JP2000190423A - 耐衝撃性に優れた容器用熱可塑性樹脂積層金属板 - Google Patents
耐衝撃性に優れた容器用熱可塑性樹脂積層金属板Info
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Abstract
属板に関するものであり、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹
脂積層金属板を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 少なくとも容器の内面となる表面粗度R
aが0.7μm以下で金属板表面に熱処理無し及び22
0℃で10分間の熱処理後及び120℃で30分のレト
ルト処理後の衝撃強度値が4.0g・cm/厚μm以上
である熱可塑性樹脂皮膜を有することを特徴とする耐衝
撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金属板。好ましくは熱可
塑性樹脂皮膜の表面粗度Raが0.20μm以下で、熱
可塑性樹脂がポリエステル組成物主体である。
Description
塑性樹脂積層金属板に関するものであり、特に、缶形状
に成形後に落下等の衝撃を受けても熱可塑性樹脂皮膜に
亀裂やピンホールの入りにくい絞り缶及び絞りしごき缶
用の熱可塑性樹脂積層金属板に関するものである。
一般的には塗装が施こされているが、有機溶剤を用いず
に熱可塑性樹脂を表面に積層した金属板を容器用金属板
として使用する開発が行なわれている。即ち、(1)二
軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを低融点ポ
リエステルの接着層を介してラミネートし、製缶材とし
て用いる方法(特開昭56−10451号公報、特公平
1−192546号公報等)、(2)非晶質又は低結晶
性の芳香族ポリエステルフィルムを金属板にラミネート
し、製缶材として用いる方法(特開平1−192545
号公報、特開平2−57339号公報等)、(3)低配
向ポリエチレンテレフタレートフィルムを金属板にラミ
ネートし、製缶材として用いる方法(特開昭64−22
530号公報等)など多層構造あるいは複合構造のポリ
エステルフィルムを金属板にラミネートし、製缶材とし
て用いる方法(特開平6−297644号公報、特開平
6−320658号公報等)が提案されてきた。
でないため内容物を充填後、輸送や落下の衝撃で熱可塑
性樹脂皮膜に亀裂が生じ、金属が溶出したり腐食する問
題がある。そのための対応策としてポリエステル樹脂皮
膜の耐衝撃性を改善する方法として、固有粘度と加工後
の缶壁皮膜の配向度を規定する方法(特開平7−178
485号公報)が提案されている。しかしながら、特に
絞りしごき缶の場合には加工前の熱可塑性樹脂皮膜は絞
りしごき加工へ追随するために非晶質構造であることが
望ましい。非晶質構造皮膜の場合、缶側壁部では絞りし
ごき加工されて配向結晶化するが、缶底部では配向結晶
化しない。そのため、缶底部の耐衝撃性が不足してお
り、その改善が切望されていた。
鑑みてなされたものであり、耐衝撃性に優れた熱可塑性
樹脂積層金属板を提供することを目的とするものであ
る。
解決するためになされたものであり、 (1)少なくとも容器の内面となる表面粗度Raが0.
7μm以下の金属板表面に熱処理を行わない時の衝撃強
度値が4.0g・cm/厚μm以上である熱可塑性樹脂
皮膜を有することを特徴とする耐衝撃性に優れた熱可塑
性樹脂積層金属板。 (2)少なくとも容器の内面となる表面粗度Raが0.
7μm以下の金属板表面に220℃で10分間の熱処理
後の衝撃強度値が4.0g・cm/厚μm以上である熱
可塑性樹脂皮膜を有することを特徴とする耐衝撃性に優
れた熱可塑性樹脂積層金属板。
度Raが0.7μm以下の金属板表面に220℃で10
分間の熱処理及び120℃で30分のレトルト処理後の
衝撃強度値が4.0g・cm/厚μm以上である熱可塑
性樹脂皮膜を有することを特徴とする耐衝撃性に優れた
熱可塑性樹脂積層金属板。 (4)少なくとも容器の内面となる表面粗度Raが0.
7μm以下の金属板表面に衝撃強度値が8.0g・cm
/厚μm以上である熱可塑性樹脂皮膜を有することを特
徴とする耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金属板。
度Raが0.7μm以下の金属板表面に220℃で10
分間の熱処理後の衝撃強度値が8.0g・cm/厚μm
以上である熱可塑性樹脂皮膜を有することを特徴とする
耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金属板。 (6)少なくとも容器の内面となる表面粗度Raが0.
7μm以下の金属板表面に220℃で10分間の熱処理
及び120℃で30分のレトルト処理後の衝撃強度値が
8.0g・cm/厚μm以上である熱可塑性樹脂皮膜を
有することを特徴とする耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂
積層金属板。
0.20μm以下であることを特徴とする前記(1)〜
(6)に記載の耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金属
板。 (8)熱可塑性樹脂がポリエステル組成物主体であるこ
とを特徴とする前記(1)〜(7)に記載の耐衝撃性に
優れた熱可塑性樹脂積層金属板である。
おける熱可塑性樹脂積層金属板の少なくとも容器の内面
となる表面粗度Raが0.7μm以下の金属板表面上の
樹脂皮膜が、そのままで、220℃で10分間の熱処理
後或いはさらにその後120℃で30分のレトルト処理
後の衝撃強度値が4.0g・cm/厚μm以上である熱
可塑性樹脂皮膜であることが重要である。
ごき缶缶底部の耐衝撃性改善のためには、容器の内面と
なる金属板の表面粗度Raが0.7μm以下で、かつ金
属板表面上の樹脂皮膜は、220℃で10分間の熱処理
後或いはさらに、その後120℃で30分のレトルト処
理を行った後の熱可塑性樹脂皮膜が4.0g・cm/厚
μm以上の衝撃強度値を有していれば、缶体に成形され
内容物を充填した後の輸送や落下の衝撃を受けた場合に
も熱可塑性樹脂皮膜に亀裂が生じることが無く、金属が
溶出したり腐食する問題が発生しないことを見出し本発
明に至ったものである。
撃強度値が4.0g・cm/厚μm未満では、缶体に成
形され内容物を充填した後の輸送や落下の衝撃を受けた
場合に、熱可塑性樹脂皮膜に亀裂が生じたり、金属が溶
出したり腐食する問題が生じる。熱可塑性樹脂皮膜自体
の衝撃強度値が高い場合でも、金属板の表面粗度Raが
0.7μm超では、缶体に成形され内容物を充填した後
の輸送や落下の衝撃を受けた場合に、熱可塑性樹脂皮膜
に亀裂が生じることがあり、金属が溶出したり腐食する
場合があることもあわせて見出したものである。即ち、
本発明者らは、鋼板の表面粗度と樹脂皮膜の衝撃強度値
の限定の相互作用効果を知見し、これに基づいて本発明
を完成させたものである。
の密着性が不十分となることは考えられるが、これとは
別に衝撃によって金属板が変形するときに、微少領域で
変形或いは衝撃の大きなところが生じることが皮膜に亀
裂が生じる原因ではないかと推定される。缶体が外面塗
装あるいは印刷焼付け工程や、充填時にレトルト処理を
経る場合には、熱可塑性樹脂皮膜は結晶化や加水分解を
受けるため、衝撃強度値が変化する。このため、充填後
を考慮する必要がある。従って、220℃で10分間の
熱処理後或いはさらに、その後120℃で30分のレト
ルト処理後の衝撃強度値が4.0g・cm/厚μm以上
である熱可塑性樹脂皮膜であることが望ましい。熱可塑
性樹脂皮膜の衝撃強度値は、8.0g・cm/厚μm以
上である熱可塑性樹脂皮膜であることがより好ましい。
は、皮膜が金属板上に積層された状態で220℃で10
分間の熱処理後或いはさらにその後120℃で30分の
レトルト処理を行った後、金属板を塩酸で溶解し樹脂皮
膜を単離して、東洋精機社製のインパクトテスターを用
いて、衝撃頭を直径1インチの半球とすることによって
求めることができる。本発明の熱可塑性樹脂積層金属板
の母材となる金属板には、鋼板、表面処理鋼板、アルミ
ニウム板、アルミニウム合金板等が使用できる。特に限
定するものではないが、鋼板としては、通常、板厚
t0 :0.12〜0.60mmの範囲にあり、硬度(H
R30T)46〜7を有するものが望ましい。
l,Znの1種または2種以上の金属めっきを行い、ク
ロメート処理皮膜の上に、塗装を不要にするために密着
性・加工性・耐食性に優れる樹脂皮膜が積層されること
が望ましい。具体例としては、付着量0.5〜5.0g
/m2 の錫めっき後化成処理を施した錫めっき鋼板、付
着量0.3〜2.0g/m2 のニッケルめっき後化成処
理を施したニッケルめっき鋼板、Sn及びNi付着量と
して各々0.5〜2.0g/m2 、0.01〜0.5g
/m2 をNi、Snの順にめっき後化成処理を施したS
n/Niめっき鋼板、金属Cr付着量50〜200mg
/m2 、酸化Cr5〜30mg/m2 の通常TFS(T
in Free Steel)と呼ばれているクロム・
クロメート処理鋼板などがある。
としては、通常、板厚t0 :0.18〜0.60mmの
範囲にあり、合金組成としては、5052,5082,
5182,5352,5349,5017系で調質はH
19が望ましい。このアルミニウム板にクロメート処
理、ジルコメート処理あるいはリン酸−クロム酸系の化
成処理を施した表面処理金属板も使用することができ
る。本発明においては、熱可塑性樹脂皮膜の表面粗度R
aが0.20μm以下であることが望ましい。表面粗度
Raが0.20μm超では絞り加工及び/又はしごき加
工における成形性が低下する傾向があるとともに、絞り
加工及び/又はしごき加工に伴い、樹脂皮膜の耐衝撃性
が低下することがあり、熱可塑性樹脂皮膜の表面粗度R
aが0.20μm以下であることが望ましい。
ステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル
共重合体、アイオノマーなどの変性オレフィン樹脂、ポ
リビニルアルコールおよびその共重合体、アクリル系樹
脂単体およびその混合物等からなる樹脂の単層及び複層
フィルムを挙げることができる。
点からポリエステル組成物主体であることが好ましい。
ポリエステル組成物としては、特に限定されないが、代
表的なものとして以下の例を挙げることができる。酸成
分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸のような芳香族二塩基酸、アジピン酸、セ
バチン酸、アゼライン酸、ドデカジオン酸のような脂肪
族ジカルボン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸のような脂環族ジカルボン酸等が例示できる。又ア
ルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールのよ
うな脂肪族ジオールを挙げることができる。これらを1
種以上組み合わせて使用される。例えば好ましい例とし
て、酸成分としてテレフタル酸75モル%以上、アルコ
ール成分としてエチレングリコール85モル%以上より
なるポリエステル組成物を挙げることができる。
造とし、接着層中にポリオレフィン系樹脂あるいはスチ
レンブタジエンラバーなどのように衝撃吸収樹脂を分散
させた構造とすることもできる。また、本発明における
樹脂皮膜厚みは特に限定されないが、2〜80μm程度
が適当であり、好ましくは8〜60μm、更に好ましく
は12〜40μmの範囲である。表面層、接着層の厚さ
比は特に限定されないが、表面層の厚さとしては1〜1
0μmであることが望ましい。
る。 (実施例1)片側の表面に付着量2.8g/m2 の錫め
っき層を有し、他の片面にはSn及びNi付着量として
各々1.0g/m2 、2.5g/m2 をNi、Snの順
にめっき後化成処理を施したSn/Niめっき層を有す
る鋼板{板厚0.24mm、硬度(HR30T)61}
のSn/Niめっき層面に、厚み30μmの2層構造の
ポリエステル系フィルム(表面層が3μmで接着層が2
7μm)を積層した。なお、ポリエステル系フィルムは
表面層及び接着層とも、テレフタル酸、イソフタル酸と
エチレングリコールからなるポリエステルであり、接着
層にはスチレンブタジエンラバーを衝撃吸収樹脂として
平均粒子径0.2μmとして9wt%分散させた。また
表面層の融点228℃接着層の融点213℃とした。
aは0.41μmであった。樹脂皮膜の表面粗度Raは
0.05μmであった。この樹脂積層鋼板の樹脂皮膜を
単離して測定した樹脂皮膜の衝撃強度値は9.0g・c
m/厚μmであった。樹脂皮膜を缶内面となるようにし
て、2回絞り3回しごき成形より絞りしごき缶を作成し
た。缶底接地部耐衝撃性試験1を行った。缶底接地部耐
衝撃性試験1での通電値は良好(0.01mA)であっ
た。
社商品名)を低温で充填し、コーティングされたアルミ
蓋を巻締め、2日間室温に保管した後0℃に1日貯蔵し
た後、0℃のままで缶底の接地部に重さ600gの直角
ブロックを高さ50mmから直角部が缶底の接地部に衝
突するように落として衝撃的変形をあたえた後、開缶し
缶胴の衝撃変形部を通電測定し、0.1mA未満を良好
(〇)、0.1mA以上を不良(×)と評価した。通電
測定は、1%NaCl溶液を用い電極(陰極)と缶体と
の間に6.0vの電圧をかけ、流れる電流を測定した。
系合金のアルミニウム板の片方の表面に厚み25μm単
層の融点150℃のエチレン共重合ポリプロピレンフィ
ルムを積層した。樹脂皮膜積層面側のアルミニウム板の
表面粗度Raは0.51μmであった。樹脂皮膜の表面
粗度Raは0.18μmであった。この樹脂積層鋼板の
樹脂皮膜を単離して測定した樹脂皮膜の衝撃強度値は
5.0g・cm/厚μmであった。樹脂皮膜を缶内面と
なるようにして、2回絞り3回しごき成形より絞りしご
き缶を作成した。缶底接地部耐衝撃性試験1での通電値
は良好(0.07mA)であった。
/m2 の錫めっきを、他の片面には付着量1.0g/m
2 の錫めっき後に化成処理を施した鋼板{板厚0.24
mm、硬度(HR30T)61}の付着量1.0g/m
2 側の表面に厚み30μmの単層のポリアミドフィルム
(ナイロン6融点220℃)を積層した。付着量1.0
g/m2 側の鋼板の表面粗度Raは0.62μmであっ
た。樹脂皮膜の表面粗度Raは0.10μmであった。
この樹脂積層鋼板の樹脂皮膜を単離して測定した樹脂皮
膜の衝撃強度値は7.4g・cm/厚μmであった。樹
脂皮膜を缶内面となるようにして、3回絞り成形より深
絞り缶を作成した。缶底接地部耐衝撃性試験1での通電
値は良好(0.02mA)であった。
1.0g/m2 側の表面に厚み35μmの2層構造のポ
リエステル系フィルム(表面層が3μmで接着層が32
μm)を積層した。なお、表面層及び接着層とも、テレ
フタル酸、イソフタル酸とエチレングリコールからなる
ポリエステルであり、接着層にはポリアミド樹脂を衝撃
吸収樹脂として平均粒子径0.2μmとして15wt%
分散させた。また表面層の融点230℃接着層の融点2
20℃とした。付着量1.0g/m2 側の鋼板の表面粗
度Raは0.30μmであった。樹脂皮膜の表面粗度R
aは0.23μmであった。樹脂皮膜を単離して測定し
た樹脂皮膜の衝撃強度値は9.0g・cm/厚μmであ
った。樹脂皮膜を缶内面となるようにして、2回絞り3
回しごき成形より絞りしごき缶を作成した。缶底接地部
耐衝撃性試験1を行った。缶底接地部耐衝撃性試験1で
の通電値は良好(0.06mA)であった。
Niめっき層面に、厚み30μmの2層構造のポリエス
テル系フィルム(表面層が2μmで接着層が28μm)
を積層した。なお、表面層及び接着層とも、テレフタル
酸、イソフタル酸とエチレングリコールからなるポリエ
ステルである。また表面層の融点230℃接着層の融点
215℃とした。Sn/Niめっき層側の鋼板の表面粗
度Raは0.45μmであった。樹脂皮膜の表面粗度R
aは0.05μmであった。この樹脂積層鋼板の樹脂皮
膜を単離して測定した樹脂皮膜の衝撃強度値は3.7g
・cm/厚μmであった。樹脂皮膜を缶内面となるよう
にして、2回絞り3回しごき成形より絞りしごき缶を作
成した。缶底接地部耐衝撃性試験1を行った。缶底接地
部耐衝撃性試験1での通電値は不良(0.4mA)であ
った。
Niにめっき層面に、厚み30μmの2層構造のポリエ
ステル系フィルム(表面層が2μmで接着層が28μ
m)を積層した。なお、表面層及び接着層とも、テレフ
タル酸、イソフタル酸とエチレングリコールからなるポ
リエステルであり、接着層にはポリアミド樹脂を衝撃吸
収樹脂として平均粒子径0.2μmとして15wt%分
散させた。また表面層の融点230℃接着層の融点22
0℃とした。Sn/Niめっき層側の鋼板の表面粗度R
aは0.91μmであった。樹脂皮膜の表面粗度Raは
0.15μmであった。この樹脂積層鋼板の樹脂皮膜を
単離して測定した樹脂皮膜の衝撃強度値は8.5g・c
m/厚μmであった。樹脂皮膜を缶内面となるようにし
て、2回絞り3回しごき成形より絞りしごき缶を作成し
た。缶底接地部耐衝撃性試験1を行った。缶底接地部耐
衝撃性試験1での通電値は不良(0.2mA)であっ
た。
/m2 の錫めっき層を有し、他の片面にはSn及びNi
付着量として各々1.0g/m2 、0.25g/m2 を
Ni、Snの順にめっき後化成処理を施したSn/Ni
めっき層を有する鋼板{板厚0.24mm、硬度(HR
30T)61}のSn/Niめっき層面に、厚み30μ
mの2層構造のポリエステル系フィルム(表面層が3μ
mで接着層が27μm)を積層した。なお、ポリエステ
ル系フィルムは表面層及び接着層とも、テレフタル酸、
イソフタル酸とエチレングリコールからなるポリエステ
ルであり、接着層にはスチレンブタジエンラバーを衝撃
吸収樹脂として平均粒子径0.2μmとして9wt%分
散させた。また表面層の融点228℃接着層の融点21
3℃とした。
aは0.41μmであった。樹脂皮膜の表面粗度Raは
0.05μmであった。この樹脂積層鋼板を220℃で
10分間の熱処理を行った後樹脂皮膜を単離して測定し
た樹脂皮膜の衝撃強度値は8.7g・cm/厚μmであ
った。樹脂皮膜を缶内面となるようにして、2回絞り3
回しごき成形より絞りしごき缶を作成した。缶底接地部
耐衝撃性試験2を行った。缶底接地部耐衝撃性試験2で
の通電値は良好(0.01mA)であった。
分間の焼付けを施した缶体にコカ・コーラ(日本コカ・
コーラ株式会社商品名)を低温で充填し、コーティング
されたアルミ蓋を巻締め、2日間室温に保管した後0℃
に1日貯蔵した後、0℃のままで缶底の接地部に重さ6
00gの直角ブロックを高さ50mmから直角部が缶底
の接地部に衝突するように落として衝撃的変形をあたえ
た後、開缶し缶胴の衝撃変形部を通電測定し、0.1m
A未満を良好(〇)、0.1mA以上を不良(×)と評
価した。通電測定は、1%NaCl溶液を用い電極(陰
極)と缶体との間に6.0vの電圧をかけ、流れる電流
を測定した。
系合金のアルミニウム板の片方の表面に厚み25μmの
単層の融点225℃のテレフタル酸、イソフタル酸とエ
チレングリコールからなるポリエステルフィルムを積層
した。樹脂皮膜積層面側のアルミニウム板の表面粗度R
aは0.51μmであった。樹脂皮膜の表面粗度Raは
0.18μmであった。この樹脂積層鋼板を220℃で
10分間の熱処理を行った後樹脂皮膜を単離して測定し
た樹脂皮膜の衝撃強度値は4.5g・cm/厚μmであ
った。樹脂皮膜を缶内面となるようにして、2回絞り3
回しごき成形より絞りしごき缶を作成した。缶底接地部
耐衝撃性試験2での通電値は良好(0.08mA)であ
った。
/m2 の錫めっきを、他の片面には付着量1.0g/m
2 の錫めっき後に化成処理を施した鋼板{板厚0.24
mm、硬度(HR30T)61}の付着量1.0g/m
2 側の表面に厚み30μmの単層のポリアミドフィルム
(ナイロン6融点220℃)を積層した。付着量1.0
g/m2 側の鋼板の表面粗度Raは0.62μmであっ
た。樹脂皮膜の表面粗度Raは0.05μmであった。
この樹脂積層鋼板を220℃で10分間の熱処理を行っ
た後樹脂皮膜を単離して測定した樹脂皮膜の衝撃強度値
は7.2g・cm/厚μmであった。樹脂皮膜を缶内面
となるようにして、3回絞り成形より深絞り缶を作成し
た。缶底接地部耐衝撃性試験2での通電値は良好(0.
03mA)であった。
1.0g/m2 側の表面に厚み35μmの2層構造のポ
リエステル系フィルム(表面層が3μmで接着層が32
μm)を積層した。なお、表面層及び接着層とも、テレ
フタル酸、イソフタル酸とエチレングリコールからなる
ポリエステルであり、接着層にはポリアミド樹脂を衝撃
吸収樹脂として平均粒子径0.2μmとして15wt%
分散させた。また表面層の融点230℃接着層の融点2
20℃とした。付着量1.0g/m2 側の鋼板の表面粗
度Raは0.30μmであった。樹脂皮膜の表面粗度R
aは0.23μmであった。この樹脂積層鋼板を220
℃で10分間の熱処理を行った後樹脂皮膜を単離して測
定した樹脂皮膜の衝撃強度値は8.6g・cm/厚μm
であった。樹脂皮膜を缶内面となるようにして、2回絞
り3回しごき成形より絞りしごき缶を作成した。缶底接
地部耐衝撃性試験2を行った。缶底接地部耐衝撃性試験
2での通電値は良好(0.06mA)であった。
Niめっき層面に、厚み30μmの2層構造のポリエス
テル系フィルム(表面層が2μmで接着層が28μm)
を積層した。なお、表面層及び接着層とも、テレフタル
酸、イソフタル酸とエチレングリコールからなるポリエ
ステルである。また表面層の融点230℃接着層の融点
215℃とした。Sn/Niめっき層側の鋼板の表面粗
度Raは0.45μmであった。樹脂皮膜の表面粗度R
aは0.05μmであった。この樹脂積層鋼板を220
℃で10分間の熱処理を行った後樹脂皮膜を単離して測
定した樹脂皮膜の衝撃強度値は3.6g・cm/厚μm
であった。樹脂皮膜を缶内面となるようにして、2回絞
り3回しごき成形より絞りしごき缶を作成した。缶底接
地部耐衝撃性試験2を行った。缶底接地部耐衝撃性試験
2での通電値は不良(0.5mA)であった。
Niめっき層面に、厚み30μmの2層構造のポリエス
テル系フィルム(表面層が2μmで接着層が28μm)
を積層した。なお、表面層及び接着層とも、テレフタル
酸、イソフタル酸とエチレングリコールからなるポリエ
ステルであり、接着層にはポリアミド樹脂を衝撃吸収樹
脂として平均粒子径0.2μmとして15wt%分散さ
せた。また表面層の融点230℃接着層の融点220℃
とした。Sn/Niめっき層側の鋼板の表面粗度Raは
0.91μmであった。樹脂皮膜の表面粗度Raは0.
10μmであった。この樹脂積層鋼板を220℃で10
分間の熱処理を行った後樹脂皮膜を単離して測定した樹
脂皮膜の衝撃強度値は8.5g・cm/厚μmであっ
た。樹脂皮膜を缶内面となるようにして、2回絞り3回
しごき成形より絞りしごき缶を作成した。缶底接地部耐
衝撃性試験2を行った。缶底接地部耐衝撃性試験2での
通電値は不良(0.4mA)であった。
/m2 の錫めっき層を有し、他の片面にはSn及びNi
付着量として各々1.0g/m2 、0.25g/m2 を
Ni、Snの順にめっき後化成処理を施したSn/Ni
めっき層を有する鋼板{板厚0.24mm、硬度(HR
30T)61}のSn/Niめっき層面に、厚み30μ
mの2層構造のポリエステル系フィルム(表面層が3μ
mで接着層が27μm)を積層した。なお、ポリエステ
ル系フィルムは表面層及び接着層とも、テレフタル酸、
イソフタル酸とエチレングリコールからなるポリエステ
ルであり、接着層にはスチレンブタジエンラバーを衝撃
吸収樹脂として平均粒子径0.2μmとして9wt%分
散させた。また表面層の融点228℃接着層の融点21
3℃とした。
aは0.41μmであった。樹脂皮膜の表面粗度Raは
0.05μmであった。この樹脂積層鋼板を220℃で
10分間の熱処理後120℃で30分のレトルト処理を
行った後、樹脂皮膜を単離して測定した樹脂皮膜の衝撃
強度値は8.2g・cm/厚μmであった。樹脂皮膜を
缶内面となるようにして、2回絞り3回しごき成形より
絞りしごき缶を作成した。缶底接地部耐衝撃性試験3を
行った。缶底接地部耐衝撃性試験3での通電値は良好
(0.01mA)であった。
分間の焼付けを施した缶体にウーロン茶を充填し、コー
ティングされたアルミ蓋を巻締め、120℃で30分の
レトルト処理を行い2日間室温に保管した後20℃に1
日貯蔵した後、20℃のままで缶底の接地部に重さ60
0gの直角ブロックを高さ50mmから直角部が缶底の
接地部に衝突するように落として衝撃的変形をあたえた
後、開缶し缶胴の衝撃変形部を通電測定し、0.1mA
未満を良好(〇)、0.1mA以上を不良(×)と評価
した。通電測定は、1%NaCl溶液を用い電極(陰
極)と缶体との間に6.0vの電圧をかけ、流れる電流
を測定した。
7系合金のアルミニウム板の片方の表面に厚み25μm
の単層の融点225℃のテレフタル酸、イソフタル酸と
エチレングリコールからなるポリエステルフィルムを積
層した。樹脂皮膜積層面側のアルミニウム板の表面粗度
Raは0.51μmであった。樹脂皮膜の表面粗度Ra
は0.18μmであった。この樹脂積層鋼板を220℃
で10分間の熱処理後120℃で30分のレトルト処理
を行った後、樹脂皮膜を単離して測定した樹脂皮膜の衝
撃強度値は4.1g・cm/厚μmであった。樹脂皮膜
を缶内面となるようにして、2回絞り3回しごき成形よ
り絞りしごき缶を作成した。缶底接地部耐衝撃性試験3
での通電値は良好(0.09mA)であった。
g/m2 の錫めっきを、他の片面には付着量1.0g/
m2 の錫めっき後に化成処理を施した鋼板{板厚0.2
4mm、硬度(HR30T)61}の付着量1.0g/
m2 側の表面に厚み30μmの単層のポリアミドフィル
ム(ナイロン6融点220℃)を積層した。付着量1.
0g/m2 側の鋼板の表面粗度Raは0.62μmであ
った。樹脂皮膜の表面粗度Raは0.05μmであっ
た。この樹脂積層鋼板を220℃で10分間の熱処理後
120℃で30分のレトルト処理を行った後、樹脂皮膜
を単離して測定した樹脂皮膜の衝撃強度値は7.0g・
cm/厚μmであった。樹脂皮膜を缶内面となるように
して、3回絞り成形より深絞り缶を作成した。缶底接地
部耐衝撃性試験3での通電値は良好(0.04mA)で
あった。
着量1.0g/m2 側の表面に厚み35μmの2層構造
のポリエステル系フィルム(表面層が3μmで接着層が
32μm)を積層した。なお、表面層及び接着層とも、
テレフタル酸、イソフタル酸とエチレングリコールから
なるポリエステルであり、接着層にはポリアミド樹脂を
衝撃吸収樹脂として平均粒子径0.2μmとして15w
t%分散させた。また表面層の融点230℃接着層の融
点220℃とした。付着量1.0g/m2 側の鋼板の表
面粗度Raは0.30μmであった。樹脂皮膜の表面粗
度Raは0.23μmであった。この樹脂積層鋼板を2
20℃で10分間の熱処理後120℃で30分のレトル
ト処理を行った後、樹脂皮膜を単離して測定した樹脂皮
膜の衝撃強度値は8.3g・cm/厚μmであった。樹
脂皮膜を缶内面となるようにして、2回絞り3回しごき
成形より絞りしごき缶を作成した。缶底接地部耐衝撃性
試験3を行った。缶底接地部耐衝撃性試験3での通電値
は良好(0.07mA)であった。
Niめっき層面に、厚み30μmの2層構造のポリエス
テル系フィルム(表面層が2μmで接着層が28μm)
を積層した。なお、表面層及び接着層とも、テレフタル
酸、イソフタル酸とエチレングリコールからなるポリエ
ステルである。また表面層の融点230℃接着層の融点
215℃とした。Sn/Niめっき層側の鋼板の表面粗
度Raは0.45μmであった。樹脂皮膜の表面粗度R
aは0.05μmであった。この樹脂積層鋼板を220
℃で10分間の熱処理後120℃で30分のレトルト処
理を行った後、樹脂皮膜を単離して測定した樹脂皮膜の
衝撃強度値は3.5g・cm/厚μmであった。樹脂皮
膜を缶内面となるようにして、2回絞り3回しごき成形
より絞りしごき缶を作成した。缶底接地部耐衝撃性試験
3を行った。缶底接地部耐衝撃性試験3での通電値は不
良(0.6mA)であった。
Niめっき層面に、厚み30μmの2層構造のポリエス
テル系フィルム(表面層が2μmで接着層が28μm)
を積層した。なお、表面層及び接着層とも、テレフタル
酸、イソフタル酸とエチレングリコールからなるポリエ
ステルであり、接着層にはポリアミド樹脂を衝撃吸収樹
脂として平均粒子径0.2μmとして15wt%分散さ
せた。また表面層の融点230℃接着層の融点220℃
とした。Sn/Niめっき層側の鋼板の表面粗度Raは
0.91μmであった。樹脂皮膜の表面粗度Raは0.
15μmであった。この樹脂積層鋼板を220℃で10
分間の熱処理後120℃で30分のレトルト処理を行っ
た後、樹脂皮膜を単離して測定した樹脂皮膜の衝撃強度
値は8.2g・cm/厚μmであった。樹脂皮膜を缶内
面となるようにして、2回絞り3回しごき成形より絞り
しごき缶を作成した。缶底接地部耐衝撃性試験3を行っ
た。缶底接地部耐衝撃性試験3での通電値は不良(0.
4mA)であった。
表面粗度と樹脂皮膜の衝撃強度値の限定の相互作用効果
により、缶形状に成形後に落下等の衝撃を受けても熱可
塑性樹脂皮膜に亀裂やピンホールの入りにくい絞り缶及
び絞りしごき缶用の耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂積層
金属板にある。
Claims (8)
- 【請求項1】 少なくとも容器の内面となる表面粗度R
aが0.7μm以下の金属板表面に熱処理を行わない時
の衝撃強度値が4.0g・cm/厚μm以上である熱可
塑性樹脂皮膜を有することを特徴とする耐衝撃性に優れ
た熱可塑性樹脂積層金属板。 - 【請求項2】 少なくとも容器の内面となる表面粗度R
aが0.7μm以下の金属板表面に220℃で10分間
の熱処理後の衝撃強度値が4.0g・cm/厚μm以上
である熱可塑性樹脂皮膜を有することを特徴とする耐衝
撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金属板。 - 【請求項3】 少なくとも容器の内面となる表面粗度R
aが0.7μm以下の金属板表面に220℃で10分間
の熱処理及び120℃で30分のレトルト処理後の衝撃
強度値が4.0g・cm/厚μm以上である熱可塑性樹
脂皮膜を有することを特徴とする耐衝撃性に優れた熱可
塑性樹脂積層金属板。 - 【請求項4】 少なくとも容器の内面となる表面粗度R
aが0.7μm以下の金属板表面に衝撃強度値が8.0
g・cm/厚μm以上である熱可塑性樹脂皮膜を有する
ことを特徴とする耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金
属板。 - 【請求項5】 少なくとも容器の内面となる表面粗度R
aが0.7μm以下の金属板表面に220℃で10分間
の熱処理後の衝撃強度値が8.0g・cm/厚μm以上
である熱可塑性樹脂皮膜を有することを特徴とする耐衝
撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金属板。 - 【請求項6】 少なくとも容器の内面となる表面粗度R
aが0.7μm以下の金属板表面に220℃で10分間
の熱処理及び120℃で30分のレトルト処理後の衝撃
強度値が8.0g・cm/厚μm以上である熱可塑性樹
脂皮膜を有することを特徴とする耐衝撃性に優れた熱可
塑性樹脂積層金属板。 - 【請求項7】 熱可塑性樹脂皮膜の表面粗度Raが0.
20μm以下であることを特徴とする請求項1〜6に記
載の耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金属板。 - 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂がポリエステル組成物
主体であることを特徴とする請求項1〜7に記載の耐衝
撃性に優れた熱可塑性樹脂積層金属板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37442998A JP3927329B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 耐衝撃性に優れた容器用熱可塑性樹脂積層金属板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37442998A JP3927329B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 耐衝撃性に優れた容器用熱可塑性樹脂積層金属板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000190423A true JP2000190423A (ja) | 2000-07-11 |
JP3927329B2 JP3927329B2 (ja) | 2007-06-06 |
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ID=18503836
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP37442998A Expired - Fee Related JP3927329B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 耐衝撃性に優れた容器用熱可塑性樹脂積層金属板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3927329B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004011532A1 (ja) * | 2002-07-30 | 2004-02-05 | Toyo Kohan Co., Ltd. | 粗面樹脂フィルム、粗面樹脂フィルム被覆金属板、粗面樹脂フィルム被覆金属板の製造方法、粗面樹脂フィルム被覆面を有する金属缶およびその製造方法 |
JP2004528077A (ja) * | 2001-03-12 | 2004-09-16 | グラクソ グループ リミテッド | 計量式吸入器で使用されるキャニスター |
-
1998
- 1998-12-28 JP JP37442998A patent/JP3927329B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2004011532A1 (ja) * | 2002-07-30 | 2004-02-05 | Toyo Kohan Co., Ltd. | 粗面樹脂フィルム、粗面樹脂フィルム被覆金属板、粗面樹脂フィルム被覆金属板の製造方法、粗面樹脂フィルム被覆面を有する金属缶およびその製造方法 |
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