げら
れた際に、袋内の空気が圧縮されて空気圧が高まり、そ
の空気圧によって破袋したり、袋内に閉じ込まれた空気
のために形態が安定せずに荷崩れしたりする、といった
ことが起こらないように、袋内部の空気を抜くための小
孔が形成されている。

【０００３】包装袋に空気抜きの小孔を設けるには、袋
の表面または裏面あるいは表・裏両面を形成するシート
材に直径１．５ｍｍ程度のものを直接に空けたり、シー
ト材の縁部同士を接着させて袋形態に形成するときに、
包装袋の内部と外部とが連通するように縁部同士を部分
的に未接着にしたりしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空気抜
きの小孔を包装袋の表面や裏面に直接に形成する方法で
は、袋内の空気は抜けるが、包装袋の表面や裏面に形成
された小孔を通って袋内部へ水が入ったり虫が侵入した
りする、といった問題点がある。

【０００５】また、包装袋の縁部を部分的に未接着にし
て、袋の内部と外部とを連通させる小孔を包装袋の縁部
に設ける方法では、袋内部への水の侵入を防ぐことはで
きる。しかしながら、図６の（ａ）に模式的に部分縦断
面図を示すように、シート材２、２の周縁部同士を接着
させて袋形態に形成された包装袋１の内部に内容物３、
例えば米を封入したときに、普通の状態では、包装袋１
の周縁部に形設された空気抜きの小孔５が開いていて
も、米の入った包装袋１を積み上げた際に、図６の
（ｂ）に示すように、包装袋１の外面に圧力がかかっ
て、包装袋１が変形することにより、包装袋１の周縁部
４の小孔５を形成している未接着面が物理的に密着して
小孔５が閉塞状態になる、といったことが起こる可能性
がある。このような状態になると、空気抜きの小孔５が
機能せず、米の入った包装袋１が積み上げられた際に、
袋内に閉じ込められた空気の圧力によって破袋したり、
袋内の空気のために形態が安定しないで荷崩れを起こし
たりすることになる。一方、図６の（ａ）に示したよう
に空気抜きの小孔５が開通した状態では、包装袋１の内
部への虫の侵入といった問題は、依然として解決されて
いないことになる。

【０００６】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、空気抜きの機能を常に発揮し、か
つ、袋内部への水や虫の侵入を防ぐことができる包装袋
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
２枚のシート材を重ね合わせ、各シート材の周縁部同士
を接着させて袋形態に形成し、かつ、各シート材の周縁
部の一部を未接着にして空気抜きの小孔を形設した包装
袋において、前記２枚のシート材の周縁部の未接着部分
における接合面の少なくとも一方に、エンボス加工によ
り微細凹凸を形成したことを特徴とする。

【０００８】請求項２に係る発明は、シート材を折り重
ね、シート材の各端縁部同士および各側縁部同士をそれ
ぞれ接着させて袋形態に形成し、かつ、シート材の各端
縁部および／または各側縁部の一部を未接着にして空気
抜きの小孔を形設した包装袋において、前記シート材の
端縁部および／または側縁部の未接着部分における接合
面の少なくとも一方に、エンボス加工により微細凹凸を
形成したことを特徴とする。

【０００９】請求項１に係る発明の包装袋においては、
重ね合わされた２枚のシート材が接着されている周縁部
の、空気抜きの小孔を構成している未接着部分の接合面
が、エンボス加工による微細凹凸面とされているので、
その未接着部分の接合面が物理的に密着することが妨げ
られ、未接着部分の接合面間に空隙が確保される。る。
また、請求項２に係る発明の包装袋においては、折り重
ねられたシート材が接着されている端縁部および／また
は側縁部の、空気抜きの小孔を構成している未接着部分
の接合面が、エンボス加工による微細凹凸面とされてい
るので、その未接着部分の接合面が物理的に密着するこ
とが妨げられ、未接着部分の接合面間に空隙が確保され
る。したがって、例えば米の入った包装袋を積み上げた
際に、包装袋の外面に圧力がかかって包装袋が変形して
も、空気抜きの小孔が閉塞状態になる心配が無い。ま
た、空気抜きの小孔は、包装袋の縁部に形設されている
ので、袋内部へ水が侵入する恐れは無い。さらに、空気
抜きの小孔が開通した状態でも、未接着部分の接合面に
形成された微細凹凸面の突起が障害となり、袋内部への
虫の侵入が妨げられる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図１ないし図５を参照しながら説明する。

【００１１】図１ないし図３は、この発明の１実施形態
を示し、図１は、包装袋の平面図であり、図２は、その
包装袋を構成する２枚のシート材に分離した状態を示す
平面図、図３は、図１のIII−III矢視拡大縦断面図であ
る。なお、これらの図においては、内容物、例えば米の
図示を省略している。

【００１２】この包装袋は、表・裏２枚のシート材１
０、１２を互いに重ね合わせ、両シート材１０、１２の
周縁部同士を熱接着させることにより、両シート材１
０、１２の各内面と熱接着部１４とで囲まれた収容部１
６を有する袋形態に形成されている。そして、内容物
は、収容部１６に充填されて封止される。各シート材１
０、１２は、それぞれ基材フィルム１８、２２とシーラ
ントフィルム２０、２４とを績層し互いに貼り合わせて
形成されている。また、２枚のシート材１０、１２は、
周縁部の熱接着部１４を複数個所で部分的に未接着にす
ることにより、袋の内部と外部とを連通させる空気抜き
の小孔２６が複数個形設されている。そして、各シート
材１０、１２の周縁部の接合面、すなわちシーラントフ
ィルム２０、２４側の面に、空気抜きの小孔２６を構成
する未接着個所に対応するように、それぞれエンボス加
工により微細凹凸２８が形成されている。シート材１
０、１２のシーラントフィルム２０、２４面へのエンボ
ス加工は、例えば、熱板と微細凹凸面を有するエンボス
型板とを使用して施される。そして、エンボス加工後
に、シート材１０、１２の周縁部同士を熱接着させる。
なお、図示例では、表側のシート材１０と裏側のシート
材１２との両方の接合面に微細凹凸２８を形成するよう
にしたが、いずれか一方のシート材だけに微細凹凸を形
成するようにしてもよい。

【００１３】以上のような構成の包装袋に米を充填して
封止した場合、包装袋の周縁部の熱接着部１４に空気抜
きの小孔２６が形設されているが、その小孔２６の形設
部分の接合面には微細凹凸２８が形成されているので、
その小孔２６の形設部分の接合面が物理的に密着するこ
とが妨げられ、その接合面間に空隙が確保される。した
がって、米の入った包装袋を積み上げた際に、包装袋の
外面に圧力がかかって包装袋が変形しても、空気抜きの
小孔２６が閉塞状態になる心配が無い。また、空気抜き
の小孔２６は、包装袋の周縁部に形設されているので、
袋内部へ水が侵入する恐れが無い。さらに、空気抜きの
小孔２６が開通した状態でも、その小孔２６の形設部分
の接合面に形成された微細凹凸の突起が邪魔になって、
袋内部への虫の侵入が妨げられる。

【００１４】次に、図４は、別の形態の包装袋を示す平
面図である。この包装袋は、合掌袋、すなわち、基材フ
ィルムとシーラントフィルムとを績層し互いに貼り合わ
せて形成されたシート材３０を、基材フィルムを外面側
として折り重ね、各端縁部同士を熱接着させるととも
に、各側縁部同士をそれぞれ熱接着させることにより、
シート材３０の内側面と端縁熱接着部３２と両側縁熱接
着部３４とで囲まれた収容部を有する袋形態に形成され
たものである。この包装袋では、シート材３０の端縁部
および両側縁部をそれぞれ複数個所で部分的に未接着に
することにより、端縁熱接着部３２および両側縁熱接着
部３４に複数個の空気抜きの小孔３６を形設している。
そして、シート材３０の端縁部および両側縁部の接合面
（シーラントフィルム面側）に、空気抜きの小孔３６を
構成する未接着個所に対応するように、それぞれエンボ
ス加工により微細凹凸３８が形成されている。

【００１５】また、図５に平面図を示した包装袋は、図
４に示した包装袋と同様に、基材フィルムとシーラント
フィルムとを績層し互いに貼り合わせて形成されたシー
ト材４０を、基材フィルムを外面側として折り重ね、各
端縁部同士を熱接着させるとともに、各側縁部同士をそ
れぞれ熱接着させることにより、シート材４０の内側面
と端縁熱接着部４２と両側縁熱接着部４４とで囲まれた
収容部を有する袋形態に形成されたものであるが、この
包装袋では、端縁熱接着部４２が包装袋の一側面に形成
されていて、空気抜きの小孔４６が両側縁熱接着部４４
と端縁熱接着部４２とにそれぞれ形設されている。そし
て、シート材４０の両側縁部および端縁部の接合面（シ
ーラントフィルム面側）に、空気抜きの小孔４６を構成
する未接着個所に対応するように、それぞれエンボス加
工により微細凹凸４８が形成されている。

【００１６】なお、包装袋の形態は、図１、図４および
図５にそれぞれ示したものに限定されない。また、上記
した実施形態では、基材フィルム（合成樹脂フィルム）
とシーラントフィルム（合成樹脂フィルム）とを積層し
て互いに貼り合わせることによりシート材を形成するよ
うにしたが、シート材は、クラフト紙やアルミニウム箔
と合成樹脂フィルムとを貼り合わせたものなどを用いて
形成するようにしてもよい。また、上記した実施形態で
は、シート材の周縁部同士や端縁部同士および側縁部同
士を熱接着させて袋形態に形成するようにしたが、接着
剤を用いるなどしてシート材の周縁部同士や端縁部同士
および側縁部同士を接着させることにより、シート材を
袋形態にして包装袋を形成するようにしてもよい。

【００１７】

【発明の効果】請求項１および請求項２に係る各発明の
包装袋を使用すると、空気抜きの小孔が常にその機能を
確実に発揮するので、例えば包装袋に米を詰めて封止し
たものを積み上げても、袋内に閉じ込められた空気の圧
力によって破袋したり袋内の空気のために形態が安定せ
ずに荷崩れを起こしたりする、といった心配が無い。ま
た、空気抜きの小孔を通って包装袋の内部へ水が入った
り虫が侵入したりすることも防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の１実施形態を示す包装袋の平面図で
ある。

【図２】図１に示した包装袋を構成する２枚のシート材
に分離した状態を示す平面図である。

【図３】図１のIII−III矢視拡大縦断面図である。

【図４】図１に示した包装袋とは別の形態の包装袋を示
す平面図である。

【図５】同じく別の形態の包装袋を示す平面図である。

【図６】従来の包装袋における問題点を説明するための
部分縦断面図である。

【符号の説明】

１０、１２、３０、４０ シート材 １４ 熱接着部 １６ 収容部 １８、２２ 基材フィルム ２０、２４ シーラントフィルム ２６、３６、４６ 空気抜きの小孔 ２８、３８、４８ 微細凹凸 ３２、４２ 端縁熱接着部 ３４、４４ 側縁熱接着部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚のシート材を重ね合わせ、各シート
   材の周縁部同士を接着させて袋形態に形成し、かつ、各
   シート材の周縁部の一部を未接着にして空気抜きの小孔
   を形設した包装袋において、 前記２枚のシート材の周縁部の未接着部分における接合
   面の少なくとも一方に、エンボス加工により微細凹凸を
   形成したことを特徴とする包装袋。
2. 【請求項２】 シート材を折り重ね、シート材の各端縁
   部同士および各側縁部同士をそれぞれ接着させて袋形態
   に形成し、かつ、シート材の各端縁部および／または各
   側縁部の一部を未接着にして空気抜きの小孔を形設した
   包装袋において、 前記シート材の端縁部および／または側縁部の未接着部
   分における接合面の少なくとも一方に、エンボス加工に
   より微細凹凸を形成したことを特徴とする包装袋。